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JP4708081B2 - シート処理装置、および画像形成装置 - Google Patents

シート処理装置、および画像形成装置 Download PDF

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JP4708081B2 JP2005133674A JP2005133674A JP4708081B2 JP 4708081 B2 JP4708081 B2 JP 4708081B2 JP 2005133674 A JP2005133674 A JP 2005133674A JP 2005133674 A JP2005133674 A JP 2005133674A JP 4708081 B2 JP4708081 B2 JP 4708081B2
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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置やその他の事務機等から排出されるシートを受け入れてシート積載部材に積載するシート処理装置、およびシート処理装置を内蔵/接続した画像形成装置に関し、詳しくは、シート積載部材にシートを安定して積載する技術に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置から搬出されるシートを受け入れて、整合、仕分け、積載、針綴じ、整本、穿孔、検査等の処理を行うシート処理装置が実用化されている。また、画像形成装置の一部の機種では、このようなシート処理装置が内蔵されたり、購入選択肢(いわゆるオプション)として接続されたりする。
シート処理装置の一部の機種は、シート束を積載する最終的な積載トレイの上流側に処理積載部材を備えており、処理積載部材にシートを排出して積載することによりシート束を形成する。そして、シート束は、処理積載部材上で針綴じ処理等された後に、処理積載部材から積載トレイへ移動されて積載トレイに積載される。
特許文献1に示されるシート処理装置は、処理積載部材の上流側(搬送されるシートの後端側)に後端当接部材を配置して、搬送ベルトでシートの下面を駆動して後端当接部材に当接させることにより、シートの搬送方向を整合している。
特許文献1に示されるシート処理装置は、また、処理積載部材の搬送方向と直角な方向の片側(搬送されるシートの側端側)に側端当接部材を配置して、押し板でシートを押して側端整合部材に当接させることにより、シートの幅方向を整合している。
特開平8−67400号公報
特許文献1に示されるシート処理装置では、処理積載部材をシートの後端側へ向かって低く傾斜させているので、搬送ベルトをシートの後端側へ向かって一定時間作動させれば、シートが斜行することなくほぼ確実に後端当接部材に当接する。
しかし、傾斜に頼ってシートを後端当接部材へ導くためには、少なくともシートの重心が処理積載部材の上にあって、シートのかなりの面積が処理積載部材上に載っている必要がある。言い換えれば、A3サイズのシートを整合するためにはA3サイズより少し大きい広大な処理積載部材が必要である。また、広大な処理積載部材を傾斜状態で配置すると、処理積載部材を含む整合機構の高さも大きくなる。従って、シート処理装置の薄型化、小型化が困難であり、小型の卓上プリンタ等へ搭載することができない。
そこで、処理積載部材の長さを短縮してシートの重心を処理積載部材の外側へ位置させ、シートが処理積載部材から転落しないように上方からローラ部材で処理積載部材へシートを押し付け、このローラ部材を回転駆動してシートを上流側へ引き戻す技術が提案された。これにより、傾斜が無くてもシートを上流側へ引き戻して後端当接部材へ当接させることが可能となり、処理積載部材の小面積化と水平化が同時に達成され、シート処理装置の著しい小型化が実現して小型の卓上プリンタ等への搭載も可能になった。
また、この回転可能なローラ部材を停止状態で回転軸方向にスライドさせることにより、処理積載部材上でシートを摩擦して引き摺り、シートの幅方向に移動させて側端当接部材へ当接させることにより、幅方向の整合を行う技術も提案された。これにより、1つのローラ部材で後端整合と側端整合を行うことができ、特許文献1に示されるシート処理装置に比較して部品数が大幅に削減されて、シート処理装置のさらなる小型化と低価格化が可能になった。
このようなシート処理装置では、ローラ部材とシートとの間には若干のスリップが見込まれており、斜行したシートが後端当接部材(側端当接部材)に片当たりしても、スリップによってシートがローラ部材を中心に回転して斜行が修正される。従って、処理積載部材上のシートの停止位置から後端当接部材(側端当接部材)までシートを移動させるために必要な移動距離よりも少し多めの距離、つまりローラ部材の回転量や移動距離が設定されている。
しかし、一律不変に設定されたこの割り増しの距離は、小さなシートで十分に斜行を修正できても大きなシートでは斜行を修正できない可能性がある。また、積載1枚目のシートやコート紙のような表面でローラ部材が滑りを起し易いシートでも斜行を修正できない可能性がある。かと言ってこの距離を一律に増大すると、シートに摩擦痕が残ったり、しわや折れ曲がりを生じたり、曲がったシートの反発でシートが移動して(ローラ部材の当接を解除した際に)整合状態が乱れたり等、摩擦の弊害を生じてしまう。
本発明は、すべりを含んで搬送する距離を最適化することにより、処理積載部材での積載情報、シートのサイズ、種類等が変化しても、摩擦の弊害を深刻化させることなく、斜行を必要十分に修正して高精度にシートを整合できるシート処理装置を提供することを目的としている。
請求項1のシート処理装置は、所定搬送方向に搬送されるシートが積載される処理積載部材と、前記処理積載部材に搬送されたシートの上面に当接して回転又は移動することによって該シートを前記搬送方向の上流側に搬送可能な搬送手段と、前記搬送方向に関して前記搬送手段の上流に配置され、前記処理積載部材に搬送されたシートの前記搬送方向の上流側端部に当接可能な当接部材と、前記搬送手段の回転量又は移動量を制御することにより、前記処理積載部材に搬送されたシートを搬送させて該シートの前記上流側端部を前記当接部材に当接させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記処理積載部材に搬送されたシートの前記上流側端部を前記当接部材に当接させる際、前記処理積載部材の上のシートが1枚である場合と、前記処理積載部材の上のシートが2枚以上である場合とに応じて前記搬送手段の回転量又は移動量を変更するものである。
請求項のシート処理装置は、所定搬送方向に搬送されるシートが積載される処理積載部材と、前記処理積載部材に搬送されたシートの上面に当接した状態で前記搬送方向と交差する方向に移動することによって該シートを前記交差する方向に搬送可能な搬送手段と、前記搬送方向に交差する方向の一端側に配置され、前記処理積載部材上のシートの側端に当接可能な端当接部材と、前記搬送手段の移動量を制御することにより、前記処理積載部材に搬送されたシートを搬送させて該シートの前記側端を前記端当接部材に当接させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記処理積載部材に搬送されたシートの前記側端を前記側端当接部材に当接させる際、前記処理積載部材の上のシートが1枚である場合と、前記処理積載部材の上のシートが2枚以上である場合とに応じて前記搬送手段の移動量を変更するものである。
本発明のシート処理装置では、制御手段が、処理積載部材における現在の積載情報や、これから整合しようとするシートに関する情報を検知して、処理積載部材とシートの摩擦力(より好ましくはシートの表裏の摩擦力差または摩擦力比)に応じて、搬送手段による搬送長さ(ローラ部材であればその回転量や往復移動距離)を設定する。搬送長さとは、整合時のシートに必要な移動距離に所定のスリップ距離を加算した距離である。
つまり、シート下面全体の摩擦力が大きいと搬送中に搬送部材がスリップしたり、シートが回転して必要な整合量が増大したりする可能性が高まるので、シート下面の摩擦力が小さい場合よりもスリップ量を割り増しする。
例えば、積載1枚目のシートでは、シートと処理積載部材の摩擦となって2枚目以降のシート同士の摩擦よりも摩擦力が大きい一方、搬送手段とシート面の摩擦力は一定なので、2枚目のシートよりも搬送距離を割り増しする。
例えば、シートサイズが大きければ、1枚のシートの重量と摩擦面積が増大して摩擦力が増す一方、搬送手段とシート面の摩擦力は一定なので、また、シート下面の摩擦力の増大によって、同じすべり距離で修正され得るシートの平面内回転角が小さくなる可能性もあるので、シートサイズが小さい場合よりも搬送長さを割り増しする。
なお、シートサイズが大きければ、シートの平面内回転角に対するシートの斜行量も大きくなって、その斜行量を吸収するための搬送距離も増大する可能性があるので、シートサイズに関して言えば、摩擦力の増大割合以上に、搬送距離を割り増ししてもよい。
これにより、シートと搬送手段のスリップ距離を一律不変に設定する場合に比較して、搬送距離が適正化されて、処理積載部材における積載情報、シートのサイズ、種類等が変化しても、上述の摩擦の弊害を深刻化させることなく、斜行を必要十分に修正して高精度にシートを整合できる。
以下、本発明の一実施形態であるシート処理装置と、このシート処理装置を備えた画像形成装置の一形態である複写機を図面に基づいて説明する。しかし、本発明のシート処理装置は、本実施形態のステイプル処理には限定されず、単にシート積載部材にシートを積み重ねるだけの構成でもよく、穿孔処理等、他の処理を行う構成を付加してもよく、また、他の処理のみを行う構成や同じ処理を行う別の構成で実施してもよい。また、本発明の画像形成装置は、本実施形態の複写機には限定されず、ファクシミリ、プリンタ、これらの複合機等で実施されてもよい。
また、本実施形態のシート処理装置400は、複写機500の装置本体500A以外の印刷装置等に接続されてもよく、本実施形態のシート処理装置400は、装置本体500Aから分離可能な別筐体で構成しても、また、装置本体500Aの筐体内に分離不能に組み込まれてもよい。
なお、以下の説明では、搬送されるシートの上流側部分を後端、下流側部分を先端、後端と先端を結ぶシートの両側部分を側端とし、側端間の距離をシートの幅とし、シートの後端を揃えることを後端整合、側端を揃えることを側端整合、シートの幅を揃えることを幅整合としている。
<画像形成装置>
図1は本発明の一実施形態であるシート処理装置を備えた複写機の正面図である。本発明の画像形成装置である例えば複写機500は、画像形成手段である例えばプリンタ部200と、シート処理装置である例えばシート処理装置400とを備えている。
複写機500は、原稿の画像を読み取るリーダ部120と画像を形成するプリンタ部200とを装置本体500Aにまとめ、装置本体500Aに設けた空間SPに、画像形成されたシートを整合してステイプル処理するシート処理装置400を配置している。装置本体500Aの上部には、原稿を1枚ずつプラテンガラス102上に供給する自動原稿給送装置300(以下、「ADF」という)を後方側へ開閉可能に取り付けてある。
複写機500は、リーダ部120で読み取った原稿画像をプリンタ部200でシートに複写する複写機として機能する他、外部のパソコン等から送られてきた画像データをプリンタ部200で受けて、シートに画像を印刷するプリンタとしても機能する。さらに、複写機500は、リーダ部120で読み取った原稿画像のファクシミリ信号を他のファクシミリに送信したり、他のファクシミリからのファクシミリ信号を受信してプリンタ部200で印刷したりするファクシミリとしても機能する。
複数枚の原稿の画像を複写する場合、ADF300に原稿を積載して、1枚ずつ順次リーダ部120のプラテンガラス102上に搬送させ、停止させたスキャナユニット104の上方を通過させる。また、ADF300で扱えない原稿の画像を複写する場合、ADF300を後方側へ開いてプラテンガラス102上に原稿を載置し、スキャナユニット104を図中左右方向へ移動させる。いずれにせよ、スキャナユニット104のランプで照明された帯状の領域の画像が、ミラー105、106、107及びレンズ108を通してCCDイメージセンサ部109に結像し、CCDイメージセンサ部109によって線画像が読み取られて画像信号に光電変換され、画像データ化や画像処理等のデジタル処理が施される。
デジタル処理が施された画像信号は、プリンタ200の露光制御部201に送信されて、変調されたレーザ光の光信号に変換される。露光制御部201は、光信号を走査して感光体ドラム202に照射し、この照射光によって感光体ドラム202の表面に静電気の潜像が形成される。静電気の潜像は、現像器203でトナーを付着させて現像され、感光体ドラム202にトナー像が形成される。
トナー像の先端とタイミングを合わせて、シートカセット204、205からシートSが搬送され、転写部206にてトナー像がシートSに転写される。シートSに転写されたトナー像は、定着部207で高温加圧を受けてシートSに定着される。定着完了したシートSは、シート排出部208を通じてシート処理装置400へ受け渡される。
シート処理装置400は、複写機500の装置本体500Aの側部に形成された空間SPに、複写機の装置本体500Aからはみだすことなく収納されており、独立して昇降可能なスタックトレイ421、422を用いて、多量のシートを積載可能である。
<シート処理装置>
図2はシート処理装置の断面図、図3はオフセットローラの説明図、図4はシート処理装置の斜視図、図5はシート排出部材の駆動機構の説明図、図6はシート排出部材によるシート束排出の説明図、図7はシートクランプ部材の開閉装置の説明図、図8は押さえ部材の回動装置の説明図、図9はスタックトレイの昇降装置の説明図である。
本実施形態のシート処理装置は、処理積載部材である例えば処理トレイ410、排出部材である例えば搬送ローラ405、後端当接部材である例えばシート後端ストッパ411、側端当接部材である例えば幅方向位置決め壁416、搬送手段である例えばオフセットローラ407、制御手段である例えばCPU100、ローラ部材である例えばオフセットローラ407、シート束排出手段である例えばシート排出部材413、およびシートクランプ手段である例えばシートクランプ部材412を備えている。
図2に示すように、シート処理装置400は、装置本体500A(図1)から順次排出されるシートを一時積載する処理トレイ410と、処理トレイ410で形成されたシート束を最終的に積載するスタックトレイ(下ビン)421及びスタックトレイ(上ビン)422とを備えている。スタックトレイ421、422は、独立して昇降駆動され、コピージョブ以外のプリンタやファクシミリなどの出力に際して、スタックトレイ421、422を使い分けた分別積載が可能である。処理トレイ410は、オフセットローラ407を用いて、シートをスイッチバックさせることによりシートを積載する。
シート受け入れ部401は、装置本体500Aから排出されたシートを受け取る。シート受け入れ部401で受け取ったシートは、入口センサ403により検知された後、搬送ローラ405及びオフセットローラ407によって処理トレイ410に搬送されて積載される。処理トレイ410は、シートを処理するシート処理部400Bに設けられている。処理トレイ410に積載されたシートは、シート束排出センサ415により検知される。
オフセットローラ407は、正転・逆転・オフセット移動(軸方向移動)してシートを搬送するローラ部材であって、外周部がゴムもしくは発泡体等、ゴムに近い弾性を備えた弾性体で形成された一対の円筒形の外観を有する。オフセットローラ407は、図3に示すように、オフセット軸511を支点にして回動可能なオフセットローラホルダ406に支持される。
オフセットローラホルダ406は、オフセット軸511に沿って(シートの幅方向へ)移動可能に支持されており、図4に示すように、ピックアップソレノイド433からソレノイドアーム512、レバーホルダ513、離間レバー514、オフセットローラホルダ406を介して上下方向に回動され、ピックアップソレノイド433のオン・オフに応じてオフセットローラ407が上昇・下降する。図2に示すように、シートの後端が入口センサ403を抜ける検知信号でピックアップソレノイド433がオフされると、正転するオフセットローラ407が自重で下降してシート上に当接する。オフセットローラ407は、シートをシート搬送方向の下流側に搬送した後に逆転して、シートを上流側へ引き戻し、処理トレイ410の上流側端部に立設されたシート後端ストッパ411にシートの後端を突き当てる。
オフセットローラ407は、搬送ローラ405(図2)を共通に駆動する正逆転可能な搬送モータ431によりタイミングベルト523、ローラギヤ524、アイドラギヤ525、オフセットギヤ526、オフセットプーリ527、タイミングベルト522を介して回転駆動される。オフセットローラ407は、搬送モータ431の回転方向に応じて、正転して下流側へシートを搬送し、逆転して上流側へシートを搬送する。
オフセットローラ407は、正逆転可能なオフセットモータ432の駆動により、シートの幅方向に移動して幅方向位置決め壁416に接近・離間する。オフセットモータ432の回転は、オフセットモータギヤ432aからオフセットピニオン516に伝達され、オフセットラック515によってオフセット軸511に沿った直線運動に変換される。
搬送モータ431およびオフセットモータ432は、ステップモータを採用しており、それぞれのドライバに入力する入力パルス数によって回転量を制御可能である。搬送モータ431のドライバへ入力するパルス数によってシートの引き戻し量が制御され、オフセットモータ432のドライバへ入力するパルス数によってシートのオフセット移動量が制御される。
シート後端ストッパ411に突き当たって後端整合されたシートは、回転停止したオフセットローラ407が幅方向位置決め壁416に接近するのに伴って、当接するオフセットローラ407の摩擦力によって引き摺られるように移動しながら、シート押さえ510の下をくぐり、シート押さえ510によってカールが矯正されて幅方向位置決め壁416に当接することにより側端が整合される。シートSが幅方向位置決め壁416に突き当たった後も、オフセットローラ407は、シート上を多少滑りながら幅方向位置決め壁416へ向かって所定量移動して停止する。
処理トレイ410の裏面側には、図5〜図8に示すシート束排出部材413とその駆動装置が配置されている。シート束排出部材413は、処理されたシート束の後端部をシートクランプ部材412で挟み込んで、スタックトレイ421またはスタックトレイ422へ押し出して排出する。
図5の(a)に示すように、シート束排出部材413は、シートクランプ部材412の上側の爪412cを回動自在に備えており、付勢部560に付勢された上側の爪412cが下側の爪412dに対して開いたり閉じたりする。シート束排出部材413は、図5の(a)に示す位置から図5の(b)に示す位置まで、スライドレール555に沿って移動することにより、図6に示すように、整合されたシート束(或は整合後ステイプルされたシート束)SAをシートクランプ部材412により保持したまま、処理トレイ410の下流側で待機するスタックトレイ421(422)へ向かって移動させる。
シート束排出部材413は、図6の実線で示すシート排出位置、すなわち処理トレイ410の先端部に到達すると停止し、上側の爪412cを開放して、シート後端ストッパ411の方へ引き返す。これにより、シートクランプ部材412から開放されたシート束SAは、トレイ421(422)へ落下する。スタックトレイ421(422)に排出されたシート束SAの後端は、後述する押さえ部材421A(図2)によりスタックトレイ421(422)へ押さえ付けられる。
図7に示すように、クランプソレノイド434がオンされると、レバー434aから解除レバー部412aを介して上側の爪412cが駆動され、上側の爪412cが付勢部560の付勢に逆らって上方へ回動する。クランプソレノイド434は、オフセットローラ407がシートを下流側に搬送して回転を停止したとき、及びオフセットローラ407が幅方向に移動するとき、オンされる。
図5に示すように、シート束排出部材413に形成されている不図示のガイド用スリット内をピン553a、554aが回転移動することによって、シート束排出部材413は、処理トレイ410に沿って往復移動する。ピン553a(554a)は、スライドギヤ553(554)に固定されており、スライドギヤ553(554)は、ベルト551、プーリギヤ552を介してシート束排出モータ430により駆動される。
シート束排出部材413は、シート束排出モータ430が回転すると、スライドレール555に沿って、図5の(b)に示すスタックトレイ421(422)にシートを排出する位置と図5の(a)に示すシート後端ストッパ411付近のホームポジションとの間を往復移動する。シート束排出部材413は、通常、シート束排出モータ430の励磁によってホームポジションに位置決め停止されている。
図8の(a)に示すように、スライドギヤ554が回転して、スライドギヤ554の下部に設置されているカム554bがプレス部材556をシート搬送方向へ向かって移動させると、レバー部材557がシート搬送方向の移動を回転に変換し、回転の駆動力がコイルばね558を介して軸部421Aaに伝達されて、軸部421Aaが押さえ部材421Aを下方へ回動させる。一方、図8の(b)に示すように、カム554bがプレス部材556から自由なとき、押さえ部材421Aは、戻しコイルばね559により、スタックトレイ421(422)の積載面から離れて、上方へ待避する。
カム554bは、シート束排出部材413によるシート束排出の過程で、プレス部材556をシート搬送方向へ移動させて、押さえ部材421Aを下方へ回動させることにより、スタックトレイ421(422)に積載されたシートが排出されるシート束によって引き摺られないようにする。
図5の(b)に示すように、束排出モータ430に駆動されたスライドギヤ553(554)が回転して、シート束排出部材413がシート束をスタックトレイ421(422)に排出する位置へ達すると、図8の(b)に示すように、カム554bによるプレス部材556に対する押さえが解除される。このとき、押さえ部材421Aは、戻しコイルばね559によって、スタックトレイ421(422)のシートから離れて、シート束がスタックトレイ421(422)に落下するのを妨げないように、処理トレイ410(図4)下の空間へ引き込まれる。
図9を参照してスタックトレイ421の昇降装置509について説明する。スタックトレイ422の昇降装置509も同一に構成されており、スタックトレイ422の昇降装置509については詳細な説明を省略する。
図9に示すように、スタックトレイ昇降モータ530の回転は、ベルト531、プーリ532、回転軸533を介して、両端のウォームギヤ534、535に伝達される。ウォームギヤ534(535)の回転は、ウォームホイール536(541)、ウォームホイール536(541)に一体に形成されたギヤ537(542)からギヤ538(544)に伝達され、さらに、ギヤ538(544)と一体に形成されるギヤ539(543)からラック540(545)へ直線運動として伝達される。そして、ラック540、545に対するギヤ539(543)の相対移動により、スタックトレイ421が昇降する。
プーリ532に連動して回転するクラッチ560にはコイルばね561の一端側が巻きつけられ、コイルばね561の反対側はクラッチ562に巻き付いており、クラッチ562の溝には、回転軸533に圧入されているピン563が係合している。このような構成によって、プーリ532の駆動力は、コイルばね561を介してクラッチ560からクラッチ562へ伝達され、ピン563を通じて回転軸533へ伝達され、両端のウォームギヤ534、535が駆動される。クラッチ560、562およびコイルばね561は、一種のトルクリミッタを構成しており、スタックトレイ421の昇降負荷が過大になった際に、クラッチ560、562とコイルばね561の接続が空転して、回転軸533の回転を停止させ、それ以上はスタックトレイ421を上昇させない。
<シート処理装置の制御>
図10はシート処理装置400の制御部の構成を示すブロック図、図11、図12はシート処理装置の制御のフローチャート、図13はシートの後端整合および側端整合の説明図、図14はオフセットローラのホームポジション復帰の説明図、図15はシートクランプ部材412の開閉動作の説明図、図16はステイプル位置の説明図、図17は側端整合におけるオフセットローラの移動距離の説明図、図18はすべりを含む搬送距離の設定の説明図である。
図10に示すように、マイクロコンピュータシステムであるCPU100は、その内部にROM110、RAM121、シリアルインターフェイス部130等を内蔵している。ROM110には、図11、図12に示すフローチャートの制御手順に対応する処理プログラムが格納され、RAM121には、ROM110から読み出された処理プログラムが保持され、また、制御過程で順次発生する作業用データ、入力データ、通信データ、演算結果等がそのたびに書き込み/消去される。
シリアルインターフェイス部130は、装置本体500Aの制御部140との間で制御データの授受を行うとともに、他のコンピュータやFAX受信部(図示せず)とも双方向の通信が可能である。
CPU100の入力ポートには、入口センサ403、シート束排出センサ415等のセンサが接続されている。また、CPU100の出力ポートには、搬送モータ431、オフセットモータ432、シート束排出モータ430、スタックトレイ昇降モータ530、ピックアップソレノイド433、クランプソレノイド434等のモータ及びソレノイドが接続されている。
CPU100は、ROM110から処理プログラムを読み出してRAM121に保持させ、処理プログラムに従って、これらのセンサの出力を参照し、装置本体500Aの制御部140から送られてくる制御データに基づいて必要な演算処理を行い、これらの各種モータ、ソレノイド等を制御することにより、シート処理装置400の各部の制御を行う。
装置本体500Aの制御部140は、シート排出部208から排出するシートのサイズを把握しているので、CPU100は、装置本体500AからシートSが排出されるたびに、装置本体500Aの制御部140とシリアル通信をして、処理トレイ410上に積載されたシートのサイズを把握し、図17に示すように、シートサイズに応じたオフセットローラ407のシート幅方向の移動量(=シート移動量Y+スリップ量)を設定してオフセットモータ432を制御する。
CPU100は、搬送モータ431のドライバへ入力するパルス数を制御してオフセットローラ407によるシートの引き戻し量を制御し、また、オフセットモータ432のドライバへ入力するパルス数を制御してオフセットローラのオフセット移動量を制御する。
CPU100は、後述するように、処理トレイ410上の積載済みシートの有無、シートサイズ等に応じて、オフセットローラ407による引き戻し方向の搬送距離を搬送距離カウンタに設定し、また、オフセットローラ407のオフセット移動量を移動量カウンタに設定する。そして、シートの引き戻し開始後に搬送距離カウンタをデクリメントして搬送距離カウンタが0になるとオフセットローラ407を停止させる。また、オフセットローラ407のオフセット移動開始後に移動量カウンタをデクリメントして移動量カウンタが0になるとオフセット移動を停止する。これにより、シートの後端がシート後端ストッパ411に確実に当接し、その後、シートの側端が幅方向位置決め壁416に確実に当接する。
CPU100は、シートが所定枚数スタックトレイ421(422)へ積載されるごとに、あるいはシート束が積載されるごとに、スタックトレイ421(422)を下降させてシート面検知センサ573をOFFさせ、直ちにスタックトレイ421(422)を上昇させてシート面検知センサ573がONする高さ位置で停止させる。これにより、直前に積載したシート束の厚みだけスタックトレイ421(422)が下降して、積載済みシートの最上面(積載面)の高さがほぼ一定に維持される。
CPU100は、処理トレイ410へシートを積載する際には、シートの最上面(積載面)が処理トレイ410とほぼ一致する高さ位置までスタックトレイ421(422)を上昇させて、処理トレイ410へ積載されたシートの先端側をシートの最上面(積載面)によって支持させ、シートクランプ部材412が開いても、積載済みシート束をスタックトレイ421(422)へずり落ちさせない。
図1〜図10を用いて説明した各部機構の動作と制御を、図11、図12に示すフローチャートに基づいて、図13〜図16の動作説明図を参照しつつ説明する。図13〜図16に示すオフセットローラ407は、1対のオフセットローラホルダ406の間に位置しているが、図4に示したオフセットローラ407に対して、動作および機能に差はない。
装置本体500Aが画像形成を開始すると、図11に示すように、CPU100は、装置本体500Aの制御部140(図1、図11)からシート排出信号を受信したか否かをチェックする(S100)。そして、シート排出信号を受信した場合(S100のYES)、CPU100は、ピックアップソレノイド433をオンして(S110)、オフセットローラ407を引き上げるとともに、搬送モータ431をオンして(S120)、搬送ローラ405およびオフセットローラを順方向に回転開始させる。
画像形成されたシートの先端が入口センサ403をオンして(S130のYES)、搬送ローラ405に受け渡され、シートの後端がシート排出部208(図1)を抜けて入口センサ403(図2)がオフすると(S140のYES)、CPU100は、ピックアップソレノイド433をオフして(S150)、オフセットローラ407を落下させる。
これにより、図13の(a)に示すように、シート搬送方向に回転するオフセットローラ407が搬送中のシートSに接触し、シートSは、オフセットローラ407によって処理トレイ410上を下流側へ一旦搬送される。
その後、CPU100は、シートSが所定の位置まで搬送されると(S160のYES)、搬送モータ431の回転を停止して(S170)、図3に示す位置でシートSの搬送を停止させる。続いて、CPU100は、クランプソレノイド434をオンして(S180)、図13の(b)に示すように、シート後端ストッパ411の近傍に設置されているシートクランプ部材412を開く。
この後、CPU100は、装置本体500Aからのサイズ情報により、排出されるシートサイズをチェックする(S190)。また、束排出センサ415により処理トレイ410上に積載があるか否かを判断する(S191)。
積載紙が無い場合(S191のNO)、図18の(a)に示すように、シートSのサイズに応じたシート引き戻し距離、即ち処理トレイ上410に排出されたシートの後端をシート後端ストッパ411に突き当てる際のシートの搬送距離(オフセットローラ407の有効半径×回転角)を算出する(S194)。また、図17に示すように、排出されるシートのサイズに応じて移動距離Yが算出され、移動距離Yに加算するスリップ量をシートサイズに応じて設定して、図18の(b)に示すように、オフセットローラ407のすべりを含む搬送距離である移動距離を算出する。
本実施形態では、図18の(a)に示すように、シート引き戻し時のすべりを含む搬送距離を、シート搬送方向長さが279mm以上か否かによって判断しており、279mm以上は40mm、279mm未満は35mmとしているが、更に細分化して各サイズ毎にこの距離を可変することも可能である。
積載紙がある場合(S191のYES)、積載枚数をチェックする(S192)。そして、排出されるシートSのサイズ、及び、処理トレイ410の積載枚数に応じて、図18の(a)に示すように、シート引き戻し距離、即ちシートの後端をシート後端ストッパ411に突き当てる際のすべりを含む搬送距離を算出する(S193)。また、図17に示すように、排出されるシートのサイズに応じた移動距離Yが算出され、移動距離Yに加算するスリップ量をシートサイズに応じて設定して、図18の(b)に示すように、オフセットローラ407のすべりを含む搬送距離である移動距離を算出する。
いずれにせよ、引き戻し距離は、搬送モータ431の回転角のパルス数に換算されて搬送距離カウンタに設定され、オフセットローラ407の移動距離はオフセットモータ432の回転角のパルス数に換算されて移動量カウンタに設定される。
搬送距離カウンタの設定後、搬送モータ431を逆方向に起動して、オフセットローラ407を逆方向へ回転させ、設定されたカウント値だけの搬送を行う(S200)。これにより、図13の(b)に示すように、シートSが上流側に搬送されてシート後端ストッパ411に突き当てられ、後端を揃えられる。このときのオフセットローラ407のすべりを含む搬送距離は、シートSの斜行を考慮して、シートSのスイッチバック地点からシート後端ストッパ411までの距離よりも若干長く設定されている。
つまり、オフセットローラ407は、シートSをシート後端ストッパ411に当接させた後も、所定時間空回り(スリップ)して、斜行を修正し、シートの後端全体がシート後端ストッパ411に当接するようにしている。設定された距離だけの搬送が終了すると、搬送モータ431が停止する(S210)。
次に、図13の(c)に示すように、オフセットモータ432が起動し、オフセットピニオン516(図4)とオフセットラック515を介して、オフセットローラ407が駆動されてオフセット軸511に沿ってオフセット移動する。これにより、移動量カウンタに設定されたパルス数だけオフセットモータ432が回転して、見込んだ搬送距離だけオフセットローラ407がオフセット移動する(S220)。
オフセットローラ407が移動するとき、オフセットローラ407に接したシートSは、オフセットローラ407の摩擦力によって幅方向位置決め壁416の方に、オフセットローラ407と共に移動する。このときシートクランプ部材412は、シートSの移動の負荷とならないように、図15の(b)に示すように開いている。
次に、オフセットローラ407は、図13の(c)に示すように、シートSを幅方向位置決め壁416に突き当てた後、若干シートの上を滑りながら移動して止まる。この後、CPU100は、シートをオフセット移動させたことによって生じるシート後端の整合ズレを補正するため、オフセットローラ407を再び逆転させてシートの引き戻しを行う(S230)。これによって、1枚目のシートSの後端が再整合されて、シートの整合が完了する。
次に、このように1枚目のシートSの整合が完了すると、CPU100は、ピックアップソレノイド433をオンにして(S240)、図14の(a)に示すように、オフセットローラ407を上昇させた後、クランプソレノイド434をオフにする(S250)。これにより、図14の(b)に示すようにシートクランプ部材412が閉られ、整合済みのシートSは、シートクランプ部材412に挟持保持される。この結果、最初に排出されたシートSが、次に排出される後続シートによって、シート搬送方向の下流側に連れ送りされることを防ぐことができる。
次に、図14の(b)に示すように、オフセットローラ407は、持ち上げられたまま、オフセットモータ432により、オフセットピニオン516(図4)とオフセットラック515を介してホームポジションまで復帰移動する(S260)。
CPU100は、処理トレイ410上に収容されたシートSが、複写原稿の最終ページに対応した最終のシートか否かをチェックし(S270)、装置本体500Aから送られてきた情報に基づいて最終のシートSでないと判断した場合(S270のNO)、S100の処理に戻って、次に複写機の装置本体500Aから送られるシート排出信号を受信し、最終のシートSが処理トレイ410に積載されるまで、S100〜S270のフローを繰り返す。
これにより、シート処理装置400のCPU100は、装置本体500AからシートSが排出される毎に、シートSのサイズを把握するとともに、そのシートSに適したシート引き戻し移動量、幅方向移動量を算出して、その移動量に基づいて、オフセットローラ407の回転量およびオフセット移動量を可変にし、シートの後端をシート後端ストッパ411に突き当て整合した後にシートの側端を幅方向位置決め壁416に突き当て整合する。
CPU100は、最終シートであると判断された場合(S270のYES)、処理トレイ410上に複写原稿に対応したシート束が形成されていることになるので、次に、ステイプル処理が選択されているか否かをチェックし(S280)、選択されている場合には(S280のYES)、ステイプラユニット420を駆動して、図16に示すステイプル処理を実行する(S290)。
ステイプル処理が選択されていない場合(S280のNO)、或いはステイプル処理が完了した場合、CPU100は、図6に示すように、シート束SAをシートクランプ部材412により掴んだシート束排出部材413を、シート束排出モータ430によりスタックトレイ421、422の方に前進させ、シート束SAを排出させる(S300)。
次に、CPU100は、シート束SAの排出動作にあわせてスタックトレイ421の下降処理を行い(S310)、この後、シート束排出部材413をホームポジションに戻す(S320)。さらに、この後、CPU100は、搬送ローラ405、オフセットローラ407の回転を止めるため搬送モータ431を停止させ(S330)、ピックアップソレノイド433をオフさせることにより(S340)、オフセットローラ407を下げて一連の処理を終了する。
<本実施形態のシート処理装置の効果>
本実施形態のシート処理装置400は、オフセットローラ407だけで処理トレイ410上のシート搬送して後端および側端を整合するので、後端整合時と側端整合時に別々の搬送部材を用いる特許文献1に示されるようなシート処理装置に比較して、多くの部材を必要としない簡素な構成となる。
また、スタックトレイ421(422)にシート束の先端側を支持させるようにして、処理トレイ410の外側にシートの重心を位置させ、処理トレイ410を短くしたので、シート処理装置400全体の長さが短くなり、A3フルサイズの処理トレイを備えた特許文献1に示されるようなシート処理装置に比較してコンパクトに構成でき、比較的に小型の複写機500にも搭載できる。
また、シートの後端をシート後端ストッパ411に突き当てるときのオフセットローラ407の回転量を、シートの搬送を止めてスイッチバックさせる地点から、シート後端ストッパ411までの距離よりも若干多く搬送できるような回転量にしてあるので、言い換えれば、オフセットローラ407の逆転によりシートをシート後端ストッパ411に当接させる距離だけ搬送した後も、オフセットローラ407を所定時間逆転させるので、シートをシート後端ストッパ411に確実に当接させることができる。
また、シートの後端をシート後端ストッパ411に突き当てるときのオフセットローラ407の回転量を、シートサイズに応じて処理トレイ410とシートとの摩擦などを考慮し、また処理トレイ410上の積載済みシートの有無によっても可変することが可能となるので、シートが戻りきらなかったり、戻り過ぎてシートの後端部に皺が生じたりというような整合乱れを軽減して、後端整合時におけるシートの整合ズレを少なくすることができる。よって、高精度の後端整合処理を行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、図18に示すように、積載済みシートの有無に応じてすべりを含む搬送距離を異ならせているが、処理トレイ410上の積載枚数が10枚以上ある場合、10枚毎に移動距離を2mmずつ増加してもよく、シートの種類によっては10枚毎に移動距離を2mmずつ減少させてもよい。
また、本実施形態では、CPU100の中に仮想的に形成した搬送距離カウンタ、移動量カウンタを用いて搬送モータ431、オフセットモータ432の回転角を設定することによって、それぞれ引き戻し距離、オフセット移動距離を制御したが、オフセットローラ407の回転角度を検知するパルスエンコーダを設けて、その出力パルスをカウントすることにより引き戻しのすべりを含む搬送距離を制御してもよく、また、オフセット軸511に沿ってリニアエンコーダを設けて、その出力パルスをカウントすることによりオフセット移動のすべりを含む搬送距離を制御してもよい。
また、搬送モータ431およびオフセットモータ432を一定速度で回転させる一方、CPU100の中に仮想的に形成した引き戻し時間タイマー、オフセット移動時間タイマーにそれぞれのすべりを含む搬送距離に相当する作動時間を設定しておき、それぞれの設定時間だけ搬送モータ431、オフセットモータ432を作動させることにより、オフセットローラ407による引き戻し距離、オフセット移動距離を制御してもよい。
また、オフセットローラ407は、ステイプル処理モードの場合、シートを幅方向に移動させて位置決め壁416に突き当てているが、ステイプル処理モードでない(シートを綴じない)場合、シートの仕分けを行うことなく、そのまま排出するようにしてもよい。
また、ステイプラユニット420は、固定式となっており、幅方向位置決め壁416付近に配設されているが、これに限らず、移動式にして、シート搬送方向又は幅方向に移動できるようにしてもよい。このようにステイプラユニット420を移動式にすると、ステイプラユニット420は、シート束SAのシート搬送方向、或は幅方向の別箇所や複数箇所を綴じるステイプル処理を行うことができる。
また、本実施の形態のシート処理装置は、シートの後端と側端を整合するのに、オフセットローラ407を使用したが、ローラ部材でなく、部材自体がシート搬送方向に移動してシートを搬送するシート搬送方向移動手段と、シート搬送方向に対して直交する方向(幅方向)へ移動してシートを幅方向へ移動させるシート直交方向移動手段を用いても同様の効果が得られる。
また、本実施形態は、図11、図12のフローチャートに示す制御手順に対応するプログラムをROM110に記憶し、そのプログラムをCPU100が読み出しながら制御を行なっているが、制御プログラム上の処理をハードウェアが行うように構成しても同様の効果が得られる。
また、本実施形態は、スタックトレイ421、422の昇降制御、ステイプル動作制御等をシート処理装置400のCPU100により行うが、本発明は、これに限らず、複写機500の装置本体500Aに設けた制御部140により行ってもよい。
<別の実施形態>
図19〜図31を参照して本発明の別の実施形態であるシート処理装置、およびこのシート処理装置を備えた画像形成装置を説明する。なお、画像形成装置には、複写機、ファクシミリ、プリンタおよびこれらの複合機等がある。したがって、本発明のシート処理装置は複写機の装置本体のみに接続されるものではない。また、シート処理装置は、画像形成装置の装置本体内に組み込まれていてもよい。また、本実施形態のシート処理装置は、シート束を綴じるステイプラを備えているが、ステイプラの代わりにシートにパンチ孔をあける穿孔装置を備えていてもよい。
<画像形成装置>
図19は本発明の別の実施形態のシート処理装置を備えた画像形成装置の正面図である。別の実施形態の画像形成装置である例えば複写機1500は、画像形成手段である例えばプリンタ部1200と、シート処理装置である例えばシート処理装置1400とを備えている。
複写機1500は、リーダ部1100、プリンタ部1200、シート処理装置1400等で構成されている。複写機1500の上部には、原稿を1枚ずつプラテンガラス1102上に供給する自動原稿給送装置1300(以下、「ADF」という)を設けてある。複写機1500の装置本体1500Aの脇には、複写機1500の装置本体1500Aから排出されたシートに後処理を施すシート処理装置1400を接続してある。
図19に示すように、リーダ部1100は、原稿の画像を読み取って画像データに変換する。プリンタ部1200は、複数枚のシートPを積載した複数種類のシートカセット1204、1205を有し、プリント命令により画像データをシートPに可視像として形成する。
リーダ部1100は、ADF1300によって、原稿をプラテンガラス1102上の所定の位置に搬送して通過させながら、該所定の位置に停止させたスキャナユニット1104のランプ1103の光を原稿に照射するか、或いは、ユーザがADF1300を開いてプランテンガラス1102に載置した原稿に、左右方向に移動させたスキャナユニット1104のランプ1103の光を原稿に照射する。
原稿からの反射光は、ミラー1105、1106、1107、及びレンズ1108を通ってCCDイメージセンサ部1109に入力される。CCDイメージセンサ部1109に照射された原稿の反射光は、CCDイメージセンサ部1109で光電変換等の電気処理が行われ、通常のデジタル処理が施される。その後、これらの画像信号はプリンタ部1200に入力される。
プリンタ部1200に入力された画像信号は、露光制御部1201で変調されて光信号に変換されて、感光体1202を照射する。この照射光によって感光体1202上に作られた潜像は、現像器1203によってトナー現像されて、トナー画像となる。そして、トナー画像の先端とタイミングを合わせて、シートカセット1204、1205の一方からシートPが搬送されて、転写部1206で上記トナー画像がシートPに転写される。この転写されたトナー画像は、定着部1207でシートPに定着される。トナー画像を定着されたシートPは、パス1214をへて、シート排出部1208から、複写機1500の装置本体1500Aの外部に排出される。その後、シートには、シート処理装置1400であらかじめ指定された動作モードに応じて、仕分け、綴じ等が行われる。
1枚のシートの両面に画像形成する場合、定着部1207で片面にトナー画像が定着されたシートPは、実線の位置に保持された方向切り替え部材1209、1217により、パス1215、1218に案内されて、破線の位置に保持された方向切り替え部材1213により反転パス1212に案内される。シートPの後端が方向切り替え部材1213を通過した後に、方向切り替え部材1213を実線の位置に切り替えて、ローラ1211の回転方向を反転すると、シートPは、搬送方向を反転させられて、裏返しになり、被転写紙積載部1210へ搬送される。そして、シートPは、感光体1202に送られる。次の原稿がプラテンガラス1102に準備されると、上記プロセスと同様にして原稿の画像が読み取られるが、シートPについては被転写紙積載部1210から供給されるので、結局、同一シートの表面、裏面に2枚の原稿画像を形成することができる。
<シート処理装置>
図20は別の実施形態のシート処理装置1400を正面から見た断面図、図21は別の実施形態のシート処理装置の制御系のブロック図、図22はオフセットローラおよびクランプ機構の駆動機構の説明図、図23はオフセットローラのオフセット移動の駆動機構の説明図、図24は、オフセットローラの回転方向の制御の説明図、図25はクランプ機構の動作の説明図である。
本実施形態のシート処理装置1400は、処理積載部材である例えば処理トレイ1410、排出部材である例えば搬送ローラ1405、後端当接部材である例えば後端ストッパ1411、側端当接部材である例えば幅方向位置決め壁1416、搬送手段である例えばオフセットローラ1407、制御手段である例えばCPU1111、ローラ部材である例えばオフセットローラ1407、シート束排出手段である例えばクランプ機構1413、およびシートクランプ手段である例えばシートクランプ部材1412を備えている。
図20に示すように、シート処理装置1400は、装置本体1500A(図19)から順次排出されるシートを処理トレイ1410に一時的に積載し、処理トレイ1410上でオフセットローラ1407によりシートを搬送してシート束を形成し、処理トレイ1410上で形成されたシート束をスタックトレイ1421へ排出して最終的に積載する。ステイプラユニット1420は、後処理トレイ1410上に形成した原稿枚数に対応した枚数のシートの束を綴じるが、必ずしも備えている必要はない。
スタックトレイ1421は、昇降駆動用のスタックトレイ昇降モータ135を搭載しており、シート処理装置1400に沿って任意の高さに移動して停止可能である。スタックトレイ1421は、シート束が積載されると、シート束の厚み分下降して、次のシート束の排出に支障がないようにする。また、処理トレイ1410を短くして、スタックトレイ1421に積載されたシート束PBの最上面で処理トレイ1410上のシート束の大部分を支持させるので、言い換えれば、スタックトレイ1421に積載されたシート束PBが処理トレイ1410の一部を構成しているので、処理トレイ1410からシート束PBが排出されると、スタックトレイ1421に積載されたシート束PBの最上面が処理トレイ1410とほぼ合致する位置まで、スタックトレイ昇降モータ1135によってスタックトレイ1421を下降させる。
図21の(a)に示すように、マイクロコンピュータシステムからなるCPU1111は、装置本体1500A内の制御部1501(図19)からの制御信号に基づいてシート処理装置1400を制御するが、装置本体1500A内の同じくマイクロコンピュータシステムからなる制御部1501とCPU1111は、いずれか一方に一体化されていてもよい。
CPU1111は、ROM1110を有している。ROM1110には、図26に示すフローチャートに記載した制御手順に対応するプログラム等を格納してある。CPU1111は、ROM1110に格納してあるプログラムを読み出し、実行し、各部の制御を行うようになっている。
CPU1111は、RAM1120を有している。RAM1120には、図21の(b)に示す作業用データ1121を格納してある。CPU1111は、作業用データ1121をもとにして各部を制御するようになっている。
CPU1111は、シリアルインターフェイス部1130を備えている。CPU1111は、このシリアルインターフェイス部1130によって、装置本体1500Aの制御部1501と、制御データや制御信号を授受して、各部の制御を行うようになっている。
CPU1111の入力ポートには、装置本体1500Aからシート受け入れ部1401(図20)に送り込まれてきたシートを検知する入口センサ1403、オフセットローラ1407(図23)がオフセットホームポジションにいるか否かを検知するオフセットホームポジションセンサ1150、クランプ機構1413(図25)がホームポジション1413aにいるか否かを検知する束排出ホームポジションセンサ1160、スタックトレイ1421(図20)にシート束が排出されたか否かを検知するシート束排出センサ1230、及び処理トレイ1410(図24)にシートが排出されて積載されたか否かを検知するシート排出センサ1415等のセンサを接続してある。
CPU1111の出力ポートには、オフセットローラ1407(図23)を回転させてシートを最初下流側へ、続いて上流側へ搬送する搬送モータ1431、オフセットローラ1407(図23)を軸方向に移動させてシートを側端方向に移動させるオフセットモータ1432、クランプ機構1413(図22)をホームポジション1413aからシート束排出位置(図25)へ往復移動してシート束をスタックトレイ1421へ排出するシート束排出モータ1430、及びスタックトレイ1421(図20)を昇降させるスタックトレイ昇降モータ1135等のモータに加えて、オフセットローラ1407(図23)を昇降させるピックアップソレノイド1433、及びクランプ爪1412(図22)を開閉するクランプソレノイド1434等のソレノイドを接続してある。
CPU1111は、これらのセンサの各検知信号に基づき、ROM1110に格納してあるプログラムを実行し、出カポートに接続してある各モータ、ソレノイド、及びステイプラユニット1420等を制御する。
なお、クランプ機構1413はシートの幅方向に2基配置されており、束排出ホームポジションセンサ1160、シート束排出モータ1430、クランプソレノイド1434、シート束排出センサ1230は、それぞれのクランプ機構1423に対応して2個づつ設けてあるが、両者は構成および制御が同一であるので、同一符号を付して片方のクランプ機構1413に関する説明は省略する。
図22、図23に示すように、搬送モータ1431、ベルト1435、1437、角軸1418、プーリ1442、1443、オフセットローラアーム1406、及びオフセットローラ1407等は、シートをシート搬送方向の下流側と上流側とに選択的に移動させる搬送方向移動装置1446を構成している。
図22に示すように、オフセットローラ1407は、矢印U、D方向へ回転して昇降可能なオフセットローラアーム1406に支持されており、上昇してシートを処理トレイ1410上へ受け入れ、下降してシートを処理トレイ上で搬送する。オフセットローラアーム1406は、丸孔1406aによって、断面正方形の角軸1418に回転自在に支持されている。オフセットローラアーム1406は、図23に示すように、角軸1418に沿って移動可能に設けたピックアップソレノイド1433によって駆動され、図22に示すように矢印U、D方向に回動してオフセットローラ1407を昇降させる。
図23に示すように、搬送モータ1431は、角軸1418の一端側に配置され、その回転量に応じた量だけ搬送ローラ1405、及びオフセットローラ1407をシートの搬送方向、或いはシートの搬送方向の逆方向に回転させる。搬送モータ1431の回転は、ベルト1432、1433、1435、角軸1418、プーリ1442を介して搬送ローラ1505及びオフセットローラ1407へ伝達される。
オフセットモータ1432、ピニオン1439、ラック1441、ラック支持部材1444、角軸1418、オフセットローラアーム1406、及びオフセットローラ1407等は、シートを幅方向に移動させる交差方向移動装置1445を構成している。交差方向移動装置1445は、オフセットローラアーム1406を、オフセットホームポジション1416d(図27)から側端整合基準板1416(図27)へ当接する位置までシートを幅方向に移動させる。
オフセットローラ1407は、オフセットモータ1432が回転すると、ピニオン1439とラック1441によって、ステイプラ1420の方向へ移動するようになっている。オフセットローラ1407がステイプラ1420の方向へ移動すると、シートに対する接触摩擦により、オフセットローラ1407がシートを処理トレイ1410上で引き摺ってオフセットローラ1407に追従移動させ、側端整合基準板1416(図27)まで移動させる。
プーリ1442は、中心の角孔を角軸1418に挿入して取り付けられ、角孔と角軸1418の係合によって、角軸1418と一体に回転し、かつ角軸1418上をオフセットローラアーム1406等と一緒にスラスト方向に移動可能である。
1対のオフセットローラアーム1406の間には、ラック1441を有する平面視コ字状のラック支持部材1444が角軸1418に支持されて配設されている。ラック支持部材1444は、オフセットローラアーム1406と同様な丸孔によって角軸1418に回転自在に支持されている。ラック支持部材1444は、オフセットローラアーム1406と一緒に角軸1418上をスラスト方向へ移動する一方、角軸1418が回転しても角軸1418に追従回転しない。ラック1441は、固定のオフセットモータ1432に設けたピニオン1439が噛合している。
したがって、ベルト1437、プーリ1443、オフセットローラアーム1406、及びオフセットローラ1407は、角軸1418を中心にして、図22に示す矢印U、D方向に昇降回転できるようになっているとともに、角軸1418に案内されて、かつラック支持部材1444の移動に伴なって、図23に示すように、シートの幅方向に移動して、ステイプラユニット1420に接近・離間できる。
図24に示すように、オフセットローラ1407は、処理トレイ1410にシート先端が搬送され、シート後端が入口センサ1403(図20)により検知されると、ピックアップソレノイド1433(図23)がオフになることによって、自重で下降して、搬送方向に回転しつつシートの上面を圧接し、シートを下流側へ搬送してシート全体を処理トレイ1410に積載させる。オフセットローラ1407は、その後、停止して逆方向に回転し、後端ストッパ1411にシートの後端を当接させて整合する。後端整合の後、オフセットローラ1407はシートとの摩擦力を利用してシートを幅方向に移動させ、側端整合基準板1416(図27)に突き当てて側端整合処理を行う。側端整合処理が終わると、オフセットローラ1407は、オフセットモータ1432の逆転によって、オフセットホームポジションセンサ1150(図23)がオンになるオフセットホームポジション位置まで戻って、停止する。オフセットローラ1407は、オフセットホームポジションに戻るとき、シートから離れて戻るので、シートの側端整合を乱さない。
後端ストッパ1411付近に設置してあるクランプ機構1413は、図22に示すように、固定のシート束排出モータ1430が回転すると、クランプ機構1413に取り付けたラック1452をピニオン1451が駆動することにより、図25に示すように、スタックトレイ1421に接近・離間移動する。
クランプ機構1413のクランプ爪1412は、図22に示すように、クランプ機構1413と一体に移動するクランプソレノイド1434の作動によって、矢印方向に開閉する。クランプ爪1412は、オフセットローラ1407を用いて処理トレイ1410上で整合されたシートの後端を挟み込んで保持し、次に排出されるシートをオフセットローラ1407で搬送する際に下のシートを連れ送りさせない。
図25に示すように、クランプ機構1413は、処理トレイ1410上で形成されたシート束PBをクランプ爪1412で保持したまま、ホームポジション1413aから、スタックトレイ1421に向けて押し出し、束出し位置1413bまで移動して、クランプ爪1412を開放することにより、処理トレイ1410からスタックトレイ1421へ排出する。クランプ機構1413のホームポジション1413aは、束排出ホームポジションセンサ1160によって検知される。また、スタックトレイ1421にシート束が排出されたか否かは、スタックトレイ1421に設けたシート束排出センサ1230によって検知される。
<シート処理装置の制御>
図26は本実施形態のシート処理装置におけるシート束形成制御のフローチャート、図27はシートを処理トレイへ積載する状態の説明図、図28はシートの後端を整合する状態の説明図、図29はシートの側端を整合する状態の説明図、図30はオフセットローラをホームポジションへ復帰させる状態の説明図、図31はオフセットローラのオフセット移動距離の設定の説明図である。
図27、図28、図29、図30に示されるオフセットローラアーム1406は、構成を理解しやすくするため、1対のオフセットローラ1407の外側に図示されるが、実際には、図23に示すように、1対のオフセットローラ1407の間に配設してある。また、図27に示すように、側端整合基準板1416は、シート搬送方向に沿って平行に設けられている。
本実施形態のシート処理装置1400では、上述の側端整合処理を行う際に、処理トレイ1410に最初に載置されるシートに対しては、側端整合基準板1416に突き当てる際のすべりを含む搬送距離、すなわちオフセットローラ1407のオフセット移動量を、処理トレイ1410に載置される2枚目以降のシートに対するよりも増加させる。
オフセットローラ1407に引き摺られたシートが側端整合基準板1416に突き当たると、シートの上をオフセットローラ1407が摩擦して滑る間に側端整合基準板1416に対するシートの斜行が正され、さらに滑って側端整合処理が終了する。通常のシートでは、シート同士の摩擦力よりも、処理トレイ1410とシートとの摩擦力の方が大きいので、CPU1111は、処理トレイ1410に最初に載置されるシートに対して、オフセットローラ1407のオフセット移動量を増加させる。
シート処理装置1400では、CPU1111が、処理トレイ410上に最初に載置されるシートに対して、オフセット移動量を増加させて側端整合を行うので、処理トレイ1410との摩擦力によってシートが側端整合基準板1416に到達しないことによる整合乱れを軽減して、高精度の側端整合処理を行うことができ、側端整合時におけるシートの整合ズレを少なくできる。また、CPU1111は、装置本体1500Aから送られてくるシートのシートサイズ等のシート情報を把握し、シート情報から判別した各種の摩擦関連条件を、オフセットローラ1407を幅方向に移動させるオフセットモータ432の回転量に反映させる。
装置本体1500Aの制御部1501(図19)は、シート排出部1208から排出するシートのサイズを把握している。このため、CPU1111は、制御部1501とシリアル通信を行う。CPU1111は、処理トレイ1410に積載されたシートの幅サイズを判断して、側端整合基準板1416(図27)までのオフセット移動量を算出し、処理トレイ1410におけるシート積載状態やシートサイズ等に応じてオフセット移動量を補正する。そして、算出・補正したオフセット移動量を用いて側端整合処理を行う。
図26に示すように、装置本体1500A(図19)で複写作業が開始されると、CPU1111は、装置本体1500Aの制御部1501からシート排出信号が送られて来るのを待つ(S1100)。CPU1111は、制御部1501からのシート排出信号を、シリアルインターフェイス部1130を介して受信すると、図23に示すピックアップソレノイド1433を駆動させて、オフセットローラアーム1406を図22に示す矢印U方向に回転させて、オフセットローラ1407を上昇させる(S1110)。
図27に示すように、CPU1111は、搬送モータ1431を起動して、搬送ローラ1405及びオフセットローラ1407を矢印E方向に回転させる。これにより、搬送ローラ1405は、装置本体1500Aのシート搬送方向と同じ方向にシートを搬送可能となり、オフセットローラ1407は上昇して回転し(S1120)、搬送ローラ1405によりシートが処理トレイ1410へ送られて来るのを待つ状態になる。
そして、CPU1111は、入口センサ1403(図19)から1枚目のシートの後端を検知したシート進入検知信号を受けると(S1130)、ピックアップソレノイド1433の駆動を解除して、オフセットローラ1407を自重で矢印D方向に下降させて、図27に実線で示すようにシート面に当接させる(S1140)。矢印E方向に回転するオフセットローラ1407は、搬送モータ1431によって回転を継続し、シートを矢印F方向に搬送する。
CPU1111は、シートが、図6に示すクランプ爪1412を超えて、所定の位置まで搬送されると(S1150)、搬送モータ1431を停止させて、オフセットローラ1407の回転を、一旦停止させ、シートの矢印F方向への搬送を停止させる(S1160)。
シートは1枚目であるので、CPU1111は、クランプソレノイド1434(図22)を作動させて、ホームポジション1413a(図25)に待機しているクランプ機構1413のクランプ爪1412を開く(S1170)。
CPU1111は、搬送モータ1431を逆転させて、図28に示すように、オフセットローラ1407をシート搬送方向とは逆方向の矢印G方向に回転させて(S1180)、シートを上流側である矢印K方向に逆送して、シートの後端を後端ストッパ1411に突き当ててシート後端整合を行い(S1190)、オフセットローラ1407の回転を停止させる(S1200)。
CPU1111は、制御部1501から受信したシートの情報により、シートが綴じ処理を実行するシートであるか否かを判断し(S1210)、綴じ処理を実行しないシートである場合(S1210のNO)は、オフセットローラ1407による側端整合処理を行うことなく、オフセットローラ1407を上昇させて(S1290)、クランプ爪1412を閉じさせる。
しかし、綴じ処理を実行するシートである場合(S1210のYES)、制御部1501(図19)からの受信データにより、シートサイズを把握し、シートサイズに応じたオフセット移動量を演算する。
図31に示すように、A3シートの縦送りでは、側端整合基準板1416とシート側端との距離が10mm、B4、A4、B5シートでは、それぞれ30、53、67mmである。サイズが大きくなると、シートを移動させる際のオフセットローラ1407とシート表面の滑りが大きくなるので、A3、B4、A4、B5のシートサイズに対して、滑り量を考慮した補正率1.2、1.1、1.0、1.0がそれぞれのシート移動距離に乗じられる。
CPU1111は、処理トレイ1410上の何枚目のシートであるかを判断して、1枚目のシートであると判断した場合には、2枚目以降のシートを移動させる場合よりもオフセット移動量を補正して割り増しする。1枚目のシートに対してはサイズによる補正値にさらに1.12が乗じられ、2枚目以降のシートに対しては1.05が乗じられる(S1220)。
このとき、受信データに付加されたシートの摩擦関連情報により、例えば、合紙など、摩擦力が他のシート束を形成するシートと異なる場合や、シートサイズが変化した場合等は、その都度、オフセット移動量を補正し直して、シート1枚ごとに最適なオフセット移動量を設定する。
CPU1111は、オフセットモータ1432を起動して、シート毎に設定されたオフセット移動量だけ、回転停止状態のオフセットローラ1407を側端整合基準板1416へ向かって移動させる。このとき、オフセットローラ1407に接しているシートは、オフセットローラ1407の摩擦力によって側端整合基準板1416へ向かって引き摺られて移動する(S1221)。シートは、側端整合基準板1416に当接して斜行を正され、その後、オフセットローラ1407がシートの上を少し滑って、側端整合処理が完了する。
側端整合処理が完了すると、CPU1111は、シートのオフセット移動によって発生したシート後端の若干の整合ズレを補正するために、再び、オフセットローラ1407をシート搬送方向と逆方向に回転させてシートの後端を後端ストッパ1411に突き当てさせる(S1230)。
後端整合処理が完了すると、CPU1111は、ピックアップソレノイド1433を作動させて、オフセットローラ1407を上昇させた(S1250)後、クランプソレノイド1434の駆動を解除してクランプ爪1412を閉じさせ、整合済みのシートを押さえて保持させる(S1260)。これにより、処理トレイ1410上のシートは、次に排出されるシートによってシートの搬送方向へ連れ送りされないで済む。オフセットローラ1407は、上昇した状態で、オフセットモータ1432によりラック1441とピニオン1439を介して初期のホームポジションまで移動する(S1270)。
この後、CPU1111は、制御部1501から受信したシートの情報を判別して、処理トレイ1410上に積載されたシートが複写原稿の最終ページに対応したシートか否かをチェックし(S1280)、最終ページでないと判断した場合(S1280のYES)は、S100に戻って次に制御部1501から送られるシート排出信号を受信し、最終ページのシートが処理トレイ410に積載されるまで、S1100〜S1280のフローを繰り返す。
これにより、シート処理装置1400のCPU1111は、装置本体1500Aからシートが排出される毎に、シートのサイズを把握するとともに、そのシートの綴じ処理に適したオフセット位置にシートを整合させる。
一方、最終ページであると判断された場合(S1280のYES)、処理トレイ1410上には複写原稿に対応したシート束が形成されているので、CPU1111は、ステイプル処理が選択されているか否かをチェックし(S1300)、選択されている場合(S1300のYES)には、ステイプルユニット1420を駆動してステイプル処理を実行する(S1310)。
ステイプル処理が完了した後、或いはステイプル処理が選択されていない場合(S1300のNO)、CPU1111は、シート束排出モータ1430を起動させて、ラック1452とピニオン1451を介してクランプ機構1413を移動させる。クランプ機構1413は、クランプ爪1412によりシート束を掴んだ状態で、ホームポジション1413aからスタックトレイ1421の方に前進し、束排紙位置1413bに移動する(S1320)。その後、クランプソレノイド1434を駆動して、クランプ爪1412を開くことにより、シート束をスタックトレイ1421へ落下させる。
そして、CPU1111は、排出したシート束の厚み分だけスタックトレイ421を下降させる処理を行う(S1330)。本実施形態のシート処理装置1400では、スタックトレイ421に積載されたシート束が処理トレイ410の一部を構成しているので、処理トレイ1410からシート束が排出されると、スタックトレイ1421に積載されたシート束の最上面が処理トレイ1410とほぼ合致する位置まで、スタックトレイ昇降モータ1135を作動させてスタックトレイ1421を下降させる。
CPU1111は、クランプ機構1413を、ホームポジション1413aに戻し(S1340)、搬送モータ1431を停止させて、搬送ローラ1405及びオフセットローラ1407の回転を停止させ(S1350)、ピックアップソレノイド1433をオフさせて、処理トレイ1410上にオフセットローラ1407を下降させる(S1360)ことにより、一連の処理、例えば、後端ストッパ1411でシートの後端を整合し、側端整合基準板1416でシートの側端を整合し、処理トレイ1410上に形成したシート束をステイプラユニット420で綴じて、スタックトレイ1421に排出する処理が完了する。
なお、以上の動作において、シートの後端と側端とを整合して形成したシート束をステイプラ1420で針綴じ処理することなく、処理トレイ1410からスタックトレイ1421へ排出してもよい。
また、シートやシート束は、スタックトレイ1421に必ずしも排出する必要はなく、処理トレイ1410に形成されたシート束を操作者が直接に取り出してもよい。
また、本実施形態のシート処理装置1400は、図26に示すフローチャートに記載した制御手順に対応するプログラムを図21に示すROM1110に書き込んでそのプログラムをCPU1111が読み出して各部の制御を行うが、制御プログラム上の処理をハードウェアが行うように構成しても同様の効果が得られる。
また、本実施形態のシート処理装置では、オフセットローラ1407のオフセット移動量に対してシートサイズおよび積載枚数に応じた補正を施したが、制御部1501(図19)からの受信データに別項目の摩擦関連データを付加したり、また、受信データによらず摩擦関連データを取得できるセンサをシート処理装置1400に配置したりして、摩擦関連データによるオフセット移動量の補正を一層充実させてもよい。
例えば、シートの表面側の摩擦係数が裏面側よりも大きい場合と、裏面側の摩擦係数が表面側よりも大きい場合と、表裏の摩擦係数がほぼ同一の場合とでそれぞれ異なる係数を乗じることにより、コート紙等で表面と裏面の摩擦係数が大きく異なる場合に対処してもよく、両面印刷と片面印刷、カラー印刷とモノクロ印刷の違いで異なる係数を乗じてもよく、処理トレイ1410上の積載枚数が10枚増えるごとに係数を異ならせてもよく、薄いシートやコシの弱いシートでは、シート保護を優先してオフセット移動量を少な目に設定してもよく、周囲温度、湿度、画像形成頻度に応じてオフセット移動量を変化させてもよい。
いずれにせよ、シートをオフセット移動させる際のオフセットローラ1407のオフセット移動量を最適化することにより、特別な部品を追加したり、機構的な変更を伴うことなく、CPU1111の処理プログラムのわずかな変更だけで、シートに皺や折れ曲がりやへたりを生じることなく、側端整合基準板1416へシート側端を確実に当接させて斜行を取り除き、シート側端の整合品質を向上させることができる。
本発明の一実施形態であるシート処理装置を備えた複写機の正面図である。 シート処理装置の部分的な断面図である。 オフセットローラの説明図である。 シート処理装置の斜視図である。 シート排出部材の駆動機構の説明図である。 シート排出部材によるシート束排出の説明図である。 シートクランプ部材の開閉装置の説明図である。 押さえ部材の回動装置の説明図である。 スタックトレイの昇降装置の説明図である。 シート処理装置の制御部の構成を示すブロック図である。 シート処理装置の制御のフローチャートの前半部分である。 シート処理装置の制御のフローチャートの後半部分である。 シートの後端整合および側端整合の説明図である。 オフセットローラのホームポジション復帰の説明図である。 シートクランプ部材の開閉動作の説明図である。 ステイプル位置の説明図である。 側端整合におけるオフセットローラの移動距離の説明図である。 すべりを含む搬送距離の設定の説明図である。 本発明の別の実施形態のシート処理装置を備えた画像形成装置の正面図である。 別の実施形態のシート処理装置を正面から見た断面図である。 別の実施形態のシート処理装置の制御系のブロック図である。 オフセットローラおよびクランプ機構の駆動機構の説明図である。 オフセットローラのオフセット移動の駆動機構の説明図である。 オフセットローラの回転方向の制御の説明図である。 クランプ機構の動作の説明図である。 本実施形態のシート処理装置におけるシート束形成制御のフローチャートである。 シートを処理トレイへ積載する状態の説明図である。 シートの後端を整合する状態の説明図である。 シートの側端を整合する状態の説明図である。 オフセットローラをホームポジションへ復帰させる状態の説明図である。 オフセットローラのオフセット移動距離の設定の説明図である。
符号の説明
100、1111 制御手段(CPU)
140、1501 演算制御装置(制御部)
200、1200 画像形成手段(プリンタ部)
400、1400 シート処理装置
405、1405 排出部材(搬送ローラ)
407、1407 搬送手段、ローラ部材(オフセットローラ)
410、1410 処理積載部材(処理トレイ)
411、1411 当接部材、後端当接部材(シート後端ストッパ、後端ストッパ)
412、1412 シートクランプ手段(シートクランプ部材、クランプ爪)
413、1413 シート束排出手段(シート束排出部材、クランプ機構)
416、1416 当接部材、側端当接部材(幅方向位置決め壁、側端整合基準板)
421、422、1421 シート積載部材(スタックトレイ)
500、500A、1500A 画像形成装置(複写機、装置本体)

Claims (7)

  1. 所定搬送方向に搬送されるシートが積載される処理積載部材と、
    前記処理積載部材に搬送されたシートの上面に当接して回転又は移動することによって該シートを前記搬送方向の上流側に搬送可能な搬送手段と、
    前記搬送方向に関して前記搬送手段の上流に配置され、前記処理積載部材に搬送されたシートの前記搬送方向の上流側端部に当接可能な当接部材と、
    前記搬送手段の回転量又は移動量を制御することにより、前記処理積載部材に搬送されたシートを搬送させて該シートの前記上流側端部を前記当接部材に当接させる制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記処理積載部材に搬送されたシートの前記上流側端部を前記当接部材に当接させる際、前記処理積載部材の上のシートが1枚である場合と、前記処理積載部材の上のシートが2枚以上である場合とに応じて前記搬送手段の回転量又は移動量を変更することを特徴とするシート処理装置。
  2. 前記制御手段は、前記処理積載部材に搬送されたシートの前記上流側端部を前記当接部材に当接させる際、前記処理積載部材の上のシートが1枚である場合には、前記処理積載部材の上のシートが2枚以上である場合よりも、前記搬送手段の回転量又は移動量を増加させることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
  3. 所定搬送方向に搬送されるシートが積載される処理積載部材と、
    前記処理積載部材に搬送されたシートの上面に当接した状態で前記搬送方向と交差する方向に移動することによって該シートを前記交差する方向に搬送可能な搬送手段と、
    前記搬送方向に交差する方向の一端側に配置され、前記処理積載部材上のシートの側端に当接可能な側端当接部材と、
    前記搬送手段の移動量を制御することにより、前記処理積載部材に搬送されたシートを搬送させて該シートの前記側端を前記側端当接部材に当接させる制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記処理積載部材に搬送されたシートの前記側端を前記側端当接部材に当接させる際、前記処理積載部材の上のシートが1枚である場合と、前記処理積載部材の上のシートが2枚以上である場合とに応じて前記搬送手段の移動量を変更することを特徴とするシート処理装置。
  4. 前記制御手段は、前記処理積載部材に搬送されたシートの前記側端を前記側端当接部材に当接させる際、前記処理積載部材の上のシートが1枚である場合には、前記処理積載部材の上のシートが2枚以上である場合よりも、前記搬送手段の移動量を増加させることを特徴とする請求項3記載のシート処理装置。
  5. シート束を積載可能なシート積載部材と、
    前記処理積載部材から前記シート積載部材へ前記シート束を移動して積載させるシート束排出手段と、を備え、
    前記排出手段は、前記処理積載部材に排出されたシートの後端側を次々に挟み込んで、次に排出されるシートの前記搬送手段による搬送に抵抗するシートクランプ手段を含むことを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のシート処理装置。
  6. シートに画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段により画像を形成されたシートを受け入れて処理する請求項1乃至いずれか1項記載のシート処理装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記画像形成手段を制御する演算制御装置によって前記シート処理装置が共通に制御されることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
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