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JP4792404B2 - 電子源の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、走査型電子顕微鏡、オージェ電子分光、電子線露光機、ウェハ検査装置などの電子源の製造方法、ことに電子線露光機用に好適な電子源の製造方法に関する。
近年、熱陰極よりも長寿命でより高輝度の電子ビームを得るために、タングステン単結晶の針状電極にジルコニウムと酸素の被覆層を設けた陰極を用いた電子源(以下、ZrO/W電子源と記す。)が用いられている(非特許文献1参照)。
ZrO/W電子源は、軸方位が<100>方位からなるタングステン単結晶の針状の陰極に、酸化ジルコニウムからなる拡散源を設け、ジルコニウム及び酸素を拡散することにより被覆層(以下、ZrO被覆層という。)を形成する。このZrO被覆層によってタングステン単結晶の(100)面の仕事関数を4.5eVから約2.8eVに低下させたもので、前記陰極の先端部に形成された(100)面に相当する微小な結晶面のみが電子放出領域となるので、従来の熱陰極よりも高輝度の電子ビームが得られ、しかも長寿命であるという特徴を有する。また冷電界放射電子源よりも安定で、低い真空度でも動作し、使い易いという特徴を有している(非特許文献2参照)。
ZrO/W電子源は、図1に示すように、絶縁碍子5に固定された導電端子4に設けられたタングステン製のフィラメント3の所定の位置に電子ビームを放射するタングステンの<100>方位の針状の陰極1が溶接等により固着されている。陰極1の一部には、ジルコニウムと酸素の拡散源2が設けられている。図示していないが陰極1の表面はZrO被覆層で覆われている。
陰極1はフィラメント3により通電加熱されて一般に1800K程度の温度下で使用されるので、陰極1表面のZrO被覆層は蒸発により消耗する。しかし、拡散源2よりジルコニウム及び酸素が拡散することにより、陰極1の表面に連続的に供給されるので、結果的にZrO被覆層が維持される。
ZrO/W電子源の陰極1の先端部はサプレッサー電極6と引き出し電極7の間に配置され使用される(図2参照)。陰極1には引き出し電極7に対して負の高電圧が印加され、更にサプレッサー電極6には陰極1に対して数百ボルト程度の負の電圧が印加され、フィラメント3からの熱電子を抑制する。
ZrO/W電子源は、低加速電圧で用いられる測長SEMやウェハ検査装置においては、プローブ電流が安定していて且つエネルギー幅の拡がりが抑えられるという理由で0.1〜0.2mA/srの角電流密度で動作される。
一方、電子線露光装置、及びオージェ分光装置等においては、スループットが重視されるために0.4mA/sr程度の高い角電流密度で動作される。このようなスループットを重視する用途では、更に高い角電流密度動作が望まれ、1.0mA/srもの高い角電流密度での動作が要求されることがある。
しかしながら、ZrO/W電子源においては、(1)高角電流密度動作時に高々1.0mA/sr程度の角電流密度が上限であること、(2)この時、陰極と引き出し電極間に印加される引き出し電圧が4kV以上と大きく、チップ先端での電界強度が0.4x10〜1.0x10V/mと著しく高くなり、アーク放電による故障頻度が高くなる(非特許文献3参照)。
これらの問題点を解決するために、本発明者は、円錐全角が25°以上95°以下の円錐台形部でその上面が直径が5μm以上200μm以下の平坦な電子放射面であって、タングステンまたはモリブデンの単結晶からなり、その表面が周期表2A族、3A族及び4A族から選ばれた金属元素と酸素の被覆層により被覆される陰極を具備する電子源を提案した(特許文献1参照)。
D.Tuggle,J.Vac.Sci.Technol.16,p1699(1979)。 M.J.Fransen,"On the Electron−Optical Properties of the ZrO/W Schottky Electron Emitter", ADVANCES IN IMAGING AND ELECTRON PHYSICS, VOL.III, p91−166,1999 by Academic Press. D.W.Tuggle、 J.Vac.Sci.Technol.B3(1),p220(1985)。 WO2004/073010A1パンフレット
しかし、本発明者の研究によると、上記した従来の電子源には、放射電流密度の均一性に関して、未だ満足できない状況にあることが判った。以下に上記の状況について具体例をもって説明する。
まず、従来の電子源の製造方法では、絶縁碍子5にろう付けされた導電端子4にタングステン製のフィラメント3をスポット溶接により固定した(図1参照)。次に機械加工により円柱状に加工したタングステン製<100>方位の単結晶ロッド20の一端部にダイヤモンドペーストと研磨盤を用いて全角が90°の円錐部8を形成し、更に円錐部の頂点をダイヤモンド研磨剤で被覆した研磨フィルムで研磨して直径20μmの平坦部9を形成した(図3参照)。
この単結晶ロッド20を前記フィラメントにスポット溶接により取り付けた。この単結晶ロッド20は陰極1として機能する。更に水素化ジルコニウムを粉砕して酢酸イソアミルと混合しペースト状にしたものを陰極1の一部に塗布した。酢酸イソアミルが蒸発した後、図2に示す装置に導入した。陰極1の先端はサプレッサー電極6と引き出し電極7との間に配置される。
なお、図2の装置では、陰極1の先端とサプレッサー電極6の距離は0.15mm、サプレッサー電極6と引き出し電極7の距離は0.8mm、引き出し電極7の孔径は0.8mm、サプレッサー電極6の孔径は0.8mmである。
フィラメント3はフィラメント加熱電源16に接続され、更に高圧電源15に接続され、引き出し電極7に対して負の高電圧、即ち引き出し電圧−Vexが印加される。
また、サプレッサー電極6はバイアス電源14に接続され、陰極1とフィラメント3に対して更に負の電圧、バイアス電圧−Vb、が印加される。これによりフィラメント3からの放射熱電子を遮る。
電子源からの全放射電流Itは高圧電源15とアース間に置かれた電流計17により測定される。
陰極1の先端から放射した電子ビーム18は引き出し電極7の孔を通過して、蛍光板10に到達する。
蛍光板10の中央にはアパーチャー11(小孔)が有り、通過してカップ状電極12に到達したプローブ電流Ipは微小電流計17により測定される。なお、アパーチャー11と陰極1の先端との距離とアパーチャー11の内径とから算出される立体角をωとする場合、角電流密度はIp/ωとなる。また、アパーチャー11とカップ状電極12は真空系外から動かせられるようになっており、放射電流分布を測定することができる。
続いて、装置内を3×10−10Torr(4×10−8Pa)の超高真空中としてフィラメント3に通電して陰極1を1800Kに加熱し、ZrHを熱分解して金属ジルコニウムとした。更に酸素ガスを導入して装置内を3×10−6Torr(4×10−4Pa)として金属ジルコニウムを酸化し、ジルコニウムと酸素の拡散源を形成した。
再度装置内を3×10−10Torr(4×10−8Pa)の超高真空中として陰極を1750Kに維持したままサプレッサーにバイアス電圧−Vb=−500Vの電圧を印加し、続いて引き出し電圧−Vex=−4kVの高電圧を印加して数時間保持し、放射電流が安定したところでプローブ電流Ipについて、放射電流分布測定を行った。
図4に角電流密度に換算した放射電流分布を示すが、なだらかな分布ではなく不均一性が認められる。この不均一性により軸上電流がばらついたり、電子線照射が均一に行われることに問題を生じる。
本発明者の検討結果に拠れば、前記放射電流分布の不均一性は、単結晶ロッドを円錐加工した際の加工表面損傷によるものと考えられ、加工損傷層の深さは、機械加工、機械研磨時の砥粒の荒さに依存するが、数10μmに及ぶと見積もられる(“SURFACE ANALYSIS BY X-RAY TOPOGRAPHY AND ETCHING DURING THE PREPARATION OF SINGLE CRYSTAL SURFACES” U. Linke and W. U. Kopp, Microstructural Sciences,Vol.9,1981,p299-308)。
特に、円錐部頂上に電子放射部として平坦部を設けた電子源では、その平坦部の直径が小さい場合には、図5にモデル的に明示した通りに、円錐部を加工する際に形成された加工損傷層19の中を切断することになるため、平坦部9は加工損傷層19を露出することになり、それを反映して電流放射分布の不均一性が顕著になる傾向がある。
本発明者は、上記の事情に鑑みていろいろ検討した結果、前記課題を解決して本発明に至ったものである。
かくして、本発明は下記の要旨からなるものである。
本発明は以下の構成を要旨とするものである。
(1)ロッドの一端部に電子放射部を有する電子源の製造方法であって、
円錐部を形成する工程と、該円錐部の頂部に平坦部を形成する工程とを含む、電子放射部を機械加工法により形成する工程と、
形成された電子放射部の表面の加工損傷層を化学研磨あるいは電解研磨により除く工程と、
を含むことを特徴とする電子源の製造方法。
2)前記円錐部の頂部に平坦部を形成する工程の後に、加工損傷層を化学研磨あるいは電解研磨により除く工程を行う上記(1)に記載の電子源の製造方法。
3)前記電子放射部を機械加工法により形成する工程の後、及び前記円錐部を形成する工程の後に、加工損傷層を化学研磨あるいは電解研磨により除く工程を行う上記(1)又は(2)に記載の電子源の製造方法。
4)ロッドの一端部に電子放射部となる円錐部を機械加工で形成し、該円錐部の加工損傷層を化学研磨あるいは電解研磨により除去し、次いで、該円錐部の頂部に平坦部を機械加工で形成し、該平坦部の加工損傷層を化学研磨あるいは電解研磨により除去することを特徴とする電子源の製造方法。
5)前記ロッドがモリブデンまたはタングステンの<100>方位の単結晶からなり、前記電子放射部に周期表2A、3A及び4A族からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素又はその化合物を拡散源として有する上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電子源の製造方法。
6)前記金属元素が、ジルコニウム、チタン、スカンジウム、イットリウム、希土類元素、バリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(5)に記載の電子源の製造方法。
本発明の製造方法によれば、機械加工法で作られた電子放射部の加工損傷層が除去された、電流放射分布の均一性に優れる電子源が安価に、確実に得ることができるので、走査型電子顕微鏡、オージェ電子分光、電子線露光機、ウェハ検査装置などの電子源、ことに電子線露光機用に好適な信頼性の高い電子源を安定して提供できる。
また、本発明の電子源の製造方法によれば、電子放射面が機械加工された単結晶でないロッドからなる電子源においても、本発明により放射電流分布の均一化を図ることができる。
ZrO/W電子源の構造図 電子放射特性の評価装置の構成図 陰極の形状を示す構造図 従来の放射電流分布の測定例(比較例) 従来の電子源の平坦部の形成方法の概略説明図 本発明による平坦部形成方法の概略説明図 A:円錐加工後 B:電解研磨後(第1段階) C:平坦部加工後 D:電解研磨後(第2段階) 本発明の放射電流分布の測定例(実施例)
符号の説明
1 陰極
2 拡散源
3 フィラメント
4 導電端子
5 絶縁碍子
6 サプレッサー電極
7 引き出し電極
8 円錐部
9 平坦部
10 蛍光板
11 アパーチャー
12 カップ状電極
13 プローブ電流測定用微小電流計
14 バイアス電源
15 高圧電源
16 フィラメント加熱電源
17 全放射電流測定用電流計
18 放射電子線
19 加工損傷層
20:単結晶ロッド
以下、本発明を具体的な実施態様の一つであるZrO/W電子源を念頭に説明するが、本発明がこれに限定されないことは言うまでもない。
本発明においては、タングステンまたはモリブデンの<100>方位の単結晶ロッド状陰極(以下、単にロッドともいう)の端部に機械研磨などの機械加工によりに円錐部を設ける。その際円錐部表面に加工損傷層が形成されるが、その後電解研磨又は化学研磨を施すことにより前記の加工損傷層を除去することを本質的とする。この操作により、電子源の電子放射部から発生する電子線の均一性を維持することができる。
また、円錐部頂点を機械研磨などの機械加工により円錐部頂部に平坦部を形成できるが、その際にも加工損傷層が平坦部表面に形成されるため、それを除去するために再度電解研磨又は化学研磨することが前記効果を確保できるので一層好ましい(図6)。
本発明では、円錐部を形成後の電解研磨又は化学研磨を行わず、平坦部形成後のみ電解研磨を行うことができる。しかし、この場合、特に平坦部直径が小さい場合、平坦部に円錐加工後の加工損傷層を露出することになり、平坦部形成後に電解研磨や化学研磨を行っても加工損傷層を除去し得ないことがある。
なお、平坦部形成後に過剰に電解研磨や化学研磨を行うと、平坦部のエッジが研磨され、最終的に球面に近い形状になってしまい、本来の形状を維持できないことがある。本発明では、上記のような円錐部を形成後、及び円錐部頂部に平坦部形成後の2段階で電解研磨又は化学研磨を行うことが好ましい。
なお、本発明で使用される電解研磨及び化学研磨は、特に限定されるものではなく、既知のいずれの方法も採用することができる。化学研磨についても、ウエット法に限定されず、ドライ法も含まれる。
ロッドは陰極として機能し、その表面は周期表の2A族、3A族及び4A族からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素と酸素とにより被覆され使用される。
ZrO/W電子源を例にすれば、水素化ジルコニウムを粉砕し、酢酸イソアミルなどの有機溶剤と混合しペースト状にしたものを陰極の一部に塗布して、1×10−6Torr(1×10−4Pa)程度以下の酸素雰囲気中で陰極を加熱してZrHを熱分解し、更に酸化してジルコニウムと酸素との拡散源を形成すると共に陰極の表面をジルコニウムと酸素で被覆され使用される。
次に、前記陰極は、引き出し電極7とサプレッサー電極6の間に配置され、引き出し電極に対して陰極に数キロボルトの負の高電圧を印加し、サプレッサー電極には陰極に対して数百ボルトの負の電圧を印加すると共に陰極1を1500〜1900Kに加熱することにより電子放射が行われる。
なお、本発明の製造方法を具現化する際に好適な電子源としては、前述した通りに、モリブデンまたはタングステンの<100>方位の単結晶からなるロッドを有し、周期表の2A族、3A族及び4A族からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素と酸素とからなる被覆層を形成し得る拡散源を有する電子源が挙げられる。ここで、前記被覆層を形成しうる元素としては、具体的には、ジルコニウム、チタン、スカンジウム、イットリウム、希土類元素、バリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。
また、前記元素はそのまま、あるいは酸化処理により酸化物となる元素であればその形態は問わない。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定して解釈さらないことはもちろんである。
絶縁碍子にろう付けされた導電端子にタングステン製のフィラメントをスポット溶接により固定した。
<100>方位の単結晶タングステンチップの端部にダイヤモンドペーストと研磨盤を用いて全角が90°の円錐部を形成し、その後円錐部が水酸化ナトリウム水溶液に浸漬するように単結晶タングステンチップをチャッキングして、チャッキング部と液中に設置した電極間に10Vの電圧を1分間印加して電解研磨を行った。
その後円錐部頂点をダイヤモンド研磨剤を被覆した研磨フィルムにより研磨して直径20μmの平坦部を設けた(ロッド)。絶縁碍子にろう付けされた導電端子に溶接されたタングステン製のフィラメントに、前記ロッドを溶接し、再度円錐部が水酸化ナトリウム水溶液に浸漬するようにして、導電端子と液中に設置した電極間に3Vの電圧を1分間再度印加して電解研磨を行った。
水素化ジルコニウムを粉砕して酢酸イソアミルと混合しペースト状にしたものを陰極の一部に塗布した。酢酸イソアミルが蒸発した後、図2に示す装置に導入した。陰極1の先端はサプレッサー電極と引き出し電極との間に配置される。なお、陰極1の先端とサプレッサー電極の距離は0.15mm、サプレッサー電極と引き出し電極の距離は0.8mm、引き出し電極7の孔径は0.8mm、サプレッサー電極6の孔径は0.8mmである。
フィラメントはフィラメント加熱電源に接続され、更に高圧電源に接続され、引き出し電極に対して負の高電圧、即ち引き出し電圧−Vexが印加される。また、サプレッサー電極はバイアス電源に接続され、陰極とフィラメントに対して更に負の電圧、バイアス電圧−Vb、が印加される。これによりフィラメントからの放射熱電子を遮る。電子源からの全放射電流Itは高圧電源とアース間に置かれた電流計により測定される。
陰極の先端から放射した電子ビームは引き出し電極の孔を通過して、蛍光板に到達する。蛍光板の中央にはアパーチャー(小孔)が有り、通過してカップ状電極に到達したプローブ電流Ipは微小電流計により測定される。なおアパーチャーと陰極の先端との距離とアパーチャーの内径から算出される立体角をωとすると角電流密度はIp/ωとなる。
続いて、装置内を3×10−10Torr(4×10−8Pa)の超高真空中としてフィラメントに通電して陰極を1750Kに加熱し、ZrHを熱分解して金属ジルコニウムとした。更に酸素ガスを導入して装置内を3×10−6Torr(4×10−4Pa)として金属ジルコニウムを酸化し、ジルコニウムと酸素の拡散源を形成した。
再度装置内を3×10−10Torr(4×10−8Pa)の超高真空中として陰極を1750Kに維持したまま、サプレッサーにバイアス電圧−Vb=−500Vの電圧を印加し、続いて引き出し電圧−Vex=−4kVの高電圧を印加して数時間保持し、放射電流が安定したところでプローブ電流Ipについて、放射電流分布測定を行った。その結果を図7に示す。
また、電解研磨を行わないこと以外実施例と同様の作製方法で行ったものを比較例として、その放射電流分布測定の結果を図4に示す。本発明の電子源の製造方法で得られた電子源は、比較例に比べ、放射電流分布の均一性が著しく改善されていることが確認された。
本発明の製造方法によれば、電流放射分布の均一性に優れる電子源が安価に、確実に提供できるので、走査型電子顕微鏡、オージェ電子分光、電子線露光機、ウェハ検査装置などの電子源、特に、電子線露光機用に好適な信頼性の高い電子源を安定して提供でき産業上非常に有用である。

なお、2005年1月14日に出願された日本特許出願2005−007012号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (6)

  1. ロッドの一端部に電子放射部を有する電子源の製造方法であって、
    円錐部を形成する工程と、該円錐部の頂部に平坦部を形成する工程とを含む、電子放射部を機械加工法により形成する工程と、
    形成された電子放射部の表面の加工損傷層を化学研磨あるいは電解研磨により除く工程と、
    を含むことを特徴とする電子源の製造方法。
  2. 前記円錐部の頂部に平坦部を形成する工程の後に、加工損傷層を化学研磨あるいは電解研磨により除く工程を行う請求項に記載の電子源の製造方法。
  3. 前記電子放射部を機械加工法により形成する工程の後、及び前記円錐部を形成する工程の後に、加工損傷層を化学研磨あるいは電解研磨により除く工程を行う請求項又はに記載の電子源の製造方法。
  4. ロッドの一端部に電子放射部となる円錐部を機械加工で形成し、該円錐部の加工損傷層を化学研磨あるいは電解研磨により除去し、次いで、該円錐部の頂部に平坦部を機械加工で形成し、該平坦部の加工損傷層を化学研磨あるいは電解研磨により除去することを特徴とする電子源の製造方法。
  5. 前記ロッドがモリブデンまたはタングステンの<100>方位の単結晶からなり、前記電子放射部に周期表2A、3A及び4A族からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素又はその化合物を拡散源として有する請求項1〜のいずれか1項に記載の電子源の製造方法。
  6. 前記金属元素が、ジルコニウム、チタン、スカンジウム、イットリウム、希土類元素、バリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項に記載の電子源の製造方法。
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