以下、本発明についてより具体的に説明する。
前述のように、多層レジスト法で好適に用いられているケイ素含有膜を剥離する方法として、従来ではフッ素ガス系のドライ剥離を行っていたが、ドライ剥離はウェーハに対してダメージが大きいという問題があった。
また、従来半導体製造プロセスで使用されている剥離液として、硫酸イオン含有剥離液、フッ素イオン含有剥離液などが知られているが、これらの剥離液を用いてケイ素含有膜の剥離を行うと、剥がれ残りが生じやすく、完全なケイ素含有膜の剥離を達成することはできなかった。
このように、多層レジスト法に用いられるケイ素含有膜を剥離する際、ウェーハに対してのダメージが少なく、かつ、ケイ素含有膜を完全に剥離できるようなケイ素含有膜剥離方法が必要視されていた。
そこで、本発明者は、リソグラフィーに使用されるケイ素含有膜のウェット剥離工程について鋭意検討したところ、少なくとも、硫酸イオン及び/またはフッ素イオンを含有する酸性剥離液で処理する第1工程と、窒素化合物を含有するアルカリ性剥離液で処理する第2工程とを含むケイ素含有膜剥離方法であれば、ケイ素含有膜中のシロキサン結合を容易に切断し、ウェーハにダメージを与えることなく剥離を完結することができることを見出した。
本発明の第1工程で用いられる硫酸イオン含有剥離液に含まれる硫酸の濃度として好ましいものは、0.1から98%、更に好ましいのは、1から90%である。この第1工程で用いる酸性剥離液に、さらに、過酸化水素を含むことで、ケイ素含有膜に含まれている有機置換基や有機成分が、過酸化水素の作用で酸化分解され膜中から取り除かれる。これにより、第2工程で用いる窒素化合物を含有するアルカリ性剥離液が染み込み易くなり、剥離が容易になる。ここで、第1工程の酸性剥離液に含まれる過酸化水素としては、剥離液中の硫酸に対して質量比で、硫酸:過酸化水素=1:1/1000〜1:1000、好ましくは、硫酸:過酸化水素=1:1/500〜1:500である。
処理温度は、0℃〜200℃、好ましくは10℃〜180℃、より好ましくは、20℃〜150℃である。処理時間は、1秒〜1時間、好ましくは10秒〜30分程度である。これらの条件は、実際のウエハー上に形成されている回路の種類や半導体装置製造プロセス条件などによって異なるため、これらに示される条件に限られるものではない。
また、本発明の第1工程で用いられるフッ素イオンを含有する酸性剥離液としては、フッ化水素酸および/またはフッ化アンモニウムが含まれるものが好ましい。フッ化水素酸の濃度として好ましいものは、質量濃度として0.1から40%、更に好ましいのは、0.5から30%である。また、ここに含まれるフッ化アンモニウムとして、剥離液中のフッ化アンモニウムに対して質量比で、フッ化水素酸:フッ化アンモニウム=1:1/1000〜1:1000、好ましくは、フッ化水素酸:フッ化アンモニウム=1:1/500〜1:500である。処理温度は、0℃〜150℃、好ましくは10℃〜120℃である。処理時間は、1秒〜1時間、好ましくは10秒〜30分程度であり、実際のウエハー上に形成されている回路の種類などによって異なるため、これらに示される条件に限られるものではない。このように第1工程で、フッ化水素酸及び/またはフッ化アンモニウムを用いると、ケイ素含有膜表面のシロキサン結合の一部を分解することにより、第2工程で適用する窒素化合物を含有するアルカリ剥離液が染み込み易くなり、好ましい。
また、本発明の第2工程で用いられる窒素化合物を含有するアルカリ性剥離液としては、アンモニア、有機アミン及びテトラアルキルアンモニウムのうち少なくとも1つ以上を含むものが好ましい。具体的には、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、水酸化テトラエチルアンモニウム、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、水酸化テトラプロピルアンモニウム、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、水酸化テトラブチルアンモニウムなどを例示出来る。これらの化合物水溶液の濃度として好ましいものは、質量濃度として0.1から40%、更に好ましいのは、0.5から30%である。また、この第2工程で用いられる窒素化合物を含有するアルカリ性剥離液に、更に、過酸化水素を含むことで、ケイ素含有膜に含まれている有機置換基や有機成分が酸化分解され膜中から取り除かれるため、窒素化合物を含有するアルカリ性剥離液が染み込みやすくなり、剥離が更に加速されるため好ましい。ここで、第2工程で用いられる剥離液に含まれる過酸化水素として、剥離液中の含窒素化合物に対して質量比で、含窒素化合物:過酸化水素=1:1/1000〜1:1000、好ましくは、含窒素化合物:過酸化水素=1:1/500〜1:500である。処理温度は、0℃〜100℃、好ましくは10℃〜90℃、より好ましくは50℃〜90℃である。処理時間は、1秒〜1時間、好ましくは10秒〜30分程度であり、実際のウエハー上に形成されている回路の種類などによって異なるため、これらに示される条件に限られるものではない。
各工程(第1工程、第2工程)の後で施される洗浄は、一般的に半導体ウエハー洗浄工程で使用されている方法に従う。例えば、純水による洗浄(純水リンス)、超音波による洗浄(超音波リンス)、有機溶剤による洗浄など、ウエハー上にある回路にダメージを与えることなく、使用した剥離液を完全に除去出来る洗浄方法を選ぶことが出来る。
本発明で剥離の対象となるリソグラフィー用のケイ素含有膜を形成するケイ素含有膜材料として、酸触媒で加水分解性ケイ素化合物(以下、モノマーと呼ぶ)を加水分解縮合して得られるケイ素含有化合物を使用出来る。この化合物の製造方法として以下の方法が例示できるが、この方法に限られるものではない。
出発物質となるモノマーは、下記一般式(1)で表すことができる。
R1 m1R2 m2R3 m3Si(OR)(4-m1-m2-m3) (1)
(Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、R1、R2、R3はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、又は炭素数1〜30の1価の有機基であり、m1、m2、m3は0又は1である。m1+m2+m3は0〜3、特に0又は1が好ましい。)
本発明で剥離の対象となるケイ素含有膜材料は、この一般式(1)で示されるモノマーから選ばれる1種又は2種以上の混合物を加水分解縮合したケイ素含有化合物を使用できる。
ここで、有機基は炭素を含む基の意味であり、更に水素を含み、また窒素、酸素、硫黄、ケイ素等を含んでもよい。R1、R2、R3の有機基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基等の非置換の1価炭化水素基、及びこれらの基の水素原子の1個又はそれ以上がエポキシ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等で置換された基や、−O−,−CO−,−OCO−,−COO−,−OCOO−が介在された基等の後述する一般式(2)で示される基、ケイ素−ケイ素結合を含む有機基等を挙げることができる。
一般式(1)で示されるモノマーのR1、R2、R3として好ましいものは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、2,2−ジエチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、エチニル基等のアルキニル基、更に光吸収性基としてフェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニチル基等のアラルキル基が挙げられる。
例えば、m1=0、m2=0、m3=0であるテトラアルコキシシランとして、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシランをモノマーとして例示できる。好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランである。
例えば、m1=1、m2=0、m3=0であるトリアルコキシシランとして、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−nプロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチル−トリエトキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−nプロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、シクロプロピルトリメトキシシラン、シクロプロピルトリエトキシシラン、シクロプロピル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロプロピル−トリ−iso−プロポキシシラン、シクロブチルトリメトキシシラン、シクロブチルトリエトキシシラン、シクロブチル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンチル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロペンチル−トリ−iso−プロポキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロヘキシル−トリ−iso−プロポキシシラン、シクロヘキセニルトリメトキシシラン、シクロヘキセニルトリエトキシシラン、シクロヘキセニル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロヘキセニル−トリ−iso−プロポキシシラン、シクロヘキセニルエチルトリメトキシシラン、シクロヘキセニルエチルトリエトキシシラン、シクロヘキセニルエチル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロヘキセニルエチルトリ−iso−プロポキシシラン、シクロオクタニルトリメトキシシラン、シクロオクタニルトリエトキシシラン、シクロオクタニル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロオクタニル−トリ−iso−プロポキシシラン、シクロペンタジエニルプロピルトリメトキシシラン、シクロペンタジエニルプロピルトリエトキシシラン、シクロペンタジエニルプロピル−トリ−n−プロポキシシラン、シクロペンタジエニルプロピル−トリ−iso−プロポキシシラン、ビシクロヘプテニルトリメトキシシラン、ビシクロヘプテニルトリエトキシシラン、ビシクロヘプテニル−トリ−n−プロポキシシラン、ビシクロヘプテニル−トリ−iso−プロポキシシラン、ビシクロヘプチルトリメトキシシラン、ビシクロヘプチルトリエトキシシラン、ビシクロヘプチル−トリ−n−プロポキシシラン、ビシクロヘプチル−トリ−iso−プロポキシシラン、アダマンチルトリメトキシシラン、アダマンチルトリエトキシシラン、アダマンチル−トリ−n−プロポキシシラン、アダマンチル−トリ−iso−プロポキシシラン等を例示できる。また、光吸収性モノマーとして、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ベンジルトリ−n−プロポキシシラン、ベンジルトリ−iso−プロポキシシラン、トリルトリメトキシシラン、トリルトリエトキシシラン、トリルトリ−n−プロポキシシラン、トリルトリ−iso−プロポキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、フェネチルトリ−n−プロポキシシラン、フェネチルトリ−iso−プロポキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、ナフチルトリエトキシシラン、ナフチルトリ−n−プロポキシシラン、ナフチルトリ−iso−プロポキシシラン等を例示できる。
好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、iso−ブチルトリメトキシシラン、iso−ブチルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキセニルトリメトキシシラン、シクロヘキセニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、フェネチルトリエトキシシランである。
例えば、m1=1、m2=1、m3=0であるジアルコキシシランとして、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、ジメチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジiso−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジエトキシシラン、ジt−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−t−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロプロピルジメトキシシラン、ジ−シクロプロピルジエトキシシラン、ジ−シクロプロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロプロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロブチルジメトキシシラン、ジ−シクロブチルジエトキシシラン、ジ−シクロブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロペンチルジメトキシシラン、ジ−シクロペンチルジエトキシシラン、ジ−シクロペンチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロペンチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジ−シクロヘキシル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロヘキシル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロヘキセニルジメトキシシラン、ジ−シクロヘキセニルジエトキシシラン、ジシクロヘキセニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロヘキセニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロヘキセニルエチルジメトキシシラン、ジ−シクロヘキセニルエチルジエトキシシラン、ジ−シクロヘキセニルエチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロヘキセニルエチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロオクタニルジメトキシシラン、ジ−シクロオクタニルジエトキシシラン、ジシクロオクタニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロオクタニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−シクロペンタジエニルプロピルジメトキシシラン、ジ−シクロペンタジエニルプロピルジエトキシシラン、ジ−シクロペンタジエニルプロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−シクロペンタジエニルプロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ビス−ビシクロヘプテニルジメトキシシラン、ビス−ビシクロヘプテニルジエトキシシラン、ビス−ビシクロヘプテニル−ジ−n−プロポキシシラン、ビス−ビシクロヘプテニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ビス−ビシクロヘプチルジメトキシシラン、ビス−ビシクロヘプチルジエトキシシラン、ビス−ビシクロヘプチル−ジ−n−プロポキシシラン、ビス−ビシクロヘプチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ビス−アダマンチルジメトキシシラン、ビス−アダマンチルジエトキシシラン、ビス−アダマンチル−ジ−n−プロポキシシラン、ビス−アダマンチル−ジ−iso−プロポキシシラン等を例示できる。また、光吸収性モノマーとして、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニル−ジ−nプロポキシシラン、ジフェニル−ジ−iso−プロポキシシラン等を例示できる。
好ましくは、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−メトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−メトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン等を例示できる。
例えば、m1=1、m2=1、m3=1であるモノアルコキシシランとして、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルエチルメトキシシラン、ジメチルエチルエトキシシラン等を例示できる。また、光吸収性モノマーとして、ジメチルフェニルメトキシシラン、ジメチルフェニルエトキシシラン、ジメチルベンジルメトキシシラン、ジメチルベンジルエトキシシラン、ジメチルフェネチルメトキシシラン、ジメチルフェネチルエトキシシラン等を例示できる。
好ましくは、トリメチルメトキシシラン、ジメチルエチルメトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン、ジメチルベンジルメトキシシラン、ジメチルフェネチルメトキシシラン等を例示できる。
上記R1、R2、R3で表される有機基の別の例として、炭素−酸素単結合又は炭素−酸素二重結合を1以上有する有機基を挙げることができる。具体的には、エポキシ基、エステル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基からなる群から選択される1以上の基を有する有機基である。一般式(1)中の炭素−酸素単結合、炭素−酸素二重結合の1以上を有する有機基は、例として次の一般式(2)で示されるものを挙げることができる。
(P−Q
1−(S
1)
v1−Q
2−)
u−(T)
v2−Q
3−(S
2)
v3−Q
4− (2)
(上記式中、Pは水素原子、ヒドロキシル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルカルボニルオキシ基、又は炭素数1〜6のアルキルカルボニル基であり、Q
1とQ
2とQ
3とQ
4は各々独立して−C
qH
(2q-p)P
p−(式中、Pは上記と同様であり、pは0〜3の整数であり、qは0〜10の整数(但し、q=0は単結合であることを示す。)である。)、uは0〜3の整数であり、S
1とS
2は各々独立して−O−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−OCOO−を表す。v1、v2、v3は、各々独立して0又は1を表す。これらとともに、Tはヘテロ原子を含んでもよい脂環又は芳香環からなる2価の基であり、Tの酸素原子等のヘテロ原子を含んでもよい脂環又は芳香環の例を以下に示す。TにおいてQ
2とQ
3と結合する位置は、特に限定されないが、立体的な要因による反応性や反応に用いる市販試薬の入手性等を考慮して適宜選択できる。)
一般式(2)の炭素−酸素単結合又は炭素−酸素二重結合を1以上有する有機基の好ましい例として、以下のものが挙げられる。なお、下記式中において、(Si)はSiとの結合箇所を示すために記載した。
また、R1、R2、R3の有機基の例として、ケイ素−ケイ素結合を含む有機基を用いることもできる。具体的には下記のものを挙げることができる。
これらのモノマーから1種又は2種類以上を選択して、反応前又は反応中に混ぜてケイ素含有化合物を形成する反応原料とすることができる。
また、下記一般式(3)で表すことができる加水分解性金属化合物をケイ素含有モノマーと同時に加水分解縮合させてケイ素含有膜材料を製造することも出来る。
U(OR4)m4(OR5)m5 (3)
(式中、R4、R5は炭素数1〜30の有機基であり、m4+m5はUの種類により決まる価数であり、m4、m5は0以上の整数、Uは周期律表のIII族、IV族、又はV族の元素で、ケイ素と炭素を除くものである。)
ここで、有機基は炭素を含む基の意味であり、更に水素を含み、また窒素、酸素、硫黄、ケイ素等を含んでもよい。R4、R5としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基等の非置換の1価炭化水素基、及びこれらの基の水素原子の1個又はそれ以上がエポキシ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等で置換された基や、−O−,−CO−,−OCO−,−COO−,−OCOO−が介在された基等を挙げることができる。
Uがホウ素の場合、式(3)で示される化合物として、ボロンメトキシド、ボロンエトキシド、ボロンプロポキシド、ボロンブトキシド、ボロンアミロキシド、ボロンヘキシロキシド、ボロンシクロペントキシド、ボロンシクロヘキシロキシド、ボロンアリロキシド、ボロンフェノキシド、ボロンメトキシエトキシドなどをモノマーとして例示できる。
Uがアルミニウムの場合、式(3)で示される化合物として、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムプロポキシド、アルミニウムブトキシド、アルミニウムアミロキシド、アルミニウムヘキシロキシド、アルミニウムシクロペントキシド、アルミニウムシクロヘキシロキシド、アルミニウムアリロキシド、アルミニウムフェノキシド、アルミニウムメトキシエトキシド、アルミニウムエトキシエトキシド、アルミニウムジプロポキシエチルアセトアセテート、アルミニウムジブトキシエチルアセトアセテート、アルミニウムプロポキシビスエチルアセトアセテート、アルミニウムブトキシビスエチルアセトアセテート、アルミニウム2,4−ペンタンジオネート、アルミニウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートなどをモノマーとして例示できる。
Uがガリウムの場合、式(3)で示される化合物として、ガリウムメトキシド、ガリウムエトキシド、ガリウムプロポキシド、ガリウムブトキシド、ガリウムアミロキシド、ガリウムヘキシロキシド、ガリウムシクロペントキシド、ガリウムシクロヘキシロキシド、ガリウムアリロキシド、ガリウムフェノキシド、ガリウムメトキシエトキシド、ガリウムエトキシエトキシド、ガリウムジプロポキシエチルアセトアセテート、ガリウムジブトキシエチルアセトアセテート、ガリウムプロポキシビスエチルアセトアセテート、ガリウムブトキシビスエチルアセトアセテート、ガリウム2、4−ペンタンジオネート、ガリウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートなどをモノマーとして例示できる。
Uがイットリウムの場合、式(3)で示される化合物として、イットリウムメトキシド、イットリウムエトキシド、イットリウムプロポキシド、イットリウムブトキシド、イットリウムアミロキシド、イットリウムヘキシロキシド、イットリウムシクロペントキシド、イットリウムシクロヘキシロキシド、イットリウムアリロキシド、イットリウムフェノキシド、イットリウムメトキシエトキシド、イットリウムエトキシエトキシド、イットリウムジプロポキシエチルアセトアセテート、イットリウムジブトキシエチルアセトアセテート、イットリウムプロポキシビスエチルアセトアセテート、イットリウムブトキシビスエチルアセトアセテート、イットリウム2、4−ペンタンジオネート、イットリウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートなどをモノマーとして例示できる。
Uがゲルマニウムの場合、式(3)で示される化合物として、ゲルマニウムメトキシド、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムプロポキシド、ゲルマニウムブトキシド、ゲルマニウムアミロキシド、ゲルマニウムヘキシロキシド、ゲルマニウムシクロペントキシド、ゲルマニウムシクロヘキシロキシド、ゲルマニウムアリロキシド、ゲルマニウムフェノキシド、ゲルマニウムメトキシエトキシド、ゲルマニウムエトキシエトキシドなどをモノマーとして例示できる。
Uがチタンの場合、式(3)で示される化合物として、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタンブトキシド、チタンアミロキシド、チタンヘキシロキシド、チタンシクロペントキシド、チタンシクロヘキシロキシド、チタンアリロキシド、チタンフェノキシド、チタンメトキシエトキシド、チタンエトキシエトキシド、チタンジプロポキシビスエチルアセトアセテート、チタンジブトキシビスエチルアセトアセテート、チタンジプロポキシビス2、4−ペンタンジオネート、チタンジブトキシビス2、4−ペンタンジオネートなどをモノマーとして例示できる。
Uがハフニウムの場合、式(3)で示される化合物として、ハフニウムメトキシド、ハフニウムエトキシド、ハフニウムプロポキシド、ハフニウムブトキシド、ハフニウムアミロキシド、ハフニウムヘキシロキシド、ハフニウムシクロペントキシド、ハフニウムシクロヘキシロキシド、ハフニウムアリロキシド、ハフニウムフェノキシド、ハフニウムメトキシエトキシド、ハフニウムエトキシエトキシド、ハフニウムジプロポキシビスエチルアセトアセテート、ハフニウムジブトキシビスエチルアセトアセテート、ハフニウムジプロポキシビス2、4−ペンタンジオネート、ハフニウムジブトキシビス2、4−ペンタンジオネートなどをモノマーとして例示できる。
Uがスズの場合、式(3)で示される化合物として、メトキシスズ、エトキシスズ、プロポキシスズ、ブトキシスズ、フェノキシスズ、メトキシエトキシスズ、エトキシエトキシスズ、スズ2、4−ペンタンジオネート、スズ2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートなどをモノマーとして例示できる。
Uがヒ素の場合、式(3)で示される化合物として、メトキシヒ素、エトキシヒ素、プロポキシヒ素、ブトキシヒ素、フェノキシヒ素などをモノマーとして例示できる。
Uがアンチモンの場合、式(3)で示される化合物として、メトキシアンチモン、エトキシアンチモン、プロポキシアンチモン、ブトキシアンチモン、フェノキシアンチモン、酢酸アンチモン、プロピオン酸アンチモンなどをモノマーとして例示できる。
Uがニオブの場合、式(3)で示される化合物として、メトキシニオブ、エトキシニオブ、プロポキシニオブ、ブトキシニオブ、フェノキシニオブなどをモノマーとして例示できる。
Uがタンタルの場合、式(3)で示される化合物として、メトキシタンタル、エトキシタンタル、プロポキシタンタル、ブトキシタンタル、フェノキシタンタルなどをモノマーとして例示できる。
Uがビスマスの場合、式(3)で示される化合物として、メトキシビスマス、エトキシビスマス、プロポキシビスマス、ブトキシビスマス、フェノキシビスマスなどをモノマーとして例示できる。
Uがリンの場合、式(3)で示される化合物として、トリメチルフォスファイト、トリエチルフォスファイト、トリプロピルフォスファイト、トリメチルフォスフェイト、トリエチルフォスフェイト、トリプロピルフォスフェイトなどをモノマーとして例示できる。
Uがバナジウムの場合、式(3)で示される化合物として、バナジウムオキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)、バナジウム2,4−ペンタンジオネート、バナジウムトリブトキシドオキシド、バナジウムトリプロポキシドオキシドなどをモノマーとして例示できる。
Uがジルコニウムの場合、式(3)で示される化合物として、メトキシジルコニウム、エトキシジルコニウム、プロポキシジルコニウム、ブトキシジルコニウム、フェノキシジルコニウム、ジルコニウムジブトキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムジプロポキシドビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)などをモノマーとして例示できる。
これらのモノマーから一般式(1)で示されるものを1種又は2種以上、一般式(1)で示されるものを1種又は2種以上と一般式(3)で示されるものを1種又は2種以上を選択して、反応前又は反応中に混ぜてケイ素含有化合物を形成する反応原料とすることも可能である。
ケイ素含有化合物は、式(1)及び式(3)のモノマーを上記の条件で混合し、好ましくは無機酸、脂肪族スルホン酸及び芳香族スルホン酸から選ばれる一種以上の化合物を酸触媒として用いて、加水分解縮合を行うことで製造することができる。
このとき使用される酸触媒は、フッ酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等を挙げることができる。触媒の使用量は、ケイ素モノマー1モルに対して10-6〜10モル、好ましくは10-5〜5モル、より好ましくは10-4〜1モルである。
これらのモノマーから加水分解縮合によりケイ素含有化合物を得るときの水の量は、モノマーに結合している加水分解性置換基1モル当たり0.01〜100モル、より好ましくは0.05〜50モル、更に好ましくは0.1〜30モルを添加することが好ましい。100モルを超える添加は、反応に使用する装置が過大になるだけで不経済である。
操作方法として、触媒水溶液にモノマーを添加して加水分解縮合反応を開始させる。このとき、触媒水溶液に有機溶剤を加えてもよいし、モノマーを有機溶剤で希釈しておいてもよいし、両方行ってもよい。反応温度は0〜100℃、好ましくは5〜80℃である。モノマーの滴下時に5〜80℃に温度を保ち、その後20〜80℃で熟成させる方法が好ましい。
触媒水溶液に加えることのできる、又はモノマーを希釈することのできる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート、γ−ブチルラクトン及びこれらの混合物等が好ましい。
これらの溶剤の中で好ましいものは水可溶性のものである。例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール縮合物誘導体、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
この中で特に好ましいのは、沸点が100℃以下のものである。
なお、有機溶剤の使用量は、モノマー1モルに対して0〜1,000ml、特に0〜500mlが好ましい。有機溶剤の使用量が多いと反応容器が過大となり不経済である。
その後、必要であれば触媒の中和反応を行い、加水分解縮合反応で生成したアルコールを減圧除去し、反応混合物水溶液を得る。このとき、中和に使用することのできるアルカリ性物質の量は、触媒で使用された酸に対して0.1〜2当量が好ましい。このアルカリ性物質は水中でアルカリ性を示すものであれば、任意の物質でよい。
続いて、反応混合物から加水分解縮合反応で生成したアルコールを取り除かなくてはいけない。このとき反応混合物を加熱する温度は、添加した有機溶剤と反応で発生したアルコールの種類によるが、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜90℃、更に好ましくは15〜80℃である。またこのときの減圧度は、除去すべき有機溶剤及びアルコールの種類、排気装置、凝縮装置及び加熱温度により異なるが、好ましくは大気圧以下、より好ましくは絶対圧で80kPa以下、更に好ましくは絶対圧で50kPa以下である。この際除去されるアルコール量を正確に知ることは難しいが、生成したアルコールのおよそ80質量%以上が除かれることが望ましい。
次に、反応混合物から加水分解縮合に使用した酸触媒を除去してもよい。酸触媒を除去する方法として、水とケイ素含有化合物を混合し、ケイ素含有化合物を有機溶剤で抽出する。このとき使用する有機溶剤としては、ケイ素含有化合物を溶解でき、水と混合させると2層分離するものが好ましい。例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート、γ−ブチルラクトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンチルメチルエーテル等及びこれらの混合物を挙げることができる。
更に、水溶性有機溶剤と水難溶性有機溶剤の混合物を使用することも可能である。例えばメタノール+酢酸エチル、エタノール+酢酸エチル、1−プロパノール+酢酸エチル、2−プロパノール+酢酸エチル、ブタンジオールモノメチルエーテル+酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル+酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル+酢酸エチル、プロピレングリコールモノエチルエーテル+酢酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテル+酢酸エチル、ブタンジオールモノプロピルエーテル+酢酸エチル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル+酢酸エチル、エチレングリコールモノプロピルエーテル+酢酸エチル、メタノール+メチルイソブチルケトン、エタノール+メチルイソブチルケトン、1−プロパノール+メチルイソブチルケトン、2−プロパノール+メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル+メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル+メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノエチルエーテル+メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノプロピルエーテル+メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノプロピルエーテル+メチルイソブチルケトン、メタノール+シクロペンチルメチルエーテル、エタノール+シクロペンチルメチルエーテル、1−プロパノール+シクロペンチルメチルエーテル、2−プロパノール+シクロペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル+シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル+シクロペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル+シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル+シクロペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル+シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル+シクロペンチルメチルエーテル、メタノール+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エタノール+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1−プロパノール+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2−プロパノール+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等組み合わせが好ましいが、組み合わせはこれらに限定されることはない。
なお、水溶性有機溶剤と水難溶性有機溶剤との混合割合は、適宜選定されるが、水難溶性有機溶剤100質量部に対して、水溶性有機溶剤0.1〜1,000質量部、好ましくは1〜500質量部、更に好ましくは2〜100質量部である。
続いて、中性水で洗浄する。この水は、通常脱イオン水や超純水と呼ばれているものを使用すればよい。この水の量は、ケイ素含有化合物溶液1Lに対して、0.01〜100L、好ましくは0.05〜50L、より好ましくは0.1〜5Lである。この洗浄の方法は、両方を同一の容器にいれ掻き混ぜ後、静置して水層を分離すればよい。洗浄回数は、1回以上あればよいが、10回以上洗浄しても洗浄しただけの効果は得られないため、好ましくは1〜5回程度である。
その他に酸触媒を除去する方法として、イオン交換樹脂による方法や、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のエポキシ化合物で中和したのち除去する方法を挙げることができる。これらの方法は、反応に使用された酸触媒に合わせて適宜選択することができる。
なお、上記の触媒除去操作において、酸触媒が実質的に除去されたとは、反応に使用された酸触媒がケイ素含有化合物中反応開始時に添加した量に対して10質量%以下、好ましくは5質量%以下程度残存しているものは許容されることを意味する。
このときの水洗操作により、ケイ素含有化合物の一部が水層に逃げ、実質的に分画操作と同等の効果が得られている場合があるため、水洗回数や洗浄水の量は触媒除去効果と分画効果を鑑みて適宜選択すればよい。
酸触媒が残留しているケイ素含有化合物あるいは酸触媒が除去されたケイ素含有化合物の溶液のいずれの場合においても、最終的な溶剤を加えて減圧で溶剤交換することでケイ素含有化合物溶液を得る。このときの溶剤交換の温度は、除去すべき反応溶剤や抽出溶剤の種類によるが、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜90℃、更に好ましくは15〜80℃である。またこのときの減圧度は、除去すべき抽出溶剤の種類、排気装置、凝縮装置及び加熱温度により異なるが、好ましくは大気圧以下、より好ましくは絶対圧で80kPa以下、更に好ましくは絶対圧で50kPa以下である。
このとき、溶剤が変わることによりケイ素含有化合物が不安定になる場合がある。これは最終的な溶剤とケイ素含有化合物との相性により発生するが、これを防止するため、安定剤として有機酸を加えてもよい。加える量としては溶剤交換前の溶液中のケイ素含有化合物100質量部に対して0〜25質量部、好ましくは0〜15質量部、より好ましくは0〜5質量部であるが、添加する場合は0.5質量部以上が好ましい。溶剤交換前の溶液に必要であれば、安定剤を添加して溶剤交換操作を行えばよい。
ケイ素含有化合物は、ある濃度以上に濃縮すると縮合反応が進行し、有機溶剤に対して再溶解不可能な状態に変化してしまう。そのため、適度な濃度の溶液状態にしておくことが好ましい。このときの濃度としては、50質量%以下、好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
ケイ素含有化合物溶液に加える最終的な溶剤として好ましいものはアルコール系溶剤であり、特に好ましいものはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のモノアルキルエーテルである。具体的には、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル等が好ましい。
また、別の反応操作としては、モノマー又はモノマーの有機溶液に、水又は含水有機溶剤を添加し、加水分解反応を開始させる。このとき触媒はモノマー又はモノマーの有機溶液に添加してもよいし、水又は含水有機溶剤に添加しておいてもよい。反応温度は0〜100℃、好ましくは10〜80℃である。水の滴下時に10〜50℃に加熱し、その後20〜80℃に昇温させて熟成させる方法が好ましい。
有機溶剤を使用する場合は、水溶性のものが好ましく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール縮合物誘導体及びこれらの混合物等を挙げることができる。
有機溶剤の使用量は、前記の量と同様でよい。得られた反応混合物の後処理は、前記の方法と同様で後処理し、ケイ素含有化合物を得る。
得られるケイ素含有化合物の分子量は、モノマーの選択だけでなく、重合時の反応条件制御により調整することができるが、重量平均分子量が100,000を超えるものを用いると、ケースによっては異物の発生や塗布斑が生じることがあり、100,000以下、より好ましくは200〜50,000、更に好ましくは300〜30,000のものを用いることが好ましい。なお、上記重量平均分子量に関するデータは、検出器としてRIを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準物質としてポリスチレンを用いて、ポリスチレン換算で分子量を表したものである。
本発明の方法で剥離して除去出来るケイ素含有膜を形成する組成物は、酸性条件下で製造されたものであれば、組成及び/又は反応条件が異なる2種類以上のケイ素含有化合物を含んでいてもよい。
上記ケイ素含有化合物に、更に、熱架橋促進剤、安定剤としての有機酸、架橋剤及び有機溶剤を配合して、本発明の方法で除去出来るケイ素含有膜を形成する組成物を作ることができる。
本発明の方法で除去出来るケイ素含有膜を形成する組成物は、ケイ素含有膜形成時の架橋反応を更に促進させるため熱架橋促進剤を含有してもよい。このようなものとして、一般式(4)又は(5)で示される化合物を挙げることができる。
LaHbX (4)
(式中、Lはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウム、Xは水酸基、又は炭素数1〜30の1価又は2価以上の有機酸基であり、aは1以上の整数、bは0又は1以上の整数で、a+bは水酸基又は有機酸基の価数である。)
MaHbA (5)
(式中、Mはスルホニウム、ヨードニウム又はアンモニウムであり、好ましくは三級スルホニウム、二級ヨードニウム又は四級アンモニウムであり、特に光分解性のもの、即ちトリフェニルスルホニウム化合物、ジフェニルヨードニウム化合物が好ましい。Aは上記X又は非求核性対向イオン、a、bは上記と同様であり、a+bは水酸基、有機酸基又は非求核性対向イオンの価数である。)
一般式(4)で示される化合物として、アルカリ金属有機酸塩を例示できる。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの水酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、ブタン酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、オクタン酸塩、ノナン酸塩、デカン酸塩、オレイン酸塩、ステアリン酸塩、リノール酸塩、リノレン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸塩、サリチル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、モノクロロ酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩等の1価の塩、1価又は2価のシュウ酸塩、マロン酸塩、メチルマロン酸塩、エチルマロン酸塩、プロピルマロン酸塩、ブチルマロン酸塩、ジメチルマロン酸塩、ジエチルマロン酸塩、コハク酸塩、メチルコハク酸塩、グルタル酸塩、アジピン酸塩、イタコン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シトラコン酸塩、クエン酸塩、炭酸塩等が挙げられる。
具体的には、ギ酸リチウム、酢酸リチウム、プロピオン酸リチウム、ブタン酸リチウム、ペンタン酸リチウム、ヘキサン酸リチウム、ヘプタン酸リチウム、オクタン酸リチウム、ノナン酸リチウム、デカン酸リチウム、オレイン酸リチウム、ステアリン酸リチウム、リノール酸リチウム、リノレン酸リチウム、安息香酸リチウム、フタル酸リチウム、イソフタル酸リチウム、テレフタル酸リチウム、サリチル酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、トリフルオロ酢酸リチウム、モノクロロ酢酸リチウム、ジクロロ酢酸リチウム、トリクロロ酢酸リチウム、水酸化リチウム、シュウ酸水素リチウム、マロン酸水素リチウム、メチルマロン酸水素リチウム、エチルマロン酸水素リチウム、プロピルマロン酸水素リチウム、ブチルマロン酸水素リチウム、ジメチルマロン酸水素リチウム、ジエチルマロン酸水素リチウム、コハク酸水素リチウム、メチルコハク酸水素リチウム、グルタル酸水素リチウム、アジピン酸水素リチウム、イタコン酸水素リチウム、マレイン酸水素リチウム、フマル酸水素リチウム、シトラコン酸水素リチウム、クエン酸水素リチウム、炭酸水素リチウム、シュウ酸リチウム、マロン酸リチウム、メチルマロン酸リチウム、エチルマロン酸リチウム、プロピルマロン酸リチウム、ブチルマロン酸リチウム、ジメチルマロン酸リチウム、ジエチルマロン酸リチウム、コハク酸リチウム、メチルコハク酸リチウム、グルタル酸リチウム、アジピン酸リチウム、イタコン酸リチウム、マレイン酸リチウム、フマル酸リチウム、シトラコン酸リチウム、クエン酸リチウム、炭酸リチウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ブタン酸ナトリウム、ペンタン酸ナトリウム、ヘキサン酸ナトリウム、ヘプタン酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、ノナン酸ナトリウム、デカン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、リノール酸ナトリウム、リノレン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、イソフタル酸ナトリウム、テレフタル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、モノクロロ酢酸ナトリウム、ジクロロ酢酸ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、シュウ酸水素ナトリウム、マロン酸水素ナトリウム、メチルマロン酸水素ナトリウム、エチルマロン酸水素ナトリウム、プロピルマロン酸水素ナトリウム、ブチルマロン酸水素ナトリウム、ジメチルマロン酸水素ナトリウム、ジエチルマロン酸水素ナトリウム、コハク酸水素ナトリウム、メチルコハク酸水素ナトリウム、グルタル酸水素ナトリウム、アジピン酸水素ナトリウム、イタコン酸水素ナトリウム、マレイン酸水素ナトリウム、フマル酸水素ナトリウム、シトラコン酸水素ナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、マロン酸ナトリウム、メチルマロン酸ナトリウム、エチルマロン酸ナトリウム、プロピルマロン酸ナトリウム、ブチルマロン酸ナトリウム、ジメチルマロン酸ナトリウム、ジエチルマロン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、メチルコハク酸ナトリウム、グルタル酸ナトリウム、アジピン酸ナトリウム、イタコン酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、シトラコン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸カリウム、ブタン酸カリウム、ペンタン酸カリウム、ヘキサン酸カリウム、ヘプタン酸カリウム、オクタン酸カリウム、ノナン酸カリウム、デカン酸カリウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、リノール酸カリウム、リノレン酸カリウム、安息香酸カリウム、フタル酸カリウム、イソフタル酸カリウム、テレフタル酸カリウム、サリチル酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、トリフルオロ酢酸カリウム、モノクロロ酢酸カリウム、ジクロロ酢酸カリウム、トリクロロ酢酸カリウム、水酸化カリウム、シュウ酸水素カリウム、マロン酸水素カリウム、メチルマロン酸水素カリウム、エチルマロン酸水素カリウム、プロピルマロン酸水素カリウム、ブチルマロン酸水素カリウム、ジメチルマロン酸水素カリウム、ジエチルマロン酸水素カリウム、コハク酸水素カリウム、メチルコハク酸水素カリウム、グルタル酸水素カリウム、アジピン酸水素カリウム、イタコン酸水素カリウム、マレイン酸水素カリウム、フマル酸水素カリウム、シトラコン酸水素カリウム、クエン酸水素カリウム、炭酸水素カリウム、シュウ酸カリウム、マロン酸カリウム、メチルマロン酸カリウム、エチルマロン酸カリウム、プロピルマロン酸カリウム、ブチルマロン酸カリウム、ジメチルマロン酸カリウム、ジエチルマロン酸カリウム、コハク酸カリウム、メチルコハク酸カリウム、グルタル酸カリウム、アジピン酸カリウム、イタコン酸カリウム、マレイン酸カリウム、フマル酸カリウム、シトラコン酸カリウム、クエン酸カリウム、炭酸カリウムなどを例示できる。
一般式(5)で示される化合物として、(Q−1)、(Q−2)及び(Q−3)で示されるスルホニウム化合物、ヨードニウム化合物、アンモニウム化合物を挙げることができる。
(式中、R
204、R
205、R
206はそれぞれ炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20の置換あるいは非置換のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基等によって置換されていてもよい。また、R
205とR
206とは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R
205、R
206はそれぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す。A
-は非求核性対向イオンを表す。R
207、R
208、R
209、R
210は、R
204、R
205、R
206と同様であるが、水素原子であってもよい。R
207とR
208、R
207とR
208とR
209とは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R
207とR
208及びR
207とR
208とR
209は炭素数3〜10のアルキレン基を示す。)
上記R204、R205、R206、R207、R208、R209、R210は互いに同一であっても異なっていてもよく、具体的にはアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。オキソアルキル基としては、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基等が挙げられ、2−オキソプロピル基、2−シクロペンチル−2−オキソエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキソエチル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−オキソエチル基等を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等や、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等のアルキルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等のジアルキルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等が挙げられる。アリールオキソアルキル基としては、2−フェニル−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等の2−アリール−2−オキソエチル基等が挙げられる。
A-としては、水酸イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、ブタン酸イオン、ペンタン酸イオン、ヘキサン酸イオン、ヘプタン酸イオン、オクタン酸イオン、ノナン酸イオン、デカン酸イオン、オレイン酸イオン、ステアリン酸イオン、リノール酸イオン、リノレン酸イオン、安息香酸イオン、p−メチル安息香酸イオン、p−t−ブチル安息香酸イオン、フタル酸イオン、イソフタル酸イオン、テレフタル酸イオン、サリチル酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、モノクロロ酢酸イオン、ジクロロ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭素化物イオン、ヨウ素化物イオン、硝酸イオン、塩素酸イオン、過塩素酸イオン、臭素酸イオン、ヨウ素酸イオン、シュウ酸イオン、マロン酸イオン、メチルマロン酸イオン、エチルマロン酸イオン、プロピルマロン酸イオン、ブチルマロン酸イオン、ジメチルマロン酸イオン、ジエチルマロン酸イオン、コハク酸イオン、メチルコハク酸イオン、グルタル酸イオン、アジピン酸イオン、イタコン酸イオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、シトラコン酸イオン、クエン酸イオン、炭酸イオン等が挙げられる。
具体的には、スルホニウム化合物として、ギ酸トリフェニルスルホニウム、酢酸トリフェニルスルホニウム、プロピオン酸トリフェニルスルホニウム、ブタン酸トリフェニルスルホニウム、ペンタン酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサン酸トリフェニルスルホニウム、ヘプタン酸トリフェニルスルホニウム、オクタン酸トリフェニルスルホニウム、ノナン酸トリフェニルスルホニウム、デカン酸トリフェニルスルホニウム、オレイン酸トリフェニルスルホニウム、ステアリン酸トリフェニルスルホニウム、リノール酸トリフェニルスルホニウム、リノレン酸トリフェニルスルホニウム、安息香酸トリフェニルスルホニウム、p−メチル安息香酸トリフェニルスルホニウム、p−t−ブチル安息香酸トリフェニルスルホニウム、フタル酸トリフェニルスルホニウム、イソフタル酸トリフェニルスルホニウム、テレフタル酸トリフェニルスルホニウム、サリチル酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロ酢酸トリフェニルスルホニウム、モノクロロ酢酸トリフェニルスルホニウム、ジクロロ酢酸トリフェニルスルホニウム、トリクロロ酢酸トリフェニルスルホニウム、水酸化トリフェニルスルホニウム、シュウ酸トリフェニルスルホニウム、マロン酸トリフェニルスルホニウム、メチルマロン酸トリフェニルスルホニウム、エチルマロン酸トリフェニルスルホニウム、プロピルマロン酸トリフェニルスルホニウム、ブチルマロン酸トリフェニルスルホニウム、ジメチルマロン酸トリフェニルスルホニウム、ジエチルマロン酸トリフェニルスルホニウム、コハク酸トリフェニルスルホニウム、メチルコハク酸トリフェニルスルホニウム、グルタル酸トリフェニルスルホニウム、アジピン酸トリフェニルスルホニウム、イタコン酸トリフェニルスルホニウム、マレイン酸トリフェニルスルホニウム、フマル酸トリフェニルスルホニウム、シトラコン酸トリフェニルスルホニウム、クエン酸トリフェニルスルホニウム、炭酸トリフェニルスルホニウム、塩化トリフェニルスルホニウム、臭化トリフェニルスルホニウム、ヨウ化トリフェニルスルホニウム、硝酸トリフェニルスルホニウム、塩素酸トリフェニルスルホニウム、過塩素酸トリフェニルスルホニウム、臭素酸トリフェニルスルホニウム、ヨウ素酸トリフェニルスルホニウム、シュウ酸ビストリフェニルスルホニウム、マロン酸ビストリフェニルスルホニウム、メチルマロン酸ビストリフェニルスルホニウム、エチルマロン酸ビストリフェニルスルホニウム、プロピルマロン酸ビストリフェニルスルホニウム、ブチルマロン酸ビストリフェニルスルホニウム、ジメチルマロン酸ビストリフェニルスルホニウム、ジエチルマロン酸ビストリフェニルスルホニウム、コハク酸ビストリフェニルスルホニウム、メチルコハク酸ビストリフェニルスルホニウム、グルタル酸ビストリフェニルスルホニウム、アジピン酸ビストリフェニルスルホニウム、イタコン酸ビストリフェニルスルホニウム、マレイン酸ビストリフェニルスルホニウム、フマル酸ビストリフェニルスルホニウム、シトラコン酸ビストリフェニルスルホニウム、クエン酸ビストリフェニルスルホニウム、炭酸ビストリフェニルスルホニウムなどが挙げられる。
また、ヨードニウム化合物として具体的には、ギ酸ジフェニルヨードニウム、酢酸ジフェニルヨードニウム、プロピオン酸ジフェニルヨードニウム、ブタン酸ジフェニルヨードニウム、ペンタン酸ジフェニルヨードニウム、ヘキサン酸ジフェニルヨードニウム、ヘプタン酸ジフェニルヨードニウム、オクタン酸ジフェニルヨードニウム、ノナン酸ジフェニルヨードニウム、デカン酸ジフェニルヨードニウム、オレイン酸ジフェニルヨードニウム、ステアリン酸ジフェニルヨードニウム、リノール酸ジフェニルヨードニウム、リノレン酸ジフェニルヨードニウム、安息香酸ジフェニルヨードニウム、p−メチル安息香酸ジフェニルヨードニウム、p−t−ブチル安息香酸ジフェニルヨードニウム、フタル酸ジフェニルヨードニウム、イソフタル酸ジフェニルヨードニウム、テレフタル酸ジフェニルヨードニウム、サリチル酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロ酢酸ジフェニルヨードニウム、モノクロロ酢酸ジフェニルヨードニウム、ジクロロ酢酸ジフェニルヨードニウム、トリクロロ酢酸ジフェニルヨードニウム、水酸化ジフェニルヨードニウム、シュウ酸ジフェニルヨードニウム、マロン酸ジフェニルヨードニウム、メチルマロン酸ジフェニルヨードニウム、エチルマロン酸ジフェニルヨードニウム、プロピルマロン酸ジフェニルヨードニウム、ブチルマロン酸ジフェニルヨードニウム、ジメチルマロン酸ジフェニルヨードニウム、ジエチルマロン酸ジフェニルヨードニウム、コハク酸ジフェニルヨードニウム、メチルコハク酸ジフェニルヨードニウム、グルタル酸ジフェニルヨードニウム、アジピン酸ジフェニルヨードニウム、イタコン酸ジフェニルヨードニウム、マレイン酸ジフェニルヨードニウム、フマル酸ジフェニルヨードニウム、シトラコン酸ジフェニルヨードニウム、クエン酸ジフェニルヨードニウム、炭酸ジフェニルヨードニウム、塩化ジフェニルヨードニウム、臭化ジフェニルヨードニウム、ヨウ化ジフェニルヨードニウム、硝酸ジフェニルヨードニウム、塩素酸ジフェニルヨードニウム、過塩素酸ジフェニルヨードニウム、臭素酸ジフェニルヨードニウム、ヨウ素酸ジフェニルヨードニウム、シュウ酸ビスジフェニルヨードニウム、マロン酸ビスジフェニルヨードニウム、メチルマロン酸ビスジフェニルヨードニウム、エチルマロン酸ビスジフェニルヨードニウム、プロピルマロン酸ビスジフェニルヨードニウム、ブチルマロン酸ビスジフェニルヨードニウム、ジメチルマロン酸ビスジフェニルヨードニウム、ジエチルマロン酸ビスジフェニルヨードニウム、コハク酸ビスジフェニルヨードニウム、メチルコハク酸ビスジフェニルヨードニウム、グルタル酸ビスジフェニルヨードニウム、アジピン酸ビスジフェニルヨードニウム、イタコン酸ビスジフェニルヨードニウム、マレイン酸ビスジフェニルヨードニウム、フマル酸ビスジフェニルヨードニウム、シトラコン酸ビスジフェニルヨードニウム、クエン酸ビスジフェニルヨードニウム、炭酸ビスジフェニルヨードニウムなどが挙げられる。
一方、アンモニウム化合物として具体的には、ギ酸テトラメチルアンモニウム、酢酸テトラメチルアンモニウム、プロピオン酸テトラメチルアンモニウム、ブタン酸テトラメチルアンモニウム、ペンタン酸テトラメチルアンモニウム、ヘキサン酸テトラメチルアンモニウム、ヘプタン酸テトラメチルアンモニウム、オクタン酸テトラメチルアンモニウム、ノナン酸テトラメチルアンモニウム、デカン酸テトラメチルアンモニウム、オレイン酸テトラメチルアンモニウム、ステアリン酸テトラメチルアンモニウム、リノール酸テトラメチルアンモニウム、リノレン酸テトラメチルアンモニウム、安息香酸テトラメチルアンモニウム、p−メチル安息香酸テトラメチルアンモニウム、p−t−ブチル安息香酸テトラメチルアンモニウム、フタル酸テトラメチルアンモニウム、イソフタル酸テトラメチルアンモニウム、テレフタル酸テトラメチルアンモニウム、サリチル酸テトラメチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、トリフルオロ酢酸テトラメチルアンモニウム、モノクロロ酢酸テトラメチルアンモニウム、ジクロロ酢酸テトラメチルアンモニウム、トリクロロ酢酸テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、シュウ酸テトラメチルアンモニウム、マロン酸テトラメチルアンモニウム、メチルマロン酸テトラメチルアンモニウム、エチルマロン酸テトラメチルアンモニウム、プロピルマロン酸テトラメチルアンモニウム、ブチルマロン酸テトラメチルアンモニウム、ジメチルマロン酸テトラメチルアンモニウム、ジエチルマロン酸テトラメチルアンモニウム、コハク酸テトラメチルアンモニウム、メチルコハク酸テトラメチルアンモニウム、グルタル酸テトラメチルアンモニウム、アジピン酸テトラメチルアンモニウム、イタコン酸テトラメチルアンモニウム、マレイン酸テトラメチルアンモニウム、フマル酸テトラメチルアンモニウム、シトラコン酸テトラメチルアンモニウム、クエン酸テトラメチルアンモニウム、炭酸テトラメチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、硝酸テトラメチルアンモニウム、塩素酸テトラメチルアンモニウム、過塩素酸テトラメチルアンモニウム、臭素酸テトラメチルアンモニウム、ヨウ素酸テトラメチルアンモニウム、シュウ酸ビステトラメチルアンモニウム、マロン酸ビステトラメチルアンモニウム、メチルマロン酸ビステトラメチルアンモニウム、エチルマロン酸ビステトラメチルアンモニウム、プロピルマロン酸ビステトラメチルアンモニウム、ブチルマロン酸ビステトラメチルアンモニウム、ジメチルマロン酸ビステトラメチルアンモニウム、ジエチルマロン酸ビステトラメチルアンモニウム、コハク酸ビステトラメチルアンモニウム、メチルコハク酸ビステトラメチルアンモニウム、グルタル酸ビステトラメチルアンモニウム、アジピン酸ビステトラメチルアンモニウム、イタコン酸ビステトラメチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラメチルアンモニウム、フマル酸ビステトラメチルアンモニウム、シトラコン酸ビステトラメチルアンモニウム、クエン酸ビステトラメチルアンモニウム、炭酸ビステトラメチルアンモニウム、ギ酸テトラプロピルアンモニウム、酢酸テトラプロピルアンモニウム、プロピオン酸テトラプロピルアンモニウム、ブタン酸テトラプロピルアンモニウム、ペンタン酸テトラプロピルアンモニウム、ヘキサン酸テトラプロピルアンモニウム、ヘプタン酸テトラプロピルアンモニウム、オクタン酸テトラプロピルアンモニウム、ノナン酸テトラプロピルアンモニウム、デカン酸テトラプロピルアンモニウム、オレイン酸テトラプロピルアンモニウム、ステアリン酸テトラプロピルアンモニウム、リノール酸テトラプロピルアンモニウム、リノレン酸テトラプロピルアンモニウム、安息香酸テトラプロピルアンモニウム、p−メチル安息香酸テトラプロピルアンモニウム、p−t−ブチル安息香酸テトラプロピルアンモニウム、フタル酸テトラプロピルアンモニウム、イソフタル酸テトラプロピルアンモニウム、テレフタル酸テトラプロピルアンモニウム、サリチル酸テトラプロピルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸テトラプロピルアンモニウム、トリフルオロ酢酸テトラプロピルアンモニウム、モノクロロ酢酸テトラプロピルアンモニウム、ジクロロ酢酸テトラプロピルアンモニウム、トリクロロ酢酸テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、シュウ酸テトラプロピルアンモニウム、マロン酸テトラプロピルアンモニウム、メチルマロン酸テトラプロピルアンモニウム、エチルマロン酸テトラプロピルアンモニウム、プロピルマロン酸テトラプロピルアンモニウム、ブチルマロン酸テトラプロピルアンモニウム、ジメチルマロン酸テトラプロピルアンモニウム、ジエチルマロン酸テトラプロピルアンモニウム、コハク酸テトラプロピルアンモニウム、メチルコハク酸テトラプロピルアンモニウム、グルタル酸テトラプロピルアンモニウム、アジピン酸テトラプロピルアンモニウム、イタコン酸テトラプロピルアンモニウム、マレイン酸テトラプロピルアンモニウム、フマル酸テトラプロピルアンモニウム、シトラコン酸テトラプロピルアンモニウム、クエン酸テトラプロピルアンモニウム、炭酸テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム、硝酸テトラプロピルアンモニウム、塩素酸テトラプロピルアンモニウム、過塩素酸テトラプロピルアンモニウム、臭素酸テトラプロピルアンモニウム、ヨウ素酸テトラプロピルアンモニウム、シュウ酸ビステトラプロピルアンモニウム、マロン酸ビステトラプロピルアンモニウム、メチルマロン酸ビステトラプロピルアンモニウム、エチルマロン酸ビステトラプロピルアンモニウム、プロピルマロン酸ビステトラプロピルアンモニウム、ブチルマロン酸ビステトラプロピルアンモニウム、ジメチルマロン酸ビステトラプロピルアンモニウム、ジエチルマロン酸ビステトラプロピルアンモニウム、コハク酸ビステトラプロピルアンモニウム、メチルコハク酸ビステトラプロピルアンモニウム、グルタル酸ビステトラプロピルアンモニウム、アジピン酸ビステトラプロピルアンモニウム、イタコン酸ビステトラプロピルアンモニウム、マレイン酸ビステトラプロピルアンモニウム、フマル酸ビステトラプロピルアンモニウム、シトラコン酸ビステトラプロピルアンモニウム、クエン酸ビステトラプロピルアンモニウム、炭酸ビステトラプロピルアンモニウム、ギ酸テトラブチルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウム、プロピオン酸テトラブチルアンモニウム、ブタン酸テトラブチルアンモニウム、ペンタン酸テトラブチルアンモニウム、ヘキサン酸テトラブチルアンモニウム、ヘプタン酸テトラブチルアンモニウム、オクタン酸テトラブチルアンモニウム、ノナン酸テトラブチルアンモニウム、デカン酸テトラブチルアンモニウム、オレイン酸テトラブチルアンモニウム、ステアリン酸テトラブチルアンモニウム、リノール酸テトラブチルアンモニウム、リノレン酸テトラブチルアンモニウム、安息香酸テトラブチルアンモニウム、p−メチル安息香酸テトラブチルアンモニウム、p−t−ブチル安息香酸テトラブチルアンモニウム、フタル酸テトラブチルアンモニウム、イソフタル酸テトラブチルアンモニウム、テレフタル酸テトラブチルアンモニウム、サリチル酸テトラブチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸テトラブチルアンモニウム、トリフルオロ酢酸テトラブチルアンモニウム、モノクロロ酢酸テトラブチルアンモニウム、ジクロロ酢酸テトラブチルアンモニウム、トリクロロ酢酸テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、シュウ酸テトラブチルアンモニウム、マロン酸テトラブチルアンモニウム、メチルマロン酸テトラブチルアンモニウム、エチルマロン酸テトラブチルアンモニウム、プロピルマロン酸テトラブチルアンモニウム、ブチルマロン酸テトラブチルアンモニウム、ジメチルマロン酸テトラブチルアンモニウム、ジエチルマロン酸テトラブチルアンモニウム、コハク酸テトラブチルアンモニウム、メチルコハク酸テトラブチルアンモニウム、グルタル酸テトラブチルアンモニウム、アジピン酸テトラブチルアンモニウム、イタコン酸テトラブチルアンモニウム、マレイン酸テトラブチルアンモニウム、フマル酸テトラブチルアンモニウム、シトラコン酸テトラブチルアンモニウム、クエン酸テトラブチルアンモニウム、炭酸テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、硝酸テトラブチルアンモニウム、塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、臭素酸テトラブチルアンモニウム、ヨウ素酸テトラブチルアンモニウム、シュウ酸ビステトラブチルアンモニウム、マロン酸ビステトラブチルアンモニウム、メチルマロン酸ビステトラブチルアンモニウム、エチルマロン酸ビステトラブチルアンモニウム、プロピルマロン酸ビステトラブチルアンモニウム、ブチルマロン酸ビステトラブチルアンモニウム、ジメチルマロン酸ビステトラブチルアンモニウム、ジエチルマロン酸ビステトラブチルアンモニウム、コハク酸ビステトラブチルアンモニウム、メチルコハク酸ビステトラブチルアンモニウム、グルタル酸ビステトラブチルアンモニウム、アジピン酸ビステトラブチルアンモニウム、イタコン酸ビステトラブチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラブチルアンモニウム、フマル酸ビステトラブチルアンモニウム、シトラコン酸ビステトラブチルアンモニウム、クエン酸ビステトラブチルアンモニウム、炭酸ビステトラブチルアンモニウム、等を例示することができる。
なお、上記熱架橋促進剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱架橋促進剤の添加量は、ベースポリマー(上記方法で得られたケイ素含有化合物)100質量部に対して、好ましくは0.01〜50質量部、より好ましくは0.1〜40質量部である。
本発明の方法で除去出来るケイ素含有膜を形成する組成物の安定性を確保するため、安定剤として炭素数が1〜30の1価又は2価以上の有機酸を添加してもよい。このとき添加する酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、トリフルオロ酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、クエン酸等を例示することができる。特にシュウ酸、マレイン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸等が好ましい。また、安定性を保つため、2種類以上の酸を混合して使用してもよい。添加量は組成物に含まれるケイ素含有化合物100質量部に対して0.001〜25質量部、好ましくは0.01〜15質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。
あるいは、上記有機酸を組成物のpHに換算して、好ましくは0≦pH≦7、より好ましくは0.3≦pH≦6.5、更に好ましくは0.5≦pH≦6となるように配合することがよい。
更に、架橋剤として3価以上のアルコールをケイ素含有膜形成用組成物に添加すると、より容易に剥離可能なケイ素含有膜を形成できる。この3価以上のアルコールのうち、1級水酸基を2個以上有するアルコールが好ましい。一例として、下記に示す化合物を挙げることができる。
(ここで、X’は水素、またはメチル基、R’は炭素数1以上の有機基で、水酸基側の炭素はメチレン基、nは3以上、100未満)
なお、上記架橋剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋剤の添加量は、ベースポリマー(上記方法で得られたケイ素含有化合物)100質量部に対して、好ましくは0.001〜50質量部、より好ましくは0.01〜40質量部である。
このような架橋剤を添加すると、剥離剤の作用により炭素原子により構成されている架橋剤部分から硬化膜が分解し、ケイ素含有膜が崩壊し剥離が容易になる。
本発明の方法で除去出来るケイ素含有膜を形成する組成物には、溶剤として前記ケイ素含有化合物の製造時に使用したものと同様の有機溶剤、好ましくは水溶性有機溶剤、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール等のモノアルキルエーテルを使用する。具体的には、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルなどから選ばれる有機溶剤を使用する。
本発明の方法で除去出来るケイ素含有膜を形成する組成物に水を添加してもよい。水を添加すると、ケイ素含有化合物が水和されるため、リソグラフィー性能が向上する。組成物の溶剤成分における水の含有率は0質量%を超え50質量%未満であり、特に好ましくは0.3〜30質量%、更に好ましくは0.5〜20質量%である。それぞれの成分は、添加量が多すぎると、塗布膜の均一性が悪くなり、最悪の場合はじきが発生してしまう。一方、添加量が少ないとリソグラフィー性能が低下するため好ましくない。
水を含む全溶剤の使用量は、ベースポリマー100質量部に対して500〜100,000質量部、特に400〜50,000質量部が好適である。
本発明の方法で除去出来るケイ素含有膜を形成する組成物に光酸発生剤を添加してもよい。使用できる光酸発生剤としては、
(A−I)下記一般式(P1a−1)、(P1a−2)又は(P1b)のオニウム塩、
(A−II)下記一般式(P2)のジアゾメタン誘導体、
(A−III)下記一般式(P3)のグリオキシム誘導体、
(A−IV)下記一般式(P4)のビススルホン誘導体、
(A−V)下記一般式(P5)のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル、
(A−VI)β−ケトスルホン酸誘導体、
(A−VII)ジスルホン誘導体、
(A−VIII)ニトロベンジルスルホネート誘導体、
(A−IX)スルホン酸エステル誘導体
等が挙げられる。
(式中、R
101a、R
101b、R
101cはそれぞれ炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20の置換あるいは非置換のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基にある水素原子の一部又は全部がアルコキシ基等によって置換されていてもよい。また、R
101bとR
101cとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R
101b、R
101cはそれぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す。K
-は非求核性対向イオンを表す。)
上記R101a、R101b、R101cは互いに同一であっても異なっていてもよく、具体的にはアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。オキソアルキル基としては、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基等が挙げられ、2−オキソプロピル基、2−シクロペンチル−2−オキソエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキソエチル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−オキソエチル基等を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等や、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等のアルキルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等のジアルキルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等が挙げられる。アリールオキソアルキル基としては、2−フェニル−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等の2−アリール−2−オキソエチル基等が挙げられる。K-の非求核性対向イオンとしては塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
(式中、R
102a、R
102bはそれぞれ炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R
103は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。R
104a、R
104bはそれぞれ炭素数3〜7の2−オキソアルキル基を示す。K
-は非求核性対向イオンを表す。)
上記R102a、R102bとして具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。R103としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、1,4−シクロへキシレン基、1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロオクチレン基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基等が挙げられる。R104a、R104bとしては、2−オキソプロピル基、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基、2−オキソシクロヘプチル基等が挙げられる。K-は式(P1a−1)、(P1a−2)で説明したものと同様のものを挙げることができる。
(式中、R
105、R
106は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20の置換あるいは非置換のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。)
R105、R106のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。ハロゲン化アリール基としてはフルオロフェニル基、クロロフェニル基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
(式中、R
107、R
108、R
109は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。R
108、R
109は互いに結合して環状構造を形成してもよく、環状構造を形成する場合、R
108、R
109はそれぞれ炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)
R107、R108、R109のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基としては、R105、R106で説明したものと同様の基が挙げられる。なお、R108、R109のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
(式中、R
101a、R
101bは上記と同様である。)
(式中、R
110は炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルケニレン基を示し、これらの基に含まれる水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシ基、ニトロ基、アセチル基、又はフェニル基で置換されていてもよい。R
111は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は置換のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシアルキル基、フェニル基、又はナフチル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基;炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数3〜5のヘテロ芳香族基;又は塩素原子、フッ素原子で置換されていてもよい。)
ここで、R110のアリーレン基としては、1,2−フェニレン基、1,8−ナフチレン基等が、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、フェニルエチレン基、ノルボルナン−2,3−ジイル基等が、アルケニレン基としては、1,2−ビニレン基、1−フェニル−1,2−ビニレン基、5−ノルボルネン−2,3−ジイル基等が挙げられる。R111のアルキル基としては、R101a〜R101cと同様のものが、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプレニル基、1−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ジメチルアリル基、1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペンチロキシメチル基、ヘキシロキシメチル基、ヘプチロキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペンチロキシエチル基、ヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基等が挙げられる。
なお、更に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、トリル基、p−tert−ブトキシフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ニトロフェニル基等が、炭素数3〜5のヘテロ芳香族基としては、ピリジル基、フリル基等が挙げられる。
具体的には、例えば下記の光酸発生剤が挙げられる。トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、エチレンビス[メチル(2−オキソシクロペンチル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート]、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩。
ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体。
ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体。
ビスナフチルスルホニルメタン、ビストリフルオロメチルスルホニルメタン、ビスメチルスルホニルメタン、ビスエチルスルホニルメタン、ビスプロピルスルホニルメタン、ビスイソプロピルスルホニルメタン、ビス−p−トルエンスルホニルメタン、ビスベンゼンスルホニルメタン等のビススルホン誘導体。
2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等のβ−ケトスルホン酸誘導体。
ジフェニルジスルホン、ジシクロヘキシルジスルホン等のジスルホン誘導体。
p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体。
1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体。
N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−オクタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−クロロエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドp−トルエンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体等。
これらの中で、特にトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、ビスナフチルスルホニルメタン等のビススルホン誘導体、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体が好ましく用いられる。
なお、上記光酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。酸発生剤の添加量は、ベースポリマー(上記方法で得られたケイ素含有化合物)100質量部に対して、好ましくは0.01〜50質量部、より好ましくは0.05〜40質量部である。
更に、本発明の方法で除去出来るケイ素含有膜を形成する組成物は、必要に応じて界面活性剤を配合することが可能である。ここで、界面活性剤としては非イオン性のものが好ましく、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、含フッ素オルガノシロキサン系化合物が挙げられる。例えばフロラード「FC−430」、「FC−431」、「FC−4430」(いずれも住友スリーエム(株)製)、サーフロン「S−141」、「S−145」、「KH−10」、「KH−20」、「KH−30」、「KH−40」(いずれも旭硝子(株)製)、ユニダイン「DS−401」、「DS−403」、「DS−451」(いずれもダイキン工業(株)製)、メガファック「F−8151」(大日本インキ工業(株)製)、「X−70−092」、「X−70−093」(いずれも信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。好ましくは、フロラード「FC−4430」、「KH−20」、「KH−30」、「X−70−093」が挙げられる。
なお、界面活性剤の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができ、ベースポリマー100質量部に対し、0〜10質量部、特に0〜5質量部とすることが好ましい。
更に、本発明の方法で除去出来るケイ素含有膜を形成する組成物は必要に応じて、安定剤として環状エーテルを置換基として有する1価又は2価以上のアルコール、特に以下の構造で示されるエーテル化合物を添加できる。このようなものとして、下記に示す化合物を挙げることができる。
ここで、R90aは、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基、R91O−(CH2CH2O)n1−(CH2)n2−(ここで、0≦n1≦5、0≦n2≦3、R91は水素原子又はメチル基)、又はR92O−〔CH(CH3)CH2O〕n3−(CH2)n4−(ここで、0≦n3≦5、0≦n4≦3、R92は水素原子又はメチル基)であり、R90bは、水酸基、1個又は2個以上の水酸基を有する炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基、HO−(CH2CH2O)n5−(CH2)n6−(ここで、1≦n5≦5、1≦n6≦3)、又はHO−〔CH(CH3)CH2O〕n7−(CH2)n8−(ここで、1≦n7≦5、1≦n8≦3)である。
本発明の方法で剥離して除去出来るケイ素含有膜は、ケイ素含有膜材料からスピンコート法等で基板上に塗布し、作製することが可能である。多層レジスト法のケイ素含有膜として用いる場合、スピンコート後、溶剤を蒸発させ、上層レジスト膜とのミキシング防止のため、架橋反応を促進させるためにベークをすることが望ましい。ベーク温度は50〜500℃の範囲内で、10〜300秒の範囲内が好ましく用いられる。特に好ましい温度範囲は、製造されるデバイスの構造にもよるが、デバイスへの熱ダメージを少なくするため、400℃以下が好ましい。
本発明のケイ素含有膜剥離方法は、以下の方法で行う。基板上に形成されたケイ素含有膜を、第1工程として、硫酸イオン及び/またはフッ素イオンを含有する酸性剥離液で処理する。その後、純水リンス等を行い、ウエハー上にある回路にダメージを与えることなく、第1工程で用いた剥離液を除去する。その後、第2工程として、窒素化合物を含有するアルカリ性剥離液で処理する。その後、再度、純水リンス等を行い、第2工程で用いた剥離液を除去する。なお、各工程の後に行われる洗浄は、純水リンスの他にも、超音波や有機溶剤による洗浄など、ウエハー上にある回路にダメージを与えることなく、使用した剥離液を完全に除去出来る洗浄方法を選ぶことが出来る。