JP4780541B2 - 容器詰め食品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は容器詰め食品に関する。合成樹脂製の積層体からなる容器本体に酸性食品を充填し、該容器本体の開口部に蓋材をヒートシールした容器詰め食品が広く利用されている。本発明はかかる容器詰め食品の改良に関し、特に蓋材を改良した容器詰め食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前記のような容器詰め食品として、合成樹脂製の積層体からなる容器本体に酸性食品、例えばトマトケチャップを充填し、該容器本体の開口部に蓋材として所謂アルミシール材をヒートシールしたものが知られている。この場合のアルミシール材は通常、アルミニウム箔の片面にシール層としてポリエチレン層やポリプロピレン層を積層したもので、容器本体の開口部にシール層が当接する状態でアルミシール材を載せ、加圧加熱することにより、該開口部を該アルミシール材でヒートシールするようになっている。ところが、かかる従来の容器詰め食品には、ヒートシールの際にシール層が部分的に溶失し、その溶失部でアルミニウム箔が露出して、アルミニウム箔の露出部が酸性食品との接触や該酸性食品中の揮発性酸、特に酢酸の蒸気により腐食するという問題がある。アルミニウム箔が腐食するような状況下では、単に見栄えが悪くなるだけでなく、充填物である酸性食品の品質をも劣化させる。
【0003】
一方、アルミシール材に代えて合成樹脂製の積層体からなる蓋材を用いた容器詰め食品も提案されている(特開平9−278068)。この蓋材は例えば、酸素ガスバリア層/基材層/シール層をこの順で有する合成樹脂製の積層体からなり、該酸素ガスバリア層としてポリビニルアルコールと(メタ)アクリル酸系ポリマーの部分中和物との混合物からなる熱水難溶性合成樹脂を用いたものである。この従来提案には、アルミニウム箔を用いないため、前記のようなアルミニウム箔の腐食という問題がなく、また実用上支障を生じない充分な酸素ガスバリア性を有するという利点がある。ところが、かかる従来の容器詰め食品には、蓋材がそのシール層として、ポリエチレン系やポリプロピレン系の合成樹脂を用いたものであるため、適切なシール強度と密封性とを両立できないという問題がある。合成樹脂製の積層体からなる蓋材を用いた従来の容器詰め食品では、シール強度が強過ぎたり或は弱過ぎたりしてばらつきが大きく、シール強度が強過ぎるものは密封性は良いものの蓋材の剥離がし難く、逆にシール強度が弱過ぎるものはかえって違和感があり、密封性が悪いのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、合成樹脂製の積層体からなる容器本体に酸性食品を充填し、該容器本体の開口部に蓋材をヒートシールした容器詰め食品であって、蓋材に腐食を生じることなく、容器本体の開口部の形成がやや粗雑に行なわれた場合であっても蓋材による適切なシール強度と密封性とを両立した容器詰め食品を提供する処にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明は、容器本体に酸性食品を充填し、該容器本体の開口部に蓋材をヒートシールした容器詰め食品において、容器本体がオレフィン系樹脂層、エチレン・ビニルアルコール共重合体層及びオレフィン系樹脂層をこの順で有する合成樹脂製の積層体からなり、また蓋材が酸素ガスバリア層、基材層、中間層及びシール層をこの順で有する少なくとも4層の合成樹脂製の積層体からなっていて、該酸素ガスバリア層が糖類と(メタ)アクリル酸系ポリマーの部分中和物との混合物からなる熱水難溶性合成樹脂で形成されており、該基材層がエステル系樹脂で形成されていて、該中間層がエチレン系樹脂40〜60重量%と、ゴム変性ポリスチレン20〜40重量%と、エチレン・メチルメタクリレート共重合体10〜30重量%との混合物からなる合成樹脂で形成され、該シール層がゴム変性ポリスチレンを主材とする合成樹脂で形成されて成ることを特徴とする容器詰め食品に係る。
【0006】
本発明に係る容器詰め食品において、容器本体はオレフィン系樹脂層、エチレン・ビニルアルコール共重合体層及びオレフィン系樹脂層をこの順で有する合成樹脂製の積層体からなるものである。食品を充填する合成樹脂製の積層体からなる容器本体には各種が知られているが、その開口部にヒートシールする詳しくは後述するような蓋材のシール層との関係で適切なシール強度と密封性とをより良く両立させるためには、上記のような積層体からなる容器本体であって、オレフィン系樹脂層がポリエチレン層又はポリプロピレン層である容器本体を用いるのが好ましい。かかる積層体の代表例はポリエチレン層、エチレン・ビニルアルコール共重合体層及びポリエチレン層、又はポリプロピレン層、エチレン・ビニルアルコール共重合体層及びポリプロピレン層をこの順で有するもので、これらの各層は通常、容器本体のブロー成形時に熱ラミネーションされている。
【0007】
また本発明に係る容器詰め食品において、前記したような容器本体に充填するのは酸性食品である。容器本体に食品を充填し、該容器本体の開口部に蓋材をヒートシールするとき、該食品が酸性食品でない場合には、蓋材としてアルミシール材を用いても、アルミニウム箔が腐食するという問題は殆ど生じないが、該食品が酸性食品である場合には、該酸性食品との接触や該酸性食品中の揮発性酸、特に酢酸の蒸気によりアルミニウム箔が腐食するという問題を生じ、ここにアルミシール材に代えて詳しくは後述するような合成樹脂製の積層体からなる蓋材を用いる意義がある。本発明において酸性食品はそのpHが酸性を呈する食品を意味し、かかる酸性食品には各種があるが、本発明は揮発性酸を含有する酸性食品である場合により有効であり、揮発性酸として0.1〜3重量%の酢酸を含有する酸性食品である場合に特に有効であって、その代表例は用いる醸造酢に起因してかかる濃度の酢酸を含有することとなるトマトケチャップである。
【0008】
更に本発明に係る容器詰め食品において、蓋材は酸素ガスバリア層、基材層、中間層及びシール層をこの順で有する少なくとも4層の合成樹脂製の積層体からなるものである。この場合、酸素ガスバリア層は糖類と(メタ)アクリル酸系ポリマーの部分中和物との混合物からなる熱水難溶性合成樹脂で形成されており、また基材層はエステル系樹脂で形成されていて、これらそれ自体は前記した従来の容器詰め食品で提案されている合成樹脂製の積層体からなる蓋材の酸素ガスバリア層や基材層と同様のものであるが、基材層はポリエチレンテレフタレートで形成されているものが好ましい。
【0009】
本発明で用いる蓋材は中間層及びシール層に特徴がある。中間層はエチレン系樹脂40〜60重量%と、ゴム変性ポリスチレン20〜40重量%と、エチレン・メチルメタクリレート共重合体10〜30重量%との混合物からなる合成樹脂で形成されているが、なかでもエチレン系樹脂としてポリエチレン及び/又はエチレンと少なくとも1種類のαオレフィン(好ましくは炭素数が4〜8)とのエチレン・αオレフィン共重合体を用いたものが好ましい。
【0010】
またシール層はゴム変性ポリスチレンを主材とする合成樹脂で形成されている。かかるゴム変性ポリスチレンには各種があり、代表的にはハードセグメントとしてのポリスチレンにソフトセグメントとしてのゴム状分子をブロック状或はグラフト状に結合したものがある。本発明で用いる蓋材のシール層はかかるゴム変性ポリスチレンを主材とする合成樹脂で形成されており、したがって通常はゴム変性ポリスチレンを50重量%以上含有する合成樹脂で形成されているが、なかでもゴム変性ポリスチレンを50〜80重量%含有する混合物からなる合成樹脂で形成されたものが好ましい。
【0011】
容器本体はそのブロー成形時においては密封状態で製造され、製造後に首部を切断して開口部が形成される。かかる首部の切断は、容器本体の製造工場で行なわれる場合もあれば、酸性食品の製造工場で行なわれる場合もある。首部の切断が精巧に行なわれ、或は切断後に手直しされて、開口部回りの切断面が水平な平滑面である場合には、かかる開口部にヒートシールする蓋材は、酸素ガスバリア層、基材層及びシール層をこの順で有するものでも、適切なシール強度と密封性とを両立できる。しかし、首部の切断がやや粗雑に行なわれ、開口部回りの切断面がでこぼこしていたり、或は傾斜している場合には、かかる開口部にヒートシールする蓋材が、酸素ガスバリア層、基材層及びシール層をこの順で有するものであると、使用目的によっては、適切なシール強度と密封性との両立が必ずしも満足できるものではない。開口部回りの切断面がでこぼこしていたり、或は傾斜していても、かかる開口部にヒートシールする蓋材が、酸素ガスバリア層、基材層、中間層及びシール層をこの順で有するものであれば、該中間層がシール層の補助層乃至緩衝層として機能し、適切なシール強度と密封性とを両立できる。
【0012】
本発明で用いる蓋材は酸素ガスバリア層、基材層、中間層及びシール層をこの順で有するものであるが、更に保護層を備え、保護層、酸素ガスバリア層、基材層、中間層及びシール層をこの順で有する少なくとも5層の合成樹脂製の積層体からなるものが好ましく、或は更にまた印刷層を備え、保護層、印刷層、酸素ガスバリア層、基材層、中間層及びシール層をこの順で有する少なくとも6層のものがより好ましい。保護層は蓋材を外力による摩耗から保護し、また印刷層は蓋材の見栄えを良くする。かかる保護層は、ウレタン系樹脂やエポキシ系樹脂で形成することもできるが、ウレタン系樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体との混合物からなる合成樹脂で形成するのが好ましく、ウレタン系樹脂としてポリウレタンを用いたものがより好ましい。
【0013】
本発明で用いる蓋材において、それを構成する各層のラミネーション手段は特に制限されないが、基材層と中間層とはドライラミネーションされており、中間層とシール層とは熱ラミネーションされていて、他の各層は塗工処理されたものが好ましい。蓋材が保護層、印刷層、酸素ガスバリア層、基材層、中間層及びシール層をこの順で有するものである場合、基材層の片面に酸素ガスバリア層、該酸素ガスバリア層に印刷層、更に該印刷層に保護層がそれぞれ塗工処理されており、また該基材層の他の片面に中間層がドライラミネーションされていて、更に該中間層にシール層が熱ラミネーションされたものが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る容器詰め食品を例示する部分拡大縦断面図である。図1は、容器本体の胴部(図1の下方部)及び該容器本体に充填した酸性食品としてのトマトケチャップの図示を省略しているが、ブロー成形した容器の首部を切断し、これにより形成された開口部を介して容器本体にトマトケチャップを充填した後、該開口部に蓋材をヒートシールした容器詰め食品について、開口部に蓋材をヒートシールした部分を示している。
【0015】
容器本体1は、外層から内層へと向かい、ポリエチレン層11、エチレン・ビニルアルコール共重合体層12及びポリエチレン層13をこの順で有する合成樹脂製の積層体からなっている。これらの各層は容器本体1のブロー成形時に熱ラミネーションされており、外層のポリエチレン層11の首部回りには図示しないキャップを螺合するための雄螺子溝部14が形成されている。
【0016】
容器本体1の開口部には蓋材2がヒートシールされている。蓋材2は、外層から内層へと向かい、保護層21、酸素ガスバリア層22、基材層23、中間層24及びシール層25をこの順で有する合成樹脂製の積層体からなっている。保護層21はポリウレタンと塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体との混合物からなる合成樹脂で形成されている。酸素ガスバリア層22は、糖類と(メタ)アクリル酸系ポリマーの部分中和物との混合物からなる熱水難溶性合成樹脂で形成されている。基材層23はポリエチレンテレフタレートで形成されている。中間層24は主材としてのポリエチレンとゴム変性ポリスチレンとエチレン・メチルメタクリレート共重合体との混合物からなる合成樹脂で形成されている。シール層25は主材としてのゴム変性ポリスチレンとエチレン・メチルメタクリレート共重合体との混合物からなる合成樹脂で形成されている。そして、保護層21と酸素ガスバリア層22、及び酸素ガスバリア層22と基材層23は塗工処理によりラミネーションされており、基材層23と中間層24はドライラミネーションされていて、中間層24とシール層25は熱ラミネーションされている。
【0017】
【実施例】
試験区分1(容器詰め食品の製造)
下記の4種類の容器本体A〜Dと6種類の蓋材a〜fを作製した。各容器本体A〜Dにトマトケチャップ180gを充填した後、それらの開口部に各蓋材a〜fを、29.4N×200℃×4秒の条件下でヒートシールし、合計24例(実施例相当4例、参考例相当4例、比較例相当16例)の容器詰め食品を各例で50個づつ製造した。
【0018】
容器本体A:外層から内層へと向かい、ポリエチレン層、エチレン・ビニルアルコール共重合体層及びポリエチレン層をこの順で有する合成樹脂製の積層体からなるブロー成形容器を製造した後、このブロー成形容器の首部を精巧に切断し、更に手直しして、開口部回りの切断面を水平な平滑面としたもの。
容器本体B:容器本体Aと同様のブロー成形容器を製造した後、このブロー成形容器の口部をやや粗雑に切断して、開口部回りの切断面にでこぼこや傾斜を有するもの。
容器本体C:ポリエチレン層をポリプロピレン層としたこと以外は容器本体Aと同様のもの
容器本体D:ポリエチレン層をポリプロピレン層としたこと以外は容器本体Bと同様のもの
【0019】
蓋材a:中間層を有しない合成樹脂製の積層体からなる蓋材を以下のように製作した。先ず、基材層(ポリエチレンテレフタレート製フィルム、東レ社製の商品名ルミラーS10)の片面に、酸素ガスバリア層{還元澱粉糖化物(東和化成工業社製の商品名PO−20)27.2重量%とポリアクリル酸部分中和物(ポリアクリル酸を次亜リン酸ナトリウムで部分中和したもの)72.8重量%との混合物からなる熱水難溶性樹脂}を塗工処理して、酸素ガスバリア層(1μm)及び基材層(50μm)の第1積層体を得た。次に、この第1積層体の酸素ガスバリア層側に、遮光印刷層(東洋インキ社製の商品名NEWLPスーパーT1銀インキ)、白べた印刷層(東洋インキ社製の商品名NEWLPスーパーR641A白N)及び保護層(ポリウレタンと塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体との混合物からなる合成樹脂、東洋インキ社製の商品名NEWLPスーパーRTメジウム)を順次塗工処理して、保護層(1μm)、白べた印刷層(1μm)、遮光印刷層(1μm)、酸素ガスバリア層(1μm)及び基材層(50μm)の第2積層体を得た。別に、シール層{ゴム変性ポリスチレン(住友化学工業社製)62重量%とエチレン・メチルメタクリレート共重合体(住友化学工業社製の商品名アクリフトWM403)28重量%とエチレン・ヘキセン−1共重合体(住友化学工業社製)10重量%との混合物からなる合成樹脂製のフィルム}を得ておいた。最後に、第2積層体の基材層側に、2液混合性ウレタン系接着剤(主剤として東洋モートン社製の商品名AD817及び硬化剤として東洋モートン社製の商品名CAT−RT86を用いたもの)を塗工し、その塗工面にシール層をドライラミネーションして、外層から内層へと向かい、保護層(1μm)、白べた印刷層(1μm)、遮光印刷層(1μm)、酸素ガスバリア層(1μm)、基材層(50μm)及びシール層(40μm)の積層体を得た。
【0020】
蓋材b:中間層を有する合成樹脂製の積層体からなる蓋材を以下のように製作した。先ず、蓋材aと同様にして、保護層(1μm)、白べた印刷層(1μm)、遮光印刷層(1μm)、酸素ガスバリア層(1μm)及び基材層(50μm)の第2積層体を得た。別に、中間層{ポリエチレン(住友化学工業社製)50重量%とゴム変性ポリスチレン(住友化学工業社製)31重量%とエチレン・メチルメタクリレート共重合体(住友化学工業社製の商品名アクリフトWM403)19重量%との混合物からなる合成樹脂}とシール層{ゴム変性ポリスチレン(住友化学工業社製)62重量%とエチレン・メチルメタクリレート共重合体(住友化学工業社製の商品名アクリフトWM403)38重量%との混合物からなる合成樹脂}を熱ラミネーションして、中間層(10μm)及びシール層(35μm)の第3積層体を得ておいた。そして、更に蓋材aと同様にして、第2積層体の基材層側に、第3積層体の中間層側をドライラミネーションし、外層から内層へと向かい、保護層(1μm)、白べた印刷層(1μm)、遮光印刷層(1μm)、酸素ガスバリア層(1μm)、基材層(50μm)、中間層(10μm)及びシール層(35μm)の積層体を得た。
【0021】
蓋材c:中間層を有しない合成樹脂製の積層体からなる蓋材を以下のように製作した。先ず、蓋材aと同様にして、保護層(1μm)、白べた印刷層(1μm)、遮光印刷層(1μm)、酸素ガスバリア層(1μm)及び基材層(50μm)の第2積層体を得た。別に、シール層(加工助剤を含むポリエチレン系フィルム、和田化学工業社製の商品名VMX)を用意した。そして、更に蓋材aと同様にして、第2積層体の基材層側に、シール層をドライラミネーションし、外層から内層へと向かい、保護層(1μm)、白べた印刷層(1μm)、遮光印刷層(1μm)、酸素ガスバリア層(1μm)、基材層(50μm)及びシール層(30μm)の積層体を得た。
【0022】
蓋材d:シール層の加工助剤を含むポリエチレン系フィルムを加工助剤を含む延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ社製の商品名HC−OP−S)としたこと以外は蓋材cと同様にして、保護層(1μm)、白べた印刷層(1μm)、遮光印刷層(1μm)、酸素ガスバリア層(1μm)、基材層(50μm)及びシール層(40μm)の積層体を得た。
【0023】
蓋材e:シール層の加工助剤を含むポリエチレン系フィルムを、エチレン・メチルメタクリレート共重合体(三井デュポン社製の商品名0903HC)56重量%とエチレン・プロピレン共重合体(住友化学工業社製の商品名ノーブレンFM321)24重量%とマレイン酸変性ポリプロピレン(三菱化学社製の商品名モディクP300M)20重量%との混合物からなる合成樹脂製フィルムとしたこと以外は蓋材cと同様にして、保護層(1μm)、白べた印刷層(1μm)、遮光印刷層(1μm)、酸素ガスバリア層(1μm)、基材層(50μm)及びシール層(30μm)の積層体を得た。
【0024】
蓋材f:アルミニウム箔の片面にウレタン系接着剤を介して基材層(ポリエチレンテレフタレート製フィルム)をラミネーションし、該アルミニウム箔の他の片面にマレイン酸変性ポリプロピレン接着剤を介してシール層(ポリプロピレン60重量%とポリエチレン40重量%との混合物からなる合成樹脂製フィルム)をラミネーションした、基材層(12μm)、アルミニウム箔(40μm)及びシール層(25μm)の積層体からなるアルミシール材。
【0025】
試験区分2(製造した容器詰め食品の評価)
試験区分1で製造した合計24例の容器詰め食品について、蓋材の腐食の有無、シール強度及び密封性を以下のように評価した。
【0026】
蓋材の腐食の有無:各例で20個づつの容器詰め食品を、55℃で90分間、蓋材が下になるよう転倒貯蔵した後、蓋材を剥離して、腐食の有無を肉眼観察した。蓋材a〜eを用いた例は、各例で20個づつの容器詰め食品のいずれにも腐食は認められなかったが、蓋材fを用いた例は、各例で20個づつの容器詰め食品のうちで1〜3個に腐食が認められた。
【0027】
シール強度:各例で20個づつの容器詰め食品について、強度測定機(東洋ボールドウイン社製の商品名テンシロンUTM−4−100)を用い、蓋材を90度方向に剥離したときの剥離強度を求め、以下の基準で評価した。結果を表1にまとめて示した。
○;剥離強度が9N以上12N未満
△;剥離強度が12N以上15N未満、又は6N以上9N未満(表中*印)
×;剥離強度が15N以上、又は6N未満(表中*印)
尚、剥離強度は9N以上12N未満が適切であり、これよりも高くなると、それに応じ剥離し難くなり、逆にこれよりも低くなると、それに応じかえって違和感が生じ、密封性も問題になる。
【0028】
密封性:各例で10個づつの容器詰め食品について、強度測定機(インスロン・ジャパン社製の商品名インスロン5565)を用い、水平に横転した容器詰め食品の胴部を順次圧縮して、蓋材が剥離したときの圧縮強度を求め(但し、圧縮強度が1500N以上を示した時点で計測を中止し)、以下の基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
○;圧縮強度が1500N以上
△;圧縮強度が500N以上1500N未満
×;圧縮強度が500N未満
尚、容器本体が180g用のものである場合、圧縮強度は500N以上であればよいと考えられるが、1500N以上が適切であり、500N以上1500N未満はやや低強度傾向にあって、500N未満は不適である。また圧縮強度が500N未満であった例の実測値は全て100N未満であり、著しく不適であった。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、合成樹脂製の積層体からなる容器本体に酸性食品を充填し、該容器本体の開口部に蓋材をヒートシールした容器詰め食品であって、蓋材に腐食を生じることなく、容器本体の開口部の形成がやや粗雑に行なわれて場合であっても蓋材による適切なシール強度と密封性とを両立した容器詰め食品を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る容器詰め食品を例示する部分拡大縦断面図。
【符号の説明】
1・・容器本体、2・・蓋材、11,13・・ポリエチレン層、12・・エチレン・ビニルアルコール共重合体層、14・・雄螺子溝部、21・・保護層、22・・酸素ガスバリア層、23・・基材層、24・・中間層、25・・シール層
Claims (10)
- 容器本体に酸性食品を充填し、該容器本体の開口部に蓋材をヒートシールした容器詰め食品において、容器本体がオレフィン系樹脂層、エチレン・ビニルアルコール共重合体層及びオレフィン系樹脂層をこの順で有する合成樹脂製の積層体からなり、また蓋材が酸素ガスバリア層、基材層、中間層及びシール層をこの順で有する少なくとも4層の合成樹脂製の積層体からなっていて、該酸素ガスバリア層が糖類と(メタ)アクリル酸系ポリマーの部分中和物との混合物からなる熱水難溶性合成樹脂で形成されており、該基材層がエステル系樹脂で形成されていて、該中間層がエチレン系樹脂40〜60重量%と、ゴム変性ポリスチレン20〜40重量%と、エチレン・メチルメタクリレート共重合体10〜30重量%との混合物からなる合成樹脂で形成され、該シール層がゴム変性ポリスチレンを主材とする合成樹脂で形成されて成ることを特徴とする容器詰め食品。
- オレフィン系樹脂層がポリエチレン層又はポリプロピレン層である請求項1記載の容器詰め食品。
- エステル系樹脂がポリエチレンテレフタレートである請求項1又は2記載の容器詰め食品。
- エチレン系樹脂がポリエチレンである請求項1〜3のいずれか一つの項記載の容器詰め食品。
- 蓋材が、更に保護層を備え、保護層、酸素ガスバリア層、基材層、中間層及びシール層をこの順で有する少なくとも5層の合成樹脂製の積層体からなっていて、該保護層がウレタン系樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体との混合物からなる合成樹脂で形成された請求項1〜4のいずれか一つの項記載の容器詰め食品。
- ウレタン系樹脂がポリウレタンである請求項5記載の容器詰め食品。
- 蓋材が、更に印刷層を備え、保護層、印刷層、酸素ガスバリア層、基材層、中間層及びシール層をこの順で有する少なくとも6層の合成樹脂製の積層体からなる請求項5又は6記載の容器詰め食品。
- 基材層の片面に酸素ガスバリア層、該酸素ガスバリア層に印刷層、更に該印刷層に保護層がそれぞれ塗工処理されており、また該基材層の他の片面に中間層がドライラミネーションされていて、更に該中間層にシール層が熱ラミネーションされた請求項7記載の容器詰め食品。
- 酸性食品が揮発性酸を含有するものである請求項1〜8のいずれか一つの項記載の容器詰め食品。
- 揮発性酸として0.1〜3重量%の酢酸を含有する請求項9記載の容器詰め食品。
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