JPH0143225Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、食品、雑貨、機械器具の部品等を収
納密封する容器パウチ等の包装体を完全に密封
し、しかも開封が容易な積層体に関する。

従来、プラスチツク製の容器の蓋、あるいはパ
ウチは、防湿、気密、接着に重きを置いたものに
おいては開封時の剥離容易性に欠けるきらいがあ
る。逆に剥離性に重点を置いたものにおいては容
器本体の密封性を劣化させるという欠点がみられ
る。

従来共押出しフイルムの層間剥離を用いた易開
封性積層体は種々提案されており例えばゴムを添
加したポリプロピレン／中密度ポリエチレンゴム
を添加した高密度ポリエチレン／ポリプロピレ
ン、ポリプロピレン／エチレン酢酸ビニール共重
合体、ナイロン／アイオノマー樹脂、ポリエチレ
ン／アイオノマー樹脂等が易開封性積層体として
種々提案されている。しかしながらいずれも充分
に要求を満たすことはなく、易開封性を有してい
なかつたり、ヒートシール部以外でも層間剥離を
生じたりする欠点があつた。

本考案者は叙上の欠点を解消すべく研究の結果
共押出しされたポリプロピレン層とエチレン−ア
クリル酸メチル共重合体層の適度な層間強度を利
用することにより、内容物を保護するに十分な封
縅強度を有し、且つ開封時には容易に開封するこ
とができる易開封性密封包装用積層体を得ること
ができることを見いだし、かかる知見にもとづい
て、本考案を完成したものである。

即ち、本考案の要旨は基材層とエチレン−アク
リル酸メチル共重合体層と該エチレン−アクリル
酸メチル共重合体層に接するポリプロピレン層と
からなり、且つ少なくとも前記エチレン−アクリ
ル酸メチル共重合体層とポリプロピレン層は共押
出し成形により形成されたものであることを特徴
とする易開封性密封包装用積層体である。

以下、本考案につき図面を参照しながら詳細に
説明する。

第１図ａは本考案の易開封性密封包装用積層体
の例１ａを示す。

基材層２に接着剤層３を介してエチレン−アク
リル酸メチル共重合体層４及びポリプロピレン層
５が順次積層されており、少なくともエチレン−
アクリル酸メチル共重合体層４及びポリプロピレ
ン層５は共押出し成形により形成されている。

第１図ｂは本考案の易開封性密封包装用積層体
の他の例１ｂを示す。

基材層２に接着剤層３を介してポリプロピレン
層５及びエチレン−アクリル酸メチル共重合体層
４が順次積層されており、ポリプロピレン層５及
びエチレン−アクリル酸メチル共重合体層４は共
押出し成形により形成されている。

第２図は第１図ａ図示の本考案の積層体１ａを
容器６の縁７にヒートシールしたものを示す。

容器６はポリプロピレンからなつており、ヒー
トシール可能である。

第３図は、本考案の積層体１を容器６から剥離
させた後であり、積層体１ａは膜破断を生じ、ヒ
ートシール部分でエチレン−アクリル酸メチル共
重合体層４と、ポリプロピレン層５で層間剥離し
た後、膜破断を生じて、ヒートシール部を容器に
残して開封することができる。第４図は、第１図
ｂ図示の本考案の積層体１ｂをパウチ化した図で
あり、開封時にはヒートシール部８が、第３図と
同様な剥離を起こし、第５図のような状態とな
る。

本考案において、基材の材料として紙、アルミ
ニウムのような金属箔、高密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、ポリ
プロピレン、ポリブテン−１、ナイロン、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニ
ル、共重合体ケン化物、アクリルニトリル系重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又はそれらは複合材料
を用いることができる。

本考案において、ポリプロピレン層５の材料と
して、ホモ・ポリマー、エチレン−プロピレン共
重合体、プロピレン−ブテン−１共重合体あるい
は、これらと、ポリエチレンとの２種以上の混合
物を適用することができる。

次に本考案において、エチレン−アクリル酸メ
チル共重合体層４の材料としてアクリル酸メチル
を25重量％以下含むものを適用することができ
る。アクリル酸メチル含有率が25重量％以上であ
ると衛生上望ましくない。

本考案の積層体は図示したごとく、容器、パウ
チ、共に、開封時は、ヒートシール層から、ポリ
プロピレンとエチレン−アクリル酸メチル共重合
体との層間までが破断することによつて易開封性
となる。このとき、破断強度は、ヒートシール強
度よりも小さいことが必要である。

従つて、開封容易な破断強度を有する層構成、
厚さとすることが不可欠となる。第１図ａに図示
した例のごとく、ポリプロピレン層がポリプロピ
レン単体よりなる場合はポリプロピレン層の厚さ
は20μ以下が好ましい。

以上、詳記した通り、本考案の積層体はポリプ
ロピレン層とエチレン−アクリル酸メチル共重合
体層の層間から適度な剥離強度で剥離できるもの
であり、本考案の積層体を蓋材として容器を密封
するか、或いはパウチを形成することにより、完
全密封包装することができ、しかも開封にあたつ
ては適度な剥離強度で開封することができる。

又、ポリプロピレン層を薄く形成することがで
きるので、低コストで得ることができる。また、
ポリプロピレンとエチレン−アクリル酸メチル共
重合体以外の層を耐熱性を有するものとすること
により、耐ボイル性、耐高圧殺菌性をも付与する
ことができる。

次に実施例をあげて本考案につき具体的に説明
する。

実施例 １ 印刷を施した12μの厚さの２軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフイルムと、9μの厚さのアル
ミニウム箔をラミネートした基材のアルミニウム
箔面にウレタン系アンカーコーテイング剤を塗布
した後、20μ厚のエチレン−アクリル酸メチル共
重合体と10μ厚のポリプロピレンをアルミニウム
箔面にエチレン−アクリル酸メチル共重合体が接
するように共押出しラミネートした。この積層体
を、内容物を充填した外径70mmのポリプロピレン
製、円型カツプをヒートシールすることにより密
封した。このようにして得られた包装体につい
て、95℃、30分間のボイル殺菌を行つたが、ポリ
プロピレン層とエチレン−アクリル酸メチル共重
合体層との間の剥離もなく良好であつた。開封
も、第３図のようにシール部を破断して極めて容
易に開封することができた。

実施例 ２ 印刷を施した12μ厚の２軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフイルムと、15μのポリプロピレン
と15μのエチレン−アクリル酸メチル共重合体と
を共押出しした30μのフイルムとをウレタン系接
着剤によりドライラミネートした。この積層体を
パウチにした。得られた包装体は第５図のごとく
シール部を破断して容易に開封することができ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本考案の積層体の例の断面図、
第２図は第１図ａ図示の積層体からなる蓋で密封
した容器の断面図、第３図は第２図示の容器を開
封した状態を示す断面図、第４図は第１図ｂ図示
の積層体を用いてなるパウチの断面図、第５図は
第４図示のパウチを開封した状態を示す断面図で
ある。 ２……基材層、３……接着剤層、４……エチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体層、５……ポリプ
ロピレン層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基材層とエチレン−アクリル酸メチル共重合体
   層と該エチレン−アクリル酸メチル共重合体層に
   接するポリプロピレン層とからなり、且つ少なく
   とも前記エチレン−アクリル酸メチル共重合体層
   とポリプロピレン層は共押出し成形により形成さ
   れたものであることを特徴とする易開封性密封包
   装用積層体。