JP4775587B2 - 車両の衝撃吸収構造 - Google Patents
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Description
前突時の入力を車輪に伝達したときの衝撃吸収作用は、入力を車輪からサスペンションを介してサイドメンバなどの車体構造材に逃がすことで発揮されるため、高い衝撃吸収作用を得るには、タイヤ荷重伝達部材を車輪中心、即ち十分な剛性を有するホイール部に衝突させて効率よく入力伝達する必要がある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、車両衝突時の入力を車輪を利用して効率よく車体構造材に逃がすことができ、もって十分な衝撃吸収作用を達成することができる車両の衝撃吸収構造を提供することにある。
障害物に対して車両が車幅方向の何れかに大きくオフセットした衝突形態では、衝突による衝撃がバンパリンフォースの端部に集中するため、端部が片持ち支持的に車輪に向けて変形し始める。衝突時の衝撃を検出したエアバッグ作動手段はエアバッグを作動させてエアバッグ本体を展開させる。例えば車輪とバンパリンフォースの端部との間の領域でエアバッグ本体が展開したときには、衝突時の入力がバンパリンフォースの端部及びエアバッグ本体を介して車輪に伝達され、車輪を支持するサスペンションを介してサイドメンバ等の車体構造材に逃がされる。また、車輪とサイドシルとの間の領域でエアバッグ本体が展開したときには、バンパリンフォースの変形に伴って車輪に伝達された入力がエアバッグ本体を介してサイドシル等の車体構造材に逃がされ、何れの場合も衝撃吸収作用が奏される。
しかも、前突により車両最前部に位置するバンパリンフォースが直ちに変形するのに対して運転者の頭部が慣性で前方移動するのは僅かに遅れるが、これに対応するように運転席エアバッグの展開に対して先行したタイミングでエアバッグが展開する。
従って、車両衝突時にはバンパリンフォースの端部のエアバッグがエアバッグ作動手段により展開し、車輪とバンパリンフォースの端部との間の領域でエアバッグ本体が展開する。
従って、車両衝突時にはサイドシルのエアバッグがエアバッグ作動手段により展開し、車輪とサイドシルとの間の領域でエアバッグ本体が展開する。
請求項4の発明は、請求項1において、エアバッグがタイヤハウスの上部に設けられ、車輪とバンパリンフォースの端部との間の領域及び車輪とサイドシルとの間の領域でエアバッグ本体を展開するものである。
図1は本発明の衝撃吸収構造が適用された車両の前部を示す側面図、図2は同じく衝撃吸収構造が適用された車両の前部を示す平面図である。なお、これらの図は主に車体構造材の相互関係を示しており、フロントフェンダー、ドア、ボンネット等の外装材は省略されている。
バンパリンフォース5の左右両端の後面には前輪8と相対向するように前部エアバッグ15が設けられ、左右のサイドシル12の前面には同じく前輪8と相対向するように後部エアバッグ16が設けられている。これらのエアバッグ15.16は、乗員保護を目的としてステアリング17に備えられた運転席エアバッグ18と同じく、内蔵したインフレータから噴射されるガス圧を利用して図1,2に示すようにエアバッグ本体15a,16aを展開し、且つ展開直後にガス圧をベントホールから逃がして収縮するように構成されており、展開時には前輪8のタイヤ外周面に前方及び後方から当接する。また、エアバッグ本体15a,16aの材質も運転席用エアバッグ18と同様の一般的なものが選択されている。
前部エアバッグ15、後部エアバッグ16及び運転席エアバッグ18はエアバッグコントローラ19に接続され、エアバッグコントローラ19は車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサ20に接続されている。本実施形態では、これらのエアバッグコントローラ19及び加速度センサ20によりエアバッグ作動手段が構成されている。
基本的に前部エアバッグ15及び後部エアバッグ16は、ステアリングホイール17の運転席エアバッグ18と連動して同一タイミングで作動する。車両の前突は加速度センサ20からの信号に基づきエアバッグコントローラ19により判定され、前突判定時にはエアバッグコントローラ19により運転席エアバッグ18のインフレータが作動してガス圧により運転席エアバッグ18が展開して乗員保護を図るが、このとき同時に、エアバッグコントローラ19は前部エアバッグ15及び後部エアバッグ16のインフレータも作動させ、それぞれのエアバッグ15,16のエアバッグ本体15a,16aを展開させる。
しかも、前部エアバッグ15及び後部エアバッグ16のエアバッグ本体15a,16aは展開直後に収縮するため、前突時の車体変形によりバンパリンフォース5と前輪8との間のクリアランス、及び前輪8とサイドシル12との間のクリアランスが縮小する過程では、それに合せてそれぞれのエアバッグ本体15a,16aが収縮して衝撃吸収作用を奏し、これにより前突時の衝撃を一層効率的に吸収できる。
8 前輪(車輪)
12 サイドシル
15 前部エアバッグ
15a エアバッグ本体
16 後部エアバッグ
16a エアバッグ本体
19 エアバッグコントローラ(エアバッグ作動手段)
20 加速度センサ(エアバッグ作動手段)
Claims (4)
- 車両のタイヤハウス内に設けられて、車輪とバンパリンフォースの端部との間または該車輪とサイドシルとの間の少なくとも一方の領域でエアバッグ本体を展開可能なエアバッグと、
上記車両の衝突時の衝撃を検出したときに、運転者の頭部を保護するための運転席エアバッグの展開タイミングに対して先行するタイミングで上記エアバッグを作動させるエアバッグ作動手段と
を備えたことを特徴とする車両の衝撃吸収構造。 - 上記エアバッグは上記バンパリンフォースの端部の上記車輪への対向面に配設されて、該車輪とバンパリンフォースとの間の領域でエアバッグ本体を展開することを特徴とする請求項1記載の車両の衝撃吸収構造。
- 上記エアバッグは上記サイドシルの上記車輪への対向面に配設されて、該車輪とサイドシルとの間の領域でエアバッグ本体を展開することを特徴とする請求項1記載の車両の衝撃吸収構造。
- 上記エアバッグは上記タイヤハウスの上部に設けられ、上記車輪と上記バンパリンフォースの端部との間の領域及び該車輪と上記サイドシルとの間の領域でエアバッグ本体を展開することを特徴とする請求項1記載の車両の衝撃吸収構造。
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