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JP4763664B2 - 光受信回路 - Google Patents

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JP4763664B2 JP2007188338A JP2007188338A JP4763664B2 JP 4763664 B2 JP4763664 B2 JP 4763664B2 JP 2007188338 A JP2007188338 A JP 2007188338A JP 2007188338 A JP2007188338 A JP 2007188338A JP 4763664 B2 JP4763664 B2 JP 4763664B2
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Description

本発明は、変調符号として直交振幅変調(Quadrature Amplitude
Modulation:QAM)方式を用いる多値光送受信技術に関する。
基幹系光伝送システムにおいては、1本の光ファイバ中に複数の波長を多重化して伝送するWDM伝送技術が適用されており、経済的かつ大容量の情報伝送が実現されている。
従来のWDM伝送装置で用いられる変復調方式としては、従来、光強度のオン・オフによる2値の強度変調を行い、受信側ではフォトダイオードにより直接検波するIM−DD(Intensity Modulation Direct Detection)方式が一般的であった。
近年、限られた光伝送帯域を有効に利用して周波数利用効率を向上させるために、多値光送受信技術が検討されている。これまで、シンボル速度が1GSymbol/sの64−QAM変調方式を用いた伝送などが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
電子情報通信学会、「電子情報通信学会2007年総合大会講演論文集」、2007年3月20日〜23日、B−10−69、P408
しかしながら、従来の多値光送受信技術においては以下のような課題がある。受信側に関しては、同期検波が必要となるが、例えば非特許文献1記載の技術では、パイロット信号を主信号に重畳して伝送し、受信側の局部発振光源をこのパイロット信号に位相同期することにより、ヘテロダイン受信を行っている。
このようなパイロット信号を重畳する伝送方式では、パイロット信号用に余分な帯域を確保する必要があり、周波数利用効率の低下が避けられないという課題がある。
本発明は、このような背景を考慮してなされたもので、パイロット信号を用いることなく、QAM信号の同期検波を可能とする光受信回路を提供することを目的とする。
本発明は光受信回路であって、本発明の特徴とするところは、受信光信号の波長にほぼ等しい波長の局部発振光を出力する局部発振光源と、受信信号と局部発振光とを混合して出力する光90°ハイブリッドカプラと、この光90°ハイブリッドカプラからの出力信号を光信号から電気信号に変換する第一のOE変換部と、この第一のOE変換部により光信号から電気信号に変換された受信信号の同相成分および直交成分の振幅レベルを判定し、それぞれの振幅レベルをバイナリデータに変換して出力するデータ識別部と、前記光90°ハイブリッドカプラの前段に設けられ、受信光信号を分岐する光分岐部と、この光分岐部により分岐された一方の受信光信号を電気信号に変換する第二のOE変換部と、この第二のOE変換部により光信号から電気信号に変換された受信信号のシンボル周波数に等しいクロック信号を抽出するクロック抽出部と、このクロック抽出部の出力クロック信号により前記データ識別部に入力される受信信号をサンプリングする手段とを備えたことを特徴とする。
これによれば、パイロット信号を用いることなく、QAM信号の同期検波を可能とするため、周波数利用効率の低下を回避することができる。
また、前記データ識別部に入力される受信信号の振幅を求める振幅判定部と、この振幅判定部の出力が予め定められている範囲にあるシンボルのみを選別し、この選別されたシンボルに対する前記サンプリングする手段の出力から搬送波位相と前記局部発振光源との位相差を求める搬送波位相再生部とを備えることができる。これにより、データが正常に復調できるシンボルを選別することができる。
さらに、データを正常に復調できる振幅の範囲を拡張するために、前記データ識別部により出力されるデータ信号に対し、論理反転またはチャネル切替えを行う手段を備えることができる。
さらに、前記サンプリングする手段は、前記第一のOE変換部から出力されるアナログ信号の受信信号をディジタル信号の受信信号に変換して前記データ識別部に入力する手段を含むこともできる。
本発明によれば、パイロット信号を用いることなく、QAM信号の同期検波を可能とすることができるため、周波数利用効率の低下を回避することができる。
本実施例の光受信回路の構成を図1に示す。本実施例の光受信回路は、図1に示すように、受信光信号を2経路に分岐する光分岐部2と、受信光信号とほぼ同じ波長の連続光を出力する局部発振光源1と、分岐された光信号の一方と局部発振光源1の光信号とを合波する光90°ハイブリッドカプラ3と、光90°ハイブリッドカプラ3からの光信号を受信して電気信号に変換するバランスドOEコンバータであるOE変換部4−1および4−2と、OE変換部4−1および4−2からのアナログ電気信号をディジタル信号にサンプリングするアナログ・ディジタル変換部(以下ではAD変換部と記す)5−1および5−2と、分岐した光信号の他方を二乗検波するOEコンバータ8と、OEコンバータ8から出力された電気信号からシンボル速度に等しいクロック周波数を抽出するクロック抽出部9と、AD変換部5−1および5−2から出力されるディジタル信号から受信信号の振幅を判定する振幅判定部11と、AD変換部5−1および5−2から出力されるディジタル信号から光搬送波の位相を再生する搬送波位相再生部12と、搬送波位相再生部12の出力から受信信号の同相成分および直交成分の振幅値を計算し、閾値判定を行ってディジタルデータを出力するデータ識別部6と、データ識別部6から出力されるバイナリデータについて、出力データの論理反転およびチャネル切替えを行うチャネル切替・論理反転部7とを備える。
ここで、特徴とするところは、クロック抽出部9を設けて受信信号から抽出したクロック信号をAD変換部5−1および5−2に与えて受信シンボルのアイ開口が最大になる点で受信信号をサンプリングするところと、振幅判定部11を設けて所定の振幅のシンボルを選別して搬送波位相の再生を行うところと、チャネル切替・論理反転部7を設けて出力のバイナリデータの論理反転とチャネル切替えを可能とするところにある。
次に、本実施例の動作を、受信信号が16−QAM信号である場合を例にとって図3を参照して説明する。図3は本実施例におけるデータ識別部6およびチャネル切替・論理反転部7の動作を示すフローチャートである。
16−QAM信号を受信するためには、受信側で搬送波位相を再生し、光振幅の同相成分および直交成分を判別する必要がある。本実施例では、受信信号(S)とほぼ等しい周波数の局部発振光源(L)1を光90°ハイブリッドカプラ3で混合する(光90°ハイブリッドカプラ3は、空間光学系や平面導波路技術などにより実現されている)。ここで、受信信号と局部発振光との光周波数差は、シンボルレートに比べて十分低いことが必要である。
受信信号および局部発振光を
S(t)=E(t)ejω0t+φ0(t)
L(t)=EL0jω0t (式1)
と表す。ここで、ω0は搬送波および局部発振光源1の光角周波数、φ0(t)は搬送波光位相と局部発振光との位相差、E(t)は16−QAM符号で変調された光電界であり、E(t)=Ex(t)+jEy(t),Ex(t),Ey(t)∈{−3E0,−E0,E0,3E0}と表される。
光90°ハイブリッドカプラ3の出力では、
1(t)=(S(t)+L(t))/2
2(t)=(S(t)−L(t))/2
3(t)=(S(t)+jL(t))/2
4(t)=(S(t)−jL(t))/2 (式2)
となる。ここで、E1およびE2をOE変換部4−1に、E3およびE4をOE変換部4−2により検波する。このとき、2つのOE変換部4−1および4−2の出力電流I1およびI2は、I(t)=I1(t)+jI2(t)とすると
I(t)=4REL0E(t)exp{jφ0(t)} (式3)
と表される。ここで、RはOE変換部4−1および4−2の応答を表す係数である。従って、搬送波光位相と局部発振光との位相差φ0(t)がわかれば、
E(t)= (1/4REL0)I(t)exp{−jφ0(t)} (式4)
式4から受信シンボルE(t)を復調することができる。
搬送波と局部発振光との位相差φ0(t)は、次のようにして求めることができる。図2に示したように、16−QAM符号で変調された光信号の振幅および位相は様々な値をとるが、図2の塗り潰しで示したように、光強度が2E0 2および18E0 2となる場合には、位相偏移はπ/4、3π/4、5π/4、7π/4のいずれかをとる。ここで、位相偏移がπ/4、3π/4、5π/4、7π/4のいずれかをとる場合をグループA、それ以外をグループBとする。
まず、AD変換部5−1および5−2によりAD変換された出力信号に対し、振幅判定部11により受信シンボルがグループA(光強度が2E0 2および18E0 2となるシンボル)か、グループBかを判定する(S1、S2)。受信シンボルがグループAに属する場合には、式3の両辺を4乗すると、E(t)の位相項は定数となるため、
φ0(tk)=(1/4)arg[{I1(ta)+jI2(ta)}4] (式5)
により搬送波位相と局部発振光との位相差φ0(t)を求めることができる(S3)。ここで、taはグループAに属するシンボルのサンプリング時刻を表している。
また、位相差φ0(t)には光源の位相雑音が含まれているため、グループAに属する数シンボル分にわたって平均化することにより、位相雑音による不確定性を低減することができる。
また、グループBのシンボル(位相偏移がπ/4、3π/4、5π/4、7π/4以外のシンボル)に対しては、例えば、グループAに属する直前のシンボルにおけるφ0(t)の値を用いる(S4)。以上で得られたφ0(t)を用いて、式4によりE(t)を復調することにより、同相成分、直交成分のデータが得られる(S5)。式5より得られるφ0(t)は
−π/4<φ0(t)≦π/4
の範囲の値を取る。実際の位相差がこの範囲内であった場合には正常にデータを復調することができる。しかし、実際の位相差φ0r(t)は、0から2πの範囲の任意の値を取るため、実際の位相差が上記の範囲以外の場合には、復調後のE(t)は、同相成分と直交成分とが入れ替わったり、正負が反転して正常なデータが復調されない。これを回避するために、データ識別部6の出力にチャネル切替・論理反転部7が必要となる。チャネル切替・論理反転部7では、φ0r(t)が以下の4つの範囲をとる場合に分けて復調処理を行う。
π/4<φ0r(t)≦π/4
π/4<φ0r(t)≦3π/4
3π/4<φ0r(t)≦5π/4
5π/4<φ0r(t)≦7π/4
まず、
π/4<φ0r(t)≦π/4
であれば、式4から計算したE(t)により正常なデータが復調される(S6)。正常なデータが復調されない場合には、同相成分と直交成分を切り替える(S7)。
5π/4<φ0r(t)≦7π/4
であれば、これにより正常なデータが復調される(S8)。正常なデータが復調されない場合には、同相成分のみ論理反転する(S9)。
π/4<φ0r(t)≦3π/4
であれば、これにより正常なデータが復調される(S10)。正常なデータが復調されない場合には、同相成分と直交成分を再び切替え、同相成分のみを論理反転する(S11)。
3π/4<φ0r(t)≦5π/4
であれば、これにより正常なデータが復調される(S12)。これでも復調されない場合には、異常終了となる。
なお、復調されたデータが正常かどうかをもって判定する。実際には、既知の信号を受信し、正しいデータが復調されるように、チャネル切替・論理反転部7の操作の設定を行ってもよい。
また、チャネル切替・論理反転部7では、16−QAMの場合には、2ビットグレイコードの論理反転であり、上位ビットのみを反転する操作を行えばよい。実際には、既知の信号を受信し、正しいデータが復調されるように、チャネル切替・論理反転部7の操作の設定を行う。
以上の説明では、16−QAM信号に対する適用例を説明した。次に、本実施例の光受信回路を64−QAM信号に適用する場合について説明する。図4に、64−QAM信号のコンスタレーション図を示す。64−QAM信号の場合にも、位相偏移量がπ/4、3π/4、5π/4、7π/4である点において、前述の演算により搬送波と局部発振光との位相差を求め、その結果からQAM信号を復調することができる。ただし、図4からわかるように、I1、I2の二乗和から得られる光強度が50E0 2の場合(図中点線で示す)、π/4、3π/4、5π/4、7π/4以外の点も存在するため、このレベルは除外する必要がある。
なお、これまでの説明では、OE変換部4−1および4−2はバランスドOEコンバータとして説明したが、式2のE1またはE2のいずれか一方と、E3またはE4のいずれか一方のみを通常のOEコンバータで受信しても同様の復調は可能である。
(その他の実施例)
上記実施例の光受信回路では、検波出力をAD変換部5−1および5−2によりディジタル信号に変換し、このディジタル信号を用いて以降の処理を行っているが、これらの処理では、検波出力を受信光信号から抽出したクロック信号でサンプリングした信号を用いればよく、サンプリングした信号は、アナログ信号であってもディジタル信号であっても構わない。
本発明は、周波数利用効率の低下を回避することができるため、通信品質の向上に利用できる。
本実施例の光受信回路の構成図。 受信光信号(16−QAM)のコンスタレーション図。 データ識別部およびチャネル切替・論理反転部の動作を示すフローチャート。 受信光信号(64−QAM)のコンスタレーション図。
符号の説明
1 局部発振光源
2 光分岐部
3 光90°ハイブリッドカプラ
4−1、4−2 OE変換部
5−1、5−2 AD変換部
6 データ識別部
7 チャネル切替・論理反転部
8 OEコンバータ
9 クロック抽出部
10 位相調整部
11 振幅判定部
12 搬送波位相再生部

Claims (4)

  1. 受信光信号の波長にほぼ等しい波長の局部発振光を出力する局部発振光源と、
    受信信号と局部発振光とを混合して出力する光90°ハイブリッドカプラと、
    この光90°ハイブリッドカプラからの出力信号を光信号から電気信号に変換する第一のOE変換部と、
    この第一のOE変換部により光信号から電気信号に変換された受信信号の同相成分および直交成分の振幅レベルを判定し、それぞれの振幅レベルをバイナリデータに変換して出力するデータ識別部と、
    前記光90°ハイブリッドカプラの前段に設けられ、受信光信号を分岐する光分岐部と、
    この光分岐部により分岐された一方の受信光信号を電気信号に変換する第二のOE変換部と、
    この第二のOE変換部により光信号から電気信号に変換された受信信号のシンボル周波数に等しいクロック信号を抽出するクロック抽出部と、
    このクロック抽出部の出力クロック信号により前記データ識別部に入力される受信信号をサンプリングする手段と
    を備えた光受信回路。
  2. 前記データ識別部に入力される受信信号の振幅を求める振幅判定部と、
    この振幅判定部の出力が予め定められている範囲にあるシンボルのみを選別し、この選別されたシンボルに対する前記サンプリングする手段の出力から搬送波位相と前記局部発振光源との位相差を求める搬送波位相再生部と
    を備えた請求項1記載の光受信回路。
  3. 前記データ識別部により出力されるデータ信号に対し、論理反転またはチャネル切替えを行う手段を備えた請求項1または2記載の光受信回路。
  4. 前記サンプリングする手段は、前記第一のOE変換部から出力されるアナログ信号の受信信号をディジタル信号の受信信号に変換して前記データ識別部に入力する手段を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の光受信回路。
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