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JP4763261B2 - タイヤ性能予測方法、タイヤ設計方法、タイヤ性能予測プログラム及び記録媒体 - Google Patents

タイヤ性能予測方法、タイヤ設計方法、タイヤ性能予測プログラム及び記録媒体 Download PDF

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JP4763261B2 JP2004286605A JP2004286605A JP4763261B2 JP 4763261 B2 JP4763261 B2 JP 4763261B2 JP 2004286605 A JP2004286605 A JP 2004286605A JP 2004286605 A JP2004286605 A JP 2004286605A JP 4763261 B2 JP4763261 B2 JP 4763261B2
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Description

本発明は、タイヤ性能予測方法、タイヤ設計方法、タイヤ性能予測プログラム及び記録媒体にかかり、自動車等に使用されるトレッドパターンを有するタイヤの性能、特に、排水性能や雪上性能等のタイヤ性能を予測するタイヤ性能予測方法、タイヤ設計方法、タイヤ性能予測プログラム及び記録媒体に関する。
従来、空気入りタイヤ開発において、タイヤ性能は実際にタイヤを設計・製造し、自動車に装着して性能試験を行うことにより得られるものであり、性能試験の結果に満足できなければ設計・製造からやり直す、という手順を踏んできた。有限要素法(FEM)などの数値解析手法や計算機環境の発達により、例えば、舗装路面を対象にしたタイヤ性能については、計算機でタイヤの剛体路面への荷重負荷、転動解析を行うことにより予測可能になり、ここから幾つかの性能予測が行なえるようになってきた(例えば、非特許文献1を参照)。
本出願人は、タイヤの排水性能などタイヤが流体を介して使用される場合のタイヤ性能予測に関する技術を提案している(特許文献1、2,3,4を参照)。これらの技術では、トレッドパターンの排水性解析に代表される、水とタイヤの連成解析を必要とする複雑な現象の数値解析による性能予測を可能にしている。
また、本出願人は、タイヤが雪上路面で使用される場合のタイヤ性能予測に関する技術を開発しており、トレッドパターンの雪上性能解析に代表される、路面を弾塑性体としてモデル化する複雑な路面材料モデルを用いた数佳解析による性能予測も可能になってきた(特許文献5を参照)。
また現在の数値解析によるタイヤ性能予測技術では、ドライ路面・氷上路面については路面を剛体と見なして摩擦係数を適切に設定することでモデル化することが一般的になっている。またタイヤ騒音についても、路面とタイヤ周辺の空気を音響要素とし、騒音解析として一般的な境界要素法(BEM)や有限要素法(FEM)による音響解析を行なうことにより、性能予測が可能になっている(例えば、非特許文献2を参照)。
また、凹凸路面上でのタイヤ振動解析についても、凹凸を含む剛体要素で路面をモデル化し、タイヤモデルが凹凸路面上を転動する際の軸力を評価することでFEMによる振動解析を行なうことにより、性能予測が可能になっている(例えば、非特許文献3を参照)。
これらにより・路面を剛体と仮定できるドライ性能・氷上性能・水・雪を介した路面上でのウェット性能・雪上性能、空気を媒介としてタイヤ・路面により決定される騒音性能、路面の凹凸により決定される振動性能など単体の性能については、設計・製造・性能評価のタイヤ開発サイクルの一部を数値解析で置き換えることが出来るようになり、開発期間の短縮が図られてきている。
特開2000−141509号公報 特開2000−352549号公報 特開2001−009838号公報 特開2001−305022号公報 特開2003−159915号公報 Koidg, M.,Heguri,H., Kamegawa,T., Nakajima,Y., and Ogawa,H.,"Optimization for Motorcyc1e Tire using Explicit FEM,"Tire Science and Technology, TSTCA, Vo1.29, No.4, October-December 2001, pp.230-243. Nakajima,Y., Inoue,Y, and Ogawa,H., "Application of the Boundary Element Method and, Modal Analysis to Tire Acoustic Prob1ems, "Tire Science and Technology, TSTCA,Vol.21, No.2, April-June, 1992,pp.66-90、またはA.D.Virmalwar,Swati M. Athavale, P.R.Sajanpawar, "APPLICATION OF FEM AND EXPERIMENTAL TECHNIQUES FOR SIMULATION OF TYPE/ROAD AIR PUMPING NOISE, HORN EFFECT AND VIBRATION OF TYRE SIDEWALLS, "Proceeding Inter-noise 99,Vol.3.1999,pp.1817-1825 Sobnanie,M.,"Road Load Analysis," Tire Science and Technology, TSTCA, Vol.31, No.1, January-March 2003,pp.19-38
しかしながら、タイヤ設計においては単一性能のみ満足させれば良いことはほとんどなく、互いに背反関係にある複数の性能を同時に満足させる必要があることが一般的である。例えば、トレッドパターンのネガティブ率を上げて雪上性能を向上させると、逆に氷上性能が低下する、という背反関係が存在する。タイヤ設計ではこれらの背反関係を考慮しつつ最適設計案を作成する必要がある。ところが、単体のタイヤ性能予測技術では性能の背反関係を考慮できず、開発サイクルの一部を数値解析に置き換えて開発期間を短縮させることには限界がある。この理由により、数値解析技術を活用した設計・製造・評価のサイクルを効率化しきれていないのが現状である。
本発明は、上記事実を考慮して、複数のタイヤ性能を考慮しつつタイヤ開発を効率化し、良好な性能のタイヤを得ることができるタイヤ性能予測方法、タイヤ設計方法、タイヤ性能予測プログラム及び記録媒体を得ることが目的である。
上記目的を達成するために本発明は、気体(例えば空気)、液体(例えば水)、土や雪などを介したタイヤ性能を複数予測し、複数の予測結果から、そのタイヤを評価し、タイヤ開発を効率化し、良好な性能のタイヤの提供を容易にしたものである。
具体的には、本発明のタイヤ性能予測方法は、次の(a)〜(f)の各ステップを含む。(a)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルと接触しかつ路面状態をモデル化した路面モデルと、を一対の組み合わせとするタイヤ性能予測モデルを複数定めるステップ、(b)前記路面状態が異なる路面モデルを含む複数のタイヤ性能予測モデルの各々について、前記タイヤモデルが前記路面モデルに接触した状態におけるタイヤモデル及び路面モデルの少なくとも一方に生じる物理量を求めるステップ、(c)求めた複数の物理量の各々に対応するタイヤ性能の各々を予測するステップ、(d)前記複数のタイヤ性能の各々の初期値と前記予測した複数のタイヤ性能の各値との比を求め、予め定めた各タイヤ性能の目標値と初期値との差に比例する重みを前記比に付した加重和を評価値とし、該評価値を求めることを評価基準として、予測した複数のタイヤ性能に基づいて前記評価基準からタイヤ性能を評価するステップ。
本発明のタイヤ性能予測方法では、まず、これから評価するタイヤの設計案(タイヤ形状・構造・材料・パターンの変更など)の性能を評価するため、予測すべき目標性能を複数選定し、各々の目標性能毎にタイヤ設計案を数値解析上のモデルに落とし込む。すなわち、数値解析が可能なタイヤモデル(数値解析モデル)を作成する。また、目標性能毎に対象路面をモデル化した路面モデル(数値解析モデル)を作成する。目標性能毎の路面モデルとタイヤモデルとの一対の組み合わせタイヤ性能予測モデルとして、複数定める。これらのタイヤ性能予測モデルについてタイヤ及び路面を同時に考慮した数値解析を行い、タイヤ性能の数値予測を行う。このときのタイヤモデルは、異なる路面モデルに対してモデルを共有しても良く、異なるタイヤモデルを用いても良い。目標性能毎にタイヤ性能予測を行ない、これら複数のタイヤ性能の予測結果からタイヤ設計案の可否を判定し、結果良好なら設計案を採用、または更に設計案のタイヤを製造し、性能評価を行ない、この結果まで良好なら設計案を採用する。設計案による1つまたは複数の予測性能(または実測性能)が不十分であれば、設計案を修正し、数値解析モデルの作成まで戻りやり直す。この手順であれば、タイヤを製造しで性能評価をする回数が極めて少なくなるため、タイヤ開発を効率化できる。
従って、複数の性能予測に基づくタイヤ開発を行うためには、効率良く、精度の良いタイヤ性能予測のための数値解析モデルが不可欠である。そこで、本発明では、タイヤ性能を予測するため、ステップ(a)において、接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルと接触しかつ路面状態をモデル化した路面モデルと、を一対の組み合わせとするタイヤ性能予測モデルを複数定める。ステップ(b)では、前記路面状態が異なる路面モデルを含む複数のタイヤ性能予測モデルの各々について、前記タイヤモデルが前記路面モデルに接触した状態におけるタイヤモデル及び路面モデルの少なくとも一方に生じる物理量を求める。ステップ(c)では、求めた複数の物理量の各々に対応するタイヤ性能の各々を予測する。ステップ(d)では、予測した複数のタイヤ性能及び予め定めた前記複数のタイヤ性能の各々の評価基準からタイヤ性能を評価する。
本発明では、タイヤモデルと路面モデルを一対の組み合せとするタイヤ性能予測モデルは、路面状態が異なる路面モデルとそれに対応するタイヤモデルが一対となった複数の組み合わせを有し、これら複数のタイヤ性能予測モデルから得た少なくとも2つ以上の物理量から各タイヤ性能を予測してこれに基づきタイヤ性能を評価する。従って、本発明では、複数のタイヤ性能予測方法を用いることで設計案変更は実測評価を経て行う前に、タイヤ性能予測結果から評価できる。これにより、実測評価を経て行う設計案変更を減らすことができ、タイヤ開発を短縮・効率化することができる。
なお、本発明は、タイヤ開発を更に短縮・効率化させる目的で、実測評価を経て行う設計案変更を省略し、タイヤ性能予測結果を評価することで行う設計案変更で置き換えることもできる。また本発明においては、タイヤ性能予測結果を評価することで行う設計変更を更に効率化する目的で、タイヤ性能評価・設計案変更・性能予測計算の部分を自動化、統合化することができる。自動化する場合や統合化する場合には、設計案変更のアルゴリズムに数理的手法、探索的手法、経験的手法、トレードオフ解析などの最適化手法、応答曲面法などの近似手法、実験計画法、モンテカルロ法などのサーンプリング手法、タクチメソッドなどのロバスト設計手法、設計案のばらつきを考慮した信頼性評価・最適化手法などを採用すると効率化・タイヤ性能向上の両面で効果的である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤ性能予測方法であって、前記ステップ(a)では、タイヤ及び路面の少なくとも一方と少なくとも一部が接触する流体をモデル化した流体モデルを含んで路面状態を表現した路面モデルを定め、前記ステップ(b)では、前記タイヤモデルの変形計算を実行し、前記流体モデルの流動計算を実行し、前記変形計算後のタイヤモデルと前記流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与しかつ境界条件を付与した後のタイヤモデル及び流体モデルについて前記変形計算及び前記流動計算を繰り返して前記流体モデルが擬似流動状態となるまで計算させる、ことを特徴とする。
土壌や雪などは負荷がかかると内部構造(空洞と土で形成される構造や空洞と氷の結晶で形成される構造)が変化して変形するが、除荷しても変形が回復して初期形状に戻ることがない場合がある。このため、土や雪などを数値モデルとして表現するために流体モデルとして土や雪などの流体を塑性体とする。また、必要に応じて弾性体としての特性も与え、荷重負荷時に適切な反力を発生させるようにモデル化する。このように土や雪などの流体を弾塑性体または塑性体(剛塑性体)としてモデル化することにより、高精度にタイヤ性能を予測することができる。
このように、雪路面の路面モデルに含まれる流体モデルは、タイヤモデルと連成する必要がある。この連成計算は、本出願人による既に出願済の特開2000−141509号公報、特開2000−352549号公報、特開2001−009838号公報、特開2001−305022号公報に、より詳細に記載されている。
なお本発明は前発明を発展させ、単体のタイヤ性能を対象とした連成計算方法から、複数のタイヤ性能(少なくとも一つのタイヤ性能については、水とタイヤの連成計算方法に関する前発明を利用することができる)を対象とすることで、複数のタイヤ性能が設計案に対して背反する関係まで精度良く予測してタイヤ開発を効率化するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のタイヤ性能予測方法であって、前記路面モデルは、前記路面状態として濡れ路面を対象とし、液体をモデル化した流体モデルを含むことを特徴とする。
前記タイヤ性能予測モデルのうちの路面モデルとして、路面状態が濡れ路面を対象とし、液体例えば水をモデル化した流体モデル(例えば水モデル)を含むことによって、タイヤ性能の内、少なくとも一つにタイヤのウェット性能を含めることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のタイヤ性能予測方法であって、前記路面モデルは、前記路面状態として雪路面を対象とし、弾塑性体または塑性体をモデル化した雪モデルを流体モデルとして含むことを特徴とする。
前記タイヤ性能予測モデルのうちの路面モデルとして、路面状態が雪路面を対象とし雪を弾塑性体または塑性体としてモデル化することによって、タイヤ性能の内、少なくとも一つにタイヤの雪上性能を含めることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載のタイヤ性能予測方法であって、前記路面モデルは、前記路面状態としてシャーベット路面を対象とし、液体を含む弾塑性体または塑性体をモデル化したシャーベットモデルを流体モデルとして含むことを特徴とする。
前記タイヤ性能予測モデルのうちの路面モデルとして、路面状態としてシャーベット路面を対象とし、液体を含む弾塑性体または塑性体をモデル化したシャーベットモデルを流体モデルとして含むことによって、タイヤ性能の内、少なくとも一つにタイヤのシャーベット路面性能を含めることができる。
なお、本発明では、例えば水とタイヤを連成計算することと、例えば雪とタイヤを連成計算することとを発展させたものであり、水分を多量に含む雪であるシャーベット路面を対象とすることで、シャーベット路面上の走破性を予測することができる。
詳細には、水モデルの特徴は、非圧縮性を表現するために水の体積弾性率が非常に高いこと、せん断弾性率が「0」と見なされること、水を弾塑性材料と考えた場合に降伏応力が「0」と見なされることにある。一方、雪モデルの特徴は、雪とタイヤの連成計算方法に関する。雪は弾塑性材料と見なせ(降伏応力を考慮する必要があること)、体積弾性率は水モデルと比べて極めて低いこと、せん断弾性率を考慮する必要があることにある。シャーベット路面の特徴は水分を多量に含んだ雪であるため、本発明ではシャーベット路面の特性を、雪モデルの特性と水モデルの特性の中間と考え、シャーベットモデルの材料特性に雪モデルと水モデルの材料特性を一定比率で内分した数値を用いる。一定比率で内分する材料特性には、体積弾性率、せん断弾性率、ポアソン比、降伏応力が少なくとも1つ含まれる。またこの場合の一定比率はシャーベットの材料物性を実測して最適な比率を求めても良く、シャーベットに含まれる水分率に対応させて最適な比率を試行錯誤で求めても良い。
シャーベット路面上のタイヤ性能を評価するには、水とタイヤの連成計算と同様に、タイヤとシャーベットが進行速度で衝突することにより生じる動圧がタイヤを押し上げる力(流体反力)が少ないほどシャーベット路面走破性が高いと考えることができる。従って、流体反力を低減させるには、動圧が小さくなるようなタイヤ設計を行えば良い。
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載のタイヤ性能予測方法であって、前記路面モデルは、前記路面状態として氷上路面を対象とし、予め定めた氷上路面の摩擦係数を選択することによりモデル化した氷上路面モデルを含むことを特徴とする。
前記タイヤ性能予測モデルのうちの路面モデルとして、路面状態が氷上路面を対象とし、予め定めた氷上路面の摩擦係数を選択することによりモデル化した氷上路面モデルを含むことによって、タイヤ性能の内、少なくとも一つにタイヤの氷上性能を含めることができる。なお、計算方法については路面モデルを剛体要素でモデル化し、路面モデルに氷上路面で実測した摩擦係数を用いればよい。
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載のタイヤ性能予測方法であって、前記路面モデルは、前記路面状態として乾燥路面を対象とし、予め定めた乾燥路面の摩擦係数を選択することによりモデル化した乾燥路面モデルを含むことを特徴とする。
前記タイヤ性能予測モデルのうちの路面モデルとして、路面状態が乾燥路面を対象とし、予め定めた乾燥路面の摩擦係数を選択することによりモデル化した乾燥路面モデルを含むことによって、タイヤ性能の内、少なくとも一つにタイヤの乾燥路面上性能を含めることができる。なお、計算方法については路面モデルを剛体要素でモデル化し、路面モデルに乾燥路面で実測した摩擦係数を用いればよい。
請求項8に記載の発明は、請求項2に記載のタイヤ性能予測方法であって、前記路面モデルは、前記路面状態として圃場または非舗装地を表す土路面を対象とし、土壌を含む弾塑性体または塑性体をモデル化した土モデルを流体モデルとして含むことを特徴とする。
前記タイヤ性能予測モデルのうちの路面モデルとして、路面状態が圃場または非舗装地を表す土路面を対象とし、土壌を含む弾塑性体または塑性体をモデル化した土モデルを流体モデルとして含むことによって、タイヤ性能の内、少なくとも一つにタイヤの土路面上性能を含めることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項2に記載のタイヤ性能予測方法であって、前記路面モデルは、タイヤが路面に接地する近傍の気体を含む路面をモデル化した騒音解析モデルを含むことを特徴とする。
前記タイヤ性能予測モデルのうちの路面モデルとして、タイヤが路面に接地する近傍の気体を含む路面をモデル化した騒音解析モデルを含むことによって、タイヤ性能の内、少なくとも一つにタイヤの騒音性能を含めることができる。すなわち、路面状態は接地面近傍の空気を含んだ路面を対象とし、路面モデルは空気をタイヤ騒音性能解析モデルとしてモテル化することができる。これにより、前記タイヤ性能の内、少なくとも一つにタイヤの騒音性能を含めることができる。なお、計算方法についてはタイヤモデル周辺の空気を音響要素でモデル化し、騒音解析として一般的なBEMもしくはFEMによる音響解析を行えぱよい。タイヤモデル周辺の音響要素にFEMを用いる場合は、無限要素を用いてタイヤ表面から無限遠方までを考慮するか、騒音性能が評価可能な十分遠方までを考慮すれば良い。路面モデルには全反射条件もしくは吸音特性を持たせ、タイヤ表面振動が適切に路面で反射されるように設定する。
なお、タイヤの有限要素法による解析は、本出願人が既に提案済みの技術を採用することができ、音響解析は標準的な音響解析手法、例えば、Nakajima,Y,Inoue,Y.,.and Ogawa,H.,"App1ication of the Boundary Element Method and Modal Analysis to Tire Acoustic Problems,"Tire Sience and Technology, TSTCA,Vol.21, No.2,April-June, 1992, pp.66・90、またはA.D.Virmalwar,Swati M. Athavale, P.R.Sajanpawar, "APPLICATION OF FEM AND EXPERIMENTAL TECHNIQUES FOR SIMULATION OF TYPE/ROAD AIR PUMPING NOISE, HORN EFFECT AND VIBRATION OF TYRE SIDEWALLS," Proceeding Inter-noise 99, Vol.3 1999, pp1817-1825を、採用することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項2に記載のタイヤ性能予測方法であって、前記路面モデルは、前記路面状態として凹凸路面を対象とし、凹凸を含む路面をモデル化した凹凸路面モデルを含むことを特徴とする。
前記タイヤ性能予測モデルのうちの路面モデルとして、路面状態が凹凸路面を対象とし、凹凸を含む路面をモデル化した凹凸路面モデルを含むことによって、タイヤ性能の内、少なくとも一つにタイヤの凹凸路面上性能を含めることができる。
請求項11に記載の発明の空気入りタイヤ設計方法は、次の(1)〜(7)の各ステップを含む。(1)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルと接触しかつ路面状態をモデル化した路面モデルと、を一対の組み合わせとするタイヤ性能予測モデルを複数定めるステップ、(2)前記路面状態が異なる路面モデルを含む複数のタイヤ性能予測モデルの各々について、前記タイヤモデルが前記路面モデルに接触した状態におけるタイヤモデル及び路面モデルの少なくとも一方に生じる物理量を求めるステップ、(3)求めた複数の物理量の各々に対応するタイヤ性能の各々を予測するステップ、(4)前記複数のタイヤ性能の各々の初期値と前記予測した複数のタイヤ性能の各値との比を求め、予め定めた各タイヤ性能の目標値と初期値との差に比例する重みを前記比に付した加重和を評価値とし、該評価値を求めることを評価基準として、予測した複数のタイヤ性能に基づいて前記評価基準からタイヤ性能を評価するステップ、(5)前記タイヤ性能の評価結果に基づいて前記タイヤ性能予測モデルの各タイヤモデルを修正するステップ、(6)前記修正したタイヤモデルによるタイヤ性能予測モデルについて、前記ステップ(2)乃至ステップ(5)を、前記ステップ(4)の評価結果が予め定めた目標性能になるようにするために前記評価値が最大値又は最小値になるまで繰り返すステップ、(7)前記ステップ(6)の計算結果のタイヤモデルに基づいてタイヤ設計するステップ
タイヤ設計をする場合、前記ステップを順次実行するようにすれば、複数のタイヤ性能からそのタイヤのタイヤ性能を評価でき、タイヤ性能を予測しつつ設計できるというタイヤ開発の効率化に役立てることができる。
コンピュータによってタイヤ性能を予測する場合、次のタイヤ性能予測プログラムをコンピュータによって実行させることにより、容易かつ簡便にタイヤ性能を評価させることができる。詳細には、請求項12に記載の発明のタイヤ性能予測プログラムは、次の(A)〜(D)の各ステップを含む。(A)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルと接触しかつ路面状態をモデル化した路面モデルと、を一対の組み合わせとするタイヤ性能予測モデルを複数定めるステップ、(B)前記路面状態が異なる路面モデルを含む複数のタイヤ性能予測モデルの各々について、前記タイヤモデルが前記路面モデルに接触した状態におけるタイヤモデル及び路面モデルの少なくとも一方に生じる物理量を求めるステップ、(C)求めた複数の物理量の各々に対応するタイヤ性能の各々を予測するステップ、(D)前記複数のタイヤ性能の各々の初期値と前記予測した複数のタイヤ性能の各値との比を求め、予め定めた各タイヤ性能の目標値と初期値との差に比例する重みを前記比に付した加重和を評価値とし、該評価値を求めることを評価基準として、予測した複数のタイヤ性能に基づいて前記評価基準からタイヤ性能を評価するステップ。
また、コンピュータによってタイヤ性能を予測する場合、次のタイヤ性能予測プログラムを記憶媒体に記憶するようにし実行させ、データ収集するようにすれば、過去の性能評価との比較や今後のデータ蓄積に役立てることができる。詳細には、請求項13に記載の発明は、コンピュータによってタイヤ性能を予測するためのタイヤ性能予測プログラムを記録した記録媒体であって、次の各ステップを含むことを特徴とする。(い)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルと接触しかつ路面状態をモデル化した路面モデルと、を一対の組み合わせとするタイヤ性能予測モデルを複数定めるステップ、(ろ)前記路面状態が異なる路面モデルを含む複数のタイヤ性能予測モデルの各々について、前記タイヤモデルが前記路面モデルに接触した状態におけるタイヤモデル及び路面モデルの少なくとも一方に生じる物理量を求めるステップ、(は)求めた複数の物理量の各々に対応するタイヤ性能の各々を予測するステップ、(に)前記複数のタイヤ性能の各々の初期値と前記予測した複数のタイヤ性能の各値との比を求め、予め定めた各タイヤ性能の目標値と初期値との差に比例する重みを前記比に付した加重和を評価値とし、該評価値を求めることを評価基準として、予測した複数のタイヤ性能に基づいて前記評価基準からタイヤ性能を評価するステップ。
以上説明したように本発明によれば、複数のタイヤ性能を予測したり解析したりしてそのタイヤを評価するので、タイヤ開発の効率を向上できると共に、良好な性能のタイヤを得ることができる、という効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態は空気入りタイヤの性能予測に本発明を適用したものである。
図1には本発明の空気入りタイヤの性能予測を実施するためのパーソナルコンピュータの概略が示されている。このパーソナルコンピュータは、データ等を入力するためのキーボード10、予め記憶された処理プログラムに従ってタイヤの性能を予測するコンピュータ本体12、及びコンピュータ本体12の演算結果等を表示するCRT14から構成されている。
なお、コンピュータ本体12には、記録媒体としてのフレキシブルディスク(FD)が挿抜可能なフレキシブルディスクユニット(FDU)を備えている。なお、後述する処理ルーチン等は、FDUを用いてフレキシブルディスクFDに対して読み書き可能である。従って、後述する処理ルーチンは、予めFDに記録しておき、FDUを介してFDに記録された処理プログラムを実行してもよい。また、コンピュータ本体12にハードディスク装置等の大容量記憶装置(図示省略)を接続し、FDに記録された処理プログラムを大容量記憶装置(図示省略)へ格納(インストール)して実行するようにしてもよい。また、記録媒体としては、CDやDVD等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがあり、これらを用いるときには、上記FDUに代えてまたはさらにCD−ROM装置、CD−RAM装置、DVD−ROM装置、DVD−RAM装置、MD装置、MO装置等を用いればよい。
(性能予測評価)
図2は、本実施の形態の性能予測評価プログラムの処理ルーチンを示すものである。ステップ100では、評価するタイヤの設計案(タイヤ形状、構造、材料、パターンの変更など)を定める。また、ステップ100では、これから評価するタイヤの設計案(タイヤ形状・構造・材料・パターンの変更など)の性能を評価するため、予測すべき目標性能を複数選定する。目標性能としては、雪上性能、水などの液体の一部が結晶化したシャーベット状態におけるシャーベット上性能、水などの液体の全てが凍結した凍結状態における氷上性能、摩擦係数を選択することによる乾燥路面性能(ドライ性能)、濡れた路面上の濡れ路面上性能(ウェット性能)、圃場または非舗装地などにおける土壌上性能、騒音性能、凹凸路面上性能などがある。設定する目標性能の一例には、雪上性能及び氷上性能を目標性能とし、雪上性能を向上させること、氷上性能を向上させること、という背反関係の性能評価値を定めることができる。
次に、上記ステップ100で選定した各目標性能毎にタイヤ性能予測を実行する。すなわち、ステップ100で選定した目標性能毎に対応するステップ101−1,101−2,・・・,101−N(Nは2以上の自然数、目標性能の総数)において、タイヤ性能の予測計算が実行される。次のステップ101Aでは、ステップ101−1〜101−Nの予測計算で求めた複数の予測結果からタイヤ性能を評価する。
次に、ステップ124では、上記予測結果の評価から、予測性能が良好であるか否かを判断する。このステップ124の判断は、キーボードによる入力によってなされてもよくまた、評価値に、許容範囲を予め定めておき、予測結果の評価値が許容範囲内に存在するときに、予測性能が良好であると判断するようにしてもよい。
予測性能の評価の結果、目標性能に対して不十分であるときは、ステップ124で否定され、次のステップ134において設計案を変更(修正)してステップ102へ戻りこれまでの処理をやり直す。一方、性能が十分であるときは、ステップ124で肯定され、次のステップ126において、上記ステップ100で設定した設計案のタイヤを製造し、その製造したタイヤについて次のステップ128においてタイヤ実測性能評価を行う。ステップ128のタイヤ実測性能評価の結果が満足のいく性能(良好な性能)であるときは、ステップ130で肯定され、次のステップ132において、上記ステップ100またはステップ134で修正した設計案を良好な性能のものとして採用し、本ルーチンを終了する。ステップ132の設計案の採用は、その設計案が良好な性能であることを出力(表示したり、印刷したり)すると共に、その設計案のデータを記憶する。
なお、上記の実施の形態では、1つの設計案についてタイヤ性能予測及び評価を設計案を修正しながら繰り返し、採用する設計案を求めた場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の設計案から採用する設計案を求めても良い。例えば、複数の設計案について、各々タイヤ性能予測及び評価して、各々の評価結果のうち最良の設計案を選択すればよい。また、選択した最良の設計案について、上記実施の形態を実行することによって、さらに最良の設計案を求めることができる。
このように、本実施の形態では、複数のタイヤ性能予測を行っている。従来は実測評価もしくは単一の路面を想定した数値解析による単体のタイヤ性能予測評価を用いていたため、複数のタイヤ性能が背反する領域では数値解析を活用したタイヤ開発の効率化が行えず、設計案変更は実測評価を経て行うことを余儀なくされていた。本実施の形態では図2に示すように、複数のタイヤ性能予測を行うことで設計案変更は実測評価を経て行う前に、タイヤ性能予測結果を評価することで行うことができる。これにより、実測評価を経て行う設計案変更を減らすことができ、タイヤ開発を短縮・効率化することができる。
(性能評価基準)
ここで、上記ステップ101Aの処理を説明する。ステップ101Aでは、上記ステップで選定した目標性能毎のタイヤ性能予測処理結果からタイヤ性能を評価する。本実施の形態では、複数の異なる予測結果を以下の評価基準に従って評価する。
上記タイヤ性能予測処理であるステップ101−i(1≦i≦N:iはタイヤ性能を識別するための数)の予測結果は、その対象となるタイヤ性能(目標性能)によって異なるものである。例えば、雪上トラクションは前後力を予測するのに対して、スラッシュ性能は流体反力(上下力等)を予測する。
そこで、本実施の形態では、異なるタイヤ性能の予測値を一元的に評価するため、タイヤ性能予測モデル(具体的にはタイヤモデル)における初期設計案に対するタイヤ性能予測値の変動比率(以下、性能変動率P(i)という)を採用する。
P(i)=Ca(i)/Cb(i)
但し、iは目標性能を表す数、Caはタイヤ性能予測モデル(具体的にはタイヤモデル)を修正した後のタイヤ性能、Cbは初期設計案のタイヤ性能である。
この性能変動率Pを用いて、次式に示す評価値Qを得る数式により、複数のタイヤ性能の予測結果を一元的に評価する。
Q=W1 ・P(1)+・・・+WN ・P(N)
但し、Nは目標性能の総数、Wは重み係数である。重み係数Wは任意に設定可能であるが、次のように設計目標と初期設計案との差に比例するように選択することが好ましい。
i ={Cc(i)−Cb(i)}/Cb(i)・α
ΣWi =1 (i=1〜N)
但し、Ccはタイヤ性能の設計目標である。また、αは、重み係数Wの合計が「1」となるように正規化するための定数である。
以上のことにより、各タイヤ性能の評価基準が如何なるものであれ、初期設計案の評価基準値は「1」、修正された変更後の設計案の評価基準値は「1」以上となる。また、初期設計案が設計目標から離れているほど、そのタイヤ性能の優先順位が高くなる。従って、ステップ101−1〜101−Nにおいて複数のタイヤ性能予測を行い、ステップ101Aの評価値Qが最大になるように設計案の修正(ステップ134)を繰り返し実行することになる。
(タイヤ性能予測)
次に、上記ステップで選定した目標性能毎のタイヤ性能予測処理であるステップ101−i(1≦i≦N)の詳細を説明する。図3は、タイヤ性能予測プログラムの代表的な処理ルーチンを示すものである。ここでは、タイヤ性能予測の一例として、シャーベット路面上性能についてタイヤ性能予測する場合を説明する。
まず、液体を含む弾塑性体または塑性体をモデル化したシャーベットモデルを考えるとき、水を流体とする流体モデル(以下、水モデルという)とタイヤモデルとの連成、及び雪を流体とする流体モデル(以下、雪モデルという)とタイヤモデルとの連成の双方を考慮する必要がある。すなわち、シャーベットモデルは、水モデルと雪モデルの合成であると考えられる。
水モデルの特徴は、非圧縮性を表現するために水の体積弾性率が非常に高いこと、せん断弾性率が「0」と見なされること、水を弾塑性材料と考えた場合に降伏応力が「0」と見なされることにある。一方、雪モデルの特徴は、雪を弾塑性材料と見なせること(降伏応力を考慮する必要があること)、体積弾性率は水モデルと比べて極めて低いこと、せん断弾性率を考慮する必要があることにある。そして、シャーベット路面の特徴は水分を多量に含んだ雪であるため、本実施の形態ではシャーベット路面の特性を、雪モデルの特性と水モデルの特性の中間と考え、シャーベットモデルの特性に雪モデルと水モデルの特性を一定比率で内分した数値を用いている。一定比率で内分する特性には、体積弾性率、せん断弾性率、ポアソン比、降伏応力が少なくとも1つ含まれる。なお、材料特性の一定比率はシャーベットの材料物性を実測して最適な比率を求めても良く、またはシャーベットに含まれる水分率に対応させて最適な比率を試行錯誤で求めても良い。
従って、シャーベット路面上性能についてタイヤ性能予測処理は、水モデルとタイヤの連成計算方法に関する技術(例えば、本出願人が既に提案済みの特開2001−305022号公報)に準じ、タイヤとシャーベットが進行速度で衝突することにより生じる動圧がタイヤを押し上げる力(流体反力)が少ないほどシャーベット路面走破性が高いと考えることができる。これによって、流体反力を低減させるには、動圧が小さくなるようなタイヤ設計を行えば良い。
なお、本実施の形態では、シャーベット路面上性能のタイヤ性能予測を一例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図7に示すように、トレッドパターンのネガティブ率を上げて雪上性能を向上させると、逆に氷上性能が低下する、という背反関係が存在する。タイヤ設計ではこれらの背反関係を考慮しつつ最適設計案を作成する必要がある。このため、本実施の形態で述べるように、複数のタイヤ性能を同時に求めることは非常に有効である。
以下、タイヤ性能予測処理の詳細を説明する。図2のステップ101−iでは、すなわちタイヤ性能予測処理では図3の処理ルーチンが実行される。まず、図3のステップ102では、タイヤ性能予測モデルのうち、上記ステップ100で選定した各々の目標性能毎にタイヤ設計案を数値解析上のモデルに落とし込む。
すなわち、ステップ102では、タイヤ設計案を数値解析上のモデルに落とし込むため、タイヤモデルを作成する。このタイヤモデルの作成は、用いる数値解析手法により若干異なる。本実施の形態では数値解析手法として有限要素法(FEM)を用いるものとする。この場合のタイヤモデルは、有限要素法(FEM)に対応した要素分割、例えば、メッシュ分割によって複数の要素に分割され、タイヤを数値的・解析的手法に基づいて作成されたコンピュータプログラムヘのインプットデータ形式に数値化したものをいう。この要素分割とはタイヤ、流体、及び路面等の対象物を小さな幾つかの(有限の)小部分に分割することをいう。この小部分ごとに計算を行い全ての小部分について計算した後、全部の小部分を足し合わせることにより全体の応答を得ることができる。なお、数値解析手法には差分法や有限体積法、個別要素法(DEM)を用いても良い。
上記ステップ102のタイヤモデルの作成では、タイヤ断面のモデルを作成した後に、パターンをモデル化することができる。具体的には、タイヤ径方向断面のモデルを作成、すなわちタイヤ断面データを作成する。このタイヤ断面データは、設計図面から採取またはタイヤ外形をレーザー形状測定器等で計測し値を採取する。また、タイヤ内部の構造は設計図面および実際のタイヤ断面データ等から正確なものを採取する。タイヤ断面内のゴム、補強材(ベルト、プライ等、鉄・有機繊維等でできた補強コードをシート状に束ねたもの)をそれぞれ有限要素法のモデル化手法に応じてモデル化する。次に、2次元データであるタイヤ断面データ(タイヤ径方向断面のモデル)を周方向に一周分展開し、タイヤの3次元(3D)モデルを作成する。図4はタイヤモデルの作成経過を示すもので、(A)はタイヤ断面モデル、(B)はタイヤ断面モデルを周方向に展開途中のイメージ図、(C)は一周分(360度)展開したタイヤの3次元(3D)モデルを示す。なお、図4(C)は、タイヤの周方向の一部分を細かく分割しているが、360度を等分割にしても良いのは勿論である。
なお、タイヤモデルの作成は、目標性能毎のタイヤ性能予測をするにあたって同一のタイヤモデルを採用する場合には、他のタイヤ性能予測処理のときには省略することができる。
次のステップ104では、タイヤ性能予測モデルのうちの路面モデルを作成を主な処理として実行する。詳細には、ステップ104は、流体モデルの作成、路面モデルの作成、及び路面状態の設定から構成される。まず、流体モデルは、タイヤと路面との間に位置し、空気などの気体、水などの液体、雪(水分を多量に含む雪などのシャーベット体を含む)などの弾塑性体または塑性体、土などの土壌が一例として挙げられる流体をモデル化したものであり、本実施の形態では、雪に水分を多量に含んだシャーベット状の流体を想定する。流体モデルの作成は、まず、タイヤの一部(または全部)および接地面、タイヤが移動・変形する領域を含む流体領域を分割し、モデル化する。流体モデルの作成が終了すると、路面モデルの作成と共に路面状態の入力をすることで、評価可能な環境構築を終了する。
ここでは、路面をモデル化し、そのモデル化した路面を実際の路面状態に設定するために入力する。路面のモデル化は、路面形状を要素分割してモデル化し、路面の摩擦係数μを選択設定することで路面状態を入力する。すなわち、路面状態により乾燥(DRY)、濡れ(WET)、氷上、雪上、非舗装等に対応する路面の摩擦係数μが存在するので、摩擦係数μについて適正な値を選択することで、実際の路面状態を再現させることができる。また、路面モデルは,流体モデルの少なくとも一部と接していれば良く,流体モデル内部に配置することも可能である。また、路面モデルは凹凸路面を表現することができる。この場合、路面を平坦にするのではなく凹凸を付与して作成することで容易に作成することができる。
次のステップ108では、境界条件の設定がなされる。すなわち、タイヤモデルの一部は流体モデルの一部に介在することになるので、流体モデルおよびタイヤモデルに解析上の境界条件を与えてタイヤおよび流体の挙動をシミュレートする必要がある。この手順は、タイヤ転動時とタイヤ非転動時の場合で異なる。タイヤ転動時とタイヤ非転動時の選択は、予め入力するようにしてもよく、また本処理の実行当初に選択しても良く、さらに双方を実行し、各々について求めた後に選択するようにしても良い。
図5(A)に示すように、ステップ108のタイヤ転動時における境界条件の設定は、ステップ400において、流体モデル(流体領域)20に流入・流出に関する境界条件を与える。この流入・流出に関する境界条件は図6(A)に示すように、流体モデル(流体領域)20の上面20Aは自由に流体が流出し、その他の前面20B、後面20C、側面20D、下面20Eは壁(流入・流出なし)として扱う。次のステップ402ではタイヤモデルには内圧を与え、次のステップ404ではタイヤモデルに回転変位及び直進変位(変位は力、速度でも良い)の少なくとも一方と、予め定めた負荷荷重とを与える。なお、路面との摩擦を考慮する場合は、回転変位(または力、速度でもよい)または直進変位(または力、速度でもよい)の何れか一方のみでよい。
図5(B)に示すように、ステップ108のタイヤ非転動時における境界条件の設定は、ステップ410において、流体モデルに流入・流出に関する境界条件を与える。ここでは、解析を定常状態で行うため、タイヤモデルは進行方向に静止し、流体が進行速度でタイヤモデルに向かって流れる流体モデルを考える。すなわち、ステップ412において流体モデル(流体領域)内の流体に流速を与える。流入・流出に関する境界条件は図6(B)に示すように、流体モデル(流体領域)20の前面は進行速度で流入、後面は流出とし、上面、側面、下面は転動時と同様である。そして、ステップ414においてタイヤモデルには内圧を与え、次のステップ416においてタイヤモデルに負荷荷重を与える。
上記ステップ108で境界条件の設定が終了すると、ステップ110でタイヤモデルの変形計算を行い、次のステップ112で経過時間が1msec以内か否かを判断する。ステップ112で肯定されるとステップ110へ戻り、再度タイヤモデルの変形計算を行う。ここでは、タイヤモデルおよび与えた境界条件より、有限要素法に基づいてタイヤモデルの変形計算を行う。過渡的な状態を得るために、経過時間(単独経過時間)が1msec以下の間はタイヤモデルの変形計算を繰り返し、1msec経過したら次の計算(流体計算)に移る。
ステップ112で否定されると、ステップ114へ進み流体計算を行う。次のステップ116では経過時間が1msec以内か否かを判断し、肯定されるとステップ114へ戻り、再度流体計算を行い、ステップ116で否定されると、ステップ118へ進む。ここでは、流体モデル及び与えた境界条件より、有限要素法に基づいて流体計算を行う。過渡的な状態を得るために、経過時間(単独経過時間)が1msec以下の間は流体計算を繰り返し、1msec経過したら次の計算に移る。
このように、ステップ108までに作成されたり設定されたりした数値モデルをもとに、タイヤモデルの変形計算及び流体計算(流動計算)を行う。過渡的な状態を得るために、タイヤモデルの変形計算及び流体モデルの流体計算をそれぞれ1msec以内で単独計算を行い、1msec毎に両者の境界条件を更新する。
なお、タイヤモデルの変形計算と流体計算はどちらを先に計算しても良いし、また並行して計算しても良い。すなわち、ステップ110、112と、ステップ114、116とは交換した順序であってもよい。
また、上記では、経過時間(単独経過時間)が1msec以下の間の好ましい経過時間の間で繰返し計算を行う場合を説明したが、本発明で経過時間を1msecに限定するものではなく、10msec以下の経過時間を採用することができ、好ましくは1msec以下であり、更に好ましくは1μ・sec以下の経過時間を採用することができる。また、経過時間は、個別に時間を定めても良い。
次のステップ118では、タイヤモデルの変形計算および流体計算それぞれ単独の計算を1msecづつ行った後にこれらを連成させるため、タイヤモデルの変形に応じて流体モデルの境界面を認識し、境界条件を更新させ、次のステップ119においてタイヤモデルに表面圧を付加する。
ステップ118では、まず、流体モデルのどの部分がタイヤモデルに隠れているのか判定するため、流体モデルとタイヤモデルの干渉部分を計算する。次に、流体要素がタイヤモデルに完全に隠れているか否かを判断し、流体要素がタイヤモデルに完全に隠れている場合は、この要素はタイヤモデル内部にあり、流体の流入・流出は行われないため壁としての境界条件を付加する。一方、タイヤモデルに流体要素の一部が隠れている場合は、タイヤモデルの表面で流体要素を分割する切断面を計算し、この切断面で流体要素を更に分割する。次に、分割した流体要素のうちタイヤモデルに隠れていない領域を、新たに流体モデル(流体領域)として定義し、この部分を流体計算に用いる。また、新たな流体要素の切断面は、タイヤモデルと接しているため壁としての境界条件を付加する。これによって、タイヤモデルの表面形状を境界条件として流体計算に取り込むことができる。
ステップ119では、流体計算で計算した圧力をタイヤモデルにタイヤモデルの境界条件(表面力)として付加し、流体力によるタイヤモデルの変形を次のタイヤモデルの変形計算で計算させるようにする。流体側は変形後のタイヤモデルの表面形状を新たな壁として境界条件に取り入れ、タイヤモデル側は流体の圧力をタイヤモデルにかかる表面力として境界条件に取り入れる。これを1msecごとに繰り返すことにより、タイヤ性能予測に関わる過渡的な流れを擬似的に作り出すことができる。ここで1msecとは接地面内のパターンがタイヤ転動により変形していく過程を十分に表現できる時間である。
なお、上記では境界条件に取り入れる繰り返しの時間(単独経過時間)を1msecに定めたが、本発明は1msecに限定するものではなく、10msec以下の時間を採用することができ、好ましくは1msec以下であり、更に好ましくは1μ・sec以下の時間を採用することができる。
次のステップ120では、計算終了か否かを判断し、ステップ120で肯定されるとステップ122へ進み、ステップ120で否定されると、ステップ110へ戻り、再度タイヤモデルの変形計算および流体計算それぞれ単独の計算を1msecづつ行う。なお、具体的な判断方法としては、次の例がある。
タイヤモデルが、非転動モデル、全周パターン付転動モデルの場合には、対象とする物理量(流体反力、圧力、流速等)が定常状態とみなせる(以前に計算した物理量と同じとみなせる状態)まで繰り返し計算し、計算が終了した場合には肯定判断とする。または、タイヤモデルの変形が定常状態とみなせるようになるまで繰り返す。さらに、所定時間になったら終了させることも可能である。この場合の所定時間は好ましくは100msec以上、さらに好ましくは300msec以上である。
このようにして、タイヤモデルの変形計算、流体計算、および両者の連成のための境界条件変更及び境界条件(表面力)の付加を行った後、再度タイヤモデルの変形計算に戻り、変更した境界条件で計算を行う。これを計算終了まで繰り返し、計算が終了した場合には、ステップ120で肯定され、ステップ122へ進み、計算結果を予測結果として出力し、予測結果の評価を行った後、本ルーチンを終了する。図8には、予測結果としての出力の一例である、シャーベットによる動圧分布を示した。
なお、上記計算結果の出力、及び予測結果の評価は、繰り返し計算中に、その時点における計算結果を出力し、その出力について評価したり、逐次評価したりしてもよい。すなわち、計算中に出力・評価してもよい。
予測結果の出力はせん断力、せん断応力、流体力、流れ速度、流量、圧力、エネルギー等の値もしくは分布を採用することができる。予測結果の出力の具体的な一例として、流体反力の出力、流体の流れの出力と可視化、及び応力分布の出力と可視化がある。流体反力は、流体(例えば,雪)がタイヤを前進、停止させるが上方へ押し上げる力である。流体の流れは、流体の速度ベクトルから計算することができ、その流れとタイヤモデル周辺やパターン周辺とを共に線図等で表せば、可視化することができる。流体の応力分布の可視化は、タイヤモデル周辺やパターン周辺を線図として作成し、その図形上に応力値を色や模様に対応させて表示させればよい。
また、評価は、トラクションが許容値であるかなどの評価や、主観評価(全体的に、スムーズに流れているか、流れの方向による乱れの判断等)、圧力・エネルギーが局所的に上昇していないか、必要な流量が得られているか、流体力が上昇していないか、流れが停滞していないか等を採用することができる。また、パターンの場合、溝内を流れているかを採用することもできる。また、タイヤモデルの場合、タイヤが回転することにより、接地面及び接地面近傍でタイヤが水等の流体を挟み込み、前方に押し出す前方スプレーの量が多いか、路面内では横に流れているか、を採用することができる。
なお、予測結果の評価は、予測結果の出力値や出力値の分布を用いて、予め定めた許容値や許容特性を各出力値や出力値の分布にどの程度適合するかを数値的に表現することによって、評価値を定めることができる。
なお、上記の実施の形態では、1つの設計案についてタイヤ性能予測及び評価を設計案を修正しながら繰り返し、採用する設計案を求めた場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の設計案から採用する設計案を求めても良い。例えば、複数の設計案について、各々タイヤ性能予測及び評価して、各々の評価結果のうち最良の設計案を選択すればよい。また、選択した最良の設計案について、上記実施の形態を実行することによって、さらに最良の設計案を求めることができる。
上述のように本実施の形態では、タイヤ性能を評価するにあたり、タイヤモデルの予測計算による予測性能評価と、製造したタイヤの実測性能評価とを行っている。これら予測性能評価と実測性能評価は、得られるタイヤ性能を確認するために利用している。
まず、本実施の形態の主要部である、タイヤモデルの予測計算による予測性能評価では、設計案変更毎に複数の性能評価を計算する。従来は設計案変更毎にタイヤを試作・実験するため、待ち時間が開発効率化のボトルネックであった。これを予測に代替することで時間短縮を図ることができる。また、複数のタイヤ性能予測評価を行わない場合は、設計案変更の毎に予測できない性能について実測評価を行わなければならず、試作・実験のボトルネック解消に繋がらない。必要な全性能を予測評価できれば、設計案変更からタイヤ性能評価のサイクルを早くすることができる。
ところで、予測評価には予測誤差が存在するため、予測値と実測値では評価に差が生じる。しかし、この予測誤差は、予測評価法を確立する際に許容範囲内であることが確認されている。ただし通常は、タイヤ設計案確定後、最後に実測評価で予測誤差が許容範囲内であることを確認することが好ましい。なお、許容範囲とは、設計目標の範囲内か否かをいう。
そこで、本実施の形態では、製造したタイヤの実測性能評価によって、設計案のタイヤ性能を最終確認している。
従って、従来は設計案変更毎に何度も行う必要があったが、本実施の形態では、予測評価と実測評価との誤差が許容範囲内であることを確認するためのもので、通常は最後の1回だけ行えば良い。すなわち、実測評価は最終チェックであり、通常は実測結果と予測結果が一致することを確認するのみでよい。これは、実測結果を予測に反映させることではない。従って、実測結果と予測結果が許容範囲を超えて真なる場合のみ、別の設計案で予測評価のループから検討をやり直すことになる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。本実施例はラジアルタイヤの性能予測に本発明を適用したものである。
タイヤの規格として、荷重は標準荷重であり、標準荷重とは、下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことである。このときの内圧は下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことである。また、リムは下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、"Approved Rim"、"Recommended Rim" )のことである。そして、規格とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では "The Tire and Rim Association Inc. の Year Book" で、欧州では"The European Tire and Rim Technical Organization の Standards Manual"で、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA Year Book"にて規定されている。
このタイヤをもとに性能予測のためのモデル化を行った後にタイヤモデルの性能予測を行い、予測結果、実測結果を合わせて示した。
本実施例としてモデル化・試作したタイヤは、タイヤサイズは195/65R15であり、トレッドパターンはサイプなしの構造とした。
実測性能評価試験では、上記のタイヤを6J−15のリムに内圧200kPaで組み付け、乗用車に装着して各種の走行テストを行った。
図9(A)には、第1実施例のタイヤのトレッドパターンを示し、図9(B)には、第2実施例のタイヤのトレッドパターンを示した。以下の表1には、第1実施例及び第2実施例のタイヤについてのウェット性能評価、雪上性能評価、シャーベット上性能評価、氷上性能評価、ドライ性能評価、オフロード性能評価、騒音性能評価、振動性能評価の結果を示した。
(ウェット性能評価)
ウェット性能評価のためのハイドロプレーニング性能テストでは、上記のタイヤを乗用車に装着して水深10mmのプールに速度を変えて進入し、テストドライバーによるハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。結果はハイドロプレーニング発生速度の指数で表現している。
(雪上性能評価)
雪上加速テストは静止状態からアクセルを全開し、50m走行するまでの時間(加速タイム)で評価を行った。結果は加速タイムの指数で表現している。
(シャーベット上性能評価)
シャーベット上路面走破性能テストでは、水分率95%のシャーベットをアスファルト路面上に準備し、シャーベット深さ40mmのプールに速度を変えて進入し、テストドライバーによるハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。結果はハイドロプレーニング発生速度の指数で表現している。
(氷上性能評価)
氷上加速テストは静止状態からアクセルを全開し、50m走行するまでの時間(加速タイム)で評価を行った。結果は加速タイムの指数で表現している。
(ドライ性能評価)
ドライ性能テストでは、テストドライバーによるフィーリング評点を指数で表現している。
(オフロード性能評価/凹凸路上性能評価)
オフロード上加速性能テストでは、非舗装地で静止状態からアクセルを全開し、50m走行するまでの時間(加速タイム)で評価を行った。結果は加速タイムの指数で表現している。
(騒音性能評価)
騒音性能テストでは、騒音ドラム試験を速度70km/h実施し、タイヤセンターライン上で1m離れ、高さ25cmの位置にあるマイクロフォンで測定した音圧スペクトル(周波数100〜500Hzのオーバーオール値)を指数で表現している。
(振動性能評価)
振動性能テストでは、凹凸路面上を走行したときのテストドライバーのフィーリング評点を指数で表現している。
表1から理解されるように、何れの性能テスト結果も、指数大が良である。これより実車テストによる性能評価と本発明の実施の形態による性能予測結果で、パターン間の性能の優劣が一致していることがわかる。このことから本発明の実施の形態によるタイヤの性能予測は設計案の性能予測に有効であり、複数のタイヤ性能が設計案変更に対して背反関係にある場合でも、予測技術を活用して効率的に最適設計案を作成することができる。
すなわち、本発明の実施の形態による性能予測手法を用いることにより、設計・製造・性能評価のタイヤ開発サイクルの一部を数値解析で置き換えることが可能である。これを活用することによって、タイヤ開発の効率化を図ることができる。
本発明の実施の形態にかかる、タイヤ性能予測を実施するためのパーソナルコンピュータの概略図である。 本実施の形態にかかり、タイヤ性能評価にあたって、複数のタイヤ性能を予測するプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 単一のタイヤ性能を予測するプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 タイヤモデルの作成経過を示すもので、(A)はタイヤ断面モデル、(B)はタイヤ断面モデルを周方向に展開途中のイメージ図、(C)は一周分(360度)展開したタイヤの3次元モデルを示す線図である。 (A)は転動時の境界条件設定処理の流れを示すフローチャート、(B)は非転動時の境界条件設定処理の流れを示すフローチャートである。 (A)は転動時の境界条件の設定を説明するための説明図、(B)は非転動時の境界条件の設定を説明するための説明図である。 氷上性能と雪上性能の背反関係の説明図である。 シャーベットによる動圧分布を示すイメージ図である。 実施例のトレッドパターンを示すイメージ図であり、(A)は第1実施例、(B)は第2実施例を示す。
符号の説明
10 キーボード
12 コンピュータ本体
14 CRT
20 流体モデル
30 タイヤモデル
FD フレキシブルディスク(記録媒体)

Claims (13)

  1. 次の各ステップを含むタイヤ性能予測方法。
    (a)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルと接触しかつ路面状態をモデル化した路面モデルと、を一対の組み合わせとするタイヤ性能予測モデルを複数定めるステップ。
    (b)前記路面状態が異なる路面モデルを含む複数のタイヤ性能予測モデルの各々について、前記タイヤモデルが前記路面モデルに接触した状態におけるタイヤモデル及び路面モデルの少なくとも一方に生じる物理量を求めるステップ。
    (c)求めた複数の物理量の各々に対応するタイヤ性能の各々を予測するステップ。
    (d)前記複数のタイヤ性能の各々の初期値と前記予測した複数のタイヤ性能の各値との比を求め、予め定めた各タイヤ性能の目標値と初期値との差に比例する重みを前記比に付した加重和を評価値とし、該評価値を求めることを評価基準として、予測した複数のタイヤ性能に基づいて前記評価基準からタイヤ性能を評価するステップ。
  2. 前記ステップ(a)では、タイヤ及び路面の少なくとも一方と少なくとも一部が接触する流体をモデル化した流体モデルを含んで路面状態を表現した路面モデルを定め、
    前記ステップ(b)では、前記タイヤモデルの変形計算を実行し、前記流体モデルの流動計算を実行し、前記変形計算後のタイヤモデルと前記流動計算後の流体モデルとの境界面を認識し認識した境界面に関する境界条件をタイヤモデル及び流体モデルに付与しかつ境界条件を付与した後のタイヤモデル及び流体モデルについて前記変形計算及び前記流動計算を繰り返して前記流体モデルが擬似流動状態となるまで計算させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ性能予測方法。
  3. 前記路面モデルは、前記路面状態として濡れ路面を対象とし、液体をモデル化した流体モデルを含むことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ性能予測方法。
  4. 前記路面モデルは、前記路面状態として雪路面を対象とし、弾塑性体または塑性体をモデル化した雪モデルを流体モデルとして含むことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ性能予測方法。
  5. 前記路面モデルは、前記路面状態としてシャーベット路面を対象とし、液体を含む弾塑性体または塑性体をモデル化したシャーベットモデルを流体モデルとして含むことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ性能予測方法。
  6. 前記路面モデルは、前記路面状態として氷上路面を対象とし、予め定めた氷上路面の摩擦係数を選択することによりモデル化した氷上路面モデルを含むことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ性能予測方法。
  7. 前記路面モデルは、前記路面状態として乾燥路面を対象とし、予め定めた乾燥路面の摩擦係数を選択することによりモデル化した乾燥路面モデルを含むことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ性能予測方法。
  8. 前記路面モデルは、前記路面状態として圃場または非舗装地を表す土路面を対象とし、土壌を含む弾塑性体または塑性体をモデル化した土モデルを流体モデルとして含むことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ性能予測方法。
  9. 前記路面モデルは、タイヤが路面に接地する近傍の気体を含む路面をモデル化した騒音解析モデルを含むことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ性能予測方法。
  10. 前記路面モデルは、前記路面状態として凹凸路面を対象とし、凹凸を含む路面をモデル化した凹凸路面モデルを含むことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ性能予測方法。
  11. 次の各ステップを含む空気入りタイヤ設計方法。
    (1)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルと接触しかつ路面状態をモデル化した路面モデルと、を一対の組み合わせとするタイヤ性能予測モデルを複数定めるステップ。
    (2)前記路面状態が異なる路面モデルを含む複数のタイヤ性能予測モデルの各々について、前記タイヤモデルが前記路面モデルに接触した状態におけるタイヤモデル及び路面モデルの少なくとも一方に生じる物理量を求めるステップ。
    (3)求めた複数の物理量の各々に対応するタイヤ性能の各々を予測するステップ。
    (4)前記複数のタイヤ性能の各々の初期値と前記予測した複数のタイヤ性能の各値との比を求め、予め定めた各タイヤ性能の目標値と初期値との差に比例する重みを前記比に付した加重和を評価値とし、該評価値を求めることを評価基準として、予測した複数のタイヤ性能に基づいて前記評価基準からタイヤ性能を評価するステップ。
    (5)前記タイヤ性能の評価結果に基づいて前記タイヤ性能予測モデルの各タイヤモデルを修正するステップ。
    (6)前記修正したタイヤモデルによるタイヤ性能予測モデルについて、前記ステップ(2)乃至ステップ(5)を、前記ステップ(4)の評価結果が予め定めた目標性能になるようにするために前記評価値が最大値又は最小値になるまで繰り返すステップ。
    (7)前記ステップ(6)の計算結果のタイヤモデルに基づいてタイヤ設計するステップ。
  12. コンピュータによってタイヤ性能を予測するために、次の各ステップを含むことを特徴とするタイヤ性能予測プログラム。
    (A)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルと接触しかつ路面状態をモデル化した路面モデルと、を一対の組み合わせとするタイヤ性能予測モデルを複数定めるステップ。
    (B)前記路面状態が異なる路面モデルを含む複数のタイヤ性能予測モデルの各々について、前記タイヤモデルが前記路面モデルに接触した状態におけるタイヤモデル及び路面モデルの少なくとも一方に生じる物理量を求めるステップ。
    (C)求めた複数の物理量の各々に対応するタイヤ性能の各々を予測するステップ。
    (D)前記複数のタイヤ性能の各々の初期値と前記予測した複数のタイヤ性能の各値との比を求め、予め定めた各タイヤ性能の目標値と初期値との差に比例する重みを前記比に付した加重和を評価値とし、該評価値を求めることを評価基準として、予測した複数のタイヤ性能に基づいて前記評価基準からタイヤ性能を評価するステップ。
  13. コンピュータによってタイヤ性能を予測するためのタイヤ性能予測プログラムを記録した記録媒体であって、次の各ステップを含むことを特徴とするタイヤ性能予測プログラムを記録した記録媒体。
    (い)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルと接触しかつ路面状態をモデル化した路面モデルと、を一対の組み合わせとするタイヤ性能予測モデルを複数定めるステップ。
    (ろ)前記路面状態が異なる路面モデルを含む複数のタイヤ性能予測モデルの各々について、前記タイヤモデルが前記路面モデルに接触した状態におけるタイヤモデル及び路面モデルの少なくとも一方に生じる物理量を求めるステップ。
    (は)求めた複数の物理量の各々に対応するタイヤ性能の各々を予測するステップ。
    (に)前記複数のタイヤ性能の各々の初期値と前記予測した複数のタイヤ性能の各値との比を求め、予め定めた各タイヤ性能の目標値と初期値との差に比例する重みを前記比に付した加重和を評価値とし、該評価値を求めることを評価基準として、予測した複数のタイヤ性能に基づいて前記評価基準からタイヤ性能を評価するステップ。
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