JP4758031B2 - エアー加工糸及びエアー加工仮撚糸、それらの製造装置並びにそれらを使用した織物及び編物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば織物又は編物としたとき等に高嵩高性と柔らかな感触を有するとともに、大きな伸縮性をも有するエアー加工糸及びエアー加工仮撚糸、それらの製造装置並びにそれらを使用した織物及び編物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エアー加工糸はフィラメント糸よりなる芯糸及び浮糸をエアの撹乱作用により混繊処理することにより製造されている。このエアー加工糸を形成する芯糸には普通糸で未延伸糸(POY)を延伸したもの又は延伸糸(FDY)が使用されるとともに、浮糸にも普通糸が使用されている。これら芯糸及び浮糸に混繊処理を施すことにより製造されたエアー加工糸には、モール糸のような高嵩高性と、紡毛糸のような柔らかな感触が付与されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記芯糸及び浮糸は、混繊処理を施した後ではほとんど伸縮しないため、従来のエアー加工糸は伸縮性が良いとは言い難く、伸縮性に富む織物や編物の材料として使用するには不向きであるという問題があった。
【0004】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、高嵩高性と柔らかな感触を有しつつ、かつてない程の大きな伸縮性を発揮することができるエアー加工糸及びエアー加工仮撚糸、それらの製造装置並びにそれらを使用した織物及び編物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載のエアー加工糸の発明は、伸縮性を有し、かつ延伸されたフィラメント糸よりなる第1の原糸とフィラメント糸よりなる第2の原糸を予め撚糸して得られる第1の芯糸と、フィラメント糸よりなる第2の芯糸とにより形成される芯糸に対し、フィラメント糸よりなる浮糸を給糸してエアーで混繊処理を施すことにより製糸され、芯糸が伸縮することにより伸縮性を有するように構成したことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に記載のエアー加工仮撚糸の発明は、伸縮性を有し、かつ延伸されたフィラメント糸よりなる第1の原糸とフィラメント糸よりなる第2の原糸を予め撚糸して得られる第1の芯糸と、フィラメント糸よりなる第2の芯糸とにより形成される芯糸に対し、フィラメント糸よりなる浮糸を給糸してエアーで混繊処理を施すとともに、混繊処理された芯糸及び浮糸に対して仮撚り加工を行うことにより製糸され、芯糸が伸縮することにより伸縮性を有するように構成したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項3に記載のエアー加工糸の発明は、伸縮性を有し、かつ延伸されたフィラメント糸よりなる第1の原糸に対してフィラメント糸よりなる第2の原糸を給糸し、エアーで混繊処理を施すことにより形成される第1の芯糸と、フィラメント糸よりなる第2の芯糸とにより形成される芯糸に対し、フィラメント糸よりなる浮糸を給糸してエアーで混繊処理を施すことにより製糸され、芯糸が伸縮することにより伸縮性を有するように構成したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項4に記載のエアー加工仮撚糸の発明は、伸縮性を有し、かつ延伸されたフィラメント糸よりなる第1の原糸に対してフィラメント糸よりなる第2の原糸を給糸し、エアーで混繊処理を施すことにより形成される第1の芯糸と、フィラメント糸よりなる第2の芯糸とにより形成される芯糸に対し、フィラメント糸よりなる浮糸を給糸してエアーで混繊処理を施すとともに、混繊処理された芯糸及び浮糸に対して仮撚り加工を行うことにより製糸され、芯糸が伸縮することにより伸縮性を有するように構成したことを特徴とするものである。
【0009】
請求項5に記載のエアー加工糸の製造装置の発明は、伸縮性を有するフィラメント糸よりなる第1の原糸を給糸するとともに、第1の原糸を延伸させるための延伸機構を有する第1の原糸供給部と、フィラメント糸よりなる第2の原糸を給糸して、前記第1の原糸に合流させるための第2の原糸供給部と、前記第1の原糸供給部及び第2の原糸供給部から供給される第1の原糸及び第2の原糸をエアーの撹乱作用により混繊処理する第1混繊機構を有し、第1の原糸及び第2の原糸に混繊処理を施して形成される第1の芯糸を給糸するための第1の芯糸供給部と、フィラメント糸よりなる第2の芯糸を給糸して、前記第1の芯糸に合流させるための第2の芯糸供給部と、フィラメント糸よりなる浮糸を給糸して、前記第1の芯糸及び第2の芯糸に合流させるための浮糸供給部と、前記第1の芯糸供給部、第2の芯糸供給部及び浮糸供給部から供給される第1の芯糸、第2の芯糸及び浮糸をエアーの撹乱作用により混繊処理する第2混繊機構とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項6に記載のエアー加工仮撚糸の製造装置の発明は、伸縮性を有するフィラメント糸よりなる第1の原糸を給糸するとともに、第1の原糸を延伸させるための延伸機構を有する第1の原糸供給部と、フィラメント糸よりなる第2の原糸を給糸して、前記第2の原糸に合流させるための第2の原糸供給部と、前記第1の原糸供給部及び第2の原糸供給部から供給される第1の原糸及び第2の原糸をエアーの撹乱作用により混繊処理する第1混繊機構を有し、第1の原糸及び第2の原糸に混繊処理を施して形成される第1の芯糸を給糸するための第1の芯糸供給部と、フィラメント糸よりなる第2の芯糸を給糸して、前記第1の芯糸に合流させるための第2の芯糸供給部と、フィラメント糸よりなる浮糸を給糸して、前記第1の芯糸及び第2の芯糸に合流させるための浮糸供給部と、前記第1の芯糸供給部、第2の芯糸供給部及び浮糸供給部から供給される第1の芯糸、第2の芯糸及び浮糸をエアの撹乱作用により混繊処理する第2混繊機構と、第2混繊機構で混繊された混繊糸を加撚するとともに解撚する仮撚り加工部と、前記仮撚り加工部に配設され、加撚された混繊糸の撚りを加熱保持する第1ヒータと、前記仮撚り加工部において第1ヒータより下流側に配設され、解撚された混繊糸の撚りを加熱保持する第2ヒータとを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項7に記載の織物の発明は、請求項1又は請求項3に記載のエアー加工糸若しくは請求項2又は請求項4に記載のエアー加工仮撚糸を使用して織り上げて得られることを特徴とするものである。
【0012】
請求項7に記載の編物の発明は、請求項1又は請求項3に記載のエアー加工糸若しくは請求項2又は請求項4に記載のエアー加工仮撚糸を使用して編み上げて得られることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、この発明の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図2(a)は混繊処理時における第1実施形態のエアー加工糸のある一箇所を拡大した図であり、図2(b)はその絡み付き形態を模式的に示した図である。エアー加工糸を構成する芯糸11は第1の芯糸12と、フィラメント糸よりなる第2の芯糸13とにより形成されている。前記第1の芯糸12は、ポリウレタン製のフィラメント糸よりなる第1の原糸12aにフィラメント糸よりなる第2の原糸12bが予め交絡されて形成されている。
【0015】
混繊処理時において、第1の原糸12aは、第2の原糸12bよりも延伸されており、伸張された状態で第2の原糸12bとともに第1の芯糸12を形成している。さらに、第1の芯糸12は、第2の芯糸13よりも延伸されており、伸張された状態で第1の芯糸12とともに芯糸11を形成している。フィラメント糸よりなる浮糸14は、エアー混繊されることにより芯糸11に絡み付くとともに、浮糸14を構成するフィラメント14aにループ、渦巻きコイル等が発生する。
【0016】
図1(a)は張力のない自然な状態におけるエアー加工糸のある一箇所を拡大した図であり、図1(b)はその絡み付き形態を模式的に示した図である。伸張された状態であった第1の芯糸12は、混繊処理後に第1の原糸12aが収縮することにより元の状態へと戻る。そして、第1の芯糸12が元の状態に戻ることにより、芯糸11が収縮され、糸条全体がその長さ方向に収縮される。
【0017】
この際、芯糸11の収縮に追従して第2の芯糸13が多数の弛み15を形成するとともに、第2の原糸12bも多数の弛み15を形成するようになっている。これら第2の芯糸13及び第2の原糸12bによる多数の弛み15は、糸条の周囲360°に立体展開される。これら各弛み15の間には、芯糸11の収縮に追従して収縮する浮糸14が高密度で詰まるようになっている。
【0018】
その結果、混繊処理時と比較して浮糸14を構成するフィラメント14aによるループ、渦巻きコイル等の密度が高まるとともに、糸条の表面全体において、その周囲360°にループ、渦巻きコイル等が立体展開される。そして、糸条の表面全体に高密度で隙間なく浮糸14のフィラメント14aによるループ、渦巻きコイル等が立体展開されることにより、エアー加工糸は、高嵩高性と柔らかな感触を備えた糸条となっている。なお、図1ではわかりやすく示すために各弛み15が上下に突出して描かれているが、実際のエアー加工糸上で弛み15は糸条周り360°の方向へ突出されている。
【0019】
張力等により糸条全体が伸張するときには、まず第1の原糸12aが伸張され、第2の原糸12bの弛み15が伸び、第1の芯糸12が伸張されるとともに、これに伴って第2の芯糸13の弛み15が伸張することにより、芯糸11全体が伸張される。この芯糸11の伸張に追従して、芯糸11に絡み付いた浮糸14全体が伸び、フィラメント14aが伸ばされてループ、渦巻きコイル等が拡げられ、それらの密度を疎としながら伸張される。
【0020】
張力等が無くなり、糸条全体が収縮するときには、まず第1の芯糸12を形成する第1の原糸12aが収縮し、これに追従して第2の原糸12bが元の状態に戻る。この第1の芯糸12の収縮に追従して第2の芯糸13及び浮糸14が元の状態に戻る。
【0021】
従って、第1の芯糸12を形成する第1の原糸12aの伸縮により糸条全体が大きく伸縮するため、エアー加工糸には従来にない伸縮性が付与される。加えて、糸条全体が伸張する際にも、浮糸14を構成するフィラメント14aによるループ、渦巻きコイル等が糸条の周囲360°に立体展開されているため、糸条は高嵩高性と柔らかな感触を保持することができる。
【0022】
次に、エアー加工糸の製造装置について説明する。
図3は、エアー加工糸の製造装置を示す概念図である。図中で上側となる製造装置の上流側には、第1の原糸供給部を構成する送出ローラ21及びストックチーズ22が設けられており、送出ローラ21の回転に従動して回転するストックチーズ22から第1の原糸12aが導出されるようになっている。
【0023】
送出ローラ21及びストックチーズ22の下流には、第1の芯糸供給部が配設されている。この第1の芯糸供給部は、上流側から順番に一対の第1フィードローラ23と、第1混繊機構を構成する第1混繊ノズル24と、延伸機構を構成する一対の第1デリベリローラ25とにより構成されている。
【0024】
ストックチーズ22から導出された第1の原糸12aは、第1デリベリローラ25により、両第1フィードローラ23間及び第1混繊ノズル24内を通って、装置の下流側へと引き出されるようになっている。また、第1デリベリローラ25は、その回転速度が第1フィードローラ23の回転速度よりも速くなるように設定されており、第1の原糸12aが第1フィードローラ23及び第1デリベリローラ25の間で延伸されるようになっている。
【0025】
送出ローラ21及び第1混繊ノズル24の間において、図中での右側部には第2の原糸供給部を構成する一対の第2フィードローラ26が配設されている。この第2フィードローラ26は、第2の原糸12bを第1の原糸12aよりも若干だけオーバーフィードさせるようになっている。そして、第2フィードローラ26から第2の原糸12bが導出されるとともに、第2の原糸12bは、第1混繊ノズル24の手前で第1の原糸12aと合流されるようになっている。
【0026】
前記第1混繊ノズル24は、合流された第1の原糸12a及び第2の原糸12bにジェットエアを糸条の走行方に対して交差する方向から吹付けるようになっている。そして、第1の原糸12a及び第2の原糸12bがエアの撹乱作用により混繊処理され、第1の芯糸12が形成される。
【0027】
第1デリベリローラ25の下流には上流側から順番に第2混繊機構を構成する第2混繊ノズル27及び一対の第2デリベリローラ28が配設されている。第1混繊ノズル24で形成された第1の芯糸12は、第2デリベリローラ28によっって第1デリベリローラ25から導出された後、第2混繊ノズル27内を通って、装置の下流側へと引き出されるようになっている。また、第2デリベリローラ28は、その回転速度が第1デリベリローラ25と同じか、若干速くなるように設定されており、第1の芯糸12が第1デリベリローラ25及び第2デリベリローラ28の間で延伸されるようになっている。
【0028】
第1混繊ノズル24及び第2混繊ノズル27の間において、図中での左側部には第2の芯糸供給部を構成する一対の第3フィードローラ29が配設されている。この第3フィードローラ29は第2の芯糸13を第1の芯糸12よりも若干だけオーバーフィードさせるようになっている。そして、第3フィードローラ29から第2の芯糸13が導出されるとともに、第2の芯糸13は第2混繊ノズル27の手前で第1の芯糸12と合流されるようになっている。
【0029】
第1混繊ノズル24及び第2混繊ノズル27の間において、図3中での右側部には浮糸供給部を構成する一対の第4フィードローラ30が配設されている。この第4フィードローラ30は浮糸14を第1の芯糸12よりもオーバーフィードさせるようになっている。そして、第4フィードローラ30から導出された浮糸14は、第1の芯糸12よりもオーバーフィードされた状態で第2混繊ノズル27の手前で第1の芯糸12及び第2の芯糸13と合流されるようになっている。
【0030】
前記第2混繊ノズル27は、第1混繊ノズル24と同様にして第1の芯糸12、第2の芯糸13及び浮糸14をエアの撹乱作用により混繊処理し、エアー加工糸として混繊糸16を形成するようになっている。また、形成された混繊糸16は、第2デリベリローラ28の側方に設けられたドラム31及びチーズ32により、第2デリベリローラ28から引き出され、チーズ32に巻き取られるようになっている。
【0031】
次に、上記エアー加工糸の製造方法について説明する。
さて、図3に示すように、第2の原糸12bは、第2フィードローラ26を経て第1混繊ノズル24に給糸される。ストックチーズ22から送出ローラ21により導出された第1の原糸12aは、第2の原糸12bに対して延伸された状態で第1混繊ノズル24の手前で合流される。第2の原糸12bと合流された第1の原糸12aは、このまま第1混繊ノズル24内に給糸される。そして、合流された第1の原糸12a及び第2の原糸12bが第1混繊ノズル24内にて混繊処理されることにより、第1の芯糸12が形成される。
【0032】
第1混繊ノズル24内で形成された第1の芯糸12は、第1デリベリローラ25を経て第2混繊ノズル27に給糸される。第3フィードローラ29により導出された第2の芯糸13は第1の芯糸12に対して第2混繊ノズル27の手前で合流される。第1の芯糸12と合流された第2の芯糸13は、このまま第2混繊ノズル27内に給糸される。さらに、第2混繊ノズル27の手前において、第1の芯糸12及び第2の芯糸13にはオーバーフィード状態の浮糸14が合流される。
【0033】
合流された第1の芯糸12、第2の芯糸13及び浮糸14が第2混繊ノズル27内にて混繊処理されることにより、混繊糸16が形成される。このとき、浮糸14を第1の芯糸12及び第2の芯糸13よりもオーバーフィードさせることで、浮糸14を構成するフィラメント14aによるループ、渦巻きコイル等が形成される。この後、混繊糸16は第2デリベリローラ28を経てドラム31により移動されてチーズ32に巻き取られる。
【0034】
次に、図3に示す装置を用いて以下の条件で仮撚り加工を行った。
第1の原糸12a:ポリウレタン、70デニール/1フィラメント
第2の原糸12b:ポリエステル又はナイロン、75デニール/24フィラメント
第1混繊ノズル24のエアー圧力:147.1kPa
第2の原糸12bに対する第1の原糸12aの延伸率:3.0倍
第1フィードローラ23のオーバーフィード率:+5%
第2フィードローラ26のオーバーフィード率:+7%
第2の芯糸13:ポリエステル、100デニール/24フィラメント
浮糸14:ポリエステル、150デニール/96フィラメント
第2混繊ノズル27のエアー圧力:686.5kPa
第2の芯糸13に対する第1の芯糸12の延伸率:3.0倍
第1の芯糸12に対する第2の芯糸13のオーバーフィード:1.05倍
第1の芯糸12に対する浮糸14のオーバーフィード:2.0倍
上記の加工条件により伸縮性を有するエアー加工糸を得ることができた。
【0035】
以上のようにして製造されたエアー加工糸をタテ糸又はヨコ糸の少なくとも一方に使用して織りあげることにより織物が得られ、エアー加工糸を編機で平編み、横編み、丸編み等して編みあげることにより編物が得られる。そして、このエアー加工糸を使用した織物及び編物は、エアー加工糸の糸条表面においてループ、渦巻きコイル等が高密度で立体的に発生することにより高嵩高性で感触が柔らかなものとなるとともに、芯糸11自身が伸びることによりかつてない程の大きな伸縮性を有するものとなる。
【0036】
前記の第1実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第1実施形態のエアー加工糸によれば、第1の芯糸12を形成する第1の原糸12aに伸縮性を有する糸を用いることにより、第1の芯糸12が伸縮できるようになっている。この第1の芯糸12により形成された芯糸11が伸縮することにより、エアー加工糸は、糸条全体で大きく伸縮することができる。前記第1の芯糸12は、第1の原糸12aに予め第2の原糸12bを交絡させることによって形成されるとともに、この交絡時には第1の原糸12aが延伸された状態とされる。このため、第1の原糸12aの糸条表面において、その全体に渡って第2の原糸12bが均一に交絡されるとともに、第1の原糸12aに対して第2の原糸12bが絡み付いたり、縺れたり等することによる伸縮性の阻害が抑制され、第1の原糸12aの良好な伸縮性を維持することができる。さらに、第1の芯糸12に第2の芯糸13及び浮糸14を交絡させるとき、第1の芯糸12は延伸された状態とされる。このため、形成される糸条の表面全体に渡って第2の芯糸13及び浮糸14が第1の芯糸12に均一に交絡され、その太さが均一なものとなるとともに、糸同士の絡み付き、縺れ等が抑制され、良好な伸縮性を付与することができる。
【0037】
・ また、芯糸11に交絡される浮糸14のフィラメント14aが糸条の周囲360°にループ、渦巻きコイル等を立体展開することにより、糸条は高嵩高性と柔らかな感触を保持することができる。
【0038】
・ さらに、第1の芯糸12には、第1の原糸12a及び第2の原糸12bを混繊処理することによって形成された混繊糸が使用されている。この混繊糸である第1の芯糸12と第2の芯糸13とを混繊処理することによって芯糸11が形成されている。この芯糸11は、伸縮性を有する第1の原糸12aの表面全体が第2の原糸12b及び第2の芯糸13の2本の糸により、ほぼ隙間なく覆われていることから、浮糸14を交絡しやすくすることができる。
【0039】
・ 加えて、第1実施形態の製造装置によれば、高嵩高性と柔らかな感触を有しつつ、かつてない程の伸縮性を付与したエアー加工糸を製造することができる。
【0040】
・ そして、上記のようなエアー加工糸を用いて織物又は編物を製造した場合、高嵩高性と柔らかな感触を有しつつ、かつてない程の伸縮性を発揮することができる。
【0041】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、この第2実施形態においては前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0042】
図4(a)は張力のない自然な状態における第2実施形態のエアー加工仮撚糸のある一箇所を拡大した図であり、図4(b)は混繊処理及び仮撚り加工時におけるエアー加工仮撚糸のある一箇所を拡大した図であ。このエアー加工仮撚糸は第1実施形態で得られたエアー加工糸に対して仮撚り加工を施すことにより形成されている。芯糸11が収縮される際、第2の原糸12b及び第2の芯糸13により形成される弛み15は第1実施形態と比較して大きなものとなり、収縮した浮糸14は各弛み15の間に挟まれるようにして、高密度に詰まっている。また、浮糸14を構成するフィラメント14aのループ、渦巻きコイル等は所々で切れることにより毛羽14bを形成している。
【0043】
従って、エアー加工糸に仮撚り加工を施した結果、エアー加工仮撚糸は糸条全体が揉まれて柔らかな感触が増すこととなる。加えて、弛み15が大きくなることと、ループ、コイル等が切れて浮糸14のフィラメント14aが毛羽14bを形成することにより、高嵩高性がさらに向上される。さらに、大半のループ、コイル等が切られることにより、ループ、渦巻きコイルが形成する輪の中に毛羽14bの先端が入り込んで引掛かり、あたかも面ファスナーのように糸条同士が互いにくっつきあう現象(ベルクロエフェクト)を防止することができる。
【0044】
次に、エアー加工仮撚糸の製造装置について説明する。
図5に示すように、製造装置の第2混繊ノズル27及び第2デリベリローラ28の間には仮撚り加工部として、上流側から順番に一対の第5フィードローラ41、第1ヒータ42、スピンナ43、一対の第6フィードローラ44及び第2ヒータ45が配設されている。第2混繊ノズル27から第5フィードローラ41により加撚区域40aへと引き出された混繊糸16は、第5フィードローラ41及び第6フィードローラ44の間で瞬間的に把持され、この状態でスピンナ43が回転することにより加撚されるようになっている。このスピンナ43の回転による加撚区域40aでの混繊糸16の撚りは、第1ヒータ42内を通過する際に加熱保持される。
【0045】
スピンナ43を通過した混繊糸16は解撚区域40bでスピンナ43の回転により解撚されるとともに、第2ヒータ45を通過して第2デリベリローラ28へと送られる。この第2ヒータ45により解撚された混繊糸16の撚りが加熱保持され、エアー加工仮撚糸が製造されるようになっている。そして、製造されたエアー加工仮撚糸がチーズ32に巻き取られるようになっている。
【0046】
次に、上記エアー加工仮撚糸の製造方法について説明する。
さて、図5に示すように、まず各供給部から導出された第1の原糸12a及び第2の原糸12bが第1混繊ノズル24にて混繊処理され、第1の芯糸12が形成される。次いで、第1の芯糸12、第2の芯糸13及び浮糸14が第2混繊ノズル27にて混繊処理され、混繊糸16が形成された後、この混繊糸16は第5フィードローラ41を経て加撚区域40aに給糸される。この加撚区域40aにおいて、混繊糸16が加撚されるとともに、その撚りは第1ヒータ42で加熱保持される。第1ヒータ42と仮撚りスピンナ43を通過した混繊糸16は解撚区域40bで解撚された後、第6フィードローラ44を経て第2ヒータ45内に引き込まれ、解撚された撚りが加熱保持されてエアー加工仮撚糸が形成される。この後、形成されたエアー加工仮撚糸は第2デリベリローラ28を経てドラム31により移動されてチーズ32に巻き取られる。
【0047】
前記浮糸14のフィラメント14aよりなる毛羽14bは、加撚区域40aにおける糸条の加撚と、解撚区域40bにおける解撚との繰り返しにより、フィラメント14aが撚り切れて形成される。加えて、第2の原糸12b及び第2の芯糸13は加撚及び解撚の繰り返しで揉まれることにより、その柔軟性が増しており、糸条全体が収縮するときに大きな弛み15が形成される。
【0048】
次に、図5に示す装置を用いて以下の条件で仮撚り加工を行った。
第1の原糸12a:ポリウレタン、70デニール/1フィラメント
第2の原糸12b:ポリエステル又はナイロン、75デニール/24フィラメント
第1混繊ノズル24のエアー圧力:147.1kPa
第2の原糸12bに対する第1の原糸12aの延伸率:3.0倍
第1フィードローラ23のオーバーフィード率:+5%
第2フィードローラ26のオーバーフィード率:+7%
第2の芯糸13:ポリエステル、100デニール/24フィラメント
浮糸14:ポリエステル、150デニール/96フィラメント
第2混繊ノズル27のエアー圧力:686.5kPa
第2の芯糸13に対する第1の芯糸12の延伸率:3.0倍
第1の芯糸12に対する第2の芯糸13のオーバーフィード:1.05倍
第1の芯糸12に対する浮糸14のオーバーフィード:2.0倍
スピンナ43の回転数:20万rpm
仮撚り数:1770T/M
第5フィードローラ41のフィード率:−0.5%
第6フィードローラ44のフィード率:+7.5%
第2デリベリローラ28のフィード率:+7.5%
第1ヒータ42の温度:200℃
第2ヒータ45の温度:200℃
上記のような加工条件により伸縮性を有するエアー加工仮撚糸を得ることができた。
【0049】
以上のようにして製造されたエアー加工仮撚糸をタテ糸又はヨコ糸の少なくとも一方に使用して織りあげることにより織物が得られ、エアー加工仮撚糸を編機で平編み、横編み、丸編み等して編みあげることにより編物が得られる。そして、このエアー加工仮撚糸を使用した織物及び編物は、第2の原糸12b及び第2の芯糸13による大きな弛み15と、フィラメント14aよりなる毛羽14bにより高嵩高性で感触が柔らかなものとなるとともに、芯糸11自身が伸びることによりかつてない程の大きな伸縮性を有するものとなる。
【0050】
前記の第2実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第2実施形態のエアー加工仮撚糸によれば、第1実施形態のエアー加工糸に仮撚り加工を施すことにより、糸条全体が揉まれ、より柔らかな感触を付与することができる。さらに、弛み15が大きくなることと、ループ、コイル等が切れて浮糸14のフィラメント14aが毛羽14bを形成することにより、高嵩高性をさらに向上させることができる。加えて、大半のループ、コイル等が切られることにより、ループ、渦巻きコイルが形成する輪の中に毛羽14bの先端が入り込んで引掛かり、あたかも面ファスナーのように糸条同士が互いにくっつきあうベルクロエフェクトを防止することができる。
【0051】
・ エアー加工仮撚糸を形成する第1の芯糸12は、延伸された状態の第1の原糸12aに予め第2の原糸12bを交絡させることによって形成されている。このため、仮撚り加工時に第1の芯糸12が解れ、第1の原糸12a及び第2の原糸12bがバラバラになることを防止することができる。さらに、この第1の芯糸12が延伸された状態でその表面自体を覆うように第2の芯糸13及び浮糸14が交絡されることから、第2の芯糸13及び浮糸14が第1の芯糸12に均一に交絡され、形成される糸条の太さを均一なものとすることができる。
【0052】
なお、各実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 第1及び第2実施形態において、第1の芯糸12として第1の原糸12a及び第2の原糸12bを予め撚糸して得られる糸を用いてもよい。
【0053】
すなわち、図6(a)及び図6(b)に示すように、この場合の第1及び第2実施形態のぞれぞれの製造装置は、第1デリベリローラ25よりも上流側において、第1の原糸供給部、第2の原糸供給部、一対の第1フィードローラ23及び第1混繊ノズル24が省略されて構成されている。第1の芯糸12には、例えば第1の原糸として太さが50デニール/1フィラメントのポリウレタン糸を、第2の原糸として太さが75デニール/36フィラメントの加工糸を用い、延伸された第1の原糸と第2の原糸を予め撚糸して得られる糸が用いられている。そして、予め撚糸して得られた第1の芯糸12を第1デリベリローラ25から給糸することにより、図6(a)及び図6(b)に示す製造装置でエアー加工糸及びエアー加工仮撚糸をそれぞれ製造してもよい。また、このようにして得られるエアー加工糸及びエアー加工仮撚糸をタテ糸又はヨコ糸の少なくとも一方に使用して織りあげることにより織物を得たり、編機で平編み、横編み、丸編み等して編みあげることにより編物を得てもよい。
【0054】
・ 第1の原糸12aをポリウレタン以外の、例えばスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)等の合成ゴム、あるいは天然ゴムを用いて形成したフィラメント糸としてもよい。
【0055】
・ 第2の原糸12b、第2の芯糸13及び浮糸14をアセテート系、レーヨン系、ナイロン系、ポリエステルカチオン系のフィラメント糸としてもよい。あるいは第2の原糸12b、第2の芯糸13及び浮糸14をそれぞれ材料の異なるフィラメント糸としてもよい。
【0056】
・ 第1の原糸12a、第2の原糸12b、第2の芯糸13及び浮糸14にそれぞれ異なる色に着色された原着糸を使用してもよい。このように構成した場合、糸条全体で色合いの異なるエアー加工糸及びエアー加工仮撚糸を得ることができる。
【0057】
・ 第1の原糸12a及び第1の芯糸12の延伸率は3倍に限定されるものではなく、1.5〜4倍の範囲内、つまり第1の原糸12a及び第1の芯糸12の伸び率が150〜400%となるように所望に合わせて変更してもよい。この延伸率を1.5倍未満とした場合にはエアー加工糸及びエアー加工仮撚糸の伸縮が十分ではなく、4倍より大きくした場合には糸条の伸張時に第2の原糸12b、第2の芯糸13又は浮糸14が切れるおそれがある。このため、延伸率を1.5〜4倍の範囲内に設定すれば効果的に伸縮性を付与することができる。
【0058】
・ 前記延伸機構は第1デリベリローラ25に限定されず、第1の原糸12aをその引き出し方向と直交する方向からピン等を摺接させることにより、延伸するように構成してもよい。このように構成した場合にも第1の原糸12aを延伸させることができる。
【0059】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記延伸機構により第1の原糸及び又は第1の芯糸を1.5〜4倍に延伸したことを特徴とする請求項3に記載のエアー加工糸の製造装置。このように構成した場合、効果的に伸縮性を付与することができる。
【0060】
・ 前記延伸機構により第1の原糸及び又は第1の芯糸を1.5〜4倍に延伸したことを特徴とする請求項4に記載のエアー加工仮撚糸の製造装置。このように構成した場合、効果的に伸縮性を付与することができる。
【0061】
・ 前記第1の原糸が中心に位置するように、第1の芯糸、第2の芯糸及び浮糸を配設し、混繊処理を施した請求項1に記載のエアー加工糸。このように構成した場合、第1の原糸を中心にエアー加工糸が伸縮するため、エアー加工糸の伸縮時において第1の芯糸及び浮糸の位置ずれを防止することができる。
【0062】
・ 前記第1の原糸が中心に位置するように、第1の芯糸、第2の芯糸及び浮糸を配設し、混繊処理を施した請求項2に記載のエアー加工仮撚糸。このように構成した場合、第1の原糸を中心にエアー加工仮撚糸が伸縮するため、エアー加工仮撚糸の伸縮時において第1の芯糸及び浮糸の位置ずれを防止することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1及び請求項2並びに請求項3及び請求項4に記載の発明によれば、高嵩高性と柔らかな感触を有しつつ、かつてない程の大きな伸縮性を付与することができる。
【0064】
請求項5及び請求項6に記載の発明によれば、高嵩高性と柔らかな感触を有しつつ、かつてない程の伸縮性を付与したエアー加工糸及びエアー加工仮撚糸を製造することができる。
【0065】
請求項7及び請求項8に記載の発明によれば、高嵩高性と柔らかな感触を有しつつ、かつてない程の伸縮性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は張力のない自然な状態における第1実施形態のエアー加工糸のある一箇所を拡大した正面図、(b)は張力のない自然な状態におけるエアー加工糸の絡み付き形態を示す模式図。
【図2】 (a)は混繊処理時におけるエアー加工糸のある一箇所を拡大した正面図、(b)は混繊処理時におけるエアー加工糸の絡み付き形態を示す模式図。
【図3】 エアー加工糸の製造装置を示す概念図。
【図4】 (a)は張力のない自然な状態における第2実施形態のエアー加工仮撚糸のある一箇所を拡大した正面図、(b)は混繊処理及び仮撚り加工時におけるエアー加工仮撚糸のある一箇所を拡大した正面図。
【図5】 エアー加工仮撚糸の製造装置を示す概念図。
【図6】 (a)は別形態のエアー加工糸の製造装置を示す概念図、(b)は別形態のエアー加工仮撚糸の製造装置を示す概念図。
【符号の説明】
11…芯糸、12…第1の芯糸、12a…第1の原糸、12b…第2の原糸、13…第2の芯糸、14…浮糸、16…混繊糸、21…第1の原糸供給部を構成する送出ローラ、22…第1の原糸供給部を構成するストックチーズ、23…第1の芯糸供給部を構成する第1フィードローラ、24…第1混繊機構を構成する第1混繊ノズル、25…延伸機構を構成する第1デリベリローラ、26…第2の原糸供給部を構成する第2フィードローラ、27…第2混繊機構を構成する第2混繊ノズル、29…第2の芯糸供給部を構成する第3フィードローラ、30…浮糸供給部を構成する第4フィードローラ、42…第1ヒータ、43…仮撚り加工部を構成するスピンナ、45…第2ヒータ。
Claims (8)
- 伸縮性を有し、かつ延伸されたフィラメント糸よりなる第1の原糸とフィラメント糸よりなる第2の原糸を予め撚糸して得られる第1の芯糸と、フィラメント糸よりなる第2の芯糸とにより形成される芯糸に対し、フィラメント糸よりなる浮糸を給糸してエアーで混繊処理を施すことにより製糸され、芯糸が伸縮することにより伸縮性を有するように構成したことを特徴とするエアー加工糸。
- 伸縮性を有し、かつ延伸されたフィラメント糸よりなる第1の原糸とフィラメント糸よりなる第2の原糸を予め撚糸して得られる第1の芯糸と、フィラメント糸よりなる第2の芯糸とにより形成される芯糸に対し、フィラメント糸よりなる浮糸を給糸してエアーで混繊処理を施すとともに、混繊処理された芯糸及び浮糸に対して仮撚り加工を行うことにより製糸され、芯糸が伸縮することにより伸縮性を有するように構成したことを特徴とするエアー加工仮撚糸。
- 伸縮性を有し、かつ延伸されたフィラメント糸よりなる第1の原糸に対してフィラメント糸よりなる第2の原糸を給糸し、エアーで混繊処理を施すことにより形成される第1の芯糸と、フィラメント糸よりなる第2の芯糸とにより形成される芯糸に対し、フィラメント糸よりなる浮糸を給糸してエアーで混繊処理を施すことにより製糸され、芯糸が伸縮することにより伸縮性を有するように構成したことを特徴とするエアー加工糸。
- 伸縮性を有し、かつ延伸されたフィラメント糸よりなる第1の原糸に対してフィラメント糸よりなる第2の原糸を給糸し、エアーで混繊処理を施すことにより形成される第1の芯糸と、フィラメント糸よりなる第2の芯糸とにより形成される芯糸に対し、フィラメント糸よりなる浮糸を給糸してエアーで混繊処理を施すとともに、混繊処理された芯糸及び浮糸に対して仮撚り加工を行うことにより製糸され、芯糸が伸縮することにより伸縮性を有するように構成したことを特徴とするエアー加工仮撚糸。
- 伸縮性を有するフィラメント糸よりなる第1の原糸を給糸するとともに、第1の原糸を延伸させるための延伸機構を有する第1の原糸供給部と、
フィラメント糸よりなる第2の原糸を給糸して、前記第1の原糸に合流させるための第2の原糸供給部と、
前記第1の原糸供給部及び第2の原糸供給部から供給される第1の原糸及び第2の原糸をエアーの撹乱作用により混繊処理する第1混繊機構を有し、第1の原糸及び第2の原糸に混繊処理を施して形成される第1の芯糸を給糸するとともに、この第1の芯糸を延伸させるための延伸機構を有する第1の芯糸供給部と、
フィラメント糸よりなる第2の芯糸を給糸して、前記第1の芯糸に合流させるための第2の芯糸供給部と、
フィラメント糸よりなる浮糸を給糸して、前記第1の芯糸及び第2の芯糸に合流させるための浮糸供給部と、
前記第1の芯糸供給部、第2の芯糸供給部及び浮糸供給部から供給される第1の芯糸、第2の芯糸及び浮糸をエアーの撹乱作用により混繊処理する第2混繊機構と
を備えたことを特徴とするエアー加工糸の製造装置。 - 伸縮性を有するフィラメント糸よりなる第1の原糸を給糸するとともに、第1の原糸を延伸させるための延伸機構を有する第1の原糸供給部と、
フィラメント糸よりなる第2の原糸を給糸して、前記第2の原糸に合流させるための第2の原糸供給部と、
前記第1の原糸供給部及び第2の原糸供給部から供給される第1の原糸及び第2の原糸をエアーの撹乱作用により混繊処理する第1混繊機構を有し、第1の原糸及び第2の原糸に混繊処理を施して形成される第1の芯糸を給糸するとともに、この第1の芯糸を延伸させるための延伸機構を有する第1の芯糸供給部と、
フィラメント糸よりなる第2の芯糸を給糸して、前記第1の芯糸に合流させるための第2の芯糸供給部と、
フィラメント糸よりなる浮糸を給糸して、前記第1の芯糸及び第2の芯糸に合流させるための浮糸供給部と、
前記第1の芯糸供給部、第2の芯糸供給部及び浮糸供給部から供給される第1の芯糸、第2の芯糸及び浮糸をエアの撹乱作用により混繊処理する第2混繊機構と、
第2混繊機構で混繊された混繊糸を加撚するとともに解撚する仮撚り加工部と、
前記仮撚り加工部に配設され、加撚された混繊糸の撚りを加熱保持する第1ヒータと、
前記仮撚り加工部において第1ヒータより下流側に配設され、解撚された混繊糸の撚りを加熱保持する第2ヒータと
を備えたことを特徴とするエアー加工仮撚糸の製造装置。 - 請求項1又は請求項3に記載のエアー加工糸若しくは請求項2又は請求項4に記載のエアー加工仮撚糸を使用して織り上げて得られることを特徴とする織物。
- 請求項1又は請求項3に記載のエアー加工糸若しくは請求項2又は請求項4に記載のエアー加工仮撚糸を使用して編み上げて得られることを特徴とする編物。
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