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JP4755483B2 - ダイヤフラム弁 - Google Patents

ダイヤフラム弁 Download PDF

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本発明は、ダイヤフラムによって通路の開閉を行なうダイヤフラム弁に関する。
従来のダイヤフラム弁は、図5に示すように、空気等の流体圧、ばね力等を受けてシリンダ101内を往復するピストン102が、このピストン102に取り付けられたスピンドル103、及びスピンドル103に取り付けられたコンプレッサ104を介して、ゴム等の弾性材からなるダイヤフラム105を作動させる。そして、このダイヤフラム105が、バルブ本体106内の通路107に突設された堰部108の弁座109に圧接して、この通路107を閉じることにより、ダイヤフラム弁は閉弁する(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−144225号公報(第1図、第3図)
上述のように、従来のダイヤフラム弁は、ダイヤフラム105が、バルブ本体106の通路107内に突設された堰部108の弁座109に圧接して通路107を閉じることにより、ダイヤフラム弁が閉弁する。しかし、この従来のダイヤフラム弁においては、弁座109がバルブ本体106の通路107内に突設された堰部108に設けられているため、この弁座109が通路107の周方向最下位置にくるように配置される正立配管位置においては、堰部108の立ち上がり部が障害となり、排出時に通路107に残った液体や粉体がスムーズに排出されず、特に堰部108の上流側において、液体の場合には液溜りが、また粉体の場合には滞留が生ずるという問題がある。
この問題に対しては、通路の周方向最低面に対してほぼ面一になるように弁座を形成すると共に、この面一の弁座に対応させるために標準よりも凸形状の大きい特殊ダイヤフラムを用いて、液溜りや滞留を防止することも行われてきた。しかしながら、この標準よりも凸形状の大きい特殊ダイヤフラムを製作することによって、今度はコスト高になるという問題が発生した。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その正立配管位置において液溜りや滞留の発生がなく、併せて標準形状のダイヤフラムが使用可能となって大幅なコスト削減を図ることができるダイヤフラム弁を提供することを課題とする。
上述の課題を解決するために、本発明が採用する手段は、弁座と、弁座を介して相互に接続される第1通路及び第2通路と、弁座に圧接して第1通路と第2通路とを遮断することができるダイヤフラムとを備えたダイヤフラム弁において、第2通路は、第1通路を水平にかつ弁座を第1通路の周方向最下位置にくるように配置される正立配管位置において第1通路に対して所定角度を設けて下方を向くように配設され、弁座の周方向最低面は、第1通路の周方向最低面よりも低くかつ第2通路の周方向最低面よりも高く位置することにある。ここで、周方向とはそれぞれの流線に対して直角の方向をいう。
このように、本発明のダイヤフラム弁においては、弁座の周方向最低面は、第1通路の周方向最低面よりも低く、かつ第2通路の周方向最低面よりも高く位置しているから、正立配管位置における排出時に、第1通路内の液体や粉体は弁座を通過して第2通路内へ流れ込むと共に、第2通路内へ流れ込んだ液体や粉体はこの第2通路から下方へ流れ落ちる。したがって、この正立配管位置において、弁座の両側に液溜まりや滞留が発生することはない。
また、第2通路が第1通路に対して所定角度を設けて下方を向くように配設されるから、ダイヤフラム取付部と弁座との距離が接近し、凸形状の大きい特殊ダイヤフラムを用いる必要がなくなる。すなわち、標準形状のダイヤフラムが使用可能となって、大幅なコスト削減を図ることができる。
上記所定角度は、90°以上180°未満に設定されることが望ましい。所定角度が90°の場合に、第2通路内へ流れ込んだ液体や粉体に対して最大の排出効果が得られるから、所定角度が上記範囲内にあれば液体や粉体をスムーズに排出することができる。なお、この所定角度は、90°以上150°以下に設定されることがさらに望ましい。所定角度を150°以下に限定すれば、ダイヤフラムの選定などの面で、ダイヤフラム弁の設計がより容易になるという利点が生ずる。
上記ダイヤフラムの大きさは、通路の通過断面積に対するダイヤフラム近傍の最小通過断面積の比が、0.7以上1.0以下になるように設定されることが望ましい。本発明のダイヤフラム弁においては、第2通路は、第1通路に対して所定角度で下方を向くように配設されるから、ダイヤフラムの近傍において最小通過断面積の確保が困難になる場合も想定される。
このため、ダイヤフラムの大きさを、通路の通過断面積に対するダイヤフラム近傍の最小通過断面積の比が0.7以上になるように設定することにより、流体や粉体についてよりスムーズな流れを確保することができる。なお、ダイヤフラムの大きさは、通路の通過断面積に対するダイヤフラム近傍の最小通過断面積の比が、0.9以上1.0以下になるように設定されることがさらに望ましい。このようにすることにより、流体あるいは粉体の流れがさらにスムーズになる。
上記いずれかのダイヤフラム弁が2つ直列に連結されてなる2連のダイヤフラム弁において、2つのダイヤフラム弁の一方の通路同士が、弁座が相互に上下逆さまに配置されるように接続され、下側のダイヤフラム弁のダイヤフラムの周方向最低面は、上側のダイヤフラム弁が上側のダイヤフラム弁の他方の通路を水平とした上記正立配管位置に配置されたときに、下側のダイヤフラム弁の上記一方の通路の周方向最低面よりも低くかつ下側のダイヤフラム弁の他方の通路の周方向最低面よりも高く位置していることが望ましい。
上記ダイヤフラム弁においては、第2通路が第1通路に対して所定角度で下方を向くように配設されているから、ダイヤフラム弁の第1通路と第2通路との間に角度がつき、ダイヤフラム弁の取り付け時に、水平配管ができなくなる場合がある。しかしながら、このように一方の通路同士が、弁座が相互に上下逆さまに配置されるように接続されてなる2連のダイヤフラム弁を形成することにより、この2連のダイヤフラム弁の出入口が180°反対方向を向くことになり、これにより水平配管が可能になる。
また、上側のダイヤフラム弁がこのダイヤフラム弁の他方の通路を水平とした正立配管位置に配置されたとき、すなわち、上側のダイヤフラム弁がその他方の通路を水平にかつその弁座をその他方の通路の周方向最下位置にくるように配置される正立配管位置において、下側のダイヤフラム弁のダイヤフラムの周方向最低面を、下側のダイヤフラム弁の一方の通路の周方向最低面よりも低く、かつ下側のダイヤフラム弁の他方の通路の周方向最低面よりも高く位置させることにより、下側のダイヤフラム弁のダイヤフラムの内部ないし近傍に、液溜まりや滞留が発生することが防止される。
本発明のダイヤフラム弁は、弁座と、弁座を介して相互に接続される第1通路及び第2通路と、弁座に圧接して第1通路と第2通路とを遮断することができるダイヤフラムとを備えたダイヤフラム弁において、第2通路は、第1通路を水平にかつ弁座を第1通路の周方向最下位置にくるように配置される正立配管位置において第1通路に対して所定角度を設けて下方を向くように配設され、弁座の周方向最低面は、第1通路の周方向最低面よりも低くかつ第2通路の周方向最低面よりも高く位置するから、正立配管位置において液溜りや滞留の発生がなく、併せて標準形状のダイヤフラムが使用可能となって大幅なコスト削減を図ることができる、という優れた効果を奏する。
本発明に係るダイヤフラム弁を実施するための最良の形態を、図1ないし図4を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の参考例のダイヤフラム弁を示す正面断面図であり、図2は、図1の開閉機構を示す正面断面図であり、図3は、図1とは別のダイヤフラム弁を示す正面断面図である。
図1に示すように、ダイヤフラム弁1は、バルブ本体2と、ダイヤフラム6と、ダイヤフラム6の開閉機構30とから形成される。バルブ本体2には、弁座3と、弁座3を介して相互に接続される直管状の第1通路4及び第2通路5とがそれぞれ設けられる。
第2通路5は、弁座3を挟んで第1通路4の反対方向に延びる。第2通路5は、図示するように、第1通路4を水平に、かつ弁座3が第1通路4に対して周方向最下位置にくるように配置したときに、第1通路4に対して120°の角度(所定角度)を設けて、下方を向くように配設される。ここで、周方向とは通路4等の流線に対して直角の方向をいう。
弁座3は、第1通路4から第2通路5にかけて下方に傾斜する傾斜面によって形成され、第2通路5は、この弁座3の傾斜面からさらに下方に傾斜するように形成される。したがって、弁座3の周方向最低面は、第1通路4の周方向最低面よりも低く、かつ第2通路5の周方向最低面よりも高く位置する。
ダイヤフラム6は特殊形状のものを用いる必要はなく、標準形状のダイヤフラムを用いることができる。ただし、ダイヤフラム6の大きさは、通路4,5の通過断面積に対するダイヤフラム6の近傍の最小通過断面積の比が、0.7以上1.0以下になるように設定される。すなわち、ダイヤフラムの大きさは、通常は通路の通過断面積に対するダイヤフラム近傍の最小通過断面積の比が0.7未満になるように設定されるから、少なくとも通常のものより1サイズ大きめのものが使用される。
これは、本ダイヤフラム弁1においては、第2通路5が第1通路4に対して120°の角度で下方を向くように配設されるため、ダイヤフラム6の近傍において最小通過断面積の確保が困難になる場合が想定されるからである。このように、ダイヤフラム6の大きさを、通路4,5の通過断面積に対するダイヤフラム6の近傍の最小通過断面積の比が0.7以上になるように設定することにより、流体や粉体についてよりスムーズな流れを確保することができる。
なお、ダイヤフラム6の大きさは、通常のものより2サイズ大きく、通路4,5の通過断面積に対するダイヤフラム6の近傍の最小通過断面積の比が0.9以上1.0以下になるように設定されることがさらに望ましい。このようにすることにより、流体あるいは粉体の流れがさらにスムーズになる。
図2に示すように、開閉機構30は、2つのコイルバネ35により図示下方に付勢されたピストン36が、空気シリンダ37内を気密に往復摺動する。作動空気がピストン36の図示下側の空気室38内に注入されると、ピストン36はコイルバネ35のばね力に抗して上昇する。ピストン36にはスピンドル39が取り付けられ、スピンドル39はピストン36によって上下に往復する。
図1に示すように、スピンドル39の先端にコンプレッサ吊り41が取り付けられ、コンプレッサ吊り41にコンプレッサ42が取り付けられる。図2に示したスピンドル39が、コイルバネ35の付勢力又は作動空気によって往復することにより、コンプレッサ吊り41及びコンプレッサ42を介してダイヤフラム6を作動させる。ダイヤフラム6が弁座3に圧接することにより、ダイヤフラム弁1が閉弁する。なお、この開閉機構30は空気作動式であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、開閉機構は手動式等の他の方式のものであってもよい。
上述のように、ダイヤフラム弁1においては、弁座3の周方向最低面は、第1通路4の周方向最低面よりも低く、かつ第2通路5の周方向最低面よりも高く位置しているから、弁座3が通路4,5の周方向最下位置にくるように配置される正立配管位置において、排出時に、第1通路4内の液体や粉体は弁座3を通過して第2通路5内へ流れ込むと共に、第2通路5内へ流れ込んだ液体や粉体は、この第2通路5から下方へ流れ落ちる。したがって、弁座3の両側に、液溜りや滞留が生ずることがない。
また、第2通路5が第1通路4に対して120°の角度を設けて下方を向くように配設されるから、ダイヤフラム6の取付部と弁座3との距離が接近し、従来のように凸形状の大きい特殊ダイヤフラムを用いる必要がない。すなわち、標準形状のダイヤフラム6が使用可能となって、大幅なコスト削減を図ることができる。
さらに、従来のダイヤフラム弁においては、正立配管位置における液溜りや滞留を防止するため、弁座近傍の周方向最低面が極力面一になるように、弁座を通路に対して周方向に傾けてダイヤフラム弁の取り付けを行うこともなされてきた。しかし、この場合には、大きな開閉機構を配管に対して周方向に傾けて取り付けるため、その傾き方向に広い配管スペースが必要になるという問題があった。しかしながら、本ダイヤフラム弁によれば、液溜りや滞留の防止のために弁座を通路に対して周方向に傾けて取り付ける必要がなくなり、よって無駄な配管スペースを排除することができるという利点もある。
図3に示すダイヤフラム弁51は、バルブ本体52の第1通路53と第2通路54のなす角度(所定角度)が90°に設定されたものである。このように、第1通路53と第2通路54のなす角度が90°の場合に、第2通路54内へ流れ込んだ液体や粉体に対して最大の排出効果が得られる。
したがって、上述のダイヤフラム弁1を含めて、バルブ本体2,52の第1通路4,53と第2通路5,54のなす角度(所定角度)は、90°以上180°未満に設定されることが望ましいことになる。所定角度がこの範囲内にあれば、液体や粉体をスムーズに排出することができる。なお、この所定角度は、90°以上150°以下に設定されることがさらに望ましい。所定角度を150°以下に限定すれば、ダイヤフラムの選定などの面で、ダイヤフラム弁の設計がより容易になるという利点が生ずる。この点、上述のダイヤフラム弁1は所定角度が120°に設定されており、液体や粉体の排出及び設計の両面で、その容易性が最大限生かされたものとなっている。
本発明に係るダイヤフラム弁の一例を図4を参照して説明する。図4に示すダイヤフラム弁61は、図1に示したダイヤフラム弁1と同様の構成を有する2つのダイヤフラム弁62,72が、直列に連結されてなる2連のダイヤフラム弁である。この2連のダイヤフラム弁61は、2つのダイヤフラム弁62,72の一方の通路63,73同士が、それぞれの弁座64,74が相互に上下逆さまに配置されるように接続されている。また、下側のダイヤフラム弁72のダイヤフラム75の周方向最低面は、上側のダイヤフラム弁62がその上側(他方)の通路66を水平とした正立配管位置に配置されたときに、下側のダイヤフラム弁72の上側(一方)の通路73の周方向最低面よりも低く、かつ下側のダイヤフラム弁72の下側(他方)の通路76の周方向最低面よりも高く位置している。
このように、一方の通路63,73同士が、弁座64,74が相互に上下逆さまに配置されるように接続されてなる2連のダイヤフラム弁61を形成することにより、この2連のダイヤフラム弁61の出入口を形成する通路66,76同士が180°反対方向を行くことになり、これにより水平配管が可能になる。
また、上側のダイヤフラム弁62がその上側(他方)の通路66を水平とした正立配管位置に配置されたときに、すなわち、上側のダイヤフラム弁62がその上側の通路66を水平に、かつその弁座64をその上側の通路66の周方向最下位置にくるように配置される正立配管位置において、下側のダイヤフラム弁72のダイヤフラム75の周方向最低面を、下側のダイヤフラム弁72の上側の通路73の周方向最低面よりも低く、かつ下側のダイヤフラム弁72の下側の通路76の周方向最低面よりも高く位置させることにより、下側のダイヤフラム弁72のダイヤフラム75の内部ないし近傍に、液溜まりや滞留が発生することが防止される。
なお、上述のダイヤフラム弁は一例にすぎず、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の参考例のダイヤフラム弁を示す正面断面図である。 図1の開閉機構を示す正面断面図である。 別のダイヤフラム弁を示す正面断面図である。 本発明に係るダイヤフラム弁の一例を示す正面断面図である。 従来のダイヤフラム弁を示す正面断面図である。
符号の説明
1 ダイヤフラム弁
2 バルブ本体2
3 弁座
4 第1通路
5 第2通路
6 ダイヤフラム
30 開閉機構
35 コイルバネ
36 ピストン
37 空気シリンダ
38 空気室
39 スピンドル
41 コンプレッサ吊り
42 コンプレッサ
51 ダイヤフラム弁
52 バルブ本体
53 第1通路
54 第2通路
61 ダイヤフラム弁
62 ダイヤフラム弁
63 第2通路
64 弁座
66 第1通路
72 ダイヤフラム弁
73 第2通路
74 弁座
75 ダイヤフラム
76 第1通路
101 シリンダ
102 ピストン
103 スピンドル
104 コンプレッサ
105 ダイヤフラム
106 バルブ本体
107 通路
108 堰部
109 弁座

Claims (3)

  1. 弁座(64,74)と、前記弁座を介して相互に接続される第1通路(66,76)及び第2通路(63,73)と、前記弁座に圧接して前記第1通路と前記第2通路とを遮断することができるダイヤフラム(75)とを備え、前記第2通路は、前記第1通路を水平にかつ前記弁座を前記第1通路の周方向最下位置にくるように配置される正立配管位置において前記第1通路に対して所定角度を設けて下方を向くように配設され、前記弁座の周方向最低面は、前記第1通路の周方向最低面よりも低くかつ前記第2通路の周方向最低面よりも高く位置するダイヤフラム弁(62,72)が2つ直列に連結されてなる2連のダイヤフラム弁(61)において、
    前記2つのダイヤフラム弁の一方の前記通路(63,73)同士が、前記弁座(64,74)が相互に上下逆さまに配置されるように接続され、下側の前記ダイヤフラム弁(72)の前記ダイヤフラム(75)の周方向最低面は、上側の前記ダイヤフラム弁(62)が前記上側のダイヤフラム弁の他方の前記通路(66)を水平とした前記正立配管位置に配置されたときに下側の前記ダイヤフラム弁の前記一方の通路(73)の周方向最低面よりも低くかつ前記下側のダイヤフラム弁の他方の前記通路(76)の周方向最低面よりも高く位置していることを特徴とするダイヤフラム弁。
  2. 前記所定角度は、90°以上180°未満に設定されることを特徴とする請求項1に記載のダイヤフラム弁。
  3. 前記ダイヤフラム(6)の大きさは、前記通路(4,5,53,54)の通過断面積に対する前記ダイヤフラム近傍の最小通過断面積の比が0.7以上1.0以下になるように設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイヤフラム弁。
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