JP4754462B2 - 沈砂池の集砂装置 - Google Patents
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Description
また、ほぼ水平に近い池底に沈殿する汚砂を砂溜ピット内に流動集砂するために、池底或いは池底近傍に多数のジェットノズルを、そのノズル孔を砂溜ピットに向かうようにして配設し、このジェットノズルを順次切り替えて高圧ポンプから供給されるジェット水を噴射するようにしている。
また、沈砂池内を複数に区画したゾーンの1つに集砂ピットを配設することにより、大きな沈砂池であっても各ゾーン毎の沈殿汚砂を1つの集砂ピットに集めて効率的に揚砂排出することができる。
特に、集砂ピットの集砂時の水位レベルよりも下方位置に配設集砂ノズルより噴射される噴射水によって、集砂ピット内に集められ堆積する汚砂を攪拌するようにして砂吸込口により吸込をより確実に行うようにすることができる。
また、それ以外の集砂ノズルより噴射される噴射水によって、沈砂池の側壁の内面に付着した比較的軽量な汚砂やごみ等を除去することができるとともに、沈砂池の側壁下部の隅角部の近傍域に堆積しやすい汚砂を噴射水にて池底に沿って移送して集砂トラフ内に効果的に集砂することができる。
この実施例の沈砂池の集砂装置は、図1〜図3に示すように、ポンプ場、下水処理場等に配設される所要形状(本実施例においては、矩形)と大きさを備えた沈砂池1の池底12の形状を、底部の所定位置に配設した集砂ピット11に向かって低くなるよう傾斜した傾斜底とするとともに、この池底12に、必要に応じて、沈砂池1の幅方向の中央位置でその長手方向に沿って集砂トラフ13を形成し、この集砂トラフ13の一部に、該集砂トラフ13よりも深くなるようにして集砂ピット11を形成し、さらに、この沈砂池1の側壁14の内面で、水位レベルWL(集砂時の水位レベルWL1(本実施例においては、傾斜した池底12が露出するレベル))よりも上方位置、すなわち、水面上に、集砂ノズル2を配設し、この集砂ノズル2に集砂用給水配管3を介して集砂用水を供給するための給水ポンプ4を接続するとともに、集砂ピット11内に集めた砂を揚砂するようにした揚砂ポンプ5の砂吸込口51を配設して構成する。
この場合、集砂ノズル2だけでなく、これに配管する集砂用給水配管3も底面或いは水位レベルWLより上方に配設することで、集砂ノズル2や集砂用給水配管3へのごみの絡みつきを未然に防止することができる。
ここで、集砂ノズル2は、集砂時の水位レベルWL1よりも上方位置である限りにおいて、必ずしも常に通常の水位レベルWLよりも上方位置にある必要はなく、水位レベルWLよりも下方位置にあって、集砂を行う場合のみ、例えば、揚砂ポンプ5を運転する(このとき、後述の集砂ノズル2bからの噴射水により集砂ピット11内に集められ堆積する汚砂を攪拌するようにして、揚砂ポンプ5が閉塞することを防止するようにする。)ことによって水位を低下させて、集砂時の水位レベルWL1よりも上方位置の水面上に位置するようにすることもでき、このような配設状態を排除するものでない。
ここで、ゾーンbは、集砂ピット11を含むため、このゾーンbに配設する集砂ノズル2bは、他の集砂ノズル2a,2c,2d,2eよりも低位置に配設するようにする。具体的には、集砂ノズル2bは、水位レベルWL、さらには、集砂時の水位レベルWL1よりも下方位置に配設する。
このように1台の給水ポンプ4に切り替え可能とした各バルブを介して各ゾーンの集砂ノズル2a,2b,2c,2d,2eと接続することで、給水能力に限度あるポンプにても、言い換えれば小さな給水能力しかないポンプにても大きな沈砂池1の集砂を効率的に行うことができるものとなる。
これにより、沈砂池1内に導入される汚水中の比較的軽量な汚砂やごみ等が沈砂池1の側壁14の内面に付着しても、集砂ノズル2より噴射される噴射水によって除去することができるとともに、沈砂池1の側壁14と池底12とが接する隅角部10の近傍域を含む池底12に堆積する汚砂を、集砂ピット11に向けて強制的に移送することができる。
なお、沈砂池1の池底12の形状は、池底12に堆積する汚砂を集砂ピット11に向けて移送しやすいように、集砂ピット11(又は集砂トラフ13)に向けて低くなるように傾斜した傾斜底とするが、この勾配θは、1/100程度以上に設定することが好ましい。
なお、集砂ノズルは、水面上に配設する集砂ノズル2のほか、集砂トラフ13を設ける場合には、集砂トラフ13に堆積する汚砂を、集砂ピット11に強制的に移送するための集砂ノズル(図示省略)を設けることもできる。
そして、この集砂ピット11を備えたゾーンbに配設する集砂ノズル2bの位置は、他のゾーンa,c,d,eに配設する集砂ノズル2a,2c,2d,2eの配置位置よりも低く設定し、これにより集砂ノズル2bを集砂ピット11内に集められ堆積する汚砂を攪拌するようにして砂吸込口51により吸込をより確実に行うようにする。
また、流入ゲートG1の下流側には除塵機Jを配設して沈砂池1内に導入する汚水に含まれるごみ(し渣)等を予め除去するようにする。
また、本実施例のように、揚砂ポンプ5の下流側に配管される揚砂排出配管53の先端には沈砂洗浄槽Tを配設して揚砂排出配管53より排出される揚砂を該沈砂洗浄槽T内に一時的に貯留した後、沈砂洗浄機Wを経て洗浄し、さらに沈砂搬出機Cを経て沈砂ホッパーHへ搬出するように構成することも可能であるが、処理場の運転形態により、これ以外の設備構成とすることもできる。
まず、流入ゲートG1及び流出ゲートG2を開いた状態では、沈砂池1内に汚水が導入されるが、このとき除塵機Jを駆動することで流入してくる汚水に含まれるごみ(し渣)は除去される。
そして、降雨後の場合のように、沈砂池1内に所定量の沈砂が堆積したときに、集砂を行う。
集砂は、まず、流入ゲートG1及び流出ゲートG2を閉鎖し、汚水の流通を停止した後、給水ポンプ4を駆動するようにする。このとき、揚砂ポンプ5は停止している。
そして、バルブ3bのみを開き、他のバルブ3a,3c,3d,3eを閉じておくことで、給水ポンプ4からの洗浄水は集砂用給水配管3を経て集砂ノズル2bのみに給水され、これにより、集砂ピット11内を攪拌する。
次いで、給水ポンプ4の駆動にて集砂ノズル2bからの噴射水の噴流により集砂ピット11内を攪拌しつつ、揚砂ポンプ5を駆動すると集砂ピット11内の沈砂は砂吸込口51より吸い込まれて揚砂されることとなる。なお、この揚砂時には沈砂洗浄機W、沈砂搬出機Cも駆動しておくものとする。
この場合、集砂ノズル2bからの噴射水の水量は、揚砂ポンプ5により揚水される水量よりも少なく設定するようにし、これにより、水位レベルWLを、集砂時の水位レベルWL1(本実施例においては、傾斜した池底12が露出するレベル)まで低下させるようにする。
これにより、集砂ノズル2が、通常は、水位レベルWLよりも下方位置にある場合でも、水面上に位置するようにすることができる。
なお、ゾーンb内に配設された集砂ノズル2bは、揚砂ポンプ5及び揚砂配管52、揚砂排出配管53の閉塞を防ぐため、バルブ3bを常に開弁して噴射水を噴流しておくものとする。
この場合、集砂ノズル2a,2bからの噴射水の水量と、揚砂ポンプ5により揚水される水量とを一致させることにより、集砂時の水位レベルWL1を一定にした状態に保持することができる(以下の場合も同様)。
そして、最終のゾーンe内の集砂及び揚砂が完了すると、給水ポンプ4を停止してすべてのバルブ3a,3b,3c,3d,3eを閉じ、揚砂ポンプ5のみを駆動するようにすると、集砂ピット11内の残量汚水と共に揚砂も行われ、最終的にほぼすべての沈砂池1内の汚水、集砂を排出することができ、集砂ピット11内の集砂が完了し、揚砂ポンプ5を停止する。
なお、集砂の順序は、本実施例に記載した順序に限定されず、例えば、ゾーンaとゾーンc,d,eとの順序を逆にすることもできる。
そして、沈砂池1内に導入した汚水の集砂がすべて完了すると、次に流入ゲートG1、さらには、流出ゲートG2を開いて汚水を再び導入し、同じ作動を繰り返して行うようにし、連続的に汚水の集砂を行うようにする。
この沈砂池の集砂装置は、1つの沈砂池1内をその長手方向に複数のゾーン(これは特に限定されるものではないが、図示の参考例においては3つのゾーン)に分けることは、上記実施例と同じであるが、各ゾーンa,b,cには集砂トラフを省略して、各ゾーンa,b,cの底部を傾斜した池底とし、この傾斜池底の低い位置に集砂ピット11をそれぞれ配設するとともに、各集砂ピット内に砂吸込口51を配設するようにする。
そして、各ゾーンa,b,cに配設する集砂ピット内の砂吸込口51には、それぞれ分岐揚砂配管52a,52b,52cを介して1台の揚砂ポンプ5に接続するとともに、各分岐揚砂配管52a,52b,52cにはそれぞれバルブ54a,54b,54cを配設する。
なお、揚砂ポンプ5の吐出側に1本の揚砂排出配管53を接続することは上記実施例と同じであるが、各ゾーンにおいて集められた砂を排出するには、バルブ54a,54b,54cを切り替えて、順次或いは選択的に各ゾーン毎に砂吸込口51と揚砂ポンプ5とを接続して揚砂、排出するようにする。
これにより、1台の給水ポンプ4にて各バルブ3a,3b,3cの切り替えで、各ゾーンに配設する集砂ノズル2a,2b,2cへ順次、或いは選択的に給水できるようにする。
流出ゲートG2を閉じ、流入ゲートG1を開くことで矩形の沈砂池1内に所定量の汚水を導入した後、流入ゲートG1を閉じ、揚砂ポンプ5を停止した状態で、給水ポンプ4を駆動する。
次にバルブ3aの開により流入ゲートG1に近い最初のゾーンa内の集砂ノズル2aへ給水して噴射水を噴射するとともに、バルブ54a(バルブ54b,54cを閉じておく。)を開いてゾーンaの内底の集砂ピットから沈砂を砂吸込口51を経て揚砂ポンプ5にて揚砂、排出する。そして、ゾーンa内の集砂ピットから沈砂が排出されると、次にバルブを切り替えて、バルブ3a及びバルブ54aを閉じ、代わりにバルブ3b及びバルブ54bを開くようにして、ゾーンb内の沈砂を揚砂、排出する。
このように、順次バルブを切り替え、ゾーンaからゾーンcまでの揚砂を完了する。
なお、1つのゾーンにおいて揚砂している場合は、他のゾーンにおけるバルブを閉じるようにすることで、容量の小さな1台の給水ポンプ及び揚砂ポンプを用いて効率的に集砂及び揚砂を行うことができる。
なお、この参考例においても、揚砂時には沈砂洗浄機W及び沈砂搬出機Cを駆動しておくものである。
また、この図7においては、ゾーン内に配設する集砂ノズル、砂吸込口及びそれらへの配管、バルブ等の図示を省略しているが、図4〜図6に示すように配設されている。
10 隅角部
11 集砂ピット
12 池底
13 集砂トラフ
14 側壁
2 集砂ノズル
2a〜2e 集砂ノズル
3 集砂用給水配管
3a〜3e バルブ
31〜35 分岐配管
4 給水ポンプ
5 揚砂ポンプ
51 砂吸込口
52a〜52c 分岐揚砂配管
53 揚砂排出配管
54a〜54c バルブ
a,b,c,d,e ゾーン
X 噴射水
C 沈砂搬出機
G1 流入ゲート
G2 流出ゲート
H 沈砂ホッパー
J 除塵機
T 沈砂洗浄槽
W 沈砂洗浄機
WL 水位レベル
WL1 水位レベル(集砂時)
Claims (2)
- 揚砂ポンプの砂吸込口を配設した集砂ピットに向かって低くなるよう傾斜した池底の形状を備えた沈砂池の底部に向かって水を噴射するように集砂ノズルを配設した沈砂池の集砂装置において、沈砂池を矩形とし、該沈砂池内を長手方向に沿って集砂ピットを含む複数のゾーンに区画するとともに、池底の長手方向に沿いかつ集砂ピットに導かれるように傾斜した集砂トラフを形成し、集砂ピットに配設する集砂ノズルを、集砂時の水位レベルよりも下方位置に配設し、その他の集砂ノズルを、通常の水位レベルよりも上方位置にかつ噴射水が沈砂池の側壁の内面に沿って沈砂池の側壁と池底とが接する隅角部に直接到達するように配設したことを特徴とする沈砂池の集砂装置。
- 各ゾーン毎に配設する集砂ノズルに、それぞれバルブを介して1台の給水ポンプに接続したことを特徴とする請求項1記載の沈砂池の集砂装置。
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