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JP4754095B2 - テーパー状マルチフィラメント糸条およびその製造方法 - Google Patents

テーパー状マルチフィラメント糸条およびその製造方法 Download PDF

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JP4754095B2
JP4754095B2 JP2001150954A JP2001150954A JP4754095B2 JP 4754095 B2 JP4754095 B2 JP 4754095B2 JP 2001150954 A JP2001150954 A JP 2001150954A JP 2001150954 A JP2001150954 A JP 2001150954A JP 4754095 B2 JP4754095 B2 JP 4754095B2
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、釣り分野のフライフィッシング用のフライラインもしくはフライ用リーダー糸、投げ釣り用のちから糸、テンカラ釣りに使用される釣糸、竿先糸として、また他の産業資材分野、例えば飾り紐糸などに使用されるテーパー状マルチフィラメント糸条およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数本のフィラメント繊維によって組み上げられているテーパー状釣糸であって、前記複数本のフィラメント繊維のうち一部のフィラメント繊維が、糸条の末端に向かう長手方向の途中で切断除去されフィラメント数を減ずることで釣糸の長さ方向に径が小さくされており、かつ切断部分が芯糸として組み込まれているテーパー状釣糸が知られている(特開平8−289708)。
しかし、かかるテーパー状釣糸では、特に切断部分において糸の平滑性が損なわれる。その結果、岩場に引っかかりやすくなることまたは釣り竿のガイドとの滑りが悪くなること等により、摩擦抵抗が大きくなり、釣り糸が切断され易くなるという問題点があった。
また、かかるテーパー状釣糸を作製するには、製紐糸の径を細くするために、製紐の途中で製紐機を止めて任意の本数の糸条を切断除去しなければならず、作業効率が悪かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、効率的で、工業的大量生産が可能で、かつ従来のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法の欠点を克服するテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、フィラメントの切断部分がなく、平滑性に優れたテーパー状マルチフィラメント糸条を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、例えば超高分子量ポリエチレンフィラメントなど従来公知の市販の延伸可能なフィラメントを選択した場合、これを再延伸することができるという知見を得た。ここで、再延伸とは延伸処理を経て製造されたフィラメントに再び延伸処理を施すことをいう。
本発明者は、さらに上記延伸可能なフィラメントからなる製紐糸を再延伸したところ、テーパー状に延伸することが可能であることを知見し、かかる知見を利用して、簡便で、かつ効率的にテーパー状マルチフィラメント糸条を製造することができるという知見を得た。すなわち、本発明者らは、マルチフィラメントまたは糸条をテーパー状に延伸することによりテーパー状マルチフィラメント糸条を製造することに成功した。かかる製造方法によれば、人的およびコスト的な負担が軽減され、テーパー状マルチフィラメント糸条の工業的な大量生産が可能となる。
その上、かかる製造方法により製造されたテーパー状マルチフィラメント糸条は、フィラメントの切断部分がなく、平滑性に優れているという利点を有する。
本発明者らは、さらに検討を重ね、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1) 複数本の延伸可能なフィラメントを複合し、該複合糸をテーパー状に延伸することを特徴とするテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法、
(2)上記の複合が、製紐である前記(1)に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法、
(3)複合糸をテーパー状に延伸する前に、前記複合糸を合成樹脂で被覆することを特徴とする前記(1)または(2)に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法、
(4)複数本の延伸可能なフィラメントを低温熱接着性樹脂により複合させる工程と、該複合糸をテーパー状に延伸させる工程を同時に行うことを特徴とするテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法、
(5)延伸可能なマルチフィラメントをテーパー状に延伸し、該テーパー状に延伸されたマルチフィラメント複数本を複合することを特徴とするテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法、
(6)テーパー状に延伸されたマルチフィラメント複数本を複合する際に、前記複数本のテーパー状マルチフィラメントとともに、さらに金属線を複合することを特徴とする前記(5)に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法、
(7)上記の複合が、製紐である前記(5)または(6)に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法、
に関する。
【0006】
また、本発明は、
(8) 延伸時の延伸速度を上げることにより長手方向に径を小さくし、または/および、延伸時の延伸速度を下げることにより長手方向に径を大きくすることにより、上記の複合糸をテーパー状に延伸することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法、
(9) 延伸時の延伸速度を上げることにより長手方向に径を小さくし、または/および、延伸時の延伸速度を下げることにより長手方向に径を大きくすることにより、上記のマルチフィラメントをテーパー状に延伸することを特徴とする前記(5)〜(7)のいずれかに記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法、
(10) 上記の延伸時の、糸条の径の最も大きい部分を形成する際の延伸速度と、糸条の径の最も小さい部分を形成する際の延伸速度との比が、1:2〜6であることを特徴とする前記(8)に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法、
(11) 上記の延伸時の、マルチフィラメントの径の最も大きい部分を形成させる際の延伸速度と、マルチフィラメントの径の最も小さい部分を形成させる際の延伸速度との比が、1:1.5〜4であることを特徴とする前記(9)に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法、
に関する。
【0007】
また、本発明は、
(12) 延伸時の延伸速度を漸増または/および漸減することを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法、
(13) さらに、テーパー状マルチフィラメント糸条を合成樹脂で被覆することを特徴とする前記(1)〜(12)に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法、
(14) 延伸可能なフィラメントが未延伸フィラメントである前記(1)〜(13)に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法、
に関する。
【0008】
また、本発明は、
(15) 複数本の延伸されたフィラメントからなり、このフィラメントが延伸によりテーパー状にされていることを特徴とするテーパー状マルチフィラメント糸条、
(16) 上記のフィラメントが糸条に複合されたのちテーパー状に延伸されていることを特徴とする前記(15)に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条、
(17) 延伸されたフィラメントが、超高分子量ポリエチレンフィラメントである前記(15)または(16)に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条、
(18) 合成樹脂で被覆されていることを特徴とする前記(15)〜(17)のいずれかに記載のテーパー状マルチフィラメント糸条、
(19) 合成樹脂に金属粒子が含有されていることを特徴とする前記(18)に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条、および
(20) 延伸されたフィラメントに金属粒子が含有されていることを特徴とする前記(15)〜(19)のいずれかに記載のテーパー状マルチフィラメント糸条、
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法は、マルチフィラメントまたは糸条をテーパー状に延伸することを特長とする。すなわち、本発明の特長は、延伸時にテーパー状を形成させることにある。
具体的には、延伸速度を調整することにより延伸時にテーパー状を形成させることができる。より具体的には、延伸速度を上げることにより、長手方向に径が小さくなる。延伸速度を下げることにより、長手方向に径が大きくなる。このような延伸速度に変化を加えることにより、テーパー状を形成させることができる。なお、延伸速度を変化させる際には、延伸速度の変化がなだらかに増加傾向又は減少傾向に傾斜していることが好ましい。すなわち、延伸時に延伸速度を漸増または/および漸減することが好ましい。延伸速度の変化がそのようななだらかな変化であれば、延伸速度は直線的に変化してもよいし、そうでなくでもよい。
【0010】
延伸時の延伸速度は、本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条を構成するフィラメント(以下、「構成フィラメント」ともいう)の種類または糸条の太さ等により異なるので一概には言えない。例えば、構成フィラメント複数本からなる糸条を延伸する場合は、糸条の径の最も大きい部分を形成させる際の延伸速度と、糸条の径の最も小さい部分を形成させる際の延伸速度との比が、1:2〜6程度であることが好ましい。また、マルチフィラメントを延伸する場合は、マルチフィラメントの径の最も大きい部分を形成させる際の延伸速度と、マルチフィラメントの径の最も小さい部分を形成させる際の延伸速度との比が、1:1.5〜4程度であることが好ましい。
【0011】
延伸方法は特に限定されず、液体または気体中で加熱しながら延伸するなど公知の方法が採用され得る。延伸は、1段で行ってもよいし、2段以上で行ってもよい。
また、延伸時の温度は、構成フィラメントの種類または糸条の太さ等によって異なるので一概には言えない。例えば、直径が約1mm以上の太い糸条の場合、構成フィラメントの融点以上の温度で延伸処理を行うのが好ましい。また、直径が約1mm以下の細い糸条やマルチフィラメントの場合、構成フィラメントの融点以上の温度で延伸処理を行っても、融点以下の温度で延伸処理を行ってもよいが、融点以上の温度で行うのが好ましい。より具体的には、延伸時の温度は、約120〜300℃程度、好ましくは約130〜250度程度、より好ましくは約130〜200℃程度、さらに好ましくは約130〜170℃程度である。
【0012】
本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法の好ましい態様としては、(a)複数本の延伸可能なフィラメントを複合し、該複合糸をテーパー状に延伸する方法、または(b)延伸可能なマルチフィラメントをテーパー状に延伸し、該テーパー状に延伸されたマルチフィラメント複数本を複合する方法が挙げられる。なお、「延伸可能なマルチフィラメント」とは、「延伸可能なフィラメント」のうち、マルチフィラメントの形態を有するフィラメントを示す。
【0013】
本発明において用いる延伸可能なフィラメントとは、延伸処理を行うことができるフィラメントをいう。該延伸可能なフィラメントは、延伸処理を行うことができるフィラメントであれば、例えば市販のフィラメントのような製造時に既に延伸処理がされているフィラメントであってもよいし、製造時に全く延伸処理がされていない未延伸フィラメントであってもよい。また、製造時に既に延伸処理がされているが、市販のフィラメントの製造時の延伸倍率に満たない延伸倍率で延伸されているフィラメントを用いてもよい。
【0014】
本発明において用いる延伸可能なフィラメントとしては、具体的に、例えば、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエステル系、フッ素系、ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール系、ポリアセタール系などの合成樹脂からなるフィラメントが挙げられる。本発明においては、上記フィラメントのうち、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0015】
より具体的には、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン等が挙げられ、中でも、重合平均分子量が約400,000以上のものが好ましい。上記ポリエチレンまたはポリプロピレンは、ホモポリマーであってもよいし、コポリマーであってもよい。コポリマーとして具体的には、エチレンと共重合できる1以上のアルケン類を少量、好ましくは約5重量%程度以下の割合で含有し、100炭素原子当り1〜10個程度、好ましくは2〜6個程度のメチル基またはエチル基を有する共重合体が挙げられる。上記エチレンと共重合できるアルケン類としては、例えば、プロペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテンまたは4−メチルペンテン等が挙げられる。また、コポリマーとしては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)なども挙げられる。
【0016】
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6,10などの脂肪族ポリアミドもしくはその共重合体、または芳香族ジアミンとジカルボン酸により形成される半芳香族ポリアミドもしくはその共重合体などが挙げられる。
【0017】
ポリエステル系樹脂としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン2,6ジカルボン酸、フタル酸、α,β−(4−カルボキシフェニル)エタン、4,4’−ジカルボキシフェニルもしくは5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸もしくはセバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル類と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコールまたはテトラメチレングリコールなどのジオール化合物とから重縮合されるポリエステルもしくはその共重合体などが挙げられる。
【0018】
フッ素系樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリモノクロロトリフルオロエチレンもしくはポリヘキサフルオロプロピレンまたはその共重合体などが挙げられる。
【0019】
ポリアクリロニトリル系樹脂としては、アクリロニトリルと、他のポリマーとのコポリマーであるポリアクリロニトリル系樹脂が挙げられる。上記他のポリマーとしては、例えばメタクリレート、アクリレートまたは酢酸ビニル等が挙げられ、該他のポリマーは約5重量%程度以下の割合で含有されていることが好ましい。
【0020】
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ビニルアルコールと、他のポリマーとのコポリマーであるポリビニルアルコール系樹脂が挙げられる。上記他のポリマーとしては、例えば酢酸ビニル、エテンまたは他のアルケン類等が挙げられ、該他のポリマーは約5重量%程度以下の割合で含有されていることが好ましい。
【0021】
本発明において用いる延伸可能なフィラメントは、中でも高クリープ性フィラメントであることが好ましい。
ここで、上記高クリープ性フィラメントとは、延伸後、その形状を保ちつづけるようなフィラメントをいう。より具体的には、フィラメントを構成する繊維の破断強度の半分の荷重を100時間加えつづけ、その後かかる荷重を取り除いたときの永久伸びが、約1%以上、好ましくは約5%以上、より好ましくは約10%以上である糸条が高クリープ性フィラメントとして好適である。なお、上記永久伸びは、伸度を公知の測定機、具体的には、万能試験機 オートグラフAG−100kNI(商品名 島津製作所製)を用いて測定することができる。
【0022】
上記高クリープ性フィラメントとして、具体的には、例えば、ポリアセタール系フィラメントまたは超高分子量ポリエチレンフィラメントなどが好適な例として挙げられる。
上記ポリアセタール系フィラメントは、例えばポリオキシメチレンなどアセタール結合を主鎖に有するポリアセタール系樹脂を溶融紡糸するなど自体公知の方法で製造できる。ポリアセタール系フィラメントは、引張強度が約4g/d程度以上、伸度が約20%程度以下の物性を有するものが好ましい。なお、引張強度および破断伸度は、公知の測定機、例えば万能試験機 オートグラフAG−100kNI(商品名 島津製作所製)を用いて容易に測定することができる。
【0023】
上記超高分子量ポリエチレンフィラメントは、例えば特開昭55−5228、特開昭55−107506などに開示されている公知の方法に従って製造することができる。また、超高分子量ポリエチレンフィラメントとして、ダイニーマ(商品名 東洋紡株式会社製)やスペクトラ(商品名 アライドシグナル社製)等の市販品を用いてもよい。
【0024】
上記超高分子量ポリエチレンフィラメントを構成する超高分子量ポリエチレンとしては、分子量が20万程度以上、好ましくは60万程度以上のものが好適に用いられる。かかる超高分子量ポリエチレンは、ホモポリマーであってもよいし、炭素数3〜10程度の低級α−オレフィン類、例えばプロピレン、ブテン、ペンテン、へキセン等との共重合体であってもよい。該エチレンとα−オレフィンとの共重合体としては、後者の割合が炭素数1000個当たり平均0.1〜20個程度、好ましくは平均0.5〜10個程度である共重合体を用いるのが好ましく、かかる共重合体は高強度などの優れた機械的性質を示す。
【0025】
本発明においては、構成フィラメントに、本発明の目的を損なわない範囲内で各種公知の耐磨耗剤、艶消し剤、改質剤もしくは顔料など、またはこれらの2種以上が含有されていてもよい。また、構成フィラメントに、磁性材料、導電性物質、高誘電率を有する物質などが含有されていてもよい。
【0026】
本発明においては、テーパー状マルチフィラメント糸条の比重を向上させるため、構成フィラメントに金属粒子が含有されていてもよい。
ここにおいて、使用される金属粒子としては鉄、銅、亜鉛、錫、ニッケルもしくはタングステン等を単独でまたは混合もしくは合金としたものが挙げられる。中でも、比重の大きいタングステンが好ましい。なぜなら、比重の大きい金属を用いると、糸条に重さを与えやすく、比重を高くする効果が少量の金属添加により現れるため、素材の樹脂の強度の低下を極力抑えることができるからである。
【0027】
上記金属粒子は、粒状であると、粉末状であるとを問わず本発明に適用することができる。該金属粒子の大きさは約20μm程度以下、好ましくは約10μm程度以下である。大きすぎると、混合後の全体的均一性が乏しくなるので、上記範囲が好ましい。上記金属粒子は、構成フィラメントを構成する熱可塑性樹脂100重量部に対して約1〜90重量部程度、好ましくは約5〜70重量部程度添加するのが好ましい。
【0028】
本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法の好ましい態様である(a)複数本の延伸可能なフィラメントを複合し、該複合糸をテーパー状に延伸する方法について、以下に詳述する。
【0029】
本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法の上記態様においては、まず第1に、複数本の上記延伸可能なフィラメントを複合する。ここで、複合とは、複数本の構成フィラメントが互いにばらばらにならないように一体化させることを言う。複合には公知の手段を用いてよく、例えば複数本の構成フィラメントを撚り合わせたり、製紐したり、後述する低温熱接着性樹脂で融着させたりする手段などが挙げられる。また、2種以上のフィラメントを用いる場合は、いずれかのフィラメントを芯糸とし、残りのフィラメントを芯糸の周りに製紐させたり、芯糸の周りを囲むように配置して融着させたりして複合させてもよい。
【0030】
上記態様の製造方法において、構成フィラメントは、例えば、マルチフィラメント、モノフィラメントまたはモノマルチフィラメントのいずれの形態を有していてもよい。ここで、モノマルチフィラメントとは、通常はモノフィラメント糸複数本を合糸したフィラメントをいう。
【0031】
上記複合工程においては、特に、複数本の構成フィラメントを製紐するのが好ましい。
製紐方法としては、特に限定されないが、通常は組紐機(製紐機)を用いて行われる。例えば4本のフィラメントを準備し、右側または左側の糸を交互に真中に配置させて組み上げていく。製紐に用いるフィラメントの数は、4本に限らず、8本、12本または16本の場合などがある。
【0032】
ついで、上記複合糸をテーパー状に延伸する。テーパー状に延伸する方法については上述の通りである。なお、延伸倍率は、構成フィラメントの種類に応じて適宜選択すればよい。また、既に延伸処理がされているか否か、または既に延伸処理がされている場合はどの程度の延伸倍率で延伸されているのかによっても、延伸倍率は異なるので一概には言えない。具体的には、例えば、延伸倍率は約1.01〜15程度である。より具体的は、例えば市販のフィラメントのように、製造工程において延伸されているフィラメントを構成フィラメントして用いる場合は、延伸倍率は約1.01〜5程度、好ましくは約1.01〜3程度、より好ましくは約2.2〜3程度が好適である。一方、全く延伸されていない未延伸フィラメントまたは市販のフィラメントほどには延伸されていないフィラメントを構成フィラメントして用いる場合は、延伸倍率は約1.01〜15程度、好ましくは約2〜10程度、より好ましくは約4〜8程度が好適である。
【0033】
本発明に係る上記態様において、熱接着性樹脂を用いて構成フィラメントを融着させることにより複合する場合は、融着工程と延伸工程を同時に行ってもよい。融着工程と延伸工程とは、ともに加熱下で行われるので、両工程を一度に行うことにより、さらに効率的に本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条を製造することができるという利点がある。
【0034】
本発明において、熱接着性樹脂を用いて複数本の構成フィラメントを融着する方法としては特に限定されないが、下記2つの方法が挙げられる。すなわち、(a)構成フィラメントを、バスの中に充填した熱接着性樹脂に浸漬するなど公知方法により前記樹脂を含浸させ、または公知方法により前記樹脂を塗布し、ついで構成フィラメントを引き揃えて、さらに所望によりこれに撚りをかけたり、製紐したりして、その後、熱をかけることにより融着糸とする方法が挙げられる。また、(b)糸条となっている熱接着性樹脂(以下、単に「熱接着性樹脂糸条」という。)を用い、すべての構成フィラメントが該熱接着性樹脂糸条に接触するように配置して、さらに所望によりこれに撚りをかけたり、製紐したりして、その後熱をかけることにより融着させる方法も挙げられる。
【0035】
上記熱接着性樹脂糸条としては、熱接着性樹脂から糸条を作ってもよいし、中心糸に熱接着性樹脂をコーティングした糸条であってもよい。
後者の場合、中心糸としては、上述した延伸可能なフィラメントが好適に用いられる。中心糸は、約10〜50μm程度の太さのものを用いるのが好ましい。コーティング方法は、特に問わず自体公知の方法を用いてよいが、例えば、熱接着性樹脂の入ったバスに、中心糸を含浸させ、余剰分を縛りとって、乾燥させて行うことができる。コーティングにより製造した熱接着性樹脂糸条は、中心糸の約1.3〜3倍の太さを有するものが好ましい。
【0036】
熱接着性樹脂により構成フィラメントを融着させる際の温度は、通常は熱接着性樹脂の融点以上で、かつ構成フィラメントの融点以下の温度、好ましくは約50〜160℃程度、より好ましくは約60〜130℃程度の温度が好適である。
【0037】
上記構成フィラメントの融着に用いる熱接着性樹脂は、上記構成フィラメントの融点よりも低融点であることが好ましい。該熱接着性樹脂としては、具体的には、融点が約50〜160℃程度の樹脂、好ましくは融点が約60〜135℃程度の樹脂、特に好ましいくは融点が100℃前後の樹脂である。熱接着性樹脂の融点は、例えば、JIS L 1013「化学フィラメント試験方法」に従った方法にて、パーキンエルマー社製「DSC7」で容易に測定できる。
【0038】
かかる熱接着性樹脂としては、上記融点を有するものであれば公知のものを用いてよいが、具体的には、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂またはポリアミド系樹脂などを用いることができる。
中でも、かかる熱接着性樹脂としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等を主体とするポリオレフィン共重合体からなるポリオレフィン系樹脂であって、約50℃程度の温度による約10秒程度の加熱でも軟化し得る軟質の樹脂が好ましい。また、融点が100℃前後で、溶融時には低粘度であるポリオレフィン系樹脂も好ましい。かかるポリオレフィン系樹脂は、短時間の加熱であっても容易に流動性を示し、速やかに繊維表面のみならず中心まで拡散浸透していくことができるので、優れた接着機能を果たすことができる。
【0039】
熱接着性樹脂と構成フィラメントとの重量割合は1:1〜100程度であることが望ましい。十分な接着力を得る一方で、低温熱接着性樹脂が本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条表面にはみ出し凹凸が生じて滑かさが失わないようにするため、上記範囲が好ましい。
【0040】
本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法の好ましい態様である(b)延伸可能なマルチフィラメントをテーパー状に延伸し、該テーパー状に延伸されたマルチフィラメント複数本を複合する方法において、各工程の詳細については上記態様と全く同一である。しかし、下記の点において、上述した第一の実施態様とは異なる。
【0041】
上記態様の製造方法において、構成フィラメントとしては、マルチフィラメントが好ましい。
また、上記態様の製造方法においては、テーパー状に延伸されたマルチフィラメント複数本を製紐により複合する際に、構成フィラメントの径の大きさに応じて製紐機のギアをかえ、構成フィラメントの径の大きさに適した組みピッチで製紐することができる。このようにすることにより、テーパー状マルチフィラメント糸条の平滑性がより向上するという利点がある。
【0042】
上記態様においては、テーパー状に延伸されたマルチフィラメント複数本を複合する際に、該複数本のテーパー状マルチフィラメントとともに、さらに金属線を複合することができる。このように、金属線を含有させることにより、テーパー状マルチフィラメント糸条の比重を任意に設定することができるという利点がある。
【0043】
ここで、上記テーパー状に延伸されたマルチフィラメント複数本と金属線とを複合させるには公知の手段を用いてよく、例えばマルチフィラメントと金属線とを撚り合わせたり、製紐したり、上述したように熱接着性樹脂で融着したりすることなどが挙げられる。また、金属線を芯糸とし、テーパー状マルチフィラメントを芯糸の周りに製紐させたり、芯糸の周りを囲むように配置して融着させたりしてもよい。中でも、本発明の糸条は金属線を芯とする芯鞘構造を有する場合が好ましい。
【0044】
本発明で用いる金属線としては特に限定されず、自体公知の金属線を用いてもよい。具体的には、例えば、銅線、ステンレス線、鉛線、タングステン線、各種合金の軟線およびアモルファス線などが挙げられる。中でも、安価であることから鉛線を用いるのが好ましい。
【0045】
本発明のテーパー状マルチフィラメント糸条は、複数本の延伸されたフィラメントからなる。延伸されたフィラメントとは、上述した延伸可能な糸条が上述のように延伸処理されたフィラメントをいう。ここで、フィラメントとしては、例えば、マルチフィラメント、モノフィラメントまたはモノマルチフィラメントのいずれの形態を有していてもよい。中でも、マルチフィラメントの形態を有していることが好ましい。
本発明のテーパー状マルチフィラメント糸条はさらにその表面に合成樹脂をコーティングしても良い。このように合成樹脂で被覆するとテーパー状マルチフィラメント糸条の表面が滑らかになり、また、耐吸水性や耐摩擦性をより向上できるという利点がある。
【0046】
上記被覆に使用する合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、塩化ビニル、アクリル、ウレタン、ナイロン、ポリエステル、エポキシ、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニルなどの合成樹脂などが挙げられ、エマルジョン型もしくは溶剤型のいずれでも良い。さらには天然ゴムやSBRなどの合成ゴム系統も用いることができる。中でも、ポリプロピレンを用いるのが好ましい。
上記被覆に使用する合成樹脂(以下、「被覆樹脂」という)に金属粒子を含有させてもよい。それにより本発明に係るテーパー状糸条の比重を任意に設定することができるという利点がある。被覆樹脂に含有させる金属粒子の種類・大きさ・含有量は、上述の構成フィラメントに金属粒子を含有させる場合と全く同様である。
【0047】
合成樹脂で被覆されている本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条は、延伸される前の複合糸を被覆樹脂で被覆した後、テーパー状に延伸することによって製造することができる。また、上記態様の糸条は、(a)複合糸をテーパー状に延伸させることにより、または(b)マルチフィラメントを個別にテーパー状に延伸し複合することにより得られる本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条を被覆樹脂で被覆することによっても製造することができる。上記2種の製造方法において、被覆樹脂の被覆方法は自体公知の方法を用いてよく、例えば、溶融押出し被覆などが挙げられる。
【0048】
本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条は着色してもよい。着色方法は、公知方法を用いてよい。例えば、本発明のテーパー状マルチフィラメント糸条を着色剤溶液が入っている浴に室温、例えば約20〜25℃程度の温度下に通過させ、その後、こうして被覆された糸を乾燥し、この被覆糸を約100〜130℃程度の温度に保たれた炉に通し、通過させることによって着色されたテーパー状マルチフィラメント糸条を製造できる。
着色剤としては、無機顔料、有機顔料または有機染料が知られているが、好適なものとしては、例えば、酸化チタン、カドミウム化合物、カーボンブラック、アゾ化合物、シアニン染料または多環顔料などが挙げられる。
【0049】
本発明に係る製造方法により得られるテーパー状マルチフィラメント糸条は、その用途は特に限定されないが、フライフィッシング用のフライラインもしくはフライ用リーダー糸、投げ釣り用釣糸、特にキャスティングラインのちから糸、またはテンカラ釣りに使用される釣糸などに好適に使用される。
【0050】
【実施例】
〔実施例1〕
側糸としてダイニーマ 150d/140F(東洋紡績株式会社製)16本を用い、芯糸としてサーモラックスPO105 300d(ルクシロン社製)1本を用いて、これらを製紐機で丸打ちにて製紐して、原料糸条を製造した。これを170℃に加熱した加熱炉に送り込み、送り込みローラーと巻き取りローラーの速度を調整して、延伸速度比が1から3になるように、延伸速度を直線的に漸増させて延伸した。得られた本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条は、全長が7mで、糸条の一端が12号、他端が4号の滑らかなテーパー状を有していた。
【0051】
〔実施例2〕
超高分子量ポリエチレン未延伸マルチフィラメント(商品名ダイニーマ、東洋紡株式会社製)8本を用いて、丸打ちにて製紐した。なお、超高分子量ポリエチレン未延伸マルチフィラメントは、最大延伸倍率で延伸した場合には100dとなる原マルチフィラメントを、最大延伸倍率の25%の延伸倍率で延伸させて得られた400dのマルチフィラメントを用いた。170℃に加熱した加熱炉に送り込み、送り込みローラーと巻き取りローラーの速度を調整して、延伸速度比が1から4になるように延伸速度を直線的に漸増させて延伸した。得られた本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条は、全長が7mで、糸条の一端が16号、他端が4号の滑らかなテーパー状を有していた。
【0052】
〔実施例3〕
実施例2で用いた超高分子量ポリエチレン未延伸マルチフィラメントを170℃に加熱した加熱炉に送り込み、送り込みローラーと巻き取りローラーの速度を調整して、延伸速度比が1から5になるように延伸速度を直線的に漸増させて延伸した。得られたテーパー状マルチフィラメントを8本用いて、丸打ちにて製紐した。得られた本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条は、全長が7mで、糸条の一端が16号、他端が3号の滑らかなテーパー状を有していた。
【0053】
【発明の効果】
本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法によれば、釣糸をはじめとする種々の用途に使用されているテーパー状マルチフィラメント糸条を、従来の方法よりも簡便、かつ効率的に製造することができる。その結果として、製造時の人的・コスト的負担を軽減でき、安価な製品を大量に供給できるようになる。
また、本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条は、フィラメントの切断部分がなく、平滑性に優れている。その結果、本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条を釣糸として用いた場合、かかる釣糸は、釣り竿のガイドとこすれること等がなく、また、水の抵抗も少ないため、耐久性が向上する。また、糸条の見映えの面からも、商品価値の高い糸条を提供できる。
【0054】
また、構成フィラメントを途中で切断除去することにより、糸条の長手方向に径を小さくするという従来のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法では、任意の形状のテーパーを形成させることができなかった。例えば、製紐糸の編み始めと編み終りの太さを大きく変化させる場合は、編み始めの構成フィラメントの本数が増えるため、製紐機のボビン本数を増やすべく大きな機械装置が必要となる。かかる大きな機械装置を用いることは、実施上困難であるか、作業性が著しく低下するなどの問題がある。したがって、編み始めと編み終りの太さを任意に変化させることは困難であった。また、構成フィラメントの太さによりテーパーの度合いが決まってしまい、テーパーの度合いを任意に設定できないという問題点もあった。
しかし、本発明に係るテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法によれば、編み始めと編み終りの太さを任意に変化させることでき、その上、テーパーの度合いも任意に設定することができるという利点がある。

Claims (20)

  1. 複数本の延伸可能なフィラメントを複合し、該複合糸をテーパー状に延伸することを特徴とするテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法。
  2. 上記の複合が、製紐である請求項1に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法。
  3. 複合糸をテーパー状に延伸する前に、前記複合糸を合成樹脂で被覆することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法。
  4. 複数本の延伸可能なフィラメントを低温熱接着性樹脂により複合させる工程と、該複合糸をテーパー状に延伸させる工程を同時に行うことを特徴とするテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法。
  5. 延伸可能なマルチフィラメントをテーパー状に延伸し、該テーパー状に延伸されたマルチフィラメント複数本を複合することを特徴とするテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法。
  6. テーパー状に延伸されたマルチフィラメント複数本を複合する際に、前記複数本のテーパー状マルチフィラメントとともに、さらに金属線を複合することを特徴とする請求項5に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法。
  7. 上記の複合が、製紐である請求項5または請求項6に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法。
  8. 延伸時の延伸速度を上げることにより長手方向に径を小さくし、または/および、延伸時の延伸速度を下げることにより長手方向に径を大きくすることにより、上記の複合糸をテーパー状に延伸することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法。
  9. 延伸時の延伸速度を上げることにより長手方向に径を小さくし、または/および、延伸時の延伸速度を下げることにより長手方向に径を大きくすることにより、上記のマルチフィラメントをテーパー状に延伸することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法。
  10. 上記の延伸時の、糸条の径の最も大きい部分を形成する際の延伸速度と、糸条の径の最も小さい部分を形成する際の延伸速度との比が、1:2〜6であることを特徴とする請求項8に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法。
  11. 上記の延伸時の、マルチフィラメントの径の最も大きい部分を形成させる際の延伸速度と、マルチフィラメントの径の最も小さい部分を形成させる際の延伸速度との比が、1:1.5〜4であることを特徴とする請求項9に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法。
  12. 延伸時の延伸速度を漸増または/および漸減することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法。
  13. さらに、テーパー状マルチフィラメント糸条を合成樹脂で被覆することを特徴とする請求項1〜12に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法。
  14. 延伸可能なフィラメントが未延伸フィラメントである請求項1〜13に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条の製造方法。
  15. 複数本の延伸されたフィラメントからなり、このフィラメントが延伸によりテーパー状にされていることを特徴とするテーパー状マルチフィラメント糸条。
  16. 上記のフィラメントが糸条に複合されたのちテーパー状に延伸されていることを特徴とする請求項15に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条。
  17. 延伸されたフィラメントが、超高分子量ポリエチレンフィラメントである請求項15または16に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条。
  18. 合成樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載のテーパー状マルチフィラメント糸条。
  19. 合成樹脂に金属粒子が含有されていることを特徴とする請求項18に記載のテーパー状マルチフィラメント糸条。
  20. 延伸されたフィラメントに金属粒子が含有されていることを特徴とする請求項15〜19のいずれかに記載のテーパー状マルチフィラメント糸条。
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