JP4752298B2 - モータ制御装置およびその制御方法 - Google Patents
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Description
従来の技術のモータ制御装置について図3を用いて説明する。図3において、101は目標位置に対して位置を制御する位置制御部、102は速度指令に対し速度を制御する速度制御部、103は特定の周波数成分を除去するノッチフィルタ有するトルクフィルタ部、104はトルク指令に従ってモータを駆動する駆動部、105はモータ、106はモータによって駆動される機械、107はモータの位置を検出する位置検出器、301は位置偏差を変数とする評価関数による応答判断部、302はワンパラメータチューニング部であり、応答判断部301から出力される制御パラメ−タKg、ノッチ周波数およびノッチフィルタ帯域幅を入力し、位置制御部101、速度制御部102およびトルクフィルタ部103に最適な制御パラメ−タを設定する。ここで最適なパラメータは例えば特許文献2で提案している方法で設定すればよい。図4は特許文献2に開示されているブロック図で、510はワンパラメータチューニング部、511は指令発生部、512は位置制御部、513はトルクフィルタ部、514は電流制御部、515はモータ、516は検出器、517はメカ部である。構成としては特許文献1とほぼ同じである。また、図5はワンパラメータチューニングの詳細を示す図で、図4のワンパラメータチューニング部510では制御パラメータ選定信号を入力し、判定器531 で、ユーザが希望する目標応答周波数ω fから決定する手段532と、負荷イナーシャ値J Lと目標応答周波数ω fから決定する手段533 と、メカ特性である共振周波数ωH及び反共振周波数ω Lと目標応答周波数ω fから決定する手段534の選択を行う。
ユーザが希望する目標応答周波数ω fから決定する手段が選ばれた場合は、目標応答周波数ω fを入力し、メインパラメータk gをk g =ω f、補助ゲインk pをk p = 3、補助ゲインk dをk d = 3、補助ゲインk iをk i = 1、トルクフィルタ定数t f をt f = 1 / (ω f *4 )、電流ループゲインk aをk a =ω f * 4、電流積分時定数t aをt a = 1 /ω f、前記時定数t vのローパスフィルタをt v = 2 0 . 5 / (ω f * 4 )、と設定し、演算により算出された制御パラメータを出力する。
負荷イナーシャ値J Lと目標応答周波数ω fから決定する手段が選ばれた場合は、モータイナーシャJ Mとの比から求めたイナーシャ補正ゲインJ C O M = ( ( J L + J M ) / J M )0 . 5 を用いて、前記メインパラメータk gをk g =ω f / J C O M、補助ゲインk pをk p = 3、補助ゲインk dをk d =3、補助ゲインk iをk i = 1、トルクフィルタ定数t fをt f = 1 / (ω f * 4 ) * J C O M、電流ループゲインk aをk a =ω f * 4 / J C O M、電流積分時定数t aをt a = 1 /ω f * J C O M、時定数t vのローパスフィルタをt v = 2 0 . 5 / (ω f * 4 ) * J C O M、と設定し、演算により算出された制御パラメータを出力する。メカ特性である共振周波数ω H及び反共振周波数ω Lと目標応答周波数ω fから決定する手段が選ばれた場合は、メカの共振周波数ω H及び反共振周波数ω Lと目標応答周波数ω fを入力し、モータ側イナーシャJ 1をJ 1 - = ( J M + J L ) * (ω L /ω H ) 2 / J Mと表し、メインパラメータk gをk g =ω f / J 1、補助ゲインk pをk p = 3、補助ゲインk dをk d = 3、補助ゲインk iをk i = 1、トルクフィルタ定数t fをt f = 1 / (ω f * 4 ) * J 1、電流ループゲインk aをk a =ω f * 4 / J 1、電流積分時定数t aをt a = 1 /ω f * J 1、時定数t vのローパスフィルタをt v = 2 0 . 5 / (ω f * 4 ) * J 1、と設定し、上記演算により算出された制御パラメータを出力する。以上の制御パラメータは安定条件と実験を繰り返すことにより決定される。例えば、メインパラメータと補助ゲインk p、k i、k dは、速度フィルタとトルクフィルタを適用せず、電流制御部とモータを1 / J S 2とおき、位置指令からモータ位置までの伝達関数の分母を3重根条件で解いて決定される。なお、それぞれの制御パラメータの整合を重根条件で解かれているが、安定条件を満たす範囲で解いて制御パラメータを設定すれば良い。また、1つのパラメータで8つの制御パラメータを自動的に決定できることに加えて、負荷のイナーシャの大きさや、メカ特性である反共振周波数と共振周波数を用いて、制御パラメータの設定指針を自動的に変更し、最適な制御パラメータを得る事ができるというものである。このように、従来の技術では、評価関数を用いて応答を診断し、位置制御部、速度制御部およびトルクフィルタ部の制御ゲインを1つのパラメ-タで自動的に設定する。また、振動がある場合は、評価関数が最小となるようにノッチ周波数を探索することでノッチフィルタを設定する。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、手動調整を行わなくとも、機械振動を最小限に抑え、目標応答および外乱応答特性を最適に調整できるモータ制御装置と制御方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、入力される位置指令と位置検出器により検出したモータ位置との差である位置偏差に基づいて速度指令を演算して出力する位置制御部と、前記速度指令と前記モータ位置から算出したモータ速度との差である速度偏差に基づいてトルク指令を演算して出力する速度制御部と、特定の周波数成分を除去するノッチフィルタに前記トルク指令を通して新たなトルク指令を生成して出力するトルクフィルタ部と、前記位置指令に基づいて前記位置制御部に対する速度フィードフォワード信号と前記速度制御部に対するトルクフィードフォワード信号とを生成して出力するフィードフォワード部と、を備え、前記新たなトルク指令に応じてモータおよび機械を含む制御対象を位置決め制御するモータ制御装置において、前記制御対象を位置決め制御中に、前記モータ速度および前記トルク指令に基づいて機械振動信号を生成して出力する機械振動信号作成部と、前記機械振動信号と予め設定された基準機械振動レベルとを比較し、前記機械振動信号が前記基準機械振動レベルを超えた場合に機械振動発生ありと判断し、超えない場合に機械振動発生なしと判断する機械振動検出部と、前記機械振動検出部が前記機械振動発生ありと判断した場合、かつ前記トルクフィルタ部における前記ノッチフィルタが無効の場合、前記機械振動信号の振動周波数を検出して出力する振動周波数検出部と、前記振動周波数検出部が検出した前記機械振動信号の振動周波数に基づいて、該振動周波数を前記トルクフィルタ部における前記ノッチフィルタの中心周波数に設定すると共に、前記機械振動検出部が機械振動発生なしと判断した場合、目標とする応答周波数に相当するゲインパラメータ値を調整最大値まで所定量ずつ上げるように調整し、または、前記機械振動検出部が機械振動発生ありと判断した場合であって前記トルクフィルタ部における前記ノッチフィルタが有効の場合、前記ゲインパラメータ値を所定量ずつ下げるように調整する速度制御調整部と、前記速度制御調整部が前記ゲインパラメータ値を所定量ずつ下げるように調整した場合、前記制御対象の位置決め制御中における前記位置指令または前記位置偏差に基づいて、予め設定された位置決め完了幅、許容オーバーシュート量、整定時間の少なくとも1つを含む位置決め条件を満足するか否かを判断する位置決め判定部と、前記位置決め判定部が前記位置決め条件を満足しないと判断した場合、前記フィードフォワード部における目標応答特性調整ゲインを所定量ずつ下げるように調整し、前記位置決め判定部が前記位置決め条件を満足すると判断した場合、前記目標応答特性調整ゲインを調整最大値まで所定量ずつ上げるように調整するフィードフォワード調整部と、を備え、前記制御対象を位置決め制御中に、前記ゲインパラメータ値を調整することにより前記速度制御部における速度比例ゲインおよび速度積分ゲインを自動的に調整、または前記目標応答特性調整ゲインを調整することにより前記フィードフォワード部における速度フィードフォワードゲインおよびトルクフィードフォワードゲインを自動的に調整することを特徴とするものである。
Kv=Kg (1)
Ki=Kg/4 (2)
更に、検出された振動周波数を基にノッチフィルタ調整を行う速度制御調整部、13は目標位置およびモータ位置から予め設定された位置決め完了幅から逸脱しないか、あるいは許容オーバーシュート量以内であるか、また整定時間から位置決め条件を作成し、位置決め条件を満足しているかを判定する位置決め判定部、14は位置決め条件を満足する範囲で目標応答特性調整ゲインを調整するフィードフォワード調整部である。
図2において、まず、パラメータKgを初期値に設定する(ステップ1)。ここで初期値には、動作しても発振しない程度の小さいKgとする。次に、運転を開始した後、10の振動検出部にて振動検出を行い、振動したか否かを判定する(ステップ2)。次に振動を検出した場合は、ノッチフィルタが既に有効であるかを判別し、ノッチフィルタが無効である場合は、11の振動周波数検出部にて検出された振動周波数をノッチフィルタの中心周波数に設定する(ステップ3)。ノッチフィルタが既に有効の場合は、Kgを所定量小さくする(ステップ4)。またステップ2にて振動検出されなかった場合は、Kgを調整最大値まで所定量ずつ大きくする(ステップ5)。
なお、パラメータKgは,目標とする応答周波数ωfと同義であるから,パラメータKgを大きくすると、速度制御ゲインKv、速度制御積分ゲインKiともに上昇し、外乱特性が向上するような調整となる。
ステップ4にてKgを下げた後、目標応答特性の調整を行う。まず、目標応答特性調整ゲインを初期化する(ステップ6)。次に位置決め条件を満足するか否かを判定する(ステップ7)。ここで位置決め条件は、位置決め完了幅を逸脱し、振動していないか?オーバーシュート量が所定値以内か?または、整定時間が短縮されたか?の少なくとも1つ以上の条件とする。次に。位置決め条件が満足された場合、目標応答特性調整ゲインを調整最大値まで所定量ずつ大きくする(ステップ8)。また、ステップ7にて位置決め条件が不満足となった場合は、目標応答特性調整ゲインを所定量小さくし(ステップ9)、調整を終了する。
2 速度制御部
3 トルクフィルタ部
4 駆動部
5 モータ
6 機械系
7 位置検出器
8 フィードフォワード部
9 機械振動信号作成部
10 機械振動検出部
11 振動周波数検出部
12 速度制御調整部
13 位置決め判定部
14 フィードフォワード調整部
301 応答判断部
302 ワンパラメータチューニング部
Claims (1)
- 入力される位置指令と位置検出器により検出したモータ位置との差である位置偏差に基づいて速度指令を演算して出力する位置制御部と、前記速度指令と前記モータ位置から算出したモータ速度との差である速度偏差に基づいてトルク指令を演算して出力する速度制御部と、特定の周波数成分を除去するノッチフィルタに前記トルク指令を通して新たなトルク指令を生成して出力するトルクフィルタ部と、前記位置指令に基づいて前記位置制御部に対する速度フィードフォワード信号と前記速度制御部に対するトルクフィードフォワード信号とを生成して出力するフィードフォワード部と、を備え、前記新たなトルク指令に応じてモータおよび機械を含む制御対象を位置決め制御するモータ制御装置において、
前記制御対象を位置決め制御中に、前記モータ速度および前記トルク指令に基づいて機械振動信号を生成して出力する機械振動信号作成部と、
前記機械振動信号と予め設定された基準機械振動レベルとを比較し、前記機械振動信号が前記基準機械振動レベルを超えた場合に機械振動発生ありと判断し、超えない場合に機械振動発生なしと判断する機械振動検出部と、
前記機械振動検出部が前記機械振動発生ありと判断した場合、かつ前記トルクフィルタ部における前記ノッチフィルタが無効の場合、前記機械振動信号の振動周波数を検出して出力する振動周波数検出部と、
前記振動周波数検出部が検出した前記機械振動信号の振動周波数に基づいて、該振動周波数を前記トルクフィルタ部における前記ノッチフィルタの中心周波数に設定すると共に、前記機械振動検出部が機械振動発生なしと判断した場合、目標とする応答周波数に相当するゲインパラメータ値を調整最大値まで所定量ずつ上げるように調整し、または、前記機械振動検出部が機械振動発生ありと判断した場合であって前記トルクフィルタ部における前記ノッチフィルタが有効の場合、前記ゲインパラメータ値を所定量ずつ下げるように調整する速度制御調整部と、
前記速度制御調整部が前記ゲインパラメータ値を所定量ずつ下げるように調整した場合、前記制御対象の位置決め制御中における前記位置指令または前記位置偏差に基づいて、予め設定された位置決め完了幅、許容オーバーシュート量、整定時間の少なくとも1つを含む位置決め条件を満足するか否かを判断する位置決め判定部と、
前記位置決め判定部が前記位置決め条件を満足しないと判断した場合、前記フィードフォワード部における目標応答特性調整ゲインを所定量ずつ下げるように調整し、前記位置決め判定部が前記位置決め条件を満足すると判断した場合、前記目標応答特性調整ゲインを調整最大値まで所定量ずつ上げるように調整するフィードフォワード調整部と、を備え、
前記制御対象を位置決め制御中に、前記ゲインパラメータ値を調整することにより前記速度制御部における速度比例ゲインおよび速度積分ゲインを自動的に調整、または前記目標応答特性調整ゲインを調整することにより前記フィードフォワード部における速度フィードフォワードゲインおよびトルクフィードフォワードゲインを自動的に調整することを特徴とするモータ制御装置。
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