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JP4749030B2 - 受信装置及びタイヤ圧監視システム - Google Patents

受信装置及びタイヤ圧監視システム Download PDF

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JP4749030B2 JP2005141299A JP2005141299A JP4749030B2 JP 4749030 B2 JP4749030 B2 JP 4749030B2 JP 2005141299 A JP2005141299 A JP 2005141299A JP 2005141299 A JP2005141299 A JP 2005141299A JP 4749030 B2 JP4749030 B2 JP 4749030B2
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Description

本発明は受信装置に関し、特にマンチェスターコードで符号化されたデータを受信する受信装置及び当該受信装置を使用したタイヤ圧監視システムに関する。
近年、自動車においてタイヤ圧監視システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)を搭載することが検討されている。TPMSにおいては、タイヤ内部に電池を内蔵した送信機を組み込み、送信機からのタイヤ圧データを自動車本体の受信機で受信する。この無線通信においては、FM及びAMの2種類の変調方式が一般的である。FM方式の場合は、電波を連続して送信する方式であるため、送信機内部の電池の消耗が激しい。この問題を解決するために、通信速度を速くして送信時間を短縮したり、送信回数を減らして電池の消耗を少なくすると、通信の信頼性が低下してしまう。一方、AM方式の場合は、電波を送信するときのみ送信回路を動作させれば良いので、FM方式より長時間動作させることができ、データ転送速度や送信回数を増やすことが可能である。
タイヤ圧データの符号化方式としては、マンチェスターコード方式又はNRZ(Non Return to Zero)コード方式が通常使用される。マンチェスターコード方式は、ビット中央のパルスの立上り又は立下りでビットデータ(論理値)を表しており、同じビットデータ(論理値)が連続しても信号のレベルのH又はLが連続することがないため判断が容易であり、NRZコード方式よりも長時間動作させることができ、またノイズに強いので好ましい方式である。従来のマンチェスターコード方式においては、1ビットの間にパルスの立上りがあるか立下りがあるかを判定することにより復号化を行っていた。
特表平08−507735号公報
タイヤ圧監視システムにおいては、タイヤに送信装置を装着し、自動車本体に受信装置を装着して、送信装置からタイヤ圧データを受信装置に送信する構成を有している。このような構成においては、ブレーキやタイヤの発熱により送信装置周辺の温度が大きく変化して、送信電波の搬送波周波数の変動や、パルス幅、パルスの立上り・立下りのタイミングの変動などが起こる。このような変動が起こると、受信装置においてビットが誤判定されてしまい、信頼性高くデータの復号化を行うことができない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、搬送波周波数の変動や、パルス幅、パルスの立上り・立下りのタイミングの変動などが起こる環境下においても信頼性高くデータの復号化を行うことができる受信装置及びタイヤ圧監視システムを提供することを目的とする。
本発明の受信装置は、High及びLowのパルスの組み合わせでビットを表すマンチェスターコードで符号化された符号化データを受信する受信手段と、前記符号化データのパルス幅を計測する計測手段と、パルス端部の立上り又は立下りを判別する判別手段と、前記パルス幅が1ビット長パルスの変動範囲の最小値以上であり1/2ビット長パルスの変動範囲の最大値未満である場合、前記パルス端部の立上り又は立下りに基づいて1/2ビット長パルスであるか1ビット長パルスであるかを判定し、前記パルス幅が1/2ビット長パルスの変動範囲の最小値以上であり1ビット長パルスの変動範囲の最小値未満である場合、1/2ビット長パルスであると判定し、前記パルス幅が1/2ビット長パルスの変動範囲の最大値以上であり1ビット長パルスの変動範囲の最大値未満である場合、1ビット長パルスであると判定するパルス幅判定手段と、前記パルス幅判定手段の判定結果及び被判定ビットの前のビットの値に基づいて前記符号化データのビットの値を判定する論理値判定手段と、を具備することを特徴とする。また、本発明の受信装置において、記判別手段は、前記パルス端部の立上り又は立下りが、ビット中央のパルス端部の立上り又は立下りであるか、ビットの境界のパルス端の立上り又は立下りであるかを判別し、前記論理値判定手段は、前記パルス端部の立上り又は立下りが、ビット中央のパルス端部の立上り又は立下りである場合に、前記符号化データのビットの値を判定しても良い。
この構成によれば、パルス幅、前記パルス端部の立上り又は立下りの別、及び被判定ビットの前のビットの値に基づいて符号化データのビットの値を判定する。マンチェスターコードで符号化されたデータは、ビットを表すパルスに特徴がある。すなわち、被判定ビットとその前のビットとの関係に規則性がある。このため、この関係とパルス幅のデータとパルス端部の立上り又は立下りの別とに基づいてビットの値の判定を行うことにより、搬送波周波数の変動や、パルス幅、パルスの立上り・立下りのタイミングの変動などが起こっても誤判定なくビットの値を判定することができる。
この構成によれば、マンチェスターコードにおける1/2ビット長のパルス幅のパルスエッジがビットデータの判定に使用するビット中央のパルスエッジであるか、ビットデータの判定に使用しないビット間の境界のパルスエッジであるかを判別することができ、正確にビットデータの判定を行うことができる。
本発明のタイヤ圧監視システムは、High及びLowのパルスの組み合わせでビットを表すマンチェスターコードでタイヤ圧データを符号化して符号化データを得る符号化手段及び前記符号化データを送信する送信手段を有する送信装置と、上記受信装置と、を具備することを特徴とする。
この構成によれば、パルス幅、前記パルス端部の立上り又は立下りの別、及び被判定ビットの前のビットの値に基づいて符号化データのビットの値を判定する。マンチェスターコードで符号化されたデータは、ビットを表すパルスに特徴がある。すなわち、被判定ビットとその前のビットとの関係に規則性がある。このため、この関係とパルス幅のデータとに基づいてビットの値の判定を行うことにより、搬送波周波数の変動や、パルス幅、パルスの立上り・立下りのタイミングの変動などが起こっても誤判定なくビットの値を判定することができる。その結果、検知されたタイヤ圧を正確なタイヤ圧データとしてディスプレイに表示させることが可能となり、正確なタイヤ圧データをドライバーに認識させることができる。
本発明の受信装置及びタイヤ圧監視システムによれば、パルス幅と、前記パルス端部の立上り又は立下りの別と、被判定ビットの前のビットの値とに基づいて符号化データのビットの値を判定するので、搬送波周波数の変動や、パルス幅、パルスの立上り・立下りのタイミングの変動などが起こってもマンチェスターコードで符号化されたデータを誤判定なく判定することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るタイヤ圧監視システムを示す概略ブロック図である。図1に示すタイヤ圧監視システムは、マンチェスターコードで符号化されたデータを送信する送信装置1と、送信装置1から送信された符号化データを受信して復号化する受信装置2とから主に構成されている。送信装置1はタイヤに装着され、受信装置2は自動車本体に装着される。また、受信装置2で復号化されたデータは、必要に応じて自動車本体に設置されたディスプレイ3に送信される。
送信装置1は、タイヤ圧を検知するセンサ14と、センサ14で検知されたタイヤ圧データをマンチャスターコードで符号化する制御部13と、符号化されたタイヤ圧データ(符号化データ)で搬送波を変調し、アンテナ11を介して受信装置2に送信するRF回路12とから主に構成されている。
受信装置2は、送信装置1から送信された電波をアンテナ21を介して受信するチューナ回路22と、チューナ回路22で受信された符号化データを復号化すると共に、復号化されたタイヤ圧データをディスプレイ3に送信するコントロールユニット23とから主に構成されている。また、コントロールユニット23は、マンチェスターコードで符号化された符号化データのパルス幅の計測を割り込ませる制御を行う割り込み制御部231と、符号化データのパルス幅を計測するタイマやカウンタなどの計測部233と、符号化データのビットの値を判定する演算を行う演算部232と、制御プログラムなどを格納するROM234と、種々のデータを書き換え可能に格納するRAM235と、復号化されたタイヤ圧データをディスプレイ3に送信する制御を行う通信制御部236とを有する。さらに、コントロールユニット23の演算部232は、図2に示すように、パルス幅データやパルスエッジデータを格納する格納部2321と、パルス幅の判定を行うパルス幅判定部2322と、パルスエッジの立上り又は立下りを判別するエッジ判別部2323と、パルス幅、前記パルス端部の立上り又は立下りの別、及び被判定ビットの前のビットの値に基づいて符号化データのビットの値を判断する論理値判断部(判定部)2324と、格納部2321に格納されたビット値を、論理値判断部2324で判断された符号化データのビット値に更新する論理値更新部2325とを有する。
上記構成を有するタイヤ圧監視システムにおいては、自動車のタイヤに装着された送信装置1のセンサ14によりタイヤ圧が検知される。ここで、タイヤ圧の検知方法について制限はない。センサ14で検知されたタイヤ圧データは、制御部13でマンチェスターコードを用いて符号化されて符号化データがRF回路12に出力される。RF回路12では、搬送波を符号化データで変調し、その電波をアンテナ11を介して受信装置2に送信する。受信装置2では、送信装置1から送信された電波をアンテナ21を介してチューナ回路22で受信する。チューナ回路22では、符号化データで変調された搬送波から符号化データを抽出してコントローラユニット23の計測部233に出力する。計測部233では、符号化データのパルスのパルスエッジを検出すると共に、パルスエッジの立上り又は立下りのデータを検出し、その検出の度に割り込み制御部231の制御によりパルス幅の計測を行う。このパルス幅のデータやパルスエッジのデータは演算部232に出力される。演算部232では、パルス幅データ、パルスエッジデータ及び判定されるビット(被判定ビット)の前のビットの論理値(ビットデータ)に基づいて符号化データを復号化して、タイヤ圧データを得る。このタイヤ圧データは、通信制御部236によりディスプレイ3に送られて、ディスプレイ3上で必要に応じて表示される。なお、符号化データの復号化の詳細については後述する。
次に、符号化データの復号化の詳細について説明する。
本発明に係るタイヤ圧監視システムにおける通信で使用する符号化方式はマンチェスターコード方式である。送信されるタイヤ圧データは、1フレームが50から100ビットの範囲の任意のビット数の信号であり、IDコード、圧力データ、温度データなどを含む。なお、1ビットの幅は244.14μs(マイクロ秒)である。
マンチェスターコードは、図3(a)〜(c)に示すHigh(H)及びLow(L)のパルスの組み合わせで示されている。すなわち、図3(a)はビットデータ(論理値)1を示し、図3(b)はビットデータ(論理値)0を示す。したがって、ビットデータが0,0又は1,1と続く場合には、1/2ビット長(122.07μs)のHパルス51又はLパルス52が交互に現れる。一方、図3(c)は異なるビットデータ(論理値)が続く、すなわち1,0又は0,1と続く場合のビットの境界部分を示す。この場合においては、1ビット長にわたってH又はLのパルス53(M)になる。なお、図3(c)においては、0,1と続く場合を示している。また、図3(a)〜(c)に示すパルスは送信装置におけるパルスであり、受信装置におけるパルスはHとLが反転する。したがって、ビットデータの判定は受信装置におけるパルス波形(図3(a)〜(c)の反転形状)で行う。
マンチェスターコードで符号化されたデータは、上述したようにブレーキやタイヤの発熱により送信装置周辺の温度が大きく変化して、搬送波周波数の変動や、パルス幅、パルスの立上り・立下りのタイミングの変動などにより、そのパルス形状が崩れる。具体的に、マンチェスターコードで符号化されたデータの形状が崩れる理由は次のとおりである。すなわち、送信装置1内部のマイコン用クロックの公差が±1%程度あるために、データ転送速度は4096bps±1%の公差となる。また、送信装置1のRF回路12の立上り時間が温度により変動するために、送信装置1側では、例えば、1/2ビット長パルスの122.07μs(1/4096*1/2)のパルス幅が122.07+0/−52μsの変動を有する。受信装置2側では、受信信号を検波して得られた電圧を積分した信号と、基準値として検波して得られた電圧を積分した信号とを二値化回路に入力する。このため、基準値に時間遅れが発生して±15%のパルス幅の変動が生じる。以上により、パルス幅の変動の最小値と最大値は以下のように求められる。
(1/2ビット長パルス)
・122.07μsの最小値=送信装置1の最大通信速度(4096bps+1%)−送信装置1におけるパルスの立上り変動分(52μs)−受信装置2のデータ遅延分(122.07μs×15%)×2(両パルスエッジ分)=50.33μs
・122.07μsの最大値=送信装置1の最大通信速度(4096bps+1%)+送信装置1におけるパルスの立上り変動分(52μs)+受信装置2のデータ遅延分(122.07μs×15%)×2(両パルスエッジ分)=209.86μs
(1ビット長パルス)
・244.14μsの最小値=送信装置1の最大通信速度(4096bps−1%)−受信装置2のデータ遅延分(122.07μs×15%)×2(両パルスエッジ分)=152.72μs
・244.14μsの最大値=送信装置1の最大通信速度(4096bps−1%)+受信装置2のデータ遅延分(122.07μs×15%)×2(両パルスエッジ分)=330.72μs
図4は、以上の計算から求められた結果からパルス幅の変動範囲つまり公差を図示したものであるが、図4から分かるように、1/2ビット長パルスのパルス幅の範囲(122μsの範囲)と1ビット長パルスのパルス幅の範囲(244μsの範囲)との間で公差が重複する範囲が生じることになる。このような温度変化などに起因する公差の重複範囲が存在することにより、従来の方法では受信装置2でのビット誤判定が発生することになる。したがって、本発明においては、このような公差が重複する範囲があっても正確にビット判定を行うことができる方法を提供する。
図5(a)〜(d)は、マンチェスターコードで符号化されたデータの形状の崩れ及びビットデータの判定を説明するための模式図である。図5(a)〜(d)において、それぞれ上段は送信装置1側の送信波形(Tx)を示し、下段は受信装置2側の出力波形(TU)を示す。また、それぞれの図5(a)〜(d)において左側の表記は2つのビットデータが連続する状態を模式的に表しており、すなわち、図5(a)は0,0のビットデータを示し、図5(b)は1,1のビットデータを示し、図5(c)は0,1のビットデータを示し、図5(d)は1,0のビットデータを示す。この表記から分かるように、ビットデータ0,1については、ビットの中間位置に立上り又は立下りがあるかで識別することが可能であり、受信装置2側においてビットの中間位置に立上りがあるビットデータが1であり、ビットの中間位置に立下りがあるビットデータが0である。0,0と続く場合や1,1と続く場合には、1/2ビット長のH,Lが連続し、0,1と続く場合や1,0と続く場合には、両ビットの中間位置の間で1ビット長のH又はLが現れる。さらに、それぞれの図5(a)〜(d)において中央の表記はデータ転送速度が4096bps−1%の場合の波形の崩れを示し、それぞれの図5(a)〜(d)において右側の表記はデータ転送速度が4096bps+1%の場合の波形の崩れを示す。
図5(a)〜(d)において、パルスエッジ61,64は、被判定ビットとその前のビットとの間の境界のパルスエッジ又は被判定ビットの前のビットの中央位置のパルスエッジであり、受信装置2側における立上りエッジ61と、受信装置2側における立下りエッジ64とがある。図5(a)〜(d)において、パルスエッジ62,65は、被判定ビットの中央位置のパルスエッジであり、受信装置2側における立上りエッジ65と、受信装置2側における立下りエッジ62とがある。これらの立上りエッジ65及び立下りエッジ62によりビットデータを区別することができる。図5(a)〜(d)において、パルスエッジ63,66は、被判定ビットとその後のビットとの間の境界のパルスエッジであり、受信装置2側における立上りエッジ63と、受信装置2側における立下りエッジ66とがある。なお、このパルスエッジ63,66は、ビットデータ0又は1が連続する境界には現れ、連続しない境界には現れない。
符号化されたデータの形状の崩れについて、図5(a)に示すビットデータが0,0と連続する場合を例に説明する。最初にデータ転送速度が4096bps−1%の場合(図5(a)中央)を説明する。この表記において、理想的なパルス幅は120.86μsである(送信装置1側の1/2ビット長時間)。送信装置1からデータが送信される際に、パルスエッジの立上りの部分に送信遅れが発生する。この送信遅れは、図5(a)中の薄く網掛けされた領域、すなわち前述した最大52μsである。したがって、受信装置2側においては、ビット中央の立下りエッジ62は、立下りエッジ62とその右隣りの矢印の範囲内で送信遅れが発生することになる。なお、送信装置1側におけるパルスエッジの立下りエッジでは送信遅れは発生しない。
次に、受信装置2側において符号化データが復号化されて出力される際に上述した処理遅延が生じる。この処理遅延は、図5(a)中の濃く網掛けされた領域、すなわち15%分、最大18.5μsである。この処理遅延は、パルスエッジの立上りエッジ及び立下りエッジのいずれにも発生する。この結果、受信装置2側における出力波形では、パルスエッジの立上りエッジ61から立下りエッジ62までの時間は102.4μsから209.86μsまで変動することになり、立下りエッジ62から立上りエッジ63までの時間は50.3μsから138.4μsまで変動することになる。すなわち、本来120.86μsであるべき1/2ビット長パルスのパルスエッジ間時間つまりパルス幅が、50.3μsから209.86μsまで変動する。一方、データ転送速度が4096bps+1%の場合(図5(a)右側)については、上記処理遅延のみであるので、本来123.3μsであるべき1/2ビット長パルスのパルスエッジ間時間つまりパルス幅が、104.8μsから141.8μsまで変動する。
図5(b)に示すビットデータが1,1と連続する場合についても、データ転送速度が4096bps−1%の場合(図5(b)中央)には、本来120.86μsであるべき1/2ビット長パルスのパルス幅が、50.3μsから209.86μsまで変動し、データ転送速度が4096bps+1%の場合(図5(b)右側)については、本来123.3μsであるべき1/2ビット長パルスのパルス幅が、104.8μsから141.8μsまで変動する。
次に、図5(c)に示すビットデータが0,1と連続する場合を例に説明する。データ転送速度が4096bps−1%の場合(図5(c)中央)において、理想的なパルス幅は241.72μsである(送信装置1側の1ビット長時間)。送信装置1からデータが送信される際に、パルスエッジの立上りの部分に送信遅れが発生する。この送信遅れは、図5(c)中の薄く網掛けされた領域、すなわち前述した最大52μsである。したがって、受信装置2側においては、ビット前端の立下りエッジ64は、立下りエッジ62とその右隣りの矢印の範囲内で送信遅れが発生することになる。なお、送信装置1側におけるパルスエッジの立上りエッジでは送信遅れは発生しない。
次に、受信装置2側において符号化データが復号化されて出力される際に上述した処理遅延が生じる。この処理遅延は、図5(c)中の濃く網掛けされた領域、すなわち15%分、最大18.5μsである。この処理遅延は、パルスエッジの立上りエッジ及び立下りエッジのいずれにも発生する。この結果、受信装置2側における出力波形では、パルスエッジの立下りエッジ64から立上りエッジ65までの時間は152.72μsから260.22μsまで変動することになる。一方、データ転送速度が4096bps+1%の場合(図5(c)右側)については、上記処理遅延のみであるので、本来246.6μsであるべき1ビット長パルスのパルス幅が、227.1μsから265.1μsまで変動する。
図5(d)に示すビットデータが1,0と連続する場合についても、データ転送速度が4096bps−1%の場合(図5(d)中央)には、本来241.72μsであるべき1ビット長パルスのパルス幅が、223.22μsから330.72μsまで変動し、データ転送速度が4096bps+1%の場合(図5(d)右側)については、本来246.6μsであるべき1ビット長パルスのパルス幅が、227.1μsから265.1μsまで変動する。
1ビット長のパルスでは、その終端のパルスエッジ62,65は必ずビット中央のパルスエッジである。したがって、パルスエッジが立上りエッジ65であればビットデータは1であり、パルスエッジが立下りエッジ62であればビットデータは0である。このように判定されたビットデータは、コントローラユニット23の演算部232の格納部2321に格納される。
一方、1/2ビット長のパルスでは、その終端のパルスエッジは、ビット中央のパルスエッジ62,65である場合と、被判定ビットと前後のビットとの境界のパルスエッジ61,63,64,66である場合とがあり、1ビット長のパルス幅の場合と異なって、パルスエッジの立上り又は立下りのみの情報ではビットデータを判定することができない。そこで、本発明においては、被判定ビットの前のビットデータ、つまり前のビットの中央のパルスエッジの立上り又は立下りと判別すべきパルスエッジの立上り又は立下りとの関係に着目して、その規則性に基づいて1/2ビット長のパルスの終端のパルスエッジがビット中央のパルスエッジであるかビットの境界のパルスエッジかを判別する。そして、パルスエッジがビット中央に位置する場合には、そのパルスエッジの立上り又は立下りでビットデータを判定する。このように判定されたビットデータは、コントローラユニット23の演算部232の格納部2321に格納される。
新たに検出されたパルスエッジ(パルス幅が計測されたパルスの終端のパルスエッジ)がビット中央に位置するのであれば、新たに検出されたパルスエッジの方向は格納部2321に格納されているビットデータを示すパルスエッジの方向と同じでなければならない。例えば、前のビットデータが0の場合は新たに検出されたパルスエッジは0を示す立下りでなければならない。そして、新たに検出されたパルスエッジがビット中央に位置するパルスエッジであると判定された場合、そのパルスエッジの方向からビットデータが判定される。一方、新たに検出されたパルスエッジがビットの境界(次のビットの前端)にあるのであれば、新たに検出されたパルスエッジの方向は格納部2321に格納されているビットデータを示すパルスエッジの方向と逆である。このような理論により、1/2ビット長のパルスが検出されたときに、パルスエッジがビット中央のパルスエッジであるかビットの境界のパルスエッジかを判別し、さらにそのビットデータを判定することができる。
具体的には、1/2ビット長のパルスが検出されたとき(被判定ビットの値及びその前のビットの値が同じとき)には、すなわち図2においてパルス幅判定部2322で1/2ビット長のパルスと判定されると、その情報はエッジ判別部2323に出力される。エッジ判別部2323では、格納部2321に格納されているビットデータを用いてパルスエッジがビット中央のパルスエッジであるかビットの境界のパルスエッジかを判別する。すなわち、格納されているビットデータが0である場合において、パルスエッジが立上りエッジであればビットデータ0の中央のパルスエッジであることを判別し、パルスエッジが立下りエッジであればビットデータ0のエッジの境界(次のビットの始端)のパルスエッジであることを判別し、格納されているビットデータが1である場合において、パルスエッジが立上りエッジであればビットデータ1のエッジの境界(次のビットの始端)のパルスエッジであることを判別し、パルスエッジが立下りエッジであればビットデータ1の中央のパルスエッジであることを判別する。このようにして判別された情報は、論理値判断部2324に出力される。論理値判断部2324においては、ビットデータの中央のパルスエッジの立上り又は立下りによりビットデータを判断する。このビットデータは論理値更新部2325により更新されて、格納部2321に格納される。
なお、パルス幅の計測において、図4のA領域及びE領域はノイズであり、ビット値判定を行わず、図4のB領域からD領域においてビット値判定を行う。ビット値判定を行う際のパルス幅は、図5に示す1/2ビット長時間54〜57と、1ビット長時間58,59である。1/2ビット長時間54は、受信装置2側におけるビットデータ0のH時間であり、1/2ビット長時間55は、受信装置2側におけるビットデータ0のL時間であり、1/2ビット長時間56は、受信装置2側におけるビットデータ1のL時間であり、1/2ビット長時間57は、受信装置2側におけるビットデータ1のH時間である。1ビット長時間58は、受信装置2側におけるビットデータ1,0と続く場合のL時間であり、1ビット長時間59は、受信装置2側におけるビットデータ0,1と続く場合のH時間である。パルス幅が図4のB領域のときには、1/2ビット長時間55,56と、1/2ビット長時間54,57の一部との検出が行われ、パルス幅が図4のC領域のときには、1/2ビット長時間54,57の残りと、1ビット長時間58の一部との検出が行われ、パルス幅が図4のD領域のときには、1ビット長時間58の残りと、1ビット長時間59との検出が行われる。
本発明においては、ビットデータの判定において、パルスエッジの方向、パルス幅及び被判定ビットの前のビットデータに基づいて判定する。すなわち、パルスエッジの方向、パルス幅を計測し、パルス幅の計測値に応じて、及び必要に応じてパルスエッジの方向の判別結果を組み合わせて、1ビット長のパルスに対する判定処理をすべきか、1/2ビット長のパルスに対する判定処理をすべきかを選択し、さらにパルスエッジの方向の判断結果と被判定ビットの直前のビットデータを考慮して、最新のパルスエッジがビット中央のパルスエッジであるかビットの境界のパルスエッジかを判別すると共に、ビット中央のパルスエッジである場合にそのパルスエッジの立上り又は立下りによりビットデータを判定する。
次に、ビットデータの判定処理(復号化処理)について図6〜図8を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態に係る受信装置のビットデータの判定処理を説明するためのフローチャートである。図7は、図6に示すフローチャートにおける1/2ビット長パルスのビットデータ判定を説明するためのフローチャートである。図8は、図6に示すフローチャートにおける1ビット長パルスのビットデータ判定を説明するためのフローチャートである。
パルス幅の読み取りは、割り込み制御部231の制御により、立上り、立下りの両パルスエッジを検出し、計測部233により計測することにより行う。ここでは、ビットデータの開始は、スタートビット中の最後のビットデータ1から開始するものとする。したがって、ビットデータの開始は立上りエッジからとなる。前回判断したパルスエッジ(スタート時は立上りエッジ)からパルス幅の計測を開始し、次のパルスエッジ変更点(ビットデータを判断する対象のパルスエッジ、スタート直後は立下り)を検出し、前回のパルスエッジと判断対象のパルスエッジ間のパルス幅(以降、単にパルス幅と称する)を確定し、確定したパルス幅データを格納部2321に格納し(ST11)、さらに判断対象のパルスエッジデータも格納部2321に格納する(ST12)。
次いで、パルス幅判定部2322において、パルス幅の判定を行う。すなわち、パルス幅が1/2ビット長パルスの基本パルス幅122μsの変動範囲の最小値以上であるかどうかを判断する(ST13)。パルス幅が1/2ビット長パルスの変動範囲の最小値未満であれば、図4におけるA領域であり、ノイズであるとしてビットデータの判定は行わない。パルス幅が1/2ビット長パルスの変動範囲の最小値以上であれば、パルス幅が1ビット長パルスの基本パルス幅244μsの変動範囲の最小値以上であるかどうかを判断する(ST14)。パルス幅が1ビット長パルスの変動範囲の最小値未満であれば、図4におけるB領域であり、1/2ビット長パルスのビットデータの判定処理を行う(ST16)。パルス幅が1ビット長パルスの変動範囲の最小値以上であれば、パルス幅が1/2ビット長パルスの変動範囲の最大値以上であるかどうかを判断する(ST15)。
パルス幅が1/2ビット長パルスの変動範囲の最大値未満であれば、図4におけるC領域であり、公差重複領域であるので、パルスエッジの判別を行う。すなわち、このC領域においては、ビットデータ1→1の立下りエッジと、ビットデータ0→1の立上りエッジとが重複するので、パルスエッジを判別して判定処理を切り替える。したがって、パルスエッジが立上りであるかどうかを判断し(ST17)、パルスエッジが立上りであれば、図5(c)のビットデータのシーケンスであるので、1ビット長パルスのビットデータの判定処理を行い(ST19)、パルスエッジが立上りでなければ(立下りであれば)、図5(b)のビットデータのシーケンスであるので、1/2ビット長パルスのビットデータの判定処理を行う(ST16)。
そして、パルス幅が1/2ビット長パルスの変動範囲の最大値以上であれば、パルス幅が1ビット長パルスの変動範囲の最大値以上であるかどうかを判断する(ST18)。パルス幅が1ビット長パルスの変動範囲の最大値未満であれば、図4におけるD領域であり、1ビット長パルスのビットデータの判定処理を行う(ST19)。パルス幅が1ビット長パルスの変動範囲の最大値以上であれば、図4におけるE領域であり、ノイズであるとしてビットデータの判定は行わない。
1/2ビット長パルスのビットデータの判定処理は、図7に示すような手順で行われる。すなわち、1/2ビット長パルスの終端のパルスエッジが立下りであるかどうかを判断する(ST21)。このとき、被判定ビットの前のビットのビットデータを用いてデータビットの判定を行う。パルスエッジが立下りであれば、ビットデータ(論理値)が0であるかどうかを判断する(ST22)。そして、ビットデータが0であれば、ビットデータ0を確定し、論理値更新部2325によりビットデータを更新して格納部2321に格納する(ST23)。ビットデータが0でなければ、ビットの境界を示すパルスエッジであるので何も処理をしない。一方、パルスエッジが立下りでなければ(立上りであれば)、ビットデータ(論理値)が1であるかどうかを判断する(ST24)。そして、ビットデータが1であれば、ビットデータ1を確定し、論理値更新部2325によりビットデータを更新して格納部2321に格納する(ST25)。ビットデータが1でなければ、ビットの境界を示すパルスエッジであるので何も処理をしない。
1ビット長パルスのビットデータの判定処理は、図8に示すような手順で行われる。1ビット長パルスの終端のパルスエッジはビット中央に位置するので、パルスエッジの立上り又は立下りに基づいてビットデータを判定する。すなわち、パルスエッジが立下りであるかどうかを判断する(ST31)。パルスエッジが立下りであれば、ビットデータ1を確定し、論理値更新部2325によりビットデータを更新して格納部2321に格納する(ST32)。一方、パルスエッジが立下りでなければ(立上りであれば)、ビットデータ0を確定し、論理値更新部2325によりビットデータを更新して格納部2321に格納する(ST33)。
上述したように、本実施の形態に係る受信装置は、パルス幅、パルス端部の立上り又は立下り、及び被判定ビットの前のビットの値に基づいて符号化データのビットの値を判定する。マンチェスターコードで符号化されたデータは、ビットを表すパルスに特徴がある。すなわち、被判定ビットとその前のビットとの関係に規則性がある。このため、この関係と、パルス幅のデータと、パルス端部の立上り又は立下りの別とに基づいてビットの値の判定を行うことにより、搬送波周波数の変動や、パルス幅、パルスの立上り・立下りのタイミングの変動などが起こっても誤判定なくビットの値を判定することができる。この場合において、被判定ビットの値及びその前のビットの値が同じ場合において、パルスエッジの判別結果を含めてビットデータを判定することにより、マンチェスターコードにおける1/2ビット長のパルス幅のパルスエッジがビットデータの判定に使用するビット中央のパルスエッジであるか、ビットデータの判定に使用しないビット間の境界のパルスエッジであるかを判別することができ、正確にビットデータの判定を行うことができる。さらに、このような受信装置を有するタイヤ圧監視システムにおいては、検知されたタイヤ圧を正確なタイヤ圧データとしてディスプレイに表示させることが可能となり、正確なタイヤ圧データをドライバーに認識させることができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態における数値などについては一例でありこれに限定されるものではない。また、上記実施の形態においては、受信装置がタイヤ圧監視システムに適用された場合について説明しているが、本発明はこれに限定されず、マンチェスターコードを用いる通信システムにおける受信装置に適用することができる。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
本発明の実施の形態に係るタイヤ圧監視システムを示す概略ブロック図である。 図1に示す受信装置のコントロールユニットにおける演算部の構成を示す概略ブロック図である。 (a)〜(c)は、マンチェスターコードを説明するための図である。 受信装置における符号化データのパルス幅の公差を説明するための図である。 (a)〜(d)マンチェスターコードで符号化されたデータの波形の崩れを説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る受信装置のビットデータの判定処理を説明するためのフローチャートである。 図6に示すフローチャートにおける1/2ビット長パルスのビットデータ判定を説明するためのフローチャートである。 図6に示すフローチャートにおける1ビット長パルスのビットデータ判定を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 送信装置
2 受信装置
3 ディスプレイ
11,21 アンテナ
12 RF回路(受信手段)
13 制御部
14 センサ
22 チューナ回路
23 コントロールユニット
231 割り込み制御部
232 演算部
233 計測部(計測手段)
234 ROM
235 RAM
236 通信制御部
2321 格納部
2322 パルス幅判定部
2323 エッジ判別部(判別手段)
2324 論理値判断部
2325 論理値更新部

Claims (3)

  1. High及びLowのパルスの組み合わせでビットを表すマンチェスターコードで符号化された符号化データを受信する受信手段と、前記符号化データのパルス幅を計測する計測手段と、パルス端部の立上り又は立下りを判別する判別手段と、前記パルス幅が1ビット長パルスの変動範囲の最小値以上であり1/2ビット長パルスの変動範囲の最大値未満である場合、前記パルス端部の立上り又は立下りに基づいて1/2ビット長パルスであるか1ビット長パルスであるかを判定し、前記パルス幅が1/2ビット長パルスの変動範囲の最小値以上であり1ビット長パルスの変動範囲の最小値未満である場合、1/2ビット長パルスであると判定し、前記パルス幅が1/2ビット長パルスの変動範囲の最大値以上であり1ビット長パルスの変動範囲の最大値未満である場合、1ビット長パルスであると判定するパルス幅判定手段と、前記パルス幅判定手段の判定結果及び被判定ビットの前のビットの値に基づいて前記符号化データのビットの値を判定する論理値判定手段と、を具備することを特徴とする受信装置。
  2. 前記判別手段は、前記パルス端部の立上り又は立下りが、ビット中央のパルス端部の立上り又は立下りであるか、ビットの境界のパルス端の立上り又は立下りであるかを判別し、前記論理値判定手段は、前記パルス端部の立上り又は立下りが、ビット中央のパルス端部の立上り又は立下りである場合に、前記符号化データのビットの値を判定することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. High及びLowのパルスの組み合わせでビットを表すマンチェスターコードでタイヤ圧データを符号化して符号化データを得る符号化手段及び前記符号化データを送信する送信手段を有する送信装置と、請求項1又は請求項2に記載の受信装置と、を具備することを特徴とするタイヤ圧監視システム。
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