[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP4742918B2 - 冷媒圧縮機 - Google Patents

冷媒圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP4742918B2
JP4742918B2 JP2006063892A JP2006063892A JP4742918B2 JP 4742918 B2 JP4742918 B2 JP 4742918B2 JP 2006063892 A JP2006063892 A JP 2006063892A JP 2006063892 A JP2006063892 A JP 2006063892A JP 4742918 B2 JP4742918 B2 JP 4742918B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
refrigerant
low molecular
refrigerant compressor
resin member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006063892A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007239632A (ja
Inventor
洋一郎 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2006063892A priority Critical patent/JP4742918B2/ja
Publication of JP2007239632A publication Critical patent/JP2007239632A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4742918B2 publication Critical patent/JP4742918B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compressor (AREA)

Description

本発明は冷蔵庫、エアコンディショナー等に使用される冷媒圧縮機に関するものである。
従来の冷凍サイクルを構成する冷媒圧縮機の内部には、耐熱性、耐油性、耐冷媒性に優れたポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記述)、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと記述)、液晶ポリマー(以下、LCPと記述)、ポリアミド(以下、PAと記述)、ポリフェニレンサルファイド(以下、PPSと記述)及びこれらの材料を一部用いて複合体とした樹脂材料で形成された樹脂部材が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の冷媒圧縮機について説明する。
図4は、特許文献1に記載された従来の冷媒圧縮機の断面図、図5は従来の冷媒圧縮機の要部拡大図である。
図4、図5において、密閉容器1は底部にオイル2を貯留するとともに固定子3、および回転子4からなる電動要素5とこれによって駆動される往復式の圧縮機構6を収容している。オイル2は40℃のときの動粘度が10mm2/sである。
固定子3に装着されたクラスタ7はガラス繊維を混入させたPBTから形成されており、密閉容器1の側面に溶着されたターミナル8に装着されている。
次に、圧縮機構6の詳細を以下に説明する。
クランクシャフト9は回転子4を圧入固定した主軸部10および主軸部10に対し偏心して形成された偏心部11からなり、給油ポンプ12を設けている。シリンダブロック13は略円筒形のボアー14からなる圧縮室15を有すると共に主軸部10を軸支する軸受け16を有している。
ボアー14に遊嵌されたピストン17はピストンピン18を介して偏心部11との間を連結手段であるコンロッド19によって連結されている。
バルブプレート20はボアー14の端面を封止するように配接され、吸入孔21および吐出孔22が形成されている。吸入リード23はボアー14の端面とバルブプレート20との間に挟持され、吐出孔22を開閉するヘッド24はバルブプレート20の反ボアー14側に固定され、吐出リード25を収納する高圧室26を形成する。
サクションチューブ27は密閉容器1に固定されるとともに、冷凍サイクル(図示せず)に接続され、冷媒ガス(図示せず)並びに冷凍サイクル内に吐出したオイル2を密閉容器1内に導く。
消音空間28を形成する吸入消音器29はガラス繊維を混入させたPBTから形成されており、バルブプレート20とヘッド24に挟持される。
次に、以上のような構成における一連の動作について説明する。
商用電源(図示せず)から供給される電力は電動要素5に接続され、電動要素5の回転子4を回転させる。回転子4はクランクシャフト9を回転させ、偏心部11の偏心運動が連結手段のコンロッド19からピストンピン18を介してピストン17を駆動することでピストン17はボアー14内を往復運動する。
そして、サクションチューブ27を通して密閉容器1内に導かれた冷媒のガスは吸入消音器29に設けられた消音空間28に開放された後、吸入リード23を開け、吸入孔21から圧縮室15内に吸入される。圧縮室15内に吸入された冷媒のガスは連続して圧縮され、圧縮された冷媒ガスの圧力により吐出リード25を開け、吐出孔22から高圧室26へとピストン17とボアー14の間においてシールを司るオイル2とともに吐出され、冷凍サイクルの高圧側(図示せず)へと送り出される。
この際、クラスタ7や吸入消音器29中にオリゴマと呼ばれる低分子成分が多く含まれると、冷媒やオイル2に晒されることによりこれら低分子成分が抽出され、吸入リード23に付着し、これが高温で炭化することでオイルスラッジとなり堆積する。その結果吸入リード23のシール性が落ち、冷凍能力が低下してしまう。
また上記低分子成分が冷凍サイクルの高圧側(図示せず)へと送り出され、冷凍サイクルのキャピラリチューブ(図示せず)を閉塞することで冷媒の循環量が落ち、冷却不良が生ずる。
こういった問題を解決するために従来の冷媒圧縮機では、クラスタ7や吸入消音器29中の低分子成分を減らすため、低分子成分含有量が0.2重量部程度しか含有されない低オリゴマタイプのベースレジンを用いることで、冷凍サイクルや冷媒圧縮機の信頼性を維持させていた。
特許第2925536号公報
しかしながら、上記従来の構成では冷媒圧縮機の高効率化手段として冷媒圧縮機中のオイル粘度を更に低くした場合、上記したような、オイルスラッジの堆積による吸入リード23のシール性の悪化や冷凍サイクルのキャピラリチューブ(図示せず)の閉塞を防ぐことができなかった。
たとえば、40℃の時の動粘度が8mm2/s以下のオイルを使用した場合では、ベースレジン中の低分子成分含有量を0.2重量部である低オリゴマタイプのベースレジンを用いても低分子成分が多量に抽出されてしまうことが判った。
これはオイルの粘度が更に低くなることでオイルを構成する分子が低分子となり有機材料への透過性が上昇し、より抽出性が向上するために起こる現象であると考えられる。
さらに、クラスタ7や吸入消音器29の強度を確保するために無機フィラーとしてガラス繊維を混合することが多いが、この場合、最終成型品において更に低分子成分が増加してしまうことが判った。
これは成型時に樹脂材料の分子に物理的な力が加わるために、強度が樹脂の分子結合より圧倒的に強いガラス繊維によって樹脂の結合が切られ、低分子成分が生成されると推察される。また、ガラス繊維などの無機フィラーが混合されることでオイルや冷媒が浸透するための空間が形成され、低分子成分が抽出されやすくなっている可能性もある。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、低粘度オイルを用いても信頼性を損なうことなく、高い効率を備えた冷媒圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷媒圧縮機は樹脂部材中に含まれる流体で抽出可能な低分子成分を0.1重量部以下にしたもので、低粘度オイルを使用しても抽出される低分子成分の量を減らすことができ、オイルスラッジの堆積による吸入リードのシール性の悪化や冷凍サイクルのキャピラリチューブの閉塞を防ぐことができる。
本発明の冷媒圧縮機および除去方法は、オイルスラッジの堆積による吸入リードのシール性の悪化や冷凍サイクルのキャピラリチューブの閉塞を防ぐことができるので、低粘度オイルを用いても信頼性を損なうことなく、高い効率を備えた冷媒圧縮機を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に、冷媒を封入し、さらにオイルと樹脂部材及び圧縮要素を収容した冷媒圧縮機であって、前記オイルを、40℃の時の動粘度が8mm2/s以下のものとし、さらに前記樹脂部材を、PET、PBT、PPS、LCP、PAから選ばれる材料のうち少なくともひとつを含む樹脂とし、さらに、前記樹脂部材を、成型後において、前記オイル、もしくは前記オイルと同種のオイル、または前記冷媒、もしくは前記冷媒と同種の冷媒に暴露することにより、低分子成分が除去された樹脂部材とし、該樹脂部材における前記密閉容器内の前記オイルまたは前記冷媒によって抽出可能な低分子成分の含有量を0.1重量部以内としたもので、低粘度オイルを使用しても抽出される低分子成分の量を減らすことができ、オイルスラッジの堆積による吸入リードのシール性の悪化や冷凍サイクルのキャピラリチューブの閉塞を防ぐことができるので、信頼性を損なうことなく、高い効率を備えた冷媒圧縮機を提供することができる。
また、本発明は、前記オイルを40℃の時の動粘度が8mm2/s以下としたものであり、低粘度オイルを用いることにより摺動損失が低下し高い効率を備えた冷媒圧縮機を提供することができる。
さらに、本発明は、前記樹脂部材をPET、PBT、PPS、LCP、PAから選ばれる材料のうち少なくともひとつを含む樹脂材料としたものであり、材料自らの耐熱性、耐薬品性、耐冷媒性が向上することで、さらに冷凍サイクルや冷媒圧縮機の信頼性を向上させることができる。
また、本発明は、前記樹脂部材を、成型後に低分子成分を除去したものとするもので、成型後の樹脂部材をベースレジンの低分子成分の含有量以下とすることができ、また樹脂部材の成型時に発生する低分子成分も除去することができるので、冷媒圧縮機や冷凍サイクルの信頼性をさらに向上させることができる。
さらに、本発明は、前記樹脂部材を、前記密閉容器内に収容したオイルと同種のオイル、または前記密閉容器内に封入した冷媒と同種の冷媒に暴露することで樹脂部材から低分子成分を除去したものであり、樹脂部材の成型時に発生する低分子成分も除去することができるので、冷媒圧縮機や冷凍サイクルの信頼性が向上する。
しかも、前記樹脂部材の成型品の暴露に用いるオイルまたは冷媒を、前記樹脂部材の成型品が組み込まれる冷媒圧縮機に用いられるオイルまたは冷媒と同種のものとすることにより、冷媒圧縮機の組立て後における異種オイル、あるいは異種冷媒とすることに伴う樹脂部材の反応といったリスクを排除することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記樹脂部材に、無機フィラーを混合したものであり、無機フィラーの混合によりさらに樹脂部材の強度を強くすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。また、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における冷媒圧縮機の断面図、図2は同実施の形態における冷媒圧縮機の要部拡大図、図3は同実施の形態における冷凍サイクルの概略図である。
図1、図2、図3において、冷媒圧縮機101は密閉容器102内に、40℃の時の動粘度が8mm2/s以下である鉱油103を貯留するとともに、固定子104、および回転子105からなる電動要素106とこれによって駆動される往復式の圧縮機構107を収容している。また、冷媒圧縮機101中には冷媒としてR600aが封入されている(図示せず)。
固定子104に接続されたクラスタ108はガラス繊維を混入させた樹脂材料であるPBTから形成されており、密閉容器102の側面に溶着されたターミナル109に装着されている。また固定子104には樹脂材料であるPBTからなる絶縁部材が用いられている(図示せず)。
次に、圧縮機構107の詳細を以下に説明する。
クランクシャフト110は回転子105を圧入固定した主軸部111および主軸部111に対し偏心して形成された偏心部112からなり、下端には鉱油103に連通した給油ポンプ113を設けている。シリンダブロック114は略円筒形のボアー115からなる圧縮室116を有するとともに主軸部111を軸支する軸受け117を有している。
ボアー115に遊嵌されたピストン118は、ピストンピン119を介して偏心部112と連結手段であるコンロッド120によって連結されている。
バルブプレート121はボアー115の端面を封止するように配設され、吸入孔122および吐出孔123が形成されている。吸入リード124はボアー115の端面とバルブプレート121との間に挟持され、吸入孔122を開閉する。ヘッド125はバルブプレート121の反ボアー115側に固定され、吐出孔123を開閉する吐出リード126を収納する高圧室127を形成する。
吸入パイプ128および吐出パイプ129は密閉容器102に固定されるとともに、冷凍サイクルに接続され、吸入パイプ128はR600aならびに冷凍サイクル内に吐出した鉱油103を密閉容器102内に導き、吐出パイプ129はR600aならびに鉱油103を冷凍サイクル内へと送り出す。
吸入消音器130はバルブプレート121とヘッド125に挟持されており、密閉容器102側の側面131や反密閉容器102側の側面132等に囲まれた消音空間部133を形成する。また、吸入消音器130は消音空間部133から吸入孔122に連通する出口部134と、消音空間部133へ流体を吸入するための吸入口135とを有している。吸入口135は、図2に示すように吸入消音器130の密閉容器102側の側面131から離れて位置し、吸入パイプ128と近接して対向するように開口している。また、吸入消音器130は無機フィラーとしてガラス繊維を混合した樹脂材料であるPBTから形成されている。
なお、無機フィラーは、シリカ、ケイ酸塩、ベントナイト等の粘土、石膏、アルミナ、二酸化チタン、タルク、カーボンブラックやこれらの混合物などでも良い。
また、吸入消音器130、クラスタ108、電動要素106の絶縁材料は成型後に、40℃の時の動粘度が8mm2/s以下のオイルに暴露させることで、流体で抽出可能な低分子成分の含有量が0.1重量部以下になるよう低分子成分を抽出してある。具体的には絶縁材料を成型後に容器内に収容し、オイルを所定時間、循環させることで低分子成分を抽出し、この後、冷媒圧縮機に組み込んでいる。
冷媒圧縮機101には凝縮器136と、キャピラリチューブ137と、蒸発器138とが順次接続されて冷凍サイクルを形成している。
以上のように構成された圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
商用電源(図示せず)から供給される電力は電動要素106に供給され、電動要素106の回転子105を回転させる。回転子105はクランクシャフト110を回転させ、偏心部112の偏心運動が連結手段のコンロッド120からピストンピン119を介してピストン118を駆動することで、ピストン118はボアー115内を往復動する。
そして、冷凍サイクルから吸入パイプ128を通って密閉容器102内へと導かれたR600aと鉱油103からなる流体は、密閉容器102内へと開放されたあと、吸入パイプ128と近接して、近接する密閉容器102壁面の反対側の向きに開口している吸入口135より吸入消音器130の消音空間部133へと開放される。このとき、R600aと鉱油103からなる流体は吸入消音器130の内壁面に衝突することで一部が吸入消音器130の樹脂内部へと浸透する。次に、消音空間部133へ開放されたR600aと鉱油103からなる流体は、出口部134を通って、吸入孔122から圧縮室116内に吸入される。
圧縮室116内に吸入されたR600aは連続して圧縮され、圧縮されたR600aは吐出孔123から高圧室127へとピストン118とボアー115の間においてシールを司る鉱油103とともに吐出パイプ129より冷凍サイクル中に送り出され、凝縮器136、キャピラリチューブ137、蒸発器138を順次通って、再び吸入パイプ128より密閉容器102内へと送られる。
また、R600aと鉱油103からなる流体は密閉容器102内へと開放されたあと、一部が密閉容器102内の空間に放出されるので、クラスタ108や電動要素106の絶縁部材も鉱油103や、R600aに暴露される。
このとき、樹脂部材である吸入消音器130、クラスタ108、電動要素106に用いられている絶縁材料については、40℃の時の動粘度が8mm2/s以下という極めて低い粘度の鉱油103に暴露されるため、鉱油103はそれぞれの樹脂内部へ浸透する。その結果、それぞれの樹脂内部に低分子成分が残っているとその残留分の低分子成分がほとんど抽出されてしまう。
しかしながら本実施の形態においては予め吸入消音器130、クラスタ108、電動要素106の絶縁材料を成型後に、40℃の時の動粘度が8mm2/s以下のオイルに暴露させることで、流体で抽出可能な低分子成分の含有量が0.1重量部以下になるよう低分子成分を抽出してある。
その結果、これらの樹脂部材から冷媒圧縮機101内に抽出される低分子成分はごく僅かであり、吸入リード126に付着した低分子成分が炭化することで発生するオイルスラッジを防ぐことができ、吸入リード126のシール性を維持できる。また、上記低分子成分が冷凍サイクルのキャピラリチューブ137を閉塞することも防止できる。
従って高い信頼性を維持しながら、40℃の時の動粘度が8mm2/s以下という極めて低い粘度の鉱油103を用いることができ、その結果各摺動部の摺動抵抗を低く抑えることができ、高い効率を備えた冷媒圧縮機を提供することができる。
さらに吸入消音器130、クラスタ108、電動要素106の絶縁材料といった樹脂部材は成型後にオイルに暴露させることで低分子成分を除去しているので、樹脂材料に含まれる低分子成分に加え、成型時の熱により生じた低分子成分や、強度の強いガラス繊維が樹脂の分子結合を切断して生じた低分子成分も除去されているので、より確実に低分子成分を0.1重量部以下に減少させることができる。
ここで(表1)を用いて、成型後の樹脂材料をオイルに暴露させることでの低分子成分の除去の効果を説明する。
(表1)は成型後に40℃の時の動粘度が8mm2/sの鉱油並びにR600aを用いてPBTを樹脂材料とした吸入消音器130、クラスタ108、電動要素106に用いられている絶縁材料の低分子成分を除去した結果である。
Figure 0004742918
(表1)より、ガラス繊維を含まないPBTの樹脂部材においても成型後に低分子成分の量が増加し0.2重量部を越える値になっていることがわかる。これは、成型時に熱やマイクロ波等のエネルギが加わることにより樹脂の結合が切れて低分子成分が発生することによりベースレジンの段階よりも低分子成分が増加するものと推定される。
更に、ガラス繊維を含有するものはその含有量の増加に伴い、成型後の低分子成分の量が増加することがわかる。ガラス繊維を30重量部含有した場合においては、低分子成分の量が0.43重量部に達する。
これは成型時に樹脂材料の分子に物理的な力が加わるために、強度が樹脂の分子結合より圧倒的に強いガラス繊維によって樹脂の結合が切られ、低分子成分が生成されるためと推察される。また、ガラス繊維などの無機フィラーが混合されることでオイルや冷媒が浸透するための空間が形成され、低分子成分が抽出されやすくなっている可能性もある。
しかしながら、全ての供試品において、40℃の時の動粘度が8mm2/s以下の鉱油並びにR600aを用いて低分子成分を除去することにより、低分子成分の量が0.1重量部以下となっている。従って確実に低分子成分を0.1重量部以下に減少させることができていることが分かる。
なお、本実施の形態においては40℃の時の動粘度が8mm2/s以下である鉱油並びにR600aを用いて低分子成分を除去した結果を例示したが、冷媒R600aを用いて低分子成分を除去しても同様の効果が得られることを確認している。
更に用いるオイルを40℃の時の動粘度が8mm2/s以下のエステル油、アルキルベンゼン、ポリα−オレフィン、エーテル油、ポリアルキレングリコールとしても同様の効果が得られることが確認されており、使用冷媒を冷凍サイクルで用いるものと同様の、R134a及びR134aを含む混合冷媒、プロパン、R152a、アンモニア、炭酸ガス等の冷媒を用いても同様の効果が得られる。
次に、樹脂部材における低分子成分の量とキャピラリチューブでの流量に及ぼす影響について(表2)を用いて説明する。
(表2)は、PBTを樹脂材料とした吸入消音器130、クラスタ108、電動要素106に用いられている絶縁材料における低分子成分の量を0.1重量部から0.4重量部まで変化させたものを組み込んだ冷媒圧縮機を用意し、冷媒にR600aを使用して、鉱油の40℃のときの動粘度をパラメータに信頼性試験を行った結果である。
鉱油の40℃のときの動粘度のパラメータは10mm2/s、8mm2/s、5mm2/sとし、試験条件は凝縮温度/蒸発温度:51℃/−25℃で500時間運転を行い、キャピラリチューブの流体の流量減のレベルと閉塞の有無を調査したものである。キャピラリチューブは冷凍サイクルの循環経路の中では最も断面積が小さくなることから、不純物が最も堆積して閉塞し易い箇所であることからここを評価対象とした。
Figure 0004742918
(表2)よりPBT樹脂部材に含まれる低分子成分の含有量を0.1重量部以下に減少させることによって、40℃の時の動粘度が5mm2/sとなる極めて低い粘度の鉱油においてもキャピラリチューブにおける閉塞が認められないことが分かる。
通常、オイルは動粘度が低くなるほどオイルを構成する分子が低分子となるため有機材料への透過性が上昇するが、ここで供試したような動粘度が5mm2/sといった超低粘度のオイルを使用しても樹脂材料の低分子成分を0.1重量部以下にすることで低分子成分の抽出が抑えられることが、本実験の結果から確認できた。
従って、樹脂部材に含まれる低分子成分含有量を0.1重量部以下とすることにより冷媒圧縮機と冷凍サイクルの流体経路の閉塞等の問題を防止できることから40℃の時の動粘度が8mm2/s以下のオイル用いることで各部の摺動損失を低く抑えることができ、高い効率を備えた冷媒圧縮機を実現することができる。
ここで、樹脂部材の成型品の暴露に用いるオイルまたは冷媒は、これら樹脂部材の成型品が組み込まれる冷媒圧縮機に用いられるオイルまたは冷媒と同種のものを用いることが好ましい。これは、仮に樹脂部材に暴露に用いるオイルまたは冷媒が残留しても冷媒圧縮機や冷凍サイクル中に用いられる材料を攻撃したり、潤滑油や冷媒と反応を起こしたりしないからである。
なお、本実施の形態ではPBTを例示したが、耐熱性、耐冷媒、オイル性に優れ、冷媒圧縮機に用いられるPET、PPS、LCP、PAを用いても同様の効果が得られることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる冷凍サイクルの再生方法は、冷媒圧縮機中の樹脂部材中の低分子成分量を少なくすることができるので、自動販売機、冷凍冷蔵庫、空調機、ショーケース、給湯器、洗濯乾燥機の圧縮機を用いたサイクルに適用できる。
本発明の実施の形態1における冷媒圧縮機の断面図 同実施の形態における冷媒圧縮機の要部拡大図 同実施の形態における冷凍サイクルの概略図 従来の冷媒圧縮機の断面図 従来の冷媒圧縮機の要部拡大図
符号の説明
101 冷媒圧縮機
102 密閉容器
103 鉱油
108 クラスタ
130 吸入消音器

Claims (2)

  1. 密閉容器内に、冷媒を封入し、さらにオイルと樹脂部材及び圧縮要素を収容した冷媒圧縮機であって、前記オイルを、40℃の時の動粘度が8mm2/s以下のものとし、さらに前記樹脂部材を、PET、PBT、PPS、LCP、PAから選ばれる材料のうち少なくともひとつを含む樹脂とし、さらに、前記樹脂部材を、成型後において、前記オイル、もしくは前記オイルと同種のオイル、または前記冷媒、もしくは前記冷媒と同種の冷媒に暴露することにより、低分子成分が除去された樹脂部材とし、該樹脂部材における前記密閉容器内の前記オイルまたは前記冷媒によって抽出可能な低分子成分の含有量を0.1重量部以内とした冷媒圧縮機。
  2. 前記樹脂部材に、無機フィラーを混合した請求項1に記載の冷媒圧縮機。
JP2006063892A 2006-03-09 2006-03-09 冷媒圧縮機 Expired - Fee Related JP4742918B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006063892A JP4742918B2 (ja) 2006-03-09 2006-03-09 冷媒圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006063892A JP4742918B2 (ja) 2006-03-09 2006-03-09 冷媒圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007239632A JP2007239632A (ja) 2007-09-20
JP4742918B2 true JP4742918B2 (ja) 2011-08-10

Family

ID=38585413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006063892A Expired - Fee Related JP4742918B2 (ja) 2006-03-09 2006-03-09 冷媒圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4742918B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5407157B2 (ja) * 2008-03-18 2014-02-05 ダイキン工業株式会社 冷凍装置
JP5407166B2 (ja) * 2008-04-08 2014-02-05 パナソニック株式会社 密閉型圧縮機
JPWO2018199206A1 (ja) 2017-04-28 2020-03-19 パナソニック アプライアンシズ リフリジレーション デヴァイシズ シンガポール 密閉型冷媒圧縮機およびこれを用いた冷凍装置
JP6790278B2 (ja) * 2017-08-30 2020-11-25 三菱電機株式会社 電動機、圧縮機、空気調和機、及び、電動機の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07208338A (ja) * 1994-01-19 1995-08-08 Toshiba Corp 密閉形コンプレッサおよびこのコンプレッサを用いた冷凍サイクル
JPH10136600A (ja) * 1996-10-31 1998-05-22 Toray Ind Inc モータの相間絶縁素子
JP2001055979A (ja) * 1999-08-11 2001-02-27 Toshiba Kyaria Kk 冷媒圧縮機
JP2002156165A (ja) * 2001-09-10 2002-05-31 Hitachi Ltd 冷蔵庫
JP2005163797A (ja) * 2005-02-21 2005-06-23 Sanyo Electric Co Ltd コンプレッサ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07208338A (ja) * 1994-01-19 1995-08-08 Toshiba Corp 密閉形コンプレッサおよびこのコンプレッサを用いた冷凍サイクル
JPH10136600A (ja) * 1996-10-31 1998-05-22 Toray Ind Inc モータの相間絶縁素子
JP2001055979A (ja) * 1999-08-11 2001-02-27 Toshiba Kyaria Kk 冷媒圧縮機
JP2002156165A (ja) * 2001-09-10 2002-05-31 Hitachi Ltd 冷蔵庫
JP2005163797A (ja) * 2005-02-21 2005-06-23 Sanyo Electric Co Ltd コンプレッサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007239632A (ja) 2007-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9482231B2 (en) Rotary compressor having an oil groove in an inner peripheral surface of a bearing
JP4742918B2 (ja) 冷媒圧縮機
JP2014139443A5 (ja)
KR100821796B1 (ko) 밀폐형 압축기
JP5477455B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP4915205B2 (ja) 圧縮機
JP2021088991A (ja) 密閉型冷媒圧縮機およびこれを用いた冷凍装置
EP1697638A1 (en) Hermetic compressor
JP6286364B2 (ja) 密閉型圧縮機および冷凍装置
JP2010121448A (ja) 密閉型圧縮機
JP2011111930A (ja) 冷媒圧縮機と冷媒圧縮機用冷凍機油および冷凍装置
CN116829835A (zh) 尤其用于热泵的活塞式压缩机
EP3617504A1 (en) Hermetically sealed refrigerant compressor and refrigeration device using same
JP5407166B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP2009203862A (ja) 密閉型電動圧縮機および冷凍サイクル装置
JP2008101523A (ja) 密閉型圧縮機
JP2006037826A (ja) 冷媒圧縮機
JP2011163257A (ja) 密閉型圧縮機
KR100746425B1 (ko) 리니어 압축기의 오일 공급 유닛
JP2012225230A (ja) 圧縮機
JP2006200399A (ja) 圧縮機
JP2013011216A (ja) 冷媒圧縮機
JP2013011220A (ja) 冷媒圧縮機
JP2007309153A (ja) 冷媒圧縮機
JP2005273522A (ja) 横形回転圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080130

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100713

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110425

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees