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JP4742084B2 - 食器洗浄機 - Google Patents

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Description

本発明は、食器洗浄機に関する。特に、洗浄槽内の洗浄水を加熱してすすぐ加熱すすぎ工程を実行してから、洗浄槽内の洗浄水を加熱しないですすぐすすぎ工程を実行する食器洗浄機に関する。
加熱した洗浄水で食器をすすぐ工程、いわゆる加熱すすぎ工程を実行する食器洗浄機がある。加熱すすぎ工程では、洗浄水が高温(例えば、70℃)に加熱される。加熱すすぎ工程後の洗浄槽内に空気には、高温の水滴や水蒸気が含まれている。すすぎ工程後に乾燥工程を実行する食器洗浄機がある。乾燥工程では、洗浄槽内の空気を洗浄槽外に排気する。加熱すすぎ工程の直後に乾燥工程を行うと、加熱すすぎ工程で加熱された洗浄槽内の高温の水滴や水蒸気を含む空気が多量に排気されてしまう。この問題を解決する技術が、例えば、特許文献1に記載されている。
特許文献1の食器洗浄機では、加熱すすぎ工程を実行した後に、洗浄水を加熱しないで食器をすすぐすすぎ工程を実行する。これにより、洗浄槽内の空気の温度を低下させることができ、乾燥工程開始時に食器洗浄機から排気される空気の温度を低下させることができる。
特開2000−189377号公報
すすぎ工程時に給水される洗浄水の温度は、大気の温度や給湯設備の有無によって変わる。即ち、すすぎ工程で使用される洗浄水の温度が一定であるとは限らない。すすぎ工程を実行した後の洗浄槽内の空気の温度は、すすぎ工程で使用した洗浄水の温度に依存して変化する。すすぎ工程で使用する洗浄水の温度が低ければ、すすぎ工程前の加熱すすぎ工程で加熱された食器等が短時間で冷却される。また、すすぎ工程で使用する洗浄水の温度が高ければ、すすぎ工程前の加熱すすぎ工程で加熱された食器等の冷却に長時間を要する。
特許文献1の食器洗浄機では、加熱すすぎ工程後に実行するすすぎ工程の実行時間が一定である。そのため、加熱すすぎ工程後に実行されるすすぎ工程後の洗浄槽内の温度が所望の温度にならない。すすぎ工程で使用した洗浄水の温度が低ければ、すすぎ工程後の洗浄槽内の温度が、所望の温度よりも低くなってしまう。すすぎ工程で使用した洗浄水の温度が高ければ、すすぎ工程後の洗浄槽内の温度が、所望の温度よりも高くなってしまう。
すすぎ工程後の洗浄槽内の温度は重要であり、それが低すぎればその後に実行する乾燥工程で食器類を十分に乾燥させることができなくなり、それが高すぎればその後に実行する乾燥工程で食器洗浄機から排気される空気が高温となってしまう。
本発明は、上記の問題を解決するために創作されたものであり、乾燥工程において、高温の水蒸気が食器洗浄機外に排気されるのを防止すると共に、乾燥性能が低下することを抑制することを目的とする。
本発明の食器洗浄機は、洗浄槽と給水装置と排水装置と噴水装置と加熱装置とサーミスタと制御装置と記憶装置を備えている。洗浄槽には、食器が収容される。給水装置は、洗浄槽内に洗浄水を給水する。排水装置は、洗浄槽内の洗浄水を排水する。噴射装置は、洗浄槽内に洗浄水を噴射する。加熱装置は、洗浄槽内の洗浄水を加熱する。サーミスタは、洗浄槽内の洗浄水の温度を測定して測定温度を得る。制御装置は、給水装置と噴水装置と加熱装置と排水装置を逐次動作させる加熱すすぎ工程を実行してから、給水装置と噴水装置と排水装置を逐次動作させるすすぎ工程を実行する。記憶装置には、洗浄槽内に給水する洗浄水の測定温度に対応付けて、加熱すすぎ工程後に実行するすすぎ工程の実行時間が記憶されている。記憶装置に記憶されているすすぎ工程の実行時間は、測定温度が高いほど実行時間が長い関係に設定されている。そして、制御装置は、記憶装置に記憶されているすすぎ工程の実行時間を参照して、すすぎ工程を実行する。
この食器洗浄機では、洗浄槽内に給水する洗浄水の温度が高いほど、加熱すすぎ工程後に実行するすすぎ工程の実行時間を長くする。洗浄槽内に給水する洗浄水の温度が高い場合、加熱すすぎ工程後に実行するすすぎ工程の実行時間に対する洗浄槽内の空気の温度の低下率が低くなる。この場合、加熱すすぎ工程後に実行するすすぎ工程の実行時間を長くする。これにより、すすぎ工程後の洗浄槽内の空気の温度を、所望の温度範囲内まで低下させることができる。一方、洗浄槽内に給水する洗浄水の温度が低い場合、加熱すすぎ工程後に実行するすすぎ工程の実行時間に対する洗浄槽内の空気の温度の低下率が高くなる。この場合、加熱すすぎ工程後に実行するすすぎ工程の実行時間を短くする。これにより、すすぎ工程後の洗浄槽内の空気の温度が、所望の温度範囲以下となることを抑制することができる。この食器洗浄機によれば、加熱すすぎ工程後に実行したすすぎ工程後の洗浄槽内の空気の温度を、洗浄水の温度に因らず、所望の温度範囲内に調整することができる。
この食器洗浄機では、給水装置と加熱装置あるいは噴水装置と加熱装置を同時に動作させて加熱すすぎ工程を実施してもよい。給水装置と噴水装置と加熱装置を逐次動作させる態様には、給水装置と加熱装置あるいは噴水装置と加熱装置を同時に動作させることが含まれる。また、本発明は加熱すすぎ工程後にすすぎ工程を実行する際に有用性を発揮するものであり、加熱すすぎ工程の実行前にもすすぎ工程を実行してもよいし、加熱すすぎ工程の実行前にはすすぎ工程を実行しなくてもよい。
この食器洗浄機は、加熱装置と噴水装置を動作させている間に生じた測定温度の変化量を一時記憶しておく一時記憶装置を備えておくことが有用である。その場合、記憶装置に、洗浄槽内に給水する洗浄水の測定温度と一時記憶しておく変化量の両者に対応付けて、すすぎ工程の実行時間を記憶しておくことが好ましい。この場合、記憶装置に記憶しておく実行時間は、測定温度が高いほど長く、前記変化量が小さいほど長い関係に設定されていることが好ましい。
洗浄槽内に収容される食器量は、いつも一定であるとは限らない。洗浄槽内の食器量が多いほど、加熱すすぎ工程後に実行するすすぎ工程の実行時間に対する洗浄槽内の空気の温度の低下率が低くなる。その一方において、洗浄槽内の食器量が多いほど、加熱装置と噴水装置を動作させている間に生じる測定温度の変化量は小さくなる。
この食器洗浄機では、洗浄槽内に給水する洗浄水の温度が高いほど、また、加熱装置と噴水装置を動作させている間に生じた測定温度の変化量が小さいほど、加熱すすぎ工程後に実行するすすぎ工程の実行時間を長くする。この構成によれば、洗浄槽に収容される食器量が変わっても、すすぎ工程後の洗浄槽内の温度を所望の温度範囲内に調整することができる。
この食器洗浄機で実行されるすすぎ工程では、給水装置、噴水装置、排水装置を順に動作させるとともに噴射装置の動作時間が一定に設定されている単位すすぎ工程が実行されることが好ましい。そして、記憶装置に記憶されているすすぎ工程の実行時間は、単位すすぎ工程の実行回数によって指定されていることが好ましい。
この構成によっても、加熱すすぎ工程後に実行したすすぎ工程後の洗浄槽内の空気の温度を、洗浄水の温度に因らず、所望の温度範囲内に調整することができる。
本発明の食器洗浄機によれば、乾燥工程前の洗浄槽内の空気が適切な温度となる。そのため、乾燥工程において、高温の空気が食器洗浄機外に排気されることを防止することができる。また、乾燥工程での乾燥性能が低下しすぎることを抑制することもできる。より安全で消費電力の少ない食器洗浄機を実現することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
(形態1) 本実施例の食器洗浄機では、洗浄槽に給水する洗浄水の温度が適切温度よりも高い場合、洗浄水の温度が適当な温度以下になるまで、すすぎ工程を継続する。
本発明を具現化した実施例の食器洗浄機を図面を参照しながら説明する。図1は、食器洗浄機10の縦断面図である。食器洗浄機10は、引き出し式の食器洗浄機である。食器洗浄機10は、本体12と洗浄槽14と扉15を備えている。
洗浄槽14は、本体12と扉15で形成される空間に収容されている。洗浄槽14は、本体12にスライド可能に支持されている。洗浄槽14は、本体12に対して前後方向(図1の左右方向)にスライド可能である。洗浄槽14は、扉15に連結されている。扉15を前方(図1の左方向)へ引き出すと、扉15とともに洗浄槽14が引き出される。洗浄槽14は、上部が開放された箱状に形成されている。洗浄槽14には、洗浄ノズル21、食器カゴ61等が収容されている。洗浄ノズル21には、複数の噴射口21aが形成されている。食器カゴ61は、種々の食器19を保持するために、食器19に対応した形状に形成されている。
洗浄槽14の上方には、シール蓋56が配置されている。シール蓋56は、図示しない昇降機構によって洗浄槽14と連結されている。扉15が閉じられた状態(洗浄槽14が本体12に収容されている状態)では、シール蓋56は降下して洗浄槽14の上側開口部に蓋をする。洗浄槽14が本体12から引き出されると、シール蓋56は上昇して洗浄槽14の上側開口部を開放する。
洗浄槽14の底面39には、吸込凹部31が形成されている。吸込凹部31の上側開口部は、残菜フィルタ17によって覆われている。残菜フィルタ17はメッシュ状に形成されている。残菜フィルタ17は、洗浄槽14から取り外すことができる。底面39の下方には、ポンプ27が設けられている。ポンプ27は、内蔵する電気モータによってインペラ28を回転する。ポンプ27は、インペラ28を一方向(順方向)に回転することもできるし、その逆の方向(逆方向)に回転することもできる。インペラ28が配置されている空間と吸込凹部31は、吸込流路32によって連通されている。ポンプ27が配置されている底面39の上方には、電気式のヒータ30が装着されている。ヒータ30の下方には、サーミスタ55が配置されている。サーミスタ55は、洗浄槽14に洗浄水やすすぎ水が入れられているときには水の温度を検出し、洗浄水やすすぎ水が入れられていないときには洗浄槽内の空気の温度を検出する。
洗浄槽14の底面39には、洗浄ノズル21が回転可能に取付けられている。洗浄ノズル21は、ポンプ27の第1吐出口11と連通している。ポンプ27が駆動し、インペラ28が順方向に回転すると、洗浄槽14内の洗浄水が洗浄ノズル21に送出される。洗浄ノズル21に送出された洗浄水は、複数の噴射口21aから洗浄槽14内に噴射される。噴水装置20は、洗浄ノズル21とポンプ27とインペラ28によって構成される。この場合のポンプ27を洗浄ポンプ27と称する。複数の噴射口21aの一部の噴射口は、水を噴射したときに洗浄ノズル21に回転モーメントを発生させる。
扉15には、操作パネル16と排気経路18が配置されている。操作パネル16には、各種のボタンやランプ等が設けられている。排気経路18は、洗浄槽14の内側と外側を連通している。
本体12の後方壁33(図1の右側の壁)には、排水ホース34が接続されている。排水ホース34とポンプ27の第2吐出口35は、排水流路36によって連通されている。排水流路36の排水ホース34と接続されている側の端部には、排水逆止弁38が装着されている。排水逆止弁38は、排水ホース34から排水流路36に排水が逆流するのを防止する。ポンプ27が駆動し、インペラ28が逆方向に回転すると、洗浄槽14内の洗浄は、排水経路36を介して、洗浄槽14から排水される。ポンプ27とインペラ28は排水装置にもなる。この場合のポンプ27を排水ポンプ27と称する。 また、本体12の後方壁33には、給水ホース40の一端が接続されている。給水ホース40の他端は、給水管(図示省略)に接続される。給水ホース40には、水道水(冷水)が直接供給されることもあるし、給湯器によって加熱された温水が供給されることもある。給水ホース40の一端は、第1給水流路42を介して本体12内部の給水弁41に接続されている。給水弁41は、内蔵するソレノイドに駆動されて開閉する。給水弁41と洗浄槽14内は、第2給水流路43によって連通されている。
本体12の後方壁33と洗浄槽14の後方壁51の間には、乾燥ファン52が配置されている。乾燥ファン52は、内蔵するモータでファン53を回転駆動する。洗浄槽14は、吸気経路63を介して乾燥ファン52と接続されている。
本体12の底面57には、凹部58が形成されている。凹部58には、水漏れ検知センサ59の2本の電極が差し込まれている。洗浄槽14から外部に水が漏れ、その漏れた水が凹部58に流れ込むと、電極間が導通して水漏れ検知センサ59がオンになる。
洗浄槽14の前方には、水位検知器45が配置されている。水位検知器45は、水位室46とフロート47とバー48と水位スイッチ49を備えている。水位室46は、水位経路50によって吸込凹部31と連通されている。フロート47は、水位室46内に配置されている。バー48は、フロート47の上部に固定されており、水位室46から上方に突出している。水位スイッチ49は、バー48の上方に配置されている。洗浄槽14内に洗浄水が給水されると、水位経路50を介して水位室46にも導入される。水位室46内の洗浄水の水位は、洗浄槽14内の洗浄水の水位と同一である。即ち、洗浄槽14内に洗浄水が給水されて、洗浄槽14内の洗浄水の水位が上昇すると、水位室46内の洗浄水の水位も上昇する。フロート47は、水位室46に導入された洗浄水によって浮上する。水位室46内の洗浄水の水位の上昇に伴って、フロート47が浮上されると、バー48の上端が水位スイッチ49に接触する。これにより、水位スイッチ49がオンになる。
水位検知器45の上方には、コントローラ60が装着されている。図2に示すように、コントローラ60には、操作パネル16、ポンプ27、ヒータ30、給水弁41、水位スイッチ49、乾燥ファン52、サーミスタ55、水漏れ検知センサ59が接続されている。コントローラ60は、内蔵するCPU60a、メモリ60b等によって、接続されている各装置の動作を制御する。メモリ60bは、各装置の制御するための情報を記憶している。また、メモリ60bは、すすぎコースデータベース100が記憶されている。
図3に示すように、すすぎコースデータベース100には、測定温度102と温度変化量104に対応付けてXコース,Yコース,Zコースの3つのすすぎコースのいずれかが記録されている。測定温度102とは、洗浄槽14内に給水する洗浄水の温度であり、ヒータ30によって加熱されていない洗浄水の温度である。温度変化量104とは、ヒータ30と洗浄ポンプ27を動作させてから10分後の洗浄槽14内の洗浄水の温度から、ヒータ30と洗浄ポンプ27を動作させた直後の洗浄槽14内の洗浄水の温度を減算した値である。測定温度102と温度変化量104は、各数値範囲で示される最小値より高く、最大値以下の範囲である。例えば、測定温度102が5〜10℃とは、5℃より高く10℃以下である。同様に、温度変化量104が10〜15℃とは、10℃より高く15℃以下である。即ち、測定温度が10℃であり、温度変化量が10℃の場合、Zコースが選択される。3つのコースには、全て加熱すすぎ工程とすすぎ工程が含まれている。
図4は、加熱すすぎ工程において、コントローラ60が行う処理手順を示すフローチャートである。図5は、すすぎ工程において、コントローラ60が行う処理手順を示すフローチャートである。すすぎ工程では、図5の処理手順を単位として複数回実行することがある。図5は、単位すすぎ工程の処理手順を示している。
図4に示すように、加熱すすぎ工程では、まず、コントローラ60は、給水弁41を開いて(ステップS10)、洗浄槽14内に洗浄水を給水する。コントローラ60は、ヒータ30を作動させて(ステップS12)、洗浄槽14内の洗浄水を加熱する。コントローラ60は、水位スイッチ49から信号を受信すると(ステップS14)、給水弁を閉じる(ステップS16)。これにより、洗浄槽14内への給水が停止される。洗浄槽14内への給水が停止されると、コントローラ60は、洗浄ポンプ27を駆動させて(ステップS18)、インペラ28を順方向に回転させる。洗浄水は、洗浄ノズル21に送出される。洗浄ノズル21は、噴射口21aから洗浄水を噴射する。コントローラ60は、サーミスタ55からの測定温度情報によって、洗浄水が所定温度(例えば、70℃)まで加熱されたか否かを確認する(ステップS20)。
コントローラ60は、洗浄水が所定温度に達するまでステップS20を繰り返す。洗浄水の温度が所定温度に達すると(ステップS20でYES)、コントローラ60は、ヒータ30を停止させる(ステップS22)。コントローラ60は、すすぎ時間が経過したか確認する(ステップS24)。具体的には、洗浄ポンプ27を駆動させてから、所定時間(例えば、3分)経過したか否かを確認する。時間の計測は、例えば、コントローラ60内のタイマ(図示省略)が行う。すすぎ時間が経過していない場合(ステップS24でNO)、コントローラ60は、ステップS24を繰り返す。すすぎ時間が経過すると(ステップS24でYES)、コントローラ60は、排水ポンプ27を駆動させて(ステップS26)、インペラ28を逆方向に回転させる。洗浄槽14内の洗浄水が排水経路36を介して食器洗浄機10の外に排水されると、コントローラ60は、排水ポンプ27を停止させて(ステップS28)、加熱すすぎ工程を終了する。加熱すすぎ工程後の洗浄槽14内の空気には、加熱された洗浄水の温度とほぼ等しい温度の水滴や水蒸気が含まれている。加熱すすぎ工程後の洗浄槽14内の空気の温度は、加熱された洗浄水の温度とほぼ等しくなっている。
図5に示すように、すすぎ工程では、まず、コントローラ60は、給水弁41を開いて(ステップS30)、洗浄槽14内に洗浄水を給水する。コントローラ60は、水位スイッチ49から信号を受信すると(ステップS32)、給水弁を閉じる(ステップS34)。これにより、洗浄槽14内への給水が停止される。洗浄槽14内への給水が停止されると、コントローラ60は、洗浄ポンプ27を駆動させて(ステップS36)、インペラ28を順方向に回転させる。洗浄水は、洗浄ノズル21に送出される。洗浄ノズル21は、噴射口21aから洗浄水を噴射する。
コントローラ60は、すすぎ時間(例えば、3分)が経過したか確認する(ステップS38)。すすぎ時間が経過していない場合(ステップS38でNO)、コントローラ60は、ステップS48を繰り返す。すすぎ時間が経過すると(ステップS38でYES)、コントローラ60は、排水ポンプ27を駆動させて(ステップS40)、インペラ28を逆方向に回転させる。洗浄槽14内の洗浄水が排水されると、コントローラ60は、排水ポンプ27を停止させて(ステップS42)、すすぎ工程を終了する。すすぎ工程では、洗浄水が加熱されていない。そのため、すすぎ工程実行後の洗浄槽14内の空気の温度は、洗浄槽14に給水された洗浄水の温度に近づいていく。
図5の処理手順は、単位すすぎ工程を示している。ステップS38の単位すすぎ工程の時間は一定である。しかしながら、実際のすすぎ工程では、単位工程を2回、3回と実施することがある。この単位工程を繰り返す回数によって、すすぎ工程の実質的な実行時間が調整される。
次に、X,Y,Zコースの3つのコースについて説明する。図6に示すように、Xコースでは、まず、加熱すすぎ工程が実行される(ステップS50)。加熱すすぎ工程が終了すると、次に、第1すすぎ工程(ステップS52)、第2すすぎ工程(ステップS54)、第3すすぎ工程(ステップS56)が実行される。Xコースでは、単位すすぎ工程が3回繰り返される。図7に示すように、Yコースでは、まず、加熱すすぎ工程が実行される(ステップS60)。次に、第1すすぎ工程(ステップS62)、第2すすぎ工程(ステップS64)が実行される。Yコースでは、単位すすぎ工程が2回繰り返される。図8に示すように、Zコースでは、まず、第1すすぎ工程が実行される(ステップS70)。次に、加熱すすぎ工程が実行される(ステップS72)。さらに、加熱すすぎ工程後、第2すすぎ工程が実行される(ステップS74)。Zコースでは、加熱すすぎ工程後の単位すすぎ工程は1回だけ実行される。上記した3コースにおいて、単位すすぎ工程の実行時間(図5のステップS38のすすぎ時間)は、一様に3分である。但し、洗浄水の測定温度が45℃以上の場合、すすぎコースの最後の単位すすぎ工程は、サーミスタ55の測定温度が45℃になるまで実行される。
加熱すすぎ工程後に実行するすすぎ工程の合計の実行時間は、3つのすすぎコースのうち、Xコースが最も長く、Zコースが最も短い。図3に示すように、測定温度が高くなるに従って、すすぎコースが、Zコース、Yコース、Xコースの順になっている。また、温度変化量が小さくなるに従って、加熱すすぎ工程後に実行するすすぎ工程の実行時間が長くなるように設定されている。これにより、各すすぎコースでは、すすぎ工程終了後の洗浄槽14内の空気の温度が、適切な温度(例えば、45℃付近)となる。
図9に示すように、食器洗浄機10は、洗浄工程(ステップS80)、すすぎ工程と加熱すすぎ工程(ステップS82)、乾燥工程(ステップS84)の順に動作する。図10は、ステップS80の洗浄工程におけるコントローラ60の処理手順を示すフローチャートである。
まず、使用者が操作パネル16に設けられているスタートボタンをオンにする。スタートボタンがオンされると、操作パネル16からコントローラ60に信号が送信される。コントローラ60は、操作パネル16から信号を受信すると、排水ポンプ27を駆動させる(ステップS90)。浄槽14内に洗浄水が残存する場合、ステップS90によって排水される。排水が終了すると、コントローラ60は、給水弁41を開いて(ステップS92)、洗浄槽14内に洗浄水を給水する。コントローラ60は、給水弁が開いてから、所定時間(例えば、2分)経過した後に、サーミスタ55の測定温度情報を受信する(ステップS94)。測定温度情報を受信すると、コントローラ60は、メモリ60bにその測定温度情報を記憶させる(ステップS96)。
コントローラ60は、ヒータを作動させる(ステップS98)。コントローラ60は、水位スイッチ49から信号を受信すると(ステップS100)、給水弁を閉じる(ステップS102)。次に、コントローラ60は、洗浄ポンプ27を駆動させて(ステップS104)、インペラ28を順方向に回転させる。洗浄水は、洗浄ノズル21に送出される。洗浄ノズル21は、噴射口21aから洗浄水を噴射する。次に、コントローラ60は、サーミスタ55から測定温度情報を受信し(ステップS106)、メモリ60bに記憶させる(ステップS108)。コントローラ60は、洗浄ポンプ27を駆動させてから10分経過するまで、ステップS110を繰り返す。10分が経過すると(ステップS110でYES)、コントローラ60は、サーミスタ55から測定温度情報を受信して(ステップS112)、メモリ60bに記憶させる(ステップS114)。コントローラ60は、ステップS114で記憶させた測定温度から、ステップS108で記憶させた測定温度を減算して、温度変化量を算出して(ステップS116)、メモリ60bに記憶させる(ステップS118)。
温度変化量が記憶されると、コントローラ60は、すすぎコースデータベース100から、ステップS96で記憶させた測定温度と、ステップS118で記憶させた温度変化量に対応するすすぎコースを選択する(ステップS120)。例えば、ステップS96で記憶させた測定温度が21℃であって、ステップS118で記憶させた温度変化量が13℃である場合、コントローラ60は、すすぎコースとして、Yコースを選択する。すすぎコースを選択すると、コントローラ60は、サーミスタ55から測定温度情報を受信し、洗浄水が所定温度(例えば、60℃)に達するまで、ステップS122を繰り返す。洗浄水が所定温度に達すると(ステップS122でYES)、コントローラ60は、ヒータ30を停止させる(ステップS124)。続いて、コントローラ60は、洗浄時間が経過したかを確認する(ステップS126)。洗浄時間が経過すると(ステップS126でYES)、コントローラ60は、排水ポンプ27を駆動させて(ステップS128)、インペラ28逆方向に回転させる。これにより、洗浄槽14内の洗浄水が食器洗浄機10の外に排水される。洗浄槽14内の洗浄水が排水されると、コントローラ60は、排水ポンプ27を停止させて(ステップS130)、洗浄工程を終了する。続いて、コントローラ60は、すすぎ工程(図9のステップS82)と乾燥工程(図9のステップS84)を実行する。
すすぎ工程と加熱すすぎ工程は、洗浄槽14内に給水された洗浄水の温度と加熱されている洗浄水の温度変化量に基いて選択されたすすぎコースに従って実行される。Yコースが選択されている場合、コントローラ60は、図7に示す工程にしたがって、図4に示す加熱すすぎ工程を実行してから、図5に示すすすぎ工程を2回繰り返す。これにより、すすぎ工程後の洗浄槽14内の空気の温度を適切な温度(例えば、45℃付近)とすることができる。そのため、乾燥工程において、高温の水滴や水蒸気を含む空気が食器洗浄機10外に排気されることを防止することができる。
また、洗浄槽14内に給水される洗浄水の温度が低い場合には、加熱すすぎ工程後のすすぎ工程の実行時間が短い。乾燥工程前の洗浄槽14内の空気の温度の低下を防ぐことができる。そのため、乾燥工程において、乾燥性能の低下が抑制される。
上記した食器洗浄機10では、サーミスタ55によって、洗浄水の温度を測定している。しかしながら、ヒータ30によって加熱される前の洗浄水の温度を測定するサーミスタを別に設けてもよい。例えば、サーミスタを第2給水路43のどちらか一方の端に設けてもよい。
また、上記した食器洗浄機10では、加熱すすぎ工程後の各すすぎ工程の時間が一定となっている。即ち、各すすぎコースの加熱すすぎ工程後のすすぎ工程の実行時間は、すすぎ工程の回数によって変化している。しかしながら、各すすぎ工程の回数を同じにしてもよい。この場合、すすぎ工程の時間を変更することによって、各すすぎコースの加熱すすぎ工程後の各すすぎ工程の実行時間を変化させる。また、各すすぎコースによって、すすぎ工程の回数と各すすぎ工程の時間の両者を変えてもよい。
また、上記した食器洗浄機10では、洗浄槽14に給水された洗浄水の温度が45℃以上の場合、最後のすすぎ工程の時間を長くしている。これにより、洗浄水の温度を低下させることができる。これにより、洗浄槽14に給水された洗浄水の温度が高い場合でも、乾燥工程で高温の空気が食器洗浄機10から排気されることを防止することができる。
上記した食器洗浄機10では、すすぎコースデータベース100は、測定温度102と温度変化量104に対応付けてすすぎコースを記録している。しかしながら、すすぎコースデータベースは、測定温度のみに対応付けてすすぎコースを記録していてもよい。この場合、洗浄槽14に給水される洗浄水の温度のみを測定すればよい。コントローラ60は、この測定温度のみからすすぎコースを選択する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本実施例の食器洗浄機の断面模式図。 本実施例の食器洗浄機の制御系統を示すブロック図。 本実施例のすすぎコースデータベースを示す図。 本実施例の加熱すすぎ工程を示すフローチャート。 本実施例のすすぎ工程を示すフローチャート。 本実施例のすすぎコースのXコースを示すフローチャート。 本実施例のすすぎコースのYコースを示すフローチャート。 本実施例のすすぎコースのZコースを示すフローチャート。 本実施例の運転動作を示すフローチャート。 本実施例の洗浄工程を示すフローチャート。
符号の説明
12:本体
14:洗浄槽
20:噴水装置
27:モータ
28:インペラ
30:ヒータ
41:給水弁
45:水位検出器
55:サーミスタ
60:コントローラ
60a:CPU
60b:メモリ
100:すすぎコースデータベース
102:測定温度
104:温度変化量

Claims (3)

  1. 食器を収容するための洗浄槽と、
    洗浄槽内に洗浄水を給水する給水装置と、
    洗浄槽内の洗浄水を排水する排水装置と、
    洗浄槽内に洗浄水を噴射する噴水装置と、
    洗浄槽内の洗浄水を加熱する加熱装置と、
    洗浄槽内の洗浄水の温度を測定して測定温度を得るサーミスタと、
    給水装置と噴水装置と加熱装置と排水装置を逐次動作させる加熱すすぎ工程を実行してから、給水装置と噴水装置と排水装置を逐次動作させるすすぎ工程を実行する制御装置と、
    その制御装置が参照する記憶装置を備えており、
    その記憶装置に、洗浄槽内に給水する洗浄水の測定温度に対応付けて、加熱すすぎ工程後に実行するすすぎ工程の実行時間が記憶されており、前記測定温度が高いほど前記実行時間が長い関係に設定されていることを特徴とする食器洗浄機。
  2. 加熱装置と噴水装置を動作させている間に生じた前記測定温度の変化量を一時記憶しておく一時記憶装置を備えており、
    前記記憶装置に、洗浄槽内に給水する洗浄水の測定温度と前記変化量に対応付けて、前記実行時間が記憶されており、前記測定温度が高いほど前記実行時間が長く、前記変化量が小さいほど前記実行時間が長い関係に設定されていることを特徴とする請求項1の食器洗浄機。
  3. 前記すすぎ工程では、給水装置、噴水装置、排水装置を順に動作させるとともに噴射装置の動作時間が一定時間に設定されている単位すすぎ工程が実行され、前記実行時間は、単位すすぎ工程を実行する回数によって指定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の食器洗浄機。
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