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JP4639054B2 - 透明ハイブリッドシート - Google Patents

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Description

本発明は、タッチパネルや色素増感太陽電池(光触媒を利用した太陽電池等)等の透明基板に好適な透明シートに関する。
タッチパネルや色素増感太陽電池には透明基板が使用される。これは基板に透明導電膜を形成して導電性を付与し、入力信号の伝搬や発電電流取り出しを行っており、透明基板が必須である。こうした用途のために、透明基板として従来はガラス基板が使用されていたが、小型携帯機器用途への展開が進むにつれて、軽量で、耐衝撃性や加工性に優れるプラスチック基板へのニーズが高まっている。
プラスチック基板用の透明シートとして、熱可塑性樹脂を、押し出し成形、射出成形、圧縮成形、キャスティングなどにより成形したものが提案されている。たとえば特許文献1には、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのフィルムを用いた色素増感太陽電池の製造方法が開示されている。
また熱硬化性透明樹脂を、キャスティング、注型等により成形したものも提案されている。たとえば特許文献2には特定の光硬化性樹脂からなる透明タッチパネルが、また、特許文献3には光硬化性樹脂からなる透明樹脂シートおよびその製法等が開示されている。
しかしながらこれらプラスチック基板は、ガラス基板に比べて透明性、耐熱性、耐光性、剛性、ガスバリア性、熱膨張率、複屈折率などの点で実用上問題が依然として多い。一般に、熱硬化性樹脂は強度や靭性が低いため、ガラス繊維などを補強材に用いた繊維強化複合材料として使用する。しかしながら複合材料は光透過性が低く、光学用途としては不適である。
一方、近年有機ポリマーの特徴と無機材料の特徴とを併せ持つ有機無機ハイブリッド樹脂の研究開発が盛んに行われている。この有機無機ハイブリッド樹脂は、有機ポリマー中に無機微粒子が分散されてなり、且つポリマーと無機微粒子間に化学的結合ないし相互作用が形成されていることを特徴とする。
透明ポリマーと、粒子径が十分小さい無機微粒子とからなるハイブリッド樹脂の場合、光透過性は良好であり、また耐熱性、ガスバリア性、熱膨張率などは無機材料の特性効果が付与されることから、高耐熱性と透明性とを兼ね備えた材料として期待される。
例えば特許文献4には、ポリメタクリル酸メチルコポリマー−ジルコニアハイブリッドからなるフィルムが開示されている。また特許文献5には、シラン変性エポキシ樹脂組成物およびその硬化物が開示されている。しかしながら、これら有機無機ハイブリッド樹脂は従来のプラスチックに比して靭性が低く耐衝撃性に劣るという欠点があることから、単独でプラスチック基板として用いることは困難である。
特開2003−59546号公報 特開平10−105335号公報 特開2003−285338号公報 特開2003−147148号公報 特開2002−179762号公報
こうした要請に対し、いろいろな透明プラスチックを使用したプラスチック基板が提案されている。しかしながらこれらはいずれも、軽量化や衝撃強度などではガラス基板に対して優れてはいるものの、ガラス基板の特徴である耐熱性、剛性、複屈折率などが低下し、実用上問題が多い。これがガラス基板とプラスチック基板の特性を兼備する、新しい透明基板が強く望まれている所以である。
本発明はプラスチック基板の性能を改良し、強度、剛性、靭性、透明性、耐熱性、剛性、ガスバリア性、熱膨張率、複屈折率などで優れた性能を有する、透明基板に好適なハイブリッドシートを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を達成するために鋭意研究した結果、特定の有機無機ハイブリッド樹脂をガラスクロスに含浸し、硬化してなる透明ハイブリッドシートが、透明性、耐熱性、耐衝撃性に優れ、かつ剛性、ガスバリア性、熱膨張率、複屈折率などが従来のプラスチックシートに比べて大幅に向上し、タッチパネルや色素増感太陽電池等の透明基板に好適な透明シートとして使用できることことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち発明によれば、ガラスクロスとの屈折率の差が±0.05以内である特定の有機無機ハイブリッド樹脂を、ガラスクロスに含浸し、樹脂とガラスの界面を十分に濡らし、ガラス繊維束内の残留気泡等を十分除去して硬化させることにより、透明で、強度、剛性、靭性、耐熱性、耐光性、剛性、ガスバリア性、熱膨張率、複屈折率などに優れた性能を有する透明シートを提供することが可能となる。
本発明は次に記載する通りの構成を有する透明ハイブリッドシートである。
(1)金属アルコキシドと熱硬化性樹脂とを構成要素とする有機無機ハイブリッド樹脂を、硬化剤として酸発生剤である光硬化剤又は熱硬化剤を添加し、溶剤で希釈し、粘度調整した樹脂ワニスをガラスクロスに含浸し、溶剤を揮散させた後、熱または光により硬化させてなるハイブリッドシートであって、該有機無機ハイブリッド樹脂の硬化後の屈折率(n)と該ガラスクロスを構成するガラスの屈折率(n)とが、
−0.05≦n≦n+0.05
の関係にある、厚さ50μm以上の透明ハイブリッドシート。
(2)前記金属アルコキシドが、シランアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシド及びアルミニウムアルコキシドから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)の透明ハイブリッドシート。
(3)前記金属アルコキシドがシランアルコキシドであって、下記一般式(1)で表されるシラン化合物および/またはこれらの部分縮合物、またはこれらと下記一般式(2)で表される反応性シラン化合物との混合物であることを特徴とする上記(1)の透明ハイブリッドシート。
(R−Si−(OR4−x (1)
(R−Si−(OR4−y (2)
式中、RはCHまたはC、RはCHまたはC、xは0〜2、Rは前記熱硬化性樹脂と加熱により反応し結合形成する官能基を有する有機鎖、yは1または2
(4)前記有機無機ハイブリッド樹脂が、フルオレン基を含有する樹脂を少なくとも1種類及び/または下記一般式(3)で表される金属アルコキシドを少なくとも1種類含むことを特徴とする上記(1)〜(3)の透明ハイブリッドシート。
(C−Si−(OR4−z (3)
式中、RはCHまたはC、zは1または2
(5)前記フルオレン基を含有する樹脂が、フルオレン基含有エポキシ樹脂であることを特徴とする上記(4)記載の透明ハイブリッドシート。
(6)ガラスクロスがEガラスであることを特徴とする上記(1)〜(5)の透明ハイブリッドシート。
本発明により得られる透明ハイブリッドシートは、タッチパネルや色素増感太陽電池に使用される透明基板用として、強度、剛性、靭性、透明性、耐熱性、剛性、ガスバリア性、熱膨張率、複屈折率などに優れた性能を有する、新規な透明シートを提供する。
本発明は、有機無機ハイブリッド樹脂とガラスクロス補強複合材料の優れた特性を利用し、かつ両者の屈折率を一致させることにより、優れた光透過性を付与することによって達成された。本発明の透明ハイブリッドシートの全光線透過率は70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
強化材料やマトリックス樹脂は、それぞれ単独では透明性を有するにもかかわらず、複合材料にすると光透過性が低下するのは、強化繊維とマトリックス樹脂との屈折率の違い、界面での両者の不完全な濡れ、繊維束に残留する微小なボイドなどに起因する。発明者等は、ガラスクロスの屈折率に対してその屈折率の差異を±0.05の範囲内としたハイブリッド樹脂を、ガラスクロスに十分含浸させ、繊維内に残留気泡等を残留させずに硬化させることにより、すぐれた光透過性と視認性を有するハイブリッドシートを得ることができた。
また通常、プラスチックのTg以上では弾性率が低下するため、プラスチック基板の加工温度はTg以下に制限されるが、有機無機ハイブリッド樹脂を使用した本発明の透明シートでは、ハイブリッド樹脂のガラス転移温度が大きく上昇するとともに、ガラス転移温度を超えた温度領域での弾性率低下が小さいことから、基板の高温処理が可能であることを見出した。
本発明で用いられるガラスクロスとしては、可視光領域に吸収のないガラス繊維が使用される。ガラスの種類は特に限定されないが、一般的にはEガラスからなるガラスクロスが入手容易で、経済的にも好ましい。またガラス繊維とマトリックス樹脂との濡れ性、親和性、密着性を高めるために、好適なシランカップリング剤や各種界面活性剤等によって表面処理されたガラスクロスを使用するのが好ましい。
ガラスクロスの厚み、織り密度、織り組織は、目的とするハイブリッドシートに応じて選択される。また樹脂含浸性や表面凹凸を改良するために、物理的に糸束を開繊したガラスクロスは好適である。
本発明では、ガラスクロスとマトリックス樹脂の屈折率の差異が±0.05以内であることが必要である。すなわち、有機無機ハイブリッド樹脂の屈折率(n1)と該ガラスクロスを構成するガラスの屈折率(n2)が、n2−0.05≦n1≦n2+0.05の関係にあることが必要である。
いろいろな有機無機ハイブリッド樹脂の作製法が公知であるが、本発明の有機無機ハイブリッド樹脂は、金属アルコキシドと熱硬化性樹脂とを構成要素とする。ここで、構成要素とするとは原料に使用するという意味である。
本発明に使用する金属アルコキシドとしてより好ましいものは、シランアルコキシド(=アルコキシシラン)、ジルコニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシド等があげられる。ジルコニウムアルコキシドやチタニウムアルコキシドを含むハイブリッド樹脂は屈折率が高いため、本発明のハイブリッド樹脂として好適であるが、加水分解反応の速度が速く、取り扱いに注意が必要である。一方アルコキシシランは加水分解反応の速度が比較的遅く、取り扱い性に優れていることから、有機無機ハイブリッド樹脂原料にはアルコキシシランが多用されている。
アルコキシシランは下記一般式(1)で表される非反応性シラン化合物および/またはそれらの部分縮合物、あるいはそれらと、下記一般式(2)で表される反応性シラン化合物の混合物が使用される。部分縮合物としては、Tレジン(モノ置換トリアルコキシシランの縮合物)、QTレジン(モノ置換トリアルコキシシランとメチルシリケートの縮合物)、DTレジン(ジ置換ジアルコキシシランとモノ置換トリアルコキシシランの縮合物)などが使われる。
(R1−Si−(OR24―x (1)
式中、R1はCHまたはC、R2はCHまたはC、xは0〜2
(R−Si−(OR4―y (2)
式中、Rは熱硬化性樹脂と加熱により反応し結合形成する官能基を有する有機鎖、yは1または2
上記一般式(2)で表されるアルコキシシランは、熱硬化性樹脂と加熱により反応し結合形成する官能基を有するシランカップリング剤であり、例えば熱硬化性樹脂がエポキシの場合は、グリシジル基、アミノ基、メルカプト基などを有するシランカップリング剤、アクリレート樹脂の場合、メタクリル基、スチリル基、メルカプト基、ビニル基などを有するシランカップリング剤が選択される。これらはハイブリッド樹脂におけるポリマーと無機微粒子間の結合を強固にさせるために効果的である。
本発明に用いられる熱硬化性樹脂としては、その硬化物が透明であればいずれも使用できる。例えば透明性を有する、エポキシ樹脂、アリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂などは好適である。
また特開平10−45871号公報、特開2004−35821号公報等には、フルオレン含有エポキシ樹脂、フルオレン含有アクリレート樹脂、フルオレン含有エポキシアクリレート樹脂など、フルオレン基を含有する熱硬化性樹脂および組成物、またはその硬化物が開示されているが、フルオレン基を分子内に含有する樹脂は元来屈折率が高く、また高耐熱であることから、本発明に使用する樹脂として好適である。
熱硬化性樹脂は単独、あるいは混合して使用できる。例えばフルオレン含有エポキシ樹脂とビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレン系エポキシ樹脂などの混合があげられる。また樹脂成分すべてが熱硬化性樹脂である必要はなく、透明性やその他の必要特性を損なわない範囲で、熱可塑性樹脂や添加剤を混合使用できる。
本発明では有機無機ハイブリッド樹脂の屈折率を高めるために、フルオレン基を含有する樹脂を少なくとも1種類含んでいるか、またはアルコキシシランにおいて下記一般式(3)で表される芳香族シランを少なくとも1種類含んでいることが好ましい。
(C−Si−(OR4−z (3)
式中、zは1または2
フルオレン基を含有する樹脂としては必ずしも熱硬化性である必要はなく、フルオレン基を有するポリカーボネートやポリアリレートなどを他の熱硬化性樹脂と混合して使用することも有用である。フルオレン基含有樹脂としては、フルオレン含有エポキシ樹脂が特に好ましい。
本発明の有機無機ハイブリッド樹脂は熱や光により硬化させるが、硬化剤は硬化物が着色しない光硬化剤、熱硬化剤などから選択される。たとえばエポキシ樹脂系ハイブリッドでは、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、有機フォスフィン系など常用される硬化剤、硬化促進剤から選択できる。
酸無水物やポリシランはフルオレン基含有エポキシ樹脂の硬化物が透明であり、好適な硬化剤の一つである。また本発明では公知の光酸発生剤を用いることができ、オニウム塩およびメタロセン錯体が好適である。
オニウム塩としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩およびセレニウム塩などが使用され、これらの対イオンとしては、CFSO 、BF 、PF 、AsF およびSbF などのアニオンが用いられる。
具体例としては、トリフェニルスルホニウムトリフレート、4−クロロベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス〔4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、ビス〔4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロホスフェート、(η5−イソプロピルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。これらの化合物は、単独でも、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
有機無機ハイブリッド樹脂とガラスクロスから透明ハイブリッドシートを作製する方法は、ハイブリッド樹脂を溶剤で希釈し、粘度調整した樹脂ワニスをガラスクロスに含浸し、溶剤を揮散させた後、熱あるいは紫外線照射等により硬化させる方法がとられる。
樹脂ワニスは硬化剤を溶剤に均一混合し、粘度調整して作製される。溶剤としては、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、メチルエチルケトンなどが使用される。ワニスを作製する前にあらかじめ熱硬化性樹脂と上記アルコキシシランおよびその部分縮合物を反応させて、ハイブリッド前駆体を作製しておくことは好ましい。
熱硬化性樹脂は単独、あるいは混合して使用できる。例えばフルオレン含有エポキシ樹脂とビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレン系エポキシ樹脂などの混合があげられる。
以下、本発明の実施例および比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。またハイブリッドシートの評価は以下の方法による。
[屈折率の測定]日本真空技術(株)製の自動エリプソメータESM−1型を用いて、He−Neレーザー(波長633nm)で、温度23℃、湿度50%雰囲気下で測定した。
[全光線透過率の測定]JIS K−7105に準拠して測定した。
(実施例1)
ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル(大阪ガス(株)製、商品名「BPEF―G」)16gをテトラヒドロフラン16gに溶解し樹脂溶液とした。次にメトキシポリシロキサン(多摩化学工業(株)製、商品名「Mシリケート51」)12g、3―グリシドキシプロピルトリエトキシシラン32g、蟻酸の10重量%水溶液5g、テトラヒドロフラン18gを攪拌しながら60℃で3hr還流し、光硬化剤(旭電化工業(株)製、商品名「アデカオプトマーSP−150」)1gおよび樹脂溶液を加えて樹脂ワニスとした。
この樹脂ワニスをEガラス(屈折率1.57)繊維から成る厚さ50μmのガラスクロス(旭シュエーベル(株)製、スタイル1080、カチオニックシラン表面処理品、Eガラス繊維使用、ガラスの屈折率1.57)に含浸し、60℃の乾燥器で溶剤を揮散させた。光硬化は紫外線照射装置(ウシオ電機(株)製、UVC―1212)を用い、照射量2000mJ/cmで硬化させた。次に100℃で1hr加熱後、150℃で1hrプレス成型して厚さ100μmの透明ハイブリッドシートを得た。ハイブリッドシートの全光線透過率は90%であった。また樹脂ワニスをシリコンウェハー上に滴下後、スピンコート法で塗布し、150℃1時間加熱硬化して、厚さ約500nmの薄膜コート片を作製し、屈折率を測定したところ、ハイブリッド樹脂の屈折率は1.56であった。
(実施例2)
ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル(大阪ガス(株)製、商品名「BPEF―G」)8gをテトラヒドロフラン8gに溶解し樹脂溶液とした。次にフェニルトリメトキシシラン18g、3―グリシドキシプロピルトリエトキシシラン8g、蟻酸の10重量%水溶液8g、テトラヒドロフラン49gを攪拌しながら60℃で3hr還流し、熱硬化剤(旭電化工業(株)製、商品名「アデカオプトンCP−66」)1gおよび樹脂溶液を加えて樹脂ワニスとした。
この樹脂ワニスを実施例1と同様、ガラスクロスに含浸し、60℃の乾燥器で溶剤を揮散させた。熱硬化は120℃で3hr加熱し、150℃で1hrプレス成型して、厚さ100μmの透明ハイブリッドシートを得た。実施例1と同様に測定したハイブリッドシートの全光線透過率は88%、ハイブリッド樹脂の屈折率は1.60であった。
(実施例3)
ビスフェノールA型グリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコート828」、エポキシ当量190g/eq)8gをテトラヒドロフラン8gに溶解し樹脂溶液とした。次にフェニルトリメトキシシラン18g、3―グリシドキシプロピルトリエトキシシラン8g、蟻酸の10重量%水溶液8g、テトラヒドロフラン49gを攪拌しながら60℃で3hr還流し、熱硬化剤(旭電化工業(株)製、商品名「アデカオプトンCP−66」)1gおよび樹脂溶液を加えて樹脂ワニスとした。
この樹脂ワニスを実施例1と同様、ガラスクロスに含浸し、60℃の乾燥器で溶剤を揮散させた。熱硬化は120℃で3hr加熱し、150℃で1hrプレス成型して厚さ120μmのハイブリッドシートを得た。実施例1と同様に測定したハイブリッドシートの全光線透過率は85%、ハイブリッド樹脂の屈折率は1.53であった。
(比較例1)
ビスフェノールA型グリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコート828」、エポキシ当量190g/eq)16gをテトラヒドロフラン16gに溶解し樹脂溶液とした。次にメトキシポリシロキサン(多摩化学工業(株)製、商品名「Mシリケート51」)12g、3―グリシドキシプロピルトリエトキシシラン32g、蟻酸の10重量%水溶液5g、テトラヒドロフラン18gを攪拌しながら60℃で3hr還流し、光硬化剤(旭電化工業(株)製、商品名「アデカオプトマーSP−150」)1gおよび樹脂溶液を加えて樹脂ワニスとした。
この樹脂ワニスを実施例1と同様、ガラスクロスに含浸し、60℃の乾燥器で溶剤を揮散させた。熱硬化は120℃で3hr加熱し、150℃で1hrプレス成型して厚さ120μmのハイブリッドシートを得た。実施例1と同様に測定したハイブリッドシートの全光線透過率は75%、ハイブリッド樹脂の屈折率は1.47であった。
本発明のハイブリッドシートは、強度、剛性、靭性、透明性、耐熱性、剛性、ガスバリア性、熱膨張率、複屈折率などに優れているので、タッチパネルや色素増感太陽電池用の透明基板として好適である。

Claims (6)

  1. 金属アルコキシドと熱硬化性樹脂とを構成要素とする有機無機ハイブリッド樹脂を、硬化剤として酸発生剤である光硬化剤又は熱硬化剤を添加し、溶剤で希釈し、粘度調整した樹脂ワニスをガラスクロスに含浸し、溶剤を揮散させた後、熱または光により硬化させてなるハイブリッドシートであって、該有機無機ハイブリッド樹脂の硬化後の屈折率(n)と該ガラスクロスを構成するガラスの屈折率(n)とが、
    −0.05≦n≦n+0.05
    の関係にある、厚さ50μm以上の透明ハイブリッドシート。
  2. 前記金属アルコキシドが、シランアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシド及びアルミニウムアルコキシドから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の透明ハイブリッドシート。
  3. 前記金属アルコキシドがシランアルコキシドであって、下記一般式(1)で表されるシラン化合物および/またはこれらの部分縮合物、またはこれらと下記一般式(2)で表される反応性シラン化合物との混合物であることを特徴とする請求項1記載の透明ハイブリッドシート。
    (R−Si−(OR4−x (1)
    (R−Si−(OR4−y (2)
    式中、RはCHまたはC、RはCHまたはC、xは0〜2、Rは前記熱硬化性樹脂と加熱により反応し結合形成する官能基を有する有機鎖、yは1または2
  4. 前記有機無機ハイブリッド樹脂が、フルオレン基を含有する樹脂を少なくとも1種類及び/または下記一般式(3)で表される金属アルコキシドを少なくとも1種類含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明ハイブリッドシート。
    (C−Si−(OR4−z (3)
    式中、RはCHまたはC、zは1または2
  5. 前記フルオレン基を含有する樹脂が、フルオレン基含有エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項4記載の透明ハイブリッドシート。
  6. ガラスクロスがEガラスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明ハイブリッドシート。
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