JP4635742B2 - 撮像装置および撮像プログラム - Google Patents
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Description
また一方、特許文献1には、撮像素子に捉えられた被写体の像に基づいて、被写体の顔の向きを認識し、被写体の顔の向きが特定の方向(例えば、カメラに対して正面)を向いたときに被写体の撮影を行う技術が開示されている。
しかしながら、従来のオートフォーカス技術では、レリーズボタンを押すタイミングは、結局は撮影者に任されている。したがって、レリーズボタンの半押し操作によってフォーカス動作を起動することにより、被写体にピントが合った状態が維持されているとはいっても、被写体が画面のどこにどの程度の大きさで捉えられた状態で撮影されるか、つまり、満足のできる構図で撮影できるか否かは、やはり、撮影者の技量にかかっている。
したがって、運動会で走っている子供や動物、レース中の車のような幅広い被写体を、良好な構図でしかも適切にピントを合わせて撮影するためには、依然として高度な撮影技術が必要とされるという事実には変わりはなかった。つまり、初心者がこれらの被写体を撮影することは、オートフォーカス技術などの適用の有無にかかわらず、非常に困難であった。
本件開示の第1の撮像装置は、撮像手段に捉えられた被写体の像について、少なくともその位置の変化を観測する観測手段と、前記観測手段によって得られた観測結果に基づいて、前記被写体の動きを解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果に基づいて、前記被写体を所望の撮影条件で撮影可能となる撮影タイミングを予測する予測手段と、前記予測手段によって予測された撮影タイミングで前記撮像手段に捉えられた前記被写体の像の撮影処理を実行する撮影制御手段とを備え、前記撮影制御手段は、前記解析手段によって得られた解析結果に基づいて、前記予測手段で得られる撮影タイミングに関する予測精度を推定する精度推定手段と、前記精度推定手段によって得られた予測精度に基づいて、前記撮影タイミングを含む所定の時間において少なくとも1回の撮影タイミング候補を設定して、撮影処理の実行に供するタイミング設定手段とを備える。
(第1の実施形態)
図1に、本発明にかかわる撮像装置の第1の実施形態を示す。
図1に示した撮像処理部210において、光学系211によってCCDなどの撮像素子212上に被写体の像が形成され、この撮像素子212の出力信号を信号処理部213によって処理することにより、光学系211の視野に捉えられた被写体の像を表す画像データが例えば所定の時間間隔で生成され、メモリ214に一時的に保持される。また、図1に示した自動焦点制御部215は、撮影制御部220からの指示に応じて、このメモリ214に保持された画像データあるいは測距部(図示せず)による被写体までの距離に関する測定結果に基づいて光学系211を操作し、被写体にピントが合った状態を維持する。
このようにして得られた像面速度に基づいて、予測処理部218は、被写体の像面位置が標準的なシーンの撮影において最適な位置に到達する時刻を推定し(図2(e)参照)、この時刻を撮影タイミングとして出力して撮影制御部220の処理に供する。
図3に、撮像装置の動作を表す流れ図を示す。
利用者により、レリーズボタン(図示せず)が半押しされると(図3のステップ301)、自動露光動作および自動焦点動作が実行され(図3のステップ302)、次いで、図1に示した観測処理部216、動き解析部217および予測処理部218により、上述したようにして、最適な撮影タイミングToを予測する処理が行われ(ステップ303)、予測された撮影タイミングToが撮影制御部220の記録制御部223に渡される。
図4に示した記録制御部223において、精度算出部231は、予測処理部218から上述した撮影タイミングToを受け取るとともに、動き解析部217から像面速度Vsとともに像面速度Vsの算出に用いられた検出時刻T1を受け取り、これらの値を用いて、撮影タイミングToの予測精度Aoを求める(図3のステップ304)。
なお、式(1)の分母に像面加速度αに関する項を追加することも可能である。
このようにして得られた予測精度Aoは、図4に示した判定処理部232において、予め決定された閾値Atと比較される(図3のステップ305)。
予測精度Aoが閾値Atよりも小さいとされた場合に(ステップ305の否定判定)、判定処理部232は、予測された撮影タイミングToにおける撮影では必ずしも最適な撮影条件を満たす画像が得られないと判断し、複数の候補画像を撮影する処理を開始する。
これに応じて、タイミング制御部233は、タイマ234の機能を利用して、撮影タイミングToを中心として候補数Nと撮影間隔Trの積に相当する長さの期間にN個の撮影タイミング候補T1〜Tnを設定する。そして、これらの撮影タイミング候補T1〜Tnで示される時刻が到来するごとに、タイミング制御部233により、撮影処理の実行を指示する撮影指示が撮像処理部210を宛先として送出され、これに応じて、撮像処理部210による撮影処理が行われる(図3のステップ309)。
このようにして、予測精度が低い場合に、複数の撮影タイミング候補において、それぞれ候補画像を取得することにより、たとえば、高速で走行する車両や目の前を走り抜ける動物のように、極端に動きの激しい被写体についても、確実に最適な瞬間を捉えた画像を得て、記録媒体222に記録することができる。
一方、予測精度Aoが閾値Atよりも大きいとされた場合に(ステップ305の肯定判定)、判定処理部232は、予測された撮影タイミングToにおける撮影で確実に最適な撮影条件を満たす画像が得られると判断する。この場合に、判定処理部232からの指示に応じて、タイミング制御部233により、撮影タイミングToにおいて、単一の撮影指示が撮像処理部210に送出され、撮像処理部210による撮影処理が、この撮影タイミングToにおいて自動的に実行される(ステップ306)。この撮影処理によってメモリ214に書き込まれた画像データは、読出処理部235によって読み出され、そのまま選択処理部236を介して書込処理部221に渡されて、記録媒体222に記録され(ステップ308)、自動レリーズ機能を利用した撮影処理が終了する。
また、上述したステップ305において予測精度Aoが閾値Atよりも低いとされた場合であって、予測された撮影タイミングToまでの猶予時間に余裕がある場合に、観測処理部216、動き解析部217および予測処理部218による撮影タイミングの予測処理を再度実行させることも可能である。
(第2の実施形態)
図5に、本発明にかかわる撮像装置の第2の実施形態を示す。
このとき、抽出処理部237は、背景以外のピントが合っている全ての像をまず抽出し、これらの像の中から、最も面積の大きい像を主要な被写体の像として選択することにより、主要な被写体の像を抽出することができる。
例えば、図6(a)〜(d)に示すような画像データが得られた場合に、抽出処理部237により、まず、これらの画像データにおいて白抜きで示した被写体の像の部分およびこの部分が画面において占める位置にかかわる情報が像面位置検出部238にそれぞれ渡される。これらの情報に基づいて、像面位置検出部238により、例えば被写体の像の重心位置を求める処理を行うことにより、図6(e)に符号Pa〜Pdを付して示すように、各画像データに対応する時刻における被写体の像面位置を求めることができる。
なお、この場合に、上述した観測処理部216における被写体の顔の向きに関する観測精度を含めて撮影タイミングの予測精度を評価することにより、被写体の顔を表す画像データの抽出精度や向き判別処理に関する判別精度に応じて、適切な数の候補画像を取得して、最適な画像データの選択処理に供することができる。
ところで、上述した観測処理部216、動き解析部217、予測処理部218および記録制御部223によって果たされる各機能は、これらの機能に必要な処理を計算機によって実行させるプログラムを撮像装置に搭載されるマイクロプロセッサに実行させることで実現することができる。したがって、上述した自動レリーズ機能は、新規に製品化される撮像装置のみに限らず、マイクロプロセッサのファームウェアを更新するなどの保守作業によって上述した各部の機能に関するプログラムを追加することにより、既に利用者の手元に渡っている撮像装置に適用することも可能である。
このような特徴は、一般的な利用者にとってはシャッタチャンスがつかみにくいというディジタルカメラの弱点を一挙に解消することができるので、幅広い層に大きく利用者の裾野を広げたディジタルカメラ分野において、極めて有用な特徴である。
Claims (7)
- 撮像手段に捉えられた被写体の像について、少なくともその位置の変化を観測する観測手段と、
前記観測手段によって得られた観測結果に基づいて、前記被写体の動きを解析する解析手段と、
前記解析手段による解析結果に基づいて、前記被写体を所望の撮影条件で撮影可能となる撮影タイミングを予測する予測手段と、
前記予測手段によって予測された撮影タイミングで前記撮像手段に捉えられた前記被写体の像の撮影処理を実行する撮影制御手段とを備え、
前記撮影制御手段は、
前記解析手段によって得られた解析結果に基づいて、前記予測手段で得られる撮影タイミングに関する予測精度を推定する精度推定手段と、
前記精度推定手段によって得られた予測精度に基づいて、前記撮影タイミングを含む所定の時間において少なくとも1回の撮影タイミング候補を設定して、撮影処理の実行に供するタイミング設定手段とを備えた
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記タイミング設定手段によって設定された少なくとも1回の撮影タイミング候補において撮影された画像データと前記所望の撮影条件にかかわる判定条件とに基づいて、少なくとも一つの画像データを抽出する抽出手段を備えた
ことを特徴とする撮像装置。 - 撮像手段に捉えられた被写体の像について、少なくともその位置の変化を観測する観測手段と、
前記観測手段によって得られた観測結果に基づいて、前記被写体の動きを解析する解析手段と、
前記解析手段による解析結果に基づいて、前記被写体を所望の撮影条件で撮影可能となる撮影タイミングを予測する予測手段と、
前記予測手段によって予測された撮影タイミングで前記撮像手段に捉えられた前記被写体の像の撮影処理を実行する撮影制御手段とを備え、
前記観測手段は、
前記撮像手段に捉えられた少なくとも一つの被写体の像について、被写体の顔を表す画像データを抽出する顔抽出手段と、
前記顔抽出手段によって抽出された画像データを解析して、前記被写体の顔の向きを判別し、判別結果を観測結果の一部として出力する向き判別手段とを備え、
前記解析手段は、
前記観測手段によって得られる観測結果に含まれる前記被写体の顔の向きに関する判別結果に基づいて、前記被写体の顔の向きに関する動きの特徴を抽出し、解析結果の一部として出力する特徴抽出手段を備え、
前記予測手段は、
前記特徴抽出手段によって抽出された動きの特徴に基づいて予測される、前記被写体の顔の向きが前記撮影条件にかかわる判定条件を満たすタイミングと、前記被写体の位置が前記撮影条件にかかわる判定条件を満たすことが予測されるタイミングとに基づいて撮影タイミングを決定する
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項3に記載の撮像装置において、
前記予測手段は、設定されたシーンに応じて、被写体の位置と被写体の顔の向きとのいずれかを優先して撮影タイミングを決定する
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項3および請求項4のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記予測手段は、前記被写体の位置の変化が所定の閾値よりも小さい場合に、前記被写体の顔の向きが前記撮影条件にかかわる判定条件を満たすことが予測されるタイミングを撮影タイミングとする
ことを特徴とする撮像装置。 - 撮像手段に捉えられた被写体の像の位置および大きさの変化に基づいて、前記被写体の動きを観測し、
前記観測手順によって得られた観測結果に基づいて、前記被写体の動きを解析し、
前記解析手順による解析結果に基づいて、前記被写体を所望の撮影条件で撮影可能となる撮影タイミングを予測し、
前記予測手順によって予測された撮影タイミングで前記撮像手段に捉えられた前記被写体の像の撮影処理を実行し、
前記撮影を実行する際に、
前記解析によって得られた解析結果に基づいて、前記予測された撮影タイミングに関する予測精度を推定し、
前記推定によって得られた予測精度に基づいて、前記撮影タイミングを含む所定の時間において少なくとも1回の撮影タイミング候補を設定して、撮影処理の実行に供する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする撮像プログラム。 - 撮像手段に捉えられた被写体の像の位置および大きさの変化に基づいて、前記被写体の動きを観測し、
得られた観測結果に基づいて、前記被写体の動きを解析し、
前記被写体の動きの解析結果に基づいて、前記被写体を所望の撮影条件で撮影可能となる撮影タイミングを予測し、
予測された撮影タイミングで前記撮像手段に捉えられた前記被写体の像の撮影処理を実行し、
前記被写体の動きを観測する際に、
前記撮像手段に捉えられた少なくとも一つの被写体の像について、被写体の顔を表す画像データを抽出し、
抽出された画像データを解析して、前記被写体の顔の向きを判別し、判別結果を観測結果の一部として出力し、
前記被写体の動きを解析する際に、
前記観測結果に含まれる前記被写体の顔の向きに関する判別結果に基づいて、前記被写体の顔の向きに関する動きの特徴を抽出し、解析結果の一部として出力し、
前記撮影タイミングを予測する際に、
抽出された前記被写体の顔の向きに関する動きの特徴に基づいて予測される、前記被写体の顔の向きが前記撮影条件にかかわる判定条件を満たすタイミングと、前記被写体の位置が前記撮影条件にかかわる判定条件を満たすことが予測されるタイミングとに基づいて撮影タイミングを決定する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする撮像プログラム。
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