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JP4629414B2 - 注出補助部材およびその注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋 - Google Patents

注出補助部材およびその注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋 Download PDF

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Description

本発明は、注出補助部材およびその注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋に関し、更に詳しくは、袋の注出口部に貼着することにより、注出口部の開口性とその保形性を向上させ、また、注出口部の折れ曲がりなどによる閉塞を防止し、袋に充填された内容物の注出を容易にできる注出補助部材を袋の注出口部に貼着して内容物の注出適性を向上させた注出口部付き袋に関する。
従来、液状などの流動性を有する内容物を密封包装し、内容物を使用する際に、ボトルなどの他の容器に移し替えて使用するような詰め替え用の容器としては、内容物の他の容器への移し替えを容易に且つ安全に行えると同時に、安価で空容器が嵩張らず使用後の廃棄処理なども容易に行えることが望ましく、簡単なものでは、例えば、積層フィルムをヒートシールして形成した平袋や自立袋などの袋の周縁の一部に、外周をヒートシールしてなる狭い幅の注出口部を設けた袋が使用されてきた。
しかし、このような注出口部付き袋は、安価で生産性に優れる点では好ましいが、注出口部の開口性や開口部の保形性が悪く、内容物注出の途中などで注出口部が閉塞しやすく、内容物の注出適性の点では劣る問題があった。
このような問題を解決するために種々改善策が研究され、注出口部の開口性や開口部の保形性など、内容物の注出適性を改善した袋が提案されている。
具体例として、例えば、(1)袋の注出口部のフィルム材料に流路を形成するための溝状の窪みを設け、その溝状の窪みにプラスチック製などの小管を固定して、流路が潰れるのを防止すると共に、前記小管を通して中味を空にできるようにした袋がある(特許文献1参照)。
また、(2)パウチの上部の一部に注出口部を設け、その注出口部の内面に、装着時は偏平な形状で、使用時に筒状に起こして注出口部を開口できる補強部材を装着した詰め替え用パウチがある(特許文献2参照)。
特開平5−132069号公報(第2頁〜第3頁、図1) 特開平11−79195号公報(第2頁〜第7頁、図1、図3)
前記(1)に記載された発明の袋によれば、注出口部のフィルム材料に、流路として溝状の窪みを設け、その窪みにプラスチックの成形体などによる小管を固定しているので、小管は硬さがあり、確実に流路が潰されるのを防止できると共に、その小管を通して袋に充填された内容物を注出することができる。
しかし、このような袋でも、その製造の際、注出口部のフィルム材料に深絞り成形などで溝状の窪みを設け、その中に前記小管を挿入してスポット溶接などで固定しているので、製造の工程数が増し、製造装置が複雑になると同時に生産速度も抑制される。また、前記小管は、円筒状で硬さがあり、その外径が5mm程度以上は必要となるため、袋の注出口部のみが嵩張り、空袋の取り扱いや保管が厄介になるほか、内容物を充填する際の充填シール機における空袋の供給装置についても特別な装置が必要となり、全体として設備費の増大と生産速度の抑制などコストアップの要因が多く、更に品質面においても小管が硬いため、その端部で袋のフィルム材料が傷つけられやすいという問題があった。
また、前記(2)に記載された発明の詰め替え用パウチによれば、パウチの上部の一部に注出口部を設け、その注出口部の内面に、装着時は偏平な形状で、使用時に筒状に起こして注出口部を開口できる補強部材を装着しているので、その補強部材を、プラスチック等の剛性シートを用いて、図3のA−1、B−1、C−1に示したように加工することにより、この状態では偏平であり、この補強部材を注出口部の内面に所定の部分で貼着しておいて、使用時に、例えば両側から中心部に向けて押圧することにより、それぞれ図3のA−2、B−2、C−2に示したように角形に起こされ、注出口部を保形性よく角筒状に開口させることのできる詰め替え用パウチとすることができる。
しかし、このような詰め替え用パウチでも、製造後、保存日数が数カ月以上の長期になると、徐々に補強部材の起こしトルクが高くなり、使用時に注出口部を角筒状に起こしにくくなる問題があり、必ずしも満足できるものではなかった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、液状などの流動性を有する内容物を密封包装し、内容物を使用する際には、ボトルなどの他の容器に移し替えて使用される注出口部付き袋の分野において、袋の注出口部に貼着することにより、特に注出口部を嵩張らせることがなく、注出口部の開口性とその保形性を経時的にも安定して向上させることができ、また、注出口部の折れ曲がりなどによる閉塞も防止でき、袋に充填された内容物の注出を確実に容易にできる注出補助部材と、その注出補助部材を袋の注出口部に貼着して内容物の注出適性を向上させた注出口部付き袋を生産性よく提供することである。
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、長尺のテープ基材の一方の面の少なくとも片側の端縁部に凸条が設けられた注出補助部材が、適宜の長さに切断されて前記凸条を設けていない面で、袋の一端に設けられた注出口部の内面に貼着されていることを特徴とする注出口部付き袋からなる。
前記注出補助部材は、袋の注出口部に貼着が可能で、貼着後、注出口部を開封して筒状に開口させた時、注出口部の開口に沿って樋状に湾曲可能なものであれば、その材質は特に限定はされないが、製造を容易に行うためには、プラスチックの単体または積層体で形成することが好ましい。
前記注出補助部材の幅、即ち、前記テープ基材の幅は、その注出補助部材を貼着する袋の注出口部の幅に対応して、注出口部の幅の中に収まる範囲で適宜に決定することができる。
前記テープ基材の少なくとも片側の端縁部に設ける凸条は、第1の目的は注出口部の両面の積層フィルムなどの壁面フィルムの間隔を離して密着を防ぎ、注出口部を筒状に開口させる際の開口を容易にするために設けるものであり、他の目的は注出補助部材の流れ方向の剛性を高めて、これが貼着された注出口部の基部近辺での折れ曲がりによる閉塞を防止するために設けるものである。
従って、前記凸条は、前記目的を達成できるものであれば任意の形状に設けることができる。仮にその断面形状を矩形状とした時、その幅と高さは、幅が1〜2mmの範囲で、高さが1〜3mm程度の範囲が適当である。
請求項2に記載した発明は、前記テープ基材に、その長手方向の中心線に沿って、筋押しまたは薄肉部による折り曲げ線が設けられていることを特徴とする請求項1記載の注出補助部材からなる。
請求項3に記載した発明は、前記テープ基材が2層以上の積層体で形成され、袋の注出口部に貼着される側の面が、熱接着性樹脂の層で形成され、もう一方の面が該熱接着性樹脂よりも融点の高い樹脂の層で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の注出補助部材からなる。
請求項4に記載した発明は、前記注出補助部材が着色されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の注出補助部材からなる。
請求項に記載した発明は、前記注出口部の開封位置に易開封性手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の注出口部付き袋からなる。
前記易開封性手段としては、印刷による切り取り線や、文字、記号などの開封を指示する表示のほか、ノッチ、ハーフカット線などがあり、これらの何れかを単独で使用してもよいが、例えば、印刷による切り取り線とノッチとハーフカット線など、複数を組み合わせて用いることが更に好ましい。
請求項に記載した発明は、前記袋が、スタンディングパウチ形式の袋で、前記注出口部が該袋の上部の一方のコーナー部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の注出口部付き袋からなる。
前記スタンディングパウチ自体は、既に周知であるが、袋の底部を前後の壁面フィルムの下部の間に底面フィルムを内側に折り返して挿入してなるガセット部を有する形式で形成し、内側に折り込まれた底面フィルムの両側の下端近傍には半円形などの底面フィルム切り欠き部を設けておいて、前記ガセット部を内側が両側から中央部にかけて湾曲線状などに凹状となる船底形のシールパターンの底部シール部でヒートシールして形成し、袋の胴部は、前後の壁面フィルムの両側の端縁部を所定幅の側部シール部でヒートシールして形成するものである。
そして、請求項に記載した発明は、少なくとも前記注出口部に外側に膨らむエンボス部が設けられ、該エンボス部の内側の面に前記注出補助部材が貼着されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の注出口部付き袋である。
請求項1に記載した発明によれば、袋の注出口部に貼着して用いる注出補助部材を、長尺のテープ基材と、該テープ基材の両側の端縁部のうち、少なくとも片側の端縁部に設けられた凸条とで形成しているので、この注出補助部材を、例えば、積層フィルムで作製された袋の注出口部の内面に、その先端側の開封位置から袋の内部側に向けて適宜の長さに切断して貼着することにより、注出口部の両面の積層フィルムが前記凸条により離され、密着することがないため、注出口部を先端側の開封位置で開封した際、容易に注出口部を筒状に開口させることができる。
また、前記注出補助部材は、その流れ方向の剛性は前記凸条により高められるが、幅方向の剛性は低いため、注出口部を筒状に開口させた時、その筒状の開口部に沿って容易に樋状に湾曲し、開口部の保形性を向上させると同時に、安定した通液路を形成させ、内容物の注出を一層容易にすることができる。
更に、前記注出補助部材は、その流れ方向の剛性が前記凸条により高められているので、これを袋の注出口部に貼着する際、注出口部の先端側の開封位置から袋の内部側に向けて、注出口部の基部よりも更に10〜30mm程度袋の内部側に伸びる長さで注出補助部材を貼着することにより、袋に充填された内容物の注出の際、途中で注出口部がその基部近辺で折れ曲がって、注出口部が閉塞されることも防止することができる。
請求項2に記載した発明によれば、請求項1に記載した発明の注出補助部材の構成において、前記テープ基材に、その長手方向の中心線に沿って、筋押しまたは薄肉部による折り曲げ線が設けられた構成としているので、請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、この注出補助部材が貼着された袋の注出口部を、その先端側の開封位置で開封して、注出口部を筒状に開口させる際、注出補助部材が前記折り曲げ線により一層容易に外側に折り曲げられ、袋の注出口部を一層容易に筒状に開口させることができる。
請求項3に記載した発明によれば、請求項1または2に記載した発明の注出補助部材の構成において、前記テープ基材が2層以上の積層体で形成され、袋の注出口部に貼着される側の面が、熱接着性樹脂の層で形成され、もう一方の面が該熱接着性樹脂よりも融点の高い樹脂の層で形成された構成としているので、請求項1または2に記載した発明の作用効果に加えて、この注出補助部材を袋の注出口部に貼着する際、加熱圧着による熱接着方式を採用できるため、強固に且つ生産性よく貼着することができる。
また、前記テープ基材の袋の注出口部に貼着される側の面と反対側の面が、注出口部に貼着される側の面の熱接着性樹脂よりも融点の高い樹脂の層で形成されているので、より高温での熱接着が可能となり、注出補助部材の熱接着を一層高速で行えるようになる。
請求項4に記載した発明によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載した発明の注出補助部材の構成において、前記注出補助部材が着色された構成としているので、請求項1乃至3のいずれかに記載した発明の作用効果に加えて、この注出補助部材を袋の注出口部に貼着した後、その貼着の有無や位置不良などを光学的手段により検知し、不良品の除去を自動的に行うことも可能となるので、この注出補助部材を貼着した注出口部付き袋の注出補助部材に係る品質管理を一層確実に行えるようになる。
請求項に記載した発明によれば、請求項5に記載した発明の注出口部付き袋の構成において、前記注出口部の開封位置に易開封性手段を設けた構成としているので、請求項5に記載した発明の作用効果に加えて、この注出口部付き袋に充填された内容物を使用する際、注出口部の開封位置に設けられた易開封性手段を利用して、正しい位置で容易に注出口部を開封することができる。
請求項に記載した発明によれば、請求項5または6に記載した発明の注出口部付き袋の構成において、前記袋が、スタンディングパウチ形式の袋で、前記注出口部を該袋の上部の一方のコーナー部に設けた構成としているので、請求項5または6に記載した発明の作用効果に加えて、袋に優れた自立性が付与され、その取り扱いが容易になると共に、外観にも優れ、内容物をコンパクトに包装することができる。
また、前記注出口部を該袋の上部の一方のコーナー部に設けているので、内容物の注出操作を容易にできると同時に、袋の上部のうち、注出口部を設けていない部分を内容物の充填口に使用できるので、内容物の充填も容易に行うことができる。
請求項に記載した発明によれば、請求項5乃至7のいずれかに記載した発明の注出口部付き袋の構成において、少なくとも前記注出口部に外側に膨らむエンボス部が設けられ、該エンボス部の内側の面に前記注出補助部材を貼着した構成としているので、請求項1乃至6のいずれかに記載した発明の作用効果に加えて、注出口部に注出補助部材を貼着する際、位置ずれを生じることがなく、所望の位置に一層容易に注出補助部材を貼着することができる。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図6は、それぞれ注出補助部材の一実施例の構成を示す拡大図であり、各図において、(イ)は、模式平面図で、(ロ)は、(イ)のA−A線の模式断面図である。
図7〜図9は、それぞれ注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋の一実施例の構成を示す模式平面図である。
また、図10の(イ)、(ロ)は、それぞれ注出補助部材を袋の注出口部に貼着する際の異なる貼着形状の例を示す要部の模式平面図である。
図11の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)は、それぞれ図10の(イ)のA−A線の拡大断面図であり、注出補助部材の注出口部への貼着例を示す図である。
但し、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの図面に限定されるものではない。
図1に示した注出補助部材50a は、長尺で所定幅のテープ基材51の一方の面の両側の端縁部のうち、片側(図において右側)の端縁部に凸条52a を設けて構成したものである。
図2に示した注出補助部材50b は、長尺で所定幅のテープ基材51の一方の面の両側の端縁部のうち、片側(図において右側)の端縁部に凸条52a を設けると共に、テープ基材51の幅方向の中央部にその流れ方向に沿って筋押しによる折り曲げ線53を設けて構成したものである。
図3に示した注出補助部材50c は、前記図2に示した注出補助部材50b の構成において、テープ基材51の幅方向の中央部にその流れ方向に沿って設けた筋押しによる折り曲げ線53のみを薄肉部による折り曲げ線54に変更して構成したものであり、その他の構成は全て前記図2に示した注出補助部材50b と同様に形成して構成したものである。 尚、前記薄肉部による折り曲げ線54は、図3では(ロ)に示すように、テープ基材51の凸条52a が設けられた面と反対側の面が凹状に切り欠かれて形成された形状で示したが、これに限定はされず、テープ基材51の凸条52a が設けられた側の面が凹状に切り欠かれて形成された形状であってもよい。
図4に示した注出補助部材50d は、長尺で所定幅のテープ基材51の一方の面の両側の端縁部に凸条52a 、52b を設けて構成したものである。
図5に示した注出補助部材50e は、長尺で所定幅のテープ基材51の一方の面の両側の端縁部に凸条52a 、52b を設けると共に、テープ基材51の幅方向の中央部にその流れ方向に沿って筋押しによる折り曲げ線53を設けて構成したものである。
図6に示した注出補助部材50f は、前記図5に示した注出補助部材50e の構成において、テープ基材51の幅方向の中央部にその流れ方向に沿って設けた筋押しによる折り曲げ線53のみを薄肉部による折り曲げ線54に変更して構成したものであり、その他の構成は全て前記図5に示した注出補助部材50e と同様に形成して構成したものである。 この場合も薄肉部による折り曲げ線54は、図3に示した注出補助部材50c で説明したと同様に、テープ基材51の凸条52a 、52b が設けられた側の面が凹状に切り欠かれて形成された形状であってもよい。
本発明において、前記のような注出補助部材は、長尺の巻き取り状に作製しておいて、袋の注出口部に貼着する際に、巻き取りから引き出しながら必要な長さに切断して貼着することが好ましい。このような方法を採ることにより、袋の製袋とインラインで注出補助部材を袋の注出口部に貼着することができるので、注出補助部材が貼着された注出口部付き袋を生産性よく製造することができる。
注出補助部材を袋の注出口部に貼着する方法は、ホットメルト接着剤などの接着剤を用いて貼着することもできるが、ヒートシール方式などの熱接着方式で貼着することが接着の安定性および生産性の両面で優れる点で一層好ましい。
また、注出補助部材は、特に限定はされないが、異形押し出し成形法などにより生産性よく製造することができる。その場合、前記テープ基材と凸条の全体を単一の樹脂で形成してもよいが、例えば、テープ基材を2層以上の多層で形成することがより好ましい。
特に、注出補助部材を熱接着方式で袋の注出口部に貼着する場合には、注出補助部材の袋の注出口部に熱接着される側の面、即ち、前記テープ基材の凸条を設けていない側の面を袋の注出口部に熱接着可能な樹脂の層で形成し、その反対側の面、即ち、前記テープ基材の凸条を設けた側の面を前記熱接着可能な樹脂よりも融点の高い樹脂の層で形成することにより、一層高い温度での熱接着が可能となるので、袋の注出口部への注出補助部材の貼着速度を高めることができる。
注出補助部材のテープ基材と凸条の全体を単一の樹脂で形成し、熱接着方式で袋の注出口部に貼着する場合、その樹脂としては、袋の貼着面(通常はシーラント層)の材質に応じて、それに熱接着可能な樹脂を選定するが、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンのほか、エチレン共重合体やプロピレン共重合体などを使用することができる。
これらのうち、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン共重合体を用いた場合は、耐熱性に優れているので、注出口部付き袋に内容物を密封した後、レトルト処理を施すような用途にも使用することができる。
また、前記テープ基材を2層以上の多層で形成する場合の具体例として、2層で形成する場合は、例えば、袋の注出口部に熱接着される側の面を低密度ポリエチレンの層で形成し、もう一方の面を中密度ポリエチレンの層で形成することができる。また、3層で形成する場合は、例えば、袋の注出口部に熱接着される側の面を低密度ポリエチレンの層で形成し、その反対側の面をポリプロピレンの層で形成し、中間層は両者の接着性を向上させるプロピレン共重合体などの接着性樹脂の層で形成することができる。
また、テープ基材を多層で形成することにより、注出補助部材を前記品質管理の目的で着色する場合でも、いずれか一層を着色すればよいので全層を着色するよりもコストアップを抑制することができる。着色する色は、光学的に検知できる色であれば特に限定はされないが、青色、赤色などを好適に使用することができる。
次に、図7は、本発明の注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋の第1の実施例の構成を示す模式平面図である。
図7に示した注出口部付き袋100は、前後の壁面フィルム(積層フィルム)1、1′の上下左右四方の端縁部を、上部シール部8と下部シール部13、および側部シール部6a 、6b でヒートシールしてなる四方シール形式の袋において、下部シール部13は内容物の充填口とするため内容物の充填前は未シールの開口部とすると共に、上部の一方のコーナー部(図において左側のコーナー部)を内容物の注出口部10として、その開封位置にハーフカット線11とその両側の端部にノッチ12a 、12b を設け、更に、注出口部10の壁面フィルム1、1′の内側の面に、その中心線Cに沿って、前記開封位置のハーフカット線11から袋100の中心部に向けて、注出補助部材50を注出補助部材貼着部55a 、55b に示すようなパターンで貼着して構成したものである。
尚、上記注出補助部材50としては、前記図1〜図6に示した構成の注出補助部材50a 〜50f のうち、いずれの構成の注出補助部材を用いてもよい。
また、注出補助部材50を注出口部10の壁面フィルム1、1′の内側の面に貼着する際の貼着パターンは、例えば、図1〜図6に示した注出補助部材50a 〜50f の構成においてテープ基材51の略全面で貼着してもよいが、図7の注出補助部材貼着部55a 、55b に示すように、注出口部10の開封位置、即ち、ハーフカット線11に近い部分を除いた領域で、且つ、2本の帯状に分割して貼着することが更に好ましい。
これは注出補助部材をそのテープ基材51の略全面で貼着すると、例えば、注出補助部材50の貼着位置が注出口部10の先端側にずれて、注出補助部材50とハーフカット線11とが交差した場合、ハーフカット線11による開封が注出補助部材50に邪魔されて開封できなくなるが、ハーフカット線11に近い部分を除いた領域で貼着することにより、注出補助部材50の貼着位置が注出口部10の先端側にずれて、注出補助部材50とハーフカット線11とが交差したとしても、数mm程度であれば問題なくハーフカット線11で引き裂いて注出口部10を開封できるためである。また、注出補助部材50の貼着パターンを注出補助部材貼着部55a 、55b のように2本の帯状に分割することにより、注出補助部材のテープ基材51に、その流れ方向の中心線に沿って、前記筋押しによる折り曲げ線53や薄肉部による折り曲げ線54を設けた場合でも、その折り曲げ効果が損なわれることがなくなる。
図8は、本発明の注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋の第2の実施例の構成を示す模式平面図である。
図8に示した注出口部付き袋200は、前記図7に示した注出口部付き袋100の構成において、袋100の上部の一方のコーナー部に設けた注出口部10の位置を、袋の上部の中央部に変更して設けたものであり、そのために、注出口部10の両側と上部の端縁部を注出口部シール部7でヒートシールすると共に、その両側を切り欠いて上方に突出する形状の注出口部10を設け、その注出口部10の先端部近傍の開封位置にハーフカット線11とその両側の端部にノッチ12a 、12b を設け、更に、注出口部10の壁面フィルム1、1′の内側の面に、その中心線Cに沿って、その開封位置、即ち、ハーフカット線11から袋200の中心部に向けて注出補助部材50を注出補助部材貼着部55a 、55b に示すようなパターンで貼着して構成したものである。そして、上記変更点以外は全て前記図7に示した注出口部付き袋100と同様に形成して構成したものである。
また、図9は、本発明の注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋の第3の実施例の構成を示す模式平面図である。
図9に示した注出口部付き袋300は、その胴部と底部がスタンディングパウチ形式、即ち、袋の底部が、前後の壁面フィルム1、1′の下部の間に底面フィルムを内側に折り返して底面フィルム折り返し部2まで挿入してなるガセット部4を有する形式で形成され、内側に折り込まれた底面フィルムの両側下端近傍には、半円形の底面フィルム切り欠き部3a 、3b が設けられ、ガセット部4が、内側が両側から中央部にかけて湾曲線状に凹状となる船底形の底部シール部5でヒートシールされて形成され、袋の胴部が、前後の壁面フィルム1、1′の両側の端縁部を側部シール部6a 、6b でヒートシールして形成されると共に、袋300の上部の一方のコーナー部(図において左側のコーナー部)には、その先端部および両側の側部を注出口部シール部7でヒートシールしてなる先細り形状で斜め外側上方を向く注出口部10が、その両側に切り欠き部9a 、9b が設けられて突出する形状に設けられている。
また、注出口部10の先端部近傍の開封位置には、ハーフカット線11とその上側の端部にノッチ12a が設けられ、更に、注出口部10の壁面フィルム1、1′の内側の面に、その中心線Cに沿って、その開封位置、即ち、ハーフカット線11から袋300の中心部に向けて、注出口部の基部を示す線Bを越える長さに注出補助部材50を注出補助部材貼着部55a 、55b に示されるパターンで貼着して構成したものである。
尚、袋300の上部のうち、注出口部10を設けていない部分は、上部シール部8でヒートシールされるが、この部分は内容物の充填口に使用するため、内容物の充填前は未シールの開口部とし、内容物の充填後にヒートシールするものである。
また、前記ハーフカット線11は、1本のハーフカット線で示したが、開封時に引き裂きラインがハーフカット線から外れた時の対策として、中心のハーフカット線の両側に各1本〜各3本など複数のハーフカット線を平行に、または中心のハーフカット線に収斂する形状に、或いは、複数の平行なハーフカット線とこれに斜めに交差する斜め方向のハーフカット線とを組み合わせた形状などに設けることができる。
このようなハーフカット線を設ける方法は、レーザー光照射による方法がその深さを安定できると共に、複数のハーフカット線を任意のパターンで容易に設けられる点で好ましい。
次に、図10の(イ)、(ロ)は、それぞれ本発明の注出補助部材を袋の注出口部に貼着する際の異なる貼着形状の例を示す要部の模式平面図であり、(イ)に示した注出口部付き袋300a は、前記図9に示した注出口部付き袋300の構成において、袋の上部の一方のコーナー部に設けた注出口部10の壁面フィルム1、1′の内側の面に、その中心線Cに沿って注出補助部材50を貼着する前に、図示したように、注出補助部材50と略同形状の外側に膨らむエンボス部Sを設け、そのエンボス部Sの内側の面に注出補助部材50を注出補助部材貼着部55a 、55b に示したパターンで貼着して構成したものである。
このような構成を採ることにより、注出補助部材50を注出口部10の壁面フィルム1、1′の内側の面に貼着する際の位置ずれを防止できると共に、注出補助部材50の特に凸条52a 、52b の高さが比較的高い場合でも、注出口部シール部7をヒートシールする際、フィルムが引っ張られることがなくなり、この部分にしわが発生することもなくヒートシールの安定性を向上させることができる。
また、図10の(ロ)に示した注出口部付き袋300b は、前記図9に示した注出口部付き袋300の構成において、袋の上部の一方のコーナー部に設けた注出口部10の壁面フィルム1、1′の内側の面に、その中心線Cに沿って注出補助部材50を貼着する際、注出補助部材50の長さを、注出口部10の開封位置、即ち、ハーフカット線11から注出口部の基部を示す線Bまでの長さに短くして注出補助部材貼着部55a 、55b にしめしたパターンで貼着して構成したものである。
このような構成を採った場合、注出口部付き袋300b に充填された内容物を注出する際、注出口部10の基部近辺で注出口部10が折れ曲がって注出口部10が閉塞するのを防止する効果は得にくくなるが、注出口部10を筒状に容易に且つ保形性よく開口させる効果は充分に得られるので、基本的な内容物の注出適性の向上効果は充分に得ることができる。
図11の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)は、それぞれ前記図10の(イ)のA−A線の拡大断面図であり、注出補助部材の注出口部への貼着例を示す図である。
図11の(イ)は、注出口部10の両面の壁面フィルム1、1′のうち、片面の壁面フィルム1に外側に膨らむエンボス部Sを設け、その内側に前記図4に示した構成の注出補助部材50d を挿入して貼着した例を示す図である。
この場合、図示したA−A線の断面部では、注出補助部材50d は、壁面フィルム1の内側の面に貼着されておらず、エンボス部Sの内部に収納された状態である。
このように注出口部付き袋300a 〔図10の(イ)参照〕の注出口部10に注出補助部材50d を貼着することにより、注出口部10の両面の壁面フィルム1、1′の間には注出補助部材50d により確実に空隙部が形成されるので、袋300a に充填された内容物を注出する際、注出口部10の先端部をハーフカット線11に沿って開封することにより、自動的に注出口部10が開口し、次いで、両側の注出口部シール部7を中心部に向けて両側から押圧することにより、注出口部10を筒状に容易に開口させることができる。この時、注出補助部材50d は、そのテープ基材51が長手方向に樋状に湾曲するので、筒状に開口した注出口部10の保形性も向上され、最後までスムーズに内容物を注出することができる。
図11の(ロ)は、注出口部10の両面の壁面フィルム1、1′にそれぞれ外側に膨らむエンボス部Sを設け、その内側に前記図4に示した構成の注出補助部材50d をその凸条同士が対向するように挿入して貼着した例を示す図である。
この場合も、図示したA−A線の断面部では、両側の注出補助部材50d は、壁面フィルム1、1′の内側の面に貼着されておらず、それぞれエンボス部Sの内部に収納された状態である。この点は以下の(ハ)、(ニ)に示す図においても同様である。
図11の(ロ)に示したように注出補助部材50d を袋300a の注出口部10に貼着することにより、注出口部10の両面の壁面フィルム1、1′に注出補助部材50d が貼着されているので、注出口部10の両面の壁面フィルム1、1′の間には、前記図11の(イ)の場合よりも更に大きな空隙部が形成され、注出口部10をハーフカット線11で開封することにより、自動的に一層大きく注出口部10が開口する。そして、両側の注出口部シール部7を両側から中心部に向けて押圧することにより、両側の注出補助部材50d が、それぞれ外側に樋状に湾曲するので、注出口部10を円筒状に容易に開口させることができ、また、円筒状に開口した注出口部10の保形性も一層優れたものになり、最後まで一層スムーズに内容物を注出できるようになる。
図11の(ハ)は、注出口部10の両面の壁面フィルム1、1′のうち、片面の壁面フィルム1に外側に膨らむエンボス部Sを設け、その内側に前記図6に示した構成の注出補助部材50f を挿入して貼着した例を示す図である。
このように注出補助部材50f を注出口部10の片側の壁面フィルム1の内側の面に貼着した場合も、図11の(イ)の場合と同様に、注出口部10の両面の壁面フィルム1、1′の間には注出補助部材50f により確実に空隙部が形成されるので、注出口部10をハーフカット線11で開封することにより、自動的に注出口部10が開口する。そして、注出口部10の両側の注出口部シール部7を中心部に向けて両側から押圧することにより、注出口部10を筒状に容易に開口させることができる。この時、注出補助部材50f は、そのテープ基材51の幅方向の中央部にその流れ方向に沿って薄肉部による折り曲げ線54が設けられているのでV字状に外側に折り曲げられ、そのリブ効果により、筒状に開口した注出口部10の保形性も向上され、最後までスムーズに内容物を注出することができる。
図11の(ニ)は、注出口部10の両面の壁面フィルム1、1′にそれぞれ外側に膨らむエンボス部Sを設け、その内側に前記図6に示した構成の注出補助部材50f をその凸条同士が対向するように挿入して貼着した例を示す図である。
このように注出補助部材50f を注出口部10の内側の面に貼着することにより、図11の(ロ)の場合と同様に、注出口部10の両面の壁面フィルム1、1′の間には両側の注出補助部材50f により大きな空隙部が形成されるので、注出口部10をハーフカット線11で開封することにより、自動的に注出口部10が大きく開口する。次いで、注出口部10の両側の注出口部シール部7を中心部に向けて両側から押圧することにより、両側の注出補助部材50f が、その薄肉部による折り曲げ線54でそれぞれV字状に外側に折り曲げられ、注出口部10が角筒状に容易に保形性よく開口され、袋に充填された内容物を最後までスムーズに注出することができる。
また、本発明の注出口部付き袋に用いるフィルムとしては、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられ、簡単な構成では、基材フィルム層にシーラント層を積層した構成の積層フィルムが用いられるが、袋に充填される内容物や、内容物充填後の加熱処理の有無などの使用条件、或いは、水蒸気その他のガスバリヤー性、遮光性、各種の機械的強度など必要とされる性能に応じて、更に上記基材フィルム層とシーラント層との間などに水蒸気その他のガスバリヤー層や、遮光層、強度向上層などを積層した構成の積層フィルムを使用することができる。
上記基材フィルム層や水蒸気その他のガスバリヤー層、遮光層、強度向上層、シーラント層などは、それぞれを単独の層で形成してもよいが、複数の層を積層して形成してもよい。
前記基材フィルム層には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルの二軸延伸フィルムのほか、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのポリアミドの二軸延伸フィルム、そして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどを好適に使用することができる。
これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
前記ガスバリヤー層としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などのフィルムのほか、アルミニウム箔、或いは、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層やPVDCの塗膜層を設けた二軸延伸ナイロンフィルム(ONフィルム)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などを使用することができる。
これらのうち、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着層を設けたフィルムは、不透明であるため遮光層を兼ねることもできる。
前記強度向上層としては、前記基材フィルムのいずれかを適宜追加積層してもよく、二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを防湿層を兼ねて積層することもできる。
前記基材フィルム層とガスバリヤー層、遮光層、強度向上層との積層には、公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
前記シーラント層には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L・LDPE)のほか、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレンまたはその共重合体などを使用することができる。
シーラント層の積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネーション法または押し出しラミネーション法で積層する方法、或いは、上記の樹脂を押し出しコートして積層する方法などを採ることができる。但し、内容物がシーラント層に浸透しやすいものの場合は、ドライラミネーション法で積層することが好ましい。
次に、本発明の注出口部付き袋の製造方法について説明する。
本発明の注出口部付き袋は、先にも説明したように、袋の一端に注出口部を設け、その注出口部に本発明の注出補助部材を貼着貼着したことを特徴とするものであり、袋自体の形式は特に限定はされず、例えば、三方シール形式、四方シール形式などの平パウチ形式の袋のほか、スタンディングパウチ形式の袋など、いずれの形式の袋でもよい。
従って、基本的には採用した形式の袋の製袋機を利用して、これに注出口部を設けるためのヒートシール装置、注出口部の両側に切り欠き部やノッチを設けるための打ち抜き装置、注出口部に前記エンボス部を設けるためのエンボス装置、そして、注出補助部材を貼着するための貼着装置、ハーフカット線を設けるためのレーザー光照射装置などを適宜追加付設することにより、その製袋機を使用して容易に製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
図9に示した構成の注出口部付き袋を作製することとし、以下の構成の積層フィルムと注出補助部材を用いて、以下の寸法で注出口部付き袋を作製して実施例1の注出口部付き袋とした。
(1)壁面用積層フィルム1,1′の構成
(外側)二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONフィルムと記載する)(厚み15μm)/接着剤/アルミニウム蒸着(蒸着厚み400Å)二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、アルミ蒸着PETフィルムと記載する)(厚み12μm)/接着剤/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(以下、L・LDPEフィルムと記載する)(厚み120μm)
(2)底面用積層フィルムの構成
(外側)ONフィルム(厚み15μm)/接着剤/アルミ蒸着PETフィルム(厚み12μm)/接着剤/L・LDPEフィルム(厚み90μm)
上記各フィルムの貼り合わせは、いずれもドライラミネーション法で行ったものであり、各フィルムの間の接着剤は、ドライラミネート用の二液硬化型ポリウレタン系接着剤を使用したものである。
(3)注出補助部材の構成と寸法
注出補助部材は、図4に示した構成で全幅が15mm、テープ基材51は2層構成として、凸条52a 、52b を設けた側の層は中密度ポリエチレン層(厚み120μm)とし、もう一方の層(注出口部に貼着される側の層)は低密度ポリエチレン層(厚み120μm)として総厚みが240μmとなるように形成した。又、両側の端縁部に設けた凸条52a 、52b は、いずれもテープ基材51を含む高さが1.6mmで、幅が1.5mmになるように形成した。
尚、この注出補助部材は、異形共押し出し成形法で作製したものである。
(4)注出口部付き袋の寸法
袋の寸法は、全幅が130mmで、全長が190mm、底部のガセット部4の折り込み長さは38mmとした。
注出口部10は、図示した形状で、その開封位置、即ち、ハーフカット線11を設けた位置の全幅が26mm、ハーフカット線11から注出口部の基部を示す線Bまでの長さが約20mm、そして、注出口部10の先細り角度は38°とした。
尚、前記注出補助部材50d の注出口部10への貼着長さは、注出口部10の開封位置、即ち、ハーフカット線11から注出口部の基部を示す線Bを更に15mm超える位置までの長さで全長は35mmとした。
また、前記注出補助部材50d の注出口部10への貼着は、図11の(イ)に示すように、注出口部10の両面の壁面フィルム1、1′のうち、片面の壁面フィルム1のみに行った。但し、図11の(イ)とはエンボス部Sを設けていない点で異なっている。
前記実施例1の注出口部付き袋の構成において、注出補助部材50d の注出口部10への貼着のみを、図11の(ロ)に示すように注出口部10の両面の壁面フィルム1、1′にその凸条同士が対向するように貼着したほかは、総て実施例1と同様に作製して実施例2の注出口部付き袋とした。
前記実施例1の注出口部付き袋の構成において、注出口部10に貼着した注出補助部材50d のみを、図6に示した構成の注出補助部材50f に変更して貼着した〔図11の(ハ)参照〕ほかは総て実施例1と同様に作製して実施例3の注出口部付き袋とした。
前記実施例1の注出口部付き袋の構成において、注出口部10に貼着した注出補助部材50d を、図6に示した構成の注出補助部材50f に変更すると共に、図11の(ニ)に示すように注出口部10の両面の壁面フィルム1、1′にその凸条同士が対向するように貼着したほかは、総て実施例1と同様に作製して実施例4の注出口部付き袋とした。
(試験およびその結果)
以上のように作製した実施例1、2、3、4の注出口部付き袋の注出適性を評価するため、それぞれの注出口部付き袋に、未シールの上部シール部8から内容物として液体シャンプーを約400ml充填した後、上部シール部8をヒートシールして袋を密封した。
上記のように作製した実施例1、2、3、4の注出口部付き袋による包装体は、いずれも安定した自立性を有し、外観もよく取り扱い性にも優れていた。
また、各包装体に充填された液体シャンプーの注出適性試験を行うため、先ず、各包装体の注出口部10の先端部を摘んでノッチ12a を始点としてハーフカット線11に沿って引き裂いたところ、いずれもハーフカット線11に沿ってきれいに引き裂いて注出口部10を開封することができた。この時、ハーフカット線11に沿って注出補助部材の切断端部が存在していたため、これが引き裂き方向のずれ防止にも寄与したものと考えられる。
そして、注出口部10の開封と同時に、図11の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)で説明したように、いずれの包装体も自動的に注出口部10が開口し、更に、手で注出口部シール部7を両側から中心部に向けて軽く押圧するだけで、容易に注出口部10を筒状に開口させることができた。
特に、実施例2および実施例4の包装体は、注出口部10の両面の壁面フィルム1、1′に注出補助部材が貼着されているので、筒状に開口した開口部の保形性が優れており、安定した筒状の開口部を形成していた。
次いで、開口させた注出口部10を別に用意したボトルの口部(口部の内径は26mm)に差し込んで、充填された液体シャンプーの注出を行ったところ、いずれの包装体も注出の途中で注出口部10が、その基部近辺で折れ曲がって閉塞するようなこともなく、最後までスムーズに液体シャンプーを注出することができ、注出適性に優れていた。
本発明の注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋は、例えば、シャンプー、コンディショナー、ボディーソープ、家庭用液体洗剤、その他液体調味料、食用油、各種の飲料など、液状の内容物を密封包装し、内容物を使用する際に、ボトルなどの他の容器に移し替えて使用するような詰め替え用の包装袋に使用するのに特に適しているが、用途に関しては特に制限はない。
注出補助部材の第1の実施例の構成を示す拡大図であり、(イ)は、その模式平面図、(ロ)は、(イ)のA−A線の模式断面図である。 注出補助部材の第2の実施例の構成を示す拡大図であり、(イ)は、その模式平面図、(ロ)は、(イ)のA−A線の模式断面図である。 注出補助部材の第3の実施例の構成を示す拡大図であり、(イ)は、その模式平面図、(ロ)は、(イ)のA−A線の模式断面図である。 注出補助部材の第4の実施例の構成を示す拡大図であり、(イ)は、その模式平面図、(ロ)は、(イ)のA−A線の模式断面図である。 注出補助部材の第5の実施例の構成を示す拡大図であり、(イ)は、その模式平面図、(ロ)は、(イ)のA−A線の模式断面図である。 注出補助部材の第6の実施例の構成を示す拡大図であり、(イ)は、その模式平面図、(ロ)は、(イ)のA−A線の模式断面図である。 本発明の注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋の第1の実施例の構成を示す模式平面図である。 本発明の注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋の第2の実施例の構成を示す模式平面図である。 本発明の注出補助部材を袋の注出口部に貼着した注出口部付き袋の第3の実施例の構成を示す模式平面図である。 (イ)、(ロ)は、それぞれ本発明の注出補助部材を袋の注出口部に貼着する際の異なる貼着形状の例を示す要部の模式平面図である。 (イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)は、それぞれ図10の(イ)のA−A線の拡大断面図であり、注出補助部材の注出口部への貼着例を示す図である。
符号の説明
1、1′ 壁面フィルム(積層フィルム)
2 底面フィルム折り返し部
3a 、3b 底面フィルム切り欠き部
4 ガセット部
5 底部シール部
6a 、6b 側部シール部
7 注出口部シール部
8 上部シール部
9a 、9b 切り欠き部
10 注出口部
11 ハーフカット線
12a 、12b ノッチ
13 下部シール部
50、50a 、50b 、50c 、50d 、50e 、50f 注出補助部材
51 テープ基材
52a 、52b 凸条
53 筋押しによる折り曲げ線
54 薄肉部による折り曲げ線
55a 、55b 注出補助部材貼着部
B 注出口部の基部を示す線
C 注出口部の中心線
S エンボス部
100、200、300、300a 、300b 注出口部付き袋

Claims (7)

  1. 長尺のテープ基材の一方の面の少なくとも片側の端縁部に凸条が設けられた注出補助部材が、適宜の長さに切断されて前記凸条を設けていない面で、袋の一端に設けられた注出口部の内面に貼着されていることを特徴とする注出口部付き袋。
  2. 前記テープ基材に、その長手方向の中心線に沿って、筋押しまたは薄肉部による折り曲げ線が設けられていることを特徴とする請求項1記載の注出口部付き袋。
  3. 前記テープ基材が2層以上の積層体で形成され、袋の注出口部に貼着される側の面が、熱接着性樹脂の層で形成され、もう一方の面が該熱接着性樹脂よりも融点の高い樹脂の層で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の注出口部付き袋。
  4. 前記注出補助部材が着色されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の注出口部付き袋。
  5. 前記注出口部の開封位置に易開封性手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の注出口部付き袋。
  6. 前記袋が、スタンディングパウチ形式の袋で、前記注出口部が該袋の上部の一方のコーナー部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の注出口部付き袋。
  7. 少なくとも前記注出口部に外側に膨らむエンボス部が設けられ、該エンボス部の内側の面に前記注出補助部材が貼着されていることを特徴とする請求項5乃至のいずれかに記載の注出口部付き袋。
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