JP4628511B2 - トレッドゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はグリップ性能、特に濡れた路面でのグリップ性能(ウェットグリップ性能)、および耐摩耗性を高め、転がり抵抗を低減させて低燃費性を向上させたタイヤトレッドゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の低燃費化の要請に対応して転がり抵抗を低減した低燃費タイヤの開発が進められている。転がり抵抗を低減する技術として、従来トレッドゴムの補強剤として用いられているカーボンブラックを、一部シリカに置換え二律背反する関係にある低燃費性能とウェットグリップ性能の両者の特性のバランスを改善することが行なわれている。
【0003】
しかし、シリカを配合したゴム組成物は、従来のカーボンブラックを配合したものに比べ、未加硫物の粘度上昇が高く焼けやすく、押出し後の寸法安定性がよくないなど、加工性において種々の問題を抱えており、加工性と性能の両面を満足するトレッドゴム組成物が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、係る問題を解決し、ウェットグリップ性能、耐摩耗性の両特性を高めるとともに転がり抵抗を低減させて低燃費性を向上させることができ、しかも加工性の良好なタイヤのトレッドゴム組成物を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スチレン−ブタジエン共重合体のゴム成分に対して特定の水酸化アルミニウムを特定量配合することにより、従来のカーボンブラック配合のゴム組成物と同程度の加工性を維持し、しかもシリカ配合以上の性能を有するトレッドゴム組成物を得るものである。すなわち、本発明はスチレン含有量が20〜60重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体を60重量部以上含むゴム成分100重量部に対して、軽装嵩比重が0.60g/cm3以下であり、DOP吸油量が70cm3/100g以上で250cm3/100g未満であり、BET比表面積が30m2/g以上で350m2/g以下である水酸化アルミニウムを5〜80重量部とBET比表面積が70m2/g以上のカーボンブラックを10〜100重量部配合されてなることをトレッドゴム組成物である。そして前記水酸化アルミニウムの軽装嵩比重が0.10g/cm3以上で0.35g/cm3以下であり、その結晶構造がベーマイト型であること、さらに該ベーマイト(020)面の結晶子径が5nm以上20nm以下であることが望ましい。そして本発明のトレッドゴム組成物は前記水酸化アルミニウムに対し2〜20wt%のシランカップリング剤を配合することが好ましい。さらに本発明は前記トレッドゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のトレッドゴム組成物に使用されるゴム成分は、スチレン含有量が20〜60wt%であるスチレン−ブタジエン共重合体を含む。このスチレン含有量が20wt%未満の場合には、低温領域および高温領域におけるクリップ性は改善されない。また、スチレン含有量が60wt%を超える場合には、ブロック剛性が高くなり路面へのゴムの食い込みが少なく、所定のグリップ力を得ることができない。特にスチレン含有量は30〜45wt%であることが好ましい。このスチレン−ブタジエン共重合体は乳化重合あるいは溶液重合等の方法によって合成される。
【0007】
本発明のゴム組成物に使用される他のゴム成分は、たとえば天然ゴム(NR)、高シス1,4ブタジエンゴム、低シス1,4ブタジエンゴム、前記以外のスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリロブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムなどがある。これらは、単独または2種類以上を混合して用いてもよい。混合する場合の混合比にも特に制限はない。特に加工性、耐摩耗性を改善するためにはNR、BR、SBR、IR、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなどが好ましい。
【0008】
スチレン含有量が上記範囲内であるスチレン−ブタジエン共重合体の配合量は、本発明に使用されるゴム成分中に60重量部以上存在することが好ましい。該スチレン−ブタジエン共重合体の配合量が60重量部未満では低温領域および高温領域におけるグリップ制が改善できない。
【0009】
本発明に用いる水酸化アルミニウムは、JIS H1902に準拠して測定した軽装嵩比重が0.60g/cm3以下であり、好ましくは0.10g/cm3以上で0.35g/cm3以下である。水酸化アルミニウムの軽装嵩比重が0.60g/cm3より高い場合、ゴム組成物の耐摩耗性が著しく低下し、軽装嵩比が低くなりすぎると、水酸化アルミニウムとゴムとを混練するときの混練トルクが上昇して作業性が低下する。
【0010】
さらに本発明に用いる水酸化アルミニウムはJIS K6221に準拠して測定したDOP吸油量が70cm3/100g以上で250cm3/100g未満、好ましくは90cm3/100g以上で150cm3/100g以下である。DOP吸油量が前記範囲を外れる場合、ゴム組成物はその耐摩耗性が低下する。
【0011】
さらに水酸化アルミニウムは、転がり抵抗の低減効果および十分なグリップ性能を有するゴム組成物を得る観点から、窒素吸着法により測定したBET比表面積が30m2/g以上で350m2/g以下、好ましくは30m2/g以上で200m2/g以下、さらに好ましくは100m2/gを超え200m2/g以下である。なお350m2/gを超える場合、水酸化アルミニウムとゴムとを混練するときの混練トルクが上昇して作業性が低下することがある。
【0012】
また、本発明に用いる水酸化アルミニウムは、ゴム組成物の転がり抵抗の低減効果、グリップ性能および耐摩耗性をより向上させる観点から、結晶構造がベーマイト型であることが好ましく、かつベーマイト(020)面の結晶子径が5nm以上で20nm以下であることがさらに好ましい。
【0013】
結晶子径はX線回折装置を用いて得られたプロファイルから、ベーマイトの(020)面のピークについて、RINT2100の「多重ピーク分離」ソフトを用いて各結晶面についてのピークについてガウス分布に基づいてフィッティングを行ない、計算結果の半価幅および重心法によるピーク角を用いて、Scherrerの式により結晶子径を算出した。X線回折の測定条件は次のとおりである。
【0014】
装置:株式会社リガク社製、Rint−2100V
測定条件:Cuターゲット、電圧×電流=40kV×40mA、
スリット:DS1°−SS1°−RS0.3mm
走査モード:連続、Scan Speed=2°/min、Scan Step=0.010°/step
走査軸:2θ/θ
走査範囲:2〜70°、回転速度0rpm
前記水酸化アルミニウムは前記ゴム成分100重量部に対して5〜80重量部、好ましくは5〜60重量部配合する。5重量部未満では添加による転がり抵抗の低減が十分ではなく、また濡れた路面でのグリップ性能改善効果が小さい。80重量部を超えると、ゴム組成物の粘度があがりすぎて加工性が低下するとともに耐摩耗性も低下する。
【0015】
本発明で用いる水酸化アルミニウムの製造方法としては、たとえばアルミニウムアルコキシドを加水分解して水酸化アルミニウムスラリーを得、次いで得られた水酸化アルミニウムスラリーを連続式湿式粉砕機等に通して懸濁液を得、次いで得られた懸濁液をアルカリ性に調整した後、約100℃〜約140℃で約10〜約100時間熱処理した後、気流乾燥機等を用いて乾燥する方法が挙げられる。前記した水酸化アルミニウムの製造方法では、熱処理後の懸濁液を固液分離して固形分(水酸化アルミニウム)と液に分けた後、固形分を水洗して不純物を除去することが好ましい。
【0016】
さらに、本発明のトレッドゴム組成物に配合するカーボンブラックとしては、窒素吸着法によるBET比表面積が70m2/g以上、好ましくは70〜220m2/g、さらに好ましくは70〜200m2/gである。70m2/g未満では、十分な耐摩耗性が取れず好ましくない。なお、ここでBET比表面積はASTMD4820−99法に準拠して求めた。
【0017】
かかるカーボンブラックの配合量は、上記ゴム成分100重量部に対し10〜100重量部、好ましくは30〜100重量部、さらに好ましくは40〜100重量部である。カーボンブラックの重量が10重量部未満であると耐摩耗性に劣り、100重量部を超えるとゴムの粘土が上昇するため加工性が悪化し好ましくない。
【0018】
さらにまた、前記水酸化アルミニウムの補強性を強めるため、水酸化アルミニウムの配合量に対しシランカップリング剤を2〜20wt%添加してもよい。ここで使用できるシランカップリング剤の例としてはビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン等が挙げられ、カップリング剤添加効果とコストの両立からビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが好ましい。
【0019】
本発明のゴム組成物は、シリカ、クレーなど他の充填剤を併用してもよく、その他プロセスオイル、酸化防止剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、ワックスなどの添加剤、また当然ながら硫黄、加硫促進剤などの加硫剤を適宜配合できる。
【0020】
【実施例】
実施例1〜4および比較例1〜7
トレッドゴム組成物およびタイヤの製造は次の方法で行なった。表2に示す配合に基づき、各成分をバンバリーミキサーで混練してゴム組成物を調製し、得られた各組成物について加工性(ムーニー粘度)を評価した。次いで、各ゴム組成物を押出機にてトレッドの形状に押出し、それらを用いて加硫成形し、185/65R14サイズのタイヤを試作した。得られた各タイヤにつき、耐摩耗性、転がり抵抗、グリップ性(ABS制動性能)の評価を行なった。これらの評価結果を表2に示す。
【0021】
なお実施例および比較例に用いた水酸化アルミニウムの製法は次のとおりであり、その仕様を表1に示す。
【0022】
水酸化アルミニウムA(実施例)
アルミニウムアルコキシドを加水分解して得られた水酸化アルミニウム(軽装嵩比重:0.77g/cm3、DOP吸油量:70cm3/100g)376gと水5dm3を混合し、粉体濃度7重量%の懸濁液を調製した。この懸濁液を連続型ビーズミルに通して水酸化アルミニウムを懸濁液中に均一分散させた。分散させた後の懸濁液をステンレス製ビーカーに入れ、1N NaOHを用いて懸濁液のpHを10に調整した。ステンレス製ビーカーに還流装置をつけた後、ステンレスビーカーの中の懸濁液を加熱し、温度100℃で60時間放置した。懸濁液を除冷した後、遠心分離機を用いて固液分離した。次いで、上澄み液を取除き、固形分に水5dm3を加え分散させた後、遠心分離機を用いて固液分離した。得られた固形分に水5dm3を加え分散させて水酸化アルミニウム水スラリーを得、次いで連続型ビーズミルに通した後、気流乾燥機(商品名:フラッシュジェットドライヤー、株式会社セイシン企業製)を用いて乾燥させて水酸化アルミニウムAを得た。
【0023】
得られた水酸化アルミニウムAの物性を表1に示す。
水酸化アルミニウムB(実施例)
アルミニウムアルコキシドを加水分解して得られた水酸化アルミニウム(軽装嵩比重:0.77g/cm3、DOP吸油量:70cm3/100g)376gと水5dm3を混合し、粉体濃度7重量%の懸濁液を調製した。この懸濁液を1NNaOHを用いてpHを10に調整した後、オートクレーブに入れ温度120℃を維持しながら24hr保持した。懸濁液を除冷した後、遠心分離機を用いて固液分離した。次いで、上澄み液を取り除き、固形分に水5dm3を加え分散した後、遠心分離機を用いて固液分離した。得られた固形分に水5dm3を加え分散させて水酸化アルミニウム水スラリーを得、次いで連続型ビーズミルに通した後、気流乾燥機(商品名:フラッシュジェットドライヤー、株式会社セイシン企業製)を用いて乾燥させて水酸化アルミニウムBを得た。
【0024】
得られた水酸化アルミニウムBの物性を表1に示す。
水酸化アルミニウムC(比較例)
2dm3バッフル付きステンレス槽に、塩基性溶液としてアルミン酸ソーダ溶液(ソーダ濃度:Na2O換算125g/dm3、Na2O/Al2O3モル比:1.55)533cm3を、酸性溶液として硫酸アルミニウム水溶液(アルミナ濃度:Al2O3換算で5.3wt%)880cm3を、氷冷しながらホモミクサー(特殊機化工業株式会社製、商品名:T.K.ホモジェッターM型)を用いて速度勾配11000sec-1(速度勾配は、ホモミクサーのタービンの周速x m/secおよび、そのタービンとステータスとのクリアランスy mmから式x/y×103sec-1により導出した。)の条件で攪拌しながら約3分間注入して中和反応を行なった。この後、15分間攪拌を続けて水酸化アルミニウム水スラリーを得た。中和反応時の最高到達温度は15℃であった。
【0025】
得られた水酸化アルミニウム水スラリーを、遠心分離機を用いて固液分離して固形分を得た。得られた固形分に水6dm3を加え分散させて水酸化アルミニウム水スラリーを得、次いで遠心分離機を用いて固液分離する方法を7回繰り返すことによって、水酸化アルミニウムを洗浄した。洗浄後の固形分に水を加え水酸化アルミニウム水スラリーを得、次いで噴霧乾燥機(ニロ社製、商品名:モービルマイナ型、乾燥温度:ドライヤー入口温度250℃、出口温度100℃、アトマイザー圧:0.12MPa)を用いて乾燥させて水酸化アルミニウムCを得た。得られた水酸化アルミニウムCの物性を表1に示す。
【0026】
水酸化アルミニウムD(比較例)
2dm3バッフル付きステンレス槽に、塩基性溶液としてアルミン酸ソーダ溶液(ソーダ濃度:Na2O換算125g/dm3、Na2O/Al2O3モル比:1.55)800cm3を、酸性溶液として硫酸アルミニウム水溶液(アルミナ濃度:Al2O3換算で3.2wt%)898cm3を、氷冷しながらホモミクサー(特殊機化工業株式会社製、商品名:T.K.ホモジェッターM型)を用いて速度勾配11000sec-1の条件で攪拌しながら3分間で注入して中和反応を行なった。この後、15分間攪拌を続けて水酸化アルミニウム水スラリーを得た。中和反応時の最高到達温度は15℃であった。得られた水酸化アルミニウム水スラリーを遠心分離機を用いて固液分離して固形分を得た。得られた固形分に水6dm3を加え分散させて水酸化アルミニウム水スラリーを得、次いで遠心分離機を用いて固液分離する方法を7回繰返すことによって、水酸化アルミニウムを洗浄した。洗浄後の固形分に水を加え水酸化アルミニウム水スラリーを得、次いで噴霧乾燥機(ニロ社製、商品名:モービルマイナ型、乾燥温度:ドライヤー入口温度250℃、出口温度100℃、アトマイザー圧:0.12MPaを用いて乾燥させて水酸化アルミニウムDを得た。得られた水酸化アルミニウムDの物性を表1に示す。
【0027】
水酸化アルミニウムE(比較例)
市販の水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製:ハイジライトH−43)をそのまま使用した。
【0028】
表1に示すように比較例に用いた水酸化アルミニウムC、水酸化アルミニウムDは、実施例に用いたものに比べて軽装嵩比重が大きく、ベーマイト(020)結晶格子径が小さく、さらに比較例として用いた水酸化アルミニウムEは、実施例に比べてBET比表面積およびDOP吸油量が小さく、また結晶構造がギブサイトであり実施例のベーマイトとは異なる。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
表2に用いた配合剤の詳細は次のとおりである。
注1)SBR:N9520(日本ゼオン(株)製)
スチレン含有量35wt% 37.5PHR油展品
注2)BR:BR150B(宇部興産(株)製)
注3)カーボンブラック:ダイヤブラックI(N220、三菱化学(株)製)
窒素吸着BET比表面積115m2/g
注4)シリカ:VN3(デグサ製)
注5)シランカップリング剤TESPT:Si−69(デグサ製)
注6)アロマイオイル:ダイアナプロセスPS32(出光興産(株)製)
注7)老化防止剤:オゾノン6C(精工化学(株)製)
注8)WAX:サンノックワックス(大内新興化学工業(株)製)
注9)ステアリン酸:桐(日本油脂(株)製)
注10)酸化亜鉛:酸化亜鉛2種(三井金属鉱業(株)製)
注11)硫黄:粉末硫黄(軽井沢硫黄(株))
注12)加硫促進剤:ノクセラーCZ(大内新興化学工業(株)製)
実施例および比較例で行なった評価の方法は次に示すとおりである。
【0032】
(1) ムーニー粘度 ML(1+4)
MV−202((株)島津製作所製)を用いてJISK6300に準拠し測定を行ない、比較例3を100としたときの指数で示した。測定温度は130℃で、値が大きいと押し出しなどの加工性が悪い。
【0033】
(2) 耐摩耗性
ランボーン摩耗試験機FT−702((株)岩本製作所製)を用いて、JISK6264に準拠し摩耗試験を行なった。測定条件は温度23℃、スリップ率30%、負荷荷重40N、時間5分とし、摩耗減量容積を測定して、比較例3の摩耗減量を100としたときの指数で示した。指数が大きいほど耐摩耗性がよい。
【0034】
(3) 転がり抵抗性
直径1707.6mmのドラム式転がり抵抗測定機((株)神戸製鋼所製)で測定し、比較例3の転がり抵抗を100としたときの指数で示した。指数が大きいほど転がり抵抗が低い。なお、測定条件は内圧:200KPa、荷重:3.4KN、リム:5.5JJ×14、速度:80km/hとした。
【0035】
(4) グリップ性能(ABS制動性能)
1800cc級のABSが装備された乗用車タイヤを装着し、アスファルト路面を時速100km/hからの停止距離から減速度を算出し、比較例3を100としたときの指数で示した。指数が大きいほど制動性能がよく、したがってグリップ性能が高いといえる。なお、ABS制動試験に使用した路面はスキッドナンバーが約50のアスファルト路面(濡れた路面状態)を用いた。
【0036】
シリカを用いた比較例1は、ムーニー粘度が高いため加工性が悪く、水酸化アルミニウムを配合していない比較例2、3はABS制動性能が劣る。また、ベーマイト(020)面の結晶子径が小さく軽装嵩比重が大きい水酸化アルミニウムCを用いた比較例4、水酸化アルミニウムDを用いた比較例5、BET比表面積が小さく結晶構造がギブサイト型の水酸化アルミニウムEを用いた比較例6はいずれも耐摩耗性が大きく劣っている。また、スチレン含有量が20〜60重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体が60重量部未満の比較例7はABS制動性能が劣っている。
【0037】
それら比較例に対して、実施例1〜4は加工性や耐摩耗性を低下させることなく転がり抵抗性能やABS制動性能が大きく向上している。
【0038】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0039】
【発明の効果】
上述のごとく本発明はウェットグリップ性、耐摩耗性を高めることができ、また転がり抵抗を低減させて低燃費を向上させることができ、しかも加工性の良好なトレッドゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを得ることができる。
Claims (6)
- スチレン含有量が20〜60重量%であるスチレン−ブタジエン共重合体を60重量部以上含むゴム成分100重量部に対して、軽装嵩比重が0.60g/cm3以下であり、DOP吸油量が70cm3/100g以上で250cm3/100g未満であり、BET比表面積が30m2/g以上で350m2/g以下である水酸化アルミニウムを5〜80重量部とBET比表面積が70m2/g以上のカーボンブラックを10〜100重量部配合したトレッドゴム組成物。
- 水酸化アルミニウムの軽装嵩比重が0.10g/cm3以上で0.35g/cm3以下であることを特徴とする請求項1記載のトレッドゴム組成物。
- 水酸化アルミニウムの結晶構造がベーマイト型であることを特徴とする請求項1または2記載のトレッドゴム組成物。
- 水酸化アルミニウムのベーマイト(020)面の結晶子径が5nm以上20nm以下であることを特徴とする、請求項3記載のトレッドゴム組成物。
- 前記水酸化アルミニウムに対し2〜20wt%のシランカップリング剤を配合した請求項1から請求項4のいずれかに記載のトレッドゴム組成物。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載のトレッドゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
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