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JP4626931B2 - 活性に優れるカルボン酸エステル製造触媒 - Google Patents

活性に優れるカルボン酸エステル製造触媒 Download PDF

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  • Catalysts (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルデヒド、アルコール及び酸素からカルボン酸エステルを製造する触媒に関するものであって、高い反応活性を発現させ、高価な貴金パラジウムを有効に利用することで触媒コストの大幅な改善を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルデヒド、アルコール及び酸素からパラジウムを含む触媒を用いカルボン酸エステルを製造する方法は公知である。また、従来から、一般的にパラジウム等の貴金属は比較的高い表面積を有する様々な種類の担体が目的の反応に合わせて選定され、担体上に担持分散して利用されている。例えば、上記カルボン酸エステルの製造においても様々な種類の担体が選定され担体として用いることが報告されている。具体的には、炭酸カルシウムを用いたものが特公昭57−35856号公報、特公昭57−35860号公報に、酸化亜鉛−アルミナ、チタニア−酸化ランタン、酸化亜鉛−チタニアを用いたものが特公平4−46618号公報に、酸化亜鉛を用いたものが特公平4−72578号公報に示されている。
さらに触媒の強度等の改良の観点からシリカアルミナを用いたものが特開平8−332383号公報に、シリカーアルミナーマグネシアを用いたものが特開平9−52044号公報に、ゼオライトを用いたものが特開平9−192495号公報に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
白金、パラジウム等の貴金属は、自動車排ガスの浄化触媒として、また燃料電池の電極触媒としてなど多量に用いられ、需要は毎年増大しており価格の高値安定が続いている。貴金属は稀少資源であり、高価であることからも高活性を実現しその使用量を削減することがますます重要になっている。
そこで、本発明は貴金属の中でもパラジウムに着目し、パラジウム担持触媒の高活性化を実現し、使用量を減らし触媒コストを大幅に削減することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは以上のような現状に鑑み、貴金属パラジウムの使用量を削減するために、パラジウム担持触媒の高活性化の検討を詳細に検討した。その結果、特定の物性値を有する活性炭が高い反応活性を示すことを見いだした。
加えて、触媒化の過程では、活性炭を予め硝酸で加熱処理をしてパラジウム化合物の担持に用い、さらに担持されたパラジウム化合物を還元処理する前にアルカリで処理するという方法によって高い反応活性を達成することを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0005】
すなわち、本発明は以下の通りである。
活性炭担持パラジウム含有金属触媒であって、該活性炭担体の比表面積が500〜1500m2 /g、粒子径が75〜600メッシュ、嵩密度が0.3〜0.8g/mlの範囲であり、且つ担持されたパラジウム含有金属の比表面積が50m2 /g以上であるカルボン酸エステル製造用の活性炭担持パラジウム含有金属触媒である。
なお、本発明では、上記「パラジウム含有金属」は、パラジウム単体金属及び/又はパラジウム金属間化合物を意味する。
【0006】
一般的には、触媒活性成分を高分散させる為には担体の比表面積は大きい方が好ましいと言われており、燃料電池用に用いられる活性炭やグラファイトなどでは約3000m2 /gの極めて大きな表面積を有する担体が貴金属担持触媒の高い活性を発現させるために用いられている。本研究者らは、様々な種類の担体、また担体物性値の異なる担体を広く検討した。その結果、アルデヒドとアルコール、酸素からカルボン酸エステルを製造する触媒では、担体の嵩密度が触媒スラリー特性から重要であること、比表面積が極端に大きな活性炭は機械的強度が低下し実用的でないこと、特定の粒径の範囲以外では活性を低下させることや、触媒と反応液の分離に問題が生ずることが明らかになった。すなわち特定の物性値を持つ活性炭を用いることによって、はじめて従来の触媒に比べ高い触媒活性を発現できることがわかった。いかなる理由で高活性化が実現されるのか詳細については不明ではある。
【0007】
活性炭の物性として比表面積は500〜1500m2 /gの範囲が好ましく、より好ましくは600〜1300m2 /gの範囲である。500m2 /gより小さくなるとパラジウムの分散性が悪くなり活性の低下を招き、1500m2 /gより大きいと活性は高い傾向が見られるが機械的強度低下や流動性の低下をまねくため好ましくない。
活性炭の粒子径は75〜600メッシュが好ましい。600メッシュより小さいと、反応活性からは問題はないが、沈降性が悪く、またフルターの目詰まりを起こしやすく反応液から触媒の分離が困難になるため好ましくない。一方75メッシュより大きいと、反応活性が低下する傾向が見られ好ましくない。反応液との分離特性と反応活性とのバランスから、さらに好ましくは、100〜500メッシュの範囲である。
【0008】
活性炭の嵩密度は触媒スラリー状態から重要な因子であり、0.3〜0.8g/mlが好ましく、0.3g/mlより小さいと、触媒量が多く、かさ高くなり反応液の粘度上昇を招き好ましくない。一方0.8g/mlより大きいと結果的に比表面積が小さく、細孔容積が小さくなるため活性が低くなる傾向がある。したがって、嵩密度の範囲は、反応特性と活性のバランスから、さらに好ましくは0.35〜0.6g/mlの範囲である。
活性炭に担持されたパラジウム含有金属の比表面積は触媒の活性発現によって重要な因子の一つであり50m2 /g以上であることが必要である。より好ましくは70m2 /g以上、さらに好ましくは100m2 /g以上と大きい方が好ましい。
【0009】
また、活性炭に担持されたパラジウム含有金属はパラジウム単体金属であって良いが、パラジウム金属間化合物の方がカルボン酸エステル製造にとっては好ましい。例えばパラジウムと鉛からなるPd3 Pb1 金属間化合物、同様にパラジウムとビスマス、タリウム、水銀、金などとのパラジウム金属間化合物が好適である。さらに場合によってはさらに、ニッケル、クロム、コバルト、インジウム、タンタル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム、タングステン、マンガン、銀、レニウム、アンチモン、スズ、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、白金、チタン、アルミニウム、硼素、珪素などを含んでいてもよい。これらの異種元素は通常、還元後の全触媒種の量に対して、5重量%、好ましくは1重量%の範囲で含むことができる。
【0010】
触媒調製のために用いられるパラジウム化合物あるいは鉛などの化合物は、例えば蟻酸塩、酢酸塩などの有機酸塩、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩のごとき無機酸塩、アンミン錯体、ベンゾニトリル錯体などの有機金属錯体、酸化物、水酸化物などのなかから適宜選ばれる。パラジウム化合物としては塩化パラジウム、酢酸パラジウムなどが好適である。
本発明においては、活性炭は硝酸水溶液で加熱処理を行うこと、さらに活性炭で担持したパラジウム化合物の還元処理を行う前にアルカリ性物資で処理することが必須である。活性炭の処理は30〜60%硝酸濃度、室温〜100℃の温度範囲であるが通常90℃付近の温度が時間と効果の面から一般的な温度として選ばれる。処理時間は硝酸濃度や、処理する温度によって異なるが概ね30分〜48時間である。
【0011】
活性炭担持後に行うパラジウム化合物の還元前のアルカリ処理では、アルカリ性物資としてLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Baなどのアルカリ、アルカリ土類の水酸化物、炭酸塩、金属アルコキシドなどのアルカリ性化合物から選び用いることができる。
パラジウム化合物の還元前のアルカリ処理に使用する量や濃度は活性炭に担持するパラジウム化合物量や用いるアルカリ性化合物の種類によっても異なるが、担持されたパラジウム化合物量を水酸化物にするために必要な量論量以上、好ましくは2〜3倍/Pdモルの量を用いる。一般的なアルカリ溶液の濃度はNa OHで例示すると、0.1〜10mol/lでパラジウムの担持量に合わせて選定し用いることができる。アルカリ処理溶液の溶媒としては主に水を用いるが、メタノール等を溶媒とするアルカリ可溶性の溶媒も使用することが可能である。
【0012】
パラジウム化合物の還元前に行うアルカリ処理の操作は室温〜100℃の温度で行うことができる。100℃以上の温度でも液相に保つために必要な圧力をかけて行うことも可能であり室温〜160℃、常圧から数気圧の条件で行うことができる。アルカリ処理に要する時間は、パラジウム化合物の担持量、調製する触媒量によって異なるが通常30分〜6時間の範囲が一般的である。
活性炭担体へのパラジウム担持量は特に限定はないが、該担体重量に対して通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。その他の金属は通常0〜20重量%、好ましくは1〜5重量%である。
【0013】
パラジウム化合物やその他のパラジウム金属間化合物形成用金属化合物の還元は一般的な還元方法が適用できる。水素、ホルマリン、アルコール、ヒドラジン、NaBH4 などの還元剤を用いて気相、液相のいずれの形態で行うことができる。パラジウム化合物の担持量やパラジウム以外の助触媒金属との組み合わせによって最適な還元方法を選択して行う。気相で還元する場合には還元剤として水素を用い200〜400℃の温度で行うことが一般的である。また液相で還元する場合には室温〜200℃の温度で水素を吹き込みながらや、ホルマリン、NaBH4 、ヒドラジン添加して行う一般的な還元方法が採用される。液相に保つために必要な圧力をかけておくことで100℃以上の温度で実施することが可能である。好ましくは室温〜160℃、常圧から数気圧の条件で行う。還元処理による時間はパラジウム化合物と他の構成触媒の組み合わせや種類、担持量、触媒量など処理条件により変わるが、一般に0.5〜50時間である。通常は24時間以内に処理が完了するように条件を設定するのが操作性から好都合である。
【0014】
本発明のカルボン酸エステルの製造では触媒の使用量は、反応原料の種類、触媒の組成や調製法、反応条件、反応形式などによって大巾に変更することができ、特に限定はないが、触媒をスラリー状態で反応させる場合には反応液1l中に0.04〜0.5kg使用するのが好ましい。より好ましくは、0.1〜0.3Kgの範囲である。
本発明において使用するアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−6ヘキサノール、オクタノールなどの脂肪族系飽和アルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどの脂環族アルコール、;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどのジオール;アリルアルコール、メタリルアルコールなどの脂肪族不飽和アルコール;ベンジルアルコールなどの芳香族アルコール、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなどのヒドロキシオキセタン類などがあげられる。これらのアルコールは単独もしくは任意の二種以上の混合物として用いることができる。
【0015】
本発明反応におけるアルデヒドとアルコールとの使用量比には特に限定はなく例えばアルデヒド/アルコールのモル比で10〜1/1000のような広い範囲で実施できるが、一般的には1/2〜1/50の範囲で実施される。
本発明で使用する酸素は分子状酸素、すなわち酸素ガス自体又は酸素ガスを反応に不活性な希釈剤、例えば窒素、炭酸ガスなどで希釈した混合ガスの形とすることができ、空気を用いることもできる。反応系に供給する酸素の量は、反応器出口側の酸素分圧が0.8atm以下となるように管理する。好ましくは0.4atm以下である。一方、反応器流出ガスの酸素濃度が爆発範囲(8%)を越えないように全圧を設定するとよい。
【0016】
本発明反応は、気泡塔、撹拌槽、灌液反応器などの任意の従来公知の方法で実施できる。
また、各反応器の出口ガスの酸素分圧は、本発明条件の範囲内であれば、各反応器ごとに変えてもかまわない。
本発明反応は、反応系にアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物(例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩など)を添加して反応系のpHを6〜9に保持することが好ましい。これらのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物は単独もしくは二種以上組み合わせて使用することができる。
本発明反応は、100℃以上の高温でも実施できるが、好ましくは30〜100℃である。
反応圧力は減圧から加圧下の任意の広い圧力範囲で実施することができるが、通常は1〜20Kg/cm2 の圧力で実施される。
反応時間は特に限定されるものではなく、設定した条件により異なるので一義的には決められないが通常1〜20時間である。
【0017】
以下実施例及び比較例によって、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
尚、以下の実施例及び比較例において、活性炭担体の物性値、比表面積、嵩密度、粒度、触媒のパラジウム比表面積の測定は次の方法により実施した。
[活性炭担体の比表面積の測定]
窒素ガス吸着法(ユアサアイオニクス社製、オートソーブ:3AG型)を用いた。
[嵩密度の測定]
前処理として、担体を真空乾燥機で80℃、6時間乾燥、冷却後室温で担体50.0g秤量しメスシリンダーに移し、メスシリンダーを振とう器で15分間タッピング充填する。試料表面平らにし充填容積を読みとる。嵩密度は担体の重量を充填容積で割った値である。
[粒度の調製]
600メッシュ、75メッシュの篩いを振とう器に設置し活性炭を分級して得られた75〜600メッシュのものを用いた。
[パラジウム含有金属比表面積の測定]
COガス吸着法(大倉理研社製、全自動COガス吸着量測定装置R6015−G)を用いた。
【0018】
【実施例1】
活性炭(武田薬品(株)製、商品名:X7100−3)をボールで粉砕し、篩いによって分級し、75〜600メッシュの粒子を得た。60%硝酸水溶液中に投入し90℃で30分間処理を行い、濾過後蒸留水で10回洗浄した。ついで真空乾燥機中80℃で6時間乾燥後、活性炭の比表面積を測定したところ978m2 /g、嵩密度は0.35g/mlであった。前処理した活性炭100gを触媒調製用に秤量し調製に用いた。塩化パラジウムを担体100重量部当たりパラジウムとして3重量部となるように、担体を塩化パラジウム3重量%及び塩化ナトリウム2重量%の水溶液と混合し、室温で1時間撹拌し、塩化パラジウムを担体に完全に吸着させた。ついで、液をデカントし、塩化パラジウムを吸着させた担体を蒸留水にて10回洗浄した。
【0019】
次に、300mlの蒸留水を加えた。NaOH6.5gを75mlの水に溶解したアルカリ水溶液を約10分間かけて撹拌しながら滴下し、その後15分間維持した。つぎに上澄みをデカント除去、蒸留水による水洗を10回行った。次に酢酸Naを6wt%に調製した溶液に投入し撹拌した。次に酢酸鉛をPdに対しPd/Pb=3/1.3(モル比)相当量を加え約30分60℃でかき混ぜた。
次にPd+Pbに対して3倍モル量のNaBH4 水溶液をかき混ぜながら約30分かけゆっくりと滴下しパラジウム−鉛金属間化合物を還元した。滴下後さらに30分間保持した。次に、水洗を10回行った。その後真空乾燥機中80℃で6時間乾燥して活性炭担持パラジウム−鉛金属間化合物触媒を得た。
得られた触媒をCOガス吸着法によって測定し、パラジウム−鉛金属間化合物の比表面積を求めたところ109m2 /gの値を得た。
【0020】
反応の活性を評価する条件として、メタクロレイン、メタノールの次数の影響がでにくい低転化率の20%以下となるように予め実験で求め触媒量を設定した。
得られた触媒1.0gを上部にコンデンサーを設置した100mlのフラスコに投入し、10wt%のメタクロレイン/メタノール溶液80gを加え、テフロンコートの回転子を入れマグネットスターラーで撹拌しながら7vol%酸素/ヘリウムガスを82ml/minで吹き込み45℃で2時間反応した。反応後ガスクロマトグラフィーで反応液、ベントガス中の生成物の分析値から、メタクロレインの転化率は16.5%、メタクリル酸メチル(MMA)の選択率89.2%であった。MMAのパラジウム−鉛金属間化合物g当たりの生産性は0.28mol/h・gであった。
【0021】
【比較例1】
特開平9−52044号公報の実施例1に記載のシリカ- アルミナ- マグネシア担体を用いた以外は実施例1と同様の操作でパラジウム−鉛金属間化合物担持触媒を得た。パラジウム−鉛金属間化合物の比表面積を求めたところ88m2 /gの値を得た。実施例1の触媒量1.0gにかえて触媒2.0gと2倍にした他は同様の条件で45℃で2時間反応した。反応後ガスクロマトグラフィーで生成物を分析したところ、メタクロレインの転化率は9.5%、メタクリル酸メチル(MMA)の選択率88.5%であった。MMAのパラジウム−鉛金属間化合物g当たりの生産性は0.08mol/h・gであった。
【0022】
【比較例2】
活性炭(武田薬品(株)製、商品名:X7100−3)をボールで粉砕し、篩いによって分級し、75〜600メッシュの粒子を得た。60%硝酸水溶液中に投入し90℃で24時間処理を行い、濾過後蒸留水で10回洗浄した。ついで真空乾燥機中80℃で6時間乾燥後、活性炭の比表面積を測定したところ439m2 /g、嵩密度は0.46g/mlであった。
この活性炭を用いた以外は実施例と同様の操作で触媒を得た。パラジウム−鉛金属間化合物の比表面積を求めたところ66m2 /gの値を得た。触媒を変更した以外は実施例1と同様の条件で45℃で2時間反応した。反応後ガスクロマトグラフィーで生成物を分析したところ、メタクロレインの転化率は10.2%、メタクリル酸メチル(MMA)の選択率88.7%であった。MMAのパラジウム−鉛金属間化合物g当たりの生産性は0.17mol/h・gであった。
【0023】
【比較例3】
活性炭(クレハ化学(株)製、商品名:BAC−MP、平均粒子径500ミクロン(30メッシュ))の粒子を用い硝酸による前処理を行なわず後蒸留水で10回洗浄した。ついで真空乾燥機中80℃で6時間乾燥後、活性炭の比表面積を測定したところ823m2 /g、嵩密度は0.54g/mlであった。
この活性炭を用いた以外は実施例1と同様の操作で触媒を得た。パラジウム−鉛金属間化合物の比表面積を求めたところ73m2 /gの値を得た。触媒を変更した以外は実施例1と同様の条件で45℃で2時間反応した。反応後ガスクロマトグラフィーで生成物を分析したところ、メタクロレインの転化率は5.1%、メタクリル酸メチル(MMA)の選択率89.4%であった。MMAのパラジウム−鉛金属間化合物g当たりの生産性は0.087mol/h・gであった。
【0024】
【比較例4】
パラジウム化合物担持後のアルカリ処理を行わなかった以外は実施例1と同様の操作で触媒を得た。パラジウム−鉛金属間化合物の比表面積を求めたところ112m2 /gの値を得た。
この触媒を用いた以外は実施例1と同様の条件で45℃で2時間反応した。反応後ガスクロマトグラフィーで生成物を分析したところ、メタクロレインの転化率は3.2%、メタクリル酸メチル(MMA)の選択率86.7%であった。MMAのパラジウム−鉛金属間化合物g当たりの生産性は0.053mol/h・gであった。
【0025】
【実施例2】
実施例1で得られた触媒を用い、反応原料としてメタクロレインをアクロレインに変更した以外は同様の条件、操作で45℃で2時間反応した。反応後ガスクロマトグラフィーで生成物を分析したところ、アクロレインの転化率は20.1%、アクリル酸メチル(MA)の選択率90.7%であった。MAのパラジウム−鉛金属間化合物g当たりの生産性は0.454mol/h・gであった。
【0026】
【発明の効果】
アルデヒドとアルコールを分子状酸素と反応させてカルボン酸エステルを製造するに際し、特定の物性値を持つ活性炭を担体に用い、活性炭の硝酸による前処理及びパラジウム化合物担持後のアルカリ処理を行うことによって得られるパラジウム含有金属触媒は高いカルボン酸エステル生成活性を得ることができる。従来のパラジウム触媒に比べ触媒コストの大幅な削減が達成できる。

Claims (2)

  1. アルデヒド、アルコール及び酸素からカルボン酸エステルを製造するための活性炭担持パラジウム含有金属触媒の製造方法であって、
    (1) 該活性炭を硝酸水溶液で前処理した後にパラジウム化合物を担持し、
    (2) 次いで担持されたパラジウム化合物を、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩及び金属アルコキシドからなる群より選択された少なくとも一種であるアルカリ性物で処理し、
    (3) その後還元するか、又は該パラジウム化合物とそれと還元によりパラジウム金属間化合物を形成する金属化合物とを共に還元し、
    該活性炭担体の比表面積が500〜1500m 2 /g、粒子径が75〜600メッシュ、嵩密度が0.3〜0.8g/mlの範囲であり、且つ担持されたパラジウム含有金属の比表面積が50m 2 /g以上であるカルボン酸エステル製造用の活性炭担持パラジウム含有金属触媒の製造方法。
  2. アルデヒド、アルコール及び酸素から触媒の存在下にカルボン酸エステルを製造する方法であって、アルデヒドがアクロレインまたはメタクロレインであり、触媒が請求項1記載の製造方法で得られる活性炭担持パラジウム含有金属触媒であり、得られるカルボン酸エステルがアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルであることを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
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