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JP4626053B2 - 調光装置及びその駆動方法、並びに撮像装置 - Google Patents

調光装置及びその駆動方法、並びに撮像装置 Download PDF

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JP4626053B2
JP4626053B2 JP2000386172A JP2000386172A JP4626053B2 JP 4626053 B2 JP4626053 B2 JP 4626053B2 JP 2000386172 A JP2000386172 A JP 2000386172A JP 2000386172 A JP2000386172 A JP 2000386172A JP 4626053 B2 JP4626053 B2 JP 4626053B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射光の光量を調節して出射するための調光装置及びその駆動方法、並びにこの調光装置を用いた撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、液晶セルを用いる調光装置には、偏光板が使用される。この液晶セルには、例えばTN(Twisted Nematic)型液晶セルやゲスト−ホスト(GH(Guest Host))型液晶セルが用いられる。
【0003】
図17は、従来の調光装置の動作原理を示す概略図である。この調光装置は、主に偏光板1とGHセル2とで構成される。GHセル2は、図示省略したが、2枚のガラス基板の間に封入され、また動作電極や液晶配向膜を有している(以下、同様)。GHセル2には、液晶分子3と二色性染料分子4とが封入されている。
【0004】
二色性染料分子4は、光の吸収に異方性を有し、例えば分子長軸方向の光を吸収するポジ型(p型)色素分子である。また、液晶分子3は、例えば誘電率異方性が正のポジ型(正型)である。
【0005】
図17(a)は、電圧を印加していない(電圧無印加)時のGHセル2の状態を示す。入射光5は、偏光板1を透過することにより直線偏光される。図17(a)では、この偏光方向と二色性染料分子4の分子長軸方向とが一致するので、光は、二色性染料分子4に吸収され、GHセル2の光透過率が低下する。
【0006】
そして、図17(b)で示すように、GHセル2に電圧印加を行なうと、液晶分子3が電界方向に向くに伴なって二色性染料分子4の分子長軸方向は、直線偏光の偏光方向と直角になる。このため、入射光5はGHセル2によりほとんど吸収されずに透過する。
【0007】
図17に示したGHセル2においては、図18に示すように、動作電圧の印加に伴って、可視光の平均光透過率(空気中。液晶セルに加えて偏光板を足したときの光透過率を参照(=100%)とした:以下、同様)が増加するが、電圧を10Vにまで上昇させたときの最大光透過率は60%程度であり、しかも光透過率の変化が緩やかである。
【0008】
なお、分子短軸方向の光を吸収するネガ型(n型)の二色性染料分子を用いる場合は、上記ポジ型の二色性染料分子4の場合と逆になり、電圧無印加時には光が吸収されず、電圧印加時に光が吸収される。
【0009】
図17に示した調光装置では、電圧印加時と電圧無印加時との吸光度の比、即ち、光学濃度の比が約10である。これは、偏光板1を使用せずにGHセル2のみで構成される調光装置に比べて約2倍の光学濃度比を有する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記した調光装置の駆動において、光透過率を変化させる際に、ステップ状に駆動パルスを変化させるが、用いる液晶セルの構造や液晶材料によっては、透明時(最大光透過率)から遮光時(最小光透過率)への大きなステップ応答、又は遮光時から透明時への大きなステップ応答時に比べて、中間調で光透過率をわずかに変化させる場合の応答時間が著しく長くなることがあり、問題となっていた。
【0011】
即ち、調光装置の上記した光学濃度比は、GHセルを構成する2枚のガラス基板等の対向基板間の距離(本明細書において、セルギャップと称する。)に左右され、セルギャップが大きい程(液晶層の厚みが厚い程)、透明時と遮光時との光透過率の差が大きくなり、光学濃度比は大きくとれるが、透明時の光透過率が低下してしまう。また、セルギャップが変わると、GHセルによる調光装置としての過渡応答速度も変化し、ギャップが大きくなると、有効光路長に存在する液晶分子が多くなる分、応答速度は確実に遅くなる傾向をもつ。
【0012】
そこで、本発明の目的は、調光用の液晶素子を中間調で駆動する場合に、たとえセルギャップが製造条件によって変動しても、液晶の配向変化又はその緩和を常にスムーズに立ち上がらせて光透過率の応答時間(過渡応答速度)を大幅かつ適切に短縮し、調光装置及び撮像装置の性能、画質、信頼性の向上を図ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、液晶素子と;この液晶素子のセルギャップを検出するための検出手段と;前記液晶素子から射出する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させる際に、少なくとも前記目標光透過率に対応する駆動パルスを与える前に、最小光透過率又は最大光透過率に対応する制御用駆動パルスを前記セルギャップに応じて予め挿入する、パルス制御部と;を具備する調光装置に係り、またこの調光装置を前記制御用駆動パルスを用いて駆動する駆動方法、並びに、この調光装置が撮像系の光路中に配される撮像装置に係るものである
【0014】
本発明によれば、液晶素子の光透過率を現光透過率から目標光透過率へ中間調でわずかに変化させる際に、目標光透過率に対応する駆動パルスを与える前に、完全遮光時(最小光透過率)又は完全透明時(最大光透過率)に対応する制御用駆動パルスを予め適度に挿入し、しかもこの制御用駆動パルスを応答速度を左右する実際のセルギャップ値に応じて挿入するため、単に目標光透過率に対応する駆動パルスをステップ状に与えて駆動する場合に比べて、液晶の配向変化又はその緩和がスムーズに立ち上がるようになり、目標光透過率に達するまでの応答時間を大幅にしかも適切に短縮できる。
【0015】
本発明者は、本発明を案出する以前に、特願2000−311501号において、液晶素子の光透過率を現透過率から目標透過率へ中間調でわずかに変化させる際に、目標透過率に対応する駆動パルスを与える前に、完全遮光時(最小透過率)もしくは完全透明時(最大透過率)に対応する制御用駆動パルスを予め適度に挿入することにより、単に目標透過率に対応する駆動パルスをステップ状に与えて駆動する場合に比べて、液晶の配向変化(もしくはその緩和)がスムーズに立ち上がるようになり、目標透過率に達するまでの応答時間を大幅に短縮できることを明らかにした(以下、これを先願発明と称する)。
【0016】
この先願発明について本発明者が更に検討を鋭意進めた結果、液晶調光素子の過渡応答速度は、使用する液晶セルを構成する2枚のガラス基板間の距離(セルギャップ)に大きく左右され、中間調で高速応答させる目的で、先願発明による制御用駆動パルスを挿入した2段階変調駆動を行なう場合にも、制御用駆動パルスの挿入時間の最適値は、セルギャップによって異なることが判明した。
【0017】
そこで、本発明者は、実装した液晶素子のセルギャップを自動認識する機構を備えることにより、そのセルギャップに応じた最適制御パルスを加えてやれば、個々の液晶素子の特徴に合った形で、より高速に液晶光学素子を駆動できることを見い出し、本発明に到達したのである。
【0018】
例えば、液晶素子の透明時及び/又は遮光時の光透過率とセルギャップとの相関関係(液晶セルの構成材料でほぼ一義的に定まる。)を予めインプットしておけば、製造工程のバラツキに起因して仕上がりのセルギャップにバラツキが生じても、実装した現物のセルの光透過率から、より正確なセルギャップを把握することができる。
【0019】
そして、液晶素子の光透過率を、現透過率から目標透過率へ中間調でわずかに変化させる際には、目標透過率に対応する駆動パルスを与える前に、完全遮光時(最小透過率)もしくは完全透明時(最大透過率)に対応する制御用駆動パルスを、このセルギャップに応じたパルス数だけ予め適度に挿入することにより、個々の液晶セルの特徴に合わせて最適な形で、液晶の配向変化(もしくはその緩和)が一層スムーズに立ち上がるようになり、目標透過率に達するまでの過渡応答時間を大幅に短縮できるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明においては、前記液晶素子の透明時及び/又は遮光時の光透過率を予め検出し、この検出値から前記セルギャップを判定するのがよい。
【0021】
また、前記制御用駆動パルスが、制御された少なくともパルス電圧及び/又はパルス数を有し、そしてこのパルス電圧が、前記最小光透過率又は最大光透過率を生じるパルス電圧と同等、或いはこのパルス電圧と前記目標光透過率を生じるパルス電圧との間の値であるのがよい。
【0022】
また、前記制御用駆動パルスが、制御された少なくともパルス幅及び/又はパルス数を有し、そしてこのパルス幅が、前記最小光透過率又は最大光透過率を生じるパルス幅と同等、或いはこのパルス幅と前記目標光透過率を生じるパルス幅との間の値であるのがよい。
【0023】
前記制御用駆動パルスは、上記のパルス電圧又はパルス幅のみならず、パルス密度、更にはこれらの併用によっても制御可能である。
【0024】
また、前記液晶素子が、ネガ型液晶をホスト材料とし、二色性染料をゲスト材料とするゲスト−ホスト型液晶素子であるのがよい。
【0025】
このような液晶素子は、本出願人が既に提出した特願平11−322186号に係る先願発明に依拠したものである。この先願発明によれば、液晶素子と、この液晶素子に入射する光の光路中に配される偏光板とで調光装置を構成し、更に、ネガ型液晶をホスト材料とするゲスト−ホスト型液晶を用いることにより、電圧無印加時と電圧印加時の吸光度の比(即ち光学濃度の比)が向上し、調光装置のコントラスト比が大きくなり、明るい場所から暗い場所までにおいて、調光動作を正常に行なうことを可能とする。
【0026】
図17に示したゲスト−ホスト型液晶セル(GHセル)2において、ホスト材料3として誘電率異方性(Δε)が正のポジ型の液晶を用い、ゲスト材料4には二色性を有する光吸収異方性(ΔA)が正のポジ型染料4を用い、偏光板1をGHセル2の入射側に配し、矩形波を駆動波形として動作電圧印加時の光透過率の変化を計測すると、図18に示すように、動作電圧の印加に伴って、可視光の平均光透過率(空気中。液晶セルに加えて偏光板を足したときの透過率を参照(=100%)とした:以下、同様)が増加するが、電圧を10Vにまで上昇させたときの最大光透過率は60%程度であり、しかも光透過率の変化が緩やかである。
【0027】
これは、ポジ型のホスト材料を用いる場合、電圧無印加時に液晶セルの液晶配向膜との界面での液晶分子の相互作用(interaction)が強いため、電圧を印加してもダイレクタの向きが変化しない(或いは、変化し難い)液晶分子が残ってしまうからであると考えられる。
【0028】
これに対し、先願発明では、図9に示すように、ゲスト−ホスト型液晶セル(GHセル)12において、ホスト材料13として、誘電率異方性(Δε)が負のネガ型の液晶であるMerck社製のMLC−6608を一例として用い、ゲスト材料4には二色性を有するポジ型染料であるBDH社製のD5を一例として用いることにより、偏光板11をGHセル12の入射側に配し、矩形波を駆動波形として動作電圧印加時の光透過率の変化を計測したところ、図10に示すように、動作電圧の印加に伴って、可視光の平均光透過率(空気中)が最大光透過率約75%から数%にまで減少し、しかも光透過率の変化が比較的急峻となる。
【0029】
これは、ネガ型のホスト材料を用いる場合、電圧無印加時に液晶セルの液晶配向膜との界面での液晶分子の相互作用(interaction)が非常に弱いため、電圧無印加時に光が透過し易く、また電圧印加と共に液晶分子のダイレクタの向きが変化し易くなるからであると考えられる。
【0030】
このようにして、本発明において、ネガ型のホスト材料を用いてGHセルを構成すれば、光透過率(特に透明時)が向上し、GHセルを撮像光学系中にそのまま位置固定して使用できるコンパクトな調光装置が実現可能となる。この場合、液晶素子への入射光の光路中に偏光板を配することにより、電圧無印加時と電圧印加時の吸光度の比(即ち光学濃度の比)が一層向上し、調光装置のコントラスト比が更に大きくなり、明るい場所から暗い場所までにおいて、調光動作をより正常に行なうことができる。
【0031】
なお、本発明においては、前記液晶素子のネガ型液晶の誘電率異方性は負であるのがよいが、ゲスト材料は、ポジ型又はネガ型の二色性染料分子からなっていてよい。また、ホスト材料はネガ型であるのがよいが、ポジ型でも差支えはない。
【0032】
本発明において、ネガ型(又はポジ型)のホスト材料、ポジ型(又はネガ型)のゲスト材料は公知の材料から選択して用いることができる。但し、実際の使用の場合は、実使用温度範囲でネマチック性を示すように選択し、ブレンドした組成物を用いてよい。
【0033】
上述したGHセル12からなる調光装置23は、例えば図11に示すように、ズームレンズのように複数のレンズで構成されるレンズ前群15とレンズ後群16との間に配置される。レンズ前群15を透過した光は、偏光板11を介して直線偏光された後、GHセル12に入射する。GHセル12を透過した光は、レンズ後群16で集光され、撮像面17に映像として映し出される。
【0034】
この調光装置23を構成する偏光板11は、本出願人による上述した先願発明と同様に、GHセル12に入射する光の有効光路に対して出し入れ可能である。具体的には、偏光板11を仮想線で示す位置に移動させることにより、光の有効光路の外へ出すことができる。この偏光板11を出し入れする手段として、図12に示すような機械式アイリスが用いられてもよい。
【0035】
この機械式アイリスは、一般にデジタルスチルカメラやビデオカメラ等に用いられる機械式絞り装置であり、主として2枚のアイリス羽根18、19と、アイリス羽根18に貼付された偏光板11とからなる。アイリス羽根18、19は、上下方向に移動させることができる。矢印21で示される方向に、図示せぬ駆動モーターを用いてアイリス羽根18、19を相対的に移動させる。
【0036】
これにより、図12で示すように、アイリス羽根18、19は部分的に重ねられ、この重なりが大きくなると、アイリス羽根18、19の中央付近に位置する有効光路20上の開口部22が、偏光板11により覆われる。
【0037】
図13は、有効光路20付近の機械式アイリスの部分拡大図である。アイリス羽根18が下方に移動すると同時に、アイリス羽根19が上方に移動する。これに伴って、図13(a)に示すように、アイリス羽根18に貼付された偏光板11も有効光路20の外へと移動する。逆に、アイリス羽根18を上方に、またアイリス羽根19を下方に移動させることにより、互いのアイリス羽根18、19が重なる。これに従って、図13(b)に示すように、偏光板11は有効光路20上に移動し、開口部22を次第に覆う。アイリス羽根18、19の互いの重なりが大きくなると、図13(c)に示すように、偏光板11は開口部20を全て覆う。
【0038】
次に、この機械式アイリスを用いた調光装置23の調光動作について説明する。
【0039】
図示せぬ被写体が明るくなるにつれて、図13(a)で示したように、上下方向に開いていたアイリス羽根18、19は、図示せぬモーターにより駆動され、重なり始める。これによって、アイリス羽根18に貼付されている偏光板11は、有効光路20上に入り始め、開口部22の一部を覆う(図13(b))。
【0040】
この時、GHセル12は光を吸収しない状態にある(なお、熱的揺らぎ、又は表面反射等のため、GHセル12による若干の吸収はある。)。このため、偏光板11を通過した光と開口部22を通過した光は、ほぼ強度分布が同等となる。
【0041】
その後、偏光板11は、完全に開口部22を覆った状態になる(図13(c))。さらに、被写体の明るさが増す場合は、GHセル12への電圧を上昇し、GHセル12で光を吸収することにより調光を行なう。
【0042】
これとは逆に、被写体が暗くなる場合は、まず、GHセル12への電圧を減少又は無印加とすることにより、GHセル12による光の吸収効果を無くする。さらに被写体が暗くなった場合は、図示せぬモーターを駆動することにより、アイリス羽根18を下方へ、またアイリス羽根19を上方へ移動させる。こうして、偏光板11を有効光路20の外へ移動させる(図13(a))。
【0043】
また、図11〜図13に示したように、偏光板11(透過率例えば40%〜50%)を光の有効光路20から外に出すことができるので、偏光板11に光が吸収されない。従って、調光装置の最大透過率を例えば2倍以上に高めることができる。具体的には、この調光装置を、従来の固定されて設置される偏光板及びGHセルからなる調光装置と比較すると、最大透過率は例えば約2倍になる。なお、最低透過率は両者で等しい。
【0044】
また、デジタルスチルカメラ等に実用化されている機械式アイリスを用いて、偏光板11の出し入れが行なわれるので、調光装置は容易に実現可能となる。また、GHセル12を用いるので、偏光板11による調光に加えて、GHセル12自体が光を吸収することにより、調光を行なうことができる。
【0045】
このようにして、この調光装置は、明、暗のコントラスト比を高めると共に、光量分布をほぼ均一に保つことができるものとなる。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施例を図面参照下に説明する。
【0047】
実施例1
まず、ゲスト−ホスト型液晶(GH)セルを用いる調光装置の一例を説明する。
【0048】
この調光装置は、図11に示すように、GHセル12と偏光板11とからなる。そして、GHセル12は、透明電極と配向膜をそれぞれ形成した2枚のガラス基板(いずれも図示せず)の間に、ネガ型の液晶分子(ホスト材料)とポジ型又はネガ型の二色性染料分子(ゲスト材料)との混合物が封入されている。
【0049】
液晶分子には、例えば誘電率異方性が負のネガ型液晶であるMerck社製のMLC−6608を一例として用い、また二色性染料分子4には、光の吸収に異方性を有し、例えば分子長軸方向の光を吸収するポジ型染料であるBDH社製のD5を一例として用いた。偏光板11の光吸収軸は、GHセル12に電圧を印加した時の光吸収軸と直交させた。
【0050】
このGHセル12からなる調光装置23は、例えば図11に示したように、ズームレンズのように複数のレンズで構成されるレンズ前群15とレンズ後群16との間に配置された。レンズ前群15を透過した光は、偏光板11を介して直線偏光された後、GHセル12に入射する。GHセル12を透過した光は、レンズ後群16で集光され、撮像面17に映像として映し出される。
【0051】
そして、この調光装置23を構成する偏光板11は、本出願人による上述した先願発明と同様に、GHセル12に入射する光の有効光路に対して出し入れ可能である。具体的には、偏光板11を仮想線で示す位置に移動させることにより、光の有効光路の外へ出すことができる。この偏光板11を出し入れする手段として、図12に示した機械式アイリスが用いられてもよい。
【0052】
このGHセル12に、矩形波を駆動波形として入力し、動作電圧印加時の光透過率の変化を計測したところ(図9)、図10に示すように、動作電圧の印加に伴って、可視光の平均光透過率(空気中)が最大光透過率約75%から数%にまで減少した。用いる液晶セル構造や構成材料によっても異なるが、GHセル12は、±5V(1kHz)以上のパルス電圧印加で、ほぼ最小光透過率に達した。
【0053】
しかし、0V→±5V、±5→0Vのように、透明状態から完全遮光状態へ、又は完全遮光状態から透明状態へと変化させた場合、光透過率は、ある程度高速に応答するが、中間調で光透過率をわずかに変化させようとした場合は、数倍の応答時間を要する場合があった。
【0054】
例えば、図1(a)のように、25℃の室温下でセルギャップ4.12μmのGHセルに対して、0V→±5Vの駆動パルス電圧変化を与えると、光透過率が23.4msで応答した場合に、図1(b)のように、±2V→±3Vで中間調の駆動を行うと、応答時間が87.4ms程度まで悪化した。
【0055】
この過渡応答速度は更に、液晶素子のセルギャップの影響を大きく受け、セルギャップが大きくなる程、有効光路長に存在する液晶分子が増えるため、液晶セルとしての過渡応答に要する時間は増加する。逆に、セルギャップが小さくなるほど、応答時間は短くなる。
【0056】
例えば、セルギャップが3.04μmの上述と同一構成材料の液晶光学素子であれば、0→±5Vの駆動パルス電圧変化に対して、光透過率の応答時間は7.8msまで速くなり、±2→±3Vで中間調の駆動をしても、応答時間は20.0ms程度まで速くなる。
【0057】
液晶セルを調光素子に用いて撮像装置を実現しようとする場合、セルギャップのバラツキに振られた応答速度の変化、特にセルギャップが大きい場合の応答速度の低下は、自動露出調整等に支障を来してしまうことになる。
【0058】
これを解決するために、本発明者が鋭意検討を重ねたところ、予め透明時ないし遮光時の光透過率の値から、実装した液晶光学素子のセルギャップを正確に把握しておき、中間調で駆動する場合には、最初に完全遮光状態(最小透過率)に対応する制御駆動波形を、目標透過率を与える駆動波形の前に、液晶素子のセルギャップに応じて適当な何パルス分かを挿入すれば、応答時間を大幅に短縮できることが判明した。
【0059】
例えば、図1(c)に示すように、セルギャップ4.12μmの液晶光学素子に対して、±2→±3Vで駆動する場合に、最初に完全遮光状態(最小透過率)に対応する±5Vの矩形波を12ms分だけ、±3Vの駆動波形の前に挿入したところ、光透過率の応答時間は、87.4msから11.0msへと、大幅に短縮することができた。
【0060】
同様に、セルギャップ4.12μmの液晶光学素子に対して、±3→±2Vで駆動する場合には、最初に完全透明状態(最大透過率)に対応する0Vの制御駆動波形を18ms分だけ、±2Vの駆動波形の前に挿入したところ、図2(c)のように、光透過率の応答時間は、51.4msから18.8msに短縮することができた。
【0061】
なお、本実施例で、中間挿入する制御駆動パルスの時間幅や電圧は、制御し易いように、ある程度自由に選択できる。しかしながら、液晶素子のセルギャップに応じて中間挿入する制御パルスの時間幅には、最適値が存在し、光透過率の過渡応答が目標値をオーバーシュートするような設定(図3(c))は好ましくない。
【0062】
例えば、セルギャップが3.04μmの前述の液晶光学素子であれば、±2→±3Vで駆動する場合には、最初に完全遮光状態(最小透過率)に対応する±5Vの矩形波を3ms分だけ、±3Vの駆動波形の前に挿入したところ、光透過率の応答時間は、20.0msから3.0msへと、更に大幅に短縮することができた。
【0063】
同様に、セルギャップが3.04μmの液晶光学素子で±3→±2Vで駆動する場合には、最初に完全透明状態(最大透過率)に対応する0Vの駆動波形を10ms分だけ、±2Vの駆動波形の前に挿入したところ、光透過率の応答時間は、20.0msから7.0msに短縮することができた。
【0064】
図5には、±2→±3V及び±3→±2Vの中間調で液晶素子を駆動する場合の過渡応答速度の改善について、様々なセルギャップの液晶光学素子で検討した結果得られた、中間挿入制御パルスの最適時間幅を示す。
【0065】
この関係を把握することにより、製造工程でセルギャップがバラついても、予め透明時ないし遮光時の光透過率を検出し、これから、実装した液晶光学素子のセルギャップを正確に認識しておき(図4)、これに応じた最適時間幅で制御駆動パルスを中間挿入することにより(図5)、図6及び図7に示すように、個々の液晶セルに合った最適な形で、中間調駆動の過渡応答速度を大幅に改善できることが可能となった。
【0066】
実施例2
本実施例は、液晶セルの駆動法を、実施例1で述べたパルス電圧変調(PHM)からパルス幅変調(PWM)に変えたものである。
【0067】
例えば、基本的なパルス発生周期を100μsとして、この基本周期内でパルス幅を制御することにより、図8に示すように、パルス幅の増加に伴って、前述のパルス電圧変調と同様に、可視光の平均光透過率(空気中)が最大光透過率約75%から数%にまで減少した。
【0068】
そして、パルス波高値を5Vで固定し、パルス幅を制御して、0μs→100μs、100μs→0μsのように、透明状態から完全遮光状態へ、又は完全遮光状態から透明状態へと変化させた場合、光透過率は、ある程度高速に応答するが、中間調で光透過率をわずかに変化させようとした場合は、やはり数倍の応答時間を要した。
【0069】
例えば、25℃の室温下でセルギャップ4μmのGHセルにおいて、0μs→100μsの駆動パルス幅変化に対して、光透過率が約20msで応答した場合に、20μs→40μsで中間調の駆動すると、応答時間が約90ms程度まで悪化した。
【0070】
パルス幅変調で駆動する場合の過渡応答速度も、液晶素子のセルギャップの影響を大きく受け、セルギャップが大きくなる程、有効光路長に存在する液晶分子が増えるため、液晶セルとしての過渡応答に要する時間は増加する。逆にセルギャップが小さくなるほど、応答時間は短くなる。
【0071】
例えば、セルギャップが3μmの上述と同一構成材料の液晶光学素子であれば、0→100μsの駆動パルス幅変化に対して、光透過率の応答時間は約10msまで速くなり、20→40μsで中間調の駆動をしても、応答時間は約20msまで速くなる。
【0072】
液晶セルを調光素子に用いて撮像装置を実現しようとする場合、セルギャップのバラツキに振られた応答速度の変化、特にセルギャップが大きい場合の応答速度の低下は、自動露出調整等に支障を来してしまうことになる。
【0073】
これを解決するために、本発明者が鋭意検討を重ねたところ、パルス幅変調(PWM)で中間調駆動する場合も、予め透明時ないし遮光時の光透過率の値から、実装した液晶光学素子のセルギャップを正確に把握しておき、中間調で駆動する場合には、最初に完全遮光状態(最小透過率)に対応する制御駆動波形を、目標透過率を与える駆動波形の前に、液晶素子のセルギャップに応じて適当な何パルス分かを挿入すれば、応答時間を大幅に短縮できることが判明した。
【0074】
例えば、セルギャップ4μmの液晶光学素子に対して、20→40μsのパルス幅変化で駆動する場合に、最初に完全遮光状態(最小透過率)に対応する100μsのパルス幅の矩形波を12ms分だけ、40μsのパルス幅の駆動波形の前に挿入したところ、光透過率の応答時間は、約90msから約10msへと大幅に短縮することができた。
【0075】
同様に、セルギャップ4μmの液晶光学素子に対して、40→20μsのパルス幅変化で駆動する場合には、最初に完全透明状態(最大透過率)に対応する0μsの制御駆動波形を18ms分だけ、20μsのパルス幅の駆動波形の前に挿入したところ、光透過率の応答時間は、約55msから約20msに短縮することができた。
【0076】
なお、本実施例でも、中間挿入する制御駆動パルスの時間幅や電圧は、制御し易いように、ある程度自由に選択できる。しかしながら、液晶素子のセルギャップに応じて中間挿入する制御パルスの時間幅には、最適値が存在し、光透過率の過渡応答が目標値をオーバーシュートするような設定は、やはり好ましくない。
【0077】
例えば、セルギャップが3μmの前述の液晶光学素子であれば、20→40μsのパルス幅変化で駆動する場合には、最初に完全遮光状態(最小透過率)に対応する100μsのパルス幅の矩形波を3ms分だけ、40μsのパルス幅の駆動波形の前に挿入したところ、光透過率の応答時間は、約20msから約3msへと短縮することができた。
【0078】
同様に、セルギャップが3μmの液晶光学素子で、40→20μsのパルス幅変化で駆動する場合には、最初に完全透明状態(最大透過率)に対応する0μsの制御駆動波形を10ms分だけ、20μsのパルス幅の駆動波形の前に挿入したところ、光透過率の応答時間は、約20msから約7msに短縮することがでた。
【0079】
さらに、本実施例では、パルス幅変調を用いて駆動しているため、実施例1のパルス電圧変調に比べて、しきい値電圧が低く、全体的に特性が低電圧側にシフトするため、低電圧での制御が可能であり、消費電力の低減も図れる。また、光透過率の変化は比較的緩やかとなるため、電圧により透過率を制御しやすく、階調性が向上した。
【0080】
実施例3
図14は、上記実施例による調光装置23をCCD(Charge coupled device)カメラに組み込んだ例を示すものである。
【0081】
即ち、CCDカメラ50において、一点鎖線で示す光軸に沿って、前記のレンズ前群15に相当する1群レンズ51及び2群レンズ(ズーム用)52、前記のレンズ後群16に相当する3群レンズ53及び4群レンズ(フォーカス用)54、CCDパッケージ55が適宜の間隔をおいてこの順に配設されており、CCDパッケージ55には赤外カットフィルタ55a、光学ローパスフィルタ系55b、CCD撮像素子55cが収納されている。
【0082】
2群レンズ52と3群レンズ53との間には、3群レンズ53寄りに、上述した本発明に基づくGHセル12と偏光板11からなる調光装置23が光量調節(光量絞り)のために同じ光路上に取付けられている。なお、フォーカス用の4群レンズ54は、リニアモータ57により光路に沿って3群レンズ53とCCDパッケージ55との間を移動可能に配設され、またズーム用の2群レンズ52は、光路に沿って1群レンズ51と調光装置23との間を移動可能に配設されている。
【0083】
図15には、このカメラシステムにおける調光装置23による光透過率制御のシーケンスのアルゴリズムを示す。
【0084】
この実施例によると、2群レンズ52と3群レンズ53の間に本発明に基づく調光装置23が設けられているので、上述したように電界の印加によって光量を調節でき、システムを小型化でき、実質的に光路の有効範囲の大きさまで小型化できる。したがって、CCDカメラの小型化を達成することが可能である。また、パターン化された電極への印加電圧の大きさによって光量を適切に制御できるので、従来のような回折現象を防止し、撮像素子へ十分な光量を入射させ、像のぼやけをなくせる。
【0085】
図16は、上記のCCDカメラの駆動回路ブロック図である。これによれば、調光装置23の光出射側に配されたCCD撮像素子55cの駆動回路部60を有し、CCD撮像素子55cの出力信号がY/C信号処理部61で処理され、輝度情報(Y信号)としてGHセル駆動制御回路部62にフィードバックされ、この制御回路部からの制御信号により、駆動回路部60の基本クロックと同期して、上述した如くにパルス電圧又はパルス幅が制御された駆動パルスがパルス発生回路部63から得られるようになっている。制御回路部62と、パルス発生回路部63とで、パルス電圧又はパルス幅の制御のためのGH液晶駆動制御部64が構成されている。
【0086】
そして、セルギャップの判定についてはその動作前に、実装された調光装置23の透明時及び/又は遮蔽時の光透過率をCCD撮像素子55cで検出し、この検出情報を輝度情報としてセルギャップ判定回路65へ入れる。これによって自動的に(自己)認識されたセルギャップに応じたパルス電圧、パルス数又はパルス幅、パルス数がパルス発生回路63から生じるように、制御回路部62により制御する。
【0087】
なお、このカメラシステムとは別のシステムにおいても、調光装置23の出射光をフォトディテクタ(又はフォトマル)で受け、ここから出射光の輝度情報を制御回路部62へフィードバックし、GHセル駆動回路部(図示せず)のクロックと同期して、パルス発生回路部からパルス電圧又はパルス幅が制御された駆動パルスを得ることができる。
【0088】
以上、本発明を実施の形態及び実施例について説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基づき種々に変形が可能である。
【0089】
例えば、液晶素子や調光装置の構造や材質、その駆動機構、駆動回路、制御回路の構成などは種々に変更が可能である。また、駆動波形は矩形波、台形波、三角波、正弦波のいずれでも駆動可能であり、両電極間の電位差に応じて液晶分子の傾きが変化し、光透過率が制御される。セルギャップの検出方法や、これに基づく駆動パルス制御方法も上述したものに限定されることはない。
【0090】
本発明の調光装置及び撮像装置は、前記液晶光学素子の駆動電極が少なくとも有効光透過部の全域にわたって形成されている場合に好適であり、そのように形成された駆動電極への駆動パルスの制御によって有効光路幅全体にわたって光透過率の一括制御を高精度に行なうことができる。
【0091】
また、GHセルとして、上述したもの以外に、2層構造等のGHセルも使用可能である。偏光板11のGHセル12に対する位置は、レンズ前群15とレンズ後群16との間としたが、この配置に限らず、撮像レンズの設定条件から最適となる位置に配置されればよい。即ち、位相差フィルム等の偏光状態が変化する光学素子を用いない限り、偏光板11は、例えば撮像面17とレンズ後群16との間等、被写体側又は撮像素子側の任意の位置に置くことができる。さらにまた、偏光板11は、レンズ前群15又はレンズ後群16に代わる単一のレンズ(単レンズ)の前又は後に配置されてもよい。
【0092】
また、アイリス羽根18、19は2枚に限られず、より多くの枚数を用いることにしてもよいし、逆に1枚でもよい。また、アイリス羽根18、19は、上下方向に移動することにより重ねられるが、他の方向に移動してもよく、周囲から中央に向けて絞り込むことにしてもよい。
【0093】
また、偏光板11は、アイリス羽根18に貼付されているが、アイリス羽根19の方に貼付されてもよい。
【0094】
また、被写体が明るくなるにつれて、先に偏光板11の出し入れによる調光を行なった後、GHセル12による光の吸収を行なったが、逆に、先にGHセル12の光吸収による調光を行なうことにしても良い。この場合、GHセル12の透過率が所定の値まで低下した後に、偏光板11の出し入れによる調光を行なう。
【0095】
また、偏光板11を有効光路20から出し入れする手段として、機械式アイリスを用いたが、これに限られない。例えば、偏光板11が貼付されたフィルムを駆動モーターに直接設置することにより、偏光板11を出し入れしてもよい。
【0096】
また、上記の例では偏光板11を有効光路20に対し出し入れしたが、有効光路中に位置固定することも勿論可能である。
【0097】
また、本発明の調光装置は、公知の他のフィルター材(例えば、有機系のエレクトロクロミック材、液晶、エレクトロルミネッセンス材等)と組み合わせて用いることも可能である。
【0098】
更に、本発明の調光装置は、既述したCCDカメラ等の撮像装置の光学絞り以外にも、各種光学系、例えば、電子写真複写機や光通信機器等の光量調節用としても広く適用が可能である。更に、本発明の調光装置は、光学絞りやフィルター以外に、キャラクターやイメージを表示する各種の画像表示素子に適用することができる。
【0099】
【発明の作用効果】
本発明によれば、液晶素子の光透過率を、現光透過率から目標光透過率へ中間調でわずかに変化させる際に、目標光透過率に対応する駆動パルスを与える前に、完全遮光時(最小光透過率)又は完全透明時(最大光透過率)に対応する制御用駆動パルスを予め適度に挿入し、しかもこの制御用駆動パルスをセルギャップに応じて挿入するため、単に目標光透過率に対応する駆動パルスをステップ状に与えて駆動する場合に比べて、液晶の配向変化又はその緩和がスムーズに立ち上がるようになり、目標光透過率に達するまでの応答時間を大幅にしかも適切に短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による、中間調の応答速度の改善結果の一例を示すグラフである。
【図2】同、中間調の応答速度の改善結果の別の一例を示すグラフである。
【図3】同、中間調の応答速度の改善のための駆動パルス制御の一例を示すグラフである。
【図4】同、透明時及び遮光時のセルギャップによる透過率変化を示すグラフである。
【図5】同、セルギャップと適正パルス挿入時間の関係を示すグラフである。
【図6】同、立ち上り時のセルギャップによる応答時間の変化を示すグラフである。
【図7】同、立ち下り時のセルギャップによる応答時間の変化を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施例による調光装置の光透過率と駆動パルスのパルス幅との関係を示すグラフ及び駆動パルス波形図である。
【図9】本発明による調光装置の一例の動作原理を示す概略図である。
【図10】同、調光装置の光透過率と駆動印加電圧との関係を示すグラフである。
【図11】同、液晶光学素子を用いた調光装置の概略側面図である。
【図12】同、調光装置の機械式アイリスの正面図である。
【図13】同、調光装置の有効光路付近の機械式アイリスの動作を示す概略部分拡大図である。
【図14】同、調光装置を組み込んだカメラシステムの概略断面図である。
【図15】同、カメラシステムにおける光透過率制御のアルゴリズムである。
【図16】同、駆動回路を含むカメラシステムのブロック図である。
【図17】従来の調光装置の動作原理を示す概略図である。
【図18】同、調光装置の光透過率と駆動印加電圧との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1、11…偏光板、2、12…GHセル、3…ポジ型液晶、
4…ポジ型染料分子、5…入射光、13…ネガ型液晶、15、16…レンズ群、
17…撮像面、18、19…アイリス羽根、
20…有効光路(セル中間部又は中央部)、22…開口部、23…調光装置、
24…セル周辺部、31A、31B…ガラス基板、
32A、32B…透明(動作)電極、33A、33B…配向膜、
34…液晶材料、35…封止(シール)材、36…球状スペーサー、
37…柱状スペーサー、50…CCDカメラ、51…1群レンズ、
52…2群レンズ、53…3群レンズ、54…4群レンズ、
55…CCDパッケージ、55b…光学ローパスフィルタ、
55c…CCD撮像素子、60…CCD駆動回路部、61…Y/C信号処理部、
62…制御回路部、63…パルス発生回路部、
64…パルス電圧又はパルス幅の制御部(GH液晶駆動制御装置)、
65…セルギャップ判定回路

Claims (18)

  1. ネガ型液晶をホスト材料とし、二色性染料をゲスト材料とするゲスト−ホスト型液晶素子と;この液晶素子のセルギャップを検出するための検出手段と;前記液晶素子から射出する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させる際に、少なくとも前記目標光透過率に対応する駆動パルスを与える前に、最小光透過率又は最大光透過率に対応する制御用駆動パルスを前記セルギャップに応じて予め挿入する、パルス制御部と;を具備する調光装置。
  2. 前記液晶素子の透明時及び/又は遮光時の光透過率を予め検出し、この検出値から前記セルギャップを判定する、請求項1に記載した調光装置。
  3. 前記制御用駆動パルスが、制御された少なくともパルス電圧及び/又はパルス数を有している、請求項1に記載した調光装置。
  4. 前記制御用駆動パルスのパルス電圧が、前記最小光透過率又は最大光透過率を生じるパルス電圧と同等、或いはこのパルス電圧と前記目標光透過率を生じるパルス電圧との間の値である、請求項3に記載した調光装置。
  5. 前記制御用駆動パルスが、制御された少なくともパルス幅及び/又はパルス数を有している、請求項1に記載した調光装置。
  6. 前記制御用駆動パルスのパルス幅が、前記最小光透過率又は最大光透過率を生じるパルス幅と同等、或いはこのパルス幅と前記目標光透過率を生じるパルス幅との間の値である、請求項5に記載した調光装置。
  7. ネガ型液晶をホスト材料とし、二色性染料をゲスト材料とするゲスト−ホスト型液晶素子からなる調光装置を駆動する方法であって、前記液晶素子のセルギャップを予め検出し、前記液晶素子から射出する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させる際に、少なくとも前記目標光透過率に対応する駆動パルスを与える前に、最小光透過率又は最大光透過率に対応する制御用駆動パルスを前記セルギャップに応じて予め挿入する、調光装置の駆動方法。
  8. 前記液晶素子の透明時及び/又は遮光時の光透過率を予め検出し、この検出値から前記セルギャップを判定する、請求項に記載した方法。
  9. 前記制御用駆動パルスを少なくともパルス電圧及び/又はパルス数によって制御する、請求項に記載した調光装置の駆動方法。
  10. 前記制御用駆動パルスのパルス電圧を、前記最小光透過率又は最大光透過率を生じるパルス電圧と同等、或いはこのパルス電圧と前記目標光透過率を生じるパルス電圧との間の値とする、請求項に記載した調光装置の駆動方法。
  11. 前記制御用駆動パルスを少なくともパルス幅及び/又はパルス数によって制御する、請求項に記載した調光装置の駆動方法。
  12. 前記制御用駆動パルスのパルス幅を、前記最小光透過率又は最大光透過率を生じるパルス幅と同等、或いはこのパルス幅と前記目標光透過率を生じるパルス幅との間の値とする、請求項11に記載した調光装置の駆動方法。
  13. ネガ型液晶をホスト材料とし、二色性染料をゲスト材料とするゲスト−ホスト型液晶素子からなる調光装置が撮像系の光路中に配されている撮像装置であって、前記調光装置が、
    前記液晶素子のセルギャップを検出するための検出手段と、
    前記液晶素子から射出する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させる際 に、少なくとも前記目標光透過率に対応する駆動パルスを与える前に、最小光透過率又 は最大光透過率に対応する制御用駆動パルスを前記セルギャップに応じて予め挿入する 、パルス制御部と
    を具備する、撮像装置。
  14. 前記液晶素子の透明時及び/又は遮光時の光透過率を予め検出し、この検出値から前記セルギャップを判定する、請求項13に記載した調光装置。
  15. 前記制御用駆動パルスが、制御された少なくともパルス電圧及び/又はパルス数を有している、請求項13に記載した撮像装置。
  16. 前記制御用駆動パルスのパルス電圧が、前記最小光透過率又は最大光透過率を生じるパルス電圧と同等、或いはこのパルス電圧と前記目標光透過率を生じるパルス電圧との間の値である、請求項15に記載した撮像装置。
  17. 前記制御用駆動パルスが、制御された少なくともパルス幅及び/又はパルス数を有している、請求項13に記載した撮像装置。
  18. 前記制御用駆動パルスのパルス幅が、前記最小光透過率又は最大光透過率を生じるパルス幅と同等、或いはこのパルス幅と前記目標光透過率を生じるパルス幅との間の値である、請求項17に記載した撮像装置。
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