JP4624571B2 - 炭素繊維前駆体糸条の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、総繊度7万デニール以上の炭素繊維前駆体糸条の製造方法に関し、詳しくは、炭素繊維製造工程において扱いやすい形態で供給できる炭素繊維前駆体糸条の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化複合材料には、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等が使用されている。中でも、炭素繊維は、比強度、比弾性率、耐熱性、耐薬品性等に優れ、航空機用途、ゴルフシャフト、釣り竿等のスポーツ用途、一般産業用途の繊維強化複合材料の強化材として使用されている。高強度、高弾性率の炭素繊維を得るためには、炭素繊維前駆体糸条束として糸切れ、毛羽の発生が少なく品質に優れたものが必要である。前駆体糸条束のフィラメント構成として、フィラメント数が3000本以上から24000本以下が主に用いられていた。
【0003】
最近、炭素繊維の利用は建築、土木、自動車、エネルギー、コンパウンド等の一般産業用途に使用されるようになり、その為、高強度・高弾性率でより安価な生産性に優れたラージトウが強く求められている。
【0004】
近年、ラージトウの開発においては、紡糸機台あたりの生産性を向上させる技術(特開2000−144521号公報)やトウ幅制御による多錘化技術(特願平11−168587号:未公開)等が提案されており、これらの技術を実施することで、高品質で安価なラージトウを提供することが可能となった。しかし、ラージトウのような太物糸条をボビン等に巻き上げ炭素繊維製造工程に供給することは非常に困難である。例えば、ワインダートラバースガイドでの擦過や損傷、またガイドからの単糸の溝飛びによる毛羽、糸切れ等の問題が生じ、更には炭素繊維製造工程でのトウの厚みムラ、トウエッジ部での損傷、折れ曲がり等の問題が発生する。このような問題を解決するために、例えば特開平11−189913号公報では、捲縮を施した炭素繊維前駆体を箱容器に収納し、耐炎化工程で小トウに分割し焼成を行う技術が提案されているが、炭素繊維前駆体糸条に捲縮を施すことで糸条が挫屈、損傷するために、炭素繊維前駆体糸条として強度発現性の点からあまり好ましくない。更に、捲縮により得られる糸条は嵩高であるので、多数本束ねて箱容器に収納しようとした場合に箱容器が大きくなり、ハンドリングが困難で収納効率が低下する。また、糸長を確保することも困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、炭素繊維製造工程(焼成工程)における糸条束の総繊度、太さ、糸長を考慮して、炭素繊維製造工程において使いやすい形態の炭素繊維前駆体糸条を製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
即ち、総繊度7万デニール以上の、糸切れ、毛羽の発生の少ない高品質、高性能な炭素繊維前駆体糸条を、低コストにて生産性よく、容器に収納する方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フックドロップ法で測定した交絡度5ヶ/m〜20ヶ/m、水分率5%〜30%に調製した炭素繊維前駆体繊維束を1本以上引き揃えた総繊度7万デニール以上の炭素繊維前駆体繊維束集合体を、ギヤロールによって集束させた後、容器に収納することを特徴とする炭素繊維前駆体糸条の製造方法に関する。
【0008】
このとき、総繊度7万デニール以上の炭素繊維前駆体繊維束集合体を容器に収納する際、該炭素繊維前駆体繊維束集合体を少なくとも2ヶ以上に分割し、各々独立して1つの容器内に収納する。
【0009】
このように、必要により炭素繊維前駆体繊維束集合体を分割することにより、炭素繊維を製造する際に最も扱いやすい形態のトウボリュウム(太さ、トータル繊度)にすることができる。
【0010】
さらに、本発明では、容器に収納した炭素繊維前駆体繊維束集合体の嵩密度を0.5以上とすることが好ましく、これにより設備投資が少なくまた省スペースで小糸条束の糸長を長くすることが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
炭素繊維前駆体繊維束は、アクリロニトリル系重合体を含む紡糸原液を紡糸口金から紡出して凝固糸とした後、洗浄、延伸、添油、乾燥等の通常の各工程を経て製造される。アクリロニトリル系重合体としては、通常の炭素繊維前駆体アクリロニトリル繊維に用いられるものであれば特に制限はなく、アクリロニトリル系重合体としては、アクリロニトリルの単独重合体もしくは共重合体、またはこれらの重合体の混合重合体を使用することができる。
【0012】
本発明では、このような製造工程から送られる炭素繊維前駆体繊維束を、以下に説明するようにして、容器に収納された炭素繊維前駆体糸条を得るものである。
【0013】
本発明では、まず炭素繊維前駆体繊維束の交絡度が、5ヶ/mから20ヶ/mの範囲、好ましくは10ヶ/m〜14ヶ/mの範囲になるように集束性を付与する。ここで、炭素繊維前駆体繊維束の交絡度とは、繊維束中の1本の単繊維が隣接する他の単繊維と1mの間に何回交絡しているかを示すパラメータである。交絡度は、フックドロップ法により測定される。そして交絡度が小さすぎると、容器に収納する際糸条束がばらけ、毛羽や糸切れ等の問題が発生し、又、分割して容器内に収納することが困難となる。糸条束の交絡度が大きすぎると、その後の水分付与が難しくなり、また得られる炭素繊維束の樹脂含浸性および開繊性が悪くなる。
【0014】
ここで用いられる交絡装置は、特に制限はなく、一般的なラビリンス装置、インターレース装置等を用いることができる。
【0015】
次に、炭素繊維前駆体繊維の水分率が5%〜30%の範囲、好ましくは10%〜20%の範囲になるように調整する。ここで、水分率は、ウエット状態にある繊維束の重量wと、これを105℃×2時間の熱風乾燥機で乾燥した後の重量w0とにより、水分率(重量%)=(w−w0 )×100/w0によって求めた数値である。水分率が低すぎると、糸条束の集束性が低下し容器内に収納する際、糸条束が静電気でばらけやすくなり収納が困難になり、又、炭素繊維製造工程において糸条束を解舒する際にばらけて焼成工程通過性が悪くなる。一方、水分率が高すぎても、糸条束に過剰付着した水分が悪影響を及ぼし、炭素繊維としての強度発現性に劣る。
【0016】
上記の水分率に調製するためには、特に限定されないが、ディップ−ニップ槽、噴霧装置、タッチロール等により炭素繊維前駆体繊維に水分付与を行うことができる。
【0017】
本発明ではさらに、生産効率を高め、低コスト化を狙うことから、繊度2万〜10万デニールの多フィラメントで構成される繊維束を、総繊度7万デニール以上となるように1本以上、必要により複数本の繊維束を引き揃え、ギヤロールにより集束させる。この時、総繊度7万デニール以下の場合に適用しても構わないが、高生産性、低コストの面からあまり好ましくない。また、本発明の製造方法を適用する必要性は乏しい。
【0018】
尚、これら、多フィラメントの各1本の単糸繊度は、生産性と得られる炭素繊維物性を考慮して、1.0dtexから1.65dtexの範囲が好ましい。
【0019】
図1に、ギヤロールを用いて集束させる例を示す。断面形状が歯車状の凹凸を有するギヤロール1aと1b(図面では模式的に示した。)を有するギヤロール1に、複数の繊維束を引き揃えた繊維束F2を通過させると、集束性の向上した繊維束集合体F3が得られる。
【0020】
ギヤロールの素材は特に限定されないが、ステンレス、炭素鋼、アルミ等が用いられるが、通常は設備費用やトウへ与えるダメージを考慮してステンレスにハードクロムメッキの表面処理を施したものが好ましい。このようなギヤロールを用いることで、繊維に挫屈などの損傷を与えることなく、また巻き付き等のトラブルもなく安定に複数本の繊維束を引き揃えることが可能となる。
【0021】
このように、1本または多数本の繊維束をギヤロールで集束した繊維束集合体(糸条束)を、容器に収納する直前に、好ましくは少なくとも2本以上に分割して、1つの容器に収納する。繊維束集合体を分割する方法としては、例えばピンガイドや分繊バーを用いて容易に分割することができる。また、エアーを吹き付けて分割することも可能である。
【0022】
ここで用いられる容器としては、丸容器若しくは角容器のどちらを用いても構わない。容器の材質については、ダンボール、アルミ容器、ステンレス容器、プラスチック容器、またはフレキシブルコンテナバック等に収納することを用いることができる。収納するトウ水分率を維持することを考慮すると、耐水、耐油加工を施したもの、更には、密閉できる容器が好ましい。又、ハンドリングや輸送コストの点では、容器は軽い方が好ましい。
【0023】
容器の大きさは特に制限は無いが、むやみに容器サイズを大きくした場合、ハンドリングの問題や輸送コスト、更には容器の耐強度の問題があるので、容器サイズは炭素繊維製造工程に必要な糸長を考慮し、決定する必要がある。
【0024】
繊維束集合体(分割されたものを含む)を容器へ収納するときの振り込み方法は、一般的な振り込み方法を用いて行うことができる。例えば、角容器を用いる場合には、トウを振り込むトラバースガイドを往復運動(X−Y振り込み)させることにより収納する方法や、またトラバースガイドを固定し、角容器を往復運動させることにより収納する方法が挙げられる。
【0025】
また、丸容器の場合も同様に、丸容器を回転運動させることにより収納する方法やトラバースガイドを回転させることにより振り込む方法が挙げられる。設置場所や設備コスト等を考えると、振り込みトラバースガイドを可動させて収納する方法が有利である。
【0026】
また、容器に収納した際の炭素繊維前駆体糸条の嵩密度は、0.5以上が好ましい。嵩密度が低すぎると、必要以上に容器サイズが大きくなり上記の問題が生じる。トウ水分率を5%〜30%の範囲内にすることで、嵩密度を容易に0.5以上にすることができる。また物理的な方法として、タンピング作業を連続または随時実施することで解決される。
【0027】
本発明において、容器に収納された炭素繊維前駆体繊維束の単繊強度は、好ましくは5.0cN/dtex以上であり、より好ましくは6.5cN/dtex以上であり、さらに好ましくは7.0cN/dtex以上である。単繊強度が低すぎると、焼成工程での単糸切れによる毛羽の発生が多くなって焼成工程通過性が悪くなる。
【0028】
ここで、炭素繊維前駆体糸条の単繊強度は、単繊維自動引張強伸度測定機(オリエンテック UTM II−20)を使用し、台紙に貼られた単繊維をロードセルのチャックに装着し、毎分20.0mmの速度で引っ張り試験を行い強伸度を測定することによって求められる。
【0029】
本発明により容器に収納された炭素繊維前駆体糸条は、耐炎化処理、炭素化処理等の焼成工程に供給したときに、ばらけることもなく、単糸切れによる羽毛発生もなく、工程通過性に優れるため高品位の炭素繊維に転換することができる。
【0030】
本発明で製造された炭素繊維前駆体糸条を焼成して得られた炭素繊維のストランド強度は、好ましくは450Kg/mm2以上であり、より好ましくは480Kg/mm2以上であり、さらに好ましくは500Kg/mm2以上である。ストランド強度が450Kg/mm2未満では、市場から要求される産業資材用途への適用が難しくなり、本発明を適用する必要性は乏しくなる。
【0031】
本発明を適用することにより、高強度で開繊性にも優れる炭素繊維を容易に得ることができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。本実施例における各測定は、以下の方法によって行った。
【0033】
(単繊維強度)
単繊維自動引張強伸度測定機(オリエンテック UTM II−20)を使用し、台紙に貼られた単繊維をロードセルのチャックに装着し、毎分20.0mmの速度で引っ張り試験を行い強伸度を測定した。
【0034】
(交絡度)
乾燥状態にある炭素繊維前駆体の繊維束を用意し、垂下装置の上部に該繊維束を取り付け、上部つかみ部から下方1mにおもりを取り付けつり下げた。ここで用いるおもり荷重は、デニール数の1/5のグラム数とした。該繊維束の上部つかみから1cm下部の点に該繊維束を2分割するようにフックを挿入し、2cm/Sの速度でフックを下降させた。フックが該繊維束の絡みによって停止した点までのフックの下降距離L(mm)を求め、次式によって交絡度を算出した。尚、試験回数はN=50とし、その平均値の小数点1桁まで求めた。
【0035】
交絡度=1000/L
ここで用いたフックは、直径が0.5mm〜1.0mmの針状で、表面が滑らかに仕上げ処理をしたものである。
【0036】
(ストランド強度)
JIS R 7601に記載された試験法に準拠し測定した。
【0037】
(水分率)
ウエット状態にある炭素繊維前駆体の繊維束の重量wと、これを105℃×2時間の熱風乾燥機で乾燥した後の重量w0 とにより、水分率(重量%)=(w−w0)×100/w0によって測定した。
【0038】
(嵩密度)
1m3の角容器にトウを振り込み、その時振り込んだトウのウエット重量をw、体積をVとし、w/Vで嵩密度を算出した。
【0039】
[実施例1]
アクリロニトリル、アクリル酸メチルおよびメタクリル酸を、過硫酸アンモニウム−亜硫酸水素アンモニウムおよび硫酸鉄の存在下、水系懸濁重合により共重合し、アクリロニトリル単位/アクリル酸メチル単位/メタクリル酸単位=95/4/1(重量比)からなるアクリロニトリル系重合体を得た。このアクリロニトリル系重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、21重量%の紡糸原液を調製した。
【0040】
この紡糸原液を用いた炭素繊維前駆体糸条の製造を、図1を参照しながら説明する。
【0041】
まず、この紡糸原液を孔数30000、孔径55μmの紡糸口金を通して、濃度60重量%、温度25℃のジメチルアセトアミド水溶液からなる凝固浴中に吐出させて凝固糸にし、第1凝固浴中からこの凝固糸を、紡糸原液の吐出線速度の0.8倍の引取り速度で引き取った。ついで、この糸条束に対して水洗と同時に4倍の延伸を行い、これに1.5重量%に調製したアミノシリコン系油剤を添油した。この糸条束を熱ロールを用いて乾燥、熱セットを施し、スチーム延伸機にて4.0倍に延伸した。図1に示すように、この段階で、フィラメント数30,000、単繊維繊度1.1dtexの糸条束F1が、数本工程を走行している。
【0042】
ついで、ロール7により交絡装置4に導糸し、この糸条束をエアーによって交絡処理を施し、フックドロップ法による交絡度が15ヶ/mとなるようにして、紡糸機最終ロール5に送った。紡糸機最終ロール5には、タッチロール6が備えてあり、これにて糸条束の水分率を調整し、この糸条束に繊維当たり25重量%の水分を含有させた。
【0043】
ついで、総繊度12万トータルデニールとなるように、フィラメント数30,000、単繊維繊度1.1dtexの糸条束を4本引き揃えた糸条束F2を、ギヤロール1に導糸し集束性が向上した糸状束F3を得た。その後、分繊バー2によって4つの小糸条束F4に分割し、それぞれ角形状の小区画に区画された容器3にそれぞれが独立して収納されるようにx−y振り込みを行い、炭素繊維前駆体糸条を得た。
【0044】
この時の、嵩密度は0.65(g/ml)であった。またこの炭素繊維前駆体繊維の単繊維繊度は1.1dtex、単繊維強度は7.2cN/dtexであった。
【0045】
次に、このように一旦容器に収納した炭素繊維前駆体糸条を、炭素繊維に転換するために、小区画に区画された容器から小トウを引き出し、空気中230〜280℃の熱風循環式耐炎化炉に送り、60分間処理し耐炎化繊維束となし、ついで耐炎繊維束を窒素雰囲気中下で最高温度780℃にて1.5分間処理し、さらに同雰囲気下で最高温度が1300℃の高温熱処理炉にて約1.5分処理した後、重炭酸水素アンモニウム水溶液中で0.4Amin/mで電解処理を施し、炭素繊維束を得た。得られた炭素繊維のストランド強度は490kg/mm2であった。また焼成工程における工程通過性は良好であった。
【0046】
表1に、前駆体繊維の単繊維強度、容器に収納した後の嵩密度、焼成して得られた炭素繊維のストランド強度、焼成工程における工程通過性の評価の各結果をまとめて示す(以下の実施例、比較例についても同じ。)。
【0047】
[実施例2]
総繊度24万トータルデニールとなるように糸条束を8本引き揃え、ギヤロールに導糸した以外は、実施例1と同様にして容器に収納された炭素繊維前駆体糸条を得た。単繊維繊度は1.1dtexであった。結果を表1に示す。
【0048】
[実施例3]
ノズル孔数70000、孔径55μmの紡糸口金により紡糸し、総繊度42万トータルデニールとなるように糸条束を6本引き揃え、ギヤロールに導糸した以外は、実施例1と同様にして容器に収納された炭素繊維前駆体糸条を得た。単繊維繊度は1.1dtexであった。結果を表1に示す。
【0049】
[比較例1]
交絡度が3ヶ/mになるように交絡処理を変更した以外は、実施例1と同様にして容器に収納された炭素繊維前駆体糸条を得た。単繊維繊度は1.1dtexであった。結果を表1に示す。
【0050】
[比較例2]
交絡度が25ヶ/mになるように交絡処理を変更した以外は、実施例1と同様にして容器に収納された炭素繊維前駆体糸条を得た。単繊維繊度は1.1dtexであった。結果を表1に示す。
【0051】
[比較例3]
タッチロールにて調整される糸条束の水分率を3重量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器に収納された炭素繊維前駆体糸条を得た。単繊維繊度は1.1dtexであった。結果を表1に示す。
【0052】
[比較例4]
タッチロールにて調整される糸条束の水分率を40重量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器に収納された炭素繊維前駆体糸条を得た。単繊維繊度は1.1dtexであった。結果を表1に示す。
【0053】
[比較例5]
複数本の糸条束を引き揃える際、ギヤロールの替わりにニップロールを使用した以外は、実施例1と同様にして容器に収納された炭素繊維前駆体糸条を得た。単繊維繊度は1.1dtexであった。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、炭素繊維製造工程(焼成工程)における糸条束の総繊度、太さ、糸長を考慮して、炭素繊維製造工程において使いやすい形態の炭素繊維前駆体糸条を製造する方法を提供することができる。
【0056】
即ち、総繊度7万デニール以上の、糸切れ、毛羽の発生の少ない高品質、高性能な炭素繊維前駆体糸条を、低コストにて生産性よく、容器に収納する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭素繊維前駆体糸条の製造方法の1例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ギヤロール
2 分繊バー
3 容器
4 交絡装置
5 紡糸機最終ロール
6 タッチロール
7 ロール
Claims (3)
- フックドロップ法で測定した交絡度5ヶ/m〜20ヶ/m、水分率5%〜30%に調整した炭素繊維前駆体繊維束を1本以上引き揃えた総繊度7万デニール以上の炭素繊維前駆体繊維束集合体を、ギヤロールによって集束させた後、少なくとも2ヶ以上に分割し、各々独立して1つの容器に収納することを特徴とする炭素繊維前駆体糸条の製造方法。
- 容器に収納した炭素繊維前駆体繊維束集合体の嵩密度を0.5以上とすることを特徴とする請求項1記載の炭素繊維前駆体糸条の製造方法。
- 容器に収納した炭素繊維前駆体繊維束集合体の単繊維強度が5.0cN/dtex以上であることを特徴とする請求項1または2記載の炭素繊維前駆体糸条の製造方法。
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