以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図、図2はパチンコ遊技機1の内部構造を示す全体背面図、図3はパチンコ遊技機1の遊技盤を背面からみた背面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、例えばコイン遊技機等であってもよい。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3からあふれた景品玉を貯留する余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
遊技領域7の中央付近には、複数種類の図柄を可変表示するための可変表示部9と7セグメントLEDによる可変表示器10とを含む可変表示装置8が設けられている。この実施の形態では、可変表示部9には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがある。可変表示装置8の側部には、打球を導く通過ゲート11が設けられている。通過ゲート11を通過した打球は、玉出口13を経て始動入賞口14の方に導かれる。通過ゲート11と玉出口13との間の通路には、通過ゲート11を通過した打球を検出するゲートスイッチ12がある。また、始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ17によって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。この実施の形態では、開閉板20が大入賞口を開閉する手段となる。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(Vゾーン)に入った入賞球はVカウントスイッチ22で検出される。また、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。可変表示装置8の下部には、始動入賞口14に入った入賞球数を表示する4個の表示部を有する始動入賞記憶表示器18が設けられている。この例では、4個を上限として、始動入賞がある毎に、始動入賞記憶表示器18は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、可変表示部9の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口19,24が設けられている。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果LED28aおよび遊技効果ランプ28b,28cが設けられている。
そして、この例では、一方のスピーカ27の近傍に、景品玉払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、他方のスピーカ27の近傍に、補給玉が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技台1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カード内に記録された残額情報に端数(100円未満の数)が存在する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられる度数表示LEDに表示させるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
打球発射装置から発射された打球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、可変表示器10の表示数字が連続的に変化する状態になる。また、打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9内の図柄が回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を1増やす。なお、始動入賞記憶については、後で詳しく説明する。
可変表示部9内の画像の回転は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像の組み合わせが大当り図柄の組み合わせであると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示部9内の画像の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高確率状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
また、可変表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、高確率状態では、可変表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。
可変表示装置8の背面では、図2に示すように、機構板36の上部に景品玉タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から景品玉が景品玉タンク38に供給される。景品玉タンク38内の景品玉は、誘導樋39を通って玉払出装置に至る。
機構板36には、中継基板30を介して可変表示部9を制御する可変表示制御ユニット29、基板ケース32に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、可変表示制御ユニット29と遊技制御基板31との間の信号を中継するための中継基板33、および景品玉の払出制御を行う賞球制御用マイクロコンピュータ等が搭載された賞球制御基板37が設置されている。さらに、機構板36には、モータの回転力を利用して打球を遊技領域7に発射する打球発射装置34と、遊技効果ランプ・LED28a,28b,28c、賞球ランプ51および球切れランプ52に信号を送るためのランプ制御基板35が設置されている。
また、図3はパチンコ遊技機1の遊技盤を背面からみた背面図である。遊技盤6の裏面には、図3に示すように、各入賞口および入賞球装置に入賞した入賞玉を所定の入賞経路に沿って導く入賞玉集合カバー40が設けられている。入賞玉集合カバー40に導かれる入賞玉のうち、開閉板20を経て入賞したものは、玉払出装置(図3において図示せず)が相対的に多い景品玉数(例えば15個)を払い出すように制御される。始動入賞口14を経て入賞したものは、玉払出装置が相対的に少ない景品玉数(例えば6個)を払い出すように制御される。そして、その他の入賞口24および入賞球装置を経て入賞したものは、玉払出装置が相対的に中程度の景品玉数(例えば10個)を払い出すように制御される。なお、図3には、中継基板33が例示されている。
賞球払出制御を行うために、入賞球検出スイッチ99、始動口スイッチ17およびVカウントスイッチ22からの信号が、主基板31に送られる。入賞があったことは入賞球検出スイッチ99で検出されるが、主基板31に入賞球検出スイッチ99のオン信号が送られると、主基板31から賞球制御基板37に賞球制御コマンドが送られる。例えば、始動口スイッチ17のオンに対応して入賞球検出スイッチ99がオンすると、賞球個数「6」を示す賞球制御コマンドが出力され、カウントスイッチ23またはVカウントスイッチ22のオンに対応して入賞球検出スイッチ99がオンすると、賞球個数「15」を示す賞球制御コマンドが出力される。そして、それらのスイッチがオンしない場合に入賞球検出スイッチ99がオンすると、賞球個数「10」を示す賞球制御コマンドが出力される。
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、賞球制御基板37、ランプ制御基板35、音声制御基板70、発射制御基板91および表示制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23および入賞球検出スイッチ99からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および開閉板20を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、始動記憶表示器18の点灯および滅灯を行うとともに7セグメントLEDによる可変表示器10と装飾ランプ25とを駆動するランプ・LED回路60とを含む。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部9の画像表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含む。
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、制御用のプログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。なお、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている場合もある。
さらに、主基板31には、電源投入時に基本回路53をリセットするための初期リセット回路65と、定期的(例えば、2ms毎)に基本回路53にリセットパルスを与えてゲーム制御用のプログラムを先頭から再度実行させるための定期リセット回路66と、基本回路53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部57のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67とが設けられている。
なお、玉払出装置97から主基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、図4ではそれらは省略されている。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
次に動作について説明する。
図5は、主基板31におけるCPU56が実行する遊技制御プログラムのメイン動作を示すフローチャートである。上述したように、この処理は、定期リセット回路66が発するリセットパルスによって、例えば2ms毎に起動される。CPU56が起動されると、CPU56は、まず、クロックモニタ制御を動作可能状態にするために、CPU56に内蔵されているクロックモニタレジスタをクロックモニタイネーブル状態に設定する(ステップS1)。なお、クロックモニタ制御とは、入力されるクロック信号の低下または停止を検出すると、CPU56の内部で自動的にリセットを発生する制御である。
次いで、CPU56は、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックセット処理を行う(ステップS2)。この例では、スタックポインタに00FFHが設定される。そして、システムチェック処理を行う(ステップS3)。システムチェック処理では、CPU56は、RAM55にエラーが含まれているか判定し、エラーが含まれている場合には、RAM55を初期化するなどの処理を行う。
次に、表示制御基板80に送出される表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定する処理を行った後に(表示制御データ設定処理:ステップS4)、表示制御コマンドを出力する処理を行う(表示制御データ伝送処理:ステップS5)。
次いで、各種出力データの格納領域の内容を各出力ポートに出力する処理を行う(データ出力処理:ステップS6)。また、各種出力データの格納領域の出力データを設定するとともに、ホール管理用コンピュータに出力される大当り情報、始動情報、確率変動情報などの出力データを格納領域に設定する出力データ設定処理を行う(ステップS8)。さらに、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS9)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタを更新する処理を行う(ステップS10)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2−1〜2−3:左右中のはずれ図柄決定用
(3)ランダム3:大当り時の図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用=特定図柄判定用)
(4)ランダム4:はずれ時にリーチするか否か決定する(リーチ判定用)
(5)ランダム5:リーチ種類を決定する(リーチ動作決定用)
(6)ランダム6:ランダム1を生成するためのカウンタの初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
ここで、ランダム6は、ランダム1を生成するためのカウンタ値が所定回周回したらランダム1を生成するためのカウンタに新たに設定される値を決定するための乱数である。なお、図6に示された各乱数の範囲は一例であるが、図6に示された乱数範囲とは異なる範囲を用いる場合でも、ランダム6のとりうる範囲はランダム1のとりうる範囲と同じに設定される。
なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。また、可変表示部9には、遊技効果を高めるために、各図柄以外の画像、例えば背景や所定の動きをするキャラクタ等も表示される。
ステップS10では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数および(3)の大当り図柄判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。
次に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS11)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS12)。普通図柄プロセス処理では、7セグメントLEDによる可変表示器10を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
さらに、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートセンサ12、始動口センサ17およびカウントセンサ23の状態を入力し、各入賞口や入賞装置に対する入賞があったか否か判定する(スイッチ処理:ステップS13)。
CPU56は、さらに、表示用乱数を生成するための各カウンタを更新する処理を行う(ステップS15)。すなわち、(2)のはずれ図柄決定用の乱数、(4)のリーチ判定用の乱数および(5)のリーチ動作用の乱数を生成するカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。ただし、ランダム2−2は、ランダム2−1の桁上げが生ずるときに、すなわち、ランダム2−1の値が「15」になって「0」に戻されるときにカウントアップされる。また、ランダム2−3は、ランダム2−2の桁上げが生ずるときに、すなわち、ランダム2−2の値が「15」になって「0」に戻されるときにカウントアップされる。
そして、ランダム1初期値決定用乱数を更新する処理を行う(ステップS16)。すなわち、ランダム1初期値決定用乱数を生成するためのカウンタを+1する。
また、CPU56は、賞球制御基板37との間の入賞球信号処理を行う(ステップS17)。すなわち、所定の条件が成立すると賞球制御基板37に賞球個数信号を出力する。賞球制御基板37に搭載されている賞球制御用CPUは、賞球個数信号に応じて玉払出装置97を駆動する。
その後、CPU56は、次に定期リセット回路66からリセットパルスが与えられるまで、すなわち、無限ループで、ステップS18の表示用乱数更新処理(+1する処理)およびステップS19のランダム1初期値決定用乱数更新処理を繰り返す。ステップS1〜S17に要する時間は2msよりも短いので、2msに達するまでの余り時間で、表示用乱数更新処理およびランダム1初期値決定用カウンタの更新処理が繰り返し実行される。なお、遊技状況が異なるとステップS1〜S17に要する時間も異なってくるので、余り時間は一定時間ではない。また、ステップS18の表示用乱数更新処理の内容はステップS15の処理と同じであり、ステップS19のランダム1初期値決定用乱数更新処理の内容はステップS16の処理と同じである。
次に、始動入賞口14への入賞(始動入賞)にもとづいて可変表示部9に可変表示される図柄の決定方法について図7〜図9のフローチャートを参照して説明する。図7は打球が始動入賞口14に入賞したことを判定する処理を示し、図8は図柄を決定する処理を示し、図9は大当り判定の処理を示す。なお、図7〜図9に示す処理は、図5に示されたメイン処理における特別図柄プロセス処理(ステップS11)において実行される。
打球が遊技盤6に設けられている始動入賞口14に入賞すると、始動口スイッチ17がオンする。CPU56は、スイッチ回路58およびI/Oポート57を介して始動口スイッチ17がオンしたことを検出すると(ステップS41)、始動入賞記憶数が始動記憶上限値に達しているかどうか確認する(ステップS42)。始動入賞記憶数が始動記憶上限値に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やす(ステップS43)。なお、この実施の形態では、始動記憶上限値は4である。
そして、ランダム1を生成するためのカウンタの値を抽出し、抽出値を、各始動入賞記憶数n(n=1,2,3,・・・,始動記憶上限値)に対応して設けられている乱数値格納エリアに格納する(ステップS44)。なお、始動入賞記憶数が始動記憶上限値に達している場合には、ステップS43〜S44の処理を行わない。
CPU56は、画像表示部9の可変表示を開始できる状態になると図8のフローチャートに示す処理を行う。
まず、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS50)。始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を読み出すとともに(ステップS51)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各乱数値格納エリアの値をシフトする(ステップS52)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,・・・)に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する乱数値格納エリアに格納する。
そして、CPU56は、ステップS51で読み出した値、すなわち抽出されている大当り判定用乱数の値にもとづいて当たり/はずれを決定する(ステップS53)。この実施の形態では、大当り判定用乱数は0〜299の範囲の値をとることにする。そして、図9に示すように、低確率時(後述する確変フラグがセットされていないとき)には例えばその値が「3」である場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する。高確率時には例えばその値が「3」,「7」,「79」,「103」,「107」のいずれかである場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する。
大当りと判定されたときには、CPU56は、大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値にもとづいて停止図柄を決定する。ここで、リミッタが作動中でないならば、全図柄を含むテーブルから停止図柄を決定する(ステップS54,S55)。リミッタが作動している場合には、確率変動が行われる特別図柄(確変図柄)を含まないテーブルから停止図柄を決定する(ステップS54,S56)。リミッタは、連続して確変図柄による大当りが発生すること、すなわち連続して高確率状態が継続することを制限するためのものである。例えば、4回連続して高確率状態が継続するとリミッタが作動状態になる。従って、リミッタ作動状態では、確率変動が行われる特別図柄を含まないテーブルから停止図柄が決定される。
そして、ランダム5の値に従ってリーチ種類を決定し(ステップS74)、大当りとするか否か、大当りの場合の図柄、およびリーチ種類を所定の格納エリアに設定する(ステップS75)。なお、格納エリアは、基本回路53におけるRAM55に設けられる。
ステップS53においてはずれと判定されていた場合には、CPU56は、リーチとするか否か判定する(ステップS59)。例えば、図6に示すリーチ判定用乱数の値が「0」〜「104」のいずれかである場合にはリーチとすることに決定する。リーチとすることに決定したときには、CPU56は、停止図柄の決定を行う。この実施の形態では、ランダム2−1の値に従って左右図柄を決定する(ステップS60)。また、ランダム2−2の値に従って中図柄を決定する(ステップS61)。ここで、決定された中図柄が左右図柄と一致した場合には、中図柄に対応した乱数の値に1加算した値に対応する図柄を中図柄の確定図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。
さらに、基本回路は、ランダム5の値に従ってリーチ種類を決定する(ステップS62)。そして、所定の格納エリアに「リーチ」、リーチ図柄、およびリーチ種類を設定する(ステップS63)。
ステップS59における抽選結果がはずれである場合には、所定の格納エリアにはずれであることを設定する(ステップS64)。
図10は、メイン処理における特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄プロセス処理は、図5のフローチャートにおけるステップS11の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、その内部状態に応じて、図10に示すステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理が実行される。
特別図柄変動待ち処理(ステップS300):始動入賞口14(この実施の形態では可変入賞球装置15の入賞口)に打球入賞して始動口センサ17がオンするのを待つ。始動口センサ17がオンすると、始動入賞記憶数が満タンでなければ、始動入賞記憶数を+1するとともに大当り判定用乱数を抽出する。すなわち、図7に示された処理が実行される。
特別図柄判定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、抽出されている大当り判定用乱数の値に応じて大当たりとするかはずれとするか決定する。すなわち、図8に示された処理の前半が実行される。
停止図柄設定処理(ステップS302):左右中図柄の停止図柄を決定する。すなわち、図8に示された処理の中半が実行される。
リーチ動作設定処理(ステップS303):リーチ判定用乱数の値に応じてリーチ動作するか否か決定するとともに、リーチ動作用乱数の値に応じてリーチ動作の変動態様を決定する。すなわち、図8に示された処理の後半が実行される。
全図柄変動開始処理(ステップS304):可変表示部9において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、表示制御基板80に対して、左右中最終停止図柄と変動態様を指令する情報とが送信される。また、可変表示部9に背景やキャラクタも表示される場合には、それに応じた表示制御コマンドデータが表示制御基板80に送出されるように制御する。
全図柄停止待ち処理(ステップS305):所定時間が経過すると、可変表示部9において表示される全図柄が停止されるように制御する。また、全図柄停止のタイミングまで、所定のタイミングで左右図柄が停止されるように制御する。さらに、適宜、可変表示部9において表示される背景やキャラクタに応じた表示制御コマンドデータが表示制御基板80に送出されるように制御する。
大当たり表示処理(ステップS306):停止図柄が大当たり図柄の組み合わせである場合には、大当たり表示の表示制御コマンドデータが表示制御基板80に送出されるように制御するとともに内部状態(プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS309に移行するように更新する。なお、大当たり図柄の組み合わせは、左右中図柄が揃った組み合わせである。また、遊技制御基板80の表示制御用CPUは表示制御コマンドデータに従って、可変表示部9に大当り表示を行う。大当り表示は遊技者に大当りの発生を報知するためになされるものである。
大入賞口開放開始処理(ステップS307):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。
大入賞口開放中処理(ステップS308):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドデータが表示制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、大当り遊技状態の終了条件が成立していなければ内部状態をステップS307に移行するように更新する。大当り遊技状態の終了条件が成立していれば、内部状態をステップS309に移行するように更新する。
大当たり終了処理(ステップS309):大当たり遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を行う。その表示が終了したら、内部フラグ等を初期状態に戻し、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
実施の形態1.
図11は、図5に示されたメイン処理における判定用乱数更新処理(ステップS10)を示すフローチャートである。判定用乱数更新処理において、CPU56は、ランダム1(大当り判定用乱数)を生成するカウンタの値を+1する(ステップS101)。ランダム1を生成するためのカウンタすなわち大当り判定用カウンタの値が(最大値+1)になっている場合には(ステップS102)、カウンタ値を0に戻す(ステップS103)。なお、この実施の形態では、ランダム1は0〜299の範囲の値をとるので、(最大値+1)は300である。
次いで、CPU56は、大当り判定用カウンタの値が、あらかじめ決められている所定値sと一致しているか否か確認する(ステップS104)。一致していたら、ランダム1初期値決定用カウンタ(ランダム6を生成するためのカウンタ)の値を抽出し(ステップS105)、抽出値をRAM55の所定の領域に記憶する(ステップS106)。以下、記憶された値を記憶値という。なお、所定値sは、例えば、電源投入時に適当な値(この例では150)に設定される。この値を、電源投入が行われるたびに変えるようにしてもよい。また、ステップS101の更新処理に先だってステップS104の処理を行う構成としたような場合には、所定値sの初期値を0としておくとしばらく値が0である期間が続くことも考えられるで、電源投入時に設定される所定値sの数値は0でないことが好ましい。
また、CPU56は、大当り判定用カウンタの値が、一周判定値と一致したか否か確認する(ステップS107)。一周判定値については後で説明する。一致していた場合には、記憶値を大当り判定用カウンタに初期値として設定するとともに(ステップS108)、一周判定値に記憶値を設定する(ステップS109)。
一周判定値はRAM55の所定の領域に保存される値であり、大当り判定用カウンタの値をランダム6による値に更新するタイミングを決定するために使用される。大当り判定用カウンタが新たな初期値(記憶値が設定されたときの値)から歩進を開始するときに一周判定値にも同じ値が設定されるので、大当り判定用カウンタが一周するとカウンタ値は一周判定値に一致する。すなわち、一周判定値は、大当り判定用カウンタのカウントが一周したことを検出するための値である。
なお、電源投入時には一周判定値は0に初期化される。
次に、ランダム3(大当り図柄決定用乱数)を生成するカウンタの値を+1する(ステップS130)。ランダム3を生成するカウンタの値が(最大値+1)になっている場合には(ステップS131)、カウンタ値を0に戻す(ステップS132)。なお、この実施の形態では、(最大値+1)は15である。
図12は、図11に示された判定用乱数更新処理によって変化する大当り判定用カウンタの値の一例を示す説明図である。大当り判定用カウンタは、電源投入時に0クリアされるので、カウンタ値が「所定値s」まで進んだときにランダム1初期値決定用カウンタ(ランダム6を生成するためのカウンタ)の値が抽出され記憶される。すなわち、ランダム6の値が記憶される。なお、この例では、所定値sは150であるが、その値を任意に設定することができる。
大当り判定用カウンタの値が「299」まで進み、そこで+1されて値が0に戻ると(ステップS101,S102,S103)、ステップS107の処理でカウンタ値が一周判定値と一致したことが検出される。すると、ステップS108の処理で、記憶値が大当り判定用カウンタに設定される。記憶値は同時に一周判定値にも設定される(ステップS109)。なお、図12に示された例では、この時点の記憶値は「19」である。従って、この時点から、大当り判定用カウンタは、初期値「19」から歩進することになる。
大当り判定用カウンタの値が再び「所定値s」まで進むと、ランダム6が抽出され記憶される。ここでは、抽出値は「195」であったとする。大当り判定用カウンタの値が「19」になると、ステップS107の処理でカウンタ値が一周判定値と一致したことが検出される。すると、ステップS108の処理で、記憶されているランダム6の値「195」が大当り判定用カウンタに新たな初期値として設定される。従って、この時点から、大当り判定用カウンタは、初期値「195」から歩進する。
そして、大当り判定用カウンタの値が再び「所定値s」まで進むと、ランダム6(=P)が抽出され記憶される。そして、大当り判定用カウンタの値が「195」になるとカウンタ値が一周判定値と一致するので、ステップS108の処理で、記憶されているランダム6の値「P」が大当り判定用カウンタに新たな初期値として設定される。従って、この時点から、大当り判定用カウンタは、初期値「P」から歩進する。
以上のように、大当り判定用カウンタの値が1周(300カウント)する度に、カウント値として新たな初期値が設定され、以後、カウンタはその値から歩進していく。ランダム1を生成するためのカウンタすなわち大当り判定用カウンタの初期値を決定するためのカウンタ(ランダム6を生成するためのカウンタ)は、CPU56が実行する2ms割込処理(定期リセット信号で起動される処理)の余り時間でカウントアップされている。そして、その余り時間は、遊技の進行状況に応じて異なるので、ランダムな期間になっている。その結果、生成されるランダム6の値もランダムな値になるので、大当り判定用カウンタの初期値もランダムに変化する。
つまり、大当り判定用カウンタの値が1周する度に、ランダムな初期値からあらためてカウンタの歩進が始まる。すると、不正基板が主基板31に接続され、主基板31から出力される信号にもとづいて大当り判定用カウンタ値更新タイミングが認識されたとしても、大当り判定用カウンタ値が大当り判定値になるタイミングをねらって不正な始動入賞信号を主基板31に送り込むことは困難になる。この実施の形態によれば、大当り判定用カウンタ値が大当り判定値になるタイミングに規則性はなくランダムになっているからである。
また、この実施の形態では、図12に示された例からも明らかなように、新たな初期値として用いられるランダム6の抽出タイミングは一定ではない。すると、大当り判定用カウンタの初期値のランダム性が増し、その結果、大当り判定用のカウンタ値が大当り判定値になるタイミングがよりランダムになる。
実施の形態2.
上記の実施の形態では、ランダム6を抽出するためのタイミングを決める所定値sはあらかじめ定められた値であったが、所定値sを可変にしてもよい。例えば、所定の乱数にもとづいて所定値sを設定してもよい。
図13は、所定値sを決定するための乱数(ランダム7)を示す説明図である。ランダム7を生成するためのカウンタは、例えば、図5に示されたメイン処理における無限ループにおいて更新される。つまり、図5に示されたメイン処理において、ステップS19の次に、ランダム7を生成するためのカウンタを+1する処理が行われる。従って、この実施の形態では、ランダム7を生成するためのカウンタはランダム6を生成するためのカウンタとは同期しない。
図14は、この実施の形態における判定用乱数更新処理(ステップS10)を示すフローチャートである。ステップS101〜S109およびステップS201〜S203の処理は、第1の実施の形態(実施の形態1)の場合と同じである。しかし、この実施の形態では、ランダム1が一周判定値と一致したときに(ステップS107)、ランダム7を生成するためのカウンタの値が抽出され(ステップS115)、抽出された値が新たな所定値sとされる(ステップS116)。
図15は、図14に示された判定用乱数更新処理によって変化する大当り判定用カウンタの値の一例を示す説明図である。大当り判定用カウンタは、電源投入時に0クリアされるので、カウンタ値が「所定値s」まで進んだときにランダム1初期値決定用カウンタ(ランダム6を生成するためのカウンタ)の値が抽出され記憶される。すなわち、ランダム6の値が記憶される。なお、この例でも、所定値sの初期値(電源投入時の値)は150である。
大当り判定用カウンタの値が「299」まで進み、そこで+1されて値が0に戻ると(ステップS101,S102,S103)、ステップS107の処理でカウンタ値が一周判定値と一致したことが検出される。すると、ステップS108の処理で、記憶値が大当り判定用カウンタに設定される。また、ステップS115およびS116の処理でランダム7が抽出され、新たな所定値sとして設定される。ここでは、所定値s=65になったとする。
大当り判定用カウンタの値が「所定値s」まで進むと、ランダム6が抽出され記憶される。ここでは、抽出値は「195」であったとする。大当り判定用カウンタの値が「19」になると、ステップS107の処理でカウンタ値が一周判定値と一致したことが検出される。すると、ステップS108の処理で、記憶されているランダム6の値が大当り判定用カウンタに新たな初期値として設定されるとともに、「所定値s」が更新される。ここでは、所定値s=25になったとする。
そして、大当り判定用カウンタの値が再度「所定値s」まで進むと、ランダム6(=P)が抽出され記憶される。そして、大当り判定用カウンタの値が「195」になるとカウンタ値が一周判定値と一致するので、ステップS108の処理で、記憶されているランダム6の値が大当り判定用カウンタに新たな初期値として設定される。また、ランダム7にもとづいて新たな所定値sが設定される。
この実施の形態では、大当り判定用カウンタの初期値を変更するための値(ランダム6)を抽出するタイミングが、第1の実施の形態の場合に比べてさらにばらつく。その結果、ランダム1を生成するためのカウンタすなわち大当り判定用カウンタの初期値のランダム性がさらに増し、大当り判定用カウンタの値が大当り判定値になるタイミングがよりランダムになる。
実施の形態3.
上記の各実施の形態では、大当り判定用カウンタの値が1周する度にその初期値が設定されたが、所定周すると初期値を設定するようにしてもよい。その際、初期値を設定するための周回数を可変にしてもよい。例えば、所定の乱数にもとづいて周回数を設定してもよい。
図16は、周回数nを決定するための乱数(ランダム8)を示す説明図である。ランダム8を生成するカウンタも、図5に示されたメイン処理におけるランダム1初期値決定用カウンタ更新処理(ステップS16,S19)と同様の処理で更新される。つまり、メイン処理において、少なくとも1回更新されるとともに、無限ループで更新され続ける。なお、この例では、ランダム8のとりうる範囲を1〜4としているが範囲は任意である。
図17は、この実施の形態における判定用乱数更新処理(ステップS10)を示すフローチャートである。ステップS101〜S107およびステップS201〜S203の処理は、第1の実施の形態の場合と同じである。しかし、この実施の形態では、ランダム1が一周判定値と一致したときに(ステップS107)、周回数カウンタの値が+1される(ステップS125)。そして、周回数カウンタの値が周回数nと一致した場合に(ステップS126)、ステップS108以下の処理が実行される。周回数カウンタとは、大当り判定用カウンタのカウントの周回数を計数するカウンタである。なお、電源投入時には周回数nとして例えば「1」が設定される。また、周回数カウンタは電源投入時に0クリアされる。
すなわち、周回数カウンタの値が周回数nと一致した場合には、記憶値が新たな初期値として大当り判定用カウンタに設定され(ステップS108)、記憶値が一周判定値に設定されるとともに(ステップS109)、ランダム8を生成するためのカウンタの値が抽出される(ステップS121)。そして、抽出されたランダム8の値が周回数nに設定され(ステップS122)、周回数カウンタがクリアされる(ステップS123)。従って、大当り判定用カウンタがn回周回すると、ランダム8にもとづいて新たな周回数nが設定される。
図18は、図17に示された判定用乱数更新処理によって変化する大当り判定用カウンタの値の一例を示す説明図である。大当り判定用カウンタは、電源投入時に0クリアされるので、カウンタ値が「所定値s」まで進んだときにランダム1初期値決定用カウンタ(ランダム6を生成するためのカウンタ)の値が抽出され記憶される。すなわち、ランダム6の値が記憶される。なお、この例でも、所定値sの初期値(電源投入時の値)は150である。
大当り判定用カウンタの値が「299」まで進み、そこで+1されて値が0に戻ると(ステップS101,S102,S103)、ステップS107の処理でカウンタ値が一周判定値と一致したことが検出され、かつ、周回数カウンタの値が周回数nに一致する(電源投入時の周回数n=1とする。)。すると、ステップS108の処理で、記憶値が大当り判定用カウンタに設定される。また、ステップS121およびS122の処理でランダム8が抽出され、新たな周回数nとして設定される。
その後、大当り判定用カウンタの値がn周すると、ステップS108の処理で、記憶値が大当り判定用カウンタに設定される。また、ステップS121およびS122の処理でランダム8が抽出され、新たな周回数nとして設定される。ここでは、記憶値は「195」であったとする。
そして、大当り判定用カウンタの値が再度「所定値s」まで進むと、ランダム6(=P)が抽出され記憶される。その後、大当り判定用カウンタの値がn周すると、ステップS108の処理で、記憶値が大当り判定用カウンタに設定される。また、ステップS121およびS122の処理でランダム8が抽出され、新たな周回数nとして設定される。
以上のように、この実施の形態では、大当り判定用カウンタの初期値が、カウンタ値が1周する毎に設定されるのではなく、カウンタ値がn周すると設定される。また、nの値は一定ではない。従って、大当り判定用カウンタの値が大当り判定値に一致するタイミングを外部で予測することはより難しくなる。
なお、この実施の形態のような大当り判定用カウンタの値がn周すると初期値が更新される形態と、第2の実施の形態(実施の形態2)のようにランダム6を抽出するためのタイミングを決める所定値sを可変にする形態とを併用してもよい。
実施の形態4.
上記の各実施の形態では、大当り判定用カウンタの値が所定値sになったときに抽出されたランダム6の値が、そのまま大当り判定用カウンタの初期値として用いられた。しかし、抽出されたランダム6の値に対して何らかの演算を施し、演算結果を初期値として用いてもよい。
図19は、抽出されたランダム6に対して加算演算が施された結果を初期値として用いる場合の判定用乱数更新処理(ステップS10)を示すフローチャートである。ステップS101〜S107およびステップS201〜S203の処理は、第1の実施の形態の場合と同じである。
この実施の形態では、CPU56は、ステップS107において大当り判定用カウンタの値が一周判定値と一致した場合には、あらためてランダム6の値を抽出する(ステップS130)。そして、ここでの抽出値と記憶値とを加算する(ステップS131)。次いで、加算結果を、初期値として大当り判定用カウンタに設定する(ステップS132)。なお、加算値が300以上になったときには、300を引いた値が設定される。
図20は、図19に示された判定用乱数更新処理によって変化する大当り判定用カウンタの値の一例を示す説明図である。大当り判定用カウンタは、電源投入時に0クリアされるので、カウンタ値が「所定値s」まで進んだときにランダム1初期値決定用カウンタ(ランダム6を生成するためのカウンタ)の値が抽出され記憶される。すなわち、ランダム6の値が記憶される。なお、この例でも所定値sは150である。
大当り判定用カウンタの値が「299」まで進み、そこで+1されて値が0に戻ると、カウンタ値が一周判定値と一致したことが検出される。すると、ステップS130の処理でランダム6の値が抽出される。ここでは、抽出値は「125」であったとする。また、記憶値は「19」であったとする。従って、記憶値と抽出値との加算値「144」が大当り判定用カウンタに設定される。従って、この時点から、大当り判定用カウンタは、初期値「144」から歩進することになる。
大当り判定用カウンタの値が再び「所定値s」まで進むと、ランダム6が抽出され記憶される。ここでは、抽出値は「195」であったとする。大当り判定用カウンタの値が「144」になると、カウンタ値が一周判定値と一致したことが検出される。すると、ステップS130の処理でランダム6の値が抽出される。ここでは、抽出値は「186」であったとする。また、記憶値は「195」である。従って、記憶値と抽出値との加算値は「381」であるが、ランダム1のとりうる範囲は0〜299であるから、「300」を減算した「81」が大当り判定用カウンタに設定される。従って、この時点から、大当り判定用カウンタは、初期値「81」から歩進することになる。
そして、大当り判定用カウンタの値が再び「所定値s」まで進むと、ランダム6(=P)が抽出され記憶される。そして、大当り判定用カウンタの値が「81」になるとカウンタ値が一周判定値と一致するので、記憶値と抽出値の加算が行われ加算結果「P」が大当り判定用カウンタに新たな初期値として設定される。従って、この時点から、大当り判定用カウンタは、初期値「P」から歩進する。
以上のように、この実施の形態では、複数のタイミングにおいて抽出されたランダム6の各値に対して加算処理を施して大当り判定用カウンタの初期値とするので、初期値は複雑な過程を経て決定されたものとなる。従って、やはり、大当り判定用カウンタの値が大当り判定値に一致するタイミングを外部で予測することはさらに難しくなる。
なお、この実施の形態では、演算処理として加算処理が用いられたが、演算は加算に限られない。減算や乗算であってもよいし、その他任意の演算を用いることができる。また、第3の実施の形態のような大当り判定用カウンタの値がn周すると初期値が更新される形態や、第2の実施の形態のようにランダム6を抽出するためのタイミングを決める所定値sを可変にする形態を併用してもよい。
実施の形態5.
上記の各実施の形態では、大当り判定用カウンタの値が1周する間にランダム6の値が抽出されたが、カウントが所定周するとランダム6の値を抽出するようにしてもよい。さらに、初期値を設定するためのカウントの周回数を可変にしてもよい。図21は、そのような第5の実施の形態における判定用乱数更新処理(ステップS10)を示すフローチャートである。この例では、大当り判定用カウンタがn周するとランダム6の値が抽出され、大当り判定用カウンタがm周すると大当り判定用カウンタに初期値が設定される。
ステップS101〜S109およびステップS201〜S203の処理は、第1の実施の形態の場合と同じであるが、この実施の形態では、大当り判定用カウンタの値が所定値sになっているかどうかの判定(ステップS104)は、周回数カウンタの値がnの倍数になっているときにのみ実行される(ステップS140)。
よって、ステップS107において大当り判定用カウンタの値が1周したことが検出されると、周回数カウンタの値は+1される(ステップS141)。また、周回数カウンタの値がmになっているときにのみステップS108およびS109の初期値更新処理が実行される(ステップS142)。
図22は、図21に示された判定用乱数更新処理によって変化する大当り判定用カウンタの値の一例を示す説明図である。図21に示すように、大当り判定用カウンタのカウントがn周目に入ると、ステップS140の判断が「Yes」となって、カウンタ値が「所定値s」まで進んだときにランダム6の値が抽出され記憶される。なお、この例では、所定値sは150であるが、その値を任意に設定することができる。
そして、大当り判定用カウンタのカウントのm周目に大当り判定用カウンタの値が「299」まで進んで+1されて値が0に戻ると、ステップS107およびS142の判断が「Yes」とる。すると、ステップS108の処理で、記憶値が大当り判定用カウンタに設定される。記憶値は同時に一周判定値にも設定される(ステップS109)。なお、図22に示された例では、この時点の記憶値は「195」である。従って、この時点から、大当り判定用カウンタは、初期値「195」から歩進することになる。
大当り判定用カウンタが再びn周進んで「所定値s」になると、ランダム6が抽出され記憶される。ここでは、抽出値は「P」であったとする。そして、大当り判定用カウンタのカウントのm周目に大当り判定用カウンタの値が「195」になると、記憶されているランダム6の値「P」が大当り判定用カウンタに新たな初期値として設定される。従って、この時点から、大当り判定用カウンタは、初期値「P」から歩進する。
以上のように、この実施の形態では、大当り判定用カウンタの初期値となるランダム6の抽出および初期値の設定は、大当り判定用カウンタのカウントが所定周すると実行される。また、ランダム6の抽出に関する所定周と初期値の設定に関する所定周とは異なっていることが好ましい。このように、飛び飛びのタイミングで、ランダム6の抽出および初期値の設定を行うようにしても、大当り判定用カウンタの初期値はランダムに変化するので、外部において、大当り判定用カウンタの値が大当り判定値と一致するタイミングを予測することが困難になる。そして、この実施の形態では、上記の各実施の形態の場合に比べて、ランダム6の抽出タイミングと初期値の設定タイミングとを時間的に離れたタイミングとすることができる。
なお、この実施の形態では、n,mを固定値としたが、それらを可変値としてもよい。例えば、それぞれに対応した乱数を抽出し抽出された乱数値に応じて変更するようにしてもよい。その場合には、ランダム6の抽出および初期値設定のタイミングがさらにばらつくので、大当り判定用カウンタの値が大当り判定値と一致するタイミングを予測することはより困難になる。
実施の形態6.
図19および図20に示された第4の実施の形態(実施の形態4)では、1つのランダム6の記憶値と大当り判定用カウンタが1周したときのランダム6の抽出値とに所定の演算処理を施し演算結果を大当り判定用カウンタの初期値としたが、複数の記憶値を用いてもよい。
図23は、2つの記憶値を用いた場合の大当り判定用カウンタの値の変化例を示す説明図である。この例では、ランダム6を抽出するタイミングを決めるための2つの所定値s1,s2が用いられ、それぞれあらかじめ定められた「150」,「250」とされる。大当り判定用カウンタは、電源投入時に0クリアされるので、カウンタ値が「所定値s1」まで進んだときにランダム1初期値決定用カウンタ(ランダム6を生成するためのカウンタ)の値が抽出され記憶される。さらに、カウンタ値が「所定値s2」まで進んだときにランダム1初期値決定用カウンタの値が抽出され記憶される。
大当り判定用カウンタの値が「299」まで進み、そこで+1されて値が0に戻ると、カウンタ値が一周判定値と一致したことが検出される。ここで、ランダム6の値が再び抽出される。ここでは、抽出値は「125」であったとする。また、記憶値は「19」および「151」であったとする。従って、記憶値と抽出値との加算値「295」が大当り判定用カウンタに設定される。従って、この時点から、大当り判定用カウンタは、初期値「295」から歩進することになる。
大当り判定用カウンタの値が再び「所定値s1」まで進むと、ランダム6が抽出され記憶される。ここでは、記憶される値は「195」であったとする。さらに、カウンタ値が「所定値s2」まで進んだときにランダム1初期値決定用カウンタの値が抽出され記憶される。記憶される値は「145」であったとする。大当り判定用カウンタの値が「295」になると、カウンタ値が一周判定値と一致したことが検出される。すると、ランダム6の値が抽出される。ここでは、抽出値は「186」であったとする。また、記憶値は「195」および「145」である。従って、記憶値と抽出値との加算値は「526」であるが、ランダム1のとりうる範囲は0〜299であるから、「300」を減算した「226」が大当り判定用カウンタに設定される。従って、この時点から、大当り判定用カウンタは、初期値「226」から歩進することになる。
そして、大当り判定用カウンタの値が再び「所定値s1」および「所定値s2」まで進むと、ランダム6(=P2,P1)が抽出され記憶される。そして、大当り判定用カウンタの値が「226」になるとカウンタ値が一周判定値と一致するので、記憶値と抽出値の加算が行われ加算結果「R」が大当り判定用カウンタに新たな初期値として設定される。従って、この時点から、大当り判定用カウンタは、初期値「R」から歩進する。
以上のように、この実施の形態では、3つのタイミングにおいて抽出されたランダム6の各値に対して加算処理を施して大当り判定用カウンタの初期値とするので、初期値は複雑な過程を経て決定されたものとなる。従って、大当り判定用カウンタの値が大当り判定値に一致するタイミングを外部で予測することはさらに難しくなる。
なお、この実施の形態でも、演算処理として加算処理が用いられたが、演算は加算に限られない。減算や乗算であってもよいし、その他任意の演算を用いることができる。また、第3の実施の形態のような大当り判定用カウンタの値がn周すると初期値が更新される形態を併用してもよい。
実施の形態7.
上記の実施の形態では、ランダム6を抽出するためのタイミングを決める所定値s1,s2をあらかじめ定められた固定値としたが、所定値s1,s2を可変にしてもよい。図24は、大当り判定用カウンタのカウントのn周目では、所定値s1,s2を「20」,「200」にする場合の大当り判定用カウンタの値の変化例を示す説明図である。
図24に示すように、大当り判定用カウンタのカウントの1周目〜(n−1)周目までは第6の実施の形態(実施の形態6)と同様の処理が行われる。第n周目では、大当り判定用カウンタの値が「所定値s1=20」および「所定値s2=200」まで進むとランダム6(=P1,P2)が抽出され記憶される。そして、n周目のカウントが「S」から始まったとすると、大当り判定用カウンタの値が再び「S」になったときに、ランダム6の値が抽出され、抽出値と記憶値P1,P2とを対象とした演算が行われ、演算結果Tが大当り判定用カウンタに初期値Tとして設定される。
この場合には、3つのタイミングにおいて抽出されたランダム6の各値に対して演算処理を施して大当り判定用カウンタの初期値とする形態において、大当り判定用カウンタのカウントの特定の周回ではランダム6の抽出タイミングを異ならせているので、初期値はより複雑な演算過程を経ることになり、大当り判定用カウンタの初期値がよりランダムになる。
なお、この実施の形態ではnを固定的な値としたが、nを例えば乱数に応じた可変値としてもよい。また、大当り判定用カウンタのカウントの特定の周回ではランダム6の抽出回数を変えるようにしてもよい。すなわち、記憶値の個数を変えるようにしてもよい。
以上のように、上記の各実施の形態では、大当り判定用カウンタのカウント値が所定値になるとランダム6を抽出して記憶し、大当り判定用カウンタのカウントが所定回周回すると記憶されていたランダム6の値を初期値として大当り判定用カウンタに設定する。よって、例えば図12に示されたように、新たな初期値として用いられるランダム6の抽出タイミングは一定ではない。すると、ランダム1を生成するためのカウンタすなわち大当り判定用カウンタの初期値のランダム性が増し、その結果、大当り判定用カウンタ値が大当り判定値になるタイミングがよりランダムになって外部から予測しづらいものとなる。
なお、上記の各実施の形態の遊技機、すなわち図1の正面図に示されたパチンコ遊技機は、始動入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
また、可変表示部9の実現手段はいかなるものでもよく、例えば、CRTやLED等の表示器によって実現することができるし、ドラム式やベルト式の可変表示装置を用いてもよい。
また、上記の各実施の形態では、図5に示されたメイン処理はCPU56の外部から与えられる定期リセット信号によって起動されたが、定期リセット信号を用いず、例えばCPU56の内部のタイマ割込等によってメイン処理が実行される場合にも本発明を適用可能である。
なお、遊技機は、特定遊技判定用カウンタに初期値が設定される条件となる所定周回を決定するための初期設定タイミング決定手段をさらに備えていてもよい。特定遊技判定用カウンタに初期値が設定される条件となる所定周回を決定するための初期設定タイミング決定手段が設けられている場合には、初期値設定タイミングが時間的によりばらつくことによって、特定遊技判定用の数値が判定値と一致するタイミングを外部で推測することがさらに困難になる効果がある。
また、初期設定タイミング決定手段は、所定周回を決定するための数値を無限ループで更新するように構成されていてもよい。所定周回を決定するための数値が無限ループで更新されるように構成されている場合には、初期値設定タイミングのばらつきがより大きくなって、特定遊技判定用の数値が判定値と一致するタイミングを外部で推測することが一層困難になる効果がある。