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JP4614565B2 - レーザ光線照射装置 - Google Patents

レーザ光線照射装置 Download PDF

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JP4614565B2 JP2001094004A JP2001094004A JP4614565B2 JP 4614565 B2 JP4614565 B2 JP 4614565B2 JP 2001094004 A JP2001094004 A JP 2001094004A JP 2001094004 A JP2001094004 A JP 2001094004A JP 4614565 B2 JP4614565 B2 JP 4614565B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は扇状レーザ光線を照射するレーザ光線照射装置、特に照射される扇状レーザ光線の広がり角を変更可能なレーザ光線照射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、扇状レーザ光線を発生する方法として、レーザ光源からの発散光を円柱レンズを透過させ、該円柱レンズの曲率面による屈折力で光束を扇状としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、扇状レーザ光線は広がりはあるが極力薄い光束が求められている。ところが、従来のレーザ光線照射装置による扇状レーザ光線では発散光を円柱レンズに透過しているので、距離が長くなると、厚み方向も拡散して厚くなる。この為、従来のレーザ光線照射装置による扇状レーザ光線は近距離では有用であるが、遠距離では扇状レーザ光線の広がりが大きくなり、輝度が低下する。又、扇状レーザ光線の厚みも厚くなり、基準線として使用する場合等では実用上不都合を生じる。更に、従来例では広がり角は固定しており、例えば、近距離ではより大きな広がり角が要求される場合、或は遠距離で広がり角を小さくしたいという要求があっても対応することはできなかった。
【0004】
本発明は斯かる実情に鑑み、広がり角を変更でき、更に扇状レーザ光線の厚みについては遠距離でも薄い状態を保てるレーザ光線照射装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レーザ光束を発生させる光源と、円柱レンズと、該円柱レンズに中心線に対して垂直に光束を入射させる光学系と、入射する光束を光軸を中心に回転させる光束回転手段を具備するレーザ光線照射装置に係り、又前記光学系は前記円柱レンズに平行光束を入射させるコンデンサレンズを具備するレーザ光線照射装置に係り、又前記光学系は前記円柱レンズを該円柱レンズの中心線と平行に透過したレーザ光線を円柱レンズに中心線に対して垂直に光束を入射させるものであり、コーナキューブプリズム、ペンタプリズムを具備するレーザ光線照射装置に係り、又前記光学系は光軸を平行に移動させる菱形プリズムと、該菱形プリズムから射出されたレーザ光線を前記円柱レンズに中心線に対して垂直に光束を入射させるペンタプリズムを具備したレーザ光線照射装置に係り、更に又前記光束回転手段は、前記光学系を保持するプリズムホルダが前記円柱レンズの中心線を中心として回転するものであるレーザ光線照射装置に係るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
【0007】
図1、図2は本発明の基本構成図を示している。
【0008】
図1、図2それぞれに於いて、(A)は側面図、(B)は正面図、(C)は平面図を示している。
【0009】
図中、1はレーザ光源、例えば半導体レーザであり、2は前記レーザ光源1からのレーザ光線を平行光束とするコンデンサレンズ、3は円柱レンズ、4は前記レーザ光源1から照射されるレーザ光線、6は前記レーザ光源1から発せられるレーザ光線の光束を光軸を中心として90°回転可能な光束回転手段である。
【0010】
半導体レーザから発せられるレーザ光線4の光束断面は楕円形状をしている。この為、前記コンデンサレンズ2で平行光束とされたレーザ光線4の光束断面もやはり楕円形状となっている。
【0011】
図1では光束断面の長軸8が前記円柱レンズ3の中心線7と直交する様に前記レーザ光線4を前記円柱レンズ3に対して入射させたものであり、図2では光束回転手段6により前記レーザ光線4の光束を光軸を中心に90°回転させ、光束断面の長軸8が前記円柱レンズ3の中心線7と平行又は一致する様に入射させたものである。前記円柱レンズ3を透過したレーザ光線4は扇状レーザ光線4aとして照射される。
【0012】
図1の様に、光束断面の前記長軸8が前記中心線7と直交する状態では前記扇状レーザ光線4aの広がり角は大きくなり、光束断面の前記長軸8が前記中心線7と一致する状態では前記扇状レーザ光線4aの広がり角は小さい。
【0013】
図3、図4に於いて前記円柱レンズ3に入射するレーザ光線4の光束幅と前記円柱レンズ3を透過後の扇状レーザ光線4aの広がり角について説明する。
【0014】
図3は円柱レンズ3に入射するレーザ光線の光束と、円柱レンズ3を透過後の扇状レーザ光線4aの光束の広がり角の関係を表したものである。
【0015】
前記円柱レンズ3の直径をd、レーザ光線4の入射光束の半径をd′/2、円柱レンズ3の屈折率をn、円柱レンズ3を透過後の扇状レーザ光線4aの光束の広がり角(半値)をαとするとする。
【0016】
前記円柱レンズ3ヘのレーザ光線4の入射角θは下記数式1で表される。
【0017】
θ=sin-1(d′/d)…数式1
【0018】
又、前記円柱レンズ3に入射する光軸の円柱レンズ3入射後の屈折角θ′は下記数式2で表される。
【0019】
θ′=sin-1(1/n′・sinθ)…数式2
【0020】
前記円柱レンズ3透過後の扇状レーザ光線4aの広がり角α(半値)は下記数式3で表される。
【0021】
α=2θ−2θ′…数式3
【0022】
上記数式3より前記円柱レンズ3の半径方向に対するレーザ光線4の入射光軸の位置と、扇状レーザ光線4aの広がり角αの関係をグラフに表すと図4の様になり、前記円柱レンズ3の中心から離れる光軸程屈折が大きくなることがわかる。
【0023】
従って、前記円柱レンズ3に入射する光束の幅が大きい程、扇状レーザ光線の広がり角も大きくなる。
【0024】
以下、図5によりレーザ光線照射装置の第1の実施例を説明する。
【0025】
ベース11に回転軸受12を介して筒状の光源部ホルダ13が回転自在に設けられている。該光源部ホルダ13の内部には半導体レーザを光源とするレーザ光源1が設けられ、コンデンサレンズ2が前記レーザ光源1の光軸上に設けられていると共に該光軸と中心線が合致する様に円柱レンズ3が設けられている。前記コンデンサレンズ2は前記レーザ光源1からのレーザ光線4を平行光束とし、前記円柱レンズ3の端面は光軸に対して垂直であり、前記レーザ光線4は前記円柱レンズ3内を直進する。
【0026】
前記光源部ホルダ13の上端には中空の軸14を介してコーナプリズムホルダ15が回転可能に取付けられ、該コーナプリズムホルダ15にはコーナキューブプリズム16が保持されている。又、前記コーナプリズムホルダ15の下面にはペンタプリズムホルダ17が固着され、該ペンタプリズムホルダ17にはペンタプリズム18が保持されている。前記コーナプリズムホルダ15、ペンタプリズムホルダ17には前記コーナキューブプリズム16、ペンタプリズム18に入射し、更に反射したレーザ光線4が通過する光路孔19が形成されている。
【0027】
而して、前記レーザ光源1からのレーザ光線4は前記コンデンサレンズ2により平行光束とされ、前記コーナキューブプリズム16により入射光と平行となる様反射され、前記ペンタプリズム18により更に直角方向(水平方向)に偏向される。従って、前記レーザ光源1からのレーザ光線4は前記円柱レンズ3に対し、前記中心線7に直交する方向に入射する。
【0028】
前記光源部ホルダ13は前記円柱レンズ3を隙間21を明けて保持し、前記円柱レンズ3の中心線と直交する様に前記ペンタプリズム18からの反射レーザ光線を透過させる。
【0029】
以下、作用について説明する。
【0030】
前記レーザ光源1から発せられたレーザ光線4は前記円柱レンズ3を光軸を変えることなく透過し、前記コーナキューブプリズム16に入射し、更に反射される。
【0031】
該コーナキューブプリズム16は入射光軸に対して該射出光軸が平行となる様に反射させる。該コーナキューブプリズム16で反射されたレーザ光線4は前記光路孔19を通って前記ペンタプリズム18に入射する。
【0032】
該ペンタプリズム18では入射光軸に対して該入射光軸の入射角度に依存せず直角を保存して反射するものである。尚、厳密には図5に於いて、紙面に対して垂直方向に前記ペンタプリズム18が傾斜した場合、反射光軸は直交が崩れていくが、前記ペンタプリズム18の傾斜角が微少な場合は無視できる値となる。
【0033】
更に、前記コーナキューブプリズム16、ペンタプリズム18を保持する前記コーナプリズムホルダ15、ペンタプリズムホルダ17は前記軸14を介して回転可能となっているが、回転した場合前記軸14の振れは避けられず、この為、前記ペンタプリズム18にはレーザ光線4が常に偏角して入射する。
【0034】
然し乍ら、前記したコーナキューブプリズム16の特性、ペンタプリズム18の特性により、更に、コーナキューブプリズム16、ペンタプリズム18を上記構成の如く配置すれば、前記円柱レンズ3を光軸方向に透過したレーザ光線4は軸14の振れには影響されずに、前記円柱レンズ3の中心線7に対して常に垂直に入射させることが可能となり、前記扇状レーザ光線4aの倒れを防止することができる。
【0035】
又、上記構成に於いて、前記コーナプリズムホルダ15を回転することで、前記円柱レンズ3に垂直方向から入射するレーザ光線4の光束は光軸を中心として回転する。
【0036】
図5で示した状態での前記円柱レンズ3に対するレーザ光線4の光束の状態を例えば図1で示した状態とする。この場合、前記扇状レーザ光線4aは広がり角が大きく近距離での基準線等を形成する場合に適する。尚、前記レーザ光線4は平行光束であるので、厚み方向には広がることはない。
【0037】
次に、前記コーナプリズムホルダ15を前記軸14を中心に連続的に90°迄回転させる。前記円柱レンズ3に入射するレーザ光線4の光束の状態は、図2に示される様に、光束断面の長軸8が前記円柱レンズ3の中心線7と合致する。従って、照射される扇状レーザ光線4aの広がり角は小さくなる。即ち、前記コーナプリズムホルダ15を回転させることで、扇状レーザ光線4aの広がり角を変更することができる。
【0038】
又、前記光源部ホルダ13を回転させることにより、照射方向を変えることができる。この時前記コーナプリズムホルダ15も共に回転する。
【0039】
上記した様に、レーザ光線4は平行光束であるので、厚み方向には広がることはなく、厚みは光束断面の長軸の長さとなる。前記レーザ光源1から発せられた直後の光束は大きくなく、実用上充分な値である。
【0040】
図1に示す状態は、前記扇状レーザ光線4aの広がり角が最大であり、図2に示す状態は該扇状レーザ光線4aの広がり角が最小である。而して、前記コーナプリズムホルダ15を回転させることで、前記扇状レーザ光線4aは最大広がり角と最小広がり角との間で任意に変更することができる。尚、この時、該扇状レーザ光線4aの光束の厚みは前記レーザ光線4の光束断面の長軸の長さから、短軸の長さの間となる。
【0041】
尚、前記ベース11、又は前記光源部ホルダ13に広がり角調整モータ(図示せず)を設け、ギア列を介して前記コーナプリズムホルダ15を回転する様にすれば、正確な角度設定が可能となり、更に広がり角調整モータ通信機能を具備する制御部を介して駆動する様にすれば、広がり角の遠隔操作も可能となる。
【0042】
図6により第2の実施例について説明する。
【0043】
光源部ホルダ13には水平方向の光軸を有するレーザ光源1が設けられ、前記光軸上にコンデンサレンズ2が配設されている。
【0044】
前記光源部ホルダ13からは水平方向に鉤状のアーム25が延出しており、該アーム25に円柱レンズ3が水平に保持されている。前記アーム25に軸14を介してプリズムホルダ26が少なくとも90°回転可能に設けられている。前記軸14の中心線と前記円柱レンズ3の中心線7とは一致している。
【0045】
前記プリズムホルダ26には菱形プリズム27、ペンタプリズム18が保持され、前記菱形プリズム27は前記レーザ光源1からのレーザ光線4を両端面で平行に反射し、レーザ光線4の入射光軸と射出光軸とを平行を保った状態で移動させるものであり、前記ペンタプリズム18に導く。該ペンタプリズム18は入射光軸を直交する方向に偏向し、前記円柱レンズ3に入射させる。該円柱レンズ3からは鉛直方向に広がる扇状レーザ光線4aが照射される。
【0046】
本実施例の場合、前記プリズムホルダ26を90°回転させることで、前記円柱レンズ3に入射するレーザ光線4の光束の状態が、図1の状態から図2の状態に変更される。
【0047】
前記円柱レンズ3に該円柱レンズ3の中心線7に対して横長にレーザ光線4が入射する時(図1参照)、鉛直方向に扇状レーザ光線4aの光軸中心が投射される様にレーザ光源1の姿勢を決定し、又前記プリズムホルダ26を90°回転し、前記円柱レンズ3の中心線7に対して縦長に入射する時(図2参照)、水平方向にレーザ光線4が照射される様にし、又水平方向に扇状レーザ光線4aの光軸中心が投射される様にすれば、近距離である天井には輝度は高くないが広がりの大きい、水平方向の遠距離側には広がりは小さいが輝度の高い実用的な輝度分布を有するレーザ光線照準装置を提供することができる。
【0048】
該実施例でも、軸14の振れによるペンタプリズム18の倒れは発生するが、軸の精度を上げておけば、実用上問題ない程度の誤差しか発生しない。
【0049】
図5で示す実施例では、軸14に対するコーナプリズムホルダ15、ペンタプリズムホルダ17からなるプリズムホルダが均等な配置でない為、例えば鉛直方向にレーザ光線4を照射する場合に装置を90°倒すと軸の振れが生じやすい。一方、本実施例ではコーナキューブプリズム16の代わりに菱形プリズム27を使用しているので、スペースを縮小でき、回動するプリズムホルダ26のバランスが軸14に対して均等に近づけることが可能となる。更に、本実施例では、レーザ光線4を円柱レンズ3に透過させない構造であるので、円柱レンズ3の両端面の面精度も必要としない。
【0050】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、レーザ光束を発生させる光源と、円柱レンズと、該円柱レンズに中心線に対して垂直に光束を入射させる光学系と、入射する光束を光軸を中心に回転させる光束回転手段を具備し、光束の回転で扇状レーザ光線の広がり角を変更することができるので、近距離から遠距離迄輝度の高い扇状レーザ光線を照射することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す基本構成図であり、(A)は側面図、(B)は正面図、(C)は平面図である。
【図2】同前本発明の実施の形態を示す基本構成図であり、(A)は側面図、(B)は正面図、(C)は平面図である。
【図3】円柱レンズと光束の屈折状態を示す説明図である。
【図4】円柱レンズに於ける光束径と扇状レーザ光線の広がり角を示す線図である。
【図5】本発明の第1の実施例を示す要部断面図である。
【図6】本発明の第2の実施例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源
2 コンデンサレンズ
3 円柱レンズ
4 レーザ光線
6 光束回転手段
13 光源部ホルダ
16 コーナキューブプリズム
18 ペンタプリズム
27 菱形プリズム

Claims (5)

  1. 円柱レンズを通して扇状のレーザ光線を射出するレーザ光線照射装置に於いて、断面が楕円形状のレーザ光を発生させる光源と、円柱レンズと、該円柱レンズに平行光束を入射させるコンデンサレンズと、該円柱レンズに円柱レンズ中心線に対して垂直にレーザ光線を入射させる光学系と、前記円柱レンズに入射するレーザ光線の光束をレーザ光線の光軸を中心に回転させる光束回転手段を具備することを特徴とするレーザ光線照射装置。
  2. 前記光源は半導体レーザであり、前記円柱レンズに入射するレーザ光線を回転させることで扇状レーザ光線の広がり角が変更可能な請求項1のレーザ光線照射装置。
  3. 前記光学系はコーナキューブプリズムとペンタプリズムを備え、前記円柱レンズの中心線と平行に透過したレーザ光線を前記コーナキューブプリズムと前記ペンタプリズムにより偏向しレーザ光線を前記円柱レンズ中心線に対して直角に入射させる請求項1のレーザ光線照射装置。
  4. 前記光学系は菱形プリズムとペンタプリズムを備え、前記光源からのレーザ光線を菱形プリズム、ペンタプリズムによって偏向し、レーザ光線を前記円柱レンズ中心線に対して直角に入射させる請求項1のレーザ光線照射装置。
  5. 前記光源を保持する光源部ホルダと前記光学系を保持するプリズムホルダがベースに設けられ、前記光源部ホルダは、前記プリズムホルダと共にベース上で照射方向が変えられるように、回転可能に設けられる請求項1のレーザ光線照射装置。
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