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JP4610754B2 - 光通信システム - Google Patents

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  • Signal Processing (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)
  • Use Of Switch Circuits For Exchanges And Methods Of Control Of Multiplex Exchanges (AREA)

Description

【0001】
【産業の属する技術分野】
本発明は、光通信システムに関するものであり、そのうち特に相互接続された光通信リングを含む光通信システムに関連するが、これに限られるものではない。また、本発明は、このようなシステムを動作させる方法にも関連する。さらに、本発明は、このシステムで使用されるインターフェースにも関連する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようする課題】
従来の光通信システムは、光ファイバー導波路によって相互に接続された複数のノードを有している。通信トラフィックは、通信トラフィックによって変調された光放射を、導波路を介して送ることによって、ノード間で伝達される。光放射は、本発明との関連では、自由空間波長が560nmから2000nmまでの範囲の電磁放射として定義されるが、このうち実際上は自由空間波長が1550nmの電磁放射が好ましい。
【0003】
各ノードは、変調された放射を受け取って対応する電気信号に変換することができる。各ノードはまた、電気信号を対応する変調された光放射に変換し、この放射を接続されている導波路内へ放出することができる。例えば、システム内での伝送のためにノードに接続されているクライアントへ信号を送ったり、クライアントから信号を受け取る必要がある場合は、ノードへ電気信号を入出力することが可能である。
【0004】
インターフェースを有する従来の光通信システムの例を先行技術に見出すことができる。以下、これについて説明する。
【0005】
公開されたPCT特許出願PCT/SE96/01265では、光クロス接続ノードアーキテクチャが説明されており、これは多数の光ファイバー入出力リンクをインターフェース接続することが可能であり、各リンクそれ自身は多数の波長分割多重(WDM)されたチャネルを与えている。説明されているこのアーキテクチャの第一の実施例では、入力リンクは光カプラに接続されている。同調可能な光ファイバー導波路と光波長コンバータからなる複数の組は、それぞれが光カプラーの出力ポートに接続され、波長チャネルのルーティング及び波長領域でのスイッチングを実行する。すなわち光空間スイッチを必要としない。説明されている前述のアーキテクチャの第二の実施例では、入力波長コンバータが入力ファイバーリンクに追加して接続され、各リンク上の多数の波長チャネルを、インターフェース接続されていない異なる波長へと変換する。このような変換を行うと、入力波長コンバータが接続されている光カプラ内では、波長の競合が防止される。新しいファイバーリンクを、モジュラー形式で追加することが可能であり、これにより既存の光クロス接続構造に重大な影響を与えずにすむ。同様に、ノードの構成を変えずに波長のモジュラリティーを与えるよう、新しい波長チャネルを既存のファイバーに多重送信する(multiplex)こともできる。
【0006】
米国特許第5726785号では、光通信で使用するマルチプレクサが説明されている。このマルチプレクサは、波長λ1からλNまでのグループに属する既存のWDM光放射の成分に、別のWDM光放射の成分を追加するよう動作する。さらにこのマルチプレクサは、既存の成分のグループから、前述の波長グループの中から選ばれた所定の波長の最低一つのWDM光成分を取り出すこともできる。このマルチプレクサは、少なくとも一つの既存のWDM成分のグループを受信するための光入力ポート及び光出力ポートを有するサーキュレータ、およびこれらの一方の側でこのサーキュレータに結合されている光選択手段を含んでいる。この選択手段は、光作用で得られた、対応する波長に関連した最低一つのブラッグ格子を含んでいる。この格子は、第一の状態と第二の状態の間を、選択的に切り換えることができる。この格子は、第一の状態では、与えられた波長を有するWDM放射成分を反射し、前記与えられた波長とは異なる波長を有するWDM放射成分を透過する。第二の状態では、全てのWDM放射成分を透過する。そして、第一の状態と第二の状態の間で格子を切り換える選択手段を制御するための手段が設けられている。さらに、この選択手段は、各光サーキュレータと協働して、一つ又は二つ以上のWDM放射成分を追加し又は取り出す。このように米国特許第5,726,785号は、主としてWDM放射成分の選択的なルーティングの問題を扱っている。
【0007】
ヨーロッパ特許EP0862071A1では、光分岐デバイス(optical branching device)について説明されている。この出願では、WDM放射成分をルーティングするための光分岐デバイスを含む光伝送システムにおいては、動作中の多くの理由によって放射成分の数が変わるか、あるいは成分の強度が変わりうることが確認されている。このような変化を補償して実質的に一定の出力パワーが得られるよう、このようなシステムには出力光増幅器を含めることができる。しかしながら放射成分の数が変わると、デバイスの最適な動作条件からの逸脱を表す補償によって、残りの各成分のパワーが変化する可能性がある。このため同出願には、二つの光サーキュレータと、直列に配置された多数の光ファイバー格子を含む光分岐デバイスが設けられている。格子は、二つの光サーキュレータとの間に接続されている。各格子は、透過する放射成分とは異なる波長を有する一又は二以上の放射成分を反射するよう動作する。故障や同様の異常が起こった場合、このデバイスは、透過した放射成分とは異なる一又は二以上の放射成分を、このデバイスを含む第一のノードから、端末ノードから離れた予備的なノードの方へ向きを変え、これにより、第一のノードを透過する放射成分を予め定められたパワーに維持し、例えば光増幅器が確実にその最適な動作点で動作するようにしている。このように、特許出願EP0862071A1は、動作時に成分の数が動的に変化するときに、光学的な動作パワーレベルを維持するようWDM放射成分を選択的に向きを変えるという問題に関連している。
【0008】
他のヨーロッパ特許出願EP0926853A2では、WDM光信号にスペクトル成分を追加したり、及び/又は、スペクトル成分を減らすための、波長選択アッド・ドロップ(add-drop)マルチプレクサが説明されている。このマルチプレクサには、1×1及び2×2の光スイッチが含まれており、これらのスイッチは単独で使用される他に他の光学素子と連携して使用され、他のスペクトル成分を減らすためにWDMスペクトル成分を分離させる。これらのスイッチは、マルチプレクサ内でのルーティングを制御するために反射デバイスをスペクトル成分の経路内へ或いは経路外へ位置決めするための微少電気機械アクチュエータ(micro-electromechanical actuator)として開示されている。このように、特許出願EP0926853A2は、光通信システム内における選択的なWDMスペクトル成分のルーティングの問題の取り扱いに関連している。
【0009】
英国特許出願GB2321809Aでは、アッド・ドロップ(add/drop)マルチプレクサが、WDM光ネットワーク内での幹(trunk)と枝(branch)の光ファイバー導波路の結合について説明されている。このマルチプレクサは、特定の搬送波長λ1、λ2を、第一及び第二の幹の入力から第一、第二及び第三の幹及び枝の出力へと選択的に供給し、そして、第三の枝の入力から第一及び第二の枝の出力へと選択的に供給する。WDMスペクトル成分は、例えば、反射フィルタとして作用するファイバー・ブラッグ格子によって選択され、サーキュレータを通してルーティングされる。このようなルーティングの間に、スペクトル成分を、ポンピングされドープされた双方向光ファイバー増幅器によって増幅してもよい。このように、特許出願GB2321809Aは、WDMスペクトル成分のルーティング及び増幅の問題に関連している。
【0010】
他のヨーロッパ特許EP0720408A2では、二つの入力WDM信号と二つの出力WDM信号との間で任意にチャネル配置ができる、同調可能なアッド・ドロップ(add/drop)光フィルタが説明されている。このフィルタは、二つのNポートの波長格子ルータ(WGR)を含んでおり、これらはWGR内で2×2光スイッチによって接続されている。これらのスイッチは、例えば、50msのスイッチングが可能な光機械スイッチ(opt-mechanical switch)とすることができる。このように、特許出願EP0720408A2は、WDM信号のスペクトル成分の選択的なルーティングに関連している。
【0011】
Bononi及びCastanonによる科学上の文献である「Analysis of Hot-Potato Optical Networks with Wavelength Conversion」(Journal of Lightwave Technology, Vol. 17, No.4 April 1999)には、WDMスペクトル成分のルーティングの一般的な分析が説明されている。しかしながら、このようなルーティングを実行するための実際のハードウェアは、この文献には開示されていない。
【0012】
前述の従来のシステムでは、この中での光放射の伝播は、典型的には1550nmのオーダーの波長を有している。この波長は、放射周波数で言うと200THzに対応し、エイリアシングや情報の欠損を回避するには搬送放射は変調する信号の最高周波数の少なくとも2倍の周波数を有していなければならないというナイキストの規準を考慮すると、理論上は最大100THzのオーダーの通信バンド幅が可能となる。前に説明したように、従来のシステムで放射伝播をそれぞれが情報を担った複数の放射となるウェーブバンドに分割することは、従来から行われており、このような分割はWDMとして知られている。
【0013】
実際には、従来のシステムで光放射を各ノードで対応する電気信号に変換することは、これらのシステムにより理論上与えられる通信バンド幅に対して、厳しい制約を課すことになる。このようなバンド幅の制約は、従来のシステムについての重大な第一の問題となる。
【0014】
この第一の問題を解決すべく、近年、光学システム内を伝播する光ソリトン波の理論的な研究がなされている。このようなソリトン波は、光導波路内を、無視できる程度の分散や欠損を受ける程度で、相対的に長い距離にわたって伝播することができる。従来の光通信システムでは、変調された光放射と対応する電気信号との間での変換がこのようなシステム内では頻繁に起こることから、ソリトン波の伝播を利用することは可能ではなかった。このような変換は、ソリトン伝播を利用することのどのような潜在的利点も無効にしてしまう。
【0015】
発明者らは、光通信システム内では、第一の問題を解決するためには光学領域でできるだけ多くの処理を実行し、例えば信号の再生成(regeneration)といった特殊な機能を実行するような絶対に必要とされるときに光学放射と対応する電気信号との間だけで変換するようにする、ということが非常に望ましいということを認識した。再生成は、光信号を光ファイバー導波路の相対的に長い距離、例えば100kmといった距離を伝送するときに生じる分散の効果を、少なくとも部分的に反転する(reverse)ために必要とされる。そこで発明者らは、通信システムのための再生成のインターフェースを考えた。このインターフェースは、できるだけ多くの光学処理を実行しながら、通信トラフィックの柔軟な再ルーティングが可能である。従来における一つのシステムてすべての光通信を与えようとする試みは、これまで、技術的な困難、特にすべての光で再配置可能な放射ルーティングを達成することに関連した困難によって挫折してきた。
【0016】
さらに、発明者らは、システムのウェーブバンドの無駄な使用から生じるバンド幅の制約に関する従来の通信システムにおける第二の問題を認識した。発明者らは、システムが動作時に通信トラフィックによって大きな負荷が掛かったときにその完全な通信バンド幅を確実に与えられるようにするには、システム内のウェーブバンドの間で通信トラフィックを再配分できることが望ましいことに気づいた。
【0017】
さらに、発明者らは、バンド幅の制約につながる情報を担った放射を対応する電気信号に変換する必要がなく、通信トラフィックをシステム内で再配分できるようにすることが非常に望ましいという第三の問題を認識した。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の観点によれば、
(a)複数のウェーブバンドに分割された情報を担っている光放射を導くための第一及び第二の光学経路;
(b)ウェーブバンドの一つ又は二つ以上に対応する放射成分を選択的に第一の経路から第二の経路へ通信するインターフェース手段であって、該インターフェース手段はウェーブバンド選択方向変更手段及びウェーブバンド選択結合手段を有し、該方向変更手段は第一の経路内にあって第一の経路から一又は二以上のウェーブバンドに対応した放射成分の方向を変えて方向が変えられた放射を与え、結合手段は方向が変えられた放射の中にある一又は二以上の放射成分を第二の経路に結合するよう動作するものである;
を含んで構成され、
前記方向変更手段は、
(c)第一の経路に沿って伝播している情報を担う放射の少なくとも一部を空間的に分離した放射線に分離するウェーブバンド選択フィルタ手段を含み、各放射線は関連するウェーブバンドの放射に対応するものであり;
(d)各放射線ごとに関連づけて設けられ、放射線のウェーブバンドに対応する放射を選択的に導く液晶減衰手段を含み、導かれた放射は結合手段に与えられた方向を変えられた放射に寄与するものである、
ことを特徴とする光通信システムが与えられる。
【0019】
本発明のシステムは、前述の第一、第二、第三の問題の一つ又は二つ以上を解決するという効果がある。
【0020】
このシステムは、情報を担う放射の選択された部分を、第一の経路から第二の経路へインターフェース手段を介して、インターフェース手段の中にある光部品を用いることによりシステム内の放射を対応する電気信号に変換するという必要性を伴わずに、通信することができる。さらにこのシステムは、再度ルーティング可能な再生成する、第一の経路から第二の経路への接続が可能である。またこのシステムは、搬送される通信トラフィックのウェーブバンドのスイッチング、およびウェーブバンドがシフトされた通信トラフィックをシステムの経路間で選択的に再度導くことが可能である。このシステムは、液晶技術を利用することにより、前述の一又は二以上の問題を解決することができる。
【0021】
前記結合手段は、
(a)方向を変えられた放射の少なくとも一部を空間的に分離した放射線に分離するウェーブバンド選択フィルタ手段を含み、各放射線は関連するウェーブバンドに対応するものであり;
(b)各放射線ごとに関連づけて設けられ、放射線のウェーブバンドに対応する放射を選択的に伝送し又は方向を変える液晶減衰手段を含み、これにより選択的に第二の経路への出力に放射を与えるものであることが望ましい。
【0022】
より有益なものとしては、等しいウェーブバンドの放射が加えられて競合するのを避けるために、前記第二の経路は第二の経路に沿って伝播するウェーブバンドの放射を減衰させるためのウェーブバンド選択減衰手段を含んでおり、前記結合手段は第一の経路からの放射を前記減衰手段から出力される放射に加えるよう動作し、前記減衰手段は前記結合手段によって加えられる放射と波長が一致する第二の経路に沿って伝播しているウェーブバンドの放射を減衰させるよう動作する。このシステムを実際に構成する場合には、前記減衰手段は、
(a)第二の経路に沿って伝播している放射を空間的に分離した放射線に分離するウェーブバンド選択フィルタ手段を含み、各放射線は関連するウェーブバンドの放射に対応するものであり;
(b)各放射線ごとに関連づけて設けられ、放射線のウェーブバンドに対応する放射を選択的に伝送し又は方向を変える液晶減衰手段を含み、これにより第二の経路に沿ってさらに伝播するよう結合手段からのものに加えるための放射を与えるものであるようにするのが便利である。
【0023】
通信システムでは、いつくかのウェーブバンドが他のウェーブバンドよりも通信トラフィックによって負荷が大きくなりる。このためめ、ウェーブバンド間でトラフィックの負荷を平均化するために、システム内で通信トラフィックを筆のウェーブバンドから別のウェーブバンドに移すと便利である。このため、ウェーブバンド選択結合手段は、方向を変えられた放射のウェーブバンドの第一の組に搬送されている情報を、第二の経路に出力される方向を変えられた放射のウェーブバンドの第二の組に伝送するためのウェーブバンドスイッチング手段を含むことが望ましい。
【0024】
ウェーブバンドスイッチング手段は、多くの部品から構成される。第一の構成として、ウェーブバンドスイッチング手段は、方向を変えられた放射の中の選択されたウェーブバンドの放射を分離するためのウェーブバンド選択手段と、分離された放射を対応する電気信号に変換する検出手段と、前記信号によって変調され、前記選択されたウェーブバンドとは異なるウェーブバンドでこの信号を担う放射を生成するよう動作し、生成された放射を第二の経路に出力する光放射源とを含む。この第一の構成は、直ちに入手可能な光部品を用いているので、実現するのが容易である。
【0025】
第二の構成では、システムのバンド幅を妥協しないために、前記方向変更手段、前記減衰手段及び前記結合手段は、光学領域において情報を担う放射に対して作用し、放射の一部でも対応する電気信号に変換したり対応する光放射に戻す必要性を伴わずに、第一の経路からの放射の少なくとも一部を第二の経路に結合することが望ましい。このため、ウェーブバンドスイッチング手段は、方向を変えられた放射の中の選択されたウェーブバンドの放射を分離するためのウェーブバンド選択手段と、実質的にレーザー発信閾値にバイアスされている光放射源とを含んで構成され、放射源は分離された放射によって、放射源によって生成された誘導放射が分離された放射に搬送される情報によって変調されるようにして誘導され、この誘導放射は選択されたウェーブバンドとは相互に異なるウェーブバンドであり、誘導放射は第二の経路に出力されるようにするのが望ましい。
【0026】
情報を担う放射が例えば20kmを超えるような相対的に長い距離にわたって通信されるときは、放射の劣化が起こりうる。この劣化は少なくとも部分的には、再生成によって補正することができる。このため、結合手段には、ここを伝播する、方向を変えられた放射を再生成する再生成手段が組み込まれていることが望ましい。加えて、システムの他の部分における再生成を実行することも有益である。すなわち、少なくとも一つの経路に、ここを通過する情報を担う放射伝播を再生成する再生成手段を含めることが望ましい。
【0027】
このシステムでは、経路が一つの方向で不良になった場合の保護手段しとて、また、通信トラフィックをシステム内でより均等に分布させるために、双方向放射伝播を持続させるようにするのが有利である。
このため、第一及び第二の経路は、これらに沿った双方向の放射伝播を持続させ、インターフェース手段は第一の経路に沿ったいずれかの方向に伝播するウェーブバンドの一つ又は二つ以上の放射を、いずれかの方向に伝播するよう第二の経路に結合させることのが有利である。
【0028】
このシステムに、一又は二以上のリング通信経路、例えば多数の互いに相互接続されたリング経路を設けると便利である。望ましくは、経路には、一つ又は二つ以上の線形経路及びリング経路を含ませる。
【0029】
状況によっては、通信トラフィックの負荷を分散させるため、またシステムの伝送ノードから受信ノードへの通信経路を短くするために、選択された一又は二以上のウェーブバンドに関連する通信トラフィックをシステムの経路に沿って一つの方向からもう一つの方向に再度方向付けできるようにするの有利な場合がある。このため、少なくとも一つの経路はこれに沿った双方向放射伝播を持続させ、少なくとも一つの経路は、放射伝播の第一の方向からの一又は二以上のウェーブバンドの放射を少なくとも一つの経路に沿った放射伝播の第二の方向に結合するための再方向付け手段を含み、第二の方向は第一の方向とは相互に反対向きであることが望ましい。
【0030】
本発明の第二の観点によれば、光通信システムのためのインターフェースであって、
(a)複数のウェーブバンドに分割された情報を担っている光放射を導くための第一及び第二の光学経路を含み、前記インターフェースは第一の経路からの一又は二以上のウェーブバンドに対応した放射を第二の経路に選択的に通信するよう動作し、
(b)ウェーブバンド選択方向変更手段及びウェーブバンド選択結合手段を含み、前記方向変更手段は第一の経路に含まれ、第一の経路からの一又は二以上のウェーブバンドに対応した放射の方向を変更して方向が変えられた放射を与え、前記結合手段は、方向を変えられた放射の中の一又は二以上のウェーブバンドの放射を第二の経路に結合し、
前記方向変更手段は、
(c)情報を担う放射の少なくとも一部を空間的に分離した放射線に分離するウェーブバンド選択フィルタ手段を含み、各放射線は関連するウェーブバンドの放射に対応するものであり;
(d)各放射線ごとに関連づけて設けられ、放射線のウェーブバンドに対応する放射を選択的に導く液晶減衰手段を含み、導かれた放射は結合手段のための方向を変えられた放射に寄与するものであることを特徴とするインターフェースが与えられる。
【0031】
本発明の第三の観点によれば、本発明の第一の観点に基づいたシステムの第一の経路から第二の経路へ、情報を担う放射を通信する方法であって、
(a)第一の経路に沿ってシステムのインターフェース手段へ情報を担う放射を伝播させるステップ;
(b)インターフェース手段の方向変更手段に放射を供給するステップ;
(c)方向変更手段において受け取られた情報を担う放射の少なくとも一部を空間的に分離した、それぞれが関連するウェーブバンドの放射に対応する放射線に分離するステップ;
(d)関連する液晶減衰手段において各放射線を受け取り、減衰手段において情報を担う放射の中の一又は二以上のウェーブバンドに対応して選択的に放射の方向を変えて、方向が変えられた放射を与えるステップ;
(e)方向が変えられた放射の一又は二以上のウェーブバンドの放射を結合手段を通して第二の経路に結合するステップ;
という各ステップからなることを特徴とする方法が与えられる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明するが、これらはあくまでも例示を目的とするものである。
【0033】
まず、図1を参照する。図1において、本発明の光通信システム全体を、符号10で指し示す。システム10は、五つの相互にリンクされた双方向光通信リング20,30,40,50,60からなっている。リング20,30,40,50,60の直径は10kmから100kmの範囲であり、国レベル及び地方レベルでの通信リンクを与えるよう動作する。リング20,30は、例えば65などのリピータノードを含んでいる。これらはリング20,30の周囲に×印で示してある。さらに、リング20は、インターフェース70を介してリング30に接続されている。同様に、リング30はインターフェース80を介してリング40に接続されている。リング40は、その第一及び第二の位置で、それぞれインターフェース90,100を介してリング50に接続されている。同様に、リング50は、その第三及び第四の位置で、それぞれインターフェース110,120を介してリング60に接続されている。インターフェース70〜120は同種のものであり、これらについては後により詳しく説明する。
【0034】
リング20〜60は、それぞれ、二つの並行光ファイバー導波路ループを有しており、その一方は、光放射をリングの周囲に時計周りの方向に搬送し、もう一方は、光放射をリングの周囲に反時計周りの方向に搬送する。ループの一方が例えばファイバーの切断などで故障した場合にも確実に機能し続けることができるよう、各リングには二つのループが含まれている。さらに二つのループは、システム10に確実に最適な通信トラフィックの負荷がかかるよう、トラフィックがループ間で割り当てられるようにしている。
【0035】
システム10を通して伝播する光放射は、通信トラフィックで変調される。リング20〜60の各ファイバーループは、変調された光放射を搬送する。この放射は、32個の明瞭な、それぞれの通信チャネルに対応して変調された放射成分からなる。各チャネルは、その隣のチャネルと0.8nmだけ異なる波長で分離されている。この波長差は、チャネル間での100GHzの周波数間隔に等しい。このように、各ファイバーは、実質的に25nmの波長範囲にわたって広がった32チャネルからなる名目上1550nmの波長光放射を搬送する。
【0036】
次に、リング20上のノードAからリング60上のノードBへ通信トラフィックを伝達するシステム10の動作を説明する。しかしながら、ノードA、Bは一例として挙げたものであり、システム10は、この中のノードと他のノードとの間で通信することができる。電気信号はノードAによって受信され、これはこの信号を、32チャネルのうちの一つに関連した対応する光放射に変換する。この放射は、ノードAからリピータノード65を通ってインターフェース70へ伝播し、そこからリング30のリピータノードを通ってインターフェース80へ伝播する。この放射は、インターフェース80から反時計回りにリング40を回ってインターフェース100へ伝播する。次に、放射はインターフェース100からリング50の一部を通ってインターフェース120へ伝播し、ここを通ってリング60へ伝わり、これを回ってノードBへ達する。ノードBは、この放射を受信し、これをう対応する電気信号に変換する。この放射のノードAからノードBへ至るシステム10を通っての伝播は、純粋に光学的に実行される。
【0037】
ノードAからノードBへの伝播の過程において放射は多くのリピータ及びインターフェースを通過する。このため、光学増幅器を設けてはいるが、放射は減衰や分散によって劣化する。可能な場合、システム10のノードに、再生成装置(regenerator)や、あるいは位相分散及び等化(equalisation)の補正ユニットを含める。このような再生成は、純粋に光学的に行うのが望ましい。その理由は、再生成を行うために放射を対応する電気信号へ変換すること、および対応する光放射への再変換して戻すことは、バンド幅を制約するシステム10上の制約条件となるからである。同様に、位相分散及び等化の補正も、純粋に光学的に実行するのが望ましい。システム10内でこのような再生成及び分散補正を純粋に光学的に実行することが可能なところでは、電気信号への変換及び電気的な領域における再生成及び分散の補正が実行されなければならない。
【0038】
次に、図2を参照する。図2には、システム10に含まれている第一のタイプの光インターフェース、すなわち点線180内に含まれるインターフェース70が示されている。リング20は第一の時計方向のファイバーループ210を含んでおり、放射はこれを通ってインターフェース70内を東(E)から西(W)の方向へ伝播する。さらに、リング20は、反時計方向のファイバーループ200を含んでおり、放射はこれを通ってインターフェース70内を西(W)から東(E)の方向へ伝播する。ここで東(E)及び西(W)という方向は、図中で伝播方向を指し示すために用いているだけであり、実際の地理的な西や東とは関係ない。
【0039】
同様に、リング30は、第一の時計方向のファイバーループ220を含んでおり、放射はこれを通ってインターフェース70内を西(W)から東(E)の方向へ伝播する。さらに、このリングは第二のファイバーループ230を含んでおり、放射はこれを通ってインターフェース70内を東(E)から西(W)の方向へ伝播する。
【0040】
インターフェース70は、12個のチャネル制御ユニット(CCU)250〜360と、関連する光増幅器400〜550を含んでおり、これらは図2に示すように相互に接続されている。このうち光学増幅器440〜500は、再生成光学増幅器であり、これらは、ここを純粋に光学的に増幅されて透過するようにするか、再生成的に光学的にされて透過するようにするかを選択することができる。インターフェース70は、さらに、一つのファイバーから別のファイバーに放射を結合させるファイバーカプラ600〜690を含んでいる。これらのカプラは、光ファイバー融着接続技術を用いて製造されたものであるが、代わりに別の種類のカプラ、例えばここに参照として組み入れられる米国特許第4950045号において説明されている形態のカプラを用いることもできる。インターフェース70は、複雑であるために相対的に高価な部品ではあるが、リング20,30間で光放射を選択的に結合するときに、大きな柔軟性が得られる。このような柔軟性が必要ない場合には、インターフェース70を簡素化してコストを下げることもできる。このような簡素化については後述する。例えば、一つの可能な簡素化の例は、再生成増幅器440〜500のうちの一つ又は二つ以上を、光増幅器400〜430,520〜550と同じ光増幅器で代用することである。
【0041】
次に、カプラ600〜690、CCU250〜360、光増幅器400〜550の間の詳細な相互接続について、図2を参照しながら説明する。カプラ600〜690は、互いに同種類のものである。また、増幅器400〜550も、増幅器440〜500が追加の再生成部品を含んでいる点を除いて、互いに同種類のものである。さらに、CCU250〜360も、互いに同種類である。
【0042】
リング20のファイバー200は、西(W)方向から増幅器400の入力ポートに接続されている。増幅器400は出力ポートを有しており、この出力ポートは光ファイバーを通してカプラ600に接続され、また、ここを通ってCCU250の入力ポートAに接続されている。CCU250は出力ポートBを有しており、これは光ファイバーを介してカプラ610に接続され、ここを通って増幅器410の入力ポートに接続されている。ファイバー200は、東(W)方向から増幅器410の出力ポートへ接続されている。
【0043】
同様に、リング20のファイバー210は東(E)方向から、増幅器430の入力ポートに接続されている。増幅器430は出力ポートを有しており、これは光ファイバーを介してカプラ640に接続され、ここを通ってCCU260の入力ポートAに接続されている。CCU260は出力ポートBを有しており、ここを通って増幅器420の入力ポートへ接続されている。ファイバー210は西(W)方向から増幅器420の出力ポートに接続されている。
【0044】
同じように、リング30のファイバー220は西(W)方向から増幅器520の入力ポートに接続されている。増幅器520は出力ポートを含んでおり、これは光ファイバーを介してカプラ690へ接続され、ここを通ってCCU350の入力ポートAに接続されている。CCU350は出力ポートBを含んでおり、これは光ファイバーを介してカプラ660に接続され、これを通って増幅器530の入力ポートに接続されている。ファイバー220は東(E)方向から増幅器530の出力ポートへ接続されている。
【0045】
同様に、リング30のファイバー230は、東(E)方向から増幅器550の入力ポートへ接続されている。増幅器550は出力ポートを含んでおり、これは光ファイバーを介してカプラ680に接続されてり、ここを通ってCCU360の入力ポートAへ接続されている。CCU360は出力ポートBを有しており、これは光ファイバーを介してカプラ670に接続されており、ここを通して増幅器540の入力ポートへ接続されている。ファイバー230は西(W)方向から増幅器540の出力ポートへ接続されている。
【0046】
カプラ600〜640は、一連の接続網を通してカプラ660〜690に接続されており、各接続網は直列に接続された光増幅器及び関連するCCUを含んでいる。
【0047】
次に、リング20からリング30への接続について説明する。カプラ600は、第一及び第二の出力ポートを含んでいる。カプラ600の第一のポートは光ファイバーを介して、増幅器480に接続され、CCU280を通ってカプラ660の第一の入力ポートに接続されている。さらに、カプラ600の第二のポートは光ファイバーを介して、増幅器470に接続され、CCU300を通ってカプラ670の第一の入力ポートに接続されている。さらに、カプラ640は、第一及び第二の出力ポートを含んでいる。カプラ640の第一のポートは光ファイバーを介して、増幅器490に接続され、CCU320を通ってカプラ670の第二の入力ポートに接続されている。さらに、カプラ640の第二のポートは光ファイバーを介して、増幅器500に接続され、CCU330を通ってカプラ660の第二の入力ポートに接続されている。
【0048】
続いて、リング30からリング20への接続について説明する。
カプラ690は、第一及び第二の出力ポートを含んでいる。カプラ690の第一のポートは光ファイバーを介して、増幅器440に接続され、CCU270を通ってカプラ630の第一の入力ポートに接続されている。同様に、カプラ690の第二のポートは光ファイバーを介して、増幅器460に接続され、CCU290を通ってカプラ610の第一の入力ポートに接続されている。さらに、カプラ680は、第一及び第二の出力ポートを含んでいる。カプラ680の第一のポートは光ファイバーを介して、増幅器480に接続され、CCU310を通ってカプラ630の第二の入力ポートに接続されている。さらに、カプラ680の第二のポートは光ファイバーを介して、増幅器510に接続され、CCU340を通ってカプラ610の第二の入力ポートに接続されている。
【0049】
各CCUは、ここを通る放射伝播を、32チャネルのうちの一又は二以上に対応して選択的に減衰させることができる。CCU250,260,350,360において選択的な減衰を行わせると、光放射を各CCUの前にあるカプラ600,640,690,680それぞれの方へ向きを変える効果がある。このように迂回させると、迂回されたチャネルに対し、CCU250,260,350,360に続くカプラ610,630,660,670において放射を加算させることができる。
【0050】
動作時に、インターフェース70は、リンク20と30の間で純粋に光学的な経路を与えることができ、このような経路はバンド幅には制約されない。しかし、これらの間の増幅器440から500までのうちの一つ又は二つ以上で電気的な再生成が行われるときには、バンド幅の制約が生じる。さらに、インターフェース70は、リング20から選択された特定のチャネルを結合し、そしてこれらをリング30のいずれの方向へも向けさせることができる。また、これとは逆に、インターフェース70は、リング30から選択された特定のチャネルを結合し、そしてこれらをリング20のいずれの方向へも向けさせることができる。図2及び後述の図にいて、北(N)、南(S)、東(E)、西(W)は地理的な磁気方位とは関係なく、単に図中における方向を指し示すのに用いているだけである。
【0051】
通信システム10において、ノードがインターフェース70のすべてのけ接続機能を果たすことは必ずしも必要ではない。このような広い機能が必要ない場合は、接続網のいくつかを省略してインターフェース70を簡素化し、複雑さ及びコストを下げることができる。
【0052】
インターフェース70において、再生成及び等化の機能は、前述の接続網の中に含めることができる。このような機能は、システム10内でソリトンが伝播するという利点を考えると、可能であれば光学的に実行することが望ましい。光学的な等化は、ここに参照文献として組み入れられる米国特許代5859939号において説明されている方法で、偏波に依存する(polarization dependent)ビームスプリッタ及びスイッチ光学遅延線(switched optical delay line)を用いて実行できる。
【0053】
光学的な再生成はシステム10内で実行されるが、代わりに電気的な再生成及び等価を用いることもできる。ただし、このような再生成及び等価を行うと、潜在的にシステム10上のバンド幅の制約が課され、例えばシステム内でソリトンが伝播するといった利点が得られなくなる。必要ならば光学的又は電気的な再生成を、インターフェース70での再生に加え、あるいはこれに代えて、リング20,30の周囲のリピータノードにおいて実行することも可能である。
【0054】
実際に、商業的に入手可能な光増幅器、CCU、光カプラを接続して、インターフェース70を構成することが可能である。例えば、光増幅器400〜550は、光ポンピングされ、エルビウムがドープされたスーパー蛍光(super-fluorescent)光ファイバーを能動光学利得部品として含んだ独占販売されているユニットとすることが望ましい。同様に、CCU250〜360は米国の業者から入手することが可能であり、例えば、CCUは、一つのユニットが一対のCCUからなるユニットとして商業的に入手することができる。このそれぞれは、光学格子、可変光減衰器として機能する液晶開口のマトリックス、自由空間光学経路を含んでおり、これによりコンパクトな構成と、減衰器を名目上ゼロ減衰にセットしときにCCU光入力ポートからCCU光出力ポートへの6dBという小さい最少挿入ロスとが達成される。インターフェース70内で使用するCCUの数を考えると、このような商業的に入手可能な挿入ロスの小さいCCUを用いることは、インターフェース70の性能にとって有益であり、また、このような挿入ロスの小さいCCUは、増幅器として必要とする性能を緩和し、したがってシステム10のS/N比を向上させる。
【0055】
インターフェース70の動作をさらに説明するために、図3を参照しながらCCU250〜360についてより詳しく述べる。図3には、CCU250ブロック図が示してある。他のCCU260〜360の構成及び機能は、CCU250と同様である。
【0056】
CCU250には、放射を受け取るための光入力ポートA、放射を出力するための光出力ポートB、予備の光出力C、予備の光入力D、CCU250の動作を制御するための電気信号を入力するための電気入力ポートEが含まれている。このポートEは、例えば、減衰器の減衰設定を制御するための電気信号を入力するのに使用される。CCU250はその内部に、デマルチプレクサ800、マルチプレクサ810、点線820内に含まれるよう示された23個の液晶減衰器のマトリックス818を含んでおり、減衰器815はマトリックス818内の一つの減衰器の一例である。デマルチプレクサ800は32個の光出力を有しており、これらはマトリックス818内の対応する液晶減衰器に放射を送り出すようにされている。減衰器からの出力は、マルチプレクサ810光入力に入り、マルチプレクサ810は減衰器を通ってきた放射を再結合してポートBにおける出力放射とする。減衰器が入ってきた放射を減衰するよう設定されているときは、放射はマルチプレクサ830の方へ向きを変え、マルチプレクサ830は向きを変えた放射を結合してポートCにおける対応する放射出力とする。同様に、ポートDはデマルチプレクサ840に接続されており、マルチプレクサ810840はポートDにおける放射入力を減衰器に導き、前方のマルチプレクサ810に向かって伝播し、ポートBでの出力となるように動作する。インターフェース70では、CCUのポートC及びDは、例えば一つのチャネルから別のチャネルへトラフィックをスイッチングするために波長シフトを行うといった特別の状況で使用することはできるが、通常は使用しない。このようなシフトについては後述する。
【0057】
減衰器は、各減衰器を通るときに0.1dBから30dBの範囲で減衰するように電子的に制御することができる。インターフェース70に含まれている、米国内の業者から供給されるCCUは、自由空間光学を用いて6dBという最少挿入ロスを得ている。CCUを、自由空間光学を用いずに、例えばより一般的な融着接続ファイバー光学を用いて構成した場合には、デマルチプレクサ800及びマルチプレクサ810における光学ロスは、それぞれ約7.5dB及び約4.5dBとなり、結果として合計の最少挿入ロスは12dBとなる。さらに、インターフェース70内で使用する商業的に入手可能なCCUがこのようなコンパクトな自由空間光学構造を用いていないとしたら、CCUはかなり高価で、かつかさばったものになるだろう。
【0058】
デマルチプレクサ800はフィルタ動作を行って、ポートAにおける複合放射入力を前述の波長0.8nmのチャネル間隔で32チャネルのそれぞれの放射成分に分ける。各減衰器は対応する放射成分を減衰させることができ、これによりデマルチプレクサ800への放射入力に含まれる各チャンネルを選択的に減衰させ、ポートCの方へ方向を変えることができる。インターフェース70でCCU250内の特定のチャネルに対応する放射成分を減衰させると、その放射はカプラ600を通ってその第一及び第二の出力ポートの方へ向きを変える。リング20,30内で並んで接続されているCCU260,350,360についても同様である。
【0059】
CCU250〜360は、クライアントからの要求に応じてシステム10内で通信トラフィックをルーティングしている管理制御ユニット(不図示)から送られてくる電気的な命令によって制御される。したがってインターフェース70は、非常に再構成しやすく設計されており、これにより、リング内の一つを伝播している任意のチャネルの通信トラフィックは、両方のリング方向で、すなわちリング内の放射伝播の両方の方向で、他のリングに選択的に結合されることができる。
【0060】
次に、図4を参照して、再生成増幅器440〜500について説明する。増幅器440〜500は同種のものなので、増幅器440についてだけ詳細に説明する。再生成増幅器440は、光スイッチ850、カプラ852、光学増幅器854、同様の再生成接続網を介してマルチプレクサ864に接続されている32個の出力を有するウェーブバンド選択デマルチプレクサ856を含んでいる。一例として、一つの接続網は、検出器858、電気的再生成ユニット860、そして変調レーザー源862を含んでいる。各接続網は、その出力において、マルチプレクサ864の対応する光入力に接続されている。光学増幅器854は、非再生成光学増幅だけを行うよう動作する。
【0061】
続いて再生成増幅器440の部品の接続について説明する。増幅器440の入力ポートは、光スイッチ850の光入力ポートJ1に接続されている。この光スイッチの出力J2は、カプラ852の第一の光入力ポートからカプラ852を介して光増幅器854の入力ポートK1につながっている。増幅器854の出力ポートK2は、再生成増幅器440の光出力を与えるように接続されている。
【0062】
スイッチ850の出力ポートJ3はデマルチプレクサ856の光入力ポートH1に接続されている。デマルチプレクサ856は、32個の光出力ポートF1〜F32を有しており、光ポートH1へ入力された放射はこの光出力ポートF1〜F32から出力される。32個の出力それぞれは、システム10の関連するウェーブバンドに対応する放射を担う。32個の出力それぞれは、対応する再生成接続網を介してマルチプレクサ864の対応する入力に接続されている。マルチプレクサ864の光出力ポートH2は、カプラ852の第二の入力ポートに接続され、ここからカプラ852を通り、増幅器854の入力ポートK1に接続されている。
【0063】
次に、図4を参照して、再生成増幅器440の動作について説明する。入力ポートJ1は放射を受信する。スイッチ850がどのようにプログラムされているかによって次のいずれかのように動作する:
(a)放射をカプラ852を通して増幅器854で増幅し、続いてK2から出力するように導く。これにより、純粋に光学的に増幅器440を通過させる。
(b)放射をデマルチプレクサ856へ導き、ここで放射をウェーブバンドに対応した放射成分に分離し、各成分を関連する接続網を伝播させ、ここで再生成を行う。再生成されたらここからマルチプレクサ864へ伝播させ、マルチプレクサ864は接続網から受信した再生成された放射成分を結合して再生成された放射をカプラ852へつながるポートH2へ出力する。カプラ852は再生成された放射を光増幅器854に結合してここで光増幅を行い、続いて出力ポートK2において出力する。
【0064】
このように、再生成増幅器440は、単純で純粋な光増幅か、あるいは再生成を行う増幅のうちのいずれかを選択的に行うことができる。
【0065】
次に、増幅器440の接続網の動作をより詳しく説明する。検出器858は、入射した光放射(o)を対応する電気信号(e)に変換して出力するフォトダイオードを有している。再生成ユニット860は、一連のデータの流れからなる電気信号(e)を、例えば10Gビット/秒というビットレートで受け取り、ヒステリシス処理及び同期処理を施してそのデータのエッジを元々の形状に近づける。レーザー源862は、対応する再生成ユニット860から電気信号(e)を受け取り、これを、接続網に関連するウェーブバンドに放射を出力するよう同調されたレーザーを変調するのに用いる。増幅器440の接続網は、各接続網がそれぞれに対応したウェーブバンドの変調された放射を出力するよう構成されている点を除き、それぞれが同じように機能する。
【0066】
インターフェース70は、双方向リング間、例えばリング20と30の間の相互接続を与えることができるが、一つ双方向リング内の特定のチャネルを別のチャネルに切り換える必要性、例えばリングの時計方向のループからこれに関連する反時計方向のループに切り換える必要性がしばしば生じる。このような選択的なスイッチング機能を実現するために、インターフェース70を簡素化したものをリング内に含めることができる。このインターフェース70を簡素化したものの例を図5に例示し、全体を符号900で指し示す。簡素化したインターフェース900は、四つのCCU910〜940、六つの光増幅器950〜1000、そして四つのファイバーカプラ1010〜1040を有している。CCU910〜940それぞれはCCU250と同種のものである。増幅器970,980は図4に例示したのと同じタイプのものであり、純粋に光学的な増幅か或いは再生成された増幅を行う。
【0067】
次に、簡素化したインターフェース900のCCU、増幅器、及びファイバーカプラについて説明する。増幅器950,960、CCU910及びカプラ1010,1020は、リング20の第二のファイバーループ内で一列に接続されている。西(W)方向からの第二のループのファイバー200は、増幅器950の光入力に接続されている。増幅器950の光出力は、光ファイバーを介してカプラ1010に接続され、ここからCCU910の光入力ポートAに接続されている。CCU910の光出力ポートBは、光ファイバーを介してカプラ1020に接続され、ここから増幅器960の光入力に接続されている。増幅器960の光出力は、東(E)方向に向かうファイバー200に接続されている。
【0068】
同様に、増幅器990,1000、CCU920及びカプラ1030,1040は、リング20の第一のファイバーループ内で一列に接続されている。東(E)方向からの第一のループのファイバー210は、増幅器1000の光入力に接続されている。増幅器1000の出力は、光ファイバーを介してカプラ1040に接続され、ここからCCU920の光入力ポートAに接続されている。CCU920の光出力ポートBは、光ファイバーを介してカプラ1030に接続され、ここから増幅器990の光入力に接続されている。増幅器990の光出力は、西(W)方向に向かうファイバー210に接続されている。
【0069】
増幅器970及びこれに関連するCCU1030は直列に接続され、ファイバー200よりなる第二のループからファイバー210よりなる第一のループへ、通信トラフィックを選択的にリンクする第一の接続網を与える。同様に、増幅器980及びこれに関連するCCU940は、第一のループから第二のループへ通信トラフィックを選択的にリンクする第二の接続網を与える。
【0070】
動作時には、簡素化したインターフェース900は、CCU910、920によって、ループ内を流れる特定のチャネルに関連する通信トラフィックをブロックし、このトラフィックを、CCUのポートEに送られてくる命令に応じて一つ又は二つ以上のチャネルを選択的に伝送できる接続網に導く。一般に、CCU910は、CCU930が選択的に伝送するよう設定された一又は二以上のチャネルの放射を減衰するよう設定される。同様に、CCU920は、CCU940が選択的に伝送するよう設定された一又は二以上のチャネルの放射を減衰するよう設定される。このように、インターフェース900は、選択された特定のチャネルを、リング20の一つの方向へ伝播している状態から逆方向となるようスイッチングされるようにする。このインターフェースは、リング20の二つのループの間で通信トラフィックの量がより均等に分布するようにし、これによりシステム10が十分に利用されるようにする。インターフェース900は、また、一又は二以上の光増幅器及び再生成増幅器を行い、これは、システム10内における光放射の振幅を維持するのに役立つ。
【0071】
システム10内のリング間で通信トラフィックを結合するとき、及びシステム10の一又は二以上のリング内で選択されたチャネルの方向をスイッチングするときは、通信トラフィックを、特定のループ又はリングに沿って、一つのチャネルから別のチャネルへシフトさせるようにすると、しばしば便利である。これはしばしば波長シフトと呼ばれる。波長シフトを行うと、システム10のチャネルを、通信トラフィックを搬送するのに十分に利用することができ、これはシステム10のトラフィックの処理量を最適化する助けとなる。
【0072】
このような波長シフトは、システム10にバンド幅の制約が課されるのを避けるために、純粋に光学領域において実行するのが望ましい。光波長シフト動作は、光ミキシングを実行できる非線形光学部品により光ヘテロダイン技術を用いて行うことができる。あるいはまた、第一周波数の光放射を、レーザー発振閾値近傍にバイアスされ第二周波数で光放射を出力するよう同調されたレーザーをポンピングするのに用いることにより、第一周波数の光放射を変調する通信トラフィックで第二周波数のレーザーから出力される放射を変調できるようにしても、波長シフト動作を行うことがでのる。第一周波数の放射がシステム10の一つのチャネルに対応し、第二周波数の放射が別のチャネルに対応している場合には、一つのチャネルから別のチャネルへのトラフィックのスイッチングを実行することができる。
【0073】
システム10の特定のチャネルと関連する第一波長で変調された放射を対応する電気信号に変換し、そして、この電気信号をレーザーを振幅変調するのに用いて、電気信号によってシステム10の別の特定のチャネルに関連する第二の波長で振幅変調された放射を出力することによっても、波長のスイッチングを実行することができる。このよような波長シフト動作は、システム10の一つのリングからの通信トラフィックを別のものと結合させるときに、しばしば必要とされる。
【0074】
次に、図6を参照する。図6には、システム10の二つの通信リングを接続する波長スイッチグインターフェースが示されている。このインターフェース全体を符号1200で示す。インターフェース1200は、二つのCCU1210,1220、四つの光増幅器1230〜1260、四つの光カプラ1270〜1300、同調可能なフィルタ及び検出器1310変調された同調可能なレーザー源1320を有している。二つのCCU1210,1220は、いずれも前に説明したCCU250と同種のものである。増幅器1230,1240、CCU1210及びカプラ1270,1280は、リング20の第二のループに接続されている。このループは、ファイバー200を含んでいる。同様に、増幅器1250,1260、CCU1220及びカプラ1290,1300は、リング30の第一のループに接続されている。このループは、ファイバー210を含んでいる。同調可能なフィルタ及び検出器1310及びレーザー源1320は、点線1330内に示した、符号1332で指し示すトランスポンダを構成する。これはカプラに接続され、ループの一つから選択されたチャネルを波長シフトするよう動作し、別の波長で、同じループに戻すよう出力するかあるいは他のループへ出力する。
【0075】
続いて、インターフェース1200の接続について説明する。リング20の第一のループのファイバー210は、西(W)方向から増幅器1230の光入力に接続されている。増幅器1230からの光出力はカプラ1270に接続され、ここを通ってCCU1210の光入力ポートAに接続されている。CCU1210の光出力ポートBは、光ファイバーを介してカプラ1280に接続され、ここから増幅器1240の光入力へ接続されている。ファイバー200は、第二のループの東(E)方向から増幅器1240の光出力に接続されている。
【0076】
同様に、リン30の第一のループのファイバー210は、東(E)方向から増幅器1260の光入力に接続されている。増幅器1230からの光出力はカプラ1300に接続され、ここを通ってCCU1220の光入力ポートAに接続されている。CCU1220の光出力ポートBは、光ファイバーを介してカプラ1290に接続され、ここから増幅器1250の光入力へ接続されている。ファイバー210は、第二のループの西(W)方向から増幅器1250の光出力に接続されている。
【0077】
カプラ1270の光出力は、光ファイバーを介して同調可能なフィルタ及び検出器1310の第一の光入力(W)に接続されている。同様に、カプラ1300の光ポートは、光ファイバーを介してフィルタ及び検出器1310の第二の光入力(E)に接続されている。
【0078】
カプラ1290の光入力は、光ファイバーを介して、レーザー源1320の第一の光出力(W)に接続されている。同様に、カプラ1280の光入力ポートは、光ファイバーを介して、レーザー源1320の第二の光出力(E)に接続されている。
【0079】
同調可能なフィルタ及び検出器1310は、第一及び第二のポートにおいて受信した放射を結合するカプラと、同調可能なフィルタ及び検出器を含んでいる。これは放射を受信し、シフトされるチャネルに対応した放射を濾波し、濾波された放射を検出して対応する復調された電気信号を出力するよう動作する。この電気信号は、出力P1において得られる。レーザー源1320は、レーザー源1320の電気入力P2に印加さた電気信号によって変調された出力放射を生成するための同調可能なレーザーを含んでいる。レーザー源1320が、フィルタ及び検出器1310のフィルタ周波数とは互いに異なる周波数で動作するよう同調されているときに、P1に出力される電気信号が入力P2に注入されると、チャネル間におけるトラフィックの周波数シフト動作が起こる。
【0080】
CCU1210は、リング20の第二のループの周囲を伝播する放射に含まれている一又は二以上の選択されたチャネルを減衰させるよう動作する。このような減衰によって、減衰された放射はカプラ1270及びその先のフィルタ及び検出器1310の第一の入力の方へと向きを変える。フィルタ及び検出器1310が、CCU1210において減衰されたチャネルの波長に同調されているときには、放射は検出器の方へ通過して伝播し、出力P1に電気信号を生成する。出力P1からの信号は入力P2へ導かれ、レーザ源1320によって生成される放射を変調する。そしてレーザー源1320は、管理制御ユニット(不図示)から受け取る命令に応じて第一又は第二の出力に変調された放射を選択的に出力する。
放射がレーザー源1320の第二の出力部に出力されると、この放射はカプラ1280に向かって伝播し、第二のループに結合してさらにリング20の第二のループの周囲をファイバー200を通って東(E)方向に伝播する。反対に、放射がレーザー源1320の第一の出力部に出力されると、この放射はカプラ1290に向かって伝播し、ここを通って増幅器1250に向かい、リング30の第一のループのファイバー210に沿って西(W)方向へ進む。
【0081】
CCU1220もまた、リング30の第一のループにおいて伝播する一又は二以上の選択されたチャネルに対応した放射を減衰させるよう動作し、放射をカプラ1300を通してフィルタ及び検出器1310の第二の入力へと導く。フィルタ及び検出器1310は、放射成分を分離するよう動作し、これらを検出して、対応する電気信号を出力P1に生成する。この電気信号は、レーザー源1320へ導かれたときに、レーザー源1320を変調して、変調された放射を生成する。この放射は、リング20へ又はリング30へ選択的に導かれる。
【0082】
このようにインターフェース1200は、一つのチャネルからの通信トラフィックを別のチャネルへ選択的にシフトさせることができる。さらに、チャネルがリング20へ或いはリング30へシフトされたときに、このようなトラフィックを、リング20からも、あるいはリング30からも受け取ることができ、選択的にトラフィックを出力することができる。このインターフェースによれば、このように柔軟かつ再構成可能な周波数シフト動作及びルーティング機能が可能となる。もし必要であれば、レーザー源1320の東(E)及び西(W)の出力の後に、図4との関連で説明したような純粋な光学増幅又は再生成光学増幅を含めることも可能である。
【0083】
図7を参照する。図7には、全体を符号1400で示した、本発明のインターフェースを例示している。インターフェース400は、機能的にはインターフェース1200と類似しており、インターフェース1200におけるトランスポンダ1332がインターフェース1400では符号1410で示すトランスポンダに置き換わっている点を除き、インターフェース1200で用いられているのと同じ部品が用いられている。
【0084】
トランスポンダ1410は、図7において点線1412の内部に示されている。トランスポンダ1410は、選択可能な二つの入力ポート(E,W)を有する同調可能なフィルタ1420、同調可能なレーザー源1430、そしてバイアス制御ユニット1440を含んでいる。フィルタ1420の光出力ポートQ1は、レーザー源1430の光入力Q2に接続されている。さらに、レーザー源1430は、二つの光出力ポート(E,W)及び光モニタ用ポートQ3を含んでいる。ポートQ3は、バイアス制御ユニット1440の入力ポートに接続されている。ユニット1440もまた、レーザー源1430の電気入力S2に接続された電気出力S1を有している。
【0085】
続いて、インターフェース1400の動作について説明する。32個のウェーブバンドに分割された情報を担った放射は、ファイバー200に沿って西方向から増幅器1230に伝播する。増幅器1230は対応する放射を増幅し、増幅された放射はさらに増幅器1230からカプラ1270を通ってCCU1210へ伝播する。CCU1210は管理制御ユニット(付図示)からルーティング命令を受け取り、選択された一又は二以上のウェーブバンドの放射の向きをそこから後方のカプラ1270の方へ、すなわち、同調可能フィルタ1420のW入力ポートの方へ変える。フィルタ1420は、管理制御ユニットからの命令に基づいてそのW入力ポートを選択することにより、この迂回した放射を受け取る。そしてフィルタ1420は、周波数シフトを行うべき特定のウェーブバンドに関連した放射を濾波し、出力ポートQ1に濾波した放射を出力する。濾波された放射は、レーザ源1430において、この中の同調可能レーザーのための誘導用の放射(stimulating radiation)として用いられる。このレーザーは、濾波された放射とは異なる波長に同調される。濾波された放射は、レーザーからの放出を誘導して、選択的に出力される対応する誘導放射を、管理制御ユニットからの命令に応じてレーザー源1430のWポート又はEポートへ出力する。Wポートが選択されたときは、誘導放射はカプラ1290へ導かれ、ファイバー210に沿って西方向に伝播することによって継続する。反対にEポートが選択されたときは、誘導放射はカプラ1280へ導かれ、ファイバー200に沿って東方向に伝播することによって継続する。
【0086】
バイアス制御ユニット1440は、レーザーからの誘導放射をモニタする。放射は存在するが変調されていないという場合は、ユニット1440はこれをレーザー発振閾値よりもレーザーのバイアスが強すぎると解釈し、1440はS1出力に供給されているレーザーバイアス電流を減らし、結果的にレーザーを流れる電流を減少させるように応答する。逆に、放射が全くない場合には、ユニット1440はこれをレーバー発信閾値よりもレーザーのバイアスが弱すぎると解釈し、1440はS1出力に供給されているレーザーバイアス電流を増やし、結果的にレーザーを流れる電流を増加させるように応答する。
【0087】
また、放射を増幅して対応する増幅された放射を与える増幅器1260へ東方向からファイバー210に沿って放射が伝播している場合は、インターフェース1400はこの情報を担った放射に応答する。増幅された放射はカプラ1300を通ってCCU1220へ伝播する。CCU1220は管理制御ユニットから、増幅された放射のうち選択された一又は二以上のウェーブバンドの放射をカプラ1300側へ戻し、ここからフィルタ1420のEポートへ導くよう命令される。フィルタ1420は管理制御ユニットから、Eポートで放射を受け取るよう命令される。前述のように、対応するシフトされた放射が、管理制御ユニットから送られてくる命令に応じて東方向のファイバー200或いは西方向のファイバー210に出力される場合には、Eポートに入来した選択された放射のウェーブバンドの処理は、上で述べたように、レーザー源1430内で行われる。
【0088】
このように、動作時には、インターフェース1200,1400は、波長スイッチングを行うだけでなく、チャネルの通信トラフィックのルーティングも行い、それも東と西においてだけでなく北と南の方向においても行う。ここで北方向や南方向は、東方向や西方向と同じように、地理的な方向には関係なく、単に図面内の伝播方向を参照するためだけに用いている。
【0089】
インターフェース1200,1400には、一つのウェーブバンドよりも多くの放射を同時にEのウェーブバンドにシフトさせることができるよう、多数のトランスポンダ1332,1410を並列に含めることができる。このように修正するには、カプラ1270,1300が複数の光出力を持ち、各出力が対応するトランスポンダに接続されていることが必要となる。同様に、カプラ1280,1290も複数の光入力を持ち、各入力が対応するトランスポンダに接続されていなければならない。もし必要であれば、図4との関連で説明したような純粋に光学的な増幅又は再生成を行う光学増幅を、レーザー源1320,1430の東(E)及び西(W)の出力のうちの一つ又は二つ以上の後に含めることができる。
【0090】
図6の点線1330内に示したトランスポンダ1332、あるいは図7の点線1412内に示したトランスポンダ1410を、図1に示したインターフェース70の中に含めて、図8に符号1500として示した本発明のインターフェースの変形例を与えることができる。このような変形インターフェース1500は、高度に再構成可能なチャネル接続制御が可能になるだけでなく、通信トラフィックをチャネル間でスイッチングして、利用可能なチャネル間でのトラフィックの過大に不均一な分布を確実に防ぐようシステムを最適に動作させることが可能である。
【0091】
インターフェース1500では、各トランスポンダ1332は、そのフィルタ及び検出器1310の入力は関連するCCU光出力ポートCに結合され、そのレーザー源1320の出力は関連するCCU光入力Dに結合されている。トランスポンダ1332はCCU270,330だけと結合しているように示されているが、必要であれば、もっと多くのトランスポンダをインターフェース1500に含めることもできる。たとえば、すべてのCCU270〜340が、そこに導かれてきた通信トラフィックの波長シフト動作を実行できる関連するトランスポンダ1332,1410を持つようにすることができる。
【0092】
システム10及びインターフェース70,900,1200,1500に対して、本発明の範囲から逸脱することなく修正が可能であることは明らかである。例えば、システム10は一つの送信ノードA及び一つの受信ノードBを有するように示されているが、システム10は、全体に分布する多くの送信ノード及び受信ノードを持つこともできる。システム10を、インターフェース70,900,1200,1500の中に含まれるタイプのインターフェースによって相互にリンクされたリング及び線形通信経路の組み合わせを種々の位置に含むように変形することもできる。さらに、必要とされる特定のシステム構成に適合するよう、上で述べたようにインターフェース70,900,1200,1500を簡素化したり、より複雑にすることも可能である。例えばシステム10を、100個の双方向リングを含み、各リングがインターフェース900と類似した10個のインターフェースを含み、これらのリングをインターフェース1500と類似したインターフェースを介して互いに接続するように修正することができる。さらにまた、システム10を、リング20〜60にソリトンの伝播がを可能な光ファイバーを含めて、追加の再生成及びリピータを必要とせずに非常に長い通信距離が可能となるように修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多数の互いに結合された双方向通信リングを含む本発明の光通信システムの略図である。
【図2】図1に示したシステムの光インターフェースの第一のタイプの例示であり、このインターフェースは二つの双方向通信リングの間をインターフェース接続し、一つのリングからもう一つのリングに対してE−W方向の接続を与えている。
【図3】図2に例示した光インターフェース内に含まれるチャネル制御ユニットのブロック図である。
【図4】図2に例示した光インターフェース内に含まれる再生成増幅器のブロック図である。
【図5】図1に示したシステムの光インターフェースの第二のタイプの例示であり、この接続は、双方向リングの反対方向を向いたファイバーループ間での接続を与えている。
【図6】図1に示したシステムの二つの通信リングを接続する光インターフェースの第三のタイプの例示である。
【図7】図1に示したシステムの二つの通信リングを接続する光インターフェースの第四のタイプの例示である。
【図8】図1に示したシステムの一つのインターフェースのチャネル制御ユニットの周囲で実行される波長スイッチングの例示である。

Claims (18)

  1. (a)複数のウェーブバンドに分割された情報を担っている光放射を導くための第一及び第二の光学経路(20,40,50,60;200,210;220,230);
    (b)ウェーブバンドの一つ又は二つ以上に対応する放射成分を選択的に第一の経路(200,210)から第二の経路(220,230)へ通信するインターフェース手段(70,80,90,100,110,120)であって、該インターフェース手段(70,80,90,100,110,120)はウェーブバンド選択方向変更手段(250,260)及びウェーブバンド選択結合手段(280,300,320,330,470,480,490,500,600,630)を有し、該方向変更手段(250,260)は第一の経路(200,210)内にあって第一の経路から一又は二以上のウェーブバンドに対応した放射成分の方向を変えて方向が変えられた放射を与え、結合手段(280,300,320,330,470,480,490,500,600,630)は方向が変えられた放射の中にある一又は二以上の放射成分を第二の経路(220,230)に結合するよう動作するものである;
    を含んで構成され、
    前記方向変更手段は、
    (c)第一の経路に沿って伝播している情報を担う放射の少なくとも一部を空間的に分離した放射線に分離するウェーブバンド選択フィルタ手段(800)を含み、各放射線は関連するウェーブバンドの放射に対応するものであり;
    (d)各放射線ごとに関連づけて設けられ、放射線のウェーブバンドに対応する放射を選択的に導く液晶減衰手段(818,820,825)を含み、導かれた放射は結合手段に与えられた方向を変えられた放射に寄与するものであり;
    (e)マルチプレクサ(830)を含み、該マルチプレクサは前記液晶減衰手段によって選択的に導かれた放射を再結合して前記結合手段に与えるものであり、
    前記結合手段は、
    (f)方向を変えられた放射の少なくとも一部を空間的に分離した放射線に分離するウェーブバンド選択フィルタ手段(800)を含み、各放射線は関連するウェーブバンドに対応するものであり;
    (g)各放射線ごとに関連づけて設けられ、放射線のウェーブバンドに対応する放射を選択的に伝送し又は方向を変える液晶減衰手段(818,820,825)を含み、これにより選択的に第二の経路への出力に放射を与えるものである、
    ことを特徴とする光通信システム(10)。
  2. 請求項1記載のシステムにおいて、前記第二の経路は第二の経路(220,230)に沿って伝播するウェーブバンドの放射を減衰させるためのウェーブバンド選択減衰手段(350,360)を含んでおり、前記結合手段は第一の経路からの放射を前記減衰手段から出力される放射に加えるよう動作し、前記減衰手段は前記結合手段によって加えられる放射と波長が一致する第二の経路に沿って伝播しているウェーブバンドの放射を減衰させるよう動作することを特徴とするシステム。
  3. 請求項2記載のシステムにおいて、前記減衰手段は、
    (a)第二の経路に沿って伝播している放射を空間的に分離した放射線に分離するウェーブバンド選択フィルタ手段(800)を含み、各放射線は関連するウェーブバンドの放射に対応するものであり;
    (b)各放射線ごとに関連づけて設けられ、放射線のウェーブバンドに対応する放射を選択的に伝送し又は方向を変える液晶減衰手段(818,820,825)を含み、これにより第二の経路に沿ってさらに伝播するよう結合手段からのものに加えるための放射を与えるものである、
    ことを特徴とするシステム。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか一項記載のシステムにおいて、前記方向変更手段、前記減衰手段及び前記結合手段は、光学領域において情報を担う放射に対して作用し、放射の一部でも対応する電気信号に変換したり対応する光放射に戻す必要性を伴わずに、第一の経路からの放射の少なくとも一部を第二の経路に結合することを特徴とするシステム。
  5. (a)複数のウェーブバンドに分割された情報を担っている光放射を導くための第一及び第二の光学経路(20,40,50,60;200,210;220,230);
    (b)ウェーブバンドの一つ又は二つ以上に対応する放射成分を選択的に第一の経路(200,210)から第二の経路(220,230)へ通信するインターフェース手段(70,80,90,100,110,120)であって、該インターフェース手段(70,80,90,100,110,120)はウェーブバンド選択方向変更手段(250,260)及びウェーブバンド選択結合手段(280,300,320,330,470,480,490,500,600,630)を有し、該方向変更手段(250,260)は第一の経路(200,210)内にあって第一の経路から一又は二以上のウェーブバンドに対応した放射成分の方向を変えて方向が変えられた放射を与え、結合手段(280,300,320,330,470,480,490,500,600,630)は方向が変えられた放射の中にある一又は二以上の放射成分を第二の経路(220,230)に結合するよう動作するものである;
    を含んで構成され、
    前記方向変更手段は、
    (c)第一の経路に沿って伝播している情報を担う放射の少なくとも一部を空間的に分離した放射線に分離するウェーブバンド選択フィルタ手段(800)を含み、各放射線は関連するウェーブバンドの放射に対応するものであり;
    (d)各放射線ごとに関連づけて設けられ、放射線のウェーブバンドに対応する放射を選択的に導く液晶減衰手段(818,820,825)を含み、導かれた放射は結合手段に与えられた方向を変えられた放射に寄与するものであり;
    (e)マルチプレクサ(830)を含み、該マルチプレクサは前記液晶減衰手段によって選択的に導かれた放射を再結合して前記ウェーブバンド選択結合手段に与えるものであり、
    前記ウェーブバンド選択結合手段は、
    (f)方向を変えられた放射のウェーブバンドの第一の組に搬送されている情報を、第二の経路に出力される方向を変えられた放射のウェーブバンドの第二の組に伝送するためのウェーブバンドスイッチング手段(1332,1410)を含み、
    前記ウェーブバンドスイッチング手段は、
    (g)方向を変えられた放射の中の選択されたウェーブバンドの放射を分離するためのウェーブバンド選択手段を含む、
    ことを特徴とする光通信システム(10)。
  6. 請求項5記載のシステムにおいて、前記ウェーブバンドスイッチング手段は、前記ウェーブバンド選択手段によって分離された放射を対応する電気信号に変換する検出手段(1310)と、前記信号によって変調され、前記選択されたウェーブバンドとは異なるウェーブバンドでこの信号を担う放射を生成するよう動作し、生成された放射を第二の経路に出力する光放射源(1320)とを含むことを特徴とするシステム。
  7. 請求項5記載のシステムにおいて、前記ウェーブバンドスイッチング手段は、実質的にレーザー発信閾値(1440)にバイアスされている光放射源(1430)を含んで構成され、放射源(1430)は、前記ウェーブバンド選択手段によって分離された放射によって、放射源(1430)によって生成された誘導放射が分離された放射に搬送される情報によって変調されるようにして誘導され、この誘導放射は選択されたウェーブバンドとは相互に異なるウェーブバンドであり、誘導放射は第二の経路に出力されることを特徴とするシステム。
  8. 請求項1乃至7のうちいずれか一項記載のシステムにおいて、結合手段には、ここを伝播する、方向を変えられた放射を再生成する再生成手段(440,850,852,854,856,858,860,862,864)が組み込まれていることを特徴とするシステム。
  9. 請求項1乃至8のうちいずれか一項記載のシステムにおいて、第一及び第二の経路は、これらに沿った双方向の放射伝播を持続させ、インターフェース手段は第一の経路に沿ったいずれかの方向に伝播するウェーブバンドの一つ又は二つ以上の放射を、いずれかの方向に伝播するよう第二の経路に結合させることを特徴とするシステム。
  10. 請求項1乃至9のうちいずれか一項記載のシステムにおいて、経路には一つ又は二つ以上の線形経路及びリング経路が含まれていることを特徴とするシステム。
  11. 請求項1乃至10のうちいずれか一項記載のシステムにおいて、少なくとも一つの経路はこれに沿った双方向放射伝播を持続させ、少なくとも一つの経路は、放射伝播の第一の方向からの一又は二以上のウェーブバンドの放射を少なくとも一つの経路に沿った放射伝播の第二の方向に結合するための再方向付け手段を含み、第二の方向は第一の方向とは相互に反対向きであることを特徴とするシステム。
  12. 光通信システム(10)のためのインターフェース(70,80,90,100,110,120)であって、
    (a)複数のウェーブバンドに分割された情報を担っている光放射を導くための第一及び第二の光学経路を含み、前記インターフェースは第一の経路からの一又は二以上のウェーブバンドに対応した放射を第二の経路に選択的に通信するよう動作し、
    (b)ウェーブバンド選択方向変更手段及びウェーブバンド選択結合手段を含み、前記方向変更手段は第一の経路に含まれ、第一の経路からの一又は二以上のウェーブバンドに対応した放射の方向を変更して方向が変えられた放射を与え、前記結合手段は、方向を変えられた放射の中の一又は二以上のウェーブバンドの放射を第二の経路に結合し、
    前記方向変更手段は、
    (c)情報を担う放射の少なくとも一部を空間的に分離した放射線に分離するウェーブバンド選択フィルタ手段(800)を含み、各放射線は関連するウェーブバンドの放射に対応するものであり;
    (d)各放射線ごとに関連づけて設けられ、放射線のウェーブバンドに対応する放射を選択的に導く液晶減衰手段(818,820,825)を含み、導かれた放射は結合手段のための方向を変えられた放射に寄与するものであり、
    (e)マルチプレクサ(830)を含み、該マルチプレクサは前記液晶減衰手段によって選択的に導かれた放射を再結合して前記結合手段に与えるものであり、
    前記結合手段は、
    (f)方向を変えられた放射の少なくとも一部を空間的に分離した放射線に分離するウェーブバンド選択フィルタ手段(800)を含み、各放射線は関連するウェーブバンドの放射に対応するものであり;
    (g)各放射線ごとに関連づけて設けられ、放射線のウェーブバンドに対応する放射を選択的に伝送し又は方向を変える液晶減衰手段(818,820,825)を含み、これにより選択的に第二の経路への出力に放射を与えるものである、
    ことを特徴とするインターフェース。
  13. 請求項12記載のインターフェースにおいて、前記方向変更手段及び前記結合手段は、光学領域において情報を担う放射に対して作用し、放射の一部でも対応する電気信号に変換したり対応する光放射に戻す必要性を伴わずに、第一の経路からの放射の少なくとも一部を第二の経路に結合することを特徴とするインターフェース。
  14. 光通信システム(10)のためのインターフェース(70,80,90,100,110,120)であって、
    (a)複数のウェーブバンドに分割された情報を担っている光放射を導くための第一及び第二の光学経路を含み、前記インターフェースは第一の経路からの一又は二以上のウェーブバンドに対応した放射を第二の経路に選択的に通信するよう動作し、
    (b)ウェーブバンド選択方向変更手段及びウェーブバンド選択結合手段を含み、前記方向変更手段は第一の経路に含まれ、第一の経路からの一又は二以上のウェーブバンドに対応した放射の方向を変更して方向が変えられた放射を与え、前記結合手段は、方向を変えられた放射の中の一又は二以上のウェーブバンドの放射を第二の経路に結合し、
    前記方向変更手段は、
    (c)情報を担う放射の少なくとも一部を空間的に分離した放射線に分離するウェーブバンド選択フィルタ手段(800)を含み、各放射線は関連するウェーブバンドの放射に対応するものであり;
    (d)各放射線ごとに関連づけて設けられ、放射線のウェーブバンドに対応する放射を選択的に導く液晶減衰手段(818,820,825)を含み、導かれた放射は結合手段のための方向を変えられた放射に寄与するものであり、
    (e)マルチプレクサ(830)を含み、該マルチプレクサは前記液晶減衰手段によって選択的に導かれた放射を再結合して前記ウェーブバンド選択結合手段に与えるものであり、
    前記ウェーブバンド選択結合手段は、
    (f)方向を変えられた放射のウェーブバンドの第一の組に搬送されている情報を、第二の経路に出力される方向を変えられた放射のウェーブバンドの第二の組に伝送するためのウェーブバンドスイッチング手段(1332,1410)を含み、
    前記ウェーブバンドスイッチング手段は、
    (g)方向を変えられた放射の中の選択されたウェーブバンドの放射を分離するためのウェーブバンド選択手段を含む、
    ことを特徴とするインターフェース。
  15. 請求項14記載のインターフェースにおいて、前記ウェーブバンドスイッチング手段は、前記ウェーブバンド選択手段によって分離された放射を対応する電気信号に変換する検出手段(1310)と、前記信号によって変調され、前記選択されたウェーブバンドとは異なるウェーブバンドでこの信号を担う放射を生成するよう動作し、生成された放射を第二の経路に出力する光放射源(1320)とを含むことを特徴とするインターフェース。
  16. 請求項14記載のインターフェースにおいて、前記ウェーブバンドスイッチング手段は、実質的にレーザー発信閾値(1440)にバイアスされている光放射源(1430)を含んで構成され、放射源(1430)は前記ウェーブバンド選択手段によって分離された放射によって、放射源(1430)によって生成された誘導放射が分離された放射に搬送される情報によって変調されるようにして誘導され、この誘導放射は選択されたウェーブバンドとは相互に異なるウェーブバンドであり、誘導放射は第二の経路に出力されることを特徴とするインターフェース。
  17. 請求項12乃至16のうちいずれか一項記載のインターフェースにおいて、結合手段には、ここを伝播する、方向を変えられた放射を再生成する再生成手段(440,850,852,854,856,858,860,862,864)が組み込まれていることを特徴とするインターフェース。
  18. 請求項12乃至17のうちいずれか一項記載のインターフェースにおいて、第一及び第二の経路は、これらに沿った双方向の放射伝播を持続させ、当該インターフェースは第一の経路に沿ったいずれかの方向に伝播するウェーブバンドの一つ又は二つ以上の放射を、いずれかの方向に伝播するよう第二の経路に結合させることを特徴とするインターフェース。
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