JP4608645B2 - 車両用灯具 - Google Patents
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Description
即ち、図7において、前照灯1は、単眼式の車両前照灯として構成されており、光源としてバルブ2と、上記バルブ2の発光中心が第一の焦点位置F1付近に位置し且つ長軸がバルブ2の光軸と一致するように配置されていて、バルブ2からの光を前方に向かって反射させる楕円系の反射面3と、その光源側の焦点位置が上記反射面3の第二の焦点位置F2付近に位置するように配置され、バルブ2または反射面3からの光を集束させる投影レンズ4と、バルブ2から投影レンズ4への光路中にて上記反射面3の第二の焦点位置F2付近に配置されたカットオフを形成するための遮光シャッタ5と、から構成されている。
このC−8光源は、その発光強度分布が長手方向である前後端側では比較的弱く、またその垂直方向である上下左右方向では比較的強くなっている。
従って、上記バルブ2は、反射面3の後方から取り付けられ、その垂直方向に出射する光を反射面3で前方に向かって反射させることにより、照射光の光強度を高めるようにしている。
その際、投影レンズ4に入射する光の一部が遮光シャッタ5によって遮断されることにより、対向車に幻惑光を与えないように対向車線側で照射距離が短くなるような所望の配光特性が得られ、所謂すれ違いビームが形成されるようになっている。
尚、走行ビーム用の車両前照灯の場合には、上述した遮光シャッタ5が省略されており、バルブ2からの光が反射面3により反射・集束され、さらに投影レンズ4により前方に向かって照射されることにより、走行用ビームが形成されるようになっている。
特に、バルブ2としてHID(High Intensity Discharge)光源を使用する場合には、HID光源を発光させるための点灯装置の一部が組み込まれた比較的大型の給電用ソケット2aが必要となることから、HID光源自体の光軸方向の奥行きが約100mm程度になるので、前照灯1全体の長さLが約180mm程度になってしまう。
このため、自動車の車体前部にて、内部に前照灯を設置するための前後のスペースが極めて小さくなってきている。従って、車両前照灯の光軸方向の奥行きの短縮化が強く求められてきている。
このような構成によれば、バルブが横向きに配置されていることにより、灯具の全長が短縮され得る。
このため、バルブの光軸に沿って出射する光が、前方の中心付近に向かって照射されないため、バルブからの光利用効率が低下してしまい、配光パターンにおける中心付近の最大光度が低くなる。
さらに、HID光源の場合には、横向きにすることによって、光軸方向の短縮は、約50mm程度しかなく、大幅な奥行きの短縮を実現することはできなかった。
また、光源から前側に出射して第二の反射面に入射した光は、第二の反射面でにより反射されて第三の反射面に向かって進み、この第三の反射面で反射された後、光源の先端側で上記灯具光軸方向に向けて配置された第二の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束され、第二の投影レンズを介して前方に向かって照射される。
従って、各投影レンズの焦点距離を小さくすることによって、車両前照灯全体の光軸方向の長さをより低減することができると共に、各投影レンズの直径を小さくすることによって、車両前照灯全体の高さを低減することができる。
これにより、光源からの光の利用効率がさらに向上することから、配光パターンをを形成する全光束がさらに増大すると共に、前方に向かって照射される光の配光パターンの中心付近における最大光度がより一層高められ得ることになる。
その際、スリット孔が対応する投影レンズの後側の焦点位置より前側にずれて配置されていることにより、前方に向かって投影されるスリット孔の像の輪郭がぼけることにより、スリット孔によって形成される配光の見栄えを良好にすることができる。
さらに、光源からの光が分散して第一,第三及び第二の投影レンズに入射することから、各投影レンズの直径を小さく、またその焦点距離を短くすることができるので、各投影レンズが小型化され得ることになり、車両前照灯全体も小型化され得ることになる。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1〜図4は、本発明による車両前照灯の一実施形態の構成を示している。
図1〜図4において、車両前照灯10は、自動車の進行方向からみて左側の前照灯であって、光源としてのバルブ11と、上記バルブ11からの光を前方に向かって反射させる第一の主反射面12,第二の主反射面13と、上記バルブ11の前方にて後方を向いて配置された副反射面14と、上記副反射面14からの反射光を前方に向かって反射させる平面鏡15と、第一の主投影レンズ16,第二の主投影レンズ17及び副投影レンズ18と、第一の主遮光シャッタ19,第二の主遮光シャッタ20及び副遮光シャッタ21と、から構成されている。 以下、車両前後方向について、前方向を+Z方向とし、車両鉛直方向について、上方向を+Y方向とし、さらに車両横方向に関して、車両中心から側方に向かって外側を+X方向とする。
図示の場合、上記バルブ11は、例えば長さ約100mmのHID光源が使用されている。
さらに、上記バルブ11は、取付の際に、車両中心の内側即ち−X側から、例えばエンジンルーム内にて、所定の手段によって挿入され、固定保持されるようになっている。
そして、上記第一の主反射面12は、図4に示すように、上記バルブ11から後方の上側に出射する光を前方に向かって反射させるように前方に向かって凹状に形成され、その第一の焦点位置F1がバルブ11の発光中心11a付近に位置すると共に、その第二の焦点位置F2aが前側にて上記光軸Oの上方に位置するように、楕円系反射面から構成されている。
ここで、楕円系反射面とは、回転楕円面,楕円柱だけでなく、楕円面を基本とした自由曲面を含むものである。
これにより、バルブ11からほぼ−Z方向上側に出射した光は、上記第一の主反射面12で反射され、後述するように第一の主投影レンズ16の後側の焦点位置に向かって進み、さらに第一の主遮光シャッタ19を介して第一の主投影レンズ16を透過して前方に向かって出射されるようになっている。
そして、上記第二の主反射面13は、図4に示すように、上記バルブ11から後方の下側に出射する光を前方に向かって反射させるように前方に向かって凹状に形成され、その第一の焦点位置F1がバルブ11の発光中心11a付近に位置すると共に、その第二の焦点位置F2bが前側にて上記光軸Oの下方に位置するように、上記第一の主反射面12と同様の楕円系反射面から構成されている。
これにより、バルブ11からほぼ−Z方向下側に出射した光は、上記第二の主反射面13で反射され、後述するように、第二の主投影レンズ17の後側の焦点位置に向かって進み、さらに第二の主遮光シャッタ20を介して第二の主投影レンズ17を透過して前方に向かって出射されるようになっている。
また、上記第一の主反射面12及び第二の主反射面13は、それぞれ路面照射配光パターンを考慮して、光軸O方向だけでなく、水平方向左右両側への拡散光も生成するように、構成されている。
さらに、図示の場合、第一の主反射面12は、そのバルブ11の上方に位置する領域に、所謂ホットゾーン形成用の反射面を備えている。
そして、上記副反射面14は、上記バルブ11から前側に出射する光を後方に向かって+X方向に斜めに反射させるように後方に向かって凹状に形成され、その第一の焦点位置F1がバルブ11の発光中心11a付近に位置すると共に、その第二の焦点位置F2cが上記平面鏡15による副投影レンズ18の後側の焦点位置と共役な位置(あるいは近傍の位置)に位置するように、楕円系反射面から構成されている。
これにより、バルブ11からほぼ+Z方向に出射した光は、上記副反射面14で反射され、さらに平面鏡15で反射されて、副投影レンズ18の後側の焦点位置に向かって進み、さらに副遮光シャッタ21を介して副投影レンズ18を透過して前方に向かって出射されるようになっている。
また、上記副反射面14は、同様に路面照射配光パターンを考慮して、光軸O方向だけでなく、水平方向左右両側への拡散光も生成するように、構成されている。
ここで、バルブ11は、一般に先端側及び根元側における光放射強度が比較的弱く、発光中心11aを通る垂直面に対して前後それぞれ例えば約55度の範囲の光を受けるように、第一の主反射面12及び第二の主反射面13が配置されている。従って、バルブ11の先端側には、第一の主反射面12及び第二の主反射面13が配置されていないので、上記平面鏡15は、これらの第一の主反射面12及び第二の主反射面13と干渉することはない。
そして、上記第一の主遮光シャッタ19は、その上縁19aが、例えばすれ違いビームの配光パターンにおけるカットオフラインを形成するようになっている。
尚、図示の場合、上記第一の主遮光シャッタ19は、その両側が対応する第一の投影レンズ16側に向かって円弧状または楕円形状に湾曲して形成されている。
ここで、上記第一の主遮光シャッタ19の湾曲形状は、第一の主投影レンズ16により前方に向かって照射される光の水平方向左右における拡散状態を勘案して選定されるようになっている。
また、上記第一の主遮光シャッタ19は、平板状に形成されていてもよい。
そして、上記第二の主遮光シャッタ20は、その上縁20aが、例えばすれ違いビームの配光パターンにおけるカットオフラインを形成するようになっている。
尚、図示の場合、上記第二の主遮光シャッタ20は、その両側が対応する第二の投影レンズ17側に向かって円弧状または楕円形状に湾曲して形成されている。
そして、上記副遮光シャッタ21は、その上縁21aが、例えばすれ違いビームの配光パターンにおけるカットオフラインを形成するようになっている。
尚、図示の場合、上記副遮光シャッタ21は、その両側が対応する副投影レンズ18側に向かって円弧状または楕円形状に湾曲して形成されている。
これらのスリット孔20b,21bは、それぞれ配光パターンにおける水平から4度上までの最低照度を満たすための所謂オーバーヘッドサインを画成するようになっている。
尚、上記スリット孔20b,20cは、オーバーヘッドサインの輪郭をぼかすために、その開口位置が前方(+Z方向)にずれて配置されている。
その際、バルブ11からの光は、光L1,L2,L3に三分割されていると共に、上記光L2,L3は、光L1と比較して明るさが弱いことが確認されている。このため、上記光L2,L3に関して、スリット孔20b,20cによりオーバーヘッドサインを画成したとしても、その照度が規定値から外れてしまうようなことはない。
これにより、各投影レンズ16,17,18が小型に構成されるので、車両前照灯10が全体として光軸方向の長さを短く、また上下方向の厚さを小さくすることができ、車両前照灯10全体が小型化され得ることになる。
従って、楕円系の反射面12,13,14の焦点距離を短くすることと相まって、車両前照灯10は、その全長が100mm以下に短縮され得ることになる。
従って、各投影レンズ16,17,18における発熱も同様に約三分の一程度になるので、各投影レンズ16,17,18をそれぞれ樹脂化することも可能となる。
その際、各投影レンズ16,17,18をフレネルレンズとして構成することにより、各投影レンズ16,17,18の光軸方向の厚さが10mm以上低減され得るので、車両前照灯10全体の光軸方向の長さがより一層短縮され得る。
ここで、図5(A)は、バルブ11から第一の主反射面12により反射されて第一の主投影レンズ16を介して前方に出射される光L1による配光パターンを示している。
また、図5(B)は、バルブ11から第二の主反射面13により反射されて第二の主投影レンズ17を介して前方に出射される光L2による配光パターンを示している。
この場合、第二の主遮光シャッタ20のスリット孔20bによるオーバーヘッドラインが形成されていることが分かる。
この場合、配光パターンが中心付近に集中されていると共に、副遮光シャッタ21のスリット孔21bによるオーバーヘッドラインが形成されていることが分かる。
その際、上記配光パターンは、図6(B)に示す従来の単眼式の車両前照灯による全体の配光パターンと比較して、同等以上の約1000lmの明るさを得ることができると共に、左右の拡散性も良好であり、オーバーヘッドサインを確保することが可能となる。
この場合、残りの第二の主反射面13または第一の主反射面12そして副反射面14を拡大することにより、バルブ11からの光の利用効率の低減を補償することが可能である。
このようにして、二眼式の車両前照灯が構成されることとなり、斬新な外観の車両前照灯を提供することができる。
11 バルブ(光源)
12 第一の主反射面(第一の反射面または第四の反射面)
13 第二の主反射面(第四の反射面または第一の反射面)
14 副反射面(第二の反射面)
15 平面鏡(第三の反射面)
16 第一の主投影レンズ(第一の投影レンズまたは第三の投影レンズ)
17 第二の主投影レンズ(第三の投影レンズまたは第一の投影レンズ)
18 副投影レンズ(第二の投影レンズ)
19 第一の主遮光シャッタ
20 第二の主遮光シャッタ
20b スリット孔
21 副遮光シャッタ
21b スリット孔
Claims (6)
- 車両前後方向に水平に延びる灯具光軸上に横向きに配置されその発光中心を当該灯具光軸上に位置させた光源と、
この光源の前方にて、灯具光軸の上方または下方で上記灯具光軸方向に向けて配置された第一の投影レンズと、
この光源の前方にて、光源の先端側で上記灯具光軸方向に向けて配置された第二の投影レンズと、
第一の焦点位置が光源の発光点付近に配置されると共に、第二の焦点位置が上記第一の投影レンズの後側の焦点位置付近に配置されていて、この光源から後方の上側または下側に出射する光を反射させて上記第一の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束させる楕円系の第一の反射面と、
この光源の前方にて、第一の焦点位置が光源の発光点付近に配置されると共に、光源から前方に出射する光を側方にて上記光源の先端側領域に反射させて当該光源の先端側領域に配置される第二の焦点位置に集束させる第二の反射面と、
上記光源の先端側領域の当該光源の光軸と交差するように配置される平面鏡であり、上記第二の反射面からの反射光を上記第二の投影レンズの後側の焦点位置に向かって反射させる第三の反射面と、
を含んでおり、
上記第二の反射面が、その第一の焦点位置が光源の発光点付近に配置されると共に、その第二の焦点位置が上記第二の投影レンズの後側の焦点位置の上記第三の反射面による共役位置付近に配置されている、
ことを特徴とする、車両前照灯。 - さらに、上記光源の前方にて、灯具光軸の下方または上方に配置された第三の投影レンズと、
第一の焦点位置が光源の発光点付近に配置されると共に、第二の焦点位置が上記第三の投影レンズの後側の焦点位置付近に配置されていて、この光源から後方の下側または上側に出射する光を反射させて上記第三の投影レンズの後側の焦点位置に向かって集束させる楕円系の第四の反射面と、
を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の車両前照灯。 - 上記第一,第二または第三の投影レンズのうち、少なくとも一つの投影レンズに対して、その後側焦点位置付近に配置され、所定の配光パターンを画成するカットオフラインを形成する遮光シャッタを備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両前照灯。
- 上記遮光シャッタが、灯具光軸に対して垂直な平面、または光軸から前側に向かって湾曲した円弧状または楕円体状に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の車両前照灯。
- 少なくとも一つの遮光シャッタが、オーバーヘッドサインに対応する位置にスリット孔を備えており、このスリット孔が、対応する投影レンズの後側の焦点位置より前側にずれて配置されていることを特徴とする、請求項3または4に記載の車両前照灯。
- 上記第一,第二または第三の投影レンズのうち、少なくとも一つの投影レンズがフレネルレンズとして構成されていることを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載の車両前照灯。
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