JP4608175B2 - プリプレグ用補強シートの製造方法、プリプレグの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、スキー板、ゴルフシャフト、釣り竿、テニスラケット、自転車のフレームなどの、繊維強化樹脂成形体の中間材料として利用できるプリプレグおよびその製造方法に関する。さらには、プリプレグを補強するプリプレグ用補強シートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、スキー板、ゴルフシャフト、釣り竿、テニスラケット、自転車のフレーム等には、優れた力学特性を必要とすることから、強化繊維に樹脂を含浸させたプリプレグを成形体形状に積層した後、加熱硬化して作製された繊維強化樹脂成形体(以下、成形体という)が広く使用されている。
その際に用いられるプリプレグとしては、一方向に引き揃えられた強化繊維に樹脂が含浸されたUDプリプレグと、強化繊維が製織された織布もしくは不織布に樹脂が含浸されたクロスプリプレグとに大別できる。
【0003】
近年、成形体は、さらなる軽量化が要求されており、益々薄肉化が進んでいる。ところが、クロスプリプレグは、2軸方向に強化繊維が配列しているため、容易に裁断および積層することができ、成形体を容易に作製できる反面、強化繊維の質量が増すため、成形体の軽量化には限界があった。
一方、UDプリプレグは、一方向に強化繊維が配列しており、強化繊維の単位面積あたりの質量をクロスプリプレグに比べて減らすことができるため、軽量化が望まれている成形体に適している反面、繊維軸方向に対する垂直方向の強度が弱いため、繊維方向の角度を変えながらUDプリプレグを積層するなどして、繊維軸方向に対する垂直方向の強度の向上を図る必要があった。そのため、UDプリプレグを積層する工程は複雑であり、成形体の製造効率が低かった。
【0004】
そこで、製造効率の向上と軽量化とを共に満たすことを目的として、図7に示すような、UDプリプレグ61の表面にスクリムクロス62を貼り付けて、強化繊維の軸方向に対して垂直方向を補強したスクリムクロス貼り合わせプリプレグ60を用いて成形体を製造することがあった。なお、本明細書において、スクリムクロスとは、2方向以上に配列した強化繊維からなるシート状あるいはマット状のものであって、目付が100g/m2 以下のものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、このようなスクリムクロス貼り合わせプリプレグの製造では、例えば、特開昭60−157812号公報に記載のプリプレグの製造方法のように、一方向に引き揃えられた強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグの一方の面に、予め樹脂を含浸させたスクリムクロスを重ね、加熱加圧して貼り合わせていた。しかしながら、この製造方法は、一旦プリプレグを製造した後,樹脂を溶融する中間処理を要して、樹脂を含浸させたスクリムクロスを貼り合わせるため、非常に工程が煩雑であり、製造効率が低かった。
【0006】
そこで、スクリムクロス貼り合わせプリプレグの製造効率の向上を目的として、強化繊維と同時にスクリムクロスを供給し、樹脂を含浸させることが検討されている。例えば、一方向に引き揃えられ、シート状に配置された強化繊維の少なくとも一方の片面に、スクリムクロスを重ね合わせると同時に、さらにこれらを樹脂層で挟み、上下からロールで加熱加圧して強化繊維およびスクリムクロスに樹脂を含浸させる方法である。その際、皺発生を防止するために、スクリムクロスおよび強化繊維に張力がかけられている。しかしながら、強化繊維とスクリムクロスとの張力のバランスを調整することは容易ではないため、張力バランスを最適化できなかった。張力バランスが最適化されていないプリプレグは、例えば、高湿度環境下に放置した場合、強化繊維とスクリムクロスとの間に発生する歪みによって、剥離するという新たな問題が発生した。
【0007】
また、スクリムクロスでUDプリプレグを補強する以外にも、通常入手可能な市販の低目付のガラスクロスプリプレグで、UDプリプレグを補強することもできる。しかしながら、市販のガラスクロスプリプレグは、溶剤を使用するラッカー法により製造されており、樹脂付着量が均一でないため、最終的に得られるプリプレグの外観が低下することがあった。また、通常、溶剤の揮発状態をコントロールすることは困難であるため、タックを一定にすることが困難であった。その結果、タックの品質保持が困難であった。
【0008】
そこで、プリプレグの外観を改善するために、特公平04−60008号公報に記載の製造方法では、プリプレグに貼付されていた剥離紙を剥離した面にスクリムクロスを重ね合わせた後、スクリムクロス側から加熱加圧して、プリプレグとスクリムクロスとを貼り合わせている。この製造方法によれば、貼り合わせ側のみを加熱し、加熱効率が高くなるので、加熱時の温度むらの発生を防止でき、均一な樹脂の含浸を可能とし、外観が良好になるとされている。しかしながら、この製造方法では、一旦プリプレグを製造した後、樹脂を含浸させたスクリムクロスを貼り合わせるため、製造効率が低いばかりか、スクリムクロスを貼り付ける部分のプリプレグの樹脂含有率が高くないと、スクリムクロスに樹脂が十分含浸せず、外観を良好にすることができなかった。また、それを解決するために、樹脂含有率を高くすると、得られる成形体の軽量化が困難となった。
【0009】
本発明は,前記事情を鑑みて行われたものであり、最終的に得られる成形体を軽量化できるとともに、高湿度環境下における強化繊維とスクリムクロスとの剥離が防止されたプリプレグ用補強シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。また、タックの品質を一定に保持可能で、外観が良好なプリプレグおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、プリプレグが高湿度環境下に放置された際に、強化繊維とスクリムクロスとが剥離する現象について調べたところ、以下の理由によって、強化繊維とスクリムクロスとが剥離することを見出した。すなわち、スクリムクロス貼り合わせプリプレグを高湿度環境下に放置し、プリプレグの樹脂担持シートが吸湿して強化繊維の繊維方向に若干伸びた場合、強化繊維は樹脂担持シートの寸法変化に追従するが、スクリムクロスは拘束されているため、樹脂担持シートの寸法変化に追従できない。その結果、スクリムクロスとプリプレグの樹脂担持シートとの間の歪みが大きくなり、剥離するのである。この点に着目して、検討した結果、以下のプリプレグ用補強シート、プリプレグ用補強シートの製造方法、プリプレグおよびプリプレグの製造方法を発明した。
【0011】
本発明のプリプレグ用補強シートは、スクリムクロスを含有する樹脂層を有する樹脂担持シートであって、前記スクリムクロスがオーバーフィードされていることを特徴としている。
ここで、オーバーフィードとは、あるシートの長さL上に、それより長い長さL+△Lの別のシートを供給することである。
【0012】
このように、プリプレグ用補強シートは、目付の低いスクリムクロスが用いられているので、質量を大幅に増加させることなく、強化繊維を補強できる。したがって、プリプレグから得られる成形体を軽量化できる。また、スクリムクロスがオーバーフィードされているから、この補強シートによって補強されたプリプレグが高湿度下に放置された場合には、樹脂担持シートが吸湿して伸びてもスクリムクロスはその伸びに追従することができる。したがって、強化繊維とスクリムクロスとの間に生じる歪みを小さくでき、強化繊維とスクリムクロスとの剥離を防止できる。
【0013】
本発明のプリプレグ用補強シートにおいては、前記樹脂層は、ホットメルト法で形成されたことが好ましい。ここで、ホットメルト法とは、硬化する温度より低い温度で樹脂を溶融して、溶融状態で樹脂を剥離紙上に塗布する方法である。前記樹脂層がホットメルト法で形成されていると、溶剤を使用しないため、溶剤の揮発量の変動に伴う施工性や物性の変動がない。したがって、剥離紙上に、均一に樹脂を塗布できるので、得られるプリプレグの外観が向上する。また、タックの品質を一定に保持できる。
【0014】
また、前記スクリムクロスには、ガラス繊維織布を用いることができる。ガラス繊維織布は弾性率が高いから、スクリムクロスにガラス繊維織布を用いると、プリプレグの補強効果をさらに向上させることができる。
また、前記スクリムクロスには、炭素繊維を用いることができる。軽量かつ機械的物性が良好な炭素繊維をスクリムクロスに用いると、補強効果をさらに向上させることができると同時に、プリプレグをさらに軽量化できる。
さらに、前記スクリムクロスは、炭素繊維製織布もしくは不織布であることが好ましい。前記炭素繊維が織布もしくは不織布に製織されていると、繊維方向が一方向ではないので、補強の配向性が抑制される。
また、前記スクリムクロスには、有機強化繊維を用いることもできる。有機強化繊維は軽量なので、有機強化繊維を用いた場合にも、プリプレグをさらに軽量化できる。
【0015】
また、前記樹脂層は、熱硬化性樹脂からなることが好ましい。樹脂層が熱硬化性樹脂からなると、得られるプリプレグを用いて成形体を成形する際に、低圧成形が可能になり、成形コストを低くできる。
【0016】
また、本発明のプリプレグ用補強シートの製造方法は、樹脂担持シートにスクリムクロスをオーバーフィードすることを特徴としている。樹脂担持シートにスクリムクロスをオーバーフィードすると、高温高湿下での剥離を防止したプリプレグを製造できる。
【0017】
本発明のプリプレグ用補強シートの製造方法においては、樹脂担持シートの移送方向を屈曲させたところで、スクリムクロスを外側に送給してオーバーフィードすることができる。この製造方法では、特殊な製造装置を使用することなく、上述したプリプレグ用補強シートを簡便に得ることができる。
また、本発明のプリプレグ用補強シートの製造方法においては、前記樹脂担持シートに対し、オーバーフィード角度を1゜〜60゜の範囲とすることが好ましい。樹脂担持シートに対し、オーバーフィード角度を1゜〜60゜の範囲とすると、スクリムクロスのオーバーフィードの程度が最適化されており、皺などがより発生しにくくなり、外観がより良好なプリプレグを得ることができる。
【0018】
本発明のプリプレグは、マトリックス樹脂中に、強化繊維と、オーバーフィードされたスクリムクロスとを含有することを特徴としている。このようなプリプレグは、強化繊維によっていずれの方向にも補強されている上に、スクリムクロスが軽量であり、かつ、樹脂含有率が高くなくても、スクリムクロスおよび強化繊維を保持できるので、軽量である。
【0019】
また、本発明のプリプレグの製造方法は、スクリムクロスがオーバーフィードされたプリプレグ用補強シートの樹脂層と、プリプレグ用補強シートの樹脂層または樹脂担持シートの樹脂層との間に、強化繊維を挟み、一体化することを特徴としている。このようなプリプレグの製造方法は、簡便であり、上述したプリプレグを高い製造効率で得ることができる。また、プリプレグの外側に、マトリックス樹脂を十分かつ均一に存在させることができるので、外観が良好になるとともに、タックの品質を一定に保持できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のプリプレグ用補強シート(以下、補強シートと略す)の一実施形態例を、図1を参照しながら説明する。本実施形態例の補強シート10は、オーバーフィードされたスクリムクロス11を含有する樹脂層12と、剥離紙13とを有する樹脂担持シートからなるものである。
【0021】
スクリムクロス11は、上述したように、シート状あるいはマット状のものであり、例えば、強化繊維の織物、繊維方向がランダムな不織布などが挙げられる。また、目付は、通常、100g/m2 以下のものであるが、50g/m2 以下のものが好ましい。スクリムクロス11の目付が50g/m2 以下であると、軽量の成形体を得るのにより有利である。
スクリムクロス11に使用される強化繊維は、プリプレグを成形した成形体の使用目的に応じた様々なものが使用できる。例えば、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維などの有機強化繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、タングステンカーバイド繊維、ガラス繊維などが挙げられ、これらを単独でまたは複数を併用して使用できる。これらの中でも、弾性率が高いガラス繊維を用いたガラス繊維織布をスクリムクロス11として用いると、補強効果がより発揮される。
また、これらの中でも、軽量で弾性率が高いことから、炭素繊維を用いることも好ましい。さらに、炭素繊維製織布もしくは不織布であることが好ましい。炭素繊維製織布もしくは不織布であると、繊維方向が一方向ではないので、いずれの方向も補強される。
また、これらの中でも、アラミド繊維などの有機強化繊維を用いた場合には、さらに軽量化できる。
また、強化繊維は、長さ、形状、配列など特に限定されない。また、強化繊維は、表面に金属メッキ等の表面処理を施すこともできる。
【0022】
樹脂層12としては、熱硬化性樹脂が好適に用いられる。樹脂層12が熱硬化性樹脂からなると、真空バック成型等の低圧成型が可能であり、成型コストを低くできるため有益である。さらに、熱硬化性樹脂としては、熱、光、電子線などの外部からのエネルギーにより硬化して、少なくとも部分的に3次元架橋を形成して硬化する樹脂が好適に用いられる。
【0023】
熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、アセチレン末端基を有する樹脂、ナジック酸末端を有する樹脂、シアン酸エステル末端を有する樹脂、ビニル末端を有する樹脂、アリル末端を有する樹脂などが挙げられ、これらの樹脂を単独でまたは複数を併用することができる。これらの熱硬化性樹脂の中でもエポキシ樹脂が好ましい。
さらに、エポキシ樹脂の中でも、特にアミン類、フェノール類、炭素−炭素2重結合を有する化合物を前駆体とするものが好ましい。アミン類を有する化合物を前駆体とするエポキシ樹脂の具体例としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体などを前駆体とするエポキシ樹脂が挙げられる。また、フェノール類を有する化合物を前駆体とするエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、炭素−炭素2重結合を有する化合物を前駆体とするエポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂をブロム化したブロム化エポキシ樹脂を用いることもできる。
これらの中でも、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンに代表される芳香族アミンを前駆体としたエポキシ樹脂は、耐熱性が高い上に、強化繊維との接着性が良好なため、好適に用いられる。
【0024】
エポキシ樹脂には、通常、硬化剤や硬化触媒が添加される。エポキシ樹脂の硬化剤としては、エポキシ基と反応可能な活性基を有する化合物であればよく、公知のエポキシ樹脂の硬化剤を適宜使用することができるが、特にアミノ基、酸無水物、アジド基を有する化合物が好ましい。好ましい化合物の具体例としては、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルスルホンの各異性体、アミノ安息香酸エステル類が挙げられる。
ジシアンジアミドを硬化剤として用いると、プリプレグの保存安定性が高くなる。また、ジアミドジフェニルスルホンの各異性体を硬化剤として用いると、耐熱性の高い熱硬化性樹脂を得ることができる。また、アミノ安息香酸エステル類を硬化剤として用いると、耐熱性がやや劣るものの引張伸度を高くできる。アミノ安息香酸エステル類としては、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート、ネオペンチルグリコールジ−p−アミノベンゾエートなどが好適に用いられる。
【0025】
また、樹脂層12には、必要に応じて、微粉末状のシリカなどの無機質微粒子、反応性希釈剤、熱可塑性樹脂およびエラストマーなどを配合することも可能である。
【0026】
樹脂層12の形成方法としては、硬化する温度より低い温度でマトリックス樹脂を溶融して、溶融状態で樹脂を剥離紙13上に塗布するホットメルト法、マトリックス樹脂を一旦有機溶剤に溶解して剥離紙13上に塗布した後、有機溶剤を除去するラッカー法などが挙げられる。これらの中でも、ホットメルト法で塗布することが好ましい。ホットメルト法では、溶剤を使用せずに、樹脂をより均一に塗布できるため、外観をさらに向上させることができる。また、溶剤の揮発状態の影響がないので、タックの品質を一定に保持できる。
なお、剥離紙13上に樹脂層12が形成されたシートのことを樹脂担持シートという。
【0027】
このような補強シート10は、樹脂担持シートにスクリムクロス11をオーバーフィードすることにより製造される。樹脂担持シートにスクリムクロス11をオーバーフィードする方法の一例について、図2を参照しながら説明する。この方法では、樹脂担持シート14を、断面円形状のロール21のロール表面に接触させて屈曲部22が形成するように移送する。その際、屈曲部22において、樹脂担持シート14の樹脂層12が外側になるようにする。それと同時に、屈曲部において、スクリムクロス11を樹脂担持シート14の外側に送給し、積層する。次いで、加圧するなどして、スクリムクロス11に樹脂層12の樹脂を含浸させて補強シートを得る。
このような方法では、屈曲部22において、ロール21の回転軸Aから樹脂担持シート14までの半径より回転軸Aからスクリムクロス11までの半径が長いため、樹脂担持シート14上にスクリムクロス11を供給した際には、長さLの樹脂担持シート14の上に、長さL+△Lのスクリムクロスが供給される。したがって、特殊な製造装置を使用せず、簡便な方法で、スクリムクロス11が樹脂担持シート14上にオーバーフィードされた補強シートを、高効率で製造できる。
【0028】
ここで、オーバーフィード角度θ2 とは、図3に示すように、樹脂担持シート14に接する前のスクリムクロス31の移送方向と、樹脂担持シート14に接した後のスクリムクロス32の移送方向の延長線との角度のことである。なお、図示例では、樹脂担持シート14の移送方向の屈曲角度θ1 が90°である。
上述した補強シートの製造方法においては、樹脂担持シート14の移送方向に対し、オーバーフィード角度θ2 が1゜〜60゜の範囲であることが好ましく、3°〜45°の範囲であることがさらに好ましい。
樹脂担持シート14の移送方向に対し、オーバーフィード角度θ2 が1゜〜60゜の範囲であると、スクリムクロス11が最適にオーバーフィードされ、皺などが発生せず、結果的に、外観がさらに良好なプリプレグを得ることができる。
【0029】
なお、オーバーフィード角度θ2 が1°より小さいと、スクリムクロス11が殆どオーバーフィードされない。したがって、最終的に得られたプリプレグを高湿度環境下で使用した際にスクリムクロス11と強化繊維とが剥離するおそれがある。一方、オーバーフィード角度θ2 が60°を超えると、オーバーフィードされ過ぎるので、表面に皺が発生するおそれがある。
【0030】
また、上述した製造方法において、スクリムクロス11に樹脂を含浸させる際に、2つの対向するロールを用いて加圧もしくは加熱加圧することにより、スクリムクロス11と樹脂担持シート14との密着力をより強固なものとすることができる。
加圧する場合には、ゴムロール/ゴムロールもしくはゴムロール/メタルロールからなる組み合わせの2つのロールを用いて4MPa以下で加圧するのが好ましい。さらに、加熱する場合、加熱温度は、樹脂層12をホットメルト法により形成させる際における、剥離紙への樹脂の塗布温度以下とすることが好ましい。加熱温度を、剥離紙への樹脂の塗布温度以下とすると、樹脂層12をより均一にできる。
【0031】
以上のような補強シート10は、スクリムクロス11がオーバーフィードされているので、この補強シート10によって強化繊維を補強した場合、高湿度下に放置され、樹脂担持シート14が吸湿して伸びても、スクリムクロス11はその伸びに追従することができる。したがって、強化繊維とスクリムクロス11との間に生じる歪みが小さくなるので、高湿度下における強化繊維とスクリムクロス11とが剥離することを防止できる。
また、スクリムクロス11は、目付が小さいので、最終的に得られる成形体を軽量化できる。また、目付が小さいと、拘束力が弱いため、形状の自由度が大きく、竿等のパイプ形状を容易に付与できる。
また、樹脂層12がホットメルト法で形成されていれば、樹脂がより均一に塗布されるので、得られるプリプレグの外観をさらに向上させることができる。また、溶剤を用いていないので、タックの品質を一定に保持できる。
また、補強シート10の製造方法は、特殊な製造装置を使用せず、簡便であるので、スクリムクロス11がオーバーフィードされた補強シート10を高い製造効率で得ることができる。
【0032】
次に、本実施形態例のプリプレグについて図4を参照しながら説明する。このプリプレグ15は、シート状の強化繊維集合体16およびスクリムクロス11が含有されたマトリックス樹脂17中と、両側表面の剥離紙13とを有して構成されている。このプリプレグ15において、スクリムクロス11がオーバーフィードされている。
強化繊維集合体16は、多数本の強化繊維を一方向に引き揃えて配置してシート状としたものである。強化繊維集合体16に使用される強化繊維は、長繊維からなる強化繊維であり、プリプレグ15から成形される成形体の使用目的に応じた様々なものが使用できる。例えば、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維などの有機強化繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、タングステンカーバイド繊維、ガラス繊維などが挙げられ、これらを単独でまたは複数を併用できる。これら中でも、比弾性率が良好で軽量化に大きな効果が認められることから、炭素繊維または黒鉛繊維が好ましい。炭素繊維、黒鉛繊維としては、用途に応じて様々な種類のものを用いることができるが、引張強度400kgf/mm2 以上、引張弾性率15MPa以上のものが、特に機械的物性に優れるので好適に用いられる。
【0033】
次に、プリプレグ15の製造方法について、図5を参照しながら説明する。この製造方法では、スクリムクロス11がオーバーフィードされた補強シート10の樹脂層12と、スクリムクロスを含有しない樹脂担持シート18の樹脂層12との間に、強化繊維集合体16を挟んで、積層体を作製する。次いで、この積層体を、加熱手段(図示せず)を備えた、対向する2つのローラ31a,31bを用いて上下から加熱加圧し、補強シート10および樹脂担持シート18の樹脂をスクリムクロス11および強化繊維集合体16に含浸させ、一体化して、プリプレグ15を得る。
このようなプリプレグ15の製造方法では、特別な製造装置を必要とせず、また特別な処理工程もないので、非常に簡便であり、高い製造効率でスクリムクロス11がオーバーフィードされたプリプレグ15を製造できる。
【0034】
このようなプリプレグ15は、スクリムクロス11が軽量である上に、樹脂含有率を高くしなくても、強化繊維集合体16およびスクリムクロス11を保持できるので、補強効果を維持したまま、プリプレグ15を軽量化できる。したがって、プリプレグ15から成形される成形体を軽量化できる。
また、このプリプレグ15は、剥離紙13を剥がした際に、樹脂層12が外側に位置する。したがって、外側に樹脂を十分かつ均一に有する樹脂層12が位置することになるので、外観を良好にできるとともに、タックの品質を一定に保持できる。
また、上述したプリプレグの製造方法は、簡便であり、上述したプリプレグを高い製造効率で得ることができる。
【0035】
なお、上述した実施形態例では、プリプレグ15は、補強シート10と樹脂担持シート18とで強化繊維集合体16とを挟み、一体化したものであったが、本発明はこれに限定されない。すなわち、プリプレグは、2つの補強シートで強化繊維集合体とを挟み、一体化したものであってもよい。図6に示すように、2つの補強シートで強化繊維集合体とを挟み、一体化したプリプレグの例を図6に示す。このプリプレグ19は、マトリックス樹脂17中の強化繊維集合体16の両面側にスクリムクロス11が配置されている。このようにすれば、強化繊維集合体16をより補強できる。したがって、プリプレグ19から得られた成形体は繊維軸方向に関係なく、非常に強度が高いので、特に強度が求められる用途に好適である。
【0036】
また、プリプレグは、補強シートと剥離紙とで強化繊維集合体16とを挟み、一体化したものであってもよい。
また、補強シート10を、プリプレグを補強するために使用することもできる。例えば、UDプリプレグに補強シートを貼り合わせて繊維方向の垂直方向を補強することもできる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
両面が離型処理された剥離紙の片面に、130℃、2時間で硬化可能な三菱レイヨン製エポキシ樹脂系マトリックス樹脂#340を、50℃溶融し、40g/m2 となるように塗布して樹脂層を形成させて樹脂担持シートを得た。次いで、この樹脂担持シートを断面円形のローラ表面に接触させて屈曲させ、屈曲部の外側にスクリムクロスを送給し、積層し、次いで、2つのローラで加熱加圧して補強シートを得た。その際、樹脂担持シートの移送方向の屈曲角度を90°とし、オーバーフィード角度を1゜とした。なお、スクリムクロスとしては、鐘紡株式会社製ガラススクリムクロス(品番:KS1020、目付:25g/m2 )を用いた。
次いで、三菱レイヨン株式会社製炭素繊維(TR50S、弾性率:24.5t/mm2 )を一方向に引き揃えて、炭素繊維目付が125g/m2 となるようにシ−ト状で配置した炭素繊維集合体を、補強シートの樹脂層と、樹脂担持シートの樹脂層(三菱レイヨン製エポキシ樹脂系マトリックス樹脂#340)とで挟んで積層体を得た。次いで、この積層体を、互いに対向して回転する一対の加熱加圧ローラの間を通して樹脂層の樹脂を強化繊維集合体に含浸させた。次いで、スクリムクロスと接していた樹脂担持シートの剥離紙を剥離して、スクリムクロスが表面近傍に位置するプリプレグを得た。
このプリプレグを縦横1mの寸法に切断し、温度23℃、湿度65%の環境下(高湿度環境下)に6時間放置した後、プリプレグの表面状態を目視により観察して評価した。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
(実施例2〜6、比較例1,2)
スクリムクロスのオーバーフィード角度を表1に示した値にした以外はすべて実施例1と同様にしてプリプレグを得た。そして、このプリプレグの高湿度環境下放置の表面状態を観察して評価した。その結果についても表1に示す。
【0040】
(実施例7)
樹脂層の形成をラッカー法とし、スクリムクロスのオーバーフィード角度を表1に示した値にした以外はすべて実施例1と同様してプリプレグを得た。そして、このプリプレグの高湿度環境下放置の表面状態を観察して評価した。その結果を表1に示す。
【0041】
実施例1〜5では、スクリムクロスのオーバーフィード角度が1°〜60°の範囲内であったので、高温高湿下において、プリプレグには剥離が生じることがなかった。また表面状態は製造直後と変わらずに良好であった。
また、実施例6では、高温高湿度下でプリプレグに剥離は生じなかった。但し、オーバーフィード角度が60°を超えていたため、実用上問題ない程度に、プリプレグの幅方向にスクリムクロスが折れ畳んだ皺が僅かに発生した。
また、実施例7では、高温高湿度下でプリプレグに剥離は生じず、高湿度環境下放置後のプリプレグの表面状態が良好であった。但し、樹脂担持シートをラッカー法により製造したので、実用上問題ない程度に、プリプレグのタックが通常より僅かに低かった。
一方、比較例1および比較例2では、オーバーフィード角度が1°未満であり、スクリムクロスがオーバーフィードされていないので、高温高湿度下で炭素繊維集合体とスクリムクロスとが剥離した。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプリプレグ用補強シートは、スクリムクロスがオーバーフィードされており、高湿度下に放置されて樹脂担持シートが伸びた場合でも、その伸びに追従できるので、樹脂担持シートとスクリムクロスとの剥離を防止できる。また、スクリムクロスは目付が小さいから、軽量化できる。
また、本発明のプリプレグ用補強シートの製造方法は、簡便であるので、上述したプリプレグ用補強シートを高い製造効率で得ることができる。
また、本発明のプリプレグは、補強効果を維持したまま、プリプレグを軽量化できる。したがって、プリプレグから成形される成形体を軽量化できる。また、剥離紙を剥がした際に、外側に樹脂を十分かつ均一に有する樹脂層が位置するので、外観を良好にできるとともに、タックの品質を一定に保持できる。
また、本発明のプリプレグの製造方法は、簡便であり、上述したプリプレグを高い製造効率で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプリプレグ用補強シートの一実施形態例を示す断面図である。
【図2】 本発明のプリプレグ用補強シートの製造方法の一実施形態例を示す断面図である。
【図3】 オーバーフィード角度を説明する図である。
【図4】 本発明のプリプレグの一実施形態例を示す断面図である。
【図5】 本発明のプリプレグの製造方法の一実施形態例を示す断面図である。
【図6】 本発明のプリプレグの他の実施形態例を示す断面図である。
【図7】 従来のプリプレグを示す断面図である。
【符号の説明】
10 補強シート(プリプレグ用補強シート)
11 スクリムクロス
12 樹脂層
13 剥離紙
14 樹脂担持シート
15,19 プリプレグ
16 強化繊維集合体
17 マトリックス樹脂
18 樹脂担持シート
Claims (3)
- 樹脂層を有する樹脂担持シートにスクリムクロスをオーバーフィードする方法であって、樹脂担持シートの移送方向を屈曲させたところで、スクリムクロスを外側に送給してオーバーフィードすることを特徴とするプリプレグ用補強シートの製造方法。
- オーバーフィード角度が1゜〜60゜の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ用補強シートの製造方法。
- スクリムクロスがオーバーフィードされたプリプレグ用補強シートの樹脂層と、プリプレグ用補強シートの樹脂層または樹脂担持シートの樹脂層との間に、強化繊維を挟み、一体化するプリプレグの製造方法であって、
前記プリプレグ補強用シートが、請求項1または2に記載のプリプレグ用補強シートの製造方法により製造されたものであることを特徴とするプリプレグの製造方法。
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