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JP4605943B2 - コージェネレーションシステムの運転方法 - Google Patents

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JP4605943B2
JP4605943B2 JP2001187998A JP2001187998A JP4605943B2 JP 4605943 B2 JP4605943 B2 JP 4605943B2 JP 2001187998 A JP2001187998 A JP 2001187998A JP 2001187998 A JP2001187998 A JP 2001187998A JP 4605943 B2 JP4605943 B2 JP 4605943B2
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伸 岩田
桂嗣 滝本
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Heat-Pump Type And Storage Water Heaters (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンと発電機とを一体化したものとか燃料電池といったような、電力と熱とを発生する熱電併給装置を設け、電力と熱の両方を得るように構成したコージェネレーションシステムの運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のものとして、電力需要に追従して運転するように構成したものがあったが、熱電併給装置で発生した熱の総量が熱需要量よりも必要以上に多いと、余剰の熱を捨てることになって無駄である。
【0003】
そこで、熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクを設け、その蓄熱タンク内の上下の所定箇所に温度センサを設け、その温度変化に基づいて蓄熱タンク内に温水が満杯になったかほぼ空になったかを判別させ、熱電併給装置の運転を制御し、熱需要に対応できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際に熱を必要としない場合でも蓄熱タンク内に熱を貯めることになり、その貯めた熱を消費するまでの時間が長いと、蓄熱タンクからの放熱量が多くなり、この放熱ロスのために省エネルギー性が低下する欠点があった。
【0005】
運転形態としては、定格発電量での運転、定格以下の部分は電力需要に追従する運転、更には複数段の発電量での運転があるが、いずれにおいても、放熱ロスを少なくするために、熱を消費するまでの時間が短くなるように熱電併給装置を運転しようとすると、電力需要が少ないときに運転することになって、見掛け上の発電効率または発電効率が低下してしまい、省エネルギー性がかえって低下する問題がある。
【0006】
逆に、発電効率を重視し、発電効率が高い状態で熱電併給装置を運転しようとすると、前述同様に、放熱ロスのために、省エネルギー性が低下する問題がある。
【0007】
また、コージェネレーションシステムを構築する場合、敷地面積や断熱構成などのコスト面から蓄熱タンクが容量的に制約を受けざるを得ず、蓄熱量に限界があるために、わずかな熱量不足に起因して熱電併給装置を運転しなければならないなど、省エネルギー性を低下する欠点があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1、請求項2、請求項7および請求項に係る発明は、見掛け上の発電効率を極力高くするとともに放熱ロスを極力少なくする状態で熱電併給装置を運転し、かつ、補助加熱手段を利用して、省エネルギー性を良好に向上できるようにすることを目的とし、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項9および請求項10に係る発明は、発電効率を極力高くするとともに放熱ロスを極力少なくする状態で熱電併給装置を運転し、かつ、補助加熱手段を利用して、省エネルギー性を良好に向上できるようにすることを目的とし、請求項11に係る発明は、耐久性を向上できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、上述のような目的を達成するために、
定格発電量の電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
前記熱電併給装置で発生した電力を熱に変換する電熱変換手段と、
不足分の熱量を補う補助加熱手段と、
所定時間を1周期として、その1周期内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
前記1周期内での熱需要分またはその大半に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期を設定時間間隔ごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときの余剰電力を前記電熱変換手段で熱に変換することを特徴としている。
また、請求項2に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、上述のような目的を達成するために、
請求項1に記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
所定時間を1周期Tとして、その1周期T内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
前記1周期T内での熱需要分またはその大半に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期Tを設定時間間隔dごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(1)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(4)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときの余剰電力を前記電熱変換手段で熱に変換することを特徴としている。
【数30】
Figure 0004605943
ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(2)式で表される。
【数31】
Figure 0004605943
ここで、Fは定格発電量の電力を、kは熱電比をそれぞれ示している。また、Hnは余剰電力を電熱変換手段で熱に変換した変換熱量で、F>En (t’)の分を積算するものであり、下記(3)式で表される。
【数32】
Figure 0004605943
但し、e(t’)<Fであれば、En (t’)=e(t’)
e(t’)≧Fであれば、En (t’)=F
ここで、En (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
上記(2)式において、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
PE=ΣPEn =ΣGIn ・α+ΣBIn ・α’+ΣBEn ・β……(4)
ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GInは熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(5)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
【数33】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量である。
ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(6)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
【数34】
Figure 0004605943
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(7)で表される。
【数35】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。
【0010】
また、請求項に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、前述のような目的を達成するために、
負荷電力が定格発電量より少ない場合に負荷電力に合わせて運転することができる電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
不足分の熱量を補う補助加熱手段と、
所定時間を1周期として、その1周期内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
前記1周期内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期を設定時間間隔ごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときには電力需要の変化に追従させて運転することを特徴としている。
また、請求項4に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、前述のような目的を達成するために、
所定時間を1周期Tとして、その1周期T内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
前記1周期T内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期Tを設定時間間隔dごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(8)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(10)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときには電力需要の変化に追従させて運転することを特徴としている。
【数36】
Figure 0004605943
ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(9)式で表される。
【数37】
Figure 0004605943
ここで、En (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。B[En (t’)]は、電力量En (t’)における熱電併給装置の発生熱量を示している。
また、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
PE=ΣPEn =ΣGIn ・α+ΣBIn ・α’+ΣBEn ・β……(10) ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GInは熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(5a)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
【数38】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量である。
ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(11)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
【数39】
Figure 0004605943
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(12)で表される。
【数40】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
【0011】
また、請求項に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、前述のような目的を達成するために、
複数段に設定した発電量で運転して設定発電量の電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
前記熱電併給装置で発生した電力を熱に変換する電熱変換手段と、
不足分の熱量を補う補助加熱手段と、
所定時間を1周期として、その1周期および次の1周期それぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
前記1周期内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期を設定時間間隔ごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を複数段の設定発電量それぞれで運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を複数段の定格発電量で運転するとともに電力需要が設定発電量よりも小さいときの余剰電力を前記電熱変換手段で熱に変換することを特徴としている。
また、請求項6に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、前述のような目的を達成するために、
請求項5に記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
所定時間を1周期Tとして、その1周期Tおよび次の1周期Tそれぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
複数段に設定した発電量で運転して設定発電量の電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
前記熱電併給装置で発生した電力を熱に変換する電熱変換手段と、
不足分の熱量を補う補助加熱手段と、
所定時間を1周期Tとして、その1周期Tおよび次の1周期Tそれぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、 不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
前記1周期T内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期Tを設定時間間隔dごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を複数段の設定発電量それぞれで運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(13)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(16)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を複数段の定格発電量で運転するとともに電力需要が設定発電量よりも小さいときの余剰電力を前記電熱変換手段で熱に変換することを特徴としている。
【数41】
Figure 0004605943
ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(14)式で表される。
【数42】
Figure 0004605943
ここで、Fm は設定発電量を、km は設定発電量Fm での熱電比をそれぞれ示している。mは、2以上で発電量の設定段数までの正の整数である。また、Hnは余剰電力を電熱変換手段で熱に変換した変換熱量で、Fm >En (t’)の分を積算するものであり、下記(15)式で表される。
【数43】
Figure 0004605943
但し、e(t’)<Fm であれば、En (t’)=e(t’)
e(t’)≧Fm であれば、En (t’)=Fm
ここで、En (t’)は、負荷電力が設定発電量Fm を越える場合は設定電力量となり、負荷電力が設定発電量Fm より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
上記(14)式において、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
PE=ΣPEn =ΣGIn ・α+ΣBIn ・α’+ΣBEn ・β……(16)
ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GInは熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(17)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
【数44】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量である。
ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(18)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
【数45】
Figure 0004605943
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(19)で表される。
【数46】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が設定発電量Fm を越える場合は設定電力量となり、負荷電力が設定発電量Fm より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。
【0012】
また、請求項に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、前述のような目的を達成するために、
定格発電量の電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
前記熱電併給装置で発生した電力を第3者に売る売電手段と、
不足分の熱量を補う補助加熱手段と、
所定時間を1周期として、その1周期内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
前記1周期内での熱需要分またはその大半に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期を設定時間間隔ごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときの余剰電力を前記売電手段で第3者に売ることを特徴としている。
また、請求項8に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、前述のような目的を達成するために、
所定時間を1周期Tとして、その1周期T内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
前記1周期T内での熱需要分またはその大半に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期Tを設定時間間隔dごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(20)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(22)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときの余剰電力を前記売電手段で第3者に売ることを特徴としている。
【数47】
Figure 0004605943
ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(21)式で表される。
【数48】
Figure 0004605943
ここで、Fは定格発電量の電力を、kは熱電比をそれぞれ示している。
上記(21)式において、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
PE=ΣPEn
=ΣGIn ・α+ΣBIn ・α’+ΣBEn ・β−ΣSEn ・γ…(22)
ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GInは熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(23)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
【数49】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量であり、運転停止状態では零となる。
ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(24)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
【数50】
Figure 0004605943
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(25)で表される。
【数51】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。また、ΣSEn は売電手段で第3者に売る余剰電力量で、F>En (t’)の分を積算するものであり、下記(26)式で表され、また、γは第3者に売るときの価格分を一次エネルギーに換算した換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
【数52】
Figure 0004605943
但し、e(t’)<Fであれば、En (t’)=e(t’)
e(t’)≧Fであれば、En (t’)=F
ここで、En (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
【0013】
また、請求項に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、前述のような目的を達成するために、
複数段に設定した発電量で運転して設定発電量の電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
前記熱電併給装置で発生した電力を第3者に売る売電手段と、
不足分の熱量を補う補助加熱手段と、
所定時間を1周期として、その1周期および次の1周期それぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
前記1周期内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期を設定時間間隔ごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を複数段の設定発電量それぞれで運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を複数段の定格発電量で運転するとともに電力需要が設定発電量よりも小さいときの余剰電力を前記売電手段で第3者に売ることを特徴としている。
また、請求項10に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、前述のような目的を達成するために、
所定時間を1周期Tとして、その1周期Tおよび次の1周期Tそれぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
前記1周期T内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期Tを設定時間間隔dごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を複数段の設定発電量それぞれで運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(27)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(29)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を複数段の定格発電量で運転するとともに電力需要が設定発電量よりも小さいときの余剰電力を前記売電手段で第3者に売ることを特徴としている。
【数53】
Figure 0004605943
ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(28)式で表される。
【数54】
Figure 0004605943
ここで、Fm は設定発電量を、km は設定発電量Fm での熱電比をそれぞれ示している。mは、2以上で発電量の設定段数までの正の整数である。
上記(28)式において、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
PE=ΣPEn
=ΣGIn ・α+ΣBIn ・α’+ΣBEn ・β−ΣSEn ・γ…(29)
ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GInは熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(30)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
【数55】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量であり、運転停止状態では零となる。
ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(31)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
【数56】
Figure 0004605943
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(32)で表される。
【数57】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。また、ΣSEn は売電手段で第3者に売る余剰電力量で、F>En (t’)の分を積算するものであり、下記(33)式で表され、また、γは第3者に売るときの価格分を一次エネルギーに換算した換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
【数58】
Figure 0004605943
但し、e(t’)<Fm であれば、En (t’)=e(t’)
e(t’)≧Fm であれば、En (t’)=F
ここで、En (t’)は、負荷電力が設定発電量Fm を越える場合は設定電力量となり、負荷電力が設定発電量Fm より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
【0014】
また、請求項11に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10のいずれかに記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
熱電併給装置の1周期内における発停回数を設定する発停回数設定手段を備え、前記熱電併給装置の1周期内における発停回数が設定回数以下で一次エネルギーの換算値PEが最小となる組み合わせの最適運転状態を求めるように構成する。
【0015】
【作用】
請求項1および請求項2に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法の構成によれば、例えば、1日間など、1周期となる所定時間内において、熱電併給装置を定格発電量で運転して発電し、電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときの電力需要を越える余剰の電力を電熱変換手段によって熱に変換し、不足分の電力を買電手段で賄うとともに、変換した熱と熱電併給装置で発生した熱によって熱需要を賄い、かつ、後で必要とする熱を蓄熱タンクに貯めて熱需要に応じるとともに、不足分の熱を補助加熱手段で補うことができる。
このときに、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分や昼分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄うために消費することを許容し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱するなどのシステムからの放熱分と、不足分の電力を買電手段で賄うことと、変換した熱や熱電併給装置で発生した熱や蓄熱タンクに貯めた熱量で熱需要を賄うのに不足するときに不足分の熱を補助加熱手段で補うことをも考慮して、1周期を設定時間間隔で分割し、その分割時間ごとに熱電併給装置を運転する状態と停止する状態それぞれで、蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、請求項2に係る発明の場合には2の(T/d)乗分といったように仮想の運転状態の組み合わせを求め、それに基づいて、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となる組み合わせを求め、その組み合わせに従って運転する。
【0016】
また、請求項3および請求項4に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法の構成によれば、例えば、1日間など、1周期となる所定時間内において、電力需要が定格発電量を越えるときは熱電併給装置を定格発電量で運転して発電し、電力需要が定格発電量よりも小さいときは熱電併給装置を電力需要に追従して運転して発電し、不足分の電力を買電手段で賄うとともに熱電併給装置で発生した熱によって熱需要を賄い、かつ、後で必要とする熱を蓄熱タンクに貯めて熱需要に応じるとともに、不足分の熱を補助加熱手段で補うことができる。
このときに、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分や昼分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄うために消費することを許容し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱する分と、不足分の電力を買電手段で賄うことと、変換した熱や熱電併給装置で発生した熱や蓄熱タンクに貯めた熱量で熱需要を賄うのに不足するときに不足分の熱を補助加熱手段で補うことをも考慮して、1周期を設定時間間隔で分割し、その分割時間ごとに熱電併給装置を運転する状態と停止する状態それぞれで、蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、請求項4に係る発明の場合には2の(T/d)乗分といったように仮想の運転状態の組み合わせを求め、それに基づいて、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となる組み合わせを求め、その組み合わせに従って運転する。
【0017】
また、請求項5および請求項6に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法の構成によれば、例えば、1日間など、1周期となる所定時間内において、熱電併給装置を複数段に設定した発電量で運転して発電し、電力需要が設定発電量の電力よりも小さいときの電力需要を越える余剰の電力を電熱変換手段によって熱に変換し、不足分の電力を買電手段で賄うとともに、変換した熱と熱電併給装置で発生した熱によって熱需要を賄い、かつ、後で必要とする熱を蓄熱タンクに貯めて熱需要に応じるとともに、不足分の熱を補助加熱手段で補うことができる。
このときに、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分や昼分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄うために消費することを許容し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱する分と、不足分の電力を買電手段で賄うことと、変換した熱や熱電併給装置で発生した熱や蓄熱タンクに貯めた熱量で熱需要を賄うのに不足するときに不足分の熱を補助加熱手段で補うことをも考慮して、1周期を設定時間間隔で分割し、その分割時間ごとに熱電併給装置を複数段に設定した発電量で運転する状態と停止する状態それぞれで、蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、請求項6に係る発明の場合には(1+m)の(T/d)乗分といったように仮想の運転状態の組み合わせを求め、それに基づいて、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となる組み合わせを求め、その組み合わせに従って運転する。
【0018】
また、請求項7および請求項8に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法の構成によれば、例えば、1日間など、1周期となる所定時間内において、熱電併給装置を定格発電量で運転して発電し、電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときの電力需要を越える余剰の電力を売電手段によって第3者に売り、不足分の電力を買電手段で賄うとともに、熱電併給装置で発生した熱によって熱需要を賄い、かつ、後で必要とする熱を蓄熱タンクに貯めて熱需要に応じるとともに、不足分の熱を補助加熱手段で補うことができる。
このときに、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分や昼分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄うために消費することを許容し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱するなどのシステムからの放熱分と、不足分の電力を買電手段で賄うことと、余剰の電力を売電手段によって第3者に売ること、ならびに、熱電併給装置で発生した熱や蓄熱タンクに貯めた熱量で熱需要を賄うのに不足するときに不足分の熱を補助加熱手段で補うことをも考慮して、1周期を設定時間間隔で分割し、その分割時間ごとに熱電併給装置を運転する状態と停止する状態それぞれで、蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、請求項8に係る発明の場合には2の(T/d)乗分といったように仮想の運転状態の組み合わせを求め、それに基づいて、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となる組み合わせを求め、その組み合わせに従って運転する。
【0019】
また、請求項9および請求項10に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法の構成によれば、例えば、1日間など、1周期となる所定時間内において、熱電併給装置を複数段に設定した発電量で運転して発電し、電力需要が設定発電量の電力よりも小さいときの電力需要を越える余剰の電力を売電手段によって第3者に売り、不足分の電力を買電手段で賄うとともに、変換した熱と熱電併給装置で発生した熱によって熱需要を賄い、かつ、後で必要とする熱を蓄熱タンクに貯めて熱需要に応じるとともに、不足分の熱を補助加熱手段で補うことができる。
このときに、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分や昼分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄うために消費することを許容し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱する分と、不足分の電力を買電手段で賄うことと、余剰の電力を売電手段によって第3者に売ること、ならびに、熱電併給装置で発生した熱や蓄熱タンクに貯めた熱量で熱需要を賄うのに不足するときに不足分の熱を補助加熱手段で補うことをも考慮して、1周期を設定時間間隔で分割し、その分割時間ごとに熱電併給装置を複数段に設定した発電量で運転する状態と停止する状態それぞれで、蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、請求項10に係る発明の場合には(1+m)の(T/d)乗分といったように仮想の運転状態の組み合わせを求め、それに基づいて、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となる組み合わせを求め、その組み合わせに従って運転する。
【0020】
また、請求項11に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法の構成によれば、使用する熱電併給装置個々の特性や希望する耐用年数などに応じて、その発停回数を設定し、必要以上の発停の繰り返しを回避する。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例につき、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、コージェネレーションシステムの第1実施例を示すシステム構成図であり、1は熱電併給装置を、2は蓄熱タンクをそれぞれ示している。
【0022】
蓄熱タンク2には、その底側から上部にわたって第1のポンプ3を備えた循環配管4が接続されている。循環配管4に熱交換器5が設けられ、熱電併給装置1と熱交換器5とにわたって、第2のポンプ6を備えた熱回収用循環配管7が接続されている。
【0023】
この構成により、蓄熱タンク2の下部から取り出した水を熱電併給装置1からの熱によって加熱し、その加熱された蓄熱水を蓄熱タンク2に戻して蓄熱するように構成されている。
循環配管4の熱交換器5よりも下流側の箇所に電熱変換手段としての電気ヒータ8が設けられ、熱電併給装置1で発生した電力が余剰の場合に、余剰電力を熱に変換して蓄熱タンク2の下部から取り出した水を加熱し、その加熱された蓄熱水を蓄熱タンク2に蓄えることができるように構成されている。図中9は、給湯用の給湯管を示している。
【0024】
循環配管4には、熱交換器5と直列になるように出力用循環配管10が接続されるとともに、その出力用循環配管10に暖房用熱交換器11が設けられ、暖房用熱交換器11に、第3のポンプ12を備えた暖房用循環配管13を介して、室内暖房機、床暖房機、浴室乾燥機などのセントラルヒーティング用の暖房装置14が接続されている。
【0025】
熱電併給装置1には、発電電力を取り出す電力線15が接続され、その電力線15に、照明装置や電気機器などの電気負荷16が接続されている。また、電力線15に逆潮流防止用の保護装置17を介して商用電源線18が接続され、発電電力で不足するときに商用電源からの電力を投入できるように買電手段19が構成されている。
【0026】
また、電力線15に、スイッチ回路20を介して電気ヒータ8が接続され、余剰電力の発生時に電気ヒータ8に通電するようになっている。この電気ヒータ8としては、二点鎖線で示すように、熱回収用循環配管7に設けるようにしても良い。図中21は補助加熱手段としてのガスボイラを示している。
【0027】
熱電併給装置1、スイッチ回路20およびガスボイラ21にはマイクロコンピュータ22が接続されている。
マイクロコンピュータ22には、図2のブロック図に示すように、需要変化特定手段23と運転状態入力手段24と演算手段25と比較手段26と運転制御手段27とが備えられている。
【0028】
需要変化特定手段23では、図3および図4のグラフに示すように、1周期Tとしての1日間における、照明装置や電気機器駆動のための電力需要e(t’)、および、給湯や暖房などの熱需要h(t’)の経時的変化が、学習機能などによって予め記憶され、電力需要e(t’)および熱需要h(t’)の経時的変化を予め特定できるように構成されている。また、表−1に、上記給湯や暖房などの熱需要h(t’)の経時的変化の数値例を示す。なお、図3および図4は、多数の需要家の平均値をとって概略的な変化として示したものである。
【表1】
Figure 0004605943
【0029】
すなわち、前日の需要変化とか、1週間前の同じ曜日の需要変化などが順次記憶され、それらの需要変化に基づいて当日1日間および翌日1日間における熱需要h(t’)、および、電力需要e(t’)の経時的変化を、予め特定できるようになっているのである。
【0030】
運転状態入力手段24では、1周期Tとしての1日間を、例えば、30分間ごとなど、設定時間間隔dで分割し、各分割時間dそれぞれにおいて、熱電併給装置1を定格発電量で運転する状態と停止する状態それぞれを入力していくようになっている。
【0031】
演算手段25では、運転状態入力手段24から運転状態と停止状態とを後述する条件式や関係式に入力し、需要変化特定手段23からの当日1日間における熱需要h(t’)、および、電力需要e(t’)の経時的変化とに基づき、設定時間間隔dが30分であれば、2の48乗通りの組み合わせそれぞれにおける一次エネルギーの換算値を演算するようになっている。
【0032】
比較手段26では、演算手段25から入力される一次エネルギーの換算値を記憶し、その換算値と次に入力される換算値とを比較し、小さいほうの換算値とそのときの熱電併給装置1の運転状態と停止状態との組み合わせを新たに記憶していき、すべての組み合わせについて比較した後に、一次エネルギーの換算値が最小であった組み合わせを最適運転状態として出力するようになっている。
【0033】
運転制御手段27では、比較手段26からの最適運転状態の組み合わせに応答して、熱電併給装置1、スイッチ回路20およびガスボイラ21に駆動信号を出力し、一次エネルギーの換算値が最小になる状態でコージェネレーションシステムを運転するようになっている。
【0034】
次に、上記条件式について説明する。
第1実施例では、熱電併給装置1を発電効率が最も高い定格発電量(100%負荷) で運転し、電力需要e(t’)が定格発電量よりも小さい余剰電力分を電気ヒータ8によって熱に変換するものとする。ここでの定格発電量としては、1kwを例示する。この定格発電量は、例えば、0.8kwなど、使用する熱電併給装置1によって決まるものである。
【0035】
先ず、設定時間間隔dを30分(0.5時間)として、1周期Tにおける最初の1区間目の30分間(午前0時から午前0時30分)につき、熱電併給装置1を運転する状態と停止する状態それぞれにつき、図5の動作説明に供する参考図を用いて考察する。この図5は、前述した図3および図4とは関係が無く、説明上の参考にするために例示するものである。
【0036】
▲1▼運転状態
図5の(a)の電力需要と発電量との相関を示すグラフ、および、図5の(b)の熱需要と発生熱量との相関を示すグラフに示すように、余剰電力分YEを電気ヒータ8で熱に変換した熱量をH1 とすると、取得する熱量HT1 は、
HT1 =H1 +発生熱量CH+ガスボイラ21で補う熱量BH
となり、変換熱量H1 は、下記のように表される。
【数59】
Figure 0004605943
但し、e(t’)<Fであれば、E1 (t’)=e(t’)
e(t’)≧Fであれば、E1 (t’)=F
ここで、E1 (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力F(1kw)を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
【0037】
また、発生熱量CH=0.5・F・k ……(35)
である。ここでkは熱電比である。
また、ガスボイラ21で補う熱量BHは、
【数60】
Figure 0004605943
となる。BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うようにガスボイラ21を起動する場合の関数を示している。図5の(b)では零とする。
【0038】
一方、消費される熱量は、熱需要量に放熱量を加えたものになり、
【数61】
Figure 0004605943
となる。ここで、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。
【0039】
これらのことから、1区間目の30分間経過後の蓄熱量S(0.5)が、
【数62】
Figure 0004605943
となる。ここで、S(0)は、1区間目の運転開始時における初期蓄熱量である。また、蓄熱量S(0.5)としては、0以上であるとともに、蓄熱タンク2の最大蓄熱量Smax を越えることは無く、次の条件式を満たす必要がある。
【数63】
Figure 0004605943
すなわち、ここで、熱量が不足する場合であれば、ガスボイラ21を起動して不足分の熱量を補うことになる。
【0040】
ここでの一次エネルギーの換算値PEは、
PE=GI1 ・α+BI1 ・α’+BE1 ・β……(40)
となる。GI1 は、熱電併給装置1の運転に要する燃料供給量であり、下記(41)式で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。また、BI1 は、ガスボイラ21の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値である。熱電併給装置1およびガスボイラ21の燃料が同じであれば、α=α’となる。
【数64】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置1によって特定される燃料供給量である。
【0041】
BE1 は、1区間の時間(0.5時間)内での不足分の電力の投入量であり、次式(42)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値である。但し、ここでは、電力不足では無いために、BE1 は零である。
【数65】
Figure 0004605943
ここで、GPは、1区間の時間(0.5時間)内での熱電併給装置1の発電量であり、次式(43)で表される。
【数66】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。すなわち、負荷電力が定格電力より小さい場合は、電力不足を生じないため零になる。
【0042】
▲2▼運転停止状態
図5の(c)の電力需要と発電量との相関を示すグラフ、および、図5の(d)の熱需要と発生熱量との相関を示すグラフに示すように、熱電併給装置1が運転されないために、電気ヒータ8で変換する熱量、および、発生熱量のいずれも零である。したがって、1区間目の30分間経過後の蓄熱量S(0.5)は、初期蓄熱量S(0)から熱需要量と放熱量とを引いた分となる。熱量が不足したときにおいてのみ、図5の(d)に一点鎖線で示すように、取得熱量HT1 が、
HT1 =ガスボイラ21で補う熱量BH
となる。ガスボイラ21で補う熱量BHは、前述(36)式の通りである。条件式としては、前述運転状態のときと同様に(39)式となる。
【0043】
この場合の一次エネルギーの換算値PEは、GI1 ・αが零となり、
PE=BI1 ・α’+BE1 ・β……(44)
となる。
BI1 は、ガスボイラ21の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値である。
BE1 は、1区間の時間(0.5時間)内での不足分の電力の投入量であり、熱電併給装置1の発電量が零であるために次式(45)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値である。
【数67】
Figure 0004605943
【0044】
上述のようにして、運転状態と運転停止状態とを30分ごとの各区間で順次求めることになり、その条件式は下記(46)式で表される。
【数68】
Figure 0004605943
ここで、nは1〜48(24÷0.5)の正の整数である。
【0045】
一次エネルギーの換算値PEは次の通りである。
PE=ΣPEn =ΣGIn ・α+ΣBIn ・α’+ΣBEn ・β……(47)
ここで、ΣPEn は、n=1〜48の一次エネルギーの総和である。GIn は熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(48)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜48の総和を求めている。また、BIn はガスボイラ21の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜48の総和を求めている。
【数69】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量であり、運転停止状態では零となる。
【0046】
ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(49)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBEn ・βはn=1〜48の総和を求めている。
【数70】
Figure 0004605943
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(50)で表される。
【数71】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。
【0047】
1周期としての1日間経過後において、その周期で取得した熱を翌日に消費することを許容するものであり、蓄熱タンク2内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)は、最大蓄熱量Smax を越えない範囲のどのような値であっても良い。
【0048】
上述の結果、下記のような、運転停止状態と運転状態との様々な組み合わせが入力されて一次エネルギーの換算値PEが求められる。
▲1▼運転停止状態と運転状態とを30分ごとに交互に繰り返して運転する。[図6の(a)]
▲2▼午前0時〜午前9時、午前12時〜午後5時(12〜17時)、および、午後10時〜午後12時(22〜24時)それぞれを運転停止状態にし、午前9時〜午前12時、および、午後5時〜午後10時(17〜22時)それぞれを運転状態にして運転する。[図6の(b)]
▲3▼午前0時〜午前6時、午後3時〜午後6時(15〜18時)、および、午後8時〜午後12時(20〜24時)それぞれを運転停止状態にし、午前6時〜午後3時(6〜15時)、および、午後6時〜午後8時(18〜20時)それぞれを運転状態にして運転する。[図6の(c)]
▲3▼午前2時〜午後6時(2〜18時)を運転停止状態にし、午前0時〜午前2時、および、午後6時〜午後12時(18〜24時)それぞれを運転状態にして運転する。[図6の(d)]
【0049】
最終的に248通りの一次エネルギーの換算値PEが比較手段26に入力され、順次比較して一次エネルギーの換算値PEの小さい方が残され、一次エネルギーの換算値PEが最小となる運転状態と運転停止状態の組み合わせの最適運転状態が求められ、例えば、図7の(a)の電力需要と発電量との相関を示すグラフ、および、図7の(b)の熱需要と発生熱量との相関を示すグラフに示すように、運転制御手段27により、最適運転状態での運転が行われ、省エネルギー性を向上する最適な状態でコージェネレーションシステムを運転できることになる。図7において、aは運転開始時、bは運転終了時を示している。
【0050】
上記第1実施例では、1周期を1日(24時間)として30分間(0.5時間)の時間間隔で分割しているが、本発明としては、例えば、1日を10分間や20分間で分割するとか、また、生産ラインなどで、3日間とか1週間を1周期にするなど、その周期や分割時間間隔としては、適宜設定できる。
【0051】
そこで、1周期をT、分割時間間隔をdとして整理すると、以下のようになる。
蓄熱タンク2内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(1)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(4)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときの余剰電力を電気ヒータなどの電熱変換手段で熱に変換することになる。
【数72】
Figure 0004605943
ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
【0052】
HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(2)式で表される。
【数73】
Figure 0004605943
ここで、Fは定格発電量の電力を、kは熱電比をそれぞれ示している。また、Hn は余剰電力を電熱変換手段で熱に変換した変換熱量で、F>En (t’)の分を積算するものであり、下記(3)式で表される。
【数74】
Figure 0004605943
但し、e(t’)<Fであれば、En (t’)=e(t’)
e(t’)≧Fであれば、En (t’)=F
ここで、En (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
上記(2)式において、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
【0053】
PE=ΣPEn =ΣGIn ・α+ΣBIn ・α’+ΣBEn ・β……(4)
ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GIn は熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(5)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
【数75】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量であり、運転停止状態では零となる。
【0054】
ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(6)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
【数76】
Figure 0004605943
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(7)で表される。
【数77】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。
【0055】
次に、第2実施例について説明する。
この第2実施例では、電力需要e(t’)が定格発電量1kwよりも小さいところでは、電力需要e(t’)に合わせて発電し、定格発電量1kwよりも大きいところでは、定格発電量1kwで発電するように熱電併給装置1を運転するものである。
【0056】
また、この第2実施例では、前述第1実施例のような電気ヒータを用いないものであり、構成的には、図1および図2の電気ヒータ8およびスイッチ回路20を無くした構成となる。
【0057】
▲1▼運転状態
電力需要e(t’)が定格発電量1kwよりも小さいところでは、図8の(a)の電力需要と発電量との相関を示すグラフに示すように、電力需要e(t’)に合わせて発電する。図8の(b)の熱需要と発生熱量との相関を示すグラフに示すように、取得する熱量HT1 は、
HT1 =発生熱量CH+ガスボイラ21で補う熱量BH
となり、発生熱量CHは、下記のように表される。
【数78】
Figure 0004605943
ここで、E1 (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。B[E1 (t’)]は、電力量En (t’)における熱電併給装置の発生熱量を示している。図8の(b)の場合は、E1 (t’)=e(t’)である。
【0058】
また、ガスボイラ21で補う熱量BHは、
【数79】
Figure 0004605943
となる。BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うようにガスボイラ21を起動する場合の関数を示している。図8の(b)では零とする。
【0059】
一方、消費される熱量は、熱需要量に放熱量を加えたものになり、
【数80】
Figure 0004605943
となる。ここで、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。
【0060】
これらのことから、1区間目の30分間経過後の蓄熱量S(0.5)が、
【数81】
Figure 0004605943
となる。ここで、S(0)は、1区間目の運転開始時における初期蓄熱量である。また、蓄熱量S(0.5)としては、0以上であるとともに、蓄熱タンク2の最大蓄熱量Smax を越えることは無く、次の条件式を満たす必要がある。
【数82】
Figure 0004605943
すなわち、ここで、熱量が不足する場合であれば、ガスボイラ21を起動して不足分の熱量を補うことになる。
【0061】
ここでの一次エネルギーの換算値PEは、
PE=GI1 ・α+BI1 ・α’+BE1 ・β……(56)
となる。GI1 は、熱電併給装置1の運転に要する燃料供給量であり、下記(57)式で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。また、BI1 は、ガスボイラ21の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値である。熱電併給装置1およびガスボイラ21の燃料が同じであれば、α=α’となる。
【数83】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置1によって特定される燃料供給量である。
【0062】
BE1 は、1区間の時間(0.5時間)内での不足分の電力の投入量であり、次式(58)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値である。但し、ここでは零である。
【数84】
Figure 0004605943
ここで、GPは、1区間の時間(0.5時間)内での熱電併給装置1の発電量であり、次式(59)で表される。
【数85】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。すなわち、負荷電力が定格電力より小さい場合は、電力不足を生じないため零になる。
【0063】
定格発電量1kwよりも大きいところでは、図8の(c)の電力需要と発電量との相関を示すグラフに示すように、定格発電量Fで発電する。図8の(d)の熱需要と発生熱量との相関を示すグラフに示すように、取得する熱量HTn は、
HTn =発生熱量CH+ガスボイラ21で補う熱量BH
となり、発生熱量CHは、下記のように表される。
CH=0.5・F・k ……(60)
ここで、kは熱電比である。
【0064】
また、ガスボイラ21で補う熱量BHは、
【数86】
Figure 0004605943
となる。BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うようにガスボイラ21を起動する場合の関数を示している。図8の(d)では零とする。
【0065】
一方、消費される熱量は、熱需要量に放熱量を加えたものになり、
【数87】
Figure 0004605943
となる。ここで、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。
【0066】
これらのことから、n区間目の30分間経過後の蓄熱量S(0.5n)が、
【数88】
Figure 0004605943
となる。ここで、S[0.5(n−1)]は、(n−1)区間目の運転開始時における初期蓄熱量である。また、蓄熱量S(0.5n)としては、0以上であるとともに、蓄熱タンク2の最大蓄熱量Smax を越えることは無く、次の条件式を満たす必要がある。
【数89】
Figure 0004605943
すなわち、ここで、熱量が不足する場合であれば、ガスボイラ21を起動して不足分の熱量を補うことになる。
【0067】
ここでの一次エネルギーの換算値PEは、
PE=GIn ・α+BIn ・α’+BEn ・β……(65)
となる。GIn は、熱電併給装置1の運転に要する燃料供給量であり、下記(66)式で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。また、BIn は、ガスボイラ21の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値である。熱電併給装置1およびガスボイラ21の燃料が同じであれば、α=α’となる。
【数90】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置1によって特定される燃料供給量である。
【0068】
BEn は、1区間の時間(0.5時間)内での不足分の電力の投入量であり、次式(67)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値である。
【数91】
Figure 0004605943
ここで、GPは、1区間の時間(0.5時間)内での熱電併給装置1の発電量であり、次式(68)で表される。
【数92】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。すなわち、負荷電力が定格電力より小さい場合は、電力不足を生じないため零になる。
【0069】
▲2▼運転停止状態
前述第1実施例において電気ヒータ8で変換する熱量が零であるため、電気ヒータ8を設けない場合と同じであり、この第2実施例の作用も、図5の(c)および(d)によって説明した第1実施例における運転停止状態と同じであり、説明は省略する。
【0070】
この第2実施例によれば、最終的に248通りの一次エネルギーの換算値PEが比較手段26に入力され、順次比較して一次エネルギーの換算値PEの小さい方が残され、一次エネルギーの換算値PEが最小となる運転状態と運転停止状態の組み合わせの最適運転状態が求められ、例えば、図9の(a)の電力需要と発電量との相関を示すグラフ、および、図9の(b)の熱需要と発生熱量との相関を示すグラフに示すように、運転制御手段27により、最適運転状態での運転が行われ、省エネルギー性を向上する最適な状態でコージェネレーションシステムを運転できることになる。図9において、aは運転開始時、bは運転終了時を示している。
【0071】
以上のことから、1周期をT、分割時間間隔をdとして整理すると、以下のようになる。
蓄熱タンク2内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(8)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(10)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときには電力需要の変化に追従させて運転することとなる。
【数93】
Figure 0004605943
ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
【0072】
HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(9)式で表される。
【数94】
Figure 0004605943
ここで、En (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。B[En (t’)]は、電力量En (t’)における熱電併給装置の発生熱量を示している。
また、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
【0073】
PE=ΣPEn =ΣGIn ・α+ΣBIn ・α’+ΣBEn ・β……(10)
ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GIn は熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(5a)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
【数95】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量であり、運転停止状態では零となる。
【0074】
ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(10)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
【数96】
Figure 0004605943
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(11)で表される。
【数97】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
【0075】
次に、第3実施例について説明する。
この第3実施例では、熱電併給装置1を500wと定格発電量1kwとの2段に設定した発電量で運転するものとする。すなわち、この第3実施例では、設定時間間隔dを30分(0.5時間)として、1周期Tにおける最初の1区間目の30分間(午前0時から午前0時30分)につき、熱電併給装置1を定格発電量1kwで運転する状態、500wで運転する状態、および、運転を停止する状態それぞれにつき、図8の動作説明に供する参考図を用いて考察する。
また、この第3実施例では、第1実施例と同様に電熱変換手段としての電気ヒータ8を備え、発電電力が電力需要を越えた余剰電力分は熱に変換するようにしている。
【0076】
▲1▼定格発電量1kwでの運転状態
図10の(a)の電力需要と発電量との相関を示すグラフ、および、図10の(b)の熱需要と発生熱量との相関を示すグラフに示すように、余剰電力分YEを電気ヒータ8で熱に変換した熱量をH1 とすると、取得する熱量HT1 は、
HT1 =H1 +発生熱量CH+ガスボイラ21で補う熱量BH
となり、変換熱量H1 は、下記のように表される。
【数98】
Figure 0004605943
但し、e(t’)<F1 であれば、E1 (t’)=e(t’)
e(t’)≧F1 であれば、E1 (t’)=F1
ここで、E1 (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力F1 (1kw)を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
【0077】
また、発生熱量CH=0.5・F1 ・k1 ……(70)
である。ここでk1 は、定格発電量F1 (1kw)での運転した時の熱電比である。
また、ガスボイラ21で補う熱量BHは、
【数99】
Figure 0004605943
となる。BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うようにガスボイラ21を起動する場合の関数を示している。図10の(b)では零とする。
【0078】
一方、消費される熱量は、熱需要量に放熱量を加えたものになり、
【数100】
Figure 0004605943
となる。ここで、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。
【0079】
これらのことから、1区間目の30分間経過後の蓄熱量S(0.5)が、
【数101】
Figure 0004605943
となる。ここで、S(0)は、1区間目の運転開始時における初期蓄熱量である。また、蓄熱量S(0.5)としては、0以上であるとともに、蓄熱タンク2の最大蓄熱量Smax を越えることは無く、次の条件式を満たす必要がある。
【数102】
Figure 0004605943
すなわち、ここで、熱量が不足する場合であれば、ガスボイラ21を起動して不足分の熱量を補うことになる。
【0080】
ここでの一次エネルギーの換算値PEは、
PE=GI1 ・α+BI1 ・α’+BE1 ・β……(75)
となる。GI1 は、熱電併給装置1の運転に要する燃料供給量であり、下記(76)式で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。また、BI1 は、ガスボイラ21の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値である。熱電併給装置1およびガスボイラ21の燃料が同じであれば、α=α’となる。
【数103】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置1によって特定される燃料供給量である。
【0081】
BE1 は、1区間の時間(0.5時間)内での不足分の電力の投入量であり、次式(77)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値である。但し、ここでは零である。
【数104】
Figure 0004605943
ここで、GPは、1区間の時間(0.5時間)内での熱電併給装置1の発電量であり、次式(78)で表される。
【数105】
Figure 0004605943
ここで、E1 (t’)は、負荷電力が定格発電量1kwの電力を越える場合は定格電力量1kwとなり、負荷電力が定格発電量1kwの電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。すなわち、負荷電力が定格電力より小さい場合は、電力不足を生じないため零になる。
【0082】
▲2▼発電量500wでの運転状態
図10の(c)の電力需要と発電量との相関を示すグラフ、および、図10の(d)の熱需要と発生熱量との相関を示すグラフに示すように、発電電力F2 が電力需要e(t’)よりも小さくて余剰電力分が無いために、変換熱量H1 が零であり、取得する熱量HT1 は、
HT1 =発生熱量CH+ガスボイラ21で補う熱量BH
となる。
【0083】
また、発生熱量CH=0.5・F2 ・k2 ……(79)
である。ここでk2 は、発電量F2 (500kw)での運転した時の熱電比である。
また、ガスボイラ21で補う熱量BHは、
【数106】
Figure 0004605943
となる。BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うようにガスボイラ21を起動する場合の関数を示している。図10の(d)では零とする。
【0084】
一方、消費される熱量は、熱需要量に放熱量を加えたものになり、
【数107】
Figure 0004605943
となる。ここで、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。
【0085】
これらのことから、1区間目の30分間経過後の蓄熱量S(0.5)が、
【数108】
Figure 0004605943
となる。ここで、S(0)は、1区間目の運転開始時における初期蓄熱量である。また、蓄熱量S(0.5)としては、0以上であるとともに、蓄熱タンク2の最大蓄熱量Smax を越えることは無く、次の条件式を満たす必要がある。
【数109】
Figure 0004605943
すなわち、ここで、熱量が不足する場合であれば、ガスボイラ21を起動して不足分の熱量を補うことになる。
【0086】
ここでの一次エネルギーの換算値PEは、
PE=GI1 ・α+BI1 ・α’+BE1 ・β……(84)
となる。GI1 は、熱電併給装置1の運転に要する燃料供給量であり、下記(85)式で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。また、BI1 は、ガスボイラ21の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値である。熱電併給装置1およびガスボイラ21の燃料が同じであれば、α=α’となる。
【数110】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置1によって特定される燃料供給量である。
【0087】
BE1 は、1区間の時間(0.5時間)内での不足分の電力の投入量であり、次式(86)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値である。
【数111】
Figure 0004605943
ここで、GPは、1区間の時間(0.5時間)内での熱電併給装置1の発電量であり、次式(87)で表される。
【数112】
Figure 0004605943
ここで、E1 (t’)は、負荷電力が設定発電量500wの電力を越える場合は設定電力量500wとなり、負荷電力が設定発電量500wの電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。
【0088】
▲3▼運転停止状態
この第3実施例の作用は、図5の(c)および(d)によって説明した第1実施例における運転停止状態と同じであり、説明は省略する。
【0089】
この第3実施例の場合、最終的に348通りの一次エネルギーの換算値PEが比較手段26に入力され、順次比較して一次エネルギーの換算値PEの小さい方が残され、一次エネルギーの換算値PEが最小となる、発電量500wおよび1kwそれぞれの運転状態と運転停止状態の組み合わせの最適運転状態が求められ、例えば、図11の(a)の電力需要と発電量との相関を示すグラフ、および、図11の(b)の熱需要と発生熱量との相関を示すグラフに示すように、運転制御手段27により、最適運転状態での運転が行われ、省エネルギー性を向上する最適な状態でコージェネレーションシステムを運転できることになる。図11において、a1は発電量500wでの運転開始時、a2は発電量500wでの運転終了時でかつ発電量1kwでの運転開始時、a3は発電量1kwでの運転終了時を示している。
【0090】
1周期としての1日間経過後において、その周期で取得した熱を翌日に消費することを許容するものであり、蓄熱タンク2内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)は、最大蓄熱量Smax を越えない範囲のどのような値であっても良い。
また、上記第3実施例では、500w運転および定格発電量1kw運転の2種類のステップ運転を行うようにしているが、本発明としては、例えば、700w運転および定格発電量1kw運転の2段に設定した発電量の運転を行うとか、500w運転、700w運転および定格発電量1kw運転などの3段以上に設定した発電量の運転を行うようにしても良く、要するに複数段の設定発電量で運転する場合を含むものである。
【0091】
以上のことから、1周期をT、分割時間間隔をdとして整理すると、以下のようになる。
蓄熱タンク2内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(13)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(16)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、熱電併給装置1を複数段の設定発電量で運転するとともに電力需要が設定発電量の電力よりも小さいときの余剰電力を電気ヒータなどの電熱変換手段で熱に変換することになる。
【数113】
Figure 0004605943
ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
【0092】
HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(14)式で表される。
【数114】
Figure 0004605943
ここで、Fm は設定発電量を、km は設定発電量Fm での熱電比をそれぞれ示している。mは、2以上で発電量の設定段数までの正の整数である。また、Hn は余剰電力を電熱変換手段で熱に変換した変換熱量で、Fm >En (t’)の分を積算するものであり、下記(15)式で表される。
【数115】
Figure 0004605943
但し、e(t’)<Fm であれば、En (t’)=e(t’)
e(t’)≧Fm であれば、En (t’)=Fm
ここで、En (t’)は、負荷電力が設定発電量Fm を越える場合は設定電力量となり、負荷電力が設定発電量Fm より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
上記(14)式において、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
【0093】
PE=ΣPEn =ΣGIn ・α+ΣBIn ・α’+ΣBEn ・β……(16)
ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GIn は熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(17)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
【数116】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量であり、運転停止状態では零となる。
【0094】
ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(18)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
【数117】
Figure 0004605943
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(19)で表される。
【数118】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が設定発電量Fm を越える場合は設定電力量となり、負荷電力が設定発電量Fm より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。
【0095】
図12は、コージェネレーションシステムの第4実施例を示すシステム構成図であり、第1実施例と異なるところは次の通りである。
すなわち、電気ヒータ8を無くし、電力線15に、スイッチ回路31を介して電力供給線32が接続され、余剰電力の発生時に、その余剰電力分を第3者に売るように売電手段33が構成されている。
電力供給線32には電力計34が介装され、第3者に売った電力量を計測するように構成されている。他の構成は第1実施例と同じであり、同一図番を付すことによりその説明は省略する。
【0096】
図13の第4実施例のブロック図に示すように、熱電併給装置1、スイッチ回路31およびガスボイラ21にはマイクロコンピュータ35が接続されている。
マイクロコンピュータ35には、前述第1実施例と同様に、需要変化特定手段23と運転状態入力手段24と演算手段25と比較手段26と運転制御手段27とが備えられている。
【0097】
この第4実施例では、電気ヒータ8で熱に変換しない分だけ取得熱量が減少し、かつ、第3者に売った余剰電力分を一次エネルギーに換算した分だけ一次エネルギーの換算値が減少することになり、次に説明する。
【0098】
▲1▼運転状態
取得する熱量HT1 は、
HT1 =発生熱量CH+ガスボイラ21で補う熱量BH
となる。
【0099】
また、発生熱量CH=0.5・F・k ……(88)
である。ここでkは熱電比である。
また、ガスボイラ21で補う熱量BHは、
【数119】
Figure 0004605943
となる。BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うようにガスボイラ21を起動する場合の関数を示している。
【0100】
一方、消費される熱量は、熱需要量に放熱量を加えたものになり、
【数120】
Figure 0004605943
となる。ここで、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。
【0101】
これらのことから、1区間目の30分間経過後の蓄熱量S(0.5)が、
【数121】
Figure 0004605943
となる。ここで、S(0)は、1区間目の運転開始時における初期蓄熱量である。また、蓄熱量S(0.5)としては、0以上であるとともに、蓄熱タンク2の最大蓄熱量Smax を越えることは無く、次の条件式を満たす必要がある。
【数122】
Figure 0004605943
すなわち、ここで、熱量が不足する場合であれば、ガスボイラ21を起動して不足分の熱量を補うことになる。
【0102】
ここでの一次エネルギーの換算値PEは、
PE=GI1 ・α+BI1 ・α’+BE1 ・β−SE1 ・γ……(93)
となる。GI1 は、熱電併給装置1の運転に要する燃料供給量であり、下記(94)式で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。また、BI1 は、ガスボイラ21の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値である。熱電併給装置1およびガスボイラ21の燃料が同じであれば、α=α’となる。
【数123】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置1によって特定される燃料供給量である。
【0103】
BE1 は、1区間の時間(0.5時間)内での不足分の電力の投入量であり、次式(95)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値である。但し、ここでは、電力不足では無いために、BE1 は零である。
【数124】
Figure 0004605943
ここで、GPは、1区間の時間(0.5時間)内での熱電併給装置1の発電量であり、次式(96)で表される。
【数125】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。すなわち、負荷電力が定格電力より小さい場合は、電力不足を生じないため零になる。
【0104】
また、SE1 は、売電手段で第3者に売る余剰電力量[図5の(a)の余剰電力分YEに相当]で、F>E1 (t’)の分を積算するものであり、下記(97)式で表され、また、γは第3者に売るときの価格分を一次エネルギーに換算した換算値である。
【数126】
Figure 0004605943
但し、e(t’)<Fであれば、E1 (t’)=e(t’)
e(t’)≧Fであれば、E1 (t’)=F
ここで、E1 (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
【0105】
▲2▼運転停止状態
熱電併給装置1が運転されないために、余剰電力が発生せず、第1実施例で説明した場合と同じである。すなわち、取得熱量HT1 が、
HT1 =ガスボイラ21で補う熱量BH
となり、ガスボイラ21で補う熱量BHは、前述(89)式の通りである。条件式としては、前述運転状態のときと同様に(92)式となる。
【0106】
この場合の一次エネルギーの換算値PEは、GI1 ・αおよびSE1 ・γが零となり、
PE=BI1 ・α’+BE1 ・β……(98)
となる。
BI1 は、ガスボイラ21の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値である。
BE1 は、1区間の時間(0.5時間)内での不足分の電力の投入量であり、熱電併給装置1の発電量が零であるために次式(99)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値である。
【数127】
Figure 0004605943
【0107】
上述のようにして、運転状態と運転停止状態とを30分ごとの各区間で順次求めることになり、その条件式は下記(100)式で表される。
【数128】
Figure 0004605943
ここで、nは1〜48(24÷0.5)の正の整数である。
【0108】
一次エネルギーの換算値PEは次の通りである。
Figure 0004605943
ここで、ΣPEn は、n=1〜48の一次エネルギーの総和である。GIn は熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(102)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜48の総和を求めている。また、BIn はガスボイラ21の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜48の総和を求めている。
【数129】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量であり、運転停止状態では零となる。
【0109】
ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(103)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBEn ・βはn=1〜48の総和を求めている。
【数130】
Figure 0004605943
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(104)で表される。
【数131】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。
【0110】
また、ΣSEn は売電手段で第3者に売る余剰電力量で、F>En (t’)の分を積算するものであり、下記(105)式で表され、また、γは第3者に売るときの価格分を一次エネルギーに換算した換算値であり、n=1〜48の総和を求めている。
【数132】
Figure 0004605943
但し、e(t’)<Fであれば、En (t’)=e(t’)
e(t’)≧Fであれば、En (t’)=F
ここで、En (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
【0111】
1周期としての1日間経過後において、その周期で取得した熱を翌日に消費することを許容するものであり、蓄熱タンク2内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)は、最大蓄熱量Smax を越えない範囲のどのような値であっても良い。
【0112】
上述の結果、第1実施例と同様に、運転停止状態と運転状態との様々な組み合わせが入力されて一次エネルギーの換算値PEが求められる。
【0113】
最終的に248通りの一次エネルギーの換算値PEが比較手段26に入力され、順次比較して一次エネルギーの換算値PEの小さい方が残され、一次エネルギーの換算値PEが最小となる運転状態と運転停止状態の組み合わせの最適運転状態が求められ、運転制御手段27により、最適運転状態での運転が行われ、省エネルギー性を向上する最適な状態でコージェネレーションシステムを運転できることになる。
【0114】
この第4実施例において、1周期をT、分割時間間隔をdとして整理すると、以下のようになる。
蓄熱タンク2内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(20)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(22)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときの余剰電力を売電手段33で第3者に売ることになる。
【数133】
Figure 0004605943
ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(21)式で表される。
【数134】
Figure 0004605943
ここで、Fは定格発電量の電力を、kは熱電比をそれぞれ示している。
上記(21)式において、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
Figure 0004605943
ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GIn は熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(23)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
【数135】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量であり、運転停止状態では零となる。
ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(24)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
【数136】
Figure 0004605943
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(25)で表される。
【数137】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。また、ΣSEn は売電手段で第3者に売る余剰電力量で、F>En (t’)の分を積算するものであり、下記(26)式で表され、また、γは第3者に売るときの価格分を一次エネルギーに換算した換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
【数138】
Figure 0004605943
但し、e(t’)<Fであれば、En (t’)=e(t’)
e(t’)≧Fであれば、En (t’)=F
ここで、En (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
【0115】
次に、第5実施例について説明する。
この第5実施例では、第3実施例と同様に、熱電併給装置1を500wと定格発電量1kwとの2段に設定した発電量で運転するものとする。また、この第5実施例では、第4実施例と同様に売電手段33を備え、発電電力が電力需要を越えた余剰電力分は第3者に売るようにしている。
【0116】
▲1▼定格発電量1kwでの運転状態
取得する熱量HT1 は、
HT1 =H1 +発生熱量CH+ガスボイラ21で補う熱量BH
となる。
【0117】
また、発生熱量CH=0.5・F1 ・k1 ……(106)
である。ここでk1 は、定格発電量F1 (1kw)での運転した時の熱電比である。
また、ガスボイラ21で補う熱量BHは、
【数139】
Figure 0004605943
となる。BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うようにガスボイラ21を起動する場合の関数を示している。図10の(b)では零とする。
【0118】
一方、消費される熱量は、熱需要量に放熱量を加えたものになり、
【数140】
Figure 0004605943
となる。ここで、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。
【0119】
これらのことから、1区間目の30分間経過後の蓄熱量S(0.5)が、
【数141】
Figure 0004605943
となる。ここで、S(0)は、1区間目の運転開始時における初期蓄熱量である。また、蓄熱量S(0.5)としては、0以上であるとともに、蓄熱タンク2の最大蓄熱量Smax を越えることは無く、次の条件式を満たす必要がある。
【数142】
Figure 0004605943
すなわち、ここで、熱量が不足する場合であれば、ガスボイラ21を起動して不足分の熱量を補うことになる。
【0120】
ここでの一次エネルギーの換算値PEは、
PE=GI1 ・α+BI1 ・α’+BE1 ・β−SE1 ・γ……(111)
となる。GI1 は、熱電併給装置1の運転に要する燃料供給量であり、下記(112)式で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。また、BI1 は、ガスボイラ21の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値である。熱電併給装置1およびガスボイラ21の燃料が同じであれば、α=α’となる。
【数143】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置1によって特定される燃料供給量である。
【0121】
BE1 は、1区間の時間(0.5時間)内での不足分の電力の投入量であり、次式(113)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値である。
但し、ここでは零である。
【数144】
Figure 0004605943
ここで、GPは、1区間の時間(0.5時間)内での熱電併給装置1の発電量であり、次式(114)で表される。
【数145】
Figure 0004605943
ここで、E1 (t’)は、負荷電力が定格発電量1kwの電力を越える場合は定格電力量1kwとなり、負荷電力が定格発電量1kwの電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。すなわち、負荷電力が定格電力より小さい場合は、電力不足を生じないため零になる。
【0122】
また、SE1 は、売電手段で第3者に売る余剰電力量[図10の(a)の余剰電力分YEに相当]で、F1 >E1 (t’)の分を積算するものであり、下記(115)式で表され、また、γは第3者に売るときの価格分を一次エネルギーに換算した換算値である。
【数146】
Figure 0004605943
但し、e(t’)<F1 であれば、E1 (t’)=e(t’)
e(t’)≧F1 であれば、E1 (t’)=F1
ここで、E1 (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
【0123】
▲2▼発電量500wでの運転状態
図10の(c)の電力需要と発電量との相関を示すグラフ、および、図10の(d)の熱需要と発生熱量との相関を示すグラフに示すように、発電電力F2 が電力需要e(t’)よりも小さくて余剰電力分が無いために、変換熱量H1 が零であり、取得する熱量HT1 は、
HT1 =発生熱量CH+ガスボイラ21で補う熱量BH
となる。
【0124】
また、発生熱量CH=0.5・F2 ・k2 ……(116)
である。ここでk2 は、発電量F2 (500kw)での運転した時の熱電比である。
また、ガスボイラ21で補う熱量BHは、
【数147】
Figure 0004605943
となる。BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うようにガスボイラ21を起動する場合の関数を示している。図10の(d)では零とする。
【0125】
一方、消費される熱量は、熱需要量に放熱量を加えたものになり、
【数148】
Figure 0004605943
となる。ここで、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。
【0126】
これらのことから、1区間目の30分間経過後の蓄熱量S(0.5)が、
【数149】
Figure 0004605943
となる。ここで、S(0)は、1区間目の運転開始時における初期蓄熱量である。また、蓄熱量S(0.5)としては、0以上であるとともに、蓄熱タンク2の最大蓄熱量Smax を越えることは無く、次の条件式を満たす必要がある。
【数150】
Figure 0004605943
すなわち、ここで、熱量が不足する場合であれば、ガスボイラ21を起動して不足分の熱量を補うことになる。
【0127】
ここでの一次エネルギーの換算値PEは、
PE=GI1 ・α+BI1 ・α’+BE1 ・β……(121)
となる。GI1 は、熱電併給装置1の運転に要する燃料供給量であり、下記(122)式で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。また、BI1 は、ガスボイラ21の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値である。熱電併給装置1およびガスボイラ21の燃料が同じであれば、α=α’となる。
【数151】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置1によって特定される燃料供給量である。
【0128】
BE1 は、1区間の時間(0.5時間)内での不足分の電力の投入量であり、次式(123)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値である。
【数152】
Figure 0004605943
ここで、GPは、1区間の時間(0.5時間)内での熱電併給装置1の発電量であり、次式(124)で表される。
【数153】
Figure 0004605943
ここで、E1 (t’)は、負荷電力が設定発電量500wの電力を越える場合は設定電力量500wとなり、負荷電力が設定発電量500wの電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。なお、この負荷電力が設定発電量500wの電力より小さい場合は余剰電力が発生し、(111)式によって一次エネルギーの換算値が求められる。
【0129】
▲3▼運転停止状態
この第5実施例の作用は、図5の(c)および(d)によって説明した第1実施例における運転停止状態と同じであり、説明は省略する。
【0130】
この第5実施例の場合、最終的に348通りの一次エネルギーの換算値PEが比較手段26に入力され、順次比較して一次エネルギーの換算値PEの小さい方が残され、一次エネルギーの換算値PEが最小となる、発電量500wおよび1kwそれぞれの運転状態と運転停止状態の組み合わせの最適運転状態が求められ、運転制御手段27により、最適運転状態での運転が行われ、省エネルギー性を向上する最適な状態でコージェネレーションシステムを運転できることになる。
【0131】
1周期としての1日間経過後において、その周期で取得した熱を翌日に消費することを許容するものであり、蓄熱タンク2内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)は、最大蓄熱量Smax を越えない範囲のどのような値であっても良い。
また、上記第3実施例では、500w運転および定格発電量1kw運転の2種類のステップ運転を行うようにしているが、本発明としては、例えば、700w運転および定格発電量1kw運転の2段に設定した発電量の運転を行うとか、500w運転、700w運転および定格発電量1kw運転などの3段以上に設定した発電量の運転を行うようにしても良く、要するに複数段の設定発電量で運転する場合を含むものである。
【0132】
以上のことから、1周期をT、分割時間間隔をdとして整理すると、以下のようになる。
蓄熱タンク2内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(27)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(29)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、熱電併給装置1を複数段の設定発電量で運転するとともに電力需要が設定発電量の電力よりも小さいときの余剰電力を電気ヒータなどの電熱変換手段で熱に変換することになる。
【数154】
Figure 0004605943
ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
【0133】
HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(28)式で表される。
【数155】
Figure 0004605943
ここで、Fm は設定発電量を、km は設定発電量Fm での熱電比をそれぞれ示している。mは、2以上で発電量の設定段数までの正の整数である。
上記(28)式において、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
Figure 0004605943
ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GIn は熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(30)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
【数156】
Figure 0004605943
ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量であり、運転停止状態では零となる。
ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(31)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
【数157】
Figure 0004605943
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(32)で表される。
【数158】
Figure 0004605943
ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。また、ΣSEn は売電手段で第3者に売る余剰電力量で、F>En (t’)の分を積算するものであり、下記(33)式で表され、また、γは第3者に売るときの価格分を一次エネルギーに換算した換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
【数159】
Figure 0004605943
但し、e(t’)<Fm であれば、En (t’)=e(t’)
e(t’)≧Fm であれば、En (t’)=F
ここで、En (t’)は、負荷電力が設定発電量Fm を越える場合は設定電力量となり、負荷電力が設定発電量Fm より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
【0134】
図14は、第6実施例のブロック図であり、第1実施例と異なるところは次の通りである。
すなわち、マイクロコンピュータ22に熱電併給装置1の1周期内における発停回数が設定する発停回数設定手段41が接続され、この発停回数設定手段41で設定した発停回数を演算手段25に入力するようになっている。
【0135】
演算手段25では、運転状態入力手段24から入力される運転状態の発停回数が、発停回数設定手段41から入力される設定発停回数を越えたときに、一次エネルギーの換算値の演算を停止して、次の運転状態の入力に移行するようになっている。
【0136】
この第6実施例によれば、熱電併給装置1の1周期内における発停回数が設定回数以下で一次エネルギーの換算値PEが最小となる組み合わせの最適運転状態を求めることができ、熱電併給装置1の耐久性を向上できる。
発停回数としては、熱電併給装置1の特性や希望する耐用年数などによって適宜所望の回数を設定すれば良い。例えば、希望する耐用年数が10年であれば3回程度に、そして、スタータ等の交換を考慮すれば6回程度に設定する、といった具合である。なお、この構成は、第2、第3、第4および第5実施例にも同様に適用できる。
【0137】
上記第1、第2、第3、第4、第5および第6実施例それぞれにおけるシステムからの放熱量ex(t’)は、蓄熱タンク2、配管および熱電併給装置1の筐体からの放熱量ST(t),PL(t),GE(t)を含み、いずれも、主としてシステム構築時の規模に比例した熱容量によって決まるものである。例えば、配管や熱電併給装置1の筐体や蓄熱タンク2を断熱材で覆うような構成を採用すれば、その放熱量を抑えることができるが、断熱材の断熱効果もシステム構築時に予め特定できるものであり、いずれにしても、配管や熱電併給装置1の筐体や蓄熱タンク2からの放熱量は、実験や計算や学習効果などによって予め特定できるものである。
【0138】
また、初期蓄熱量S(0)は、予め特定される電力需要と熱需要とに基づいて適宜設定されるものであり、予め特定できるものである。表−1に基づけば、初期蓄熱量は2,000[×(1/860)kW]である。
【0139】
本発明は、家庭用や製造工場や商用ビルなどの各種の用途のコージェネレーションシステムに適用できる。
【0140】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1および請求項2に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法によれば、電力需要が定格発電量よりも小さいときの電力需要を越える余剰の電力を電熱変換手段によって熱に変換し、熱電併給装置を定格発電量で運転して発電するから、定格発電量よりも小さい発電量で運転する場合に比べて見掛け上の発電効率を高くできる。
しかも、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄うために消費することを許容し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱する分と、不足分の電力を買電手段で賄うことと、変換した熱や熱電併給装置で発生した熱や蓄熱タンクに貯めた熱量で熱需要を賄うのに不足するときに不足分の熱を補助加熱手段で補うことをも考慮して、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となるように運転するから、蓄熱タンクの容量の制約に起因してわずかな熱量不足を生じても、補助加熱手段の利用により良好に対処でき、放熱ロスのより少ない状態を選択して熱電併給装置を運転でき、省エネルギー性を良好に向上できる。
【0141】
また、請求項3および請求項4に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法によれば、電力需要が定格発電量を越えるときは熱電併給装置を定格発電量で運転して発電するから発電効率を高くでき、また、電力需要が定格発電量よりも小さいときは熱電併給装置を電力需要に追従して運転して発電し、余剰電力を発生させないようにするから、常時定格発電量で運転するよりも効率を向上できるとともに熱に変換するための構成を不用にできる。
しかも、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄うために消費することを許容し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱する分と、不足分の電力を買電手段で賄うことと、変換した熱や熱電併給装置で発生した熱や蓄熱タンクに貯めた熱量で熱需要を賄うのに不足するときに不足分の熱を補助加熱手段で補うことをも考慮して、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となるように運転するから、蓄熱タンクの容量の制約に起因してわずかな熱量不足を生じても、補助加熱手段の利用により良好に対処でき、放熱ロスのより少ない状態を選択して熱電併給装置を運転でき、省エネルギー性を良好に向上できる。
【0142】
また、請求項5および請求項6に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法によれば、熱電併給装置を複数段に設定した発電量で運転するから、常時一定出力で運転するよりも余剰電力が少なく効率良い運転ができる。
しかも、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄うために消費することを許容し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱する分と、不足分の電力を買電手段で賄うことと、変換した熱や熱電併給装置で発生した熱や蓄熱タンクに貯めた熱量で熱需要を賄うのに不足するときに不足分の熱を補助加熱手段で補うことをも考慮して、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となるように運転するから、蓄熱タンクの容量の制約に起因してわずかな熱量不足を生じても、補助加熱手段の利用により良好に対処でき、放熱ロスのより少ない状態を選択して熱電併給装置を運転でき、省エネルギー性を良好に向上できる。
【0143】
また、請求項7および請求項8に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法によれば、電力需要が定格発電量よりも小さいときの電力需要を越える余剰の電力を売電手段によって第3者に売り、熱電併給装置を定格発電量で運転して発電するから、定格発電量よりも小さい発電量で運転する場合に比べて見掛け上の発電効率を高くできる。
しかも、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄うために消費することを許容し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱する分と、不足分の電力を買電手段で賄うことと、余剰の電力を売電手段によって第3者に売ること、ならびに、熱電併給装置で発生した熱や蓄熱タンクに貯めた熱量で熱需要を賄うのに不足するときに不足分の熱を補助加熱手段で補うことをも考慮して、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となるように運転するから、蓄熱タンクの容量の制約に起因してわずかな熱量不足を生じても、補助加熱手段の利用により良好に対処でき、放熱ロスのより少ない状態を選択して熱電併給装置を運転でき、省エネルギー性を良好に向上できる。
【0144】
また、請求項9および請求項10に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法によれば、熱電併給装置を複数段に設定した発電量で運転するから、常時一定出力で運転するよりも余剰電力が少なく効率良い運転ができる。
しかも、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄うために消費することを許容し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱する分と、不足分の電力を買電手段で賄うことと、余剰の電力を売電手段によって第3者に売ること、ならびに、熱電併給装置で発生した熱や蓄熱タンクに貯めた熱量で熱需要を賄うのに不足するときに不足分の熱を補助加熱手段で補うことをも考慮して、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となるように運転するから、蓄熱タンクの容量の制約に起因してわずかな熱量不足を生じても、補助加熱手段の利用により良好に対処でき、放熱ロスのより少ない状態を選択して熱電併給装置を運転でき、省エネルギー性を良好に向上できる。
【0145】
また、請求項11に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法によれば、使用する熱電併給装置個々の特性や希望する耐用年数などに応じて、その発停回数を設定し、必要以上の発停の繰り返しを回避し、熱電併給装置の寿命が早期に低下することを防止して耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るコージェネレーションシステムを示すシステム構成図である。
【図2】ブロック図である。
【図3】実施例の説明に供する電力需要の経時的変化を示すグラフである。
【図4】実施例の説明に供する熱需要の経時的変化を示すグラフである。
【図5】第1実施例の動作説明に供する参考図であり、(a)および(c)は、それぞれ電力需要と発電量との相関を示し、(b)および(d)は、それぞれ熱需要と発生熱量との相関を示している。
【図6】(a)、(b)、(c)および(d)は、それぞれ運転停止状態と運転状態との組み合わせ例を示すタイムチャートである。
【図7】第1実施例の最適運転状態を例示するグラフであり、(a)は電力需要と発電量との相関を示し、(b)は熱需要と発生熱量との相関を示している。
【図8】第2実施例の動作説明に供する参考図であり、(a)および(c)は、それぞれ電力需要と発電量との相関を示し、(b)および(d)は、それぞれ熱需要と発生熱量との相関を示している。
【図9】第2実施例の最適運転状態を例示するグラフであり、(a)は電力需要と発電量との相関を示し、(b)は熱需要と発生熱量との相関を示している。
【図10】第3実施例の動作説明に供する参考図であり、(a)および(c)は、それぞれ電力需要と発電量との相関を示し、(b)および(d)は、それぞれ熱需要と発生熱量との相関を示している。
【図11】第3実施例の最適運転状態を例示するグラフであり、(a)は電力需要と発電量との相関を示し、(b)は熱需要と発生熱量との相関を示している。
【図12】本発明の第4実施例に係るコージェネレーションシステムを示すシステム構成図である。
【図13】第4実施例のブロック図である。
【図14】第6実施例のブロック図である。
【符号の説明】
1…熱電併給装置
2…蓄熱タンク
8…電熱変換手段としての電気ヒータ
19…買電手段
21…補助加熱手段としてのガスボイラ
23…需要変化特定手段
33…売電手段
41…発停回数設定手段

Claims (11)

  1. 定格発電量の電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
    前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
    前記熱電併給装置で発生した電力を熱に変換する電熱変換手段と、
    不足分の熱量を補う補助加熱手段と、
    所定時間を1周期として、その1周期内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
    不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
    前記1周期内での熱需要分またはその大半に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期を設定時間間隔ごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときの余剰電力を前記電熱変換手段で熱に変換することを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法
  2. 請求項1に記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
    所定時間を1周期Tとして、その1周期T内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
    前記1周期T内での熱需要分またはその大半に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期Tを設定時間間隔dごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(1)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(4)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときの余剰電力を前記電熱変換手段で熱に変換することを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法。
    Figure 0004605943
    ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
    HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(2)式で表される。
    Figure 0004605943
    ここで、Fは定格発電量の電力を、kは熱電比をそれぞれ示している。また、Hn は余剰電力を電熱変換手段で熱に変換した変換熱量で、F>En (t’)の分を積算するものであり、下記(3)式で表される。
    Figure 0004605943
    但し、e(t’)<Fであれば、En (t’)=e(t’)
    e(t’)≧Fであれば、En (t’)=F
    ここで、En (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
    上記(2)式において、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
    PE=ΣPEn =ΣGIn ・α+ΣBIn ・α’+ΣBEn ・β……(4)
    ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GInは熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(5)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
    Figure 0004605943
    ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量であり、運転停止状態では零となる。
    ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(6)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
    Figure 0004605943
    ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(7)で表される。
    Figure 0004605943
    ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。
  3. 負荷電力が定格発電量より少ない場合に負荷電力に合わせて運転することができる電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
    前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
    不足分の熱量を補う補助加熱手段と、
    所定時間を1周期として、その1周期内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
    不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
    前記1周期内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期を設定時間間隔ごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときには電力需要の変化に追従させて運転することを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法
  4. 請求項3に記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
    所定時間を1周期Tとして、その1周期T内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
    前記1周期T内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期Tを設定時間間隔dごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(8)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(10)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときには電力需要の変化に追従させて運転することを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法。
    Figure 0004605943
    ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
    HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(9)式で表される。
    Figure 0004605943
    ここで、En (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。B[En (t’)]は、電力量En (t’)における熱電併給装置の発生熱量を示している。
    また、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
    PE=ΣPEn =ΣGIn ・α+ΣBIn ・α’+ΣBEn ・β……(10)
    ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GInは熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(5a)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
    Figure 0004605943
    ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量であり、運転停止状態では零となる。
    ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(11)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
    Figure 0004605943
    ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(12)で表される。
    Figure 0004605943
    ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
  5. 複数段に設定した発電量で運転して設定発電量の電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
    前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
    前記熱電併給装置で発生した電力を熱に変換する電熱変換手段と、
    不足分の熱量を補う補助加熱手段と、
    所定時間を1周期として、その1周期および次の1周期それぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
    不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
    前記1周期内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期を設定時間間隔ごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を複数段の設定発電量それぞれで運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を複数段の定格発電量で運転するとともに電力需要が設定発電量よりも小さいときの余剰電力を前記電熱変換手段で熱に変換することを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法
  6. 請求項5に記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
    所定時間を1周期Tとして、その1周期Tおよび次の1周期Tそれぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
    前記1周期T内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期Tを設定時間間隔dごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を複数段の設定発電量それぞれで運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(13)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(16)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を複数段の定格発電量で運転するとともに電力需要が設定発電量よりも小さいときの余剰電力を前記電熱変換手段で熱に変換することを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法。
    Figure 0004605943
    ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
    HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(14)式で表される。
    Figure 0004605943
    ここで、Fm は設定発電量を、km は設定発電量Fm での熱電比をそれぞれ示している。mは、2以上で発電量の設定段数までの正の整数である。また、Hnは余剰電力を電熱変換手段で熱に変換した変換熱量で、Fm >En (t’)の分を積算するものであり、下記(15)式で表される。
    Figure 0004605943
    但し、e(t’)<Fm であれば、En (t’)=e(t’)
    e(t’)≧Fm であれば、En (t’)=Fm
    ここで、En (t’)は、負荷電力が設定発電量Fm を越える場合は設定電力量となり、負荷電力が設定発電量Fm より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
    上記(14)式において、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
    PE=ΣPEn =ΣGIn ・α+ΣBIn ・α’+ΣBEn ・β……(16)
    ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GInは熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(17)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
    Figure 0004605943
    ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量であり、運転停止状態では零となる。
    ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(18)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
    Figure 0004605943
    ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(19)で表される。
    Figure 0004605943
    ここで、E(t’)は、負荷電力が設定発電量Fm を越える場合は設定電力量となり、負荷電力が設定発電量Fm より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。
  7. 定格発電量の電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
    前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
    前記熱電併給装置で発生した電力を第3者に売る売電手段と、
    不足分の熱量を補う補助加熱手段と、
    所定時間を1周期として、その1周期内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
    不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
    前記1周期内での熱需要分またはその大半に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期を設定時間間隔ごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときの余剰電力を前記売電手段で第3者に売ることを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法
  8. 請求項7に記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
    所定時間を1周期Tとして、その1周期T内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
    前記1周期T内での熱需要分またはその大半に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期Tを設定時間間隔dごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(20)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(22)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量の電力よりも小さいときの余剰電力を前記売電手段で第3者に売ることを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法。
    Figure 0004605943
    ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
    HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(21)式で表される。
    Figure 0004605943
    ここで、Fは定格発電量の電力を、kは熱電比をそれぞれ示している。
    上記(21)式において、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
    PE=ΣPEn
    =ΣGIn ・α+ΣBIn ・α’+ΣBEn ・β−ΣSEn ・γ…(22)
    ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GInは熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(23)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
    Figure 0004605943
    ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量であり、運転停止状態では零となる。
    ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(24)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
    Figure 0004605943
    ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(25)で表される。
    Figure 0004605943
    ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。また、ΣSEn は売電手段で第3者に売る余剰電力量で、F>En (t’)の分を積算するものであり、下記(26)式で表され、また、γは第3者に売るときの価格分を一次エネルギーに換算した換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
    Figure 0004605943
    但し、e(t’)<Fであれば、En (t’)=e(t’)
    e(t’)≧Fであれば、En (t’)=F
    ここで、En (t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
  9. 複数段に設定した発電量で運転して設定発電量の電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
    前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
    前記熱電併給装置で発生した電力を第3者に売る売電手段と、
    不足分の熱量を補う補助加熱手段と、
    所定時間を1周期として、その1周期および次の1周期それぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
    不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
    前記1周期内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期を設定時間間隔ごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を複数段の設定発電量それぞれで運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上でかつ最大蓄熱量を越えないようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を複数段の定格発電量で運転するとともに電力需要が設定発電量よりも小さいときの余剰電力を前記売電手段で第3者に売ることを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法
  10. 請求項9に記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
    所定時間を1周期Tとして、その1周期Tおよび次の1周期Tそれぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
    前記1周期T内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費するとともに、余剰となった熱を次の周期で消費することを許容し、かつ、不足分の熱量を前記補助加熱手段で補い、前記1周期Tを設定時間間隔dごとに分割して、各分割時間それぞれにおいて前記熱電併給装置を複数段の設定発電量それぞれで運転する状態と停止する状態とを想定し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S(t+n・d)が常に下記条件式(27)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE[式(29)]が最小となる組み合わせの最適運転状態を求め、求められた最適運転状態によって、前記熱電併給装置を複数段の定格発電量で運転するとともに電力需要が設定発電量よりも小さいときの余剰電力を前記売電手段で第3者に売ることを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法。
    Figure 0004605943
    ここで、S[t+(n−1)d]は各分割時間の運転開始時の蓄熱タンク内の蓄熱量を示している。また、nは、1〜T/dの正の整数であり、h(t’)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t’)はシステムからの放熱量である。Smax は、蓄熱タンクの最大蓄熱量を示している。
    HTn は分割時間間隔d内での取得熱量を示し、下記(28)式で表される。
    Figure 0004605943
    ここで、Fm は設定発電量を、km は設定発電量Fm での熱電比をそれぞれ示している。mは、2以上で発電量の設定段数までの正の整数である。
    上記(28)式において、BO(t’)は、熱量不足を生じた際に、その不足分を補うように補助加熱手段を起動する場合の関数を示している。
    PE=ΣPEn
    =ΣGIn ・α+ΣBIn ・α’+ΣBEn ・β−ΣSEn ・γ…(29)
    ここで、ΣPEn は、n=1〜T/dの一次エネルギーの総和である。GInは熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(30)で表され、また、αは燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣGIn ・αはn=1〜T/dの総和を求めている。また、BIn は補助加熱手段の運転に要する燃料供給量であり、α’は燃料の一次エネルギーへの換算値であり、ΣBIn ・α’はn=1〜T/dの総和を求めている。
    Figure 0004605943
    ここで、GI(t’)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量であり、運転停止状態では零となる。
    ΣBEn は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(31)で表され、また、βは電力の一次エネルギーへの換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
    Figure 0004605943
    ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(32)で表される。
    Figure 0004605943
    ここで、E(t’)は、負荷電力が定格発電量の電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。また、ΣSEn は売電手段で第3者に売る余剰電力量で、F>En (t’)の分を積算するものであり、下記(33)式で表され、また、γは第3者に売るときの価格分を一次エネルギーに換算した換算値であり、n=1〜T/dの総和を求めている。
    Figure 0004605943
    但し、e(t’)<Fm であれば、En (t’)=e(t’)
    e(t’)≧Fm であれば、En (t’)=F
    ここで、En (t’)は、負荷電力が設定発電量Fm を越える場合は設定電力量となり、負荷電力が設定発電量Fm より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t’)は、予め特定された電力需要(負荷電力)の経時的変化を示す関数である。
  11. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10のいずれかに記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
    熱電併給装置の1周期内における発停回数を設定する発停回数設定手段を備え、前記熱電併給装置の1周期内における発停回数が設定回数以下で一次エネルギーの換算値PEが最小となる組み合わせの最適運転状態を求めるものであるコージェネレーションシステムの運転方法。
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