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JP4600352B2 - 画像処理装置、画像形成装置および画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置および画像処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、面積階調法を用いて階調表現する画像信号を生成する画像処理装置、画像形成装置および画像処理方法に関する。
電子写真方式やインクジェット方式等を用いた複写機やプリンタ等の画像形成装置では、入力された画像情報に、描画ドットの有無の二値で擬似的に中間階調を再現するスクリーン処理を施し、出力装置によって出力する。
このような画像形成装置によって作成されるドキュメントには、画質の観点から様々なオブジェクトがあり、写真などのイメージ、グラデーションやパッチなどのグラフィック、文字・線などがある。
ここで、スクリーン処理を代表するパラメータに、線数(1インチあたりに同じパターンがどれだけ含まれるか)があるが、前述の画像オブジェクトに対し最適な線数が画像オブジェクトによって異なる。
たとえば、イメージは人間の視覚特性上200線以上が好ましいが、線数が高いとマーキングエンジンの応答性の関係で、階調性や粒状性が悪くなり、低いとスクリーン構造が見えたり質感がなくなるため、170〜230線が用いられることが多い。
グラフィックは、さらに階調性や粒状性が重視されるので、150〜200線くらいが多く、ジャギーや途切れがないことが望ましい文字や線は300線以上が多く用いられる。
つまり、文字や線等を滑らかに表現するためにはできるだけ高線数が望ましいが、あまり高いと階調性や粒状性が劣化する。
このようなトレードオフの関係にある画質課題を解決する手段として、画像特性に最適なスクリーンをページ内で切り替える技術がある。
これには、大きく分けて下記の二つの方式が知られている。
(1)アプリケーションから送られてくるコマンドを解釈して、オブジェクトに分類してスクリーンを切り替える方式。
(2)ラスタライズされた画像データをエッジ検出ウィンドウによりエッジ検出して、エッジ部のみスクリーンを高線数化する方式(特許文献1および2参照)。
エッジ検出してスクリーンを切り替える後者(2)の方式は、ワークフローとしてラスタ画像(例:Tiff画像)による出カをしているユーザーにも対応でき、多種多様の画像に対して有効であるため、汎用性の観点から好ましい。
特開昭62−50979号公報 特開平5−167811号公報
検出ウィンドウを用いるエッジ検出は、たとえば、画像を形成する画素それぞれに対して、3×3画素や5×5画素のエッジ検出ウィンドウによって注目画素とその周囲の画素の濃淡を比較し、濃淡の差が所定の閾値以上であった場合にはエッジ部と判定し、それ以外の場合には非エッジ部とする。そして、それぞれの画素データにエッジ判別タグ(エッジ部タグ,非エッジ部タグ)を付す。
このようにエッジ検出された画像データを、スクリーン処理部が、エッジ判別タグを参照して、エッジ部に対しては高線数(たとえば600線)でスクリーン処理し、非エッジ部に対しては低線数(たとえば200線)でスクリーン処理する。
ここで、前述のごとき検出3×3画素や5×5画素のエッジ検出ウィンドウを用いた単純なエッジ検出では、正確にエッジ検出できない場合があった。
たとえば、同色背景中の線では線自身にジャギーがなくても背景のスクリーンジャギーの影響で線がジャギーとして視認される。また、エッジ検出の閾値近傍の濃度では同じ濃度データでも描画形状によりエッジと判定されたり非エッジと判定されたりして、後段処理とあいまって濃度ギャップが発生する。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、高い精度でのエッジ検出を可能とし、画像品質を向上できる画像処理装置、画像形成装置および画像処理方法を提供することにある。
かかる目的のもと、本願発明の画像処理装置は、画像情報を受け付ける受付手段と、受付手段によって受け付けられた画像情報に対してエッジ検出を行うエッジ検出部と、エッジ検出部による検出結果に基づいて画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を施すスクリーン処理部と、を備え、エッジ検出部は、注目画素の濃度情報と注目画素の周囲のエッジ検出ウィンドウによって定められる画素の濃度情報とを参照して注目画素のエッジ判定を行う第一のエッジ判定部と、エッジ検出ウィンドウ内の画素の濃度情報の内で最小の濃度情報と、予め定められた背景閾値とを比較して、最小の濃度情報が背景閾値以上では、第一のエッジ判定部でエッジ部と判定された注目画素を非エッジ部と再判定する第二のエッジ判定部と、を備えることを特徴とする。
ここで、スクリーン処理部は、複数の異なるスクリーン処理態様を備えており、第二のエッジ判定部は、複数の背景閾値を備え、各スクリーン処理態様に応じて背景閾値を切り替えることを特徴とすることができる。
また、本願の他の発明の画像処理装置は、画像情報を受け付ける受付手段と、受付手段によって受け付けられた画像情報に対してエッジ検出を行うエッジ検出部と、エッジ検出部による検出結果に基づいて画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を施すスクリーン処理部と、を備え、エッジ検出部は、注目画素の濃度情報と注目画素の周囲のエッジ検出ウィンドウによって定められる画素の濃度情報とを参照して注目画素のエッジ判定を行う第一のエッジ判定部と、注目画素の濃度情報と、エッジ検出ウィンドウ内の画素の平均濃度情報とを比較して、注目画素の濃度情報が平均濃度情報未満では、第一のエッジ判定部でエッジ部と判定された注目画素を非エッジ部と再判定する第二のエッジ判定部と、を備えることを特徴とする。
さらに、本願の他の発明の画像処理装置は、画像情報を受け付ける受付手段と、受付手段によって受け付けられた画像情報に対してエッジ検出を行うエッジ検出部と、エッジ検出部による検出結果に基づいて画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を施すスクリーン処理部と、を備え、エッジ検出部は、注目画素の濃度情報と注目画素の周囲のエッジ検出ウィンドウによって定められる画素の濃度情報とを参照して注目画素のエッジ判定を行う第一のエッジ判定部と、注目画素の濃度情報と、予め定められた注目画素濃度情報閾値とを比較して、注目画素の濃度情報が注目画素濃度情報閾値以上では、第一のエッジ判定部で非エッジ部と判定された注目画素をエッジ部と再判定する第二のエッジ判定部と、を備えることを特徴とする。
ここで、スクリーン処理部は、複数の異なるスクリーン処理態様を備えており、第二のエッジ判定部は、複数の注目画素濃度情報閾値を備え、各スクリーン処理態様に応じて注目画素濃度情報閾値を切り替えることを特徴とすることができる。
本願発明の画像形成装置は、取得した画像情報に画像処理を施す画像処理部と、画像処理部によって画像処理された画像情報に応じて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え、画像処理部は、画像情報を受け付ける受付手段と、受付手段によって受け付けられた画像情報に対してエッジ検出を行うエッジ検出部と、エッジ検出部による検出結果に基づいて画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を施すスクリーン処理部と、を備え、エッジ検出部は、注目画素の濃度情報と、注目画素の周囲のエッジ検出ウィンドウによって定められる画素の濃度情報とを参照して注目画素のエッジ判定を行う第一のエッジ判定部と、第一のエッジ判定部によって非エッジ部と判定された注目画素に対して再度エッジ判定すると共に、第一のエッジ判定部によってエッジ部と判定された注目画素に対して再度非エッジ判定する、第二のエッジ判定部と、を備えることを特徴とする。
ここで、スクリーン処理部は、複数の異なるスクリーン処理態様を備えており、第二のエッジ判定部は、各スクリーン処理態様に応じて判定基準を切り替えることを特徴とすることができる。
本願発明の画像処理方法は、画像情報を取得し、注目画素の濃度情報と注目画素の周囲のエッジ検出ウィンドウによって定められる範囲の画素の濃度情報とを参照して注目画素に対して第一のエッジ判定を行い、エッジ検出ウィンドウ内の画素の内の最小濃度情報と、予め定められた背景閾値とを比較して最小濃度情報が背景閾値以上では第一のエッジ判定によってエッジ部と判定された注目画素を非エッジ部と再判定する第二のエッジ判定を行い、第二のエッジ判定結果に基づいて画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を行うことを特徴とする。
また、本願の他の発明の画像処理方法は、画像情報を取得し、注目画素の濃度情報と注目画素の周囲のエッジ検出ウィンドウによって定められる画素の濃度情報とを参照して注目画素に対して第一のエッジ判定を行い、注目画素の濃度とエッジ検出ウィンドウ内の画素の平均濃度情報とを比較して注目画素の濃度が平均濃度情報未満では第一のエッジ判定部でエッジ部と判定された注目画素を非エッジ部と再判定する第二のエッジ判定を行い、第二のエッジ判定結果に基づいて画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を行うことを特徴とする。
さらに、本願の他の発明の画像処理方法は、画像情報を取得し、注目画素の濃度情報と注目画素の周囲のエッジ検出ウィンドウによって定められる画素の濃度情報とを参照して注目画素に対して第一のエッジ判定を行い、注目画素の濃度情報と予め定められた注目画素濃度閾値とを比較して注目画素の濃度情報が注目画素濃度閾値以上では第一のエッジ判定部で非エッジ部と判定された注目画素をエッジ部と再判定する第二のエッジ判定を行い、第二のエッジ判定結果に基づいて画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を行うことを特徴とする。
請求項1に記載の発明の画像処理装置によれば、高い精度でエッジを検出することができ、エッジ部へのダマの形成を抑制して画像品質を向上できる。
請求項2に記載の発明の画像処理装置によれば、スクリーンの処理態様に応じた的確なエッジ判定が可能となる。
請求項3に記載の発明の画像処理装置によれば、高い精度でエッジを検出することができ、エッジ部へのダマの形成を抑制して画像品質を向上できる。
請求項4に記載の発明の画像処理装置によれば、高い精度でエッジを検出することができ、濃度ギャップを抑制して画像品質を向上できる。
請求項5に記載の発明の画像処理装置によれば、スクリーンの処理態様に応じた的確なエッジ判定が可能となる。
請求項6に記載の発明の画像形成装置によれば、高い精度でエッジを検出することができ、エッジ部へのダマの形成や濃度ギャップの形成を抑制して画像品質を向上できる。
請求項7に記載の発明の画像形成装置によれば、スクリーンの処理態様に応じた的確なエッジ判定が可能となる。
請求項8に記載の発明の画像処理方法によれば、高い精度でエッジを検出することができ、エッジ部へのダマの形成を抑制して画像品質を向上できる。
請求項9に記載の発明の画像処理方法によれば、高い精度でエッジを検出することができ、エッジ部へのダマの形成を抑制して画像品質を向上できる。
請求項10に記載の発明の画像処理方法によれば、高い精度でエッジを検出することができ、濃度ギャップの形成を抑制して画像品質を向上できる。
以下、添付図面を参照し、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用されるプリンタシステムの全体構成を示した図である。ここでは、入力された電子文書の情報を画像展開して用紙上に印刷する画像形成装置1と、この画像形成装置1に対して電子文書を提供するホストコンピュータであるクライアントPC(パーソナルコンピュータ)2とが示されている。この画像形成装置1には、クライアントPC2以外の、図示しない画像読み取り装置などから画像データが入力される場合がある。
画像形成装置1は、たとえばクライアントPC2から出力された電子文書の画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部10と、電子写真方式を利用した所謂タンデム型のデジタルカラープリンタである画像形成部としてのマーキングエンジン30とを備えている。
マーキングエンジン30は、水平方向に一定の間隔を置いて並列的に配置される複数の画像形成ユニット31Y,31M,31C,31K(以下、特に色毎に説明する必要がある場合以外は、画像形成ユニット31として説明する。)と、各画像形成ユニット31の感光体ドラム32を露光する露光装置34とを備えている。すなわち画像形成装置1はカラーの画像形成を行うものである。
画像形成ユニット31Y,31M,31C,31Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成し、記録媒体としての記録用紙上に順次、転写するようになっている。
露光装置34は、詳細な説明は省略するが、複数の発光点から成る発光点群を有する面発光レーザアレイチップから出射した複数のレーザビームを、一括して走査動作させてそれぞれ各画像形成ユニット31の感光体ドラム32に導くマルチビームの露光走査装置である。これによってたとえば2400dpiの解像度での画像形成が可能となっている。
4つの画像形成ユニット31は、それぞれ、静電潜像を形成してトナー像を担持させる像担持体(感光体)である感光体ドラム32、感光体ドラム32の表面を一様に帯電する帯電器33、露光装置34によって形成された静電潜像を現像する現像器35を備えている。また、感光体ドラム32の表面上に形成されたトナー像を記録用紙に転写させる転写ロール36を備えている。
さらに、マーキングエンジン30は、各画像形成ユニット31の感光体ドラム32と転写ロール36とによって形成される転写位置に対して記録用紙を搬送する用紙搬送ベルト37を備えている。また、用紙上に転写されたトナー像を定着させる定着器38を備えている。
なお、画像形成装置1の全体を含めるのではなく、画像処理部10だけを画像処理装置として把握することも可能である。
各画像形成ユニット31は、現像器35に収納されたトナーの色以外は、ほぼ同様な構成要素を備えている。クライアントPC2から入力された画像データは、画像処理部10によって画像処理が施され、所定のインタフェースを介してマーキングエンジン30に供給される。マーキングエンジン30では、図示しない画像出力制御部から供給された同期信号等の制御信号に基づいて動作する。まず、イエロー(Y)の画像形成ユニット31Yは、帯電器33により帯電された感光体ドラム32の表面に、画像処理部10から得られた画像信号に基づいて露光装置34によって静電潜像を形成する。その静電潜像に対して現像器35によってイエロー(Y)のトナー像を形成し、形成されたイエロー(Y)のトナー像は、図の矢印方向に回動する用紙搬送ベルト37上の記録用紙に転写ロール36を用いて転写される。同様にして、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像が各々の感光体ドラム32上に形成され、用紙搬送ベルト37上の記録用紙に転写ロール36を用いて多重転写される。多重転写された記録用紙上のトナー像は、定着器38に搬送されて、熱および圧力によって用紙に定着される。
なお、図1に示す画像形成装置1のマーキングエンジン30は、搬送される記録用紙上にトナー像を順次、転写する構成を採用しているが、用紙搬送ベルト37の代わりに所謂中間転写ベルトを採用し、この中間転写ベルト上にトナー像を多重転写させた後に、一括して記録用紙上に二次転写をする所謂二次転写方式の画像形成装置を採用することも可能である。
次に、本実施の形態における特徴的な構成である画像処理部10について説明する。
図2は、本実施の形態が適用される画像処理部10の構成を示すブロック図である。
画像処理部10は、大きくは受付手段としてのコントローラ11とプリンタエンジン制御部20とから成る。
図3はそのプリンタエンジン制御部20の構成を示すブロック図である。
なお、この構成例は、外部のパーソナルコンピュータ等(クライアントPC2)から画像情報としてPDL(ページ記述言語)形式の画像データを受け取ってマーキングエンジン30において画像を形成するものを示している。
以下、各作用処理部について説明する。各作用処理部の符号については図2及び図3参照のこと。
コントローラ11は、PDL解釈部11Aと、描画部11Bと、レンダリング部11Cとを備えている。
PDL解釈部11Aは、クライアントPC2から送られてくるPDL(ページ記述言語)をコマンド解釈する。
描画部11Bは、解釈されたPDLにより指定される色信号(RGB)を、マーキングエンジン30の色信号(YMCK)に変換する。また、この描画部11Bでは、イメージ等のラスタデータはエンジン解像度へ解像度変換し、文字/グラフィックは画像データをエンジン解像度のラスタデータに変換する。
レンダリング部11Cは、画像データをプリンタエンジンに適合した画像データにレンダリングする。
プリンタエンジン制御部20は、エッジ検出部21と、スクリーン処理部22と、変調部23とを備えている。
エッジ検出部21は、エッジ検出ウィンドウによる濃度差分判定によって、画素毎にエッジ検出を行う。そして、エッジ部と非エッジ部とに分離してそれぞれにエッジ判別タグ(エッジ部タグ,非エッジ部タグ)を付す。このエッジ検出部21によるエッジ検出に関しては、後に詳述する。
スクリーン処理部22は、面積階調法の一つであるディザ法によってスクリーン処理(二値化処理)を行う。このスクリーン処理は、図示しないメモリに格納された閾値マトリクスを用いて行う。
スクリーン処理部22は、たとえば200線の低線数でスクリーン処理を行う通常処理部22Aと、たとえば600線の高線数でスクリーン処理を行うエッジ処理部22Bとを備えている。そして、エッジ検出部21によって付されたエッジ判別タグに基づいて、エッジ部に対してはエッジ処理部22Bによって600線の高線数でスクリーン処理を行い、非エッジ部に対しては通常処理部22Aによって200線の低線数でスクリーン処理を行う。これにより、エッジ部のジャギーが目立たなくなる。
変調部23は、スクリーン処理部22によってスクリーン処理された画像データにパルス幅変調を施し、マーキングエンジン30に画像信号を供給する。
つぎに、画像処理部10全体の作用を、工程を追って説明する。
図4は、クライアントPC2、画像処理部10、およびマーキングエンジン30によって実行される画像処理の流れを示したフローチャートである。ステップ102からステップ108までが、画像処理部10において実行される処理である。なお、各作用処理部の符号は図2乃至3参照のこと。
まず、クライアントPC2のプリンタドライバにて、アプリケーションからのコマンドをプリンタの描画コマンドであるPDL(ページ記述言語)に変換する(ステップ101)。
PDLの描画コマンドは、クライアントPC2から画像形成装置1に送られ、この画像形成装置1の画像処理部10では、PDL解釈部11Aにて、取得されるPDLのコマンドが解釈される(ステップ102)。
その後、描画部11Bは、解釈されたPDLにより指定される色信号(RGB)を、マーキングエンジン30の色信号(YMCK)に変換する(ステップ103)。
色変換後、描画部11Bとレンダリング部11Cにてエンジン解像度のラスタ画像を形成する(ステップ104)。そして、画像データを、例えば8ビットの多値インタフェース(I/F)を介してプリンタエンジン制御部20に送る。
プリンタエンジン制御部20では、エッジ検出部21で画素毎にエッジ検出を行って、エッジ部と非エッジ部とにそれぞれエッジ判別タグ(エッジ部タグ,非エッジ部タグ)を付す(ステップ105)。
その後、スクリーン処理部22によって、閾値マトリクスを用いてエッジ部と非エッジ部とで異なる線数でスクリーン処理を実行する。すなわち、エッジ検出部21によって付されたエッジ判別タグに基づいて、エッジ部にはエッジ処理部22Bによって高線数(たとえば600線)でスクリーン処理を行い、非エッジ部には通常処理部22Aによって低線数(たとえば200線)でスクリーン処理を行う(ステップ106)。
その後、別個にスクリーン処理されたエッジ部と非エッジ部の画像データはマージされて変調部23に入力され、変調部23では、スクリーン処理部22にてスクリーン処理された画像データを、パルス信号に変調する(ステップ107)。
そして、パルス変調された画像データは、マーキングエンジン30へ出力される(ステップ108)。
画像データを取得したマーキングエンジン30は、図1に示すような各構成要素によって、記録用紙上にカラー画像を形成し、プリント出力する(ステップ109)。
つぎに、エッジ検出部21の構成と、その作用について詳述する。
図5はエッジ検出の一例の説明図、図6および図7はその作用説明図である。なお、以下の説明において、エッジ検出を行う注目画素とエッジ検出ウィンドウによって規定されるその背景の濃度とは、言うまでもなく同色の濃度である。
エッジ検出部21は、図3に示すように、第一の判定部としての一次判定部21Aと、第二の判定部としての二次判定部21Bとを備えている。
一次判定部21Aは、たとえば図5(a)に示すような3×3画素のエッジ検出ウィンドウを用い、図中中央の注目画素の濃度と、その周囲の画素の濃度とを、図5(b)に示すように縦横斜めの3画素ずつ比較演算して、その差:SH,SV,SR,SLを求め、これらを予め定められたエッジ閾値と比較する。そして、それらの内のいずれか一つでもエッジ閾値以上であった場合にはその注目画素をエッジ部と判定し、それ以外の場合には非エッジ部とする(濃度差分判定)。
二次判定部21Bは、一次判定部21Aによるエッジ判定の結果に対して、再判定を行う。この再判定には、エッジ部と判定された注目画素に対するエッジ再判定と、非エッジ部と判定された注目画素に対する非エッジ再判定とがある。
エッジ再判定は、図5(c)に示すように、エッジ検出ウィンドウ内の画素の内の最低濃度と、所定の背景閾値とを比較する。なお、背景閾値は、予め定められて図示しないメモリに格納されるものである。そして、最低濃度が背景閾値未満の場合には注目画素をエッジ部とし、最低濃度が背景閾値以上の場合には、一次判定部21Aでエッジ部と判定された注目画素の判定を覆して非エッジ部と判定し直す。
これにより、一次判定部21Aによるエッジ判定では、背景に濃度があるとその背景濃度による影響でエッジ部に隣接する本来非エッジ部としたい画素をエッジ部と判定してしまうことが生じ得るが、この二次判定部21Bによる再判定によって、背景濃度の影響でエッジ部と判定された本来非エッジ部としたい画素を非エッジ部に判定し直すことができる。
すなわち、図6(a)に示すような画像データに対しては、一次判定部21Aは(b)に示すようなエッジ判定を行う。図中、網点を掛けた画素が、本来非エッジ部としたいところがエッジ部と判定された画素である。このようなエッジ判定情報に基づいて画像形成すると、スクリーン処理の影響で(c)に示すようにダマを生ずることになる。
そこで、エッジ再判定によって背景濃度による影響を排除すると、(d)に示すように、一次判定部21Aによってエッジ部と判定された本来非エッジ部と判定したい画素が、非エッジ部に判定し直されることとなり、(e)に示すようにダマを生じない画像を形成できるものである。
なお、背景閾値は、後工程のスクリーン処理の態様(線数,角度,形状)に応じて、適宜変更する。すなわち、複数のスクリーン線数を指定し得る場合には、それらのスクリーン線数にそれぞれ対応した背景閾値を予め設定しておき、切り替えて用いる。たとえば、通常処理のスクリーン線数が150線,200線,300線の三段階に切り替え可能な場合、200線の背景閾値を基準として150線ではより高く、300線ではより低く設定する。
また、二次判定部21Bによるエッジ再判定の異なる構成として、図5(d)に示すように、エッジ検出ウィンドウ内の各画素の濃度を平均し、その平均濃度と注目画素の濃度とを比較して、注目画素の濃度が平均濃度以上ではエッジ部とし、注目画素の濃度が平均濃度未満では非エッジ部と再判定するようにしても良い。
これによれば、濃度の凹凸を判定することができる。つまり、注目画素の濃度が、エッジ検出ウィンドウ内の各画素の平均濃度未満であるということは、その画素は周囲より濃度が低くて(濃度が凹で)、一次判定部21Aによってエッジ部と判定されたことを示す。そして、このように濃度が凹の画素を非エッジ部と再判定することで、前述の例と同様に一次判定部21Aによってエッジ部と判定された本来非エッジ部と判定したい画素を、非エッジ部と判定し直すことができ、ダマを生じない画像を形成できるものである。
さらに、二次判定部21Bが行う非エッジ再判定は、一次判定部21Aによるエッジ判定によって非エッジ部と判定されたもの、及び、二次判定部21Bによるエッジ再判定によって非エッジ部と判定し直された注目画素に対して、図5(e)に示すように、その濃度と、予め定められた注目画素閾値とを比較する。
そして、注目画素の濃度が注目画素閾値以上ではエッジ部、注目画素の濃度が注目画素閾値未満では非エッジ部と判定し直す。
その理由は、注目画素の濃度が一次判定部21Aにおけるエッジ判定の閾値に近い中間階調だと、特にエッジ部が入り組んでいる文字等の場合において、エッジ部/非エッジ部の判定が安定せずに、画像データは同じ濃度であってもエッジ部/非エッジ部とに判定が別れ、高線数(600線)と低線数(200線)のスクリーン処理が混在して濃度ギャップを生ずることがある。濃度ギャップは、本来所定濃度でベタに描かれる領域中に濃度不足の部分が虫食い状態に生じて見苦しく、画像品質が低下する。
すなわち、図7(a)に示すような画像データに対しては、一次判定部21Aは(b)に示すようなエッジ判定を行う。図中、網点を掛けた画素が、本来エッジ部と判定すべきところが非エッジ部と判定された画素である。このようなエッジ判定情報に基づいて画像形成すると、スクリーン処理の影響で(c)に示すようにギャップを生ずることがある。
そこで、非エッジ再判定によって所定の絶対濃度(注目画素閾値)以上の画素はエッジと判定し直すことで、(d)に示すように、一次判定部21Aのエッジ判定及びエッジ再判定によって非エッジ部と判定された本来エッジ部と判定されるべき画素が、エッジ部と判定し直されることとなって高線数と低線数の混在がなくなり、(e)に示すように濃度ギャップを生じない画像を形成できるものである。
これは、注目画素が所定の濃度(注目画素閾値)以上では、一次判定部21Aによるエッジ判定の結果に関わらず一義的にエッジと判定し直してしまうものである。従って、一次判定部21Aによるエッジ判定は行われないことと同じである。しかし、注目画素閾値は通常低濃度に設定されるため、そのような濃度領域では一次判定部21Aによるエッジ判定の結果が反映されなくても画質に不具合を生ずることはない。
なお、注目画素閾値は、後工程のスクリーン処理の態様(線数,角度,形状)に応じて、適宜変更する。すなわち、複数のスクリーン線数を指定し得る場合には、それらのスクリーン線数にそれぞれ対応した背景閾値を予め設定しておき、切り替えて用いる。
図8は、エッジ検出部21によるエッジ検出フローである。このフローに従ってエッジ検出の工程を説明する。
すなわち、コントローラ11から画像信号を受け付け(ステップ201)、その画像信号に対して一次判定部21Aによってエッジ判定を行う(ステップ202)。
つぎに、ステップ202のエッジ判定による結果がYES(エッジ部)であったものに対しては、二次判定部21Bでエッジ再判定を行う(ステップ203)。
ステップ202のエッジ判定と、ステップ203のエッジ再判定とによって非エッジ部と判定されたものは、非エッジ再判定を行い(ステップ204)、ここで非エッジ部と再判定されたものは、非エッジ部として確定して非エッジ部タグを付す(ステップ205)。
また、ステップ203のエッジ再判定と、ステップ204の非エッジ再判定とによってエッジ部と再判定されたものは、エッジ部と確定してエッジ部タグを付す(ステップ206)。
なお、本発明は上記実施の形態に限るものではなく、適宜変更可能なものである。
たとえば、上記実施の形態はカラーの画像形成装置に本発明を適用した例であるが、モノクロの画像形成装置に適用しても良いものである。
本実施の形態が適用されるプリンタシステムの全体構成を示した図である。 画像処理部の構成を示すブロック図である。 プリンタエンジン制御部の構成を示すブロック図である。 画像処理の流れを示したフローチャートである。 エッジ検出部によるエッジ検出の一例の説明図である。 エッジ検出の作用説明図である。 エッジ検出の作用説明図である。 エッジ検出部によるエッジ検出フローである。
符号の説明
1…画像形成装置、10…画像処理部(画像処理装置)、11…コントローラ(受付手段)、20…プリンタエンジン制御部、21…エッジ検出部、21A…一次判定部(第一の判定部)、21B…二次判定部(第二の判定部)、22…スクリーン処理部

Claims (10)

  1. 画像情報を受け付け、受け付けられた画像情報に対し注目画素の周囲のエッジ検出ウィンドウを用いて当該注目画素がエッジ部か非エッジ部かを判定して画像処理を施す画像処理装置であって、
    前記注目画素の濃度情報と前記エッジ検出ウィンドウによって定められる画素の濃度情報とを参照して当該注目画素のエッジ判定を行う第一のエッジ判定部と、
    前記エッジ検出ウィンドウ内の前記画素の濃度情報の内で最小の濃度情報と、予め定められた背景閾値とを比較して、当該最小の濃度情報が当該背景閾値以上では、前記第一のエッジ判定部でエッジ部と判定された前記注目画素を非エッジ部と再判定する第二のエッジ判定部と、
    を備え、前記第二のエッジ判定部により前記注目画素が非エッジ部であるとの再判定を受けて画像情報に画像処理を施すことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第二のエッジ判定部による非エッジ部との再判定に基づき複数の異なるスクリーン処理態様からスクリーン処理を選択し、選択されたスクリーン処理により前記画像情報に対してスクリーン処理を施すスクリーン処理部を更に備え、
    前記第二のエッジ判定部は、複数の前記背景閾値を備え、前記各スクリーン処理態様に応じて当該背景閾値を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 画像情報を受け付け、受け付けられた画像情報に対し注目画素の周囲のエッジ検出ウィンドウを用いて当該注目画素がエッジ部か非エッジ部かを判定して画像処理を施す画像処理装置であって、
    前記注目画素の濃度情報と前記エッジ検出ウィンドウによって定められる画素の濃度情報とを参照して当該注目画素のエッジ判定を行う第一のエッジ判定部と、
    前記注目画素の濃度情報と、前記エッジ検出ウィンドウ内の前記画素の平均濃度情報とを比較して、当該注目画素の濃度情報が当該平均濃度情報未満では、前記第一のエッジ判定部でエッジ部と判定された当該注目画素を非エッジ部と再判定する第二のエッジ判定部と、
    を備え、前記第二のエッジ判定部により前記注目画素が非エッジ部であるとの再判定を受けて画像情報に画像処理を施すことを特徴とする画像処理装置。
  4. 画像情報を受け付け、受け付けられた画像情報に対し注目画素の周囲のエッジ検出ウィンドウを用いて当該注目画素がエッジ部か非エッジ部かを判定して画像処理を施す画像処理装置であって、
    前記注目画素の濃度情報と前記エッジ検出ウィンドウによって定められる画素の濃度情報とを参照して当該注目画素のエッジ判定を行う第一のエッジ判定部と、
    前記注目画素の濃度情報と、予め定められた注目画素濃度情報閾値とを比較して、当該注目画素の濃度情報が当該注目画素濃度情報閾値以上では、前記第一のエッジ判定部で非エッジ部と判定された当該注目画素をエッジ部と再判定する第二のエッジ判定部と、
    を備え、前記第二のエッジ判定部により前記注目画素がエッジ部であるとの再判定を受けて画像情報に画像処理を施すことを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記第二のエッジ判定部によるエッジ部との再判定に基づき複数の異なるスクリーン処理態様からスクリーン処理を選択し、選択されたスクリーン処理により前記画像情報に対してスクリーン処理を施すスクリーン処理部を更に備え、
    前記第二のエッジ判定部は、複数の前記注目画素濃度情報閾値を備え、前記各スクリーン処理態様に応じて当該注目画素濃度情報閾値を切り替えることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 取得した画像情報に画像処理を施す画像処理部と、
    前記画像処理部によって画像処理された画像情報に応じて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え
    前記画像処理部は、
    画像情報を受け付け、受け付けられた画像情報に対し注目画素の濃度情報と、当該注目画素の周囲のエッジ検出ウィンドウによって定められる画素の濃度情報とを参照して当該注目画素のエッジ判定を行う第一のエッジ判定部と、
    前記第一のエッジ判定部によって非エッジ部と判定された前記注目画素に対して再度エッジ判定すると共に、当該第一のエッジ判定部によってエッジ部と判定された当該注目画素に対して再度非エッジ判定する、第二のエッジ判定部と、
    を備え、前記第二のエッジ判定部によるエッジ部か非エッジ部かの再判定を受けて画像情報に画像処理を施すことを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記第二のエッジ判定部による判定結果に基づき複数の異なるスクリーン処理態様からスクリーン処理を選択し、選択されたスクリーン処理により前記画像情報に対してスクリーン処理を施すスクリーン処理部を更に備え、
    前記第二のエッジ判定部は、前記各スクリーン処理態様に応じて判定基準を切り替えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 画像情報を取得し、取得した画像情報に対し注目画素の周囲のエッジ検出ウィンドウを用いて当該注目画素がエッジ部か非エッジ部かを判定して画像処理を施す画像処理方法であって、
    前記注目画素の濃度情報と前記エッジ検出ウィンドウによって定められる範囲の画素の濃度情報とを参照して当該注目画素に対して第一のエッジ判定を行い、
    前記エッジ検出ウィンドウ内の前記画素の内の最小濃度情報と、予め定められた背景閾値とを比較して当該最小濃度情報が当該背景閾値以上では前記第一のエッジ判定によってエッジ部と判定された前記注目画素を非エッジ部と再判定する第二のエッジ判定を行い、
    前記第二のエッジ判定により前記注目画素が非エッジ部であるとの再判定を受けて画像情報に画像処理を施すことを特徴とする画像処理方法。
  9. 画像情報を取得し、取得した画像情報に対し注目画素の周囲のエッジ検出ウィンドウを用いて当該注目画素がエッジ部か非エッジ部かを判定して画像処理を施す画像処理方法であって、
    前記注目画素の濃度情報と前記エッジ検出ウィンドウによって定められる画素の濃度情報とを参照して当該注目画素に対して第一のエッジ判定を行い、
    前記注目画素の濃度と前記エッジ検出ウィンドウ内の前記画素の平均濃度情報とを比較して当該注目画素の濃度が当該平均濃度情報未満では前記第一のエッジ判定でエッジ部と判定された当該注目画素を非エッジ部と再判定する第二のエッジ判定を行い、
    前記第二のエッジ判定により前記注目画素が非エッジ部であるとの再判定を受けて画像情報に画像処理を施すことを特徴とする画像処理方法。
  10. 画像情報を取得し、取得した画像情報に対し注目画素の周囲のエッジ検出ウィンドウを用いて当該注目画素がエッジ部か非エッジ部かを判定して画像処理を施す画像処理方法であって、
    前記注目画素の濃度情報と前記エッジ検出ウィンドウによって定められる画素の濃度情報とを参照して当該注目画素に対して第一のエッジ判定を行い、
    前記注目画素の濃度情報と予め定められた注目画素濃度閾値とを比較して当該注目画素の濃度情報が当該注目画素濃度閾値以上では前記第一のエッジ判定で非エッジ部と判定された当該注目画素をエッジ部と再判定する第二のエッジ判定を行い、
    前記第二のエッジ判定により前記注目画素がエッジ部であるとの再判定を受けて画像情報に画像処理を施すことを特徴とする画像処理方法。
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