JP4699710B2 - コア付きモータ - Google Patents
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Description
このモータは、シャフトと、ステータケースと、積層コアを備えるロータコアと、このロータコアの外周端面と対向するようにステータケースの内側面に装着されたマグネットとを有するものである。
また、他の例として、図4,図5に示すHDD用コア付きモータがあり、これについて以下に詳述する。ここで図5は、図4におけるA部の拡大図である。
ステータ3は、モータベース113と、これに固定されたステータコア114及びスリーブ109とで構成される。
一方、ロータ121は、ハブ102とリング状ロータヨーク105とリング状マグネット106とを備えている。
これらは、ハブ102の底面の外周側にはロータヨーク105が固定され、そのロータヨーク105の内側面には、電着塗装を施したマグネット106が接着固定され組み立てられている。
この固定において、マグネット106は、ロータヨーク105の内周部に設けた突き当て部117により軸方向の位置規制がなされている(図5参照)。
また、シャフト101はハブ102に圧入固定されており、ロータ121はステータ103に対して回転自在とされている。
この屈曲部112は絞り加工により形成される。
そして、この屈曲部112により、マグネット106からの漏洩磁束がHDDの記録再生ヘッド150に影響を与えるのを効果的に防止している。
当図において、マグネット106の軸方向長さ(厚さ)L102におけるその中心位置118を、ステータコア114の軸方向長さ(厚さ)L103におけるその中心位置119に対して、軸の上方向にDLだけずらすように配置している。
これは、両軸を合致させると、ロータヨーク105の屈曲部112によって、ステータコア114の軸方向の磁気中心に対するロータ側の磁気中心が下側にずれてしまうので、これを相殺するための配慮である。
また、突き当て部117によりロータハブ側の磁気回路が一部短絡してマグネットの磁束密度が小さくなるので、それをある程度抑制するため、上述したように、逃げ部108を設けている。
この場合、ロータハブはいずれかの軸方向に吸引されつつ回転してしまうので、バランスが悪く振動や騒音が大きくなるという問題があった。
しかしながら、特に、HDDに搭載される場合においては、実際のところその姿勢はほぼ固定であるから、磁気中心を一致させてバランスを取ることが最も重要となる。
また、モータの軸受が動圧軸受の場合、このバランスが崩れると、アキシャル方向に力のアンバランスが生じてその動圧軸受の寿命が極めて短くなるという信頼性に関わる問題があった。
即ち、請求項1に係る発明は、ロータハブ(2)と、該ロータハブ(2)に固定された軸(1)及びリング状のロータヨーク(5)と、該ロータヨーク(5)の内周面に固定されたリング状のマグネット(6)とを有するロータ(21)と、モータベース(13)と、該モータベース(13)に固定されたステータコア(14)及び円筒状のスリーブ(9)とを有するステータ(3)とを備え、前記軸(1)を前記スリーブ(9)に内挿し、前記マグネット(6)と前記ステータコア(14)とが対向するように前記ロータ(21)を前記ステータ(3)に対して回動自由に軸支して成るコア付きモータにおいて、
前記ロータハブ(2)の前記モータベース(13)側の面に周状の凹部(28)と周状に連続してまたは断続して突出した凸部(24)とを設け、前記ロータヨーク(5)を前記凹部(20)に固定し、前記マグネット(6)を前記凸部(24)に当接させて前記ロータヨーク(5)に固定し、前記ロータヨーク(5)と前記マグネット(6)と前記ステータコア(14)との前記軸(1)方向の長さにおけるそれぞれの中心位置を略一致させて成ることを特徴とするコア付きモータである。
また、請求項2に係る発明は、ロータハブ(2)と、該ロータハブ(2)に固定された円筒状のスリーブ(9)及びリング状のロータヨーク(5)と、該ロータヨーク(5)の内周面に固定されたリング状のマグネット(6)とを有するロータ(21)と、モータベース(13)と、該モータベース(13)に固定された軸(1)及びステータコア(14)及びとを有するステータ(3)とを備え、
前記軸(1)を前記スリーブ(9)に内挿し、前記マグネット(6)と前記ステータコア(14)とが対向するように前記ロータ(21)を前記ステータ(3)に対して回動自由に軸支して成るコア付きモータにおいて、
前記ロータハブ(2)の前記モータベース(13)側の面に周状の凹部(20)と周状に連続してまたは断続して突出した凸部(24)とを設け、前記ロータヨーク(5)を前記凹部(20)に固定し、前記マグネット(6)を前記凸部(24)に当接させて前記ロータヨーク(5)に固定し、前記ロータヨーク(5)と前記マグネット(6)と前記ステータコア(14)との前記軸方向の長さにおけるそれぞれの中心位置を略一致させて成ることを特徴とするコア付きモータである。
図1は、本発明のコア付きモータの実施例を示す断面図であり、
図2は、本発明のコア付きモータの実施例における要部を説明する部分拡大断面図であり、
図3は、本発明のコア付きモータの実施例における効果を説明する図である。
このコア付きモータ(以下、単にモータと称する)は、磁気記録再生用ディスク26を装着したハブ2を有するロータ21とステータ3とを備えている。
ステータ3は、モータベース13とモータベース13に立設されたスリーブ9と巻線コイル15を施したステータコア14とから成る。
ロータ21は、ロータハブ2とこのロータハブ2に固着されたシャフト1とから成る。
この段部25には、ステータコア14が極めて良好な位置精度で固定される。
このステータコア14は、厚さ0.35mmの珪素鋼鈑が8枚積層されて成り、総厚さL3は2.8mmである
このステータコア14には、コイル15が巻回されている。
シャフト1は、マルテンサイト系,フェライト系又はオースナイト系のステンレス材で形成される。そして、耐磨耗性の向上を目的として無電解ニッケルメッキ等の表面コーティングが施される。この表面コーティングの厚さは3〜50μm程度である。
これらの形状と固定する位置関係についての詳細は後述する。
実施例では、スリーブ9の内径部表面に、ラジアル方向の動圧を発生させるヘリングボーン,レイレイステップ等の動圧溝が形成されている。この動圧溝を図1においては便宜上シャフト1上に斜線で示している。
このラジアル動圧溝は、シャフト1の外周面に形成してもよい。
シャフト1の外周面とスリーブ9の内周面との間には、所定の間隙が設けられ、この間隙に潤滑油(潤滑剤)が充填されている。
この潤滑油の介在によりロータ21(シャフト1)の回転に伴ってラジアル方向の動圧が発生し、回転するロータハブ2はそのラジアル方向に支持される。
アキシャル動圧溝(図示せず)は、フランジ7の上下面,スリーブ9におけるフランジ7に対向する下端面及びプレート10の上面に形成されている。この動圧溝は、ヘリングボーン,レイレイステップ等の動圧溝であり、エッチング,スタンピングあるいはプレス等により形成されている。
フランジ7の上面とこれに対向するスリーブ9の下端面との間、及び、フランジ7の下面とプレート10の上面との間には、それぞれ所定の間隙が設けられ、この間隙に潤滑油が充填されている。
この潤滑油の介在により、ロータ21(シャフト1)の回転に伴ってアキシャル方向の動圧が発生し、回転するロータハブ2はその方向に支持される。
上述したように、ステータ3は、モータベース13と、これに固定されたステータコア14と、このステータコア14に巻回されたコイル15とから構成されている。
モータベース13は、アルミダイカストにより形成された後、所定の部分が切削されて成る。
ステータコア14は、電着塗装や粉体塗装等により絶縁コーティングが施される。
FPC16には、巻線端末15aをはんだ付けする部分と、HDDの駆動回路(図示せず)にコネクタを介して接合するためのランド部とが設けられており、両部はパターンにより電気的に接続されている。
この構成において、モータの駆動回路に通電することにより、コイル15の各相に順次通電されロータ21は回転する。
非磁性材のアルミニウム材で形成されるロータハブ2の下面(図1における下側の面)には、上面側に向かって円形の凹みとされたリング状(周状)凹部28が設けられている。
リング状凹部28には、ロータヨーク5の端部がはめ込まれる。
このロータヨーク5は、均一肉厚のリング状に形成され、その軸方向の長さL1は5mmである。材料としては磁性の鉄系材料が用いられ、表面にはニッケルめっきが施される。
リング状凸部24にはマグネット6が突き当てられ、その軸方向の位置が規制される。この凸部24は、リング状に限らず、周方向に断続的に突出するものでもよい。マグネット6が安定して当接できるものであればよい。
このマグネット6は、ロータヨーク5の内面にがた無く嵌合するリング状に形成され、その軸方向の長さL2は4mmである。材料としては、Nd−Fe−B(ネオジウム−鉄−ボロン)系が用いられ、表面には電着塗装が施される。
上述した凹部28や凸部24は、例えば、アルミダイキャストによる型の転写で形成してもよく、また、2次加工による切削により形成してもよい。
ロータヨーク5の内周面端部には、面取り27(例えばC0.5程度の面取り)が設けられているのでマグネット6の嵌合(挿入)は容易に行える。
これにより、ロータヨーク5,マグネット6及びステータコア14、即ち、このモータの駆動に関わる全ての磁性体が、マグネット6の軸方向長さL2の中心位置18を含む面に対する面対称となる。
そのため、磁気回路も同様の対称となり、ロータ21の回転時の振動や騒音が極めて少なくなる。
このモータが搭載されるHDDの記録再生ヘッド150は、マグネット6に対して斜め上方に位置する。そのため、ロータヨーク5の突出した部分により、マグネット6からの漏洩磁束は効果的に遮蔽され、記録再生ヘッド150に磁気的悪影響を及ぼすことがない。
これは、この範囲内において、実施例のモータの振動や騒音は十分に小さく、実質的にバランスが十分にとれていることが認められることによる。
当図より、実施例のモータは、どの回転数においても振動の平均値及び標準偏差(ばらつき)が比較例より小さく(少なく)なっていることがわかる。
特に、モータの特性評価で重要な振動の最大値は、実施例のモータの方が大幅に小さくなっていることがわかる。
従って、実施例のモータによれば、振動が大幅に低減され、量産におけるそのばらつきも小さい。
例えば、実施例では、HDDのディスク駆動用モータに限って記載したが、本発明のモータは、それに限らず、光ディスクやポリゴンミラーの駆動など、モータ一般に適用できるものである。
また、実施例では、軸1をロータハブ2に固定した例(いわゆる軸回転型モータ)を示したが、モータベース13側に固定したモータ(いわゆる軸固定型モータ)であってもよい。
2 ハブ
3 ステータ
5 ロータヨーク
6 マグネット
7 フランジ
9 スリーブ
13 モータベース
13a 円筒部
13b 中心孔
14 ステータコア
15 巻線コイル
18 (ロータヨークの)中心位置
19 (マグネットの)中心位置
20 (ステータコアの)中心位置
21 ロータ
22,23 ラジアル動圧軸受
24 凸部
25 段部
27 面取り
28 リング(周)状凹部
L1,L2 厚さ
Claims (2)
- ロータハブと、該ロータハブに固定された軸及びリング状のロータヨークと、該ロータヨークの内周面に固定されたリング状のマグネットとを有するロータと、
モータベースと、該モータベースに固定されたステータコア及び円筒状のスリーブとを有するステータとを備え、
前記軸を前記スリーブに内挿し、前記マグネットと前記ステータコアとが対向するように前記ロータを前記ステータに対して回動自由に軸支して成るコア付きモータにおいて、
前記ロータハブの前記モータベース側の面に周状の凹部とその半径方向内側に連設され周状に連続してまたは断続して突出した凸部とを設け、
前記ロータヨークを前記凹部に嵌め込んでかつ前記凸部との間に半径方向の隙間を形成するように固定し、
前記マグネットを前記凸部に、前記マグネットと当接する前記凸部の面の幅が前記凸部と当接する前記マグネットの面の幅より小さくかつ前記マグネットの面の半径方向内側と外側の角部を 避けて中央部を当接させることで前記軸方向の位置を規制して、前記ロータヨークに固定し、
前記ロータヨークと前記マグネットと前記ステータコアとの前記軸方向の長さにおけるそれぞれの中心位置を略一致させて成ることを特徴とするコア付きモータ。 - ロータハブと、該ロータハブに固定された円筒状のスリーブ及びリング状のロータヨークと、該ロータヨークの内周面に固定されたリング状のマグネットとを有するロータと、
モータベースと、該モータベースに固定された軸及びステータコアとを有するステータとを備え、
前記軸を前記スリーブに内挿し、前記マグネットと前記ステータコアとが対向するように前記ロータを前記ステータに対して回動自由に軸支して成るコア付きモータにおいて、
前記ロータハブの前記モータベース側の面に周状の凹部とその半径方向内側に連設され周状に連続してまたは断続して突出した凸部とを設け、
前記ロータヨークを前記凹部に嵌め込んでかつ前記凸部との間に半径方向の隙間を形成するように固定し、
前記マグネットを前記凸部に、前記マグネットと当接する前記凸部の面の幅が前記凸部と当接する前記マグネットの面の幅より小さくかつ前記マグネットの面の半径方向内側と外側の角部を 避けて中央部を当接させることで前記軸方向の位置を規制して、前記ロータヨークに固定し、
前記ロータヨークと前記マグネットと前記ステータコアとの前記軸方向の長さにおけるそれぞれの中心位置を略一致させて成ることを特徴とするコア付きモータ。
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