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JP4698015B2 - 重み付き平均測定反射率パラメータの決定方法及びシステム - Google Patents

重み付き平均測定反射率パラメータの決定方法及びシステム Download PDF

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JP4698015B2 JP2000353666A JP2000353666A JP4698015B2 JP 4698015 B2 JP4698015 B2 JP 4698015B2 JP 2000353666 A JP2000353666 A JP 2000353666A JP 2000353666 A JP2000353666 A JP 2000353666A JP 4698015 B2 JP4698015 B2 JP 4698015B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデジタル画像処理技術に関し、詳細には、積分キャビティ効果(integrated cavity effect)の補正を実施するための方法及び装置に関する。本発明は、特に、デスクトップ型スキャナでの、周囲の背景上のパッチの測定反射率に依存して生じる積分キャビティ効果を補正するための使用によく適しており、特にそれに関して述べる。しかし、本発明は、より広い用途を有し、三角形、ピラミッド型、又は他の空間応答によるたたみ込みフィルタリングが必要な、デジタル画像処理システム及び他のシステムの広い範囲で用いることができることを理解されたい。
【0002】
【従来の技術】
デジタル画像形成スキャナにおける積分キャビティ効果(ICE)現象は、周囲の背景上のパッチの測定反射率への依存に関係している。この効果は、文書上の近傍のロケーションで反射してデジタル画像形成スキャナの照明器に戻る光に起因する照明の局所的な変化によって生じる。これらのコンテキスト依存の反射率の変化は、文書のデジタル複製において、しばしば問題を生じることがよく知られている。例えば、黒い文字に囲まれた背景の画像ビデオは、広い背景領域のビデオ信号値よりもかなり低いことがよくある。この背景の変化は、誤差拡散技術を用いて画像が描画されるときに、文字の周りに付加的なドットがプリントされる現象を生じる。
【0003】
ICEは、自動ウィンドウアルゴリズムの性能にも悪影響を与える。一般的に、自動ウィンドウアルゴリズムは、背景情報の値に依存して、文書内のウィンドウ領域を識別する。従って、背景の値が不均一だと、細い白い空間だけで区分された2つ以上のウィンドウの好ましくない併合を生じ易い。
【0004】
一般的に、積分キャビティ効果を補正するための、厳密な数学的方法が知られている。補正の公式は、次式によって与えられる。
【数1】
Figure 0004698015
【0005】
式中、r(x)は補正された反射率であり、Rm(x)は測定された反射率であり、Rcは白い紙について測定された反射率であり、fは文書から反射してキャビティによって捕えられ、再び文書に向かう光の割合であり、〈Rm〉は核g(x)によるたたみ込みを示す。
【0006】
核g(x)によるたたみ込みは、次式によって与えられる。
【数2】
Figure 0004698015
【0007】
上記から明白なように、反射率補正は、明らかに、周囲領域の重み付き平均測定反射率に<Rm>に依存する。これは、選択された平均のコンテキストが本質的である場合、デジタル画像形成システムにおける重大な処理上の問題を課す。
詳細には、選択されたコンテキストが大きい場合には、平均を計算するためのソフトウェアにおいて必要な処理が極端に遅くなる。更に、たとえ、ハードウェアによってリアルタイムの重み付き平均値の計算が実現可能であっても、必要な回路は非常に高価である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、スキャナにおける積分キャビティ効果の補正を実施するための、概算重み付き平均を実施する方法及び装置が望まれる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの態様に従い、ビデオデータを均等フィルタで繰り返したたみこむことによって、デジタル画像の空間依存平均値を計算するための、安価な回路及び方法が提供される。この均等平均は、低速走査方向及び高速走査方向の各々において、選択された“ランニングブロック”コンテキストの前方エッジ及び後方エッジからのデータを加算及び減算することによって実施される。
【0010】
本発明のより限定された態様に従い、画像の積分キャビティ効果補正に用いるための、画像内の画素に対する、重み付き平均測定反射率パラメータRmの決定方法が提供される。この方法は、画像内の各対象画素Pi,jに対して、その対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内の画像のビデオ値Vi,jを均等フィルタで2回たたみ込むことによって、前記領域内のビデオ値の概算空間依存平均値Ai,j及びBi,jを計算し、次に、各対象画素Pi,jに対するたたみ込みステップの結果を、平均反射率パラメータ<Rm>として用いるステップを含む。
【0011】
画像の積分キャビティ効果補正に用いるための画像内の画素の重み付き平均測定反射率パラメータ<Rm>を決定する方法は、画像内の各対象画素Pi,jに対して、対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内の画像のビデオ値Vi,jを均等フィルタで繰り返したたみ込むことにより、前記領域内のビデオ値の概算空間依存平均値Ai,j及びBi,jを計算するステップと、各対象画素Pi,jに対して、たたみ込みステップの結果を平均反射率パラメータ<Rm>として用いるステップと、を有する。
【0012】
画像の積分キャビティ効果補正に用いるための画像内の画素の重み付き平均測定反射率パラメータ<Rm>を決定する別の方法は、画像内の各対象画素Pi,jに対して、その対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内の画像のビデオ値Vi,jを均等フィルタで繰り返したたみ込むことにより、前記領域内のビデオ値の空間依存合計値Si,j及びTi,jを計算するステップと、各対象画素Pi,jに対して、たたみ込みステップの結果を平均反射率パラメータ<Rm>として用いるステップと、を有する。
【0013】
画像の積分キャビティ効果補正に用いるための画像内の画素の重み付き平均測定反射率パラメータ<Rm>を決定するためのシステムは、画像内の各対象画素Pi,jに対して、画像の対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内のビデオ値Vi,jを均等フィルタで繰り返したたみ込むことにより、前記領域内のビデオ値の概算空間依存平均値Ai,j及びBi,jを計算し、各対象画素Pi,jに対して、たたみ込みステップの結果を平均反射率パラメータ<Rm>として用いる、1組の処理回路を有する。
【0014】
画像の積分キャビティ効果補正に用いるための画像内の画素の重み付き平均測定反射率パラメータ<Rm>を決定する別の方法(100)は、第1走査線SLi-H+1内の画素Pi-H+1,j-W+1のビデオ値Vi-H+1,j-W+1から画素Pi-H+1,jまで、及び第2走査線SLi内の画素Pi,j-W+1から画素Pi,jまでの第1コンテキスト内の、ビデオ値Vi,jの合計に基いて、第1平均ビデオ値Ai,jを計算することにより、各対象画素Pi,jで、各対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内のビデオ値Vi,jの合計に基く第1平均ビデオ値Ai,jを計算し、画素Pi,jの平均ビデオ値Ai,jから画素Pi,j+W-1の平均ビデオ値Ai,j+W-1まで、及び画素Pi+H-1,jの平均ビデオ値Ai+H-1,jから画素Pi+H-1,j+W-1の平均ビデオ値Ai +H-1,j+W-1までの第2コンテキスト内の、第1平均ビデオ値Ai,jの合計に基いて、第2平均ビデオ値Bi,jを計算することにより、各対象画素Pi,jで、各対象画素を囲むW個の画素×H本の走査線の領域内の第1平均ビデオ値Ai,jの合計に基く第2平均ビデオ値Bi,jを計算することにより、画像内の各対象画素Pi,jに対して、画像内の対象画素Pi,jを囲む前記領域内のビデオ値Vi,jを均等フィルタで繰り返したたみ込むことにより、前記領域内のビデオ値の概算空間依存平均値Ai,j及びBi,jを計算するステップと、各対象画素Pi,jに対して、たたみ込みステップの結果を平均反射率パラメータ<Rm>として用いるステップと、を有する。
【0015】
画像の積分キャビティ効果補正に用いるための画像内の画素の重み付き平均測定反射率パラメータ<Rm>の別の決定方法(100)は、第1走査線SLi-H+1内の画素Pi-H+1,j-W+1のビデオ値Vi-H+1,j-W+1から画素Pi-H+1,jまで、及び第2走査線SLi内の画素Pi,j-W+1から画素Pi,jまでの第1コンテキスト内のビデオ値Vi,jの合計に基いて、第1ビデオ合計値Si,jを計算することにより、各対象画素Pi,jで、各対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内のビデオ値Vi,jの合計に基く第1ビデオ合計値Si,jを計算し、画素Pi,jのビデオ合計値Si,jから画素Pi,j+W-1のビデオ合計値Si,j+W-1まで、及び画素Pi+H-1,jのビデオ合計値Si+H-1,jから画素Pi+H-1,j+W-1のビデオ合計値Si+H-1,j+W-1までの第2コンテキスト内の第1ビデオ合計値Si,jの合計に基いて、第2ビデオ合計値Ti,jを計算することにより、各対象画素Pi,jで、各対象画素を囲むW個の画素×H本の走査線の領域内の第1ビデオ合計値Si,jの合計に基く第2ビデオ合計値Ti,jを計算することを含むたたみ込みにより、画像内の各対象画素Pi,jに対して、画像内の対象画素Pi,jを囲む前記領域内のビデオ値Vi,jを均等フィルタで繰り返したたみ込むことにより、前記領域内のビデオ値の空間依存合計値Si,j及びTi,jを計算するステップと、各対象画素Pi,jに対して、たたみ込みステップの結果を平均反射率パラメータ<Rm>として用いるステップと、を有する。
【0016】
画像の積分キャビティ効果補正に用いるための画像内の画素の重み付き平均測定反射率パラメータ<Rm>を決定するためのシステム(10)は、各対象画素Pi,jで、対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内のビデオ値Vi,jの合計に基いて、第1平均ビデオ値Ai,jを計算するように構成され、各対象画素Pi,jに対して、対象画素Pi,jを囲む前記領域内のビデオ値Vi,jの合計を、第1の結果Ai,jとして計算する、第1段階処理回路と、各対象画素Pi,jで、各対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内の第1平均ビデオ値Ai,jの合計に基いて、第2平均ビデオ値Bi,jを計算するように構成され、各対象画素Pi,jに対して、各対象画素Pi,jを囲む前記領域内の第1の結果Ai,jの合計を、第2の結果Bi,jとして計算する、第2段階処理回路と、を含み、画像内の各対象画素Pi,jに対して、画像内の各対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内のビデオ値Vi,jを均等フィルタで繰り返したたみ込むことにより、前記領域内のビデオ値の概算空間依存平均値Ai,j及びBi,jを計算し、各対象画素Pi,jに対して、たたみ込みステップの結果を平均反射率パラメータ<Rm>として用いる、1組の処理回路を有する。
【0017】
【発明の実施の形態】
まず、図1を参照し、スキャナにおいて積分キャビティ効果補正を実施するための好ましい処理システム10を説明する。図示されるように、ビデオバッファ12は、デジタルスキャナ装置等を用いた原文書の画像形成から得られた、複数の画素Pi,jの光強度(明度)を表わす複数のビデオ値Vi,jを保持する。第1段階処理回路14は、ビデオバッファ12内の各画素ロケーションPi,jから選択されたサイズのブロック内の各ビデオ値Vi,jを読み、本発明に従って、詳細を後述するように、第1段階平均値Ai,jを生成するように構成されている。この第1段階平均値Ai,jは、第1段階平均値バッファ16に記憶される。
【0018】
第2段階処理回路18は、第1段階平均値バッファ16から選択されたサイズのブロック内の各第1段階平均値Ai,jを読み、本発明に従って、第2段階平均値Bi,jを生成するように構成されている。この第2段階平均値Bi,jは、第2段階平均値バッファ20に記憶される。ビデオバッファ12から読まれるブロックサイズと第1段階平均値バッファ16から読まれるブロックサイズとは、同じサイズであるのが好ましいが、他の異なるサイズのブロックを用いることもできる。
【0019】
本発明は、2次元均等重み付けフィルタの二重たたみ込みが、ピラミッド型の重みを有するフィルタを生じるという、数学的な原理を活用することを認識されたい。2次元均等重み付けフィルタの付加的な又は複合されたたたみ込みは、たたみ込み回数が増すにつれてプロファイルがよりガウス分布に近づく重みを有するフィルタを生じる。4×4コンテキストに対する、2次元均等重み付けフィルタの二重たたみ込みは、次のようなピラミッド型の重み付けプロファイルを有するフィルタを生じる。
【数3】
Figure 0004698015
【0020】
後述する好ましい実施形態の前置き的な例として、Vi,jをビデオバッファ12(図1)内の行i及び列jのビデオ値とする:
【数4】
Figure 0004698015
【0021】
次に、Si,jを、第1段階処理回路14によって計算される、ロケーションi,jの左上の4×4の領域又はコンテキストにわたるVi,jの合計値、即ち、Si,jを、i−4<m≦i及びj−4<n≦jに対するVm,nの合計値とする。
【0022】
この例に従うと:
【数5】
Figure 0004698015
等となる。
【0023】
上記のように第1段階処理回路14によってビデオ値Vi,jの合計値Si,jが計算され、行列の形態に配置され、次のように第1段階平均値バッファ16に記憶される。
【数6】
Figure 0004698015
【0024】
第2段階処理回路18によって、左上の4×4の領域又はコンテキストにわたって再びSi,jを合計すると、第2段階平均値バッファ20に記憶するための1組の第2合計値Ti,jを生じる。例えば:
【数7】
Figure 0004698015
【0025】
i,jをVi,jに関して明示的に展開すると、二重合計T77は、ビデオバッファ12に記憶されているビデオ値Vi,jを、画素ロケーションi=4,j=4に中心を置くピラミッド型の重みで重み付けした合計であることが示される。
【0026】
従って:
【数8】
Figure 0004698015
【0027】
上記は、4×4コンテキストの合計の合計が、7×7コンテキストのピラミッド型重み付き合計を生じることを示す。一般的に、W×Hコンテキストの合計の合計は、(2W−1)×(2H−1)のコンテキストにわたるピラミッド型重み付き合計を生じる。
【0028】
引き続き図1を参照するとともに、更に図2を参照し、本発明に従った、2次元の場合のピラミッド型重み付き合計の好ましい詳細な計算を、乗算機及び加算機の数を減らして説明する。使用するビットの総数を減らすために、本発明の第1段階処理回路14では、上述した合計Si,jではなく、ビデオ値Vi,jの平均値Ai,jを計算するのが好ましい。同様に、第2段階処理回路18では、上述した厳密な合計Ti,jではなく、第1段階平均値Ai,jの第2段階平均値Bi,jを計算する。しかしながら、本発明は、上述のピラミッド型重み付き合計を与えるための厳密な合計計算と、使用ビット数並びに必要な乗算機及び加算機の数を減らすために、後述するピラミッド型重み付き平均値を計算する平均値計算との、両方を包含することを認識されたい。
【0029】
本発明に従い、第1段階処理回路14によって、第1段階平均値バッファ16に記憶するための第1段階平均値Ai,jを計算するために、W個の画素×H本の走査線のウィンドウサイズのビデオ値Vi,jが用いられるのが好ましい。好ましくは、図2に示されるように、ビデオ値Vi,jのランニングブロック30が第1段階処理回路14によって処理され、第1段階平均値Ai,jが生成される。ランニングブロック30は、本質的に、ビデオバッファ12の画素をフレーミングして、W個の画素の幅及びH本の走査線の高さを有するコンテキストを与える。ビデオ値Vi,jは、第1段階処理回路14によって、ランニングブロック30が走査線に沿った画素方向に、即ち、図2において右に、1度に1画素列ずつ“進む”ように、ビデオバッファ12から取り出されることを認識されたい。ランニングブロックがビデオバッファ12に記憶されているビデオ値の一番右のエッジまで“移動”されたら、そのブロックは、1本下の走査線の一番左にシフトされる。ランニングブロックは、本質的に、ラスタのように繰り返し移動して、ビデオバッファ内の走査線の次の組からビデオ値を取り出す。
【0030】
第1段階処理回路14は、画素Pj-wから画素Pj-1までの走査線SLi-H+1のビデオ値の行合計を表わす値SumTopj-1を記憶するための、第1レジスタ32を含む。第2レジスタ34は、画素Pj-Wから画素Pj-1までの走査線SLiのビデオ値の行合計を記憶する。第1段階処理回路14によって実行される画像処理が画素Pj-1から画素Pjまで進むと、処理回路14は次式に従って第1レジスタ32及び第2レジスタ34を更新する:
SumTopj=SumTopj-1+Vi-H+1,j-Vi-H+1,j-W
SumBottomj=SumBottomj-1+Vi,j-Vi,j-W
【0031】
第1段階処理回路14は、各画素ロケーションで、走査線SLi-H+lから走査線SLi-lにわたる、画素Pj-w+1から画素Pjまでの行平均値の合計を表わす値Fjを記憶するための、先入れ先出し(FIFO)バッファ36を含む。本発明に従い、Fj値は前の走査線サイクルで計算され、第1のFIFO36からすぐに入手できるのが好ましい。ビデオバッファ12内の各画素ロケーションに対して、第1段階処理回路14は、次式に従って第1段階平均値Ai,jを計算する:
Ai,j=(Fj+Sumbottomj/W)/H
【0032】
次に、第1段階処理回路14は、次の走査線サイクルで用いるために、次式に従っての第1のFIFO36内のFj値を更新する:
Fj=Fj+(SumBottomj-SumTopj)/W
【0033】
引き続き図1を参照するとともに、更に図3を参照し、本発明に従った、積分キャビティ効果補正を実施するためのピラミッド型重み付き平均値を計算するための処理の第2ステップ部分を説明する。上述したように、使用ビットの総数を減らすために、本発明の第2段階処理回路18では、上述の厳密な合計計算Ti,jではなく、第1段階平均値Ai,jの第2段階平均値Bi,jを計算するのが好ましい。ここでも、本発明は、上述のピラミッド型重み付き平均値を与えるための厳密な合計計算と、使用ビット数並びに必要な乗算機及び加算機の数を減らすために、本明細書で述べるピラミッド型重み付き合計を計算する平均値計算との、両方を包含することを認識されたい。
【0034】
本発明に従い、第2段階処理回路18によって、第2段階平均値出力バッファ20に記憶するための第2段階平均値Bi,jを計算するために、W個の画素×H本の走査線のウィンドウサイズ内の第1段階平均値Ai,jが用いられるのが好ましい。好ましくは、図3に示されるように、第1段階平均値Ai,jのランニングブロック40が第2段階処理回路18によって処理され、第2段階平均値Bi,jが生成される。ランニングブロック40は、本質的に、第1段階平均値バッファ16の画素ロケーションをフレーミングして、W個の画素の幅及びH本の走査線の高さを有するコンテキストを与える。第1段階平均値Ai,jは、第2段階処理回路18によって、ランニングブロック40が走査線に沿った画素方向に、即ち、図3において右に、1度に1画素列ずつ“進む”ように、バッファ16から取り出されることを認識されたい。ランニングブロックが第1段階平均値バッファ16に記憶されている第1段階平均値Ai,jの一番右のエッジまで“移動”されたら、そのブロックは、下方且つ一番左にシフトされる。ランニングブロックは、本質的に、ラスタのように繰り返し移動して、第1段階平均値バッファ16内の走査線の次の組からビデオ値を取り出す。
【0035】
第2段階処理回路18は、画素ロケーションPj-1から画素ロケーションPj+W-2までの走査線SLiの第1段階平均値の行合計を表わす値Sum2Topj-1を記憶するための、第1レジスタ42を含む。第2レジスタ44は、画素ロケーションPj-1から画素ロケーションPj+W-2までの走査線SLi+H-1の第1段階平均値の行合計を記憶する。第2段階処理回路18によって実行される画像処理が、画素ロケーションPj-1から画素ロケーションPjまで進むと、処理回路18は次式に従って第1レジスタ42及び第2レジスタ44を更新する:
Sum2Topj=Sum2Topj-1+Ai,j+W-1-Ai,j-1
Sum2Bottomj=Sum2Bottomj-1+Ai+H-1,j+W-1-Ai+H-1,j-1
【0036】
第2段階処理回路18は、各画素ロケーションで、走査線SLiから走査線SLi+H-2にわたる、画素ロケーションPjから画素ロケーションPj+W-1までの行平均値の合計を表わす値F2jを記憶するために、先入れ先出し(FIFO)バッファ46を含む。本発明に従い、F2j値は前の走査線サイクルで計算され、第2のFIFO46からすぐに入手できるのが好ましい。第1段階平均値バッファ16内の各画素ロケーションに対して、第2段階処理回路18は、次式に従って第2段階平均値Bi,jを計算する:
Bi+H-1,j+W-1=(F2j+Sum2bottomj/W)/H
【0037】
次に、第2段階処理回路18は、次の走査線サイクルで用いるために、次式に従って第2のFIFO46内のF2j値を更新する:
F2j=F2j+(Sum2Bottomj-Sum2Topj)/W
【0038】
次に、図4を参照し、本発明に従って、積分キャビティ効果補正を実施するための、好ましい方法100を示す。図を参照すると、第1ステップ102は、第1のFIFOバッファ32及び第2のFIFOバッファ46のそれぞれを初期化する。更に、第1ステップ102は、走査線カウンターiを初期値“1”に初期化するとともに、1組の線バッファV及びAを、走査されたデジタル画像の一番端のエッジに沿ったビデオ値に対応する値に初期化する。
【0039】
次に、ステップ104で、走査線カウンター値が、予め選択されたランニングブロックのサイズの、画像内の走査線の総数を表わす第1の値Nyに、走査線の高さを表わす値Hを加えた、合計値と比較される。勿論、現在の走査線iが、画像内の走査線の総数とランニングブロックの高さとの合計値を超える場合は、方法100はステップ106で終了する。しかし、現在の走査線iが、まだ走査された画像の境界内にある場合は、ステップ108で初期化手続きが実行される。
詳細には、ステップ108で、第1段階処理回路14内の第1レジスタ32及び第2レジスタ34、並びに第2段階処理回路18内の第1レジスタ42及び第2レジスタ44が初期化される。ステップ108では、更に、ビデオバッファ12の新たな走査線が第1段階処理回路14に読み込まれ、パラメータjが、最初の画素列を示す値“1”に初期化される。
【0040】
次に、ステップ110で、現在の画素列jが、画像の幅にわたる画像内の画素の総数を表わすパラメータNxに、ランニングブロック30の幅を表わすパラメータWを加えた値と比較される。現在の画素列jが、画像の幅Nxとランニングブロック30の幅Wとの合計値を超える場合には、現在の走査線を表わすパラメータiがステップ112で増分される。一方、現在の画素列jが、画像の幅Nxとランニングブロック30の幅Wとの合計値より低い場合には、ブロック114で処理が実行される。
【0041】
次に、ステップ116で、現在の走査線を表わすパラメータiが、ランニングブロック30の高さHと比較される。更に、現在の画素列を表わすパラメータjが、ランニングブロック30の幅を表わすパラメータWと比較される。現在の走査線及び現在の画素列の両方が、それぞれ、ランニングブロックの高さH及び幅Wと等しいか又は超える場合には、ステップ118で、画素ロケーションPi,jの、積分キャビティ効果補正されたビデオri,jが、次式に従って計算される:
【数9】
Figure 0004698015
【0042】
ステップ120では、現在の画素列のパラメータjが増分される。これは、ランニングブロック30及び40の各々を、図2及び図3において右に“スライドする”効果を有する。その後、方法100は、ステップ110で上述のように継続する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った積分キャビティ効果補正を実施するためのシステムの模式図である。
【図2】図1に示されるシステムで実行される処理の第1ステップ部分を示す図である。
【図3】図1に示されるシステムで実行される処理の第2ステップ部分を示す図である。
【図4】本発明に従った積分キャビティ効果補正を実施するために、図1に示されるシステムによって実行される好ましい方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 処理システム
12 ビデオバッファ
14 第1段階処理回路
16 第1段階平均値バッファ
18 第2段階処理回路
20 第2段階平均値バッファ

Claims (3)

  1. 画像の積分キャビティ効果補正に用いるための画像内の画素の重み付き平均測定反射率パラメータ<Rm>の決定方法であって、
    画像内の各対象画素Pi,jに対して、画像内の各対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内のビデオ値Vi,jを均等フィルタで繰り返したたみ込むことにより、前記領域内のビデオ値の概算空間依存平均値として第1平均ビデオ値Ai,j及び第2平均ビデオ値Bi,jを計算して、前記画像内のビデオ値のピラミッド型重み付き平均値を得るたたみ込みステップと、
    各対象画素Pi,jに対して、前記たたみ込みステップで得られたピラミッド型重み付き平均値を、平均反射率パラメータ<Rm>として用いるステップと、
    を含み、
    前記たたみ込みステップでは、
    前記H本の各走査線を行とし、
    前記H本の内の第1本目から第H−1本目の各走査線におけるビデオ値の行平均値の合計をF j とし、
    前記H本目の走査線におけるビデオ値の行平均値をSumBottom j とすると、
    各対象画素Pi,jで、対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内のビデオ値Vi,jの合計に基いて、第1平均ビデオ値Ai,jを
    Ai,j=(F j +SumBottom j /W)/H
    により計算し、
    前記H本の内の第1本目から第H−1本目の各走査線における第1平均ビデオ値の行平均値の合計をF2 j とし、
    前記H本目の走査線における第1平均ビデオ値の行平均値をSum2Bottom j とすると、
    各対象画素Pi,jで、各対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内の第1平均ビデオ値Ai,jの合計に基いて、第2平均ビデオ値Bi,jを
    Bi,j=(F2 j +Sum2Bottom j /W)/H
    により計算する、
    重み付き平均測定反射率パラメータの決定方法。
  2. 画像の積分キャビティ効果補正に用いるための画像内の画素の重み付き平均測定反射率パラメータ<Rm>の決定方法であって、
    画像内の各対象画素Pi,jに対して、画像内の各対象画素Pi,jを囲むWである7個の画素×Hである7本の走査線の領域内のビデオ値Vi,jを均等フィルタで繰り返したたみ込むことにより、前記領域内のビデオ値の空間依存合計値として第1ビデオ合計値Si,j及び第2ビデオ合計値Ti,jを計算して、前記画像内のビデオ値のピラミッド型重み付き合計を得るたたみ込みステップと、
    各対象画素Pi,jに対して、前記たたみ込みステップで得られたピラミッド型重み付き合計を、平均反射率パラメータ<Rm>として用いるステップと、
    を含み、
    前記走査線の方向を行方向、前記走査線と直交する方向を列方向とすると、
    前記たたみ込みステップでは、
    各対象画素Pi,jで、対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内において4×4の画素の範囲を、行方向及び列方向各々に1画素ずつ4画素分ずらしながら各範囲内において求めたビデオ値Vi,jの合計を、第1ビデオ合計値Si,jとして計算し、
    各対象画素Pi,jで、対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内の第1ビデオ合計値Si,jの合計を、第2ビデオ合計値Ti,jとして計算する、
    重み付き平均測定反射率パラメータの決定方法。
  3. 画像の積分キャビティ効果補正に用いるための画像内の画素の重み付き平均測定反射率パラメータ<Rm>を決定するためのシステムであって、
    画像内の各対象画素Pi,jに対して、画像内の各対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内のビデオ値Vi,jを均等フィルタで繰り返したたみ込むことにより得られた結果を、平均反射率パラメータ<Rm>として用いる、1組の処理回路を備え、
    前記1組の処理回路は、第1段階処理回路と、第2段階処理回路と、を含み、
    前記H本の各走査線を行とし、
    前記H本の内の第1本目から第H−1本目の各走査線におけるビデオ値の行平均値の合計をF j とし、
    前記H本目の走査線におけるビデオ値の行平均値をSumBottom j とすると、
    前記第1段階処理回路は、
    各対象画素Pi,jで、対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内のビデオ値Vi,jの合計に基いて、第1平均ビデオ値Ai,jを計算するように構成され、各対象画素Pi,jに対して、対象画素Pi,jを囲む前記領域内のビデオ値Vi,jの合計を、第1の結果Ai,jとして
    Ai,j=(F j +SumBottom j /W)/H
    により計算し、
    前記H本の内の第1本目から第H−1本目の各走査線における第1平均ビデオ値の行平均値の合計をF2 j とし、
    前記H本目の走査線における第1平均ビデオ値の行平均値をSum2Bottom j とすると、
    前記第2段階処理回路は、
    各対象画素Pi,jで、各対象画素Pi,jを囲むW個の画素×H本の走査線の領域内の第1平均ビデオ値Ai,jの合計に基いて、第2平均ビデオ値Bi,jを計算するように構成され、各対象画素Pi,jに対して、各対象画素Pi,jを囲む前記領域内の第1の結果Ai,jの合計を、第2の結果Bi,jとして
    Bi,j=(F2 j +Sum2Bottom j /W)/H
    により計算する、
    重み付き平均測定反射率パラメータを決定するためのシステム。
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