JP4693297B2 - 放射線撮像装置および放射線撮像システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファイバープレート(ファイバーオプティックプレートともいう)、放射線撮像装置、それらの製造方法、並びに、それを備えた放射線撮像システムに関し、特に、放射線を光に変換する変換手段と、光を電気信号に変換する光電変換素子とを備えた放射線撮像装置に用いられる、変換手段からの光を光電変換素子へ導くためのファイバープレートに特に関連するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、放射線撮像装置、特に医療を目的とするX線撮影装置ではX線動画の撮像が可能で画像品位が優れ、且つ、薄型で大面積入力範囲を有するX線撮像装置が求められている。また医療用のみならず、産業用非破壊検査機などにも薄型で安価な大面積のX線撮像装置が求められている。
【0003】
このようなX線撮像装置としては、例えば、(1)ファイバープレートのファイバ繊維に傾斜を設けCCDセンサの非受光部(周辺回路)が干渉しあうことを防ぎ大面積化したX線検出装置(例えば、米国特許第5,563,414号)、(2)ファイバープレートの厚みに段差をつけてCCDセンサの非受光部が干渉しないように大面積化したX線検出装置(例えば、米国特許第5,834,782号)などがある。
【0004】
上記(1)の構成のX線検出装置の概略的断面図を図37に示す。図37は、X線を可視光に変換するシンチレータなどからなる蛍光体3と、蛍光体3によって変換された可視光を撮像素子1側へ導く光ファイバーなどの個別ファイバープレート2Aと、個別ファイバープレート2Aによって導かれた可視光を電気信号に変換する撮像素子1Aとを有するX線検出装置を示している。
【0005】
このX線撮像装置は、個別ファイバープレート2Aを撮像素子1Aに対して傾斜を設けており、個別ファイバープレート2A間には、各撮像素子1Aからの電気信号を処理する処理回路等が設けられている。
【0006】
上記(2)の構成のX線検出装置の概略的斜視図を図38に示す。なお、図38において、図37と同様の部分には、同一の符号を付している。図38に示すように、ファイバープレート2の長さを部分的に変えて、例えば3つの撮像素子1を一組として各組毎に段差を設けることによって、各撮像素子1に処理回路等を備えられるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記(1)の構成は、光ファイバーの軸に対して斜めに交差する導光面(光入出射面)を有しており、それぞれのファイバープレートの光ファイバーの軸が互いに交差するように配置されている。この構成では、X線撮像装置の更なる小型化が困難である。
【0008】
一方、上記(2)の構成は、X線撮像装置が更に大型化する。また、各段差部分と撮像素子との位置合わせ精度が厳しいため、製造工数が多くなり、且つ高精度な位置合わせ装置が必要になる。これらを鑑みると上記(2)の構成は現実的ではない。
【0009】
このように、上記従来のX線撮像装置では、X線撮像装置の大型化、低コスト化、製造工程での作業性等の点で必ずしも十分なものではなかった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、放射線撮像装置の小型化、低コスト化に適し、製造工程での作業性にもより優れた大面積のファイバープレート、放射線撮像装置及び放射線撮像システムを提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、大面積のファイバープレート、放射線撮像装置及び放射線撮像システムを安価に提供することができるファイバープレートの製造方法並びに放射線撮像装置の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面は、放射線撮像装置に係り、前記放射線撮像装置は、光を電気信号に変換する複数の画素を有する光電変換素子と、放射線を前記光電変換素子が検知可能な波長の光に変換する波長変換体と、前記波長変換体と前記光電変換素子との間に設けられたファイバープレートとを有し、前記光電変換素子は、基板上に搭載された複数の光電変換素子チップを含み、前記ファイバープレートは、厚さの等しい複数の個別ファイバープレートが隣接配置され、前記複数の個別ファイバープレートはそれぞれ互いに平行な軸を有する光ファイバーの集合体であり、前記複数の個別ファイバープレートの側面同士がそれぞれの前記光ファイバーの軸が平行になるように接合されており、前記ファイバープレートと複数の前記光電変換素子チップは透明接着材によって接着されており、隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙の幅は、前記光電変換素子の画素の幅より小さい。
本発明の第2の側面は、放射線撮像装置に係り、前記放射線撮像装置は、光を電気信号に変換する光電変換素子と、放射線を前記光電変換素子が検知可能な波長の光に変換する波長変換体と、前記波長変換体と前記光電変換素子との間に設けられたファイバープレートとを有し、前記光電変換素子は、基板上に搭載された複数の光電変換素子チップを含み、前記ファイバープレートは、厚さの等しい複数の個別ファイバープレートが隣接配置され、前記複数の個別ファイバープレートはそれぞれ互いに平行な軸を有する光ファイバーの集合体であり、前記複数の個別ファイバープレートの側面同士がそれぞれの前記光ファイバーの軸が平行になるように接合されており、前記ファイバープレートと複数の前記光電変換素子チップは透明接着材によって接着されており、前記光電変換素子は、互いに異なる受光面積を有する複数の画素を有しており、隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙の幅は、前記光電変換素子の最小受光面積を有する画素の幅より小さい。
本発明の第3の側面は、放射線撮像装置に係り、前記放射線撮像装置は、光を電気信号に変換する光電変換素子と、放射線を前記光電変換素子が検知可能な波長の光に変換する波長変換体と、前記波長変換体と前記光電変換素子との間に設けられたファイバープレートとを有し、前記光電変換素子は、基板上に搭載された複数の光電変換素子チップを含み、複数の前記光電変換素子チップの各々は複数の画素を有し、前記ファイバープレートは、厚さの等しい複数の個別ファイバープレートが隣接配置され、前記複数の個別ファイバープレートはそれぞれ互いに平行な軸を有する光ファイバーの集合体であり、前記複数の個別ファイバープレートの側面同士がそれぞれの前記光ファイバーの軸が平行になるように接合されており、前記ファイバープレートと複数の前記光電変換素子チップは透明接着材によって接着されており、隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙が、前記光電変換素子チップの有効画素領域上に位置している。
本発明の第4の側面は、放射線撮像装置に係り、前記放射線撮像装置は、光を電気信号に変換する複数の画素を有する光電変換素子と、放射線を前記光電変換素子が検知可能な波長の光に変換する波長変換体と、前記波長変換体と前記光電変換素子との間に設けられたファイバープレートとを有し、前記光電変換素子は、基板上に搭載された複数の光電変換素子チップを含み、前記ファイバープレートは、厚さの等しい複数の個別ファイバープレートが隣接配置され、前記複数の個別ファイバープレートはそれぞれ互いに平行な軸を有する光ファイバーの集合体であり、前記複数の個別ファイバープレートの側面同士がそれぞれの前記光ファイバーの軸が平行になるように接合されており、前記ファイバープレートと複数の前記光電変換素子チップは透明接着材によって接着されており、隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙が、複数の前記画素の間隙上に位置している。
本発明の他の骨子は、厚さの等しい複数の個別ファイバープレートが、一つの前記個別ファイバープレートの導光面より面積の大きな導光面を提供するように、隣接配置されたファイバープレートにおいて、前記複数の個別ファイバープレートは、それぞれ、互いに平行な軸を有する光ファイバーの集合体からなり、前記複数の個別ファイバープレートの側面同士が、それぞれの前記光ファイバーの軸が平行になるように、接合されていることを特徴とする。
【0013】
上記発明においては、前記光ファイバーの軸が前記導光面の法線に平行或いは傾いていることが好ましいものである。
【0014】
上記発明においては、前記導光面又は前記側面のうち少なくともいずれか一方は研磨された面であることが好ましいものである。
【0015】
上記発明においては、接着材、又は金属のうち少なくともいずれか一方により、前記側面同士が接合されていることが好ましいものである。
【0016】
上記発明においては、前記接合部は放射線遮蔽性接合部であることが好ましいものである。
【0017】
上記発明においては、前記側面は、前記導光面の法線に対して交差する面を有することが好ましいものである。
【0018】
本発明の別の骨子は、厚さの等しい複数の個別ファイバープレートが、一つの前記個別ファイバープレートの導光面より面積の大きな導光面を提供するように、隣接配置されたファイバープレートにおいて、前記複数の個別ファイバープレートは、それぞれ、前記導光面の法線に対して平行な軸を有する光ファイバーの集合体からなり、前記複数の個別ファイバープレートの側面同士が、それぞれの前記光ファイバーの軸が平行になるように、接合されており、前記ファイバープレートの前記導光面となる表面と裏面の面積が等しいことを特徴とする。
【0019】
上記発明においては、前記複数の個別ファイバープレートの互いに平行な側面同士が接合されていることが好ましいものである。
【0020】
上記発明においては、前記導光面は研磨された面であることが好ましいものである。
【0021】
上記発明においては、前記側面は研磨された面であることが好ましいものである。
【0022】
上記発明においては、接着材、又は金属のうち少なくともいずれか一方により、前記側面同士が接合されていることを特徴とすることが好ましいものである。
【0023】
上記発明においては、前記接合部は放射線遮蔽性接合部であることが好ましいものである。
【0024】
上記発明においては、前記複数の個別ファイバープレートの接合される側面は、前記導光面の法線に対して交差する面を有することが好ましいものである。
【0025】
本発明の更に別の骨子は、放射線を光に変換する波長変換体と、光を電気信号に変換する光電変換素子と、前記波長変換体と前記光電変換素子との間に設けられたファイバープレートとを備えた放射線撮像装置において、前記ファイバープレートは、厚さの等しい複数の個別ファイバープレートが一つの前記個別ファイバープレートの導光面より面積の大きな導光面を提供するように隣接配置され、前記複数の個別ファイバープレートはそれぞれ互いに平行な軸を有する光ファイバーの集合体からなり、前記複数の個別ファイバープレートの側面同士がそれぞれの前記光ファイバーの軸が平行になるように接合されているファイバープレートであることを特徴とする。
【0026】
上記発明において、前記光ファイバーの軸が前記導光面の法線に平行或いは傾いていることが好ましいものである。
【0027】
上記発明においては、前記導光面又は前記側面のうち少なくともいずれか一方は研磨された面であることが好ましいものである。
【0028】
上記発明においては、接着材、又は金属のうち少なくともいずれか一方により、前記側面同士が接合されていることが好ましいものである。
【0029】
上記発明においては、前記接合部は放射線遮蔽性接合部であることが好ましいものである。
【0030】
上記発明においては、前記側面は、前記導光面の法線に対して交差する面を有することが好ましいものである。
【0031】
上記発明においては、隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙の幅は、前記光電変換素子の画素の幅より小さいことが好ましいものである。
【0032】
上記発明においては、前記光電変換素子は、互いに異なる受光面積を有する複数の画素を有しており、隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙の幅は、前記光電変換素子の最小受光面積を有する画素の幅より小さいことが好ましいものである。
【0033】
上記発明においては、隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙が、前記光電変換素子を構成するチップの間隙上に位置していることが好ましいものである。
【0034】
上記発明においては、隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙が、前記光電変換素子を構成するチップの有効画素領域上に位置していることが好ましいものである。
【0035】
上記発明においては、隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙で形成される繋ぎ目線が、前記光電変換素子を構成するチップの間隙で形成される繋ぎ目線と0°より大きく90°より小さい角度で交差していることが好ましいものである。
【0036】
本発明の更に別の骨子は、放射線を光に変換する波長変換体と、光を電気信号に変換する光電変換素子と、前記波長変換体と前記光電変換素子との間に設けられたファイバープレートとを備えた放射線撮像装置において、前記ファイバープレートは、厚さの等しい複数の個別ファイバープレートが、一つの前記個別ファイバープレートの導光面より面積の大きな導光面を提供するように、隣接配置され、前記複数の個別ファイバープレートは、それぞれ、前記導光面の法線に平行な軸を有する光ファイバーの集合体からなり、前記複数の個別ファイバープレートの側面同士が、それぞれの前記光ファイバーの軸が平行になるように、接合されており、前記ファイバープレートの前記導光面となる表面と裏面の面積が等しいファイバープレートであることを特徴とする。
【0037】
上記発明においては、前記個別ファイバープレートの側面は研磨された面であることが好ましいものである。
【0038】
上記発明においては、前記導光面は研磨された面であることが好ましいものである。
【0039】
上記発明においては、接着材、又は金属のうち少なくともいずれか一方により、前記側面同士が接合されていることが好ましいものである。
【0040】
上記発明においては、前記接合部は放射線遮蔽性接合部であることが好ましいものである。
【0041】
上記発明においては、前記個別ファイバープレートの側面は、前記導光面の法線に対して交差する面を有することが好ましいものである。
【0042】
上記発明においては、隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙の幅は、前記光電変換素子の画素の幅より小さいことが好ましいものである。
【0043】
上記発明においては、前記光電変換素子は、互いに異なる受光面積を有する複数の画素を有しており、隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙の幅は、前記光電変換素子の最小受光面積を有する画素の幅より小さいことが好ましいものである。
【0044】
上記発明においては、隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙が、前記光電変換素子を構成するチップの間隙上に位置していることが好ましいものである。
【0045】
上記発明においては、隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙が、前記光電変換素子を構成するチップの有効画素領域上に位置していることが好ましいものである。
【0046】
上記発明においては、隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙で形成される繋ぎ目線が、前記光電変換素子を構成するチップの間隙で形成される繋ぎ目線と0°より大きく90°より小さい角度で交差していることが好ましいものである。
【0047】
本発明のその他の骨子は、放射線を光に変換する波長変換体と、光を電気信号に変換する光電変換素子チップと、前記波長変換体と前記光電変換素子との間に設けられた個別ファイバープレートとを備えた放射線撮像ユニットが複数配列された放射線撮像装置において、複数の放射線撮像ユニットの前記個別ファイバープレートの側面同士がそれらの光ファイバーの軸が互いに平行になるように接合されていることを特徴とする。
【0048】
上記発明においては、前記個別ファイバープレートの側面は研磨された面であることを特徴とする。
【0049】
上記発明においては、前記導光面は研磨された面であることが好ましいものである。
【0050】
上記発明においては、前記放射線撮像ユニットは、前記波長変換体と、前記光電変換素子チップと、前記個別ファイバープレートと、がほぼ同じサイズであることが好ましいものである。
【0051】
本発明のその他の骨子は、ファイバープレートの製造方法において、互いに平行な軸を有する光ファイバーの集合体からなる、厚さの等しい複数の個別ファイバープレートを、複数用意する工程、一つの前記個別ファイバープレートの導光面より面積の大きな導光面を提供するように、前記複数の個別ファイバープレートを隣接配置する工程、隣接する前記個別ファイバープレートの側面同士を、それぞれの前記光ファイバーの軸が平行になるように、接合する工程、を含むことを特徴とする。
【0052】
上記発明においては、前記複数の個別ファイバープレートのうち少なくとも2つを接合して個別ファイバープレートの組を形成する工程、前記個別ファイバープレートの組を更に複数接合して前記ファイバープレートを形成する工程、を含むことが好ましい。
【0053】
上記発明においては、前記個別ファイバープレートの組の側面を研磨した後、複数の前記個別ファイバープレートの組を、該側面が隣接するように接合することが好ましい。
【0054】
上記発明においては、隣接する前記個別ファイバープレートの側面同士を、金属又は接着材を用いて接合することが好ましい。
【0055】
上記発明においては、複数の個別ファイバープレートを接合した後、それらの表面を研磨することが好ましい。
【0056】
上記発明においては、導光面の法線と平行な軸を有する光ファイバーの集合体からなる、厚さの等しい複数の個別ファイバープレートを、複数用意する工程、一つの前記個別ファイバープレートの導光面より面積の大きな導光面を提供するように、前記複数の個別ファイバープレートを隣接配置する工程、隣接する前記個別ファイバープレートの側面同士を、それぞれの前記光ファイバーの軸が平行になるように、接合する工程、を含むことが好ましい。
【0057】
上記発明においては、前記複数の個別ファイバープレートのうち少なくとも2つを接合して個別ファイバープレートの組を形成する工程、前記個別ファイバープレートの組を更に複数接合して前記ファイバープレートを形成する工程、を含むことを特徴とする。
【0058】
上記発明においては、前記個別ファイバープレートの組の側面を研磨した後、複数の前記個別ファイバープレートの組を、該側面が隣接するように接合することが好ましい。
【0059】
上記発明においては、隣接する前記個別ファイバープレートの側面同士を、金属又は接着材を用いて接合することが好ましい。
【0060】
上記発明においては、複数の個別ファイバープレートを接合した後、それらの表面を研磨することが好ましい。
【0061】
上記発明においては、互いに平行な軸を有する光ファイバーの集合体からなる、複数の個別ファイバープレートを、複数用意する工程、一つの前記個別ファイバープレートの導光面より面積の大きな導光面を提供するように、前記複数の個別ファイバープレートを隣接配置する工程、隣接する前記個別ファイバープレートの側面同士を接合した後、それらの表面を研磨することが好ましい。
【0062】
本発明の更に他の骨子は、放射線撮像装置の製造方法において、上述したファイバープレートを用意する工程、光電変換素子に貼り合せる工程、を含むことを特徴とする。
【0063】
上記発明においては、表面が平坦化された前記ファイバープレートと前記光電変換素子とを貼り合わせた後に、該ファイバープレートにシート状の波長変換体を貼ることが好ましい。
【0064】
上記発明においては、表面が平坦化された前記ファイバープレートにシート状の波長変換体を貼り合わせた後に、前記光電変換素子とを貼り合わせることが好ましい。
【0065】
更に本発明のその他の骨子は、前記放射線撮像装置からの信号を処理する信号処理手段と、前記信号処理手段からの信号を記録するための記録手段と、前記信号処理手段からの信号を表示するための表示手段と、前記放射線を発生させるための放射線源とを具備することを特徴とする放射線撮像システム。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照して説明する。
【0067】
図1は、本発明によるファイバープレートの基本的な構成を説明するための模式的斜視図である。
【0068】
図1において、2は多数の光ファイバーからなる一つのファイバープレート(個別ファイバープレート)であり、7は隣接する少なくとも2つの個別ファイバープレート2Aを接合する接合材である。
【0069】
本発明に用いる個別ファイバープレート2Aは、例えば、直径1μm〜100μm程度の光ファイバーを1千本〜1億本程度平行にして束ねて一体成形した光ファイバー束を、光ファイバーの軸と垂直な平面が露出するように、厚さが1mm〜20mm程度の板状に切断して得られるものである。
【0070】
従って、個別ファイバープレート2Aの導光面(光入出射面)を図1のxy平面とすると、全ての光ファイバーの軸は図1のz軸とほぼ平行であるので、光入出射面の法線と軸とは±1°程度の誤差範囲内で平行であり、それらのなす角度は0°±1°となる。
【0071】
そして、厚さが同じ複数の個別ファイバープレート2Aをxy面に沿って、光入出射面が同一平面となるように並べ、個別ファイバープレート2Aの側面同士を、それぞれの光ファイバーの軸が平行になるように、接合する。
【0072】
これにより、このファイバープレートは大面積の光入出射面を提供する大面積ファイバープレート2となる。なお、厚さが同じといっても厳密に同じである必要はなく、多少の誤差は許容範囲内である。
【0073】
また、別の形態としては、xy平面に対して傾いた光ファイバーの軸を備え、平行四辺形断面を有する個別ファイバープレートを複数用意し、それらの軸が互いに平行になるように、側面同士を接合した大面積ファイバープレートであってもよい。
【0074】
ここでは、2つの個別ファイバープレート2Aのみ図示しているが、その数は特に限定されるものではない。また個別ファイバープレート2Aの厚さは、厳密に同じである必要はなく、多少の誤差は許容される。必要に応じて、個別ファイバープレート2A同士の接合後にファイバープレート2の表面を研磨することも好ましいものである。
【0075】
光ファイバーとしては、ガラスなど周知の材料から形成されるものであり、より好ましくは鉛ガラスのように、鉛のような放射線遮蔽材料を含む光透過性材料からなるものであることが望ましい。
【0076】
接合材としては、後述するような有機物系の接着材、又は無機物の接合材が用いられる。とりわけ、ファイバープレートとの熱膨張係数等の特性が等しいか、又は熱膨張係数等の特性が近似している材料が好ましく用いられる。
【0077】
個別フィーバープレート2Aの大きさとしては、特に限定されるものではないが、例えば、その面積が数十cm2〜数千cm2程度の大きさのものを用いることができる。
【0078】
図2は、上述したファイバープレートを用いた放射線撮像装置の基本的な構成を示す模式図である。
【0079】
図2において、1Aは、CCDイメージセンサチップ、CMOSイメージセンサチップ、バイポーラ型イメージセンサチップ、CMD型イメージセンサチップ、薄膜トランジスタ型イメージセンサチップなどの集積回路チップで構成された撮像素子であり、複数の撮像素子が並べられて大面積の撮像素子(光電変換素子)1が構成されている。
【0080】
複数の個別ファイバープレート2Aが並べられて大面積のファイバープレート2が構成されている。
【0081】
また、3は、波長変換体であり、Gd2O2S(Tb)のようなガドリニウム硫化酸化物、CsI(Tl)のような沃化セシウムに代表されるハロゲン化アルカリ金属などの、シンチレータ或いは蛍光体と呼ばれる材料からなる層状部材である。
【0082】
貼り合わされた大面積ファイバープレート2の導光面積を、貼り合わされた大面積撮像素子1の有効受光面積と同じか、それよりも大きなものとし、さらに、波長変換体3の面積を貼り合わされた大面積ファイバープレート2の導光面積と同じか、それよりも大きなものとするとよい。
【0083】
図2の上方から放射線が波長変換体3の上面に入射すると、波長変換体3は、可視光域の光を発光する。波長変換体3と撮像素子1との間に配されたファイバープレート2が、この光を撮像素子1の受光部に導く。受光部に入射した光はそこで画素毎に光電変換され、電気信号として読み出される。
【0084】
ここで、ファイバープレート2Aとして放射線遮蔽性ファイバープレートを用いれば、放射線の撮像素子1への入射を妨げることができるので、撮像素子の誤動作、ノイズの生成を抑制することができる。
【0085】
図2では、個別ファイバープレート2Aの数と、撮像素子チップ1Aの数を同数として描いているが、本発明はこれらが同数に限定されることはなく、互いに異なる数であってもよい。
【0086】
好ましくは、個別ファイバープレート2Aの寸法が撮像素子チップ1Aの寸法より大きなものを選択して、個別ファイバープレート2Aの数を撮像素子チップ1Aの数より少なくするとよい。
【0087】
なお、本発明の撮像装置は以下に説明するX線撮像装置に好適に用いることができるが、特にその用途はX線撮像装置に限定されるものではなく、α,β,γ線等のX線以外の放射線像を検出する放射線撮像装置にも用いることができる。
【0088】
また、光は画素により検出可能な波長領域の電磁波であり、可視光を含む。さらに、例えば放射線を含む電磁波を電気信号に変換する電磁波電気信号変換装置にも適用することができる。
【0089】
(実施形態1)
図3は、本発明の実施形態1のX線撮像装置の断面図である。図3には、X線を可視光等の撮像素子(光電変換素子)で検知可能な波長の光に変換するシンチレータとしての蛍光体(波長変換体)3と、波長変換体3によって変換された光を撮像素子側へ導く複数の光ファイバーからなる個別ファイバープレート2Aと、光を電気信号に変換する光電変換用受光素子を備えた撮像素子1と、を有する装置が示されている。
【0090】
この装置は、さらに、個別ファイバープレート2Aを相互に接着する接着材7を有しており、更に必要に応じて、大面積ファイバープレート2と複数の画素を備えた撮像素子1とを接着する弾性に優れた透明接着材6と、各撮像素子チップ1Aからの電気信号を外部に出力するための配線を有するフレキシブル基板4と、フレキシブル基板4と撮像素子チップ1Aとを電気的に接続するバンプ5と、フレキシブル基板4が接続されるプリント基板12と、蛍光体3を保護するアルミ保護シート8と、撮像素子1を搭載するベース基板10と、ベース基板10を保持するためのベース筐体11と、ベース筐体11に備えられた筐体カバー9と、撮像素子1とファイバープレート2との間に設けられた一定間隔を保持するためのスペーサ13と、透明接着材6をファイバープレート2と撮像素子1との間に介在させるための目地うめ接着材14とを有している。
【0091】
図3に示すX線撮像装置は、撮像素子1と、個別ファイバープレート2Aを複数備えた大面積ファイバープレート2とを透明接着材6によって貼り合わせることによって、作製されている。
【0092】
図4は、本発明に用いることができる撮像素子の概略的な構成の一例を示す平面図である。
【0093】
図4には、2次元配列した複数の受光素子を含む通常画素101と、駆動回路103の外側に設けられた複数の周辺画素104と、各通常画素101及び各周辺画素104を順次駆動する駆動回路103と、撮像素子チップ1Aの入出力端子102とを示している。
【0094】
通常画素101は、ほぼ撮像素子チップ1Aの全面に配しており、通常画素101のピッチは、後述するように、例えば160μmとしている。通常画素101間には駆動回路103を分割して分散配置している。なお、周辺画素104は、通常画素101に比べて面積が小さいため、画素信号を補正処理することによって、面積の相違がなくなるようにしている。
【0095】
図5(a),図5(b)は、本発明に用いられる撮像素子の出力端子付近の構成を示している。図5(a)は、撮像素子チップ1Aのバンプ5及びフレキシブル配線基板4付近の上面図、図5(b)は、図5(a)の5B線による断面図である。
【0096】
図5において、5は接続用バンプ、401はバンプ5に接続されるフレキシブル基板4のインナーリード、105は撮像素子チップ1Aの端部とインナーリード401とのショートの防止及び撮像素子1の端部欠損を防止するポリイミド樹脂層などの有機絶縁層である。
【0097】
図6は、図5(a),図5(b)に示したバンプ5とフレキシブル基板4との電気的接続を行う方法を説明するための模式図である。
【0098】
はじめに、有機絶縁層105として、たとえばポリイミド樹脂層を撮像素子チップ1Aの端部に25μmの厚さとなるように形成する。
【0099】
つぎに、バンプ5とフレキシブル基板4との電気的接続を行うために、まず、撮像素子チップ1Aの入出力端子102に、スタッドバンプ方式やメッキなどによりバンプ5を形成する。
【0100】
そして、バンプ5とインナーリード401とを、例えば超音波を用いたボンディングにより融着すると、バンプ5の金属とインナーリード401の金属との金属間接合により両者が電気的且つ物理的に接続される。
【0101】
ちなみに、インナーリード401は、銅箔などをエッチングすることによって形成し、ニッケル及び金を用いてメッキを施して、18μm程度の厚さとしたものを利用し、またフレキシブル配線基板の総厚は、50μm程度としたものを利用することができる。
【0102】
つぎに、撮像素子チップ1Aを保持台17,18によって上下に挟んで保持した状態で、治具19を保持台17,18に向けて図6の矢印の方向に移動させる。こうして、撮像素子チップ1Aの端部でインナーリード401を図面下側に向けて90°程度に曲げる。
【0103】
図7(a)は、本発明に用いられる撮像素子のフレキシブル配線基板付近の断面図である。図7(b)は、撮像素子のフレキシブル配線基板付近の上面図である。
【0104】
図7(a),図7(b)に示すように、X方向においては、周辺画素104の幅S1が通常画素101の幅S2より小さくしている(S1<S2)。
【0105】
図7(b)では、各周辺画素104間のピッチP2と、各通常画素101と各周辺画素104との間のピッチP1が異なるように描かれているが、好ましくは、これらが一定、すなわちP1=P2となり、更には通常画素間のピッチPとも同じ、すなわちP1=P2=Pとなるように配置されることが望ましい。
【0106】
こうすると、画素ピッチは周辺画素、通常画素に限らず、すべて等ピッチとなり、画像品位を向上させることができる。
【0107】
図8(a)〜図8(f)は、本発明に用いられる撮像素子とベース基板との接着工程を示す図である。
【0108】
まず、フレキシブル基板4を備えた複数の撮像素子チップ1Aを、X,Y,Z方向及びθ(回転)方向に可動するアライメントヘッド31及びアライメントカメラ33を用いて位置合わせしながらステージ32上に載置する。
【0109】
このとき、各撮像素子チップ1Aは、ステージ32に形成されている孔32Aから図示しないバキューム装置などで吸引されることによってステージ32上に固定される(図8(a))。
【0110】
この状態で、各撮像素子チップ1Aが所要の動作を行うかどうかの検査を行う。この検査では、検査治具34を用いて、例えば静電気などによって各撮像素子チップ1Aが破壊されているかどうかなどを調べる(図8(b))。
【0111】
そして、検査の結果、ある撮像素子チップ1Aに欠陥が発見されれば、その撮像素子チップ1Aの下方のバキューム装置をオフして、アライメントヘッド31を用いて不良チップを交換する(図8(c))。
【0112】
つづいて、撮像素子1上に、接着剤塗布用ディスペンサ34から紫外線硬化型樹脂又はシリコーン樹脂などの接着材35をチップの上面に塗布する(図8(d))。
【0113】
そして、ベース基板10に設けられた長孔10Aにフレキシブル基板4を挿入し、それから撮像素子1とベース基板10とを密着させた後に、紫外線を照射したり加圧することによって接着材35を硬化させ固定する(図8(e))。
【0114】
なお、このとき、個別ファイバープレート2Aの大きさと撮像素子チップ1Aとの大きさをほぼ同じにして、これらを位置合わせするとよい。また、ここでは、ベース基板10には、撮像素子1との間における熱膨張率などを考量して、ガラス又はパーマアロイ(鉄+ニッケル)合金を用いることが好ましい。
【0115】
そして、撮像素子1とベース基板10とを接着固定した後に、バキューム装置をオフにして、ステージなどの治具36から撮像素子1及びベース基板10を取り外す(図8(f))。
【0116】
こうして、複数の撮像素子チップ1Aが貼り合わされた大面積撮像素子1が得られる。
【0117】
図9(a)〜図9(d)は、本発明に用いられる大面積撮像素子と、上述した大面積ファイバープレートとを貼り合わせる工程を説明するための模式図である。
【0118】
なお、図9(a)及び図9(c)は断面を、図9(b)及び図9(d)は平面を示している。
【0119】
ベース基板10と接着した各撮像素子チップ1A上に、各撮像素子チップ1Aと大面積ファイバープレート2との間隔を保持できるように、スペーサ13を配置する(図9(a))。
【0120】
スペーサ13は、球でも円柱形状でもよい。
【0121】
つぎに、シール材37を撮像素子1上に塗布し、また目地うめ接着材14を撮像素子1間の隙間を埋めるように塗布する(図9(b))。
【0122】
シール材37は、一部37Aが開口されており、後述するように、ここから真空注入の方式を用いて透明接着材6を充填することになる。注入する際、真空リークの原因とならぬように目地うめ接着材14をベース基板10の上面の撮像素子チップ1A間の隙間にも充填している。
【0123】
それから、スペーサ13を間に介して、大面積撮像素子1上に、大面積ファイバープレート2を貼り合わせる(図9(c))。
【0124】
さらに、必要に応じて、ファイバープレート2を相互に接合している接合材7が、各撮像素子チップ1A間の隙間若しくは各画素間の直上に配置されるようにすることも好ましいものである。
【0125】
加圧、加熱プレスにより撮像素子チップ1Aとファイバープレートの間隔を均一にし、シール材37を硬化させる。そして、減圧チャンバー内で、大面積ファイバープレート2と撮像素子1との隙間を減圧状態にしたところで、透明接着材6を溜めたボート(図示せず)に開口部分37Aをつけ減圧状態から大気圧に戻すことで、透明接着材がファイバープレート2と撮像素子1との隙間に充填される。
【0126】
その後、開口部分37を樹脂などの封止材38で封止する(図9(d))。
【0127】
それから、例えばシート状の波長変換体3をファイバープレート2上に貼りつけることによって、X線撮像装置が形成される。
【0128】
なお、波長変換体3はファイバープレート2上に、その材料を蒸着する手法や粉末状の蛍光体を結合材に混合させたものを塗布する手法によって設けることもできるが、この場合、図9(c)の工程の前に、ファイバープレート2上に波長変換体3を設けておく。
【0129】
つぎに、再び図3を用いてX線撮像装置の動作について説明する。波長変換体3側に図示しないX線源を設置し、さらに、X線源とX線撮像装置との間に被写体を位置させた状態で、X線源からX線を照射すると、そのX線は被写体に曝射される。すると、X線は被写体を透過するときに強度差を有するレントゲン情報を含んでX線撮像装置側に送られる。
【0130】
X線撮像装置側では、波長変換体3において、X線の強度に応じた可視光等の光に変換される。変換された光は、ファイバープレート2を通じて撮像素子1側へ伝送される。このとき、ファイバープレート2と撮像素子1とが透明接着材6によって接着されているため、光は透明接着材6を通過するときに減衰することなく撮像素子1に入射される。
【0131】
また、光は、接着材7にも入射される。接着材7に入射した光は、吸収又は反射等されて光の透過率が小さくなる。この光が撮像素子1の画素上に入射されるとライン欠陥になるが、上述したように、個別ファイバープレート2Aの大きさと撮像素子チップ1Aとの大きさを同じにして、これらを位置合わせすると接着材7からの光が撮像素子1の画素に影響を与えにくい構成とすることができる。
【0132】
撮像素子チップ1Aでは、入射された光を、光の強度に応じた電気信号に変換する。この電気信号は、図示しない読み出し回路の指示に応じて、バンプ5を介してフレキシブル基板4の配線つまりリード401に読み出される。フレキシブル基板4に読み出された電気信号は、プリント基板12上に作製された外部回路に送られ、A/D変換された後に画像処理がされる。
【0133】
(大面積ファイバープレートの製造方法)
ここで本発明に用いられる大面積ファイバープレートの製造方法について説明する。
【0134】
図10(a)〜図10(d)は、本発明に用いられる大面積ファイバープレートの製造方法の一例を示す模式図である。
【0135】
まず、図10(a)に示すように、2つの個別ファイバープレート2Aを相互に、接合材により貼り合わせる。このとき、図10(a)に示すように、個別ファイバープレート2Aは、注意して貼っても、厳密いうと相互に位置がずれて貼り合わされることが多い。このまま全ての個別ファイバープレート2Aを貼り合せると必要以上の隙間が発生する。
【0136】
この製造方法では、このような必要以上の隙間の発生を防止するために、相互にずれて貼り合わされたファイバープレート2の少なくとも1側面を点線部分41まで研磨することにより、図10(b)に示すように、整列した平坦な側面2Bを得ている。
【0137】
つづいて、図10(a),図10(b)と同様の手順によって、一側面が研磨されてそろえられた2枚の個別ファイバープレート2Aをもう一組作製し、それら2組のファイバープレートを相互にそれぞれの平坦な研磨された側面2Bを突き合わせるように貼り合わせる(図10(c))。
【0138】
そして、必要に応じて、残りの4側面のうち一側面を点線41まで研磨する。さらに、図10(d)に示すように必要に応じて残りの3つの側面も研磨すれば、隣接する側面間の間隙を小さくでき且つ4つの側面全てが平坦な大面積ファイバープレートを作製することができる。
【0139】
なお、ここでは、4枚の個別ファイバープレート2Aを貼り合わせて大面積ファイバープレート2を製造する場合を例に説明したが、実際には、ファイバープレート2が所望の大きさになるように、所定の枚数の個別ファイバープレート2Aを貼り合わせる。
【0140】
図11(a),図11(b)は本発明に用いられるファイバープレートの別の製造方法を示す模式断面図である。ここでは、6枚のファイバープレート2Aを貼り合わせて大面積ファイバープレート2を製造する場合を例に挙げているので、図11(a),図11(b)ではそのうち3枚の個別ファイバープレート2Aのみが図示されている。実際には、大面積ファイバープレート2が所望の大きさになるように、所定の枚数のファイバープレート2Aを貼り合わせる。
【0141】
図10(a)〜図10(d)に示した方法で得られた大面積ファイバープレート2の断面をみると、図11(a)に示すように、角部には、側面を研磨中や各工程での取り扱い中に起きたチッピングによる欠け部43が生じる。
【0142】
そのため、貼り合わせを終えた大面積ファイバープレート2の導光面となる表面及び裏面を、それぞれ欠け部43がなくなるまで両面を研磨して、図11(b)に示すような欠け部のない大面積ファイバープレート2を作る。
【0143】
そして、こうして得られた図11(b)に示したような大面積ファイバープレート2は、必要に応じてスペーサ13を介して、大面積撮像素子1に貼り合わせされる。
【0144】
(実施形態2)
図12は、本発明の実施形態2に係る大面積ファイバープレートの断面図である。
【0145】
図12の大面積ファイバープレート2は、接合材7として鉛等のX線遮蔽部材7Aを含有したエポキシ樹脂等からなる接着材を用いた形態である。
【0146】
なお、接着材の具体例としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・イソブチルアクリレート共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、スチレン・ブチレン・スチレン(SBS)共重合体、カルボキシル変性SBS共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン(SEBS)共重合体、マレイン酸変性SEBS共重合体、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム(CR)、カルボキシル変性CR、スチレン・ブタジエンゴム、イソブチレン・イソプレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、カルボキシル変性NBR、エポキシ樹脂、シリコーンゴム(SR)などが挙げられ、これらは一種単独又は二種以上を組み合わせて使用される。
【0147】
さらに、必要に応じて、反応性助剤、架橋剤としてのフェノール樹脂、ポリオール類、イソシアネート類、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウロトロピン樹脂、アミン類、酸無水物、過酸化物、金属酸化物、トリフルオロ酢酸クロム塩などの有機金属塩、チタン、ジルコニア、アルミニウムなどのアルコキシド、ジブチル錫ジオキサイドなどの有機金属化合物、2,2−ジエトシキアセトフェノン、ベンジルなどの光開始剤、アミン類、リン化合物、塩素化合物などの増感剤、さらには硬化剤、加硫剤、制御剤、劣化防止剤、耐熱添加剤、熱伝導向上剤、軟化剤、着色剤、各種カップリング剤、金属不活性剤などを適宜添加してもよい。
【0148】
また、遮蔽性部材7Aには、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、スズ、ガドリニウム、タングステン、白金、金、鉛、ビスマスなどから選択される少なくとも一種の金属、或いは少なくともその一種を含む合金、又は少なくともその一種の化合物、が用いられる。これらの金属、合金、化合物は、Pb−Snのような鉛含有ハンダペースト、鉛フリーハンダペースト、銀ペーストなどと共に用いられてもよい。或いは、これらの金属、合金、化合物は、粒子状として用いられてもよく、その場合には、無機若しくは有機材からなる粒子(カーボン粒子、プラスチックボール)にメッキ、スパッタ等で被覆されたものを用いることもできる。
【0149】
本実施形態による大面積ファイバープレートによれば、接合部分、すなわち個別ファイバープレートの繋ぎ目部分に、放射線遮蔽性の結合材用いているので、繋ぎ目を通して放射線が制限なく透過してしまうことを防止できる。
【0150】
この大面積ファイバープレートを用いたX線撮像装置は、波長変換体3に入射したX線のうち、光に変換されなかったものが撮像素子1に入射することを防止できる。
【0151】
すなわち、波長変換体3に入射したX線のうち、光に変換されないものは、鉛等を含有させた大面積ファイバープレート2の材料自体、及び/又は、遮蔽性接合材7によって遮られる。これにより、撮像素子1へのX線の入射によるノイズ等の発生を抑制できる。
【0152】
図13(a)〜図13(c)は、図12に示した大面積ファイバープレートの製造方法を説明するための模式図である。
【0153】
まず、接着材とX線遮蔽部材7Aとを撹拌棒などを用いて撹拌する(図13(a))。
【0154】
それから、撹拌によって生じた泡がなくなった後に、ディスペンサ46若しくはスクリーン印刷でファイバープレート間にX線遮蔽部材7Aを含有する接着材からなる接合材を充填する(図13(b))。
【0155】
この充填は、隙間の空気が抜けやすいように減圧雰囲気内で行うとよい。
【0156】
そして、個別ファイバープレート2Aを相互に加圧しながら接着材を硬化させる。硬化には、UV照射や、常温〜200℃の範囲で加熱するとよい。その後、ファイバープレート2の上面よりはみ出した接着材を削り取る(図13(c))。
【0157】
こうして、大面積ファイバープレート2が得られる。
【0158】
(実施形態3)
図14は、本発明の実施形態3に係る大面積ファイバープレートの模式的断面図である。本実施形態では、低融点金属(融点が330℃以下の金属)及び液状フラックスを用いて個別ファイバープレート2Aを接合して大面積ファイバープレート2を作製する。
【0159】
本発明に用いられる低融点金属としては、Pb、Sn、Bi、Sb、In、Ag、Cdなどの金属を2種以上含む合金、例えばSn−Pb(63:37wt%)の共晶半田やSn−Pb(10:90wt%)の高融点半田を用いることができる。また、低融点金属は、液状フラックスに混ざりやすいように、粒形状であることが望ましい。
【0160】
また、液状フラックスには、ロジン系液状フラックスでは、精製ロジン、水添ロジン、重合ロジン等の樹脂成分及びアルコール類、例えばテルピネオール、1,4−ブタンジオール、メチルセロソルブ等、又はケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤成分を必須成分とし、これに更にポリエチレングリコール、ポリビニルブチラール、石油樹脂等の粘度調整剤、マロン酸、コハク酸、トリエタノールアミン等の活性剤などの添加剤成分を適宜配合したものが用いられる。
【0161】
また、水溶性の液状フラックスとしては、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリビニルアルコール等の多価アルコール成分、溶剤成分としての水を必須成分とし、これに更にポリアクリル酸アミド等の粘度調整剤、有機酸、有機若しくは無機ハロゲン化塩、塩酸ジエチルアミン等の活性剤などの添加剤成分を適宜配合したものが用いられる。中でも、水溶性の液状フラックスが好ましく使用される。
【0162】
図15(a)〜図15(c)は、図14に示した大面積ファイバープレートの製造工程の説明するための模式図である。
【0163】
まず、粉末状の低融点金属48と液状フラックス47とを混合する(図15(a))。
【0164】
それから、撹拌によって生じた泡がなくなった後に、ディスペンサ若しくはスクリーン印刷でファイバープレート間にX線遮蔽性の低融点金属48を含有する液状フラックス47を充填する(図15(b))。
【0165】
充填は、隙間の空気が抜けやすいように減圧雰囲気内で行うとよい。
【0166】
そして、ファイバープレート2Aを相互に加圧し、同時に融点以上の温度で加熱して低融点金属48を融着させる。その後、ファイバープレート2の上面より低融点金属48がはみ出している場合には、それを削り取る。
【0167】
こうして、大面積ファイバープレート2が得られる(図15(c))。
【0168】
(実施形態4)
図16は、本発明の実施形態4に係る大面積ファイバープレートの模式的断面図である。本実施形態では、第1の金属層49と第2の金属層50によって個別ファイバープレート2Aを貼り合わせて大面積ファイバープレート2を作製する。
【0169】
図17(a)〜図17(e)は、図16に示した大面積ファイバープレートの製造工程を説明するための模式図である。
【0170】
まず、例えば個別ファイバープレート2Aの両面に、感光性フィルムなどの耐酸性用エッチングレジスト51をコーティングする(図17(a))。
【0171】
そして、このレジスト51を加熱によってファイバープレート2Aに密着させる。それから、後述する第1の金属層49とガラスとの密着性を上げるため、フッ酸、フッ化カリウム、酸性フッ化アンモニウムなどを用いて、ファイバープレート2の端面をエッチングして粗面52を形成する。(図17(b))。
【0172】
つづいて、エッチングした端面(粗面52)にニッケルや銅などの第1の金属層49を無電解メッキによって形成する(図17(c))。
【0173】
そして、第1の金属層49に、低融点金属の合金からなる第2の金属層50を電気メッキする(図17(d))。
【0174】
第2の金属層50はガラスのような不導体に直接メッキすることが難しい。そこで上述した第1の金属層49を先に設けて下地を導電性に変更し、その後に第2の金属層52を電気メッキ処理によって形成する。
【0175】
それから、レジスト51を剥離して、ファイバープレート2Aを相互に加圧しながら、第2の金属層50を融点以上330℃以下の温度で加熱する(図17(e))。
【0176】
その後、ファイバープレート2の上面より、はみ出した第1,第2の金属層49,50がある場合には、それらを削り取る。こうして、大面積ファイバープレートが得られる。
【0177】
以上説明したように、実施形態2〜4では、X線を遮蔽する遮蔽性を有する接合材7によってファイバープレート2Aを相互に接続するようにしている。よって、これら実施形態の大面積ファイバープレートを図2,図3に示したような放射線撮像装置に利用すれば、波長変換体3で光に変換されずにファイバープレート側へ出射したX線がファイバープレート基体で遮られる。こうして、撮像素子1をX線から遮蔽でき、ノイズ等の発生を抑制することができる。
【0178】
(実施形態5)
図18は本発明のX線撮像装置の一実施形態の平面図、図19はこのX線撮像装置の断面図である。
【0179】
基本的な構成は、図2,図3を参照して説明した撮像装置と同じである。これらの装置と異なる点は、個別ファイバープレート2Aの接合部7からなる繋ぎ目線が、撮像素子チップ1Aの間隙部の上方に位置するように、大面積ファイバープレート2と大面積撮像素子1とを位置合わせして貼りつけた点にある。
【0180】
つまり、接合部7からなる繋ぎ目線の幅を隣接する撮像素子チップ1Aの間隙よりも小さくして、多少の位置ずれが生じても、繋ぎ目線が画素を覆わないようにしている。
【0181】
なお、接合部7に用いられる接合材としてはファイバープレートとの熱膨張係数等の特性が等しい又は近い材質のものが好ましい。本実施形態ではファイバープレートの繋ぎ目と撮像素子の繋ぎ目との位置を合せているので、接合材は透明でも不透明でもよい。
【0182】
(実施形態6)
図20及び図21は、X線撮像装置の別の例を示す上面図及び断面図である。
【0183】
図20及び図21に示すように、ファイバープレートの繋ぎ目であるファイバー接合部7が撮像素子1の周辺画素104上を覆うように位置ずれした状態で配置されてしまった場合には、接合部7の光透過率とファイバープレート2Aの光透過率との差から、この接合部7下に配置された画素列、特に周辺画素104はその寸法が小さいのでライン欠陥や画素欠陥となる。
【0184】
また、大きい画素である通常画素101であっても感度の低下はまぬがれない。更に蛍光体から光に変換されないで透過された漏れX線が接合部7を通して撮像素子に入射するとライン状にショットノイズが生じ画像品位を低下させることになり、更に素子の劣化を引き起こす恐れもある。
【0185】
前述した図18及び図19に示したX線撮像装置においては、ファイバープレートの繋ぎ目と撮像素子の繋ぎ目との位置を合せている。かかる構成を採ることで、ファイバープレートの繋ぎ目から入射する蛍光体からの光が撮像素子の画素列に入射しないようにしてライン欠陥が生じないようにしている。また蛍光体からの漏れX線がファイバープレートの繋ぎ目から撮像素子に入射しないようにしてライン状にショットノイズが生じないようにしている。
【0186】
しかし、個別ファイバープレートの数と撮像素子チップの数とが異なる場合には、個別ファイバープレートの継ぎ目と、撮像素子チップの継ぎ目と、一致させて位置合わせすることができない状況が生じる。
【0187】
以下に述べる実施形態は、このような場合であっても、ライン欠陥の発生を回避できる放射線撮像装置に関する。
【0188】
(実施形態7)
図22に示したX線撮像装置においては、個別ファイバープレートの接合部7からなる繋ぎ目線と撮像素子の画素列線とを傾けて(角度θ≠0°)配置している。かかる構成を採ることで、ファイバープレートの繋ぎ目から入射する光が一画素列上のすべての画素に入射しないようにして、ライン欠陥の発生を防止している。
【0189】
つまり、ライン状に配された複数の画素の一部にファイバー接合部7を通して光が入射しても一部の画素から欠陥信号が生じるだけでライン欠陥とはならない。かかる場合、波長変換体からの漏れX線が、ファイバープレートの繋ぎ目から撮像素子に入射しないように、接合材として鉛含有接着材のようなX線遮蔽性接合材を用いるとよい。
【0190】
以上説明した実施形態では、ファイバープレートの繋ぎ目線が撮像素子の画素列ラインと平行に重ならないようにするために、ファイバープレートの繋ぎ目線と撮像素子の画素列ラインとを傾けて配置したが、以下に述べるような構成を採ってもよい。
【0191】
(実施形態8)
図23は本発明の一実施形態によるX線撮像装置の上面図、図24はそのX線撮像装置の断面図である。
【0192】
図23及び図24の装置では、ファイバープレートの繋ぎ目のラインが撮像素子1Aの撮像領域上にあり、且つ隣接する画素列間にあるように配置されている。かかる構成により、ファイバープレートの繋ぎ目から入射する蛍光体からの光が撮像素子の画素に入射しないようになる。
【0193】
また、必要に応じて、通常画素104の寸法より接合部7の幅(継ぎ目線幅)を充分に大きくすることにより、通常画素間からファイバープレートの接合部7が多少ずれても、ライン欠陥にならないようにしている。
【0194】
かかる場合、X線がファイバープレートの繋ぎ目から撮像素子に入射しないように、接合部に用いる接合材として鉛入り接着材のようなX線遮蔽性接合材を用いることも好ましい。
【0195】
図23,図24の形態では、16枚の個別ファイバープレート2Aを接合した大面積ファイバープレートと、9枚の撮像素子チップ1Aからなる大面積撮像素子とを組み合わせているが、撮像素子チップの寸法を小さくして撮像素子チップの数が個別ファイバープレートの数より多くすることも好ましいものである。
【0196】
(実施形態9)
図25は本発明の一実施形態によるX線撮像装置の模式的断面図である。
【0197】
この装置のファイバープレートは、接合部における個別ファイバープレートの側面が斜めであり、導光面の法線に対して交差する面となる。
【0198】
図25に示したX線撮像装置においては、ファイバープレートの繋ぎ目となる接合部7に入射した漏れX線がファイバープレートの繋ぎ目側側面に入射するようにファイバープレートの端部(側面)を加工し、撮像素子に漏れX線が入らないようにしている。
【0199】
漏れX線がファイバープレートの繋ぎ目側の側面を通過するようにするには、個別ファイバープレート2Aの継ぎ目側の側面71が漏れX線に対して非平行な面を有すればよく、ここではファイバープレートの側面71をファイバープレートの導光面の法線方向、すなわち光ファイバーの軸に対して、例えば数度〜数十度程度の、一定の傾きを有するようにしている。
【0200】
かかる構成によれば、図25に示すように、波長変換体3を透過した漏れX線はファイバープレートに入射し、ファイバープレートによりX線が遮断される。このように、X線が継ぎ目を通って撮像素子に入射しないので、ライン状のショットノイズの発生を抑制できる。ここでは個別ファイバープレートとして放射線遮蔽性のファイバープレートを用いるが、接合材は特に放射線遮蔽性の接合材でなくてもよい。
【0201】
また、接合材7として、ファイバープレートとの熱膨張係数等の特性が等しいか又は近似した材質の接着材を用いることが好ましい。
【0202】
以上説明した実施形態では、ファイバープレートの側面71の全てが漏れX線に対して一定の傾きを有するようにしたが、ファイバープレートの側面71の一部が漏れX線に対して一定の傾きを有するようにしてもよい。
【0203】
また、図25の装置では、光ファイバーの軸を個別ファイバープレート2Aの導光面の法線方向と平行にする形態だけではなく、光ファイバーの軸が個別ファイバープレート2Aの側面と平行にする形態であってもよい。
【0204】
この場合には、光ファイバーの束を斜めに切断した個別ファイバープレートを複数用意し、それぞれの光ファイバーの軸が平行になるように接合すればよい。そして、この場合には、光入射面となる導光面の位置と光出射面となる導光面の位置とが光ファイバーの傾き角に応じてずれることになる。
【0205】
(実施形態10)
図26は本発明の一実施形態によるX線撮像装置の模式的断面図である。
【0206】
この装置のファイバープレートは、接合部における個別ファイバープレートの側面が折り返し点を境に反対向きに斜めであり、導光面の法線に対して交差する面となる。
【0207】
図26に示すように、ファイバープレートの接合部7は「く」の字状(シェブロン状)としており、ファイバープレートの側面72の厚さ方向における一部分が漏れX線に対して一定の傾きを有するようにしている。
【0208】
(実施形態11)
図27は本発明の一実施形態によるX線撮像装置の模式的断面図である。
【0209】
図27に示すように、ファイバープレートの側面73はステップ状に加工されており、ファイバープレートの接合部7を段差状としている。この装置のファイバープレートは、接合部における個別ファイバープレートの側面が、ステップのところで、導光面の法線に対して交差する面を有する構成にされている。
【0210】
以上、図25〜図27を参照して、本発明に用いられるファイバープレートの側面(接合部7)の形状の例をいくつか示した。
【0211】
本発明に用いられるファイバープレートの側面の形状は、導光面の法線に対して交差する面を有する構成であればよく、つまり、接合部7に入射した漏れX線がファイバープレートの側面を通過するようなものであれば、図示した以外の形状、例えば、ジグザグ状、円弧状等いかなる形状であってもよい。
【0212】
(実施形態12)
図20に示したように、ファイバープレートの繋ぎ目である接合部7が撮像素子の周辺画素上に重なるように配置された場合には、個別ファイバープレート2Aを貼り合わせる接合部7がファイバープレート2Aと異なる光透過率を有するため、この接合部7の下に撮像素子1の画素列が配置され、且つ接合部7の幅が広いと複数ラインにわたるライン欠陥となる。
【0213】
また、波長変換体から光に変換されないで透過された漏れX線が接合部を通して撮像素子に入射するとライン状にショットノイズが生じ画像品位を低下させる。
【0214】
なお周辺画素の大きさは、通常画素の大きさよりも小さくしている。
【0215】
そこで、本実施形態では図28,図29に示すように、ファイバープレート2Aの接合部7の幅dが撮像素子1の画素101の幅Pよりも小さくなるようにして(d<P)、接合部7下に撮像素子1の画素列が配置されても1ラインのライン欠陥に抑えられる。
【0216】
接合材として鉛等の放射線遮蔽が可能な材料を含んだ接着材などの接合材を用いれば、波長変換体3から漏れたX線を遮蔽することが可能となる。
【0217】
なお、より好ましくは接合部7の幅dを画素101の遮光層により形成される開口部の幅aよりも小さくする(d<a)ことが望ましい。
【0218】
更に、通常画素101の幅に比べて小さい周辺画素104の幅よりもファイバープレートの接合部7の幅dを小さくすること、すなわち、ファイバープレート2Aの接合部7の幅dを撮像素子1内で最小の画素の幅よりも小さくすることも、好ましいものである。
【0219】
なお、接合部の材料はファイバープレートとの熱膨張係数等の特性が等しい又は近い材質のものが好ましい。
【0220】
(実施形態13)
図30は、本発明の一実施形態によるX線撮像装置を構成している一撮像ユニットの模式的断面図である。図30の装置は、X線を可視光等の撮像素子で検知可能な波長の光に変換する波長変換手段3と、波長変換体3によって変換された光を撮像素子1A側へ導く複数の光ファイバーの束からなるファイバープレート2Aと、ファイバープレート2Aと複数の画素101を備えた撮像素子1Aとを接着する弾性に優れた透明接着材6と、光を電気信号に変換する受光部を備えた撮像素子1Aと、撮像素子1Aからの電気信号を外部に出力する配線を有するフレキシブル基板4と、フレキシブル基板4と撮像素子1Aとを電気的に接続するバンプ5と、波長変換体3を保護するアルミ保護シート8と、撮像素子1Aを搭載するベース基板10と、透明接着材6をファイバープレート2Aと撮像素子1Aとの間に介在させるためのシール材14とを具備している。
【0221】
図30に示したような撮像ユニットを複数用意して、隣接するファイバープレート2Aの側面同士或いはユニットの側面同士を接合すれば、大面積の放射線受容面を有する大面積撮像装置を構成できる。
【0222】
図31(a)〜図31(d)は、X線撮像ユニットの製造方法を説明するための模式図である。なお、図31(a)及び図31(c)は断面を、図31(b)及び図31(d)は平面を示している。
【0223】
ファイバープレート2Aの側面は研磨され、ファイバープレート2Aの縦横の寸法が撮像素子1Aの寸法とほぼ合致しており、それぞれの面積はほぼ等しい。
【0224】
また、ファイバープレート2Aは両面研磨されているので導光面(光入出射面)も平坦な研磨面となる。なお、研磨手法については後述する。
【0225】
まず、接着材35によりベース基板10に撮像素子1Aを接着し固定する。撮像素子1Aの撮像面上に、各撮像素子とファイバープレートとの間隔を保持するための球状又は円柱状のスペーサ13を配置する(図31(a))。
【0226】
つぎに、シール材37を、撮像素子1上に塗布する(図31(b))。
【0227】
シール材は、図31(b)に示すように一部に開口部37Aを有する。また、103は垂直シフトレジスタや水平シフトレジスタなどを含む、画素の駆動回路である。
【0228】
波長変換体3が形成されたファイバープレート2Aをスペーサ13上に、位置決めした後にファイバープレート2Aと撮像素子1Aを互いに加圧、加熱して貼り合わせる(図31(c))。
【0229】
そして、真空チャンバー内で、各ファイバープレート2Aと各撮像素子1Aとの隙間を真空状態にしたところで、図示しない透明接着材を溜めたボートに開口部37Aをつけ真空状態を大気圧に戻すことで、透明接着材が隙間に充填される。その後、開口部37Aを封止材38によって封止する(図31(d))。
【0230】
こうして、X線撮像ユニットが得られる。
【0231】
そして、複数のX線撮像ユニットをX受容面が同一平面となるように並べて、接合することにより大面積のX線撮像装置が得られる。
【0232】
図31(a)〜図31(d)の例では、シール材37は、撮像素子チップ1Aの端部から一周辺画素分内方の位置にのみ付与されているが、図30に示すように端部に至るところまで付与されていてもよい。
【0233】
この装置においては、ファイバープレート2Aの光入射面側に在る波長変換体3は蒸着、塗布、または印刷などにより形成されるが、その工程はファイバープレート2の研磨後であることが好ましい。或いは、撮像素子1Aにファイバープレート2Aを貼り合わせた後であってもよい。
【0234】
(実施形態14)
図32(a)〜図32(e)は、本発明の一実施形態によるX線撮像ユニットの別の製造方法を説明するための模式図である。なお、図32(a)、図32(c)、及び図32(d)は断面を、図32(b)、及び図32(e)は平面を示している。
【0235】
ベース基板10と接着した撮像素子1A上に、撮像素子1Aとファイバープレート2Aとの間隔を保持できるように、スペーサ13を配置する(図32(a))。
【0236】
ここではファイバープレート2Aには、予め光入出射面も両面研磨して平坦化されたものを使用する。
【0237】
つぎに、シール材37を、撮像素子1上に塗布する(図32(b))。
【0238】
シール材37は、図32(b)に示すように一部に開口部37Aが設けられており、後述するように、ここから真空注入の方式を用いて透明接着材を充填する。
【0239】
それから、ファイバープレート2Aをスペーサ13上に、位置決めした後に貼り合わせる(図32(c))。
【0240】
真空チャンバー内で、ファイバープレート2Aと撮像素子1Aとの隙間を真空状態にしたところで、透明接着材を溜めたボートに開口部37Aをつけ真空状態を大気圧に戻すことで、透明接着材6が隙間に充填される。その後、開口部分37Aを封止材38で封止する。
【0241】
つぎに、ファイバープレート2Aを、撮像素子1Aの面積に合わせて研磨して、ファイバープレート2Aの側面と撮像素子チップ1Aの側面とが、ほぼ面一となるように整合させる(図32(d))。
【0242】
なお、この工程における研磨は、水酸化カリウム、アンモニア、過酸化水素水等の研磨溶液を使用する化学研磨は行わず、機械研磨とすることで、撮像素子1Aの損傷を防ぐ。
【0243】
ファイバープレート2Aの上に、ファイバープレート2Aと同じ面積の波長変換体3としての蛍光体3を貼布するか、又はファイバープレート2Aの上に、それより大きな面積の蛍光体3を貼布して、これをファイバープレート2Aと同じ面積になるようにカットする。
【0244】
こうして、X線撮像ユニットが得られる(図32(e))。
【0245】
そして、複数のX線撮像ユニットをX受容面が同一平面となるように並べて、接合することにより大面積のX線撮像装置が得られる。
【0246】
(実施形態15)
図33(a)〜図33(f)は、本発明の一実施形態による大面積ファイバープレートの製造方法を説明するための模式図である。
【0247】
まず、個別ファイバープレート2Aを複数、貼り合わせ用ステージ500の表面上に載置する。図示しないディスペンサなどを用いてファイバープレート2A間に接合材7を充填する。このとき、各ファイバープレート2Aの貼り合わせ用ステージ500側が、基準面53となる(図33(a))。
【0248】
そして、接合材7として用いた接着材が硬化した後に、基準面53が吸着穴54側になるように、貼り合わされた大面積ファイバープレート2を、研磨ステージ800に載置する。また、研磨円板600に、フェルトなどの研磨パッド700を取り付ける(図33(b))。
【0249】
大面積ファイバープレート2及び接合部7上に、研磨剤55を付与して、研磨円板600と研磨ステージ800とを相互に接触させ圧力を加えながら逆回転させて、各個別ファイバープレート2A及び接合部7を研磨する(図33(c))。
【0250】
研磨剤は水、水酸化カリウム、アンモニア、過酸化水素等から選択される少なくとも一種を含む溶液中にシリカ系、セリア系、アルミナ系の砥粒を分散させた所謂スラリーを用いるとよい。
【0251】
こうして、各個別ファイバープレート2A及び接合部7が同一平面を呈するように平坦化された大面積ファイバープレート2が得られる(図33(d))。
【0252】
つづいて、研磨円板600の側面に研磨フェルト900を取り付ける。そして、研磨円板600を回転させながら大面積ファイバープレート2の側面に押し付けると共に、研磨ステージ800を図面の表方向から裏方向に向けて移動させる(図33(e))。
【0253】
こうして、大面積ファイバープレート2の側面を研磨する。つぎに、例えば研磨した面をスプレーノズル55から供給された洗浄液56でスピン洗浄してから、研磨ステージ800を高速回転させることによって、各ファイバープレート2A及び接合部7を乾燥させる。
【0254】
必要に応じて、基準面33側も同様に研磨することによって、両導光面が研磨された大面積ファイバープレートが得られる。
【0255】
(実施形態16)
図34は、本発明の一実施形態による放射線撮像装置の上面図である。
【0256】
本実施形態の放射線撮像装置は、例えば10枚の長方形(例えば60mm×150mm)の個別ファイバープレート2Aを2列5行に並べて作製された大面積ファイバープレートと、28枚の長方形(例えば20mm×143mm)の撮像素子チップ1Aを2列14行に並べて作製された大面積撮像素子と、を具備する。
【0257】
大面積ファイバープレートと大面積撮像素子とを、図34の左右の個別ファイバープレート2Aの接合部7が、左右の撮像素子チップ1Aの間隙上に位置するように、組み立てている。
【0258】
一方、図34の上下の個別ファイバープレート2Aの接合部7と上下の撮像素子チップ1Aの間隙とは、特に重なっていない。必要に応じて、少なくとも上下に隣接する個別ファイバープレート2Aの接合部7の幅(繋ぎ目線幅)を、撮像素子チップ1Aの画素の幅より小さくすることも好ましいものである。
【0259】
また、図34のように撮像素子チップ1Aの行又は列の少なくともいずれか一方を2とすれば、全ての撮像素子チップ1Aの外部接続端子をチップ間ではなく、自由端(大面積撮像素子の四辺のいずれか)に配置することも可能である。そうすると、隣接する撮像素子チップの間隔を更に狭められる。
【0260】
上述した撮像装置のうち、複数個のファイバープレート2Aを接着材などによって接合して大判化し、さらに、大判化したファイバープレートに複数の額縁を有しない撮像素子を搭載するベース基板を貼付け、波長変換体と組み合わせた装置によれば、以下の効果が期待できる。
【0261】
(1)大面積検出装置を製作することができる。
【0262】
(2)安価な大判ファイバープレートを製作できる。
【0263】
(3)ファイバー繊維を曲げたり傾けたりしないので光の利用効率が高い。
【0264】
(4)最小限のファイバー厚みで構成できる。
【0265】
(5)ファイバー形状にセンサを合せる必要がない。
【0266】
(6)大面積ファイバープレートの製造が容易である。
【0267】
(7)ハロゲン化アルカリ金属のように成長ムラが生じやすい波長変換体を良好に成長させることができるので、得られる画像にもそれによる不均一性の少ない良好な画質が得られる。
【0268】
以上のような作用効果を生みX線動画が可能で画像品位に優れ、且つ、薄型で信頼性の高い大面積入力範囲を有するX線撮像装置を提供することができる。しかも安価となる。
【0269】
(放射線撮像システム)
以下に述べる放射線撮像システムの形態は、上述した各実施形態の撮像装置を用いたシステムである。
【0270】
図35は、X線撮像装置を備えた非破壊検査システムの構成を示す概念図である。
【0271】
図35には、上述した各実施形態のX線撮像装置1000と、例えば電気機器に組み込まれる非破壊検査対象物である被写体2000と、被写体2000にX線を照射する放射線源としてのマイクロフォーカスX線発生器3000と、X線撮像装置1000から出力される信号を処理する画像処理装置6000と、画像処理装置6000によって処理された画像を表示する表示手段としてのモニタ4000と、画像処理装置6000及びモニタ4000を操作するコントローラ5000とを示している。
【0272】
図35に示す非破壊検査システムは、マイクロフォーカスX線発生器3000によって発生されたX線を、非破壊検査を行いたい被写体2000に照射すると、被写体2000の内部における破壊の有無の情報が、X線撮像装置1000を通じて、画像処理装置6000に出力される。画像処理装置6000では、出力された信号を、前述している各撮像素子1の周辺画素間の画像信号を処理し、必要に応じて、暗信号補正などをも施して、モニタ4000に画像として表示する。
【0273】
モニタ4000に表示されている画像は、コントローラ5000によって指示を入力することで、例えば拡大又は縮小したり、濃淡の制御等を行うことができる。こうして、モニタ4000に表示された画像を通じて、被写体2000の内部における破壊の有無を検査する。そして、被写体2000に破壊が発見されなければ、それを良品とみなして電気機器に組み込む。一方、被写体2000に破壊が発見されれば、それを不良品とみなして製造工程から除外する。
【0274】
図36は、上述した各実施形態によるX線撮像装置を備えたX線診断システムの構成を示す概念図である。
【0275】
図36には、X線撮像装置1000を備えたベッドと、被写体2000にX線を照射するための放射線源としてのX線発生装置7000と、X線撮像装置1000から出力される画像信号の処理及びX線発生装置7000からのX線の照射時期等を制御するイメージプロセッサー8000と、イメージプロセッサー8000によって処理された画像信号を表示する表示手段としてのモニタ4000とを示している。なお、図36において、図35で示した部分と同様の部分には、同一の符号を付している。
【0276】
図36に示すX線診断システムは、X線発生装置7000は、イメージプロセッサー8000からの指示に基づいてX線を発生させ、このX線をベッド上の被写体2000に照射すると、被写体2000のレントゲン情報がX線撮像装置1000を通じてイメージプロセッサー8000に出力される。イメージプロセッサー8000では、出力された信号を、前述している各撮像素子1の周辺画素間の画像信号を処理したり、ダーク補正などを施して、図示しないメモリに格納したり、モニタ4000に画像として表示する。
【0277】
モニタ4000に表示されている画像は、イメージプロセッサー8000によって指示を入力することで、例えば拡大又は縮小したり、濃淡の制御等を行うことができる。こうして、モニタ4000に表示された画像を通じて、医師が被写体2000を診察する。
【0278】
また、医師が診察した後の被写体2000のレントゲン情報は、本システムの記録手段を設けて、ディスク状の記録媒体などに記録するようにしてもよい。
【0279】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、小型で低コスト、且つ製造工程での作業性に優れた大面積のファイバープレート、放射線撮像装置及び放射線撮像システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるファイバープレートの模式的斜視図である。
【図2】本発明による放射線撮像装置の構成を説明するための模式図である。
【図3】本発明の一実施形態によるX線撮像装置の模式的断面図である。
【図4】本発明に用いられる撮像素子の模式的平面図である。
【図5】撮像素子の外部接続端子付近の構成を示す模式図である。
【図6】撮像素子の外部接続端子付近の構成を説明するための模式図である。
【図7】隣接する撮像素子間の構成を示す模式図である。
【図8】撮像装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図9】本発明による撮像装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図10】本発明によるファイバープレートの製造方法の一例を説明するための模式図である。
【図11】本発明によるファイバープレートの製造方法の、別の例を説明するための模式図である。
【図12】本発明の一実施形態によるファイバープレートの構成を説明するための模式図である。
【図13】図12に示したようなファイバープレートの製造方法を説明するための模式図である。
【図14】本発明の別の実施形態によるファイバープレートの模式的断面図である。
【図15】図14に示したようなファイバープレートの製造方法を説明するための模式図である。
【図16】本発明の更に別の実施形態によるファイバープレートの模式的断面図である。
【図17】図16に示したようなファイバープレートの製造方法を説明するための模式図である。
【図18】本発明の別の実施形態によるX線撮像装置の模式的平面図である。
【図19】図18に示したX線撮像装置の模式的断面図である。
【図20】本発明の更に別の実施形態によるX線撮像装置の模式的平面図である。
【図21】図20に示したX線撮像装置の模式的断面図である。
【図22】本発明の他の実施形態によるX線撮像装置の模式的平面図である。
【図23】本発明の更に他の実施形態によるX線撮像装置の模式的平面図である。
【図24】図23に示したX線撮像装置の模式的断面図である。
【図25】本発明の更に他の実施形態によるX線撮像装置の模式的断面図である。
【図26】本発明の更に他の実施形態によるX線撮像装置の模式的断面図である。
【図27】本発明の更に他の実施形態によるX線撮像装置の模式的断面図である。
【図28】本発明の更に他の実施形態によるX線撮像装置の模式的断面図である。
【図29】本発明に用いられる撮像装置の画素とファイバープレートの接合部との関係を説明するための模式的断面図である。
【図30】本発明の更に他の実施形態によるX線撮像装置の模式的断面図である。
【図31】本発明の一実施形態による放射線撮像装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図32】本発明の別の実施形態による放射線撮像装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図33】本発明の一実施形態によるファイバープレートの製造方法を説明するための模式図である。
【図34】本発明の他の実施形態による放射線撮像装置の模式的平面図である。
【図35】本発明のX線撮像装置を備えた非破壊検査システムの構成を示す模式図である。
【図36】本発明のX線撮像装置を備えたX線診断システムの構成を示す模式図である。
【図37】従来の大面積ファイバープレートを用いた撮像装置の模式的断面図である。
【図38】従来の別の大面積ファイバープレートを用いた撮像装置の模式的断面図である。
【符号の説明】
1 大面積撮像素子
1A 撮像素子チップ
2 大面積ファイバープレート
2A 個別ファイバープレート
3 波長変換体
4 フレキシブル基板
5 バンプ
6 透明接着材
7 接合部
8 保護シート
9 筐体カバー
10 ベース基板
11 ベース筐体
12 プリント基板
13 スペーサ
14 目地うめ接着材
Claims (5)
- 光を電気信号に変換する複数の画素を有する光電変換素子と、
放射線を前記光電変換素子が検知可能な波長の光に変換する波長変換体と、
前記波長変換体と前記光電変換素子との間に設けられたファイバープレートと、を有し、
前記光電変換素子は、基板上に搭載された複数の光電変換素子チップを含み、
前記ファイバープレートは、厚さの等しい複数の個別ファイバープレートが隣接配置され、前記複数の個別ファイバープレートはそれぞれ互いに平行な軸を有する光ファイバーの集合体であり、前記複数の個別ファイバープレートの側面同士がそれぞれの前記光ファイバーの軸が平行になるように接合されており、
前記ファイバープレートと複数の前記光電変換素子チップは透明接着材によって接着されており、
隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙の幅は、前記光電変換素子の画素の幅より小さいことを特徴とする放射線撮像装置。 - 光を電気信号に変換する光電変換素子と、
放射線を前記光電変換素子が検知可能な波長の光に変換する波長変換体と、
前記波長変換体と前記光電変換素子との間に設けられたファイバープレートと、を有し、
前記光電変換素子は、基板上に搭載された複数の光電変換素子チップを含み、
前記ファイバープレートは、厚さの等しい複数の個別ファイバープレートが隣接配置され、前記複数の個別ファイバープレートはそれぞれ互いに平行な軸を有する光ファイバーの集合体であり、前記複数の個別ファイバープレートの側面同士がそれぞれの前記光ファイバーの軸が平行になるように接合されており、
前記ファイバープレートと複数の前記光電変換素子チップは透明接着材によって接着されており、
前記光電変換素子は、互いに異なる受光面積を有する複数の画素を有しており、
隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙の幅は、前記光電変換素子の最小受光面積を有する画素の幅より小さいことを特徴とする放射線撮像装置。 - 光を電気信号に変換する光電変換素子と、
放射線を前記光電変換素子が検知可能な波長の光に変換する波長変換体と、
前記波長変換体と前記光電変換素子との間に設けられたファイバープレートと、を有し、
前記光電変換素子は、基板上に搭載された複数の光電変換素子チップを含み、複数の前記光電変換素子チップの各々は複数の画素を有し、
前記ファイバープレートは、厚さの等しい複数の個別ファイバープレートが隣接配置され、前記複数の個別ファイバープレートはそれぞれ互いに平行な軸を有する光ファイバーの集合体であり、前記複数の個別ファイバープレートの側面同士がそれぞれの前記光ファイバーの軸が平行になるように接合されており、
前記ファイバープレートと複数の前記光電変換素子チップは透明接着材によって接着されており、
隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙が、前記光電変換素子チップの有効画素領域上に位置していることを特徴とする放射線撮像装置。 - 光を電気信号に変換する複数の画素を有する光電変換素子と、
放射線を前記光電変換素子が検知可能な波長の光に変換する波長変換体と、
前記波長変換体と前記光電変換素子との間に設けられたファイバープレートと、を有し、
前記光電変換素子は、基板上に搭載された複数の光電変換素子チップを含み、
前記ファイバープレートは、厚さの等しい複数の個別ファイバープレートが隣接配置され、前記複数の個別ファイバープレートはそれぞれ互いに平行な軸を有する光ファイバーの集合体であり、前記複数の個別ファイバープレートの側面同士がそれぞれの前記光ファイバーの軸が平行になるように接合されており、
前記ファイバープレートと複数の前記光電変換素子チップは透明接着材によって接着されており、
隣接する前記個別ファイバープレート同士の間隙が、複数の前記画素の間隙上に位置していることを特徴とする放射線撮像装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の放射線撮像装置と、前記放射線撮像装置からの信号を処理する信号処理手段と、前記信号処理手段からの信号を記録するための記録手段と、前記信号処理手段からの信号を表示するための表示手段とを具備することを特徴とする放射線撮像システム。
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