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JP4692875B2 - アンテナ及びこれを用いた電波時計、rfidシステム - Google Patents

アンテナ及びこれを用いた電波時計、rfidシステム Download PDF

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JP4692875B2
JP4692875B2 JP2004353703A JP2004353703A JP4692875B2 JP 4692875 B2 JP4692875 B2 JP 4692875B2 JP 2004353703 A JP2004353703 A JP 2004353703A JP 2004353703 A JP2004353703 A JP 2004353703A JP 4692875 B2 JP4692875 B2 JP 4692875B2
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Description

本発明は、時刻情報を含む電磁波の中で磁界成分を受信して時刻を合わせる、電波時計、あるいは電磁波に載せられた変調信号によって情報を授受したり、電磁波で所有者の接近を検知して自動車や住居のキーを開閉せしめるキーレスエントリーシステムなどの、RFIDシステム等に好適な電磁波受信用アンテナに関するものである。
ここでは電波時計用のアンテナを例に背景技術の説明を行う。
電波時計は、所定周波数の搬送波によって送られる時刻情報を受信し、その時刻情報を基に自身の時刻を修正する時計を指し、現在置時計、掛け時計、腕時計等さまざまな形態で実用化されている。
電波時計等に用いられている電波は40kHz〜200kHz以下と、長波帯を使用しており、その電波の一波長は数kmという長さになる。この電波を、電界として効率よく受信するには数百mを越す長さのアンテナ長が必要となり、小型化が必要な腕時計、もしくはキーレスエントリーシステムなどのRFID(Radio Frequency ID)システム等に使用することは事実上困難であり、磁心を用いて磁界成分を受信することが必要である。
具体的には上記搬送波は、日本においては40kHz及び60kHzの2種類の電波を使用している。海外においても主に100kHz以下の周波数を用いて時刻情報を提供しているため、これらの周波数の電波を受信するには電磁波の磁界成分を効率良く収束させるために磁性体を磁心とし、これにコイルを巻き回した磁気センサ型のアンテナが主に使用されている。
従来、電波時計用のアンテナとして、例えば特許文献1には、アモルファス金属積層体からなる磁心にコイルを巻回した主に腕時計に使用する小型アンテナが開示されている。
特許文献2には、フェライトからなる磁心にコイルを巻回してなる小型アンテナが開示されている。
また、特許文献3には、金属ケースとアンテナとの間に導電性を有するシール部材を設けたアンテナが開示されている。
さらに、特許文献4には、磁芯にコイルが巻回された主磁路と、磁芯にコイルが巻回されていない副磁路とを有し、磁芯に沿った閉ループ磁路の一部にエアギャップを設け、共振時には内部で発生した磁束が外部に漏れ難いようになしたアンテナが開示されている。
特開2003−110341号公報(段落番号007〜0011) 特開平8−271659号公報(段落番号006〜0015) 特開2002−168978号公報 特許第3512782号公報
腕時計は、主に筐体(ケース)、ムーブメント(時計機構をまとめたモジュール)、ガラス蓋および裏蓋とにより構成される。この中にアンテナを内蔵する場合、従来は筐体の外側面に設けることが多かった。しかしながら、最近では小型軽量化の趨勢から筐体内部に設けられるようになってきており、図6に示すようにムーブメント22と裏蓋24との間の隙間に配置される。尚、図6の正面図のアンテナ7は構造を示すため実線で示しているが、実際は筐体25とムーブメント22と裏蓋24によって閉じられた空間に収められている。
上記した特許文献1、2のアンテナは、それぞれ磁心として比透磁率の高いアモルファス箔体やフェライトを用いて電磁波の磁界成分を収束させ、この収束させた磁束を磁心の外側に巻き回したコイルによって時間的に磁束が変化する成分を電圧として検知するアンテナである。従って、この点では筐体としては電磁波の磁界成分を阻害しない樹脂材とすることが望ましい。しかし、その反面一部を樹脂製にすると設計、デザイン面での制約がある。一般に腕時計は意匠性がセールスポイントとなり、例えば金属製の筐体が高級感や審美性の面で好まれる。そこで中高級時計や自動車に代表される機器類には筐体が金属ケースで作られることが多くなっている。この場合、従来のアンテナ構造、また配置によっては金属ケース等が電磁波に対するシールドとして働き、受信感度が大幅に低下すると言う問題があった。そこで、特許文献3では、アンテナを金属ケースの外部でかつシールド部材を介して配置することによりQ値の維持を図っている。しかし、大型化とデザインの制約は免れ得ないものであった。
また、アンテナとしては外部から入ってきた電磁波による磁束が磁心に通った結果としてコイルに電圧が誘起される。図10の等価回路図に示すように、この電圧はコイル2と並列に接続されたコンデンサCにより所望の周波数に共振するようになっており、共振させることによりコイル2にはQ倍の電圧が発生し、コイル2にはその共振電流が流れる。この共振電流によってコイル2の周囲には磁界が発生し、磁束は主として磁心の両端から出入りする。ここで、アンテナの周囲に金属が接近していると、この共振電流によって発生した変動磁束が金属を貫く結果となり渦電流を発生させる。即ち、アンテナの近くに電気抵抗の小さな金属類があると、共振時の磁界エネルギーは渦電流損として失われ、アンテナコイルの損失となって現われ、結果、Q値が低下し実効的にアンテナ感度の低下を招くものである。この点で、特許文献4に開示されたアンテナによれば、共振時に外部に向かう磁束の流れをエアギャップが設けられた副磁路側に選択的に誘導することになり、磁束を外部に漏れ難くし、よって渦電流損によるQ値の低下を抑えることが出来るとしたものである。
しかしながら特許文献4に開示されているアンテナは主磁路、副磁路ともに金属製薄帯を積層させたものではない。主磁路が金属製薄帯を積層させたものを使用して上記のアンテナを製造する場合、他の要因も含めて渦電流損失を改善しなければならないことが解った。以上のことより本発明は、主磁路が金属製薄帯の積層体で構成されているものを使用する際、変動磁束による渦電流損失を極力低減させ、高感度な出力を得られるアンテナを提供することを目的とする。特に限られたスペース内で高いアンテナ特性を発揮できるもので、電波時計、特に電波腕時計やキーレスエントリーシステム、RFIDシステムに適したアンテナ及びこれを用いた前記システムを提供する。
この問題点を解決するために、本発明では、積層された金属製薄帯によって構成された主磁路と、前記主磁路に巻かれるコイルと、磁束還流用の副磁路とから主になるアンテナであって、前記主磁路と副磁路の間を流れる磁束は実質的に前記金属製薄帯の積層断面を通るアンテナとすることとした。つまり、副磁路は薄膜磁性金属が積層された前記主磁路の金属製薄帯の面方向ではなく、側面端部側に隣接するよう設置されるものである。
ここで、主磁路とは磁束が最も流れる磁心の部分を指し、副磁路とは一度コイルに発生させた磁束を再びコイルに通らせる作用を持つものである。副磁路の材質は比透磁率が2以上、かつ主磁路部材の比透磁率より小さいことが好ましい。さらには比透磁率100以下がよい。主磁路に流入した磁束はコイルを通過し磁心の他端から流出するだけでなくその一部は副磁路に還流して再び外部から流入する磁束と合流してコイルを貫く。これにより、外部より流入した磁束を磁心および主たる磁気回路と別の副磁路で効率よく回し、結果、高い出力電圧が得られる。また、コンデンサと共振させたときのQ値が高く得られ、高い出力電圧が得られる。
例えば、図3(a)、図5のように主磁路の積層された金属製薄帯4の板面を通過する方向に磁束8が流れると、金属製薄帯4内部に大きな渦電流9aが生じ、損失が大きくなり、Q値が減少する。渦電流9aが生じると、ケース内部に設置することで落ちたアンテナ特性がさらに低下することになりアンテナ効率が下がる結果となる。これに対して図3(b),図4のように金属製薄帯4の端部から磁束8が通るように副磁路を設置することで磁心内部で発生する渦電流9bを最小にすることが可能となり、損失の少ないアンテナとすることができる。
主磁路だけでなく、副磁路も積層された金属製薄帯によって構成され、主磁路と副磁路の間を流れる磁束は実質的に副磁路の金属製薄帯の端部を通る構成のアンテナ、つまり主磁路と副磁路の金属製薄帯が略平行に積層され、かつ端部同士が相対するように配置したアンテナも採用できる。アモルファス薄帯などを主磁路、副磁路として使用する場合、磁気特性を高めるために350〜450℃、好ましくは380〜430℃の熱処理が必要である。350℃以下であると、筐体内で用いるアンテナとして、磁心の磁気特性が足りない。また、450℃以上の熱処理を行うと薄帯は脆くなるため、端部を折り曲げた際や筐体が落下した際に薄帯が破断するなどの可能性がある。また、薄帯の磁心を折り曲げる場合、ケースでその端部や折り曲げる部分そのものを挟持したり、シリコーン接着剤やワニス状の樹脂等を端部の周りに塗布し、固める構造とすることで強度を維持できる。熱処理は窒素ガスなどの不活性雰囲気中で行うことが好ましい。
また、副磁路はソフトフェライト、軟磁性材料の粒子と樹脂との複合材料、お互いに絶縁されている軟磁性材料の粒子と樹脂との複合材料などで一体的に構成されているものでも良い。この際、副磁路の材料は、珪素鋼、パーマロイ、アモルファス金属、ナノ結晶金属、フェライトなどの高比透磁率材料が望ましい。
主磁路の内部を渦電流を増加させないように箔面内に磁束を流すことが必要なことはもちろんであるが、磁束還流用の外部の副磁路内で発生する渦電流も同様にアンテナ特性に影響を与える。副磁路を主磁路と同等の金属製薄帯を用いる場合には、主磁路と同様に副磁路でも薄帯内に磁束を流す磁気回路にする必要があり、主磁路と副磁路との突合せ部分では副磁路にも金属製薄帯の積層断面から磁束が流れ出す形式にする必要がある。なお、副磁路にフェライトや、いわゆるボンド磁心などの高抵抗材料を使用する場合には、材質自体が渦電流を生じにくい材質であるので、副磁路での磁束が流れる方向の設計を行う必要はない。
主磁路と副磁路の間にはエアギャップが設けられていてもよいが、主磁路と副磁路を隙間なく連結させることで、閉磁路でフリンジング磁束が少なく渦電流がさらに小さくなり好ましい。また、副磁路の主磁路との接触部を低比透磁率材料で構成し、この低比透磁率材料を介して副磁路と主磁路の間を磁束が通るように構成するアンテナも採用することができる。磁気回路として閉磁路並に特性が近く、フリンジングによって面内を通過しようとする磁束を押さえ込むことができ、渦電流がさらに小さくなる。また、エアギャップに比べ、低比透磁率材料の断面積や主磁路との対向面積によって微妙なインダクタンス調整(磁気回路定数調整)が可能であり、主磁路と副磁路を互いに位置調整してエアギャップによるインダクタンス調整を行うよりも遥かに容易であり、作業性に優れている。
また、本発明は、これらのアンテナを用いた電波時計、およびRFIDシステムも含まれる。これらにアンテナを使用する場合、アンテナは金属製の筐体や筐体内の金属性部材の近くに配置することを余儀なくされる。アンテナは金属部品により囲まれることになるが、アンテナの共振電流による磁束が最も多く流出する磁心端部を磁気シールドされた筐体底部周辺の金属から離すように非金属部(ガラス製の蓋等)に向けて曲げれば、外部からの磁束の流入量が多く、筐体底部金属から遠いガラス面近くの磁束をより多く捕らえ、かつ筐体底部の金属接近の影響を最小限にでき、より好ましい。
なお、この構成は、金属筺体内部にアンテナが設置されているときに有効であるのみならず、独立した金属部品にアンテナが近接して設置されているときにも同様に有効である。又、金属筺体は必ずしも閉じた筺体でなく、一部が金属以外の素材、たとえば、ガラスや樹脂であっても同様な効果が得られる。又、上記金属筺体は一部が開いている場合においても、同様に有効である。
本発明のアンテナは、40〜150kHzの電磁波を受信する用途に使用することが好ましく、例えば時刻情報を含む電波を受信して時刻を合わせる電波腕時計に用いることに適している。
また、本発明のアンテナは、情報を記憶したタグを用いて情報を授受するタグシステムや、乗用車や住居等の鍵の開閉を遠隔操作するキーレスエントリーシステムなどに代表されるRFIDシステムに用いることに適している。
本発明のアンテナによれば、以下の効果が得られる。
積層された金属製薄帯によって構成された主磁路を用い、主磁路と副磁路の間を流れる磁束を実質的に主磁路の金属製薄帯の端部を通るようにすることで、主磁路の帯面で発生する渦電流損失を少なくすることができ、損失の少ないアンテナを得ることができる。また、副磁路と主磁路をエアギャップを介さずに磁気的に直接連結することでフリンジング磁束が少なく渦電流がさらに小さくすることができる。また、副磁路の主磁路との接触部を低比透磁率材料で構成し、この低比透磁率材料を介して副磁路と主磁路の間を磁束が通るように構成することで、磁気回路として閉磁路並に特性が近く、フリンジングによって面内を通過しようとする磁束を押さえ込むことができ、渦電流がさらに小さくなる。さらにこの場合、エアギャップを設ける場合に比べ、低比透磁率材料の断面積や主磁路との対向面積によって微妙なインダクタンス調整(磁気回路定数調整)が可能であり、主磁路と副磁路を互いに位置調整してエアギャップによるインダクタンス調整を行うよりも遥かに容易であり、作業性に優れた構造となる。
以上により、設置面積の増大を求めることなく配置自由度の高い、高感度のアンテナとなる。また、小型高性能の電波時計、キーレスエントリーシステム、RFIDシステムを提供できる。
以下、本発明の実施例を図面と共に説明する。
(実施例1)
図1は第の実施例を示すアンテナの正面図(a)と側面図(b)の概略図である。このアンテナ1bは、上記磁心4aと同様に軟磁性金属薄板の積層体からなる磁心4bと、これに同様に巻回したコイル2bとから主磁路を構成し、さらに磁心4bと同等あるいはそれ以下の比透磁率を有する第1の副磁路部材7bと前記主磁路部材の両端下端面5bと第1の副磁路部材7bとの間をエアギャップが生じないように比透磁率が100以下の第2の副磁路部材3bを介在させて接続し閉磁路を構成している。第1の副磁路部材7bは、アモルファス合金、Fe−Cu−Nb−Si−B系等のナノ結晶磁性合金、Fe−Si系磁性合金等の軟磁性金属薄帯(板厚20μm以下)を積層したものである。磁心1bと同様の積層体である。但し、その比透磁率としては磁心1bと同等あるいはそれ以下のものを用いる。例えば、磁心4bの比透磁率が100000〜80000であるとき、第1の副磁路部材7bのそれは100000〜500程度とする。その上で両者の間にさらに比透磁率の小さな第2の副磁路部材3bを介在させる。この比透磁率は100以下とし、さらに直交する断面積や主磁路との接触面積等を調節して共振時の磁束の回帰ルートを調整するのである。また、本例では主磁路の磁心薄帯4bと第1の副磁路部材7bの積層方向が同じになるように、つまり薄帯同士が交差しないようにして共振時の磁束の流れによる渦電流を生じ難くしている。
(実施例2)
図2は第の実施例を示すアンテナの正面図(a)と側面図(b)の概略図である。このアンテナ1cは、磁心4cとコイル2cからなる主磁路は上記した実施例と同じ構成である。ここでは、第1の副磁路部材7cは磁心4cと同等の比透磁率を有する薄帯を複数枚積層した積層体から構成している。そして第1の副磁路部材7cと主磁路の端面5cとの間にはエアギャップが生じないように第2の副磁路部材3cを接続し、この第2の副磁路部材3cの他面に第1の副磁路部材7cを接続し閉磁路を構成している。また、本例では主磁路4cと副磁路部材7cの間に低比透磁率の第2の副磁路部材が設けられ、磁気的に接合されている。これにより主磁路4cと副磁路部材7cに流入する磁束は両積層体の断面から流入することにより渦電流の抑制を図ることができる。そして、共振時の磁束の回帰ルートの調整は上記実施例と同様に行うことができる
実施例1あるいは実施例2で用いる第2の副磁路部材は、可撓性のある高分子材料(樹脂材あるいはゴム材)に金属磁性体粉(フェライト粉、アモルファス合金粉ほか)を分散して電磁波吸収機能を持たせた柔軟性複合材を用いることができる。例えば、可撓性高分子材料に導電性を有する繊維状の材料を分散した電磁波反射層と、その表裏両面に可撓性高分子材料に金属磁性体扁平形状粉を分散した第1の電磁波吸収層と、可撓性高分子材料に金属磁性体粒形状粉を分散した第2の電磁波吸収層とを順次積層し熱圧着したものがある。前記電磁波反射層に分散させる導電性を有する材料としては、例えばカーボン繊維や金属繊維であって、これを可撓性高分子材料中に分散させてシート状に成形する。また、電磁波吸収層に用いる金属磁性体粉としては、Fe−Cu−Nb−Si−B系等のナノ結晶磁性合金から水アトマイズ法により製造した粒形状粉をアトライタにて摩砕することにより製造した平均粒径が0.1〜50μmで平均厚さが3μmの扁平形状粉であって、これを可撓性高分子材料中に分散させてシート状に成形して電磁波吸収層としたものがある。一方、金属磁性体扁平形状粉としてカルボニル鉄合金、アモルファス合金、Fe−Si系合金、モリブデンパーマロイ、スーパーマロイ等の扁平形状粉を用いてこれを可撓性高分子材料中に分散させてシート状に成形して電磁波吸収層とすることができる。また、前記可撓性高分子材料としては、有機物で柔軟性があり、比重が1.5以下であり、好ましくは耐候性を有する樹脂で、例えばクロロプレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、例えば上記した第1の電磁波吸収層と第2の電磁波吸収層をそれぞれ単独で用いるような単層構造も望ましく、従来から使用される低比透磁率の柔軟性複合材を用いることが出来る。結局、本発明においては、比透磁率さえ満足すれば複合材の構造は限定するものではない。
このような柔軟性複合材を用いることによって、その複合材を用いた部分はそれ自身でギャップを有している磁気特性となり、磁気的にはあたかもギャップを有しているように見なせる。これによって調整が面倒な主磁路と副磁路間のエアギャップを設けることなく磁束を閉磁路内に帰還させることができる。また、エアギャップを設ける必要がないので微妙な精度を必要とせず製造がし易く、安定した性能を維持できる点で有利である。また、磁心とコイルは、従来から樹脂製ケース内に収容することが行われるが、これを副磁路部材をも収容するような樹脂ケースとなし、この空洞部分に溶融状態の上記柔軟性複合材の原料を射出成形されたコイルボビンの一部に流し込んで副磁路部材を一体成形することもできる。また、樹脂ケース内に上記で示したような第1の副磁路部材を収容した後、主磁路部材とこの第1の副磁路部材との間に形成される隙間に柔軟性複合材の原料を流し込んで第2の副磁路部材を一体成形して製造することができる。このような手段を用いればさらに安価で生産性に優れている。
本発明のアンテナの作用について以下に説明する。まず、電波の角周波数をωとし、アンテナとコンデンサで構成される共振回路の抵抗分をR、コイル部の自己インダクタンスをLとするとき、Q値はωL/Rで定義される。ここで述べるRはコイルの直流抵抗と交流抵抗の総和である。特に金属ケースに入れたアンテナの交流抵抗は増大する。その理由は磁束を集めた磁心が巻き回したコイルと外部に付加したコンデンサで共振してQ倍の共振電圧となり、この共振電流によってコイル両端には高い電圧が発生し、その電圧によってアンテナ自身の両端近くから磁束が発生するからである。その共振現象による磁束が金属を貫くときに発生するのが渦電流損失である。この渦電流損失を低減することが重要となるが、ここで低比透磁率の部材あるいは低比透磁率部材と副磁路部材による閉磁路を設けることにより、磁心に流入した磁束はコイルを通過し磁心の他端から流出するだけでなくその一部は副磁路部材あるいは第1と第2の副磁路部材による閉磁路に還流して再び外部から流入する磁束と合流してコイル内部を通過し、より多くの電圧を発生させる作用をなす。また、共振電流によって発生する磁束が副磁路部材あるいは第1と第2の副磁路部材による閉磁路を介して還流することにより、アンテナ両端から外部に出る磁束総量を少なくすることができ、近接する金属筐体を貫通する磁束が少なくなり渦電流損が低減し、等価的に交流抵抗の増大が抑えられる。よって、上述の抵抗分Rの増加が最小限に抑えられ、Q値の高いアンテナを得ることが出来る。
以下、実施例の試験結果について説明する。ここでは図9に示す電波腕時計に模した試験装置と図10に示す等価回路に沿って本発明のアンテナの出力電圧等を測定した。
図10において、Lがアンテナの磁心4と巻線2で構成されるコイルである。Rがコイルの直流抵抗と交流抵抗の総和である。このコイルに磁束の時間変化による電圧Vが検出される。ここでアンテナと並列にコンデンサCが接続され、このコンデンサCと先に述べたコイルLが電気的に共振し、コンデンサの両端にはQ倍の電圧が発生し、アンテナとして動作する。試験は図9に示す電波腕時計に模した厚さ1mmの金属製(ステンレスSUS403)の筐体70の中に条件を変えた評価アンテナを配置し、上記等価回路による電圧Vを測定した。
(実施例
次に、本発明のアンテナ1を内蔵した電波腕時計の正面図を図7に示す。アンテナは配置などが分かりやすいようにあえて実線で示している。電波腕時計は金属製(例えばステンレス製)の筐体ケース21と、ムーブメントと周辺部品、ガラス製の蓋23と、金属製(例えばステンレス製)の裏蓋とからなり、アンテナ1をムーブメントと裏蓋との間に配置している。また、副磁路3が筐体側になるように配置している。
(実施例
本発明のアンテナを内蔵したRFIDタグの一種であるキーレスエントリーシステム用のキー本体の正面図を図8に示す。アンテナは配置などが分かりやすいようにあえて実線で示している。キー本体は樹脂製の筐体ケース74と、キーの開閉ボタン73と、受発信のための回路基板71と、アンテナ1から主に構成されている。副磁路部材は、キー本体内のスペースを有効活用するために周縁部側に沿って設けている。送受信器やタグを用いるキーレスエントリーシステムやRFIDシステムにおいては、電波時計と同様にアンテナを筐体内の金属で囲まれた狭いスペースに収容することが求められるので、本発明のアンテナが有効であり、その効果も上記実施例と同様に得ることができる。
本発明のアンテナは、電波時計に用いられる電波受信用アンテナや自動車、住宅等のキーレスエントリーシステム、RFIDタグシステムに用いることができる。特に形状の自由度が大きいので電波腕時計に適している。
本発明の第1の実施例を示すアンテナの概略構造図である。 本発明の第2の実施例を示すアンテナの概略構造図である。 金属製薄帯を通る磁束の向きと発生する渦電流損失の状態を示す概略図であ る。 金属製薄帯を通る磁束の向きと発生する渦電流損失の状態を示す概略図であ る。 金属製薄帯を通る磁束の向きと発生する渦電流損失の状態を示す概略図であ る。 従来の電波時計の正面図と側面図である。 第1の実施例のアンテナを腕時計内に配置した例を示す正面図と側面図であ る。 本発明のアンテナをキーレスエントリーシステム用のキー本体に適用した例 を示す図である。 本発明の実施例を試験した装置の模式図である。 本発明のアンテナの等価回路を示す図である。
符号の説明
1a〜1d:磁心
2a〜2c:巻き線
3a:副磁路部材
3b〜3d:第2の副磁路部材
4a〜4d:主磁路部材
6a〜6c:積層磁心
7b〜7d:第1の副磁路部材
8:コイル、巻線
21:金属製筐体
22:ムーブメント
23:ガラス製蓋
24:裏蓋
25:樹脂製筐体
26:周辺部品
70:金属製筐体
71:回路基板
73:開閉スイッチ
75:金属部材
110:キー本体

Claims (7)

  1. 積層された軟磁性金属薄帯によって構成された主磁路部材と、前記主磁路に巻かれるコイ ルと、磁束還流用に積層された軟磁性金属薄帯によって構成された第1の副磁路部材と、 前記主磁路部材の両端と前記第1の副磁路部材がエアギャップが生じないように、第2の 副磁路部材を介して接続され閉磁路を構成するアンテナであって、前記主磁路と第1の副 磁路の間を流れる磁束は実質的に前記軟磁性金属薄帯の積層断面を通ることを特徴とする アンテナ。
  2. 前記軟磁性金属薄帯がアモルファス合金薄帯であることを特徴とする請求項1に記載のア ンテナ。
  3. 前記第2の副磁路部材は、可撓性のある高分子材料に金属磁性体粉を分散した柔軟性複合 材であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
  4. 前記可撓性のある高分子材料は、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコ ーン樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項3 に記載のアンテナ。
  5. 前記金属磁性体粉は、カルボニル鉄合金、アモルファス合金、Fe−Si系合金、モリブ デンパーマロイ、スーパーマロイのいずれかからなる扁平形状粉であることを特徴とする 請求項3に記載のアンテナ。
  6. 請求項1乃至4に記載のアンテナを使用したことを特徴とする電波時計。
  7. 請求項1乃至8に記載のアンテナを使用したRFIDシステム。
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