以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の建物の壁収納構造が適用される以下に説明する第1〜第4実施形態に係るバルコニー1の腰壁6全体の側面図を示すものである。
このバルコニー1は、住宅等の建物2の外壁3に付設されており、床4と、外壁3から屋外方向へ平行に延設される左右(図1では手前側と奥側)の腰壁6と、これらの左右の腰壁6における屋外方向の先端を繋ぐ前面(図1では左側)の腰壁6とから構成されている。それぞれの腰壁6の上部には等間隔又は略等間隔で取り付けられた複数個の支柱12が取り付けられており、手摺り5がこれらの支柱を介して腰壁6に取り付けられている。
以下は、前面の腰壁6の収納構造について説明する。図2は、バルコニー1の腰壁6の斜視図であり、図3は、図2のS3−S3線断面図である。
まず、手摺り5及び支柱12の取付構造について簡単に説明する。
図3に示されているように、支柱12の内部に配置され、上下方向へ延びるアルミ合金製の押し出し成形品である中柱13は、板材で形成されているベース部材19のうちの折曲げで上方へ隆起した隆起部の上面に載せられ、このベース部材19に形成された図示しない開口部から挿入されたビス22が、中柱13の図示しないビスポケットにねじ込まれることにより、中柱13はベース部材19上に立設固定される。また、ベース部材19の平坦部は、ブラケット18の凹部の上面に載せられる。
ベース部材19とブラケット18は、これらに形成された図示しない孔にビス24をベース部材19の上方から挿入し、このビス24が腰壁6の天板8にねじ込まれることにより腰壁6に共締め結合され、ベース部材19上に立設固定されている中柱13は、ベース部材19とブラケット18を介して腰壁6に結合される。
断面形状が鉛直下方に開口する略コ字状に形成され、ブラケット18に被せられて腰壁6の上端を覆うための笠木10の下面には、板状の裏部材20が配置され、笠木10の上面には笠木10と支柱12との間に介設される板状の座部材21が配置される。これらの裏部材20、笠木10、座部材21には、中柱13を挿通させるための図示しない孔が設けられている。
裏部材20の下方からビス23を裏部材20、笠木10、座部材21に挿通し、さらにビス23をアルミ合金製の押し出し成形品である支柱12の図示しないビスポケットにねじ込むことにより、支柱12は裏部材20で補強された笠木10の部分に座部材21を介して立設固定される。
支柱12が取り付けられた笠木10を上方から徐々に降ろし、裏部材20、笠木10、座部材21の各孔に中柱13を挿入しながら、この中柱13を支柱12の内部まで入れて笠木10をブラケット18に被せ、笠木10の幅方向両端の係止部10Aをブラケット18の同方向の両端部18Aに係止することにより、笠木10はブラケット18に連結される。
なお、座部材21と支柱12との間、座部材21と笠木10との間は、図示しない防水シール部材で密着防水シールされている。
手摺り5は、笠木11と底部材14を有している。笠木11は、断面形状が鉛直下方に開口する略C字状に形成され、この断面形状が腰壁6の長さ方向である左右方向に連続するものであり、笠木11の開口部の縁部には、この笠木11の内部に向かって延出する係合部11Aが、腰壁6の左右方向に連続して形成されている。
底部材14は、手摺り5の基部をなすもので、板状部材で形成されており、腰壁6の左右方向への長さを有している。この底部材14の両端部には、笠木11の前記係合部11Aが係合する被係合部14Aが、腰壁6の左右方向に連続して形成されている。この底部材14に上方から下方に2本のビス17を挿通し、これらのビス17を支柱12の図示しないビスポケットにねじ込む。これにより、底部材14は支柱12に取り付けられる。また、この底部材14には、支柱12の中柱13が挿入される図示しない開口部が形成されている。
底部材14の開口部に下方から上方に向かって挿入された中柱13の上端には、架設部材15が載せられ、この架設部材15は中央の高位の第1水平部と、両側の低位の第2水平部と、これらの水平部間を繋ぐ垂直部とからなる屈曲形状になっている。第1水平部に上方から下方に2本のビス16を挿通し、これらのビス16を中柱13の図示しないビスポケットにねじ込む。これにより、架設部材15は支柱12と中柱13とに架設固定される。
また、架設部材15の下端部が底部材14に当接することにより、この底部材14は架設部材15の下端部と支柱12の上端部とに狭持されるので、中柱13に底部材14が取り付けられることになる。
そして、底部材14の両端の被係合部14Aに笠木11の両端の係合部11Aを係合させることにより、手摺り5が形成され、この手摺り5は支柱12の上端で支持されることになる。
次に、本発明の第1〜第4実施形態に係るバルコニー1の腰壁6の全体構造について説明する。前述したように、図2は、バルコニー1の腰壁6の斜視図であり、図3は、図2のS3−S3線断面図である。また、図4は、バルコニー1の腰壁6の内部構造を示す斜視図である。
図4に示されているように、腰壁6は、この腰壁6の長さ方向である左右方向両端に配置されている図示しない両端柱と、これらの両端柱の間に等間隔又は略等間隔に複数個立設された中柱25と、両端柱の上端と複数個の中柱25の上端との間に架設された天板8と、互いに隣接する中柱25同士との間に水平に架設され、腰壁6の高さ方向である上下方向に複数個配置された横桟であって腰壁6を内部補強するための板状の横材9とで骨組みが形成され、これらの骨組みにおける屋外側の側面及び屋内側の側面には、表面材であるサイディング7がそれぞれ取り付けられている。そして、天板8の上面には、前述したように、鉛直下方に開口する略コ字状の断面形状が腰壁6の左右方向に連続する笠木10が取り付けられている。
図4に示されているように、腰壁6の内部には、収納物を出し入れするための2個の収納空間26,27が、左右の中柱25と、上下の横材9と、屋外側及び屋内側のサイディング7とに囲まれて形成されている。
図2に示されているように、腰壁6の内面となっている屋内側のサイディング7には、2個の収納空間26,27から収納物を出し入れするための2個の開口部30,40がそれぞれ形成されている。そして、腰壁6には、この腰壁6に対して回動自在に取り付けられ、開口部30,40を上下方向に開閉自在に覆う覆い部材31,41が取り付けられている。
以下、開口部30が覆い部材31で覆われる収納空間26が形成されるバルコニー1の腰壁6の収納構造を第1実施形態とし、開口部40が覆い部材41で覆われる収納空間27が形成されるバルコニー1の腰壁6の収納構造を第2実施形態とし、最初に、本発明の第1実施形態に係るバルコニー1の腰壁6の収納構造について詳細に説明する。
図5は、図2において、開口部30,40を覆っている覆い部材31,41を屋内側下方向へ回動させて、開口部30,40を開口したときの状態を示す斜視図である。図5に示されているように、開口部30,40が開口しているときには、覆い部材31,41は、具体的な構造を後述する水平姿勢保持手段により水平姿勢又は略水平姿勢を保持している。
図2及び図5に示されているように、開口部30は、腰壁6のサイディング7に形成され、横長の長方形の形状を有している。
図3及び図4に示されているように、上下の横材9のうち、上の横材9が収納空間26の天井部となっており、下の横材9が収納空間26の床部となっている。
図2に示されているように、覆い部材31は、開口部30の幅方向である左右方向の幅寸法よりも短い幅寸法を有する幅狭部31Aと、開口部30の左右方向の幅寸法と同じ又は略同じ幅寸法を有する幅広部31Bとからなっている。また、覆い部材31の厚さ寸法は、サイディング7の厚さ寸法と同じ又は略同じとなっており、覆い部材31が開口部30を覆っているときには、サイディング7の表面と覆い部材31の表面とは段差のない、いわゆる、面一又は略面一の状態となっている。
また、図2に示されているように、覆い部材31が開口部30を覆っているときにおける幅狭部31Aの上部における幅方向中央部又は略中央部には、開口部30を開口する際に覆い部材31に手を掛けるための手掛け部31Dが形成されている。この手掛け部31Dは、開口部30の左右方向に長い凹状の溝となっている。
図6及び図7は、腰壁6に形成された開口部30及び覆い部材31等の拡大斜視図である。
図3及び図6に示されているように、覆い部材31の幅広部31Bの内部には、この幅広部31Bよりも長い長さ寸法を有する中心軸32が貫通しており、幅広部31Bはこの中心軸32を中心として回動自在となっている。
図6に示されているように、中心軸32の左右端部は、腰壁6の内部に配置されていて収納空間26の床部をなす下の横材9のうち、端面がサイディング7の表面と面一又は略面一となるように屋内側へ突出する左右一対の凸部9B(図3参照)に形成された孔に挿入、結合されている。このため、覆い部材31は、中心軸32を中心に腰壁6に対して回動自在となっており、開口部30を上下方向に開閉自在に覆うものとなっている。
一方、図2に示されているように、覆い部材31の幅狭部31Aの左右両側には、開口部30が開口しているときには覆い部材31を水平姿勢又は略水平姿勢に保持するための水平姿勢保持手段となっている左右一対の脚部材33が配置されており、これらの脚部材33は、覆い部材31と一体となって開口部30を覆うものとなっている。それぞれの脚部材33は、図5に示されているように、開口部30が開口しているときに鉛直下方に延出する鉛直延出部33Aと、この鉛直延出部33Aの先端から屋外側へ水平方向に延出する水平延出部33Bとを有している。
図3に示されているように、覆い部材31が開口部30を覆っているときにおける幅狭部31Aの上端部の内部に形成されている貫通孔には、この幅狭部31Aよりも長い長さ寸法を有する回転中心軸34が貫通しており、この回転中心軸34は幅狭部31Aの上端部の内部で回動自在となっている。
そして、図7に示されているように、回動中心軸34の左端部は、左側の脚部材33の鉛直延出部33Aのうちの水平延出部33Bが形成されていない端部の内部に形成された貫通孔に挿入、結合されており、回動中心軸34の右端部は、右側の脚部材33の鉛直延出部33Aのうちの水平延出部33Bが形成されていない端部の内部に形成された貫通孔に挿入、結合されている。このため、左右の脚部材33は、回動中心軸34を中心に覆い部材31に対して回動自在となっている。
収納空間26の床部をなす下の横材9に形成された前述の左右一対の凸部9Bと同様に、図4に示されているように、収納空間26の天井部をなす上の横材9にも、端面がサイディング7の表面と面一又は略面一となるように屋内側へ突出する凸部9Aが形成されている。また、図6に示されているように、凸部9Aの左右方向の幅寸法は、開口部30の左右方向の幅寸法と同一又は略同一となっている。
図3及び後述の図9に示されているように、凸部9Aの下部は、屋内側に向かって厚さが薄くなるように切り欠かれた切欠部9Cとなっており、図3に示されているように、覆い部材31が開口部30を覆うときには、覆い部材31の幅狭部31Aの上端部の端面に設けられたはずれ防止手段である抜け止め防止部材35は、切欠部9Cで押圧されることになる。これにより、覆い部材31が開口部30からはずれることが防止されるとともに、開口部30がより密接に閉鎖されることになる。なお、後述するように、左右の脚部材33の鉛直延出部33Aのうちの水平延出部33Bが形成されていない先端の端面にも抜け止め防止部材35が設けられている。
また、覆い部材31の幅広部31Bの左右端部のうち、左右の脚部材33の鉛直延出部33Aの先端の端面と対向する部分は、後述の図11で左右のうちの一方が示されているように、鉛直上方に向かって厚さが薄くなるように切り欠かれた切欠部31Cとなっている。一方、左右の脚部材33の鉛直延出部33Aの先端の端面には、後述の図11で左右のうちの一方が示されているように、左右の脚部材33が覆い部材31からはずれないようにするためのはずれ防止手段である抜け止め防止部材36が設けられている。
後述の図12に示されているように、左右の脚部材33が、水平姿勢又は略水平姿勢の状態にある覆い部材31の左右に配置されて、覆い部材31と一体となるときには、左右の脚部材33の抜け止め防止部材36は、覆い部材31の幅広部31Bの左右端部に形成された切欠部31Cで押圧されることになる。これにより、左右の脚部材33が覆い部材31からはずれることが防止され、左右の脚部材33が覆い部材31と一体となっている状態が保持されるとともに、開口部30がより密接に閉鎖されることになる。
前述の図6及び図7と、図8は、腰壁6に形成された開口部30と覆い部材31と左右の脚部材33の拡大斜視図を示すものであり、開口部30が覆い部材31で覆われている状態から、開口部30が開口され、覆い部材31が水平姿勢又は略水平姿勢を保持する状態となるまでの一連の動作を示す図である。なお、図6〜図8において、腰壁6の内部に配置されている中柱25の表示は省略し、上下2枚の横材9を点線で表示する。
図6は、覆い部材31が開口部30を覆っている状態を示すものである。この状態において、開口部30を開口するためには、覆い部材31の幅狭部31Aに形成されている手掛け部31Dに手を掛けて覆い部材31を屋内側下方向へ、すなわち、矢印B方向(図では矢印A方向)へ90度又は略90度回動させる。なお、覆い部材31を回動させたとき、この覆い部材31の幅狭部31Aの左右両側に配置されている左右の脚部材33は、前述したように、これらの脚部材33の鉛直延出部33Aの先端の端面に設けられている抜け止め防止部材36で覆い部材31の幅広部31Bの左右端部に形成された切欠部31Cで抜け止めされた状態となっているので、左右の脚部材33は、覆い部材31と一体となって回動する。
覆い部材31を矢印B方向に回動させ、図7に示すように、覆い部材31が水平姿勢又は略水平姿勢となった時点で、今度は、左右の脚部材33を屋内側上下方向である矢印C方向に270度又は略270度回動させる。これにより、図8に示されているように、脚部材33の鉛直延出部33Aの鉛直下方の先端の端面、言い換えると、底面は、図示しない床4に当接するとともに、脚部材33の水平延出部33Bの底面も床4に当接する。
これにより、覆い部材31は、水平姿勢保持手段となっている左右一対の脚部材33により水平姿勢又は略水平姿勢が保持されることになる。
前述したように、図3に示すとおり、上下2枚の横材9のうちの収納空間26の底部をなす上の横材9の凸部9Aの下部は、屋内側に向かって厚さが薄くなるように切り欠かれた切欠部9Cとなっており、覆い部材31の幅狭部31Aの上端部の端面には抜け止め防止部材35が設けられている。
以下、上の横材9の凸部9Aの切欠部9C及び覆い部材31の幅狭部31Aの抜け止め防止部材35について、図9及び図10により詳細に説明する。
図9は、図7のS9−S9線断面図であり、覆い部材31及び左右の脚部材33が水平姿勢又は略水平姿勢を保持している状態における断面図である。また、図10は、図9において、覆い部材31及びこの覆い部材31と一体となっている左右の脚部材33を矢印D方向に90度又は略90度回動させることにより、開口部30が覆い部材31及び左右の脚部材33で覆われているときの状態における断面図である。
図9に示されているように、上下の横材9のうちの上の横材9の凸部9Aの下部は、この凸部9Aの厚さが屋内側、言い換えると、建物2側に向かって薄くなるように切り欠かれた切欠部9Cとなっている。一方、覆い部材31の幅狭部31Aにおける屋内側(開口部30を覆っているときには上側)の端部の端面全体に亘って、厚さ寸法が均一又は略均一となっており、ゴム等の弾性を有する弾性部材が接着等によって結合されており、この弾性部材がはずれ防止手段である抜け止め防止部材35となっている。
なお、後述の図11に示されているように、右側の脚部材33の鉛直延出部33Aのうちの水平延出部33Bが形成されていない先端の端面にも抜け止め防止部材35が設けられており、図示されていないが、左側の脚部材33の鉛直延出部33Aのうちの水平延出部33Bが形成されていない先端の端面にも抜け止め防止部材35が設けられている。
なお、これらの抜け止め防止部材35の厚さ寸法は、横材9の凸部9Aの下部から切り欠かれた部分の最大厚さ寸法と同じ又は略同じとなっている。
図9において、覆い部材31を左右の脚部材33とともに矢印D方向に90度又は略90度回動させると、図10で示されているように、覆い部材31の幅狭部31A及び左右の脚部材33が開口部30に挿入されていくが、このとき、覆い部材31の幅狭部31A及び左右の脚部材33に設けられた抜け止め防止部材35は、切欠部9Cで押圧されながら開口部30に挿入されていく。
このため、覆い部材31及び左右の脚部材33が開口部30を完全に覆っている状態においては、抜け止め防止部材35が切欠部9Cで押圧されることで蓄圧される反発弾性力により、覆い部材31及び左右の脚部材33が開口部30からはずれてしまうことが防止されることになる。
また、前述したように、覆い部材31の幅広部31Bの左右端部のうち、左右の脚部材33の鉛直延出部33Aの先端の端面と対向する部分は、鉛直上方に向かって厚さが薄くなるように切り欠かれた切欠部31Cとなっている。一方、左右の脚部材33の鉛直延出部33Aの先端の端面には、左右の脚部材33が覆い部材31の幅広部31Bからはずれないようにするためのはずれ防止手段である抜け止め防止部材36が設けられている。
以下、覆い部材31の幅広部31Bの切欠部31C及び左右一対の脚部材33に設けられた抜け止め防止部材36について、図11〜図13により詳細に説明する。
図11は、図8のS11−S11線断面図であり、覆い部材31を水平姿勢又は略水平姿勢の状態に保持するために、左右の脚部材33の鉛直延出部33Aの先端の端面が図示しない床4に当接しているときの状態における右側の脚部材33の断面図である。また、図12は、図11において、左右の脚部材33を矢印E方向に270度又は略270度回動させることにより、左右の脚部材33が覆い部材31の幅狭部31Aの左右両側に配置され、水平姿勢又は略水平姿勢を保持している状態における右側の脚部材33の断面図である。さらに、図13は、図12における右側の脚部材33の拡大断面図である。
図11に示されているように、覆い部材31の幅広部31Bの右端部のうち、右側の脚部材33の鉛直延出部33Aの先端の端面と対向する部分は、鉛直上方に向かって厚さが薄くなるように切り欠かれた切欠部31Cとなっている。一方、右側の脚部材33の鉛直延出部33Aの先端の端面には、ゴム等の弾性を有する弾性部材が接着等によって結合されており、この弾性部材がはずれ防止手段となっている抜け止め防止部材36となっている。これと同様に、図示されていないが、覆い部材31の幅広部31Bの左端部のうち、左側の脚部材33の鉛直延出部33Aの先端の端面と対向する部分も、鉛直上方に向かって厚さが薄くなるように切り欠かれた切欠部31Cとなっている。一方、左側の脚部材33の鉛直延出部33Aの先端の端面にも、ゴム等の弾性を有する弾性部材が接着等によって結合されており、この弾性部材がはずれ防止手段となっている抜け止め防止部材36となっている。
なお、左右の脚部材33に設けられた抜け止め防止部材36の厚さ寸法は、覆い部材31の幅広部31Bの左右端部から切り欠かれた部分の最大厚さ寸法と同じ又は略同じとなっている。
図11の状態において、左右の脚部材33を矢印E方向に270度又は略270度回動させると、図12で示されているように、左右の脚部材33は覆い部材31と同様に水平姿勢又は略水平姿勢の状態となり、このとき、左右の脚部材33に設けられた抜け止め防止部材36は、切欠部31Cで押圧されながら覆い部材31の幅広部31Bの左右端部に挿入されていく。
このため、左右の脚部材33が覆い部材31とともに水平姿勢又は略水平姿勢の状態となっているときにおいては、左右の脚部材33に設けられている抜け止め防止部材36が切欠部31Cで押圧されることで蓄圧される反発弾性力により、左右の脚部材33は、覆い部材31の幅広部31Bの左右端部からはずれてしまうことが防止されることになる。
以上説明した本実施形態に係るバルコニー1の腰壁6の収納構造では、バルコニー1の腰壁6の内部には収納空間26が形成されているとともに、腰壁6の屋内側のサイディング7には、収納物を出し入れするための開口部30が形成され、かつ、開口部30を上下方向に開閉自在に覆うための覆い部材31が取り付けられている。
そして、この壁収納構造では、開口部30が開口しているときには、覆い部材31を水平姿勢又は略水平姿勢に保持するための水平姿勢保持手段が備えられており、この水平姿勢保持手段は、覆い部材31に対して回動自在に取り付けられていて開口部30が開口しているときに鉛直下方に延出する鉛直延出部33Aと、この鉛直延出部33Aの先端から屋外側、言い換えると、腰壁6側へ水平方向に延出する水平延出部33Bとからなる左右一対の脚部材33で構成されており、開口部30が開口しているときには、左右の脚部材33の鉛直延出部33Aの先端の端面が床4へ当接することにより覆い部材31が水平姿勢又は略水平姿勢を保持するようになっている。
これにより、開口部30が開口しているときには、水平姿勢保持手段である左右一対の脚部材33が床4に当接することで、通常時においては開口部30を覆っている覆い部材31を人が座る椅子や物を置く台として利用できるようになる。
このため、本実施形態によると、バルコニー1の腰壁6自体をより有効に活用できるようになる。
次に、第1実施形態に係る覆い部材31及びこの覆い部材31に取り付けられている脚部材33の変形例を図26〜図30により説明する。図26は、覆い部材31の変形例である覆い部材231が腰壁6に形成された開口部30を覆っている状態を示す拡大斜視図である。図27は、図26において覆い部材231を矢印I方向(上方から下方)へ回動させて水平姿勢又は略水平姿勢の状態にしたときを示す図であり、図28は、図27において、脚部材33の変形例であって覆い部材231の上面における左右端部(覆い部材231の幅方向両端部)に載置されている左右一対の脚部材233を矢印J方向(上方から下方)へ回動させることにより、覆い部材231が水平姿勢また略水平姿勢を保持している状態を示す図である。また、図29は、図27に示す左右一対の脚部材233のうちの一方(左側)の脚部材233の拡大図であり、同様に、図30は、図28に示す左右一対の脚部材233のうちの一方(左側)の脚部材233の拡大図である。なお、図26において、横材9の一部及び覆い部材231に取り付けられている脚部材233等の表示は省略している。
覆い部材231は、図26に示されているように、前述の第1実施形態とは異なり、開口部30と略同じ形状を有している。また、図27に示されているように、覆い部材231の下端部231Aの内部には、覆い部材31と同様に、下端部231Aよりも長い長さ寸法を有する中心軸232が貫通しており、覆い部材231は中心軸232を中心として下の横材9に対して回動自在となっている。なお、覆い部材231には、覆い部材31と同様に、開口部30を開口する際に覆い部材231に手を掛けるための手掛け部231Dが形成されている。
一方、覆い部材231を水平姿勢に保持するための左右一対の脚部材233は、図28に示されているように、覆い部材231を水平姿勢に保持している状態において鉛直下方に延出する鉛直延出部233Aと、この鉛直延出部233Aにおける鉛直下方の先端部から腰壁6の方向(屋外側)へ水平に延出する第1水平延出部233Bと、鉛直延出部233Aにおける鉛直下方の先端部からから腰壁6とは反対の方向(屋内側)へ水平に延出する第2水平延出部233Cとからなっており、脚部材233は逆T字形状を有している。
図27及び図28に示されているように、左右の脚部材233はそれぞれヒンジ234で覆い部材231に連結されている。左右のヒンジ234の構造は全く同じであるので、以下、左側の脚部材233を覆い部材231に連結するヒンジ234の構造について図29及び図30により説明する。
ヒンジ234は、図29及び図30に示されているように、覆い部材231の上端部231Bにおける左端部に結合されている左右一対のブラケット235と、両端部がブラケット235に固定支持されている中心軸236と、この中心軸236と脚部材233とを連結するための連結部材237とで構成されている。この連結部材237は、一部が脚部材233にビス等による止着、接着剤等による接着等で連結されている連結部237Bと、この連結部237Bにおける脚部材233に止着、接着等で連結されていない端部に形成されていて中心軸236が挿通される筒部237Aとからなっている。このため、連結部材237及びこの連結部材237に連結されている脚部材233は、筒部237Aに挿通されている中心軸236を中心に回動自在となっている。なお、図30に示されているように、脚部材233が回動して鉛直方向へ直立したときには、鉛直延出部233Aの鉛直上方の先端部の端面全体が覆い部材231の底面に密着して当接するように連結部材237の連結部237Bは脚部材233に連結している。
第2水平延出部233Cは合成ゴムや合成樹脂等で形成されており、このため、脚部材233が収納されたときに、脚部材233が覆い部材231に当接したときの衝撃を和らげる役目もしている。また、図29に示されているように、第2水平延出部233Cは、脚部材233が収納されたとき、脚部材233及び連結部材237が覆い部材231に対して平行姿勢となるような厚みを有している。なお、本変形例では、第2水平延出部233Cは、鉛直延出部233A及び第1水平延出部233Bとは別体(合成ゴムや合成樹脂等)となっているが、第2水平延出部233Cを鉛直延出部233A及び第1水平延出部233Bと同じ材質のもので形成し、第2水平延出部233Cが鉛直延出部233A及び第1水平延出部233Bと一体物となるようにしてもよい。
また、図27に示されているように、覆い部材231の上端部の端面における左右端部(覆い部材231の幅方向両端部)には、脚部材233が矢印J方向へ回動したときに、ヒンジ234の連結部材237の連結部237Bが鉛直方向に直立した姿勢で収まるスペースを有する窪み部231Cが形成されている。これは、脚部材233が矢印J方向へ回動したときに、連結部材237の連結部237Bが覆い部材231の上端部の端面に当接して脚部材233が鉛直方向に直立できない場合を防止するためである。これにより、覆い部材231の水平姿勢が保持されることになる。
なお、覆い部材231の上端部231Bの端面における左右の窪み部231Cの間には、覆い部材231が開口部30を覆っているときに、覆い部材231が開口部30からはずれることを防止するためのはずれ防止手段である図示しない抜け止め防止部材が設けられている。一方、上の横材9の凸部9Aの下部は、屋内側に向かって厚さが薄くなるように切り欠かれた図示しない切欠部となっており、覆い部材231が開口部30を覆うときには、覆い部材231の上端部の端面に設けられた前述の図示しない抜け止め防止部材が、図示しない切欠部で押圧されることになる。これにより、覆い部材231が開口部30からはずれることが防止される。
以上説明した本変形例では、脚部材233が覆い部材31と脚部材33のように覆い部材231と一体となって開口部30を覆うものではなく、覆い部材231が開口部30を覆うときには、脚部材233が収納空間26に格納されるようになっている。
このため、本変形例によると、覆い部材231の形状を覆い部材31よりも大きいものとすることができるので、水平姿勢を保持しているときの覆い部材231の上にはより幅寸法の大きな物等を載せたりすることができる。
また、本変形例によると、覆い部材231が開口部30を覆うときには脚部材233が収納空間26に収納されるので、覆い部材31及び脚部材33が一体となって開口部30を覆う場合と比較して外観はより良好なものとなる。
さらに、本変形例によると、脚部材233の先端部である第1水平延出部233B及び第2水平延出部233Cの床へ当接により、覆い部材231の水平姿勢がより安定して保持されることになる。
次に、本発明の第2実施形態に係るバルコニー1の腰壁6の収納構造について図14〜図16により説明する。
本実施形態に係るバルコニー1の腰壁6の収納構造は、前述の図4に示されているように、バルコニー1の腰壁6の内部に、左右の中柱25と、上下の横材9と、屋外側及び屋内側のサイディング7とで囲まれた収納空間27が形成され、腰壁6の屋内側のサイディング7には、収納空間27から物を出し入れするための開口部40が形成され、この開口部40を上下方向に開閉自在に覆う覆い部材41が腰壁6に対して回動自在に取り付けられるものである。開口部40の大きさ、形状は、前述の第1実施形態の開口部30と同じ又は略同じとなっている。
図14は、図2のS14-S14線断面図である。また、図15は、図2おける開口部40及びこの開口部40を覆うための覆い部材41の拡大斜視図であり、図16は、図15において、覆い部材41を回動させて開口部40を開口したときの状態を示すものである。
図15に示されているように、覆い部材41は、開口部40と同じ又は略同じ大きさで、腰壁6の長さ方向である左右方向に長い長方形の形状を有している。前述の第1実施形態と同様に、この覆い部材41の下端部の内部には、覆い部材41の幅寸法よりも長い中心軸42が貫通しており、この中心軸42の左右端部は、下の横材9の左右端部から屋内側へ突出する2個の凸部9Bに形成されている孔に挿入され、結合されている。このため、覆い部材41は、中心軸42を中心に腰壁6に対して上下方向に回動自在となっている。
なお、図14に示されているように、前述の第1実施形態と同様に、覆い部材41の上端部の端面には抜け止め防止部材43が設けられており、この抜け止め防止部材43が上の横材9の凸部9Aの切欠部9Cで押圧されている。このため、覆い部材41が開口部40からはずれることが防止されるとともに、開口部40がより密接に閉鎖されるようになっている。
図14に示されているように、開口部40を開口するためには、覆い部材41の上部における中央部又は略中央部に形成されている手掛け部41Bに手を掛けて、この開口部40を覆っている覆い部材41を矢印F方向、言い換えると、屋内側下方向へ90度又は略90度回動させる。
図15において、前述の第1実施形態と同様に、覆い部材41の上部に形成されている手掛け部41Bに手を掛けて、覆い部材41を矢印G方向に90度又は略90度回動させることにより、覆い部材41は水平姿勢又は略水平姿勢の状態となる。
図16に示されているように、水平姿勢又は略水平姿勢の状態となった覆い部材41の上面における屋内側の先端の左右両端部近傍には、略コ字状の止着具46がそれぞれ結合されている。また、図14及び図16に示されているように、上の横材9の下面における開口部40の上辺部の左右両端部近傍にも、略コ字状の止着具46がそれぞれ結合されている。
そして、覆い部材41に止着されている一方の側である左側の止着具46には、紐状部材である金属製のチェーン44の一端が結合され、上の横材9に止着されている一方の側である左側の止着部46には、チェーン44の他端が結合されている。また、覆い部材41に止着されている他方の側である右側の止着具46には、チェーン44と同様の紐状部材である金属製のチェーン45の一端が結合され、上の横材9に止着されている他方の側である右側の止着部46には、チェーン45の他端が結合されている。
左右2本のチェーン44,45は、覆い部材41が水平姿勢又は略水平姿勢の状態となった時点で、緊張状態となる長さを有している。したがって、これらのチェーン44,45は、開口部40が開口しているときに覆い部材41が水平姿勢又は略水平姿勢を保持するための水平姿勢保持手段となっている。
以上説明した本実施形態によると、金属製のチェーンという構造の簡単な部材で覆い部材41を水平姿勢又は略水平姿勢の状態に保持することができ、通常時においては開口部40を覆っている覆い部材41を物(例えば、図5に示されている花卉47)を置く台等として利用できるようになる。
このため、本実施形態によっても、バルコニー1の腰壁6自体をより有効に活用できるようになる。
また、本実施形態によると、水平姿勢保持手段が金属製のチェーン44,45となっているので、図14に示されているように、開口部40を覆い部材41が覆っているときには、チェーン44,45は弛んだ状態で収納空間27へ格納される。このため、収納空間27ではチェーン44,45が収納物の邪魔になることが防止される。
次に、本発明の第3実施形態に係るバルコニー1の腰壁6の収納構造を説明する。
図17は、本実施形態に係るバルコニー1の腰壁6を屋外側から見た斜視図であり、図18は、図17に示すバルコニー1の正面図である。
本実施形態における手摺り5は及び腰壁6の内部構造は、前述の第1及び第2実施形態と全く同様のものとなっている。以下、前述の第1及び第2実施形態と異なる点について、図17及び図18により説明する。
図17及び図18には図示されていないが、本実施形態では、腰壁6の屋内側(図17及び図18では腰壁6の奥側)のサイディング7には、前述の第1及第2実施形態と同様に、腰壁6の内部に形成されている2個の収納空間26,27から収納物を出し入れするための2個の開口部30,40が形成されており、これらの開口部30,40を上下方向に開閉自在に覆う覆い部材31,41が腰壁6に回動自在に取り付けられている。
一方、図17及び図18に示されているように、本実施形態では、腰壁6の屋外側のサイディング7には、屋内側の開口部30と腰壁6の厚さ方向に対向し、開口部30と同じ又は略同じ大きさ、形状を有する開口部130が形成されており、さらに、屋内側の開口部40と腰壁6の厚さ方向に対向し、開口部40と同じ又は略同じ大きさ、形状を有する開口部140が形成されている。
このため、本実施形態では、腰壁6の厚さ方向に貫通して形成されている開口部が2個あり、それぞれの開口部における貫通方向両端の開口端部のうちの一方の開口端部が、腰壁6の屋内側のサイディング7に形成された開口部30,40となっており、他方の開口端部が、腰壁6の屋外側のサイディング7に形成された開口部130,140となっている。
図17及び図18に示されているように、開口部130,140は、ガラス等の硬質樹脂又はビニール等の軟質樹脂等で形成された透視部材で塞がれている。
このため、本実施形態によると、屋内側のサイディング7に形成された開口部30,40を覆っていた覆い部材31,41を屋内側下方向へ90度又は略90度回動させ、水平姿勢又は略水平姿勢の状態に保持された覆い部材31,41の上にそれぞれ花卉132,142(図18参照)を載せた場合には、図18に示されているように、屋外からも、屋外側のサイディング7に形成された開口部130,140を塞いでいる透視部材131,141を通じて、花卉132,142を鑑賞できるようになる。
また、本実施形態によると、開口部130,140が透視部材131,141で塞がれているので、覆い部材31,41に載せられた花卉132,142に日光がよく当たるようになり、花卉132,142の生育が促進される。
以上のように、本実施形態によっても、バルコニー1の腰壁6自体をより有効に活用できるようになる。
なお、本実施形態において、開口部130,140を塞いでいる透視部材131,141は、開口部130,140に対して取り付け、取り外し自在となっていてもよく、取り外し不能となっていてもよい。開口部130,140に対して取り付け、取り外し自在とした場合には、透視部材131,141が破損、汚損等した場合には、透視部材の交換等が容易となる。
次に、本発明の第4実施形態に係るバルコニー1の腰壁6の収納構造を説明する。
図19は、バルコニー1の腰壁6の斜視図で、開口部が覆い部材で覆われているときの状態を示すものであり、図20は、腰壁6の内部構造を示す斜視図であり、図21は、バルコニー1の腰壁6の斜視図で、開口部が開口しているときの状態を示すものであり、図19と同様の図である。
また、図22は、図19における覆い部材51の拡大斜視図であり、図23は、図19におけるS23−S23線拡大断面図であり、どちらも、開口部が覆い部材で覆われているときの状態を示すものである。
さらに、図24は、図22において、覆い部材を回動することにより開口部が開口しているときの状態を示す拡大斜視図であり、同様に、図25は、図23において、覆い部材を回動することにより開口部が開口しているときの状態を示す拡大断面図である。
なお、本実施形態においても、手摺り5は、前述の第1及び第2実施形態と全く同様のものとなっており、腰壁6の内部構造は、収納空間を形成するために腰壁6の内部に配置されている一部の横材を除いて、前述の第1及び第2実施形態と同様のものとなっている。以下、前述の第1及び第2実施形態と異なる点について説明する。
図19及び図21に示されているように、バルコニー1の腰壁6の屋内側のサイディング7には、図20に示す腰壁6の内部に形成された収納空間28から収納物を出し入れするための開口部50が形成されており、この開口部50を上下方向に開閉自在に覆う覆い部材51が、腰壁6に対して回動自在に取り付けられている。
図22に示されているように、覆い部材51の覆い部52の下端部の内部には、覆い部52の幅寸法よりも長い中心軸55が貫通しており、この中心軸55の左右端部は、左右の横材61の屋内側の先端の内部に形成されている孔に挿入され、結合されている。このため、覆い部材51は、中心軸55を中心に腰壁6に対して上下方向に回動自在となっている。
開口部50は、前述の第1及び第2実施形態の開口部30,40と同じ又は略同じ大きさ、形状を有している。
覆い部材51は、図22及び図23に示されているように、開口部50と同じ又は略同じ形状を有し、開口部50を上下方向に開閉自在にする覆い部52と、開口部50と同じ又は略同じ形状を有し、覆い部52が開口部50を覆っているときには収納空間28へ水平方向に延出する水平延出部53とを有している。なお、覆い部52の左右の両側端部と水平延出部53の左右の両側端部との間には、覆い部材51の水平姿勢を支持するための平板状の支持部材54が取り付けられている。さらに、図22に示されているように、覆い部材51の覆い部52の上部中央部又は略中央部には、前述の第1及び第2実施形態の手掛け部31D,41Bと同様の大きさ、形状を有する手掛け部52Aが形成されている。
覆い部材51の水平延出部53は、前述の第1及び第2実施形態における腰壁6の内部に配置されていた上下2枚の横材9のうちの下の横材9と同じ又は略同じ厚さ寸法を有しており、また、この下の横材9と同じ又は略同じ高さ位置に配置されている。このため、本実施形態では、図19及び図22に示されているように、前述の第1及び第2実施形態における前記下の横材9の代わりに、腰壁6の厚さ方向に長く、サイディング7の表面まで水平方向に突出する左右2枚の横材61が、覆い部材51の水平延出部53の左右両側に配置されている。なお、左右2枚の横材61の上方には、前述の第1及び第2実施形態における上の横材9が配置されている。
本実施形態では、腰壁6の内部に形成されている収納空間は2個あり、1つは、図20及び図23に示されているように、左右の中柱25と、横材9と、屋外側のサイディング7と、屋内側に立設されている縦板60とに囲まれて形成されている収納空間28であり、もう一つは、図23に示されているように、覆い部材51の覆い部52と水平延出部53と左右2個の支持部材54とに囲まれて形成されている収納空間29である。
本実施形態では、覆い部材51が、覆い部52が開口部50を覆っているときには収納空間28へ水平に延出する水平延出部53を有しているため、開口部50を開口し、収納空間28から収納物を出し入れするためには、覆い部材51を180度又は略180度屋内側下方向へ回動する必要がある。
なお、開口部50を覆っている状態において表面がサイディング7の表面と面一又は略面一となっている覆い部材51を180度又は略180度回動させることにより、覆い部52は腰壁6の屋内側のサイディング7へ当接することになるため、このサイディング7が邪魔となって、覆い部52は、180度又は略180度まで回動することができず、言い換えると、鉛直姿勢の状態とはならない。このため、本実施形態では、図22及び図23に示されているように、サイディング7のうち、回動した覆い部52が当接する部分はあらかじめ切り欠かれており、この部分は、覆い部52と同じ又は略同じ大きさ、形状を有する開口部62となっている。
しかし、このままでは、覆い部材51が180度又は略180度回動した状態において、覆い部52が腰壁6側へ当接するものが存在しないことになるので、本実施形態では、図20に示されているように、腰壁6の長さ方向である左右方向に長く、サイディング7の代わりとなる縦板60が、腰壁6の内部に配置されている。この縦板60の表面は、図20に示されているように、左右の中柱25の屋内側の表面と面一又は略面一となっている。
次に、開口部50を開口するために覆い部材51を回動させる動作について、図22〜図25により説明する。
図22及び図23は、覆い部材51の覆い部52が開口部50を覆っているときの状態を示すものであるが、図23及び図25に示されているように、本実施形態においても、前述の第1及び第2実施形態と同様に、上の横材9の凸部9Aの下部は切欠部9Cとなっており、また、覆い部52の上端部の端面には抜け止め防止部材56が設けられている。このため、覆い部52が開口部50からはずれることが防止されるとともに、覆い部52が開口部50をより密接に覆うものとなっている。
また、図22及び図23に示されているように、開口部50を開口するためには、覆い部材51を矢印H方向、言い換えると、屋内側下方向へ180度又は略180度回動させる。
これにより、図24及び図25に示されているように、覆い部材51の水平延出部53は水平姿勢又は略水平姿勢の状態となるとともに、覆い部材51の覆い部52は、サイディング7に形成された前記開口部62(前述の図22及び図23参照)に嵌め込まれ、この開口部62の奥側、言い換えると、屋外側に配置されている縦板60の表面に当接することになり、この結果、覆い部材51の水平延出部53は、水平姿勢又は略水平姿勢の状態が保持されることになる。
したがって、本実施形態では、開口部50が開口しているときには覆い部材51を水平姿勢又は略水平姿勢に保持するための水平姿勢保持手段は、サイディング7の代わりとなっている縦板60の表面に当接する覆い部52となっている。
以上説明した本実施形態によると、覆い部材51の覆い部52が縦板60に当接することで、覆い部材51の水平延出部53を物を置く台や人が座る椅子等として利用することができるようになり、バルコニー1の腰壁6自体をより有効に活用できるようになる。
前述の第1実施形態では、覆い部材51とは別部材となっている水平姿勢保持手段である脚部材33を覆い部材31に取り付けるものであり、開口部30を開口させた後、この脚部材33を鉛直下方へ延出した姿勢にさせて、この脚部材33の先端を床に当接させなければ、覆い部材51が水平姿勢又は略水平姿勢の状態を保持することができないものであった。
しかし、本実施形態によると、覆い部材51の覆い部52が縦板60に当接するだけで、水平延出部53が水平姿勢又は略水平姿勢を保持することができるようになり、それだけ覆い部材51の構造の簡単化を図れるようになる。
また、前述の第1実施形態のように、覆い部材51を水平姿勢又は略水平姿勢に保持するために、脚部材33を回動させるという操作が不要となり、それだけ操作の手間が省けることになる。