JP4672134B2 - Fmsセルにおけるパレット搬送待ち時間の管理方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、FMSセルにおけるパレット搬送待ち時間の管理方法および装置に係り、特に、工作機械で加工を終了した加工物を次工程の工作機械への搬送開始時間を適正に管理するFMSセルにおけるパレット搬送待ち時間の管理方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
FMS(Flexible Manufacturing System)は、複数台のNC工作機械とパレット搬送装置とパレット収納用ステーションと、これらの設備を統合的に制御するコンピュータなどで構成され、多品種少量生産を無人化して効率的に行う生産システムである。
この種のFMSセルでは、あらかじめ登録されたスケジュールにしたがって、ワークを載せたパレットがパレット収納用ステーションから搬送装置によって次々と工作機械に送られ、登録されたワークの加工順にしたがって自動的に加工されていく。このようなFMSセルでは、夜間などは無人運転を行うことができるため、高い生産性を上げることができる。
【0003】
FMSセルでは、複数台の工作機械がワークの一連の工程を分担しており、ひとつの工作機械で加工が終了したワークを載せたパレットは、当該工作機械の搬出ステーションに移動した後、搬送装置によって次の工程を担当する工作機械へ搬送されていく。
【0004】
従来、このようなパレットの搬送は、セルコントローラが管理し、各工作機械での加工が終了次第、直ちに次の工程の工作機械へ搬送するようにして無駄な待ち時間が生じないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、工作機械では、加工内容によっては、切削のためのクーラント液を大量に使用する場合があり、加工が終了した直後では、大量のクーラント液がワークに付着していたり、加工した溝に溜まっていることがある。そして、このワークはそのままの状態でパレットごと搬出ステーションへ移動するが、搬送装置がパレットを搬出する際に、ワークに溜まっていたクーラント液がこぼれて周囲に飛散することがある。
【0006】
また、工作機械で切削加工された直後のワークは、切削熱を帯びているのが普通であって、熱膨張が生じている。したがって、加工終了後に直ちに次の工程が行われる工作機械に搬送されて、段取り替え作業などが行われると、熱膨張が生じたまま段取りされるため、段取り精度や加工精度に誤差が生じるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、クーラント液の飛散による周囲の環境への悪影響を防止し、また、切削熱の熱膨張による段取り精度や加工精度への悪影響を防止できるように、しかも生産効率には影響を与えることなく、加工終了後に次工程の工作機械にワークを搬送する際の適切な待ち時間を設定管理できるようにしたFMSセルにおけるパレット搬送待ち時間の管理方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、パレットの搬入ステーションと搬出ステーションを有する複数台のNC工作機械と、パレット収納用ステーションと、加工物を載せたパレットを指定された前記NC工作機械および前記パレット収納用ステーションの指定されたストッカーに出入庫するパレット搬送装置と、を備え、これらの設備を統合的に管理する生産管理システムを有するFMSセルにおけるパレット搬送待ち時間の管理方法であって、予めそれぞれの加工物について、NC工作機械での加工終了後に前記搬出ステーションから前記パレット搬送装置に搬出するに際しての搬出待機時間を個々の加工物の種類、加工内容に応じて設定し、工程間でワークの段取り替えが行われている場合には、その前工程での前記搬出待機時間の終了後から次工程のNC工作機械での工程を開始するまでの工程間待機時間を個々の加工物の種類、加工内容に応じて設定し、加工の終了したNC工作機械から次工程のNC工作機械に搬出する際に、指定された前記搬出待機時間が経過するまでに当該パレットを当該NC工作機械の搬出ステーションで待機させ、加工物に付着しているクーラント液を除去回収し、前記工程間待機時間が設定されているパレットは、前記搬出待機時間終了後にパレット収納用ステーションに搬送してパレット上の加工物を冷却しながら指定された工程間待機時間が経過するまで待機させてから段取りステーションに搬送し、前記搬出待機時間と工程間待機時間との組み合わせることにより、前記パレット搬送装置によるパレット搬送待ち時間を管理することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明は、パレットの搬入ステーションと搬出ステーションを有する複数台のNC工作機械と、パレット収納用ステーションと、加工物を載せたパレットを指定された前記NC工作機械および前記パレット収納用ステーションの指定されたストッカーに出入庫するパレット搬送装置と、を備え、これらの設備を統合的に管理する生産管理システムを有するFMSセルにおけるパレット搬送待ち時間の管理装置であって、予めそれぞれの加工物について、NC工作機械での加工終了後に前記搬出ステーションから前記パレット搬送装置に搬出するに際して加工物に付着しているクーラント液を除去するのに十分な搬出待機時間を個々の加工物の種類、加工内容に応じて設定するとともに、工程間でワークの段取り替えが行われている場合には、その前工程での前記搬出待機時間の終了後から次工程のNC工作機械での工程を開始するまで加工物を冷却するのに十分な工程間待機時間を個々の加工物の種類、加工内容に応じて設定する待機時間設定手段と、加工の終了したNC工作機械から次工程のNC工作機械に搬出する際に、指定された前記搬出待機時間が経過するまでに当該パレットを当該NC工作機械の搬出ステーションで待機させ、前記工程間待機時間が設定されているパレットは、前記搬出待機時間終了後にパレット収納用ステーションに搬送し指定された工程間待機時間だけ待機させてから段取りステーションに搬送する搬送制御手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施形態】
以下、本発明によるFMSセルのパレット搬送待ち時間の管理方法および装置の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明によるFMSセルのパレット搬送待ち時間の管理方法および装置が適用されるFMSセルの一例を示している。このFMSセルは、複数台のNC工作機械(図1では、5台の横形マシニングセンタ)10a乃至10eが工作機械群10を構成し、これらのNC工作機械10a乃至10eは、パレット収納ステーションとしてのパレットストッカ12の前面側に設けられた搬送ライン13に沿って一列に配列されている。搬送ライン13の一端側には、段取りステーション15が設置されている。パレットストッカ12は、多数のパレットを収納することができる立体形のストッカで、搬送装置14によって指定された位置のストッカにパレットを入庫、出庫することができるようになっている。
【0011】
図2は、FMSセルの制御系統を示すブロック図である。
システムコントローラ20は、NC工作機械10a乃至10eからなる工作機械群10と搬送装置12を有機的に連動させて、あらかじめ登録された生産予定(加工スケジュール)にしたがって、機械加工を統合的に管理する制御装置であり、たとえば、パソコン本体および必要な各種周辺装置でシステムを構成した、いわゆるFAコンピュータが利用されている。このシステムコントローラ20は、加工スケジュール情報およびNC加工情報の登録、変更、表示、削除、出力などのデータ管理機能や、工作機械群10のNC工作機械10a乃至10eの運転を各々制御するCNC装置22にスケジュール運転の開始、終了、中断などの指示を行なう運転管理機能、および通信回線を通してFMSセルの構成機器群の運転制御を行う運転制御機能などを有している。また、システムコントローラ20と、NC工作機械群10のCNC装置22とは、光モデム、光ケーブルC1によって通信アダプタ23を介して接続されている。これによって、システムコントローラ20は、NC工作機械群10のCNC装置22と相互通信が可能となっている。
【0012】
図2において、参照符号24は、搬送装置14と段取りステーション15を運転制御する制御盤24である。この制御盤24は、RS−232C規格の通信ケーブルC2によって通信アダプタ23を介してシステムコントローラ20と接続されている。
【0013】
搬送装置14は、制御盤24によって直接的に制御されるが、パレットの投入順序、搬送するパレットの指定、パレットの搬送先、などは、システムコントローラ20から指令が与えられる。例えば、搬送装置14は、パレットストッカ12に収納されている多数のパレットの中から指定されたパレットを取り出して段取りステーション15に搬送したり、あるいは段取りステーション15でワークの段取り作業が終了したパレットをシステムコントローラ20から指令されたいずれかのNC工作機械10a乃至10eに搬送したり、さらには、加工の終了したパレットをパレットストッカ12に搬送し、登録された位置にパレットを入庫するなど、FMSセルでのパレットの搬送をすべてにわたって担っている。
【0014】
次に、図3は、各工作機械10a乃至10eを制御するCNC装置22の構成を示すブロック図である。このCNC装置22は、PLC装置26と、NC装置28とを備えており、NC装置28は、FMSセルの加工スケジュールの各工程を実施する加工プログラムを実行して工作機械10a乃至10eの動作を数値制御してワークに所定の加工を行なわせる。
【0015】
PLC装置26は、プログラマブルロジックコントローラであり、あらかじめ作成されたシーケンスプログラムにしたがってNC装置28およびそれに付属する各種機器のシーケンス制御を行い、NC工作機械10a乃至10eの起動、停止等を行い、また、システムコントローラ20からの指令を受信してNC装置28に伝送するとともに、当該NC工作機械10a乃至10eにおける各種情報をシステムコントローラ20に送信するようになっている。なお、図3において、33は搬送装置14によって運ばれてきたパレットPを工作機械に搬入するための搬入ステーションで、34は加工の終了したパレットPを工作機械から搬出するに際して搬送装置14に受け渡すために一時的に待機させておく搬出ステーションを示している。
【0016】
次に、図4は、本発明が適用されるFMSセルにおける工作機械の配置を示す平面図である。この図4では、2台の工作機械10a、10bを示し、他は省略されている。パレットストッカー12は、簡明のために1番から10番のストッカーが示されており、各々のストッカーには、一台のパレットが収納されるようになっている。
【0017】
この図4において、各NC工作機械10a、10bは、それぞれ機械本体の前面側にテーブル32が配置されている。テーブル32と、搬送路13との間には、上述した搬入ステーション33と搬出ステーション34とが配置されており、搬送装置14で運ばれたパレットは、最初に搬入ステーション33に搬入される。
【0018】
搬入ステーション33から工作機械本体内部へパレットが送り込まれた後、PLC装置26は、あらかじめ決められたシーケンスにしたがって、当該NC工作機械での加工作業を開始させる。
【0019】
すなわち、そのパレットは、図示しないパレットチェンジャによってテーブル32に供給され、パレットの搬入が完了すると、NC加工プログラムが実行され、NC工作機械では、必要な切削工具、送り速度で、決められ加工寸法での自動切削が開始される。加工の終了したパレットは、図示しないパレットチェンジャによって搬出ステーション34に排出され、ここから搬送装置14に載せられて次の加工が行われる工作機械に搬送される。
【0020】
本発明では、ワークの加工を終了したパレットを後続の次工程が行われるNC工作機械に搬送する際には、ワークの種類や加工内容に応じて予め設定された待機時間だけ待機させるようになっている。
【0021】
図5は、FMSセルでの加工スケジュールにおいて設定される加工工程とパレット搬送の待機時間の設定例を示す工程図である。
この図5に示す加工スケジュールでは、ワークの加工には工程I〜工程IVまでの4つの工程があり、それぞれ各工程を異なるNC工作機械に分担させている。各工程I乃至IVでは、加工が終了したパレットをテーブル32から搬出ステーション34に排出してから、ここで待機させる搬出待機時間S1乃至S4が設定されている。この搬出待機時間S1乃至S1の長さは、例えば、一工程を終えて加工物に付着したクーラント液を水切りするのに十分な時間であることが好ましい。また、各搬出待機時間S1乃至S1の長さは、個々の工程で行われる加工の内容を考慮して個別に設定することができる。
【0022】
このような搬出待機時間とは別に、工程と工程の間で、段取り替えが予定されている場合などでは、工程間待機時間が設定されている。図5では、例えば、工程Iと工程IIの間および工程IIIと工程IVの間に、工程間待機時間T1、T2が設定されている。この工程待機時間T1、T2の間は、NC工作機械での前工程を終了し搬出ステーション34に移動したパレットは、さらにパレットストッカー12に移動し指定されたストッカーに収納され、ここで待機時間が経過をするのを待つ。所定の時間が経過すると、当該パレットは、段取り替えが予定されている場合は段取りステーション15に移動し、段取り作業を行なってから、次の工程が行われるNC工作機械に搬送される。また、段取り替えが予定されていない場合は、後続の工程が行なわれるNC工作機械へ搬送される。
【0023】
このような工程間待機時間は、前工程の工作機械で切削されたことで加工物が帯びる切削熱を放熱、あるいは冷却するのに十分な時間が設定される。加工物の帯びる切削熱の程度は、加工物の種類、大きさ、その加工内容によって大きく相違してくるので、工程間待機時間は、これらの要素を考慮の上、個別に設定される。システムコントローラ20は、搬出待機時間と、工程間待機時間を簡易な入力操作でモニタ上から設定できる機能を具備している。
【0024】
図6は、システムコントローラ20のモニタの画面に表示される工程間待機時間の入力画面の例を示す。
【0025】
図6(a)は、図5における工程Iと工程IIの間に設定する工程間待機時間の入力画面である。矢印ボックス100をクリックすることで設定する工程番号が変わるようになっている。段取り替えの入力ボックスには、矢印ボックスがあり、この矢印ボックスをクリックすると、次の工程との間の段取り替えの有無を設定することができる。工程Iのように、段取り替えを「有り」と設定すると、その下のボックスには、工程間待機時間として段取り待ち時間と表示され、その横の入力ボックス104に所要の待機時間を入力することができる。
【0026】
これに対して、図6(b)は、段取り替えがない場合の入力画面である。図5の工程IIIと工程IVの間には、段取り替えが予定されていないとすると、工程IIIの入力画面において段取り替えの入力ボックスを「無し」にすると、その下には工程間待機時間として加工待ち時間と表示される。そして、その横の入力ボックス104には、加工待ち時間として必要な時間を入力することができる。
【0027】
なお、搬送待機時間についても同様な入力画面(図示せず)が開いて、待機時間を設定することができるようになっている。
【0028】
このようにして、搬送待機時間、工程間待機時間を設定した後に、実際にFMSセルを運転したときにシステムコントローラ20がパレットの待ち時間を管理する処理の流れを図7に示す。
【0029】
以下、図2乃至図7に示すフローチャートを参照しながら、本実施の形態によるFMSセルにおける待ち時間の管理について説明する。
【0030】
まず、図4において、加工中は、段取りステーション15で段取りの終わったパレットは、例えば、パレットP1から順に搬送装置14によって順次工作機械10aに供給されていく。工作機械10aで加工の終わったパレットP1は、次工程の加工をするために、工作機械10aから排出されたのち、工作機械10bに供給されていく。このようにして、パレットP1、P2、P3…は、順次工作機械10a、10b、…での加工を経ていく。
【0031】
そこで、例えば、NC工作機械10aでは工程Iが行われ、NC工作機械10bでは工程IIが行われるものとする。
【0032】
NC工作機械10aにおいて、工程Iが行われるパレットについて、待ち時間の管理をみていくと、まず、当該NC工作機械10aのテーブル32にパレットP5が搬入されると、当該NC工作機械での加工が開始される(ステップS1)。以後、NC加工プログラム通りに加工が進行する。加工物の加工が終了すると、PLC装置26は、加工の終わった加工物の載っているパレットP5を搬出ステーション34に移動させる(ステップS3)。そして、PLC装置26は加工終了したことを示す信号を送信してシステムコントローラ20に通知する(ステップS4)。
【0033】
こうしてシステムコントローラ20に加工終了が通知されると、システムコントローラ20は、待機時間の登録データを参照して搬出待機時間が設定されているかどうかをチェックする(ステップS5)。工程Iの場合では搬出待機時間S1が設定されているので(ステップS5のyes)、ステップS6に進み、設定された待機時間S1をタイマにセットし、タイマを起動させる。以後、指定された待機時間S1が経過するまでの間、パレットP5は、搬出ステーション34で待機する。したがって、待機している間には、パレットP5上の加工物に付着したり溜まっていたクーラント液は、搬出ステーション34の下に設けられている図示しないクーラント受けに落ちて回収される。
【0034】
そして、指定された待機時間が経過したら(ステップS7のyes)、ステップS8に進み、システムコントローラ20は、待機時間の登録データを参照して、工程間待機時間が設定されているか否かを判断する。工程Iと工程IIの間には、工程間待機時間T1が設定されているので(ステップS8のyes)、ステップS9に進む。システムコントローラ20は、制御盤24に当該パレットP5をパレットストッカーに退避する指令を送信する。これにより、搬送装置14は、当該パレットP5を搬出ステーション34から搬出してパレットストッカー12まで搬送し、このパレットP5に割り当てられている例えば5番のストッカーに入庫させる。このパレットを搬送する過程では、パレット上の加工物は既に十分に水切りされているため、周囲に飛び散るようなこともないので、FMSセルの床などがクーラント液で汚れるのを防止することができる。
【0035】
入庫が終わると制御盤24は、入庫が終了した事実をシステムコントローラ20に報告する。そして、システムコントローラ20は、待機時間をT1にセットしてタイマを起動させる(ステップS10)。
【0036】
しかる後、システムコントローラ20は、経過時間を監視し(ステップS11)、以後パレットP5は待機を続ける。この待機の間、切削熱を帯びた加工物は、熱を放熱できるので、待機時間が終了するまでには冷却される。待機時間T1が経過したら、加工スケジュールで予定されている次のステーションに当該パレットP5を搬送する指令を制御盤24に送信する。搬送装置14は、パレットストッカーの5番で待機していたパレットP5を運び出し、段取りが予定されている段取りステーションに搬送する。この段取り作業では、加工物は冷却が済んで熱を帯びていないため、精度の高い段取り替えを行うことができる。
【0037】
段取りが予定されていなければ、次の工程が行われる工作機械へと搬入される。この次工程での切削においても、前工程での切削熱が加工精度に悪影響を及ぼすことが未然に回避される。
【0038】
以上、工作機械10aで工程Iの加工の終わったパレットを例にして待ち時間の管理を説明したが、他の工作機械でも全く同様にパレットの待ち時間が管理される。例えば、図4において、工程IIが行われているNC工作機械10bでは、加工が終了して搬出ステーション34に移動したパレットP1は、工程IIIの前には工程間待機時間が設定されていないため、搬出待機時間S2が経過する間、待機しながらクーラント液の水切りをした後、次の工程が行われる工作機械に搬出される。
【0039】
なお、搬出待機時間、待ち間待機時間が経過する間、工作機械群10では、加工スケジュールにしたがって加工は継続されているため、待機時間が生産効率を低下させることがないのはもちろんである。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、クーラント液の飛散による周囲の環境への悪影響を防止し、また、切削熱の熱膨張による段取り精度や加工精度への悪影響を防止し、しかも生産効率には影響を与えることなく、加工終了後に次工程の工作機械にワークを搬送する際の適切な待ち時間を設定管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパレットの搬送待ち時間の管理方法が適用されるFMSセルの一例を示す斜視図。
【図2】本発明が適用されるFMSセルの制御系統を示すブロック図。
【図3】FMSセルの工作機械の制御部を示すブロック図。
【図4】本発明が適用されるFMSセルの配置図。
【図5】加工工程とパレット搬送の待機時間の設定例を示す工程図。
【図6】待機時間の設定画面の例を示す図。
【図7】本発明の一実施形態によるパレットの搬送待ち時間の管理の処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
10 工作機械群
12 パレットストッカ
13 搬送路
14 搬送装置
15 段取りステーション
20 システムコントローラ
33 搬入ステーション
34 搬出ステーション
Claims (2)
- パレットの搬入ステーションと搬出ステーションを有する複数台のNC工作機械と、パレット収納用ステーションと、加工物を載せたパレットを指定された前記NC工作機械および前記パレット収納用ステーションの指定されたストッカーに出入庫するパレット搬送装置と、を備え、これらの設備を統合的に管理する生産管理システムを有するFMSセルにおけるパレット搬送待ち時間の管理方法であって、
予めそれぞれの加工物について、NC工作機械での加工終了後に前記搬出ステーションから前記パレット搬送装置に搬出するに際しての搬出待機時間を個々の加工物の種類、加工内容に応じて設定し、
工程間でワークの段取り替えが行われている場合には、その前工程での前記搬出待機時間の終了後から次工程のNC工作機械での工程を開始するまでの工程間待機時間を個々の加工物の種類、加工内容に応じて設定し、
加工の終了したNC工作機械から次工程のNC工作機械に搬出する際に、指定された前記搬出待機時間が経過するまでに当該パレットを当該NC工作機械の搬出ステーションで待機させ、加工物に付着しているクーラント液を除去回収し、
前記工程間待機時間が設定されているパレットは、前記搬出待機時間終了後にパレット収納用ステーションに搬送してパレット上の加工物を冷却しながら指定された工程間待機時間が経過するまで待機させてから段取りステーションに搬送し、
前記搬出待機時間と工程間待機時間との組み合わせることにより、前記パレット搬送装置によるパレット搬送待ち時間を管理することを特徴とするFMSセルにおけるパレット搬送待ち時間の管理方法。 - パレットの搬入ステーションと搬出ステーションを有する複数台のNC工作機械と、パレット収納用ステーションと、加工物を載せたパレットを指定された前記NC工作機械および前記パレット収納用ステーションの指定されたストッカーに出入庫するパレット搬送装置と、を備え、これらの設備を統合的に管理する生産管理システムを有するFMSセルにおけるパレット搬送待ち時間の管理装置であって、
予めそれぞれの加工物について、NC工作機械での加工終了後に前記搬出ステーションから前記パレット搬送装置に搬出するに際して加工物に付着しているクーラント液を除去するのに十分な搬出待機時間を個々の加工物の種類、加工内容に応じて設定するとともに、工程間でワークの段取り替えが行われている場合には、その前工程での前記搬出待機時間の終了後から次工程のNC工作機械での工程を開始するまで加工物を冷却するのに十分な工程間待機時間を個々の加工物の種類、加工内容に応じて設定する待機時間設定手段と、
加工の終了したNC工作機械から次工程のNC工作機械に搬出する際に、指定された前記搬出待機時間が経過するまでに当該パレットを当該NC工作機械の搬出ステーションで待機させ、前記工程間待機時間が設定されているパレットは、前記搬出待機時間終了後にパレット収納用ステーションに搬送し指定された工程間待機時間だけ待機させてから段取りステーションに搬送する搬送制御手段と、
を具備することを特徴とするFMSセルにおけるパレット搬送待ち時間の管理装置。
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