[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP4671320B2 - メタクリル酸製造用被覆触媒の製法 - Google Patents

メタクリル酸製造用被覆触媒の製法 Download PDF

Info

Publication number
JP4671320B2
JP4671320B2 JP2001281720A JP2001281720A JP4671320B2 JP 4671320 B2 JP4671320 B2 JP 4671320B2 JP 2001281720 A JP2001281720 A JP 2001281720A JP 2001281720 A JP2001281720 A JP 2001281720A JP 4671320 B2 JP4671320 B2 JP 4671320B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
coated catalyst
coated
slurry
copper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001281720A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002233760A (ja
Inventor
渥 須藤
純將 瀬尾
秀樹 椙
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP2001281720A priority Critical patent/JP4671320B2/ja
Publication of JP2002233760A publication Critical patent/JP2002233760A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4671320B2 publication Critical patent/JP4671320B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、寿命が長くかつ高活性、高選択性を有するメタクロレインを気相接触酸化してメタクリル酸を製造するための触媒及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタクロレインを気相接触酸化してメタクリル酸を製造するために使用される触媒としては数多くの触媒が提案されている。これら触媒の大部分はモリブデン、リンを主成分とするもので、ヘテロポリ酸及び/又はその塩の構造を有するものである。しかしながら、メタクロレインの気相接触酸化反応と同様の反応として知られているアクロレインの酸化によるアクリル酸を製造するために提案されているモリブデン−バナジウム系触媒と比較すると、反応活性は低く、目的物質への選択性も低く、寿命も短いため、提案されている触媒は一部工業化されているものの、これら触媒性能の改良が求められている。
【0003】
本発明者らは、先に従来のメタクロレイン気相接触酸化触媒の低活性、低選択性、短寿命の改良を試み、Mo、V、Pに種々の元素を添加したメタクロレイン気相接触酸化触媒が、ヘテロポリ酸(塩)構造を有し、高活性、高選択性で特に寿命的に安定した触媒であることを見出し、特公昭58−11416、特公昭59−24140、特公昭62−14535、特公昭62−30177記載の触媒を提案している。
【0004】
また、工業用触媒として固定床反応器に充填して用いる場合は、触媒層前後での反応ガスの圧力損失を少なくするために、ある一定の大きさに触媒を成型する事が必要である。そのため、通常は触媒粉末を柱状物、錠剤、リング状、球状等に成型するか、活性触媒物質を不活性担体に含浸あるいは被覆させて用いる方法も知られている。
この不活性担体を芯とする被覆触媒の利点としては、
▲1▼触媒活性成分の有効利用率を上げることができる、
▲2▼反応物質の触媒内での滞留時間分布が均一となり選択性の向上が期待できる、
▲3▼触媒の熱伝導率向上あるいは不活性担体の希釈効果によって反応熱の除去が容易となる、
等が挙げられ、従って発熱の大きな選択的酸化反応への適用の例が多い。
一方、被覆触媒製造上の技術的困難点としては、
▲1▼被覆層の剥離、ひび割れが起こり易く機械的強度の強い触媒が得られ難い、
▲2▼多量に活性触媒物質を担体上に被覆する事が難しい、
▲3▼不活性物質が入るために活性の高い触媒を得ることが難しい
等を挙げることができる。
かかる点を克服する方法は活性触媒物質の性状とも関わり、汎用的な技術はなく触媒個々に解決するというのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、メタクロレインを気相接触酸化してメタクリル酸を高収率、高選択的に製造する触媒及びその製法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決する方法として、従来のメタクロレイン用気相接触酸化触媒の低活性、低選択性、短寿命の改良を試み、Mo、V、P、Cuを必須成分とする触媒を調製する際、即ち、該必須成分を含むヘテロポリ酸及び/又はその塩を調製する際に、Cu(銅)成分を酢酸銅として添加した場合に高活性、高選択性で特に寿命的に安定した高性能な工業化触媒が得られることを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1)(a)Mo、V、P、並びに必要によりAs及びX(Ag、Mg、Zn、Al、B、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Sb、Cr、Re、Bi、W、Fe、Co、Ni、Ce及びThからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素)をそれぞれ又は複数含む化合物及び酢酸銅を、水と混合し、これらの化合物の水溶液又は水分散体(以下、両者を含めてスラリー液という)を調製する工程、(b)工程(a)で得られたスラリー液を乾燥してスラリー乾燥体を得る工程、(c)工程(b)で得られたスラリー乾燥体を、バインダーを用いて担体に被覆する工程、(d)工程(c)で得られた被覆成型物を焼成する工程、からなる被覆触媒の製法であって、前記バインダーとして、水及び1気圧下での沸点が150℃以下である有機化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることを特徴とする下記式(1)で表される活性成分を有するメタクロレインの気相接触酸化によるメタクリル酸製造用被覆触媒の製法、
Mo 10 Cu As g (1)
(式中、Mo、V、P、Cu、As、Oはそれぞれモリブデン、バナジウム、リン、銅、ヒ素及び酸素を表し、XはAg、Mg、Zn、Al、B、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Sb、Cr、Re、Bi、W、Fe、Co、Ni、Ce及びThからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を表す。a、b、c、d、e及びgは各元素の原子比を表し、aは0.1≦a≦6、bは0.5≦b≦6、cは0<c≦3、dは0≦d≦3、eは0≦e≦3、gは他の元素の原子価ならびに原子比により定まる値である。)
(2)(a)Mo、V、P、並びに必要によりAs及びX(Ag、Mg、Zn、Al、B、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Sb、Cr、Re、Bi、W、Fe、Co、Ni、Ce及びThからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素)をそれぞれ又は複数含む化合物を水と混合し、これら化合物の水溶液又は水分散体(以下、両者を含めてスラリー液という)を調製する工程、(b)工程(a)で得られたスラリー液を乾燥してスラリー乾燥体を得る工程、(b’)工程(b)で得られたスラリー乾燥体に固体酢酸銅を混合する工程、(c)工程(b’)で得られた混合物を、バインダーを用いて担体に被覆する工程、(d)工程(c)で得られた被覆成型物を焼成する工程、からなる被覆触媒の製法であって、前記バインダーとして、水及び1気圧下での沸点が150℃以下である有機化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることを特徴とする下記式(1)で表される活性成分を有するメタクロレインの気相接触酸化によるメタクリル酸製造用被覆触媒の製法、
Mo 10 Cu As g (1)
(式中、Mo、V、P、Cu、As、Oはそれぞれモリブデン、バナジウム、リン、銅、ヒ素及び酸素を表し、XはAg、Mg、Zn、Al、B、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Sb、Cr、Re、Bi、W、Fe、Co、Ni、Ce及びThからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を表す。a、b、c、d、e及びgは各元素の原子比を表し、aは0.1≦a≦6、bは0.5≦b≦6、cは0<c≦3、dは0≦d≦3、eは0≦e≦3、gは他の元素の原子価ならびに原子比により定まる値である。)
(3)工程(a)においてスラリー液の原料としてAs含有化合物を用いる上記(1)又は(2)に記載の被覆触媒の製法、
(4)工程(a)においてスラリー液の原料として、酸化銅を用いる上記(1)又は(2)に記載の被覆触媒の製法、
(5)工程(a)においてスラリー液の原料として、As含有化合物及び酸化銅を用いる上記(1)又は(2)に記載の被覆触媒の製法、
(6)バインダーとしてエタノール使用する上記(1)ないし(5)のいずれか一項に記載の被覆触媒の製法、
(7)バインダーがエタノール/水=10/0〜5/5(質量比)である上記(6)に記載の被覆触媒の製法
に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の触媒を得る好ましい方法の1つは、Mo、V、P及びCu並びに必要によりその他の元素をそれぞれ若しくは複数含有する複数の化合物(以下場合により「活性成分を含有する化合物」を「活性成分含有化合物」とも言う)を水に溶解及び/又は分散(工程(a))させ、スラリー液を調製する際に、銅化合物として酢酸銅を使用し、得られたスラリー液を乾燥(工程(b))する方法である。また他の好ましい方法は、前記スラリー液を調製する際に使用した酢酸銅の一部若しくは全部を、固形酢酸銅(通常紛状若しくは顆粒状)として、スラリー乾燥後に配合する方法である。
活性成分元素化合物としては、その塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酸化物又は酢酸塩等が挙げられる。好ましい化合物をより具体的に例示すると硝酸コバルト等の硝酸塩、酸化モリブデン、五酸化バナジウム、三酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化亜鉛又は酸化ゲルマニウム等の酸化物、正リン酸、リン酸、ヒ酸、硼酸、リン酸アルミニウム又は12タングストリン酸等の酸(又はその塩)等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0008】
本発明においてCuを含有する化合物(以下単に銅化合物という)として使用する酢酸銅は、触媒に必要な銅化合物の全量であっても、また一部であってもよい。酢酸銅を使用した場合に触媒の性能が優れる理由は確かではないが、酢酸銅はヘテロポリ酸(塩)を調製する際の活性成分の還元状態を最適にする効果があると推定される。酢酸銅としては含水塩、無水塩のどちらでも特に限定はなく、酢酸第一銅、酢酸第二銅、塩基性酢酸銅のいずれも使用可能であるが、銅が2価である化合物が好ましく、酢酸第二銅が特に好ましい。また、銅化合物として酢酸銅を使用する限り、他の銅化合物を銅成分として併用しても特に支障はなく、酸化銅、好ましくは酸化第二銅を併用すると好ましい結果を与えることがある。酢酸銅以外の銅化合物を併用する場合、酢酸銅とそれ以外の銅化合物の総使用量はそれらの化合物中の銅原子の合計量(原子比)がモリブデン原子10に対して、通常0より大きく3以下、好ましくは0.01以上で、1以下の範囲であれば特に制限はない。通常酢酸銅中の銅原子:それ以外の銅化合物中の銅原子=25:100〜100:0の範囲内であるのが好ましい。
【0009】
本発明において使用する酢酸銅の添加はスラリー液調製の際に、他の活性成分含有化合物と共に、スラリー液用の原料として添加してもよいし、また、固体の酢酸銅を水溶液とすることなく、好ましくは粉末状若しくは顆粒状の酢酸銅の形で、スラリー液乾燥体(好ましくは顆粒状若しくは粉体)にその必要量を添加してもよい(工程b’)。後者の方法は、場合により前者の方法と併用してもよく、例えば酢酸銅の一部をスラリー原料として使用し、残部を固体の酢酸銅としてスラリー乾燥後に添加することもできる。後者の方法を実施する場合、使用する酢酸銅の内、スラリー液の原料として添加する酢酸銅とスラリー乾燥体に固体状で混合する酢酸銅の割合は0:100〜100:25の範囲であるのが好ましい。固体酢酸銅はスラリー乾燥体と均一に混合できるものであれば特に形状、大きさ等は限定されないが、通常混合がより均一にしやすいという観点から、該スラリー乾燥体の粒度と同程度が好ましく、顆粒状若しくは粉末状が好ましく、より好ましくは粉末状である。また、固体酢酸銅の顆粒若しくは粉末における粒度は通常粒径2mm以下であり、より好ましくは1mm以下、更に好ましく500μm以下、300μm以下が最も好ましい。下限は特にないがあまり微粉にしても、メリットはないので、通常10μm以上、好ましくは30μm以上で十分である。
【0010】
上記の方法の中、後者の固体酢酸銅をスラリー乾燥体に添加する方法がより好ましい。後者の方法により得られた触媒は、酢酸銅の全量をスラリー原料として使用して得られた前者の触媒に比して、より活性が高い。 従って後者の触媒を使用して、メタクロレインからメタクリル酸を製造した場合、前者の触媒を用いた場合に比べて、同じ反応温度ではより高収率(より高い転化率及び同程度の選択率)でメタクリ酸を得ることができ、また、同程度の高収率(転化率及び選択率とも同程度)であれば、より低い反応温度で達成することができる。触媒寿命の観点からは反応温度を低くできることは非常に好ましい。
【0011】
本発明において、Mo、V、P及びCu以外の活性成分としては、As、Ag、Mg、Zn、Al、B、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Sb、Cr、Re、Bi、W、Fe、Co、Ni、Ce、Th等が挙げられ、As、Ag、Mg、Zn、Al、B、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Sb、Cr、Re、Bi、W、Fe、Co、Ni、Ce、Thからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、Asが特に好ましい。
【0012】
本発明における触媒の各活性成分の割合は、その原子比がモリブデン10に対して、バナジウムが通常0.1以上で6以下、好ましくは、0.3以上で2.0以下、リンが通常0.5以上で6以下、好ましくは0.5以上で3以下、銅が通常0より大きく3以下、好ましくは0.01以上で1以下であり、下記式(1)で表される。
Mo10CuAsg
(1)
(式中、Mo、V、P、Cu、As、Oはそれぞれモリブデン、バナジウム、リン、銅、ヒ素及び酸素を表し、XはAg、Mg、Zn、Al、B、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Sb、Cr、Re、Bi、W、Fe、Co、Ni、Ce及びThからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を表す。a、b、c、d、e及びgは各元素の原子比を表し、aは通常0.1≦a≦6、好ましくは0.3≦a≦2、bは通常0.5≦b≦6、好ましくは0.5≦b≦3、cは通常0<c≦3、好ましくは0.01≦c≦1、dは通常0≦d≦3、好ましくは0.01≦d≦1、eは通常0≦e≦3、好ましくは0.01≦e≦1の値をとる。また、gは酸素以外の他の元素の原子価ならびに原子比により定まる値であり、通常35≦g≦80である。)
【0013】
該触媒は以下の手順により得ることができる。
まず活性成分含有化合物のスラリー液を調製する。スラリー液は、各活性成分を含有する複数の化合物と溶媒、好ましくは水とを均一に混合して得ることができる。該スラリー液は銅化合物を除き必要な活性成分含有化合物の全てを、触媒の必要量において含有することが好ましい。また銅化合物については、これを含まないか、又は必要量の一部を含むスラリー液とすることも、また、必要な銅化合物の全量を含むスラリー液とすることもできる。
【0014】
本発明の触媒に必要な活性成分含有化合物全てを含むスラリー液を調製する場合は、銅化合物も一緒に添加される。銅化合物の必要量の全量を含むスラリー液とする場合は、銅化合物の全て、又は一部として酢酸銅が使用される。また、このスラリー液中に必要な銅化合物の一部のみを含ませる場合は、銅化合物として、酢酸銅を使用してもよいし、また、その含ませる量によっては酢酸銅以外の銅化合物のみを使用してもよい。なお、スラリー液が必要量の銅化合物の一部しか含まないか、又は全く含まない時は、不足分の銅化合物は後記するようにスラリー液乾燥後に、固体酢酸銅で補充する。
【0015】
尚、本発明においては、スラリー液が水溶液であるのが好ましい。スラリー液における各活性成分の化合物の使用割合は、各活性成分の原子比が上記した範囲であれば特に制限はない。水の使用量は、用いる化合物の全量を完全に溶解できるか、または均一に混合できる量であれば特に制限はないが、下記する乾燥方法や乾燥条件等を勘案して適宜決定される。通常スラリー調製用化合物の合計質量100質量部に対して、200〜2000質量部程度である。水の量は多くてもよいが、多過ぎると乾燥工程のエネルギーコストが高くなり、また完全に乾燥できない場合も生ずるなどデメリットが多く、メリットはあまりないので適量が好ましい。
【0016】
次いで上記で得られたスラリー液を乾燥し、スラリー乾燥体とする。乾燥方法は、スラリー液が完全に乾燥できる方法であれば特に制限はないが、例えばドラム乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等が挙げられる。これらのうち本発明においては、スラリー液状態から短時間に粉末又は顆粒に乾燥することができる噴霧乾燥が好ましい。
この場合の乾燥温度はスラリー液の濃度、送液速度等によって異なるが概ね乾燥機の出口における温度が85〜130℃である。また、この際得られるスラリー乾燥体の平均粒径が30〜150μmとなるよう乾燥するのが好ましい。スラリー乾燥体が塊状もしくは大きな粒子である場合には適宜粉砕等により上記の粒径の粒子とするのが好ましい。本発明においてスラリー乾燥体といった場合、このように粉砕されたものもスラリー乾燥体に含むものとする。
【0017】
スラリー液が銅化合物を含まないか若しくは必要量の一部しか含まなかった場合には、このスラリー乾燥体にその不足分を補う量の酢酸銅を添加混合し、均一な混合物とする。
こうして得られたスラリー乾燥体又は上記で得られた酢酸銅混合物(以下両者を含めて単にスラリー乾燥体という)はそのまま触媒として気相接触酸化反応に供することができるが、前記したように反応ガスの圧力損失を少なくするために、柱状物、錠剤、リング状、球状等に成型するのが好ましい。このうち選択性の向上や反応熱の除去が期待できることから不活性担体をスラリー乾燥体で被覆し、被覆触媒とするのが特に好ましい。
被覆工程(工程(c))は以下に述べる転動造粒法が好ましい。この方法は、例えば固定容器内の底部に、平らなあるいは凹凸のある円盤を有する装置中で、円盤を高速で回転することにより、容器内の担体を自転運動と公転運動の繰り返しにより激しく撹拌させ、ここにバインダーと乾燥粉体並びに必要により他の添加剤例えば成型助剤及び強度向上材の混合物等を添加することにより該混合物を担体に被覆する方法である。バインダーの添加方法は、▲1▼前記混合物に予め混合しておく、▲2▼混合物を固定容器内に添加するのと同時に添加、▲3▼混合物を固定容器内に添加した後に添加、▲4▼混合物を固定容器内に添加する前に添加、▲5▼混合物とバインダーをそれぞれ分割し、▲2▼〜▲4▼を適宜組み合わせて全量添加する等の方法が任意に採用しうる。このうち▲5▼においては、例えば混合物の固定容器壁への付着、混合物同士の凝集がなく担体上に所定量が担持されるようオートフィーダー等を用いて添加速度を調節して行うのが好ましい。
【0018】
バインダーは水及びその標準状態(1気圧下)での沸点が150℃以下の有機化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であれば特に制限はないが、被覆後の乾燥等を考慮すると沸点100℃以下のものがこのましい。水以外のバインダーの具体例としてはメタノール、エタノール、プロパノール類、ブタノール類等のアルコール、好ましくは炭素数1乃至4のアルコール、エチルエーテル、ブチルエーテルまたはジオキサン等のエーテル、酢酸エチル又は酢酸ブチル等のエステル、アセトン又はメチルエチルケトン等のケトン等並びにそれらの水溶液等が挙げられ、特にエタノールが好ましい。バインダーとしてエタノールを使用する場合、エタノール/水=10/0〜5/5(質量比)、好ましくは10/0〜7/3(質量比)が好ましい。これらバインダーの使用量は、スラリー乾燥体100質量部に対して通常2〜60質量部、好ましくは5〜25質量部である。
【0019】
本発明において用いうる担体の具体例としては、炭化珪素、アルミナ、シリカアルミナ、ムライト、アランダム等の直径1〜15mm、好ましくは2.5〜10mmの球形担体等が挙げられる。これら担体は通常は10〜70%の空孔率を有するものが用いられる。担体と被覆されるスラリー乾燥体の割合は通常、スラリー乾燥体/(スラリー乾燥体+担体)=10〜75質量%、好ましくは15〜60質量%となる量使用する。
被覆されるスラリー乾燥体の割合が多い場合、被覆触媒の反応活性は大きくなるが、機械的強度が小さくなる(磨損度が大きくなる)傾向がある。逆に、被覆されるスラリー乾燥体の割合が少ない場合、機械的強度は大きい(磨損度は小さい)が、反応活性は小さくなる傾向がある。
【0020】
本発明においては、スラリー乾燥体を担体上に被覆する場合、更に必要によりシリカゲル、珪藻土、アルミナ粉末等の成型助剤を用いてもよい。成型助剤の使用量は、スラリー乾燥体100質量部に対して通常5〜60質量部である。
また、更に必要により触媒成分に対して不活性な、セラミックス繊維、ウイスカー等の無機繊維を強度向上材として用いる事は、触媒の機械的強度の向上に有用である。しかし、チタン酸カリウムウイスカーや塩基性炭酸マグネシウムウイスカーの様な触媒成分と反応する繊維は好ましくない。これら繊維の使用量は、スラリー乾燥体100質量部に対して通常1〜30質量部である。
上記成型助剤及び強度向上材等の添加剤は、通常被覆工程において、担体、スラリー乾燥体、バインダー等と共に造粒機中に添加し、担体の被覆に使用される。
このようにしてスラリー乾燥体を担体に被覆するが、この際得られる被覆品は通常直径が3〜15mm程度である。
こうして得られた被覆触媒はそのまま触媒として気相接触酸化反応に供することができるが、焼成(工程(d))すると触媒活性が向上する場合があり好ましい。この場合の焼成温度は通常100〜420℃、好ましくは250〜400℃、焼成時間は1〜20時間である。
【0021】
上記のようにして得られた本発明の触媒は、メタクロレインを気相接触酸化してメタクリル酸を製造する際に使用される。なお、本発明の触媒といった場合、特に断らない限り、工程(a)〜(b)、必要に応じて更に(b’)を経て得られたスラリー乾燥体、又は更に工程(c)(及び好ましくは工程(d))を経て得られた被覆触媒の両者を含む意味で使用する。
【0022】
気相接触酸化反応には分子状酸素又は分子状酸素含有ガスが使用される。メタクロレインに対する分子状酸素の使用割合はモル比で0.5〜20の範囲が好ましく、特に1〜10の範囲が好ましい。反応を円滑に進行させることを目的として、原料ガス中に水をメタクロレインに対しモル比で1〜20の範囲で添加することが好ましい。
原料ガスは酸素、必要により水(通常水蒸気として含む)の他に窒素、炭酸ガス、飽和炭化水素等の反応に不活性なガス等を含んでいてもよい。
また、メタクロレインはイソブチレン、第三級ブタノールを酸化して得られたガスをそのまま供給してもよい。
気相接触酸化反応における反応温度は通常200〜400℃、好ましくは260〜360℃、原料ガスの供給量は空間速度(SV)にして、通常100〜6000hr−1、好ましくは400〜3000hr−1である。
本発明による触媒を用いた場合、SVを上げても反応成績には大きな変化はなく、高空間速度にて反応を実施することが可能である。
また、接触酸化反応は加圧下または減圧下でも可能であるが、一般的には大気圧付近の圧力が適している。
【0023】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。尚、実施例中の触媒活性成分組成はいずれも仕込み原料からの比率である。また式において酸素は省略して表示した。なお、実施例A2、A6、A7、A8、A10、A13、A14、B3及びB11は参考例である。
【0024】
実施例A1
1)触媒の調整
純水1900mlに三酸化モリブデン300g、五酸化バナジウム11.37g、酸化第二銅3.31g、酢酸第二銅・一水和物8.32g、85%正リン酸28.82g、60%ヒ酸24.64gを分散あるいは溶解させ、これを撹拌しつつ95℃〜100℃で約6時間加熱還流して赤褐色の透明溶液を得た。
そこに三酸化アンチモン1.52gを添加して、さらに95℃〜100℃で約3時間加熱還流して濃紺色の溶液を得た。
続いて、この溶液を噴霧乾燥機により乾燥して触媒顆粒を得た。
次に、回転するドラム中に球状多孔質アルミナ担体300gを仕込み、90%エタノール水溶液を滴下しながら、先に得た触媒顆粒319gをセラミック繊維44.7gと均一に混合した粉末を徐々に担体上にふりかけ、球状担体を触媒顆粒で被覆成型した。
この間の粉末の損失はほとんど認められなかった。
得られた成型物を空気流通下で310℃で5時間焼成して被覆触媒を得た。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo100.61.2Cu0.4As0.5Sb0.05であった。
2)メタクロレインの触媒酸化反応
得られた反応用触媒10mlを内径18.4mmのステンレス反応管に充填し、原料ガス組成(モル比) メタクロレイン:酸素:水蒸気:窒素=1:2.8:5.0:21.0、空間速度(SV)1000hr−1、反応温度310℃の条件で、メタクロレインの酸化反応を行ったところ、メタクロレインの転化率は85.9%であり、メタクリル酸の選択率は84.8%であった。
【0025】
比較例1
純水1900mlに三酸化モリブデン300g、五酸化バナジウム11.37g、酸化第二銅6.63g、および85%正リン酸28.82g、60%ヒ酸24.64gを分散あるいは溶解させ、これを撹拌しつつ95〜100℃で6時間加熱還流して赤褐色の透明溶液を得た。
そこに三酸化アンチモン1.52gを添加して、さらに95〜100℃で 3時間加熱還流して濃紺色の溶液を得た。
続いて、この溶液を噴霧乾燥機により乾燥して触媒顆粒を得た。
以下は実施例A1と同様の操作で被覆触媒を得た。
得られた被覆触媒の活性成分組成は実施例A1と同じでMo100.61.2Cu0.4As0.5Sb0.05であった。
続いて、得られた被覆触媒を用いて実施例A1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は79.9%であり、メタクリル酸の選択率は87.8%であった。
【0026】
実施例A2
純水1900mlに三酸化モリブデン300g、五酸化バナジウム24.64g、酢酸第二銅・一水和物8.32g、および85%正リン酸26.42g、硝酸ルビジウム 9.22gを分散あるいは溶解させ、これを撹拌しつつ95〜100℃で9時間加熱還流して赤褐色の透明溶液を得た。
続いて、この溶液を噴霧乾燥機により乾燥して触媒顆粒を得た。
以下は実施例A1と同様の操作で被覆触媒を得た。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo101.31.1Cu0.2Rb0.3であった。
続いて、得られた被覆触媒を用いて実施例A1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は74.2%であり、メタクリル酸の選択率は79.0%であった。
【0027】
比較例2
純水1900mlに三酸化モリブデン300g、五酸化バナジウム24.64g、酸化第二銅3.31g、および85%正リン酸26.42g、硝酸ルビジウム9.22gを分散あるいは溶解させ、これを撹拌しつつ95〜100℃で9時間加熱還流して赤褐色の透明溶液を得た。
続いて、この溶液を噴霧乾燥機により乾燥して触媒顆粒を得た。
以下は実施例A1と同様の操作で被覆触媒を得た。
得られた反応用触媒の活性成分組成は実施例A2と同じで
Mo101.31.1Cu0.2Rb0.3
であった。
続いて、得られた反応用触媒を実施例A1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は71.7%であり、メタクリル酸の選択率は79.7%であった。
【0028】
実施例A3
実施例A1の三酸化アンチモンの代わりに酸化セリウム3.59gを使用した以外は実施例A1と同じようにして被覆触媒を調製した。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo100.61.2Cu0.4As0.5Ce0.1であった。
続いて、得られた被覆触媒を用いて実施例A1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は85.2%であり、メタクリル酸の選択率は84.0%であった。
【0029】
実施例A4
実施例A1の酢酸第二銅・一水和物8.32gを16.64g、酸化第二銅3.31gを0g、三酸化アンチモンの代わりに酸化第二鉄1.66gを使用した以外は実施例A1と同じようにして被覆触媒を調製した。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo100.61.2Cu0.4As0.5Fe0.1であった。
続いて、得られた被覆触媒を用いて実施例A1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は86.0%であり、メタクリル酸の選択率は85.0%であった。
【0030】
実施例A5
実施例A1の酢酸第二銅・一水和物8.32gを12.48g、酸化第二銅3.31gを1.66g、85%正リン酸28.82gを27.62g、三酸化アンチモンの代わりに12タングストリン酸5.62gを使用した以外は実施例A1と同じようにして被覆触媒を調製した。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo100.61.2Cu0.4As0.50.1であった。
続いて、得られた被覆触媒を用いて実施例A1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は85.0%であり、メタクリル酸の選択率は84.5%であった。
【0031】
実施例A6
実施例A1の60%ヒ酸24.64gを19.71g、三酸化アンチモンの代わりに硝酸カリ2.11g使用した以外は実施例A1と同じようにして被覆触媒を調製した。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo100.61.2Cu0.4As0.40.1であった。
続いて、得られた被覆触媒を用いて実施例A1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は82.3%であり、メタクリル酸の選択率は84.5%であった。
【0032】
実施例A7
実施例A1の60%ヒ酸24.64gを19.71g、三酸化アンチモンの代わりに酸化錫3.14g、硝酸セシウム4.06gを使用した以外は実施例A1と同じようにして被覆触媒を調製した。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo100.61.2Cu0.4As0.4Sn0.1Cs0.1であった。
続いて、得られた被覆触媒を用いて実施例A1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は82.4%であり、メタクリル酸の選択率は85.7%であった。
【0033】
実施例A8
純水1900mlに三酸化モリブデン300g、五酸化バナジウム24.64g、酢酸第二銅・一水和物8.32g、および85%正リン酸24.02g、硝酸セシウム12.18gを分散あるいは溶解させ、これを撹拌しつつ95〜100℃で9時間加熱還流して赤褐色の透明溶液を得た。
続いて、この溶液を噴霧乾燥機により乾燥して触媒顆粒を得た。
以下は実施例A1と同様の操作で被覆触媒を得た。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo101.31.0Cu0.4Cs0.3であった。
続いて、得られた被覆触媒を用いて実施例A1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は75.3%であり、メタクリル酸の選択率は79.0%であった。
【0034】
実施例A9
純水1900mlに三酸化モリブデン300g、五酸化バナジウム22.74g、酢酸第二銅・一水和物8.32g、85%正リン酸26.42gを分散あるいは溶解させ、これを撹拌しつつ95〜100℃で約6時間加熱還流して赤褐色の透明溶液を得た。
そこに酸化ゲルマニウム1.09gを添加して、さらに95〜100℃で約3時間加熱還流して赤褐色の溶液を得た。
続いて、この溶液を噴霧乾燥機により乾燥して触媒顆粒を得た。
次に、回転するドラム中に球状多孔質アルミナ担体300gを仕込み、70%エタノール水溶液を滴下しながら、先に得た触媒顆粒319gをセラミック繊維44.7gと均一に混合した粉末を徐々に担体上にふりかけ、球状担体を触媒顆粒で被覆成型した。
得られた成型物を空気流通下で310℃で5時間焼成して被覆触媒を得た。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo101.21.1Cu0.2Ge0.05であった。
得られた被覆触媒を用いて実施例A1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は73.2%であり、メタクリル酸の選択率は77.8%であった。
【0035】
実施例A10
実施例A9の酸化ゲルマニウムの代わりに酸化ガリウム1.95gを使用した以外は実施例A9と同じようにして被覆触媒を調製した。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo101.21.1Cu0.2Ga0.1であった。
続いて、得られた被覆触媒を用いて実施例A1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は75.9%であり、メタクリル酸の選択率は74.9%であった。
【0036】
実施例A11
純水1900mlに三酸化モリブデン300g、五酸化バナジウム24.64g、酢酸第二銅・一水和物16.64g、酸化第二銅3.31g、85%正リン酸36.03gを分散あるいは溶解させ、これを撹拌しつつ95〜100℃で約6時間加熱還流して赤褐色の透明溶液を得た。
そこに三酸化二硼素2.58gを添加して、さらに95〜100℃で約3時間加熱還流して赤褐色の溶液を得た。
続いて、この溶液を噴霧乾燥機により乾燥して触媒顆粒を得た。
次に、回転するドラム中に球状多孔質アルミナ担体300gを仕込み、90%エタノール水溶液を滴下しながら、先に得た触媒顆粒319gをセラミック繊維44.7gと均一に混合した粉末を徐々に担体上にふりかけ、球状担体を触媒顆粒で被覆成型した。
得られた成型物を空気流通下で310℃で5時間焼成して被覆触媒を得た。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo101.31.5Cu0.60.2であった。
続いて、得られた被覆触媒を用いて実施例A1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は81.2%であり、メタクリル酸の選択率は78.0%であった。
【0037】
実施例A12
実施例A11の三酸化二硼素2.58gの代わりに硝酸ビスマス10.11gを使用した以外は実施例A11と同じようにして被覆触媒を調製した。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo101.31.5Cu0.6Bi0.1であった。
続いて、得られた被覆触媒を用いて実施例A1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は79.3%であり、メタクリル酸の選択率は78.5%であった。
【0038】
実施例A13
純水1900mlに三酸化モリブデン300g、五酸化バナジウム24.64g、酢酸第二銅・一水和物12.48g、酸化第二銅1.16g、85%正リン酸31.22gを分散あるいは溶解させ、これを撹拌しつつ95〜100℃で約6時間加熱還流して赤褐色の透明溶液を得た。
そこに酸化第二鉄0.33g、三酸化アンチモン0.61g、酸化セリウム0.72g、硝酸セシウム2.03gを添加して、さらに95〜100℃で約5時間加熱還流して濃紺色の溶液を得た。
続いて、この溶液を噴霧乾燥機により乾燥して触媒顆粒を得た。
次に、回転するドラム中に球状多孔質アルミナ担体300gを仕込み、90%エタノール水溶液を滴下しながら、先に得た触媒顆粒319gをセラミック繊維44.7gと均一に混合した粉末を徐々に担体上にふりかけ、球状担体を触媒顆粒で被覆成型した。
得られた成型物を空気流通下で310℃で5時間焼成して被覆触媒を得た。
得られた被覆触媒の活性成分組成は
Mo101.31.3Cu0.4Fe0.02Sb0.02Ce0.02Cs0.05
であった。
続いて、得られた被覆触媒を用いて実施例A1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は80.3%であり、メタクリル酸の選択率は79.2%であった。
【0039】
実施例A14
純水1900mlに三酸化モリブデン300g、五酸化バナジウム24.64g、酢酸第二銅・一水和物16.64g、酸化第二銅3.31g、85%正リン酸36.03gを分散あるいは溶解させ、これを撹拌しつつ95〜100℃で約6時間加熱還流して赤褐色の透明溶液を得た。
そこに三酸化アンチモン39.11g、硝酸セシウム20.30gを添加して、さらに95〜100℃で約5時間加熱還流して濃紺色の溶液を得た。
続いて、この溶液を噴霧乾燥機により乾燥して触媒顆粒を得た。
次に、回転するドラム中に球状多孔質アルミナ担体300gを仕込み、90%エタノール水溶液を滴下しながら、先に得た触媒顆粒319gをセラミック繊維44.7gと均一に混合した粉末を徐々に担体上にふりかけ、球状担体を触媒顆粒で被覆成型した。
得られた成型物を空気流通下で310℃で5時間焼成して被覆触媒を得た。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo101.31.5Cu0.6Sb0.3Cs0.5であった。
続いて、得られた被覆触媒を用いて実施例A1で反応温度を320℃に変更した以外は同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は80.6%であり、メタクリル酸の選択率は78.8%であった。
【0040】
実施例B1
1)触媒の調整
純水1900mlに三酸化モリブデン300g、五酸化バナジウム11.37g、酸化第二銅3.31g及び85%正リン酸28.82g、60%ヒ酸24.64gを分散あるいは溶解させ、これを撹拌しつつ95〜100℃で約6時間加熱還流して赤褐色の透明溶液を得た。
そこに三酸化アンチモン1.52gを添加して、さらに95〜100℃で約3時間加熱還流して濃紺色の溶液を得た。
続いて、この溶液を噴霧乾燥機により乾燥して得た顆粒316gに、原子比でMo10に対してCu0.2になる量の固体酢酸第二銅・一水和物7.64g、セラミックス繊維44.7gを均一に添加混合し混合粉末を得た。
次に、回転するドラム中に球状多孔質アルミナ担体300gを仕込み、90%エタノール水溶液を滴下しながら、上記混合粉末を徐々に担体上にふりかけ、球状担体を触媒活性成分で被覆成型した。
この間の粉末の損失はほとんど認められなかった。
得られた成型物を空気流通下で310℃で5時間焼成して本発明の被覆触媒を得た。
得られた被覆触媒の活性成分組成は
Mo100.61.2Cu0.4As0. 5Sb0.05
であった。
2)メタクロレインの触媒酸化反応
得られた被覆触媒10mlを内径18.4mmのステンレス反応管に充填し、原料ガス組成(モル比) メタクロレイン:酸素:水蒸気:窒素=1:2.8:5.0:21.0、空間速度(SV)1000hr−1、反応温度310℃の条件で、メタクロレインの酸化反応を行ったところ、メタクロレインの転化率は88.8%であり、メタクリル酸の選択率は84.5%であった。
【0041】
実施例B2
実施例B1の五酸化バナジウム11.37gを13.26g、酸化第二銅3.31gを4.96g、85%正リン酸28.82gを31.22g、三酸化アンチモン1.52gを3.04gに、固体酢酸第二銅・一水和物7.64gを3.75gに変更した以外は実施例B1と同じようにして本発明の被覆触媒を調製した。
得られた被覆触媒の活性成分組成は
Mo100. 1.3Cu0.4As0.5Sb 0.1
であった。
得られた被覆触媒を用いて、実施例B1と同様に反応を行ったところ、 メタクロレインの転化率は84.4%であり、メタクリル酸の選択率は86.7%であった。
【0042】
実施例B3
純水1900mlに三酸化モリブデン300g、五酸化バナジウム24.64g、および85%正リン酸40.83gを分散あるいは溶解させ、これを撹拌しつつ95〜100℃で6時間、更に硝酸カリウム8.42gを添加して3時間加熱還流して赤褐色の溶液を得た。
続いて、この溶液を噴霧乾燥機により乾燥して得た顆粒を乳鉢で24メッシュ以下に粉砕して粉末を得た。
この粉末310gに原子比でMo10に対してCu0.6になる量の固体酢酸第二銅・一水和物21.87g、セラミックス繊維44.7gを均一に添加混合し混合粉末を得た。
次に、回転するドラム中に球状多孔質アルミナ担体300gを仕込み、90%エタノール水溶液を滴下しながら、上記混合粉末を徐々に担体上にふりかけ、球状担体を触媒活性成分組成物で被覆成型した。
この間の粉末の損失はほとんど認められなかった。
得られた成型物を空気流通下で310℃で5時間焼成して本発明の被覆触媒を得た。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo101.31.7Cu0.60.4であった。
得られた被覆触媒を用いて、実施例B1と同様に反応を行ったところ、メタクロレインの転化率は85.9%であり、メタクリル酸の選択率は73.8%であった。
【0043】
実施例B4
実施例B1の三酸化アンチモンの代わりに酸化セリウム3.39gを使用し、固体酢酸第二銅・一水和物7.64gを7.59gに変更した以外は実施例B1と同じようにして本発明の被覆触媒を調製した。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo100.61.2Cu0.4As0.5Ce0.1であった。
得られた被覆触媒を用いて、反応温度を305℃に変更した以外は実施例B1と同様に反応を行ったところ、メタクロレインの転化率は85.9%であり、メタクリル酸の選択率は84.6%であった。
【0044】
実施例B5
実施例B1において三酸化アンチモンの代わりに酸化亜鉛1.70gを使用し、かつスラリー液調製時添加する銅化合物として酸化第二銅3.31gの代わりに酸化第二銅1.66g及び固体酢酸第二銅・一水和物4.16gを使用した以外は実施例B1と同じようにして本発明の被覆触媒を調製した。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo100.61.2Cu0.4As0.5Zn0.1であった。
得られた被覆触媒を用いて、反応温度を305℃にした以外は実施例B1と同様に反応を行った。
メタクロレインの転化率は80.5%であり、メタクリル酸の選択率は85.0%であった。
【0045】
実施例B6
実施例B1において三酸化アンチモンの代わりに硝酸コバルト5.90gを使用し、五酸化バナジウム11.37gを13.27g、85%正リン酸31.22gを26.42gに変更した以外は実施例B1と同じようにして本発明の被覆触媒を調製した。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo100.71.1Cu0.4As0.5Co0.1であった。
得られた被覆触媒を用いて、実施例B1と同様に反応を行ったところ、メタクロレインの転化率は87.2%であり、メタクリル酸の選択率は84.8%であった。
【0046】
実施例B7
実施例B6において硝酸コバルトの代わりにリン酸アルミニウム2.54gを使用し、85%正リン酸26.42gを24.02gに変更した以外は実施例B6と同じようにして本発明の被覆触媒を調製した。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo100.71.1Cu0.4As0.5Al0.1であった。
得られた被覆触媒を用いて、実施例B1と同様に反応を行ったところ、メタクロレインの転化率は86.8%であり、メタクリル酸の選択率は85.2%であった。
【0047】
実施例B8
実施例B6において硝酸コバルトの代わりに硼酸7.73g、12タングストリン酸35.73gを使用し、85%リン酸26.42gを25.22g、酸化第二銅3.31gを0g、固体酢酸第二銅・一水和物7.63gを14.09gに変更した以外は実施例B6と同じようにして本発明の被覆触媒を調製した。
得られた被覆触媒の活性成分組成は
Mo100.71.1Cu0.4As0.50.60.6
であった。
得られた被覆触媒を用いて、実施例B1と同様に反応を行ったところ、メタクロレインの転化率は87.3%であり、メタクリル酸の選択率は85.9%であった。
【0048】
実施例B9
純水1900mlに三酸化モリブデン300g、五酸化バナジウム22.74g、酸化第二銅3.31g及び85%正リン酸28.63gを分散あるいは溶解させ、これを撹拌しつつ95〜100℃で約6時間加熱還流して赤褐色の透明溶液を得た。
そこに12タングストリン酸5.62gを添加して、さらに95〜100℃で約3時間加熱還流した。
続いて、この溶液を噴霧乾燥機により乾燥して得た顆粒316gに、原子比でMo10に対してCu0.2になる量の固体酢酸第二銅・一水和物7.54g、セラミックス繊維44.7gを均一に添加混合し混合粉末を得た。
次に、回転するドラム中に球状多孔質アルミナ担体300gを仕込み、90%エタノール水溶液を滴下しながら、上記混合粉末を徐々に担体上にふりかけ、球状担体を触媒活性成分組成物で被覆成型した。
この間の粉末の損失はほとんど認められなかった。
得られた成型物を空気流通下で310℃で5時間焼成して本発明の被覆触媒を得た。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo101.21.2Cu0.40.1であった。
得られた被覆触媒を用いて、実施例B1と同様に反応を行ったところ、 メタクロレインの転化率は80.3%であり、メタクリル酸の選択率は79.1%であった。
【0049】
実施例B10
実施例B9において12タングストリン酸の代わりに酸化ゲルマニウム2.18gを使用し、五酸化バナジウム22.74gを24.64g、酸化第二銅3.31gを0g、85%正リン酸28.63gを28.82g、固体酢酸第二銅・一水和物7.54gを11.52gに変更した以外は実施例B9と同様にして本発明の被覆触媒を調製した。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo101.31.2Cu0.3Ge0. であった。
得られた被覆触媒を用いて、実施例B1と同様に反応を行ったところ、メタクロレインの転化率は81.9%であり、メタクリル酸の選択率は83.1%であった。
【0050】
実施例B11
純水1900mlに三酸化モリブデン300g、五酸化バナジウム24.64g、および85%正リン酸40.83g、酸化セリウム6.78g、三酸化アンチモン6.08gを分散あるいは溶解させ、これを撹拌しつつ95〜100℃で6時間、更に硝酸セシウム12.18gを添加して3時間加熱還流して濃紺色の溶液を得た。
続いて、この溶液を噴霧乾燥機により乾燥して得た顆粒を乳鉢で24メッシュ以下に粉砕して粉末を得た。
この粉末310gに原子比でMo10に対してCu0.6になる量の固体酢酸第二銅・一水和物20.81g、セラミックス繊維44.7gを均一に添加混合し混合粉体を得た。
次に、回転するドラム中に球状多孔質アルミナ担体300gを仕込み、90%エタノール水溶液を滴下しながら、上記混合粉末を徐々に担体上にふりかけ、球状担体を触媒活性成分で被覆成型した。
この間の粉末の損失はほとんど認められなかった。
得られた成型物を空気流通下で310℃で5時間焼成して本発明の被覆触媒を得た。
得られた被覆触媒の活性成分組成はMo101.31.7Cu0.6Ce0.2Sb0.2Cs0.3であった。
得られた被覆触媒を用いて、実施例B1と同様に反応を行ったところ、メタクロレインの転化率は83.8%であり、メタクリル酸の選択率は80.2%であった。
【0051】
【発明の効果】
本発明の触媒は高収率、高選択的にメタクリル酸を製造することができ、更に高負荷条件の反応に使用することができるため工業的価値が極めて大きい。

Claims (7)

  1. (a)Mo、V、P、並びに必要によりAs及びX(Ag、Mg、Zn、Al、B、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Sb、Cr、Re、Bi、W、Fe、Co、Ni、Ce及びThからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素)をそれぞれ又は複数含む化合物及び酢酸銅を、水と混合し、これらの化合物の水溶液又は水分散体(以下、両者を含めてスラリー液という)を調製する工程、(b)工程(a)で得られたスラリー液を乾燥してスラリー乾燥体を得る工程、(c)工程(b)で得られたスラリー乾燥体を、バインダーを用いて担体に被覆する工程、(d)工程(c)で得られた被覆成型物を焼成する工程、からなる被覆触媒の製法であって、前記バインダーとして、水及び1気圧下での沸点が150℃以下である有機化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることを特徴とする下記式(1)で表される活性成分を有するメタクロレインの気相接触酸化によるメタクリル酸製造用被覆触媒の製法。
    Mo10CuAsg (1)
    (式中、Mo、V、P、Cu、As、Oはそれぞれモリブデン、バナジウム、リン、銅、ヒ素及び酸素を表し、XはAg、Mg、Zn、Al、B、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Sb、Cr、Re、Bi、W、Fe、Co、Ni、Ce及びThからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を表す。a、b、c、d、e及びgは各元素の原子比を表し、aは0.1≦a≦6、bは0.5≦b≦6、cは0<c≦3、dは0≦d≦3、eは0≦e≦3、gは他の元素の原子価ならびに原子比により定まる値である。)
  2. (a)Mo、V、P、並びに必要によりAs及びX(Ag、Mg、Zn、Al、B、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Sb、Cr、Re、Bi、W、Fe、Co、Ni、Ce及びThからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素)をそれぞれ又は複数含む化合物を水と混合し、これら化合物の水溶液又は水分散体(以下、両者を含めてスラリー液という)を調製する工程、(b)工程(a)で得られたスラリー液を乾燥してスラリー乾燥体を得る工程、(b’)工程(b)で得られたスラリー乾燥体に固体酢酸銅を混合する工程、(c)工程(b’)で得られた混合物を、バインダーを用いて担体に被覆する工程、(d)工程(c)で得られた被覆成型物を焼成する工程、からなる被覆触媒の製法であって、前記バインダーとして、水及び1気圧下での沸点が150℃以下である有機化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることを特徴とする下記式(1)で表される活性成分を有するメタクロレインの気相接触酸化によるメタクリル酸製造用被覆触媒の製法。
    Mo10CuAsg
    (1)
    (式中、Mo、V、P、Cu、As、Oはそれぞれモリブデン、バナジウム、リン、銅、ヒ素及び酸素を表し、XはAg、Mg、Zn、Al、B、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Sb、Cr、Re、Bi、W、Fe、Co、Ni、Ce及びThからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を表す。a、b、c、d、e及びgは各元素の原子比を表し、aは0.1≦a≦6、bは0.5≦b≦6、cは0<c≦3、dは0≦d≦3、eは0≦e≦3、gは他の元素の原子価ならびに原子比により定まる値である。)
  3. 工程(a)においてスラリー液の原料としてAs含有化合物を用いる請求項1又は2に記載の被覆触媒の製法。
  4. 工程(a)においてスラリー液の原料として、さらに酸化銅を用いる請求項1又は2に記載の被覆触媒の製法。
  5. 工程(a)においてスラリー液の原料として、As含有化合物及び、さらに酸化銅を用いる請求項1又は2に記載の被覆触媒の製法。
  6. バインダーとしてエタノール使用する請求項1ないし5のいずれか一項に記載の被覆触媒の製法。
  7. バインダーがエタノール/水=10/0〜5/5(質量比)である請求項6に記載の被覆触媒の製法。
JP2001281720A 2000-09-21 2001-09-17 メタクリル酸製造用被覆触媒の製法 Expired - Lifetime JP4671320B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001281720A JP4671320B2 (ja) 2000-09-21 2001-09-17 メタクリル酸製造用被覆触媒の製法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-286326 2000-09-21
JP2000286326 2000-09-21
JP2000-373761 2000-12-08
JP2000373761 2000-12-08
JP2001281720A JP4671320B2 (ja) 2000-09-21 2001-09-17 メタクリル酸製造用被覆触媒の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002233760A JP2002233760A (ja) 2002-08-20
JP4671320B2 true JP4671320B2 (ja) 2011-04-13

Family

ID=27344689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001281720A Expired - Lifetime JP4671320B2 (ja) 2000-09-21 2001-09-17 メタクリル酸製造用被覆触媒の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4671320B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI341219B (en) 2003-02-20 2011-05-01 Nippon Kayaku Kk Catalyst for producing methacrylic acid and preparation method thereof
CN100518935C (zh) * 2003-05-30 2009-07-29 日本化药株式会社 制备甲基丙烯酸用的催化剂的制备方法
KR100557640B1 (ko) * 2004-01-09 2006-03-10 주식회사 엘지화학 신규한 헤테로폴리산 촉매 및 그의 제조방법
JP5500761B2 (ja) * 2004-06-28 2014-05-21 三菱レイヨン株式会社 メタクリル酸合成用触媒の製造方法
KR100714606B1 (ko) * 2005-02-25 2007-05-07 주식회사 엘지화학 불포화 알데히드 및/또는 불포화 산의 제조방법
US8227369B2 (en) * 2005-05-25 2012-07-24 Celanese International Corp. Layered composition and processes for preparing and using the composition
US7649111B2 (en) * 2005-07-25 2010-01-19 Saudi Basic Industries Corporation Catalyst for the oxidation of a mixed aldehyde feedstock to methacrylic acid and methods for making and using same
US7649112B2 (en) * 2005-07-25 2010-01-19 Saudi Basic Industries Corporation Integrated plant for producing 2-ethyl-hexanol and methacrylic acid and a method based thereon
US7485596B2 (en) * 2005-12-28 2009-02-03 Saudi Basic Industries Corporation Process for synthesizing a heteropoly acid catalyst for oxidation of unsaturated aldehydes to unsaturated carboxylic acid
JP5821379B2 (ja) * 2011-08-05 2015-11-24 三菱レイヨン株式会社 メタクリル酸製造用触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法
JPWO2022163727A1 (ja) * 2021-01-27 2022-08-04
WO2023182425A1 (ja) * 2022-03-24 2023-09-28 三菱ケミカル株式会社 メタクリル酸製造用触媒、その製造方法、並びにこれを用いたメタクリル酸およびメタクリル酸エステルの製造方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DD148728A5 (de) * 1978-12-13 1981-06-10 Nippon Kayaku Kk Verfahren zur herstellung eines katalysators mit heteropolysaeurestruktur
JPS55122734A (en) * 1979-03-16 1980-09-20 Nippon Kayaku Co Ltd Preparation of methacrylic acid and its catalyst
US4301031A (en) * 1980-08-05 1981-11-17 The Standard Oil Company Methacrolein oxidation catalysts
CA1199905A (en) * 1982-06-07 1986-01-28 William J. Kennelly Catalyst compositions and their use for the preparation of unsaturated carboxylic acids
DE3308625A1 (de) * 1983-03-11 1984-09-13 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren und katalysator zur herstellung von methacrylsaeure
JPS6048143A (ja) * 1983-08-25 1985-03-15 Ube Ind Ltd 不飽和酸製造用触媒の製造方法
JPH03167152A (ja) * 1989-11-27 1991-07-19 Mitsubishi Rayon Co Ltd メタクリル酸の製造法
JP3101821B2 (ja) * 1990-02-15 2000-10-23 三菱レイヨン株式会社 メタクリル酸製造用触媒の調製法
JP3146486B2 (ja) * 1990-06-28 2001-03-19 住友化学工業株式会社 メタクリル酸製造用触媒の製造方法
JP3200149B2 (ja) * 1992-05-08 2001-08-20 三菱レイヨン株式会社 メタクリル酸合成用触媒の製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002233760A (ja) 2002-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3883755B2 (ja) 触媒の製造方法
KR100841594B1 (ko) 메타크릴산 제조용 촉매, 피복 촉매 및 그의 제조방법
JP4478107B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒及びその製法
JP6363464B2 (ja) 不飽和カルボン酸の製造方法、及び担持触媒
EP1867387B1 (en) Method for manufacturing a catalyst for use in the production of methacrylic acid
JP4421558B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法
JP6077533B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒、その製造方法及び該触媒を用いるメタクリル酸の製造方法
JP4671320B2 (ja) メタクリル酸製造用被覆触媒の製法
US8017547B2 (en) Method for manufacturing catalyst for use in production of methacrylic acid
CN103945938A (zh) 甲基丙烯酸制造用催化剂及使用该催化剂的甲基丙烯酸的制造方法
JP3690939B2 (ja) メタクリル酸合成用触媒およびメタクリル酸の製造方法
JP6628386B1 (ja) 不飽和カルボン酸製造用触媒
JP5269046B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070912

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110114

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4671320

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140128

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term