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JP4669725B2 - 仮柱構造、仮柱付き建物ユニット及びユニット建物の施工方法 - Google Patents

仮柱構造、仮柱付き建物ユニット及びユニット建物の施工方法 Download PDF

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JP4669725B2 JP2005095456A JP2005095456A JP4669725B2 JP 4669725 B2 JP4669725 B2 JP 4669725B2 JP 2005095456 A JP2005095456 A JP 2005095456A JP 2005095456 A JP2005095456 A JP 2005095456A JP 4669725 B2 JP4669725 B2 JP 4669725B2
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Description

本発明は、建物に設ける仮柱の仮柱構造、仮柱付き建物ユニット、及びユニット建物の施工方法に関する。
一般的に建物の柱の中には、施工時の一時的な強度の保持等の目的で仮柱を設けることがある。例えば、柱と床梁と天井梁を箱型に接合した建物ユニットを隣接配置してなるユニット建物の場合では、4個の建物ユニットを突合せ配置した中央部の柱を省略する際に仮柱を使用することがある。この際の仮柱構造としては、例えば特許文献1記載の発明では、仮柱を上柱と下柱に分割し、上柱と下柱の連結部に軸方向に沿って両端部が右ねじと左ねじで構成されたボルトを使用した高さ調整手段が設けられ、そのボルトを回転させることにより高さ調整を行うものが記載されている。つまり、ボルトの回転に伴い、上柱及び下柱の連結部の長さが伸縮し、結果的に仮柱の高さ調整がなされるものとなっている。
特開2000−87455号公報
上記特許文献1記載の発明の仮柱構造では、高さ調整手段であるボルトに仮柱の軸力が直接かかる構成となっているためボルト部材に強度が必要とされる。更に、高さ調整手段であるボルトに軸力がかかった状態のまま、軸力に反した方向にボルトの螺合だけで同一軸上にある上柱と下柱を上下に移動させる必要がある。よって、ボルトを回転させて仮柱を伸ばすことが困難である。また、作業部が軸力の作用する軸上に工具や作業者の手を入れて作業する必要がある。
本発明は上記背景技術の問題を解決し、建物に仮柱を設ける際に、仮柱の設置及び撤去が安全かつ容易に行えるような仮柱構造、仮柱付き建物ユニット及びユニット建物の施工方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、建物に設けられる仮柱であって、その仮柱は、上柱、下柱及びクサビ部材で構成され、上柱及び下柱は仮柱の同軸上に設けられ、クサビ部材は上面と下面の少なくとも一面が傾斜面となされている、前記上柱及び前記下柱のクサビ部材との接触面はクサビ部材と同勾配の傾斜面を有しており、前記クサビ部材は前記上柱と前記下柱との間に挟まれて設けられ、クサビ部材の水平移動により上柱及び下柱が仮柱の軸上で上下移動することにより、仮柱の高さ調整が可能となされているとともに、前記上柱の下端部又は前記下柱の上端部に保持板及び誘導板が軸方向に沿って設けられ、前記保持板には保持板に直交するボルトが設けられ、そのボルトが前記クサビ部材に螺着され、ボルトの回動に伴いクサビ部材の水平移動がなされ、上柱及び下柱は前記誘導板に沿って移動することで化粧部材の高さ調整が可能となされていることを特徴とする仮柱構造である。
仮柱が同軸上に分割された上柱と下柱の分割位置は、作業者が立ったまま仮柱の着脱作業が可能なように下柱を約1000mm乃至1400mm程度とすることが好ましい。また、クサビ材の傾斜面は上面又は下面にのみ設けられたものであっても、上面と下面の両面に設けられたものであってもよい。また、クサビ部材は図1のように上柱及び下柱よりも小さくすることが、水平移動した際に仮柱からはみ出すことがなく好ましい。
請求項1記載の発明では、クサビ部材が上柱と下柱の間に挟まれて設けられており、クサビ部材の傾斜面と上柱及び下柱のクサビ部材との接触面がクサビ部材と同勾配の傾斜面となっているので、クサビ部材を水平移動させることで、クサビ部材の傾斜面に沿って上柱及び下柱の傾斜面が移動する。したがって、クサビ部材の水平移動により、上柱及び下柱が仮柱の軸上で上下移動するため仮柱の高さ調整を行うことができる。
よって、特許文献1記載の発明のように仮柱の軸上にあるボルトを回転させることで仮柱の高さ調整するものではないので、作業時に仮柱の軸上に工具や指を入れる必要がなく安全である。また、クサビ部材を水平移動させる容易な作業で仮柱の高さ調整を行うことができる。
上柱の下端部又は下柱の上端部に設けられる保持板はクサビ部材を水平移動させるためのボルトの支持を行うものであり、上柱の下端部又は下柱の上端部の周縁部付近に設けることが、クサビ部材の水平移動の妨げにならないので好ましい。また、保持板には直交する方向にボルト貫通用孔が設けられ、ボルトが螺着される。また、そのボルトを回動させることにより、クサビ部材が水平移動できるようになっている。
また、誘導板も上柱の下端部又は下柱の上端部の周縁部付近に設けることが、クサビ部材の水平移動の妨げにならないので好ましい。なお、この誘導板は、上柱又は下柱が仮柱の軸上で移動する際の落下防止と、仮柱が軸方向に沿って容易に移動できるように誘導するものである。
また、請求項記載の発明では、上柱の下端部又は下柱の上端部に設けられる保持板に設けられたボルトにクサビ部材を螺着させ、ボルトの回動によりクサビ部材を水平移動させることができる。また、誘導板により、上柱や下柱が落下することがなく、仮柱の軸上で移動することができる。したがって、ボルトの回動だけで仮柱の高さ調整を容易に行うことができる。
請求項記載の発明は、柱と床梁と天井梁を箱型に接合してなる建物ユニットであって、少なくとも1個の柱に請求項1記載の仮柱構造を使用していることを特徴とする仮柱付き建物ユニットである。
例えば、4個の建物ユニットを突合せ配置した中央部の柱を請求項1記載の仮柱構造とすることで、仮柱を取り除いた際に4個の建物ユニット内が柱に遮られることがない連続空間とすることができる。
請求項記載の発明は、柱と床梁と天井梁を箱型に接合してなる建物ユニットを隣接配置させて構築するユニット建物の施工において、上記建物ユニットの少なくとも1個を請求項記載の仮柱付き建物ユニットとし、仮柱付き建物ユニットと隣接配置された建物ユニットとを同寸法の高さに設定して据付を行ない、その後、仮柱の高さの縮減を行って、仮柱を取外すことを特徴とするユニット建物の施工方法である。
請求項記載のユニット建物の施工方法は、建物ユニットの少なくとも1個を請求項に記載の仮柱建物ユニットとし、柱省略建物ユニットの柱省略部に連結される仮柱の高さを、前記仮柱の連結高さ調整手段により省略柱の高さに設定して、該柱省略建物ユニットの据付を行い、その後、該連結高さ調整手段による連結高さの縮減を行って、仮柱を取り外すから、ユニット建物の構築に際し、上記ボルトの回動による簡単な操作により仮柱の高さ調整が行え、建物ユニットの組立て時には建物寸法精度を確保するとともに、仮柱を安全かつ容易に取り外しでき、仮柱を取り外すと広い連続空間を簡易に形成できる。
請求項1記載の発明によると、クサビ部材を水平移動することで仮柱の高さ調整を行うことができる。この際、軸力の作用する軸方向に直接、力を作用させるのでなく水平方向へクサビ部材を移動させることで仮柱の高さ調整ができるので少ない力でよく作業を行い易い。また、軸力の作用する軸上に工具や作業者の手を入れて作業する必要もないので安全である。
また、クサビ部材の水平移動が、仮柱の外側からボルトを回動させるだけで行え、安全かつ容易な作業で高さ調整ができる。また、誘導板を設けることで、上柱及び下柱が落下することを防止でき、更に上柱及び下柱の移動を誘導することができる。
請求項記載の発明によれば、仮柱付き建物ユニットをその仮柱により標準の建物ユニットと同じ高さに調整でき、仮柱付き建物ユニットの柱と天井梁、床梁との接合による組立て、及び建物ユニットへの設備の組み込み等が標準の建物ユニットと同様の手段で行うことができる。また、仮柱の取り外しがクサビ部材の水平移動を行うだけで安全かつ容易に行うことができる。
請求項記載の発明によれば、ユニット建物の構築に際し、標準の建物ユニット同様の施工ができ、しかもクサビ部材の水平移動を行うだけの容易な操作により仮柱の高さ調整が行え、建物ユニットの据付後に仮柱を容易に取り外しでき、仮柱を取り外した広い連続空間を安全かつ容易に形成できる。
以下、本発明の仮柱構造、仮柱付き建物ユニット及びユニット建物の施工方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例である建物ユニットの斜視図、図2は図1のII−II線における断面説明図、図3は本発明の実施例の仮柱構造を伸縮させた際の断面図、図4は本発明の実施例のユニット建物の構造体の模式斜視図、図5乃至図7は本発明の実施例の仮柱構造の変形例、図8は本発明の実施例の仮柱構造におけるストッパー10の断面図である。
図1において、仮柱付き建物ユニットU1は、鋼製の柱1と鋼製の床梁2、鋼製の天井梁3からなる構造躯体を有し、箱型状に接合してなされている。柱1の下部と床梁2の端部との接合部には連結金具42が設けられ溶接により接合されている。柱1の上部と天井梁3の端部との接合部には連結金具43が設けられ溶接により接合されている。図1の仮柱付き建物ユニットU1の手前右のコーナー部の柱は、最終的には取り外しを行う仮柱11とされている。なお、図示されていないが、床梁2と天井梁3との間に適宜箇所に中間柱があってもよい。
仮柱11は、図2に示すように仮柱の同軸上に設けられた上柱53、下柱52、クサビ部材6で構成されている。なお、上柱53は天井梁3と接合され、下柱52は床梁2と接合され、クサビ部材6は上面が傾斜面となされている。
クサビ部材6は上面が傾斜面となっており、下面は水平面となっている。また、クサビ部材6は図2のように、クサビ部材6を水平移動させた際でも仮柱11からクサビ部材6がはみ出すことがないように、上柱及び下柱よりは小さくなされている。また、このクサビ部材6は上柱53と下柱52の間に挟まれた位置に設けられている。このクサビ部材6が水平移動することで仮柱の高さ調整がなされる。
上柱材53の上部には連結部531が設けられ、下柱52の下部には連結部521が設けられている。上下の連結部531、521には、ボルト孔の設けられた端板532、522と、ボルト締結作業用の開口533、523と、ボルト534、524が設けられている。
また、上柱53の下部のクサビ部材6との接触面535は、クサビ部材6の上面と同勾配の傾斜面となっている。また、下柱52の上部のクサビ部材6との接触面525は、クサビ部材6の下面と同様に水平面となっている。
更に、図2及び図3のように下柱の上端部の周縁部付近には支持板7が設けられ、下柱の上端部の周縁部には上柱53の軸方向への移動を誘導する誘導板8が設けられている。また、保持板7にはボルト貫通用孔71が設けられ、保持板7に直交するようにボルト9が設けられている。
ボルト9はクサビ部材6に螺着され、ボルト9の回動に伴いクサビ部材6が水平移動するようになされている。
また、図2及び図3のように、仮柱11は、上柱53が、下柱52に設けられた誘導板8により水平方向への移動が拘束され、落下することが防止されている。また、クサビ部材6が上柱53と下柱52の間に挟まれて設けられており、クサビ部材6の傾斜面と上柱53の下部のクサビ部材6との接触面535がクサビ部材6と同勾配の傾斜面となっているので、クサビ部材6を水平移動させることで、クサビ部材6の傾斜面に沿って上柱53の接触面535が移動する。したがって、クサビ部材6の水平移動に伴い、上柱53が図3(イ)から図3(ロ)のように仮柱11の軸方向に上下移動するため仮柱11の高さ調整を行うことができる。また、下柱の長さが約1200mm程度となっており仮柱取り外しの作業が立ったまま行えるようになっている。
次に、この仮柱付き建物ユニットを使用したユニット建物の施工方法について説明する。
通常、建物の建築現場では、仮柱付き建物ユニットU1や四隅に柱のある標準の建物ユニットU2などの複数個の建物ユニットを上下左右に隣接設置してユニット建物を構築する。この時、仮柱付き建物ユニットU1を4個、仮柱11が隣接するように設置すれば、図4に示すように、仮柱11を取り外すと広い部屋空間が形成できるユニット建物となる。
この際、仮柱付き建物ユニットU1と隣接する建物ユニットとを同寸法の高さに設定して据付配置を行う。その後、仮柱11の高さの減縮を行い、仮柱11を取り外す。仮柱11を取り外すには、先ず、上柱53の上部に設けられた連結部531のボルト534及び、下柱53の下部に設けられた連結部521のボルト524を外す。この状態では、上柱と天井梁及び下柱と床梁の間に摩擦力が働くため仮柱を取り外すことができない。次に、上柱53と下柱52の間に設けられたクサビ部材6に螺着されたボルト9を回動して、クサビ部材6を図3(イ)の状態から図3(ロ)の状態に水平移動させる。
すると、上柱53の下部のクサビ部材6との接触面535がクサビ部材6の水平移動に伴い移動する。したがって、仮柱11の上柱53の長さが図3(イ)から図3(ロ)のように仮柱11の軸上で縮み仮柱11を取り外すことができる。
この仮柱11の取り外す作業を、図4のユニット建物T1で4回繰り返すと仮柱11が全て取り外され柱のない広い空間が形成されたユニット建物T1になる。
なお、仮柱の構成については図5のように上下両面に傾斜面を有するクサビ部材6Cを使用した変形例Cとしてもよい。また、図6のように下両面に傾斜面を有するクサビ部材6Dを使用した変形例Dとしてもよい。また、図7のようにクサビ部材6Eの傾斜の低い側にボルト9Eを螺着した変形例Eとしてもよい。
また、上柱や下柱内に図8(イ)の状態及び図8(ロ)の状態に移動可能にしたストッパー10を設けて、上柱や下柱の移動範囲を制限するようにしてもよい。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれるのは勿論である。
安全で容易な操作で仮柱の高さ調整が行える仮柱構造、仮柱付き建物ユニット及びユニット建物の施工方法として有効である。
本発明の実施例である建物ユニットの斜視図である。 図1のII−II線における断面説明図である。 本発明の実施例の仮柱構造を伸縮させた際の断面図である。 ・ 仮柱が伸びた状態 ・ 仮柱が縮んだ状態 本発明の実施例のユニット建物の構造体の模式斜視図である。 本発明の実施例の仮柱構造における変形例1の断面図である。 本発明の実施例の仮柱構造における変形例2の断面図である。 本発明の実施例の仮柱構造における変形例3の断面図である。 本発明の実施例の仮柱構造におけるストッパー10の断面図である。 ・ ストッパーが作用してない状態 ・ ストッパーが作用した状態
符号の説明
T1 ユニット建物
U1 仮柱付き建物ユニット
U2 標準建物ユニット
1 柱
2 床梁
3 天井梁
42、43 連結金具
52 下柱
53 上柱
6 クサビ部材
7 支持板
8 誘導板
9 ボルト
10 ストッパー
11 仮柱
521、531 連結部
522、532 端板
523、533 開口
524、534 ボルト
525、535 接触面

Claims (3)

  1. 建物に設けられる仮柱であって、その仮柱は、上柱、下柱及びクサビ部材で構成され、上柱及び下柱は仮柱の同軸上に設けられ、クサビ部材は上面と下面の少なくとも一面が傾斜面となされている、前記上柱及び前記下柱のクサビ部材との接触面はクサビ部材と同勾配の傾斜面を有しており、前記クサビ部材は前記上柱と前記下柱との間に挟まれて設けられ、クサビ部材の水平移動により上柱及び下柱が仮柱の軸上で上下移動することにより、仮柱の高さ調整が可能となされているとともに、
    前記上柱の下端部又は前記下柱の上端部に保持板及び誘導板が軸方向に沿って設けられ、前記保持板には保持板に直交するボルトが設けられ、そのボルトが前記クサビ部材に螺着され、ボルトの回動に伴いクサビ部材の水平移動がなされ、上柱及び下柱は前記誘導板に沿って移動することで化粧部材の高さ調整が可能となされていることを特徴とする仮柱構造。
  2. 柱と床梁と天井梁を箱型に接合してなる建物ユニットであって、少なくとも1個の柱に請求項1記載の仮柱構造を使用していることを特徴とする仮柱付き建物ユニット。
  3. 柱と床梁と天井梁を箱型に接合してなる建物ユニットを隣接配置させて構築するユニット建物の施工において、上記建物ユニットの少なくとも1個を請求項記載の仮柱付き建物ユニットとし、仮柱付き建物ユニットと隣接配置された建物ユニットとを同寸法の高さに設定して据付を行ない、その後、仮柱の高さの縮減を行って、仮柱を取外すことを特徴とするユニット建物の施工方法。
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