JP4658762B2 - 容積可変箱体 - Google Patents
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Description
本発明の箱体は、「四角筒状の周壁」と「それぞれ四角形の底壁および天壁」とを備えた箱体である。四角筒状の周壁は、「箱体の開封後に折畳可能となる対向する2つの折畳壁部」と「箱体の開封後も底壁と天壁を連結する連結壁部」と「箱体の開封時に破断される破断壁部」とを備えており、箱体の高さの約半分の高さ位置において、上記「2つの折畳壁部」および「連結壁部」に渡って横方向に延在する周壁折畳ラインが形成されている。
そして、箱体を開封するための破断線が、「各折畳壁部と連結壁部との境界稜線の上記周壁折畳ラインより上方部分」、「天壁と各折畳壁部との境界稜線」、「各折畳壁部と破断壁部との境界稜線の上記周壁折畳ラインより上方部分」および「破断壁部の壁面」に渡って延在している。天壁上において、破断壁部との境界稜線から「上記周壁折畳ラインの高さにほぼ等しい距離」をおいた位置に天壁折畳ラインを形成している。
したがって、内容物の減小に応じて、箱体の容積を減じることができ、その結果、冷蔵庫あるいは収納庫内で無駄なスペースが占有されることはなくなる。またこれにより、冷蔵効率あるいは収納効率を高めることが可能となる。
箱体1は、6面体であって、四角筒状の周壁と、底壁20および天壁30とを備える。底壁20および天壁30は、ともに四角形である。
四角筒状の周壁は、4つの壁部から構成される。すなわち、対向する2つの折畳壁部40、50と、連結壁部60と、破断壁部70とである。後に詳しく説明するが、各折畳壁部40、50は、箱体1の開封後に折畳可能となる。連結壁部60は、箱体1の開封後も底壁20と天壁30を連結する。破断壁部70は、箱体1の開封時に破断される。
B1は、天壁30と折畳壁部50との境界稜線を、B2は、天壁30と折畳壁部40との境界稜線を、それぞれ示している。
C1は、折畳壁部50と破断壁部70との境界稜線のうち、周壁折畳ライン51よりも上方部分を示す。同様に、C2は、折畳壁部40と破断壁部70との境界稜線のうち、周壁折畳ライン41よりも上方部分を示す。
D1、D2は、それぞれ、C1、C2から連続して、破断壁部70の壁面に渡って延在している。図示の例では、D1、D2は、それぞれ、破断壁部70の底辺まで達しており、この部分に差込タブ75を形成している。
また、内壁71は、破断壁部70の内側に貼り付けられる。
図1では、箱体1を開封前の状態で示している。この状態で箱体1の高さは、トレイに封入された固形食品3a、3bを2段に積み重ねた状態(図6参照)で収容可能な高さ(約2H)とされている。
差込タブ75のところから、破断線D1、D2、C1、C2、B1、B2を破断すると、図2の状態となり、固形食品3a、3bを取り出すことができる。図2の状態では、破断線A1、A2は未だ破られていない点に注意すべきである(ただし、A1、A2まで破ってしまっても問題はない)。
破断壁部70は、その下方側が2重壁となっていて、破断後に現れる内壁71にスリット72を形成している。上方の固形食品3aの一部のみを使用した場合は、その後、再度2つの固形食品3a、3bを重ねて箱体1内に収容し、差込タブ75をスリット72に挿入することで、箱体1は再度閉じられる。
そして、図4に示したように、折畳壁部40、50をそれぞれ、箱体内側へと折り畳んで、天壁30を箱体に巻き付けるようにして封止する。なお、底壁20には、このときに差込タブ75を差し込むスリット21を形成しておくことが好ましい。ただし、そのようなスリットを設けずに、粘着材等を利用して封止状態を維持してもよい。図5は、固形食品3bのみを収容し、高さが約半分になった状態で封止された箱体1を示している。
図1においては、箱体1の稜線となっていたX、Yが、それぞれ図5では、箱体1の上面および底辺に位置している。そして、図5では、周壁折畳ライン61および天壁折畳ライン31が箱体1の稜線を構成している。
天壁折畳ライン31は、既に説明したように、稜線YからHだけ離れた位置に存在している。したがって、図5において、天壁折畳ライン31は、周壁折畳ライン41、51、61とともに箱体1の上面周囲の稜線を構成する。
図8は、図7のブランクに対する変形例を示している。図8のブランクは、図7のブランクに対して、開封のための破断線の形態のみが異なる。他の構成は図7に示したものと同じであるので、ここでは異なる部分のみを説明する。
図8のブランクにおいては、稜線部分から箱の内方に向かって湾曲する山形の破断線部分81、82、83、84が形成されている。破断線部分81は、組立後の箱体において、天壁30と破断壁部70と折畳壁部50とが交わるコーナ領域に位置する。同様に、破断線部分82は、組立後の箱体において、天壁30と破断壁部70と折畳壁部40とが交わるコーナ領域に位置する。
また、破断線83は、組立後の箱体において、天壁30と連結壁部60と折畳壁部50とが交わるコーナ領域に位置する。同様に、破断線84は、組立後の箱体において、天壁30と連結壁部60と折畳壁部40とが交わるコーナ領域に位置する。
すなわち、図9(a)中の各突起81a、82a、83a、84aは、それぞれ、図8中の各破断線部分81、82、83、84に対応している。
また、図9(b)に概略的に示したように、円形のトレイ3bが箱体内に収容される場合に、当該突起によって、トレイ3bをガタつかないように保持できるという利点もある。なお、図9(b)は、下段のトレイ3b(図6参照)のみが箱体内に収容された状態を上方側から示したものである(天壁の図示は省略している)。
図8および図9の例では、山形に湾曲する破断線部分を合計4つ設けているが、破断壁部70に近い側の2つ(81、82)のみとしてもよいし、連結壁部60に近い側の2つ(83、84)のみとしてもよい。
各図に示した「周壁折畳ライン41、51、61」あるいは「天壁折畳ライン31」は、そのラインに沿って各壁部が折り畳まれるラインを意味している。折り畳むことができる限り、どのような物理的構成であってもよい。具体的な構成を幾つか図10を参照して説明するが、それらは単なる例示である。
これは、シート状のブランクに板材等を押し当てて、溝状に変形させたものである。溝は、各折畳ラインに沿って連続的に形成しても、断続的に形成してもよい。
これは、シート状のブランク材を貫通する切込みを断続的に設けたものである。
これは、シート状のブランク材に対して、貫通することなく、厚み方向の一部分のみをカットしたものである。カット部分は、各折畳ラインに沿って連続的に形成しても、断続的に形成してもよい。
図7に示したブランクは、まず、i)内壁71を破断壁部70の内側に貼り付けて筒状に折り畳んだ状態とし、その後、ii)横型カートナー等を用いて起函させて組み上げられる。
i)の折畳み状態では、図7中のラインXまたはZのいずれか一方のみが折り畳まれ、かつ他方が折畳み前の状態となっている。そして、ii)の工程では、横型カートナー等によって、折畳み前の状態にあるラインXまたはZのいずれかを折り畳みながら、連結壁部60が起立させられる。
なお、ラインXは、組立後において、連結壁部60と天壁30との境界稜線に対応するラインであり、ラインZは、組立後において、連結壁部60と底壁20との境界稜線に対応するラインである。
すなわち、上記i)の工程においてラインXが折畳み前の状態にある場合には当該ラインXの方が、また、ラインZが折畳み前の状態にある場合には当該ラインZの方が、それぞれ、周壁折畳ライン61よりも折畳強度を小さくしておく(折り畳み易くしておく)ことが好ましい。
3a、3b 固形食品(トレイ)
20 底壁
21 差込スリット
30 天壁
31 天壁折畳ライン
40 折畳壁部
41 周壁折畳ライン
50 折畳壁部
51 周壁折畳ライン
60 連結壁部
61 周壁折畳ライン
70 破断壁部
71 内壁
72 差込スリット
75 差込タブ
81、82、83、84 山形の破断線部分
81a、82a、83a、84a 突起
A1〜D1、A2〜D2 破断線
Claims (4)
- 四角筒状の周壁と、それぞれ四角形の底壁(20)および天壁(30)と、を備えた箱体であって、
上記四角筒状の周壁は、箱体の開封後に折畳可能となる対向する2つの折畳壁部(40、50)と、箱体の開封後も底壁と天壁を連結する連結壁部(60)と、箱体の開封時に破断される破断壁部(70)と、を備えており、
箱体の高さの約半分の高さ位置(H)において、上記2つの折畳壁部(40、50)および連結壁部(60)に渡って横方向に延在する周壁折畳ライン(41、51、61)が形成されており、
箱体を開封するための破断線が、各折畳壁部と連結壁部との境界稜線の上記周壁折畳ラインより上方部分(A1、A2)、天壁と各折畳壁部との境界稜線(B1、B2)、各折畳壁部と破断壁部との境界稜線の上記周壁折畳ラインより上方部分(C1、C2)、および破断壁部の壁面(D1、D2)に渡って延在しており、
天壁(30)上において、破断壁部との境界稜線から、上記周壁折畳ラインの高さ(H)にほぼ等しい距離をおいた位置に天壁折畳ライン(31)を形成してなる、箱体。 - 上記破断線の一部(81、82)は、天壁(30)と破断壁部(70)と折畳壁部(40、50)とが交わる各コーナ領域において、箱体内方に向かって湾曲している、請求項1記載の箱体。
- 上記破断線の一部(83、84)は、天壁(30)と連結壁部(60)と折畳壁部(40、50)とが交わる各コーナ領域において、箱体内方に向かって湾曲している、請求項2記載の箱体。
- 上記連結壁部(60)上の周壁折畳ライン(61)の折畳強度は、連結壁部と天壁との境界稜線(X)、または連結壁部と底壁との境界稜線(Z)の折畳強度よりも大きく設定されている、請求項1記載の箱体。
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