JP4651146B2 - 共重合ポリエステルエーテル及びそれからなるフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、共重合ポリエステルエーテル及びそれからなるフィルムに関し、詳しくはポリテトラメチレンテレフタレート系共重合芳香族ポリエステルエーテル及びそれからなるフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリテトラメチレンテレフタレートは結晶化速度が速く、耐熱性、電気絶縁性が優れることから主として射出成形材料として使用されている。またポリテトラメチレンテレフタレートフィルムは耐熱性、電気絶縁性に優れる他に、酸素や水蒸気に対するガスバリア性や保香性等が優れており医療品や食品用のフィルム用途への適用が図られている。しかし、射出成形材料にあっては厚肉製品や低温使用下における耐衝撃性が劣ることやフィルム用途としては柔軟性が不十分で破れやすく、ピンホールが発生し易いという欠点及び結晶化速度が非常に速いため透明性フィルムを得るには急冷が必要で成形条件に制約があることが問題点とされている。
【0003】
ポリテトラメチレンテレフタレート(PBTと略す)の柔軟性を改良する方法としては、各種ゴムやエラストマーのような柔軟材料とブレンドする方法があるが、一般に相溶性が悪く少量の添加で、白化し、不透明となり、所期の目的である柔軟化が充分達成されないという不具合がある。
PBTの柔軟性を改良するもう一つの方法としては、テレフタール酸以外の長鎖ジカルボン酸や長鎖のグリコールを共重合する方法があるが、融点が低下し耐熱性が著しく低下する。これらの共重合樹脂は、結晶性が損なわれるため、射出成形用としては成形サイクルが長くなり、生産性が損なわれるものであり、フィルム用としてはTg低下にともない粘着性が発生したりする上に、PBTフィルムの特長である耐熱性、ガスバリア性、保香性が低下すると共に柔軟性が不充分である。
本発明者らは、ポリテトラメチレンテレフタレート系の柔軟性改良の目的で、ポリテトラメチレンオキシドグリコール(PTMGと略す)の適切な分子量と共重合比率を選択すると、耐熱性をあまり損なわずに画期的に柔軟性を改良するポリエステルエーテルからなるフィルムを見いだしたが(特願平9−332782)、PTMGの共重合比率を高くすると、フィルムの透明性が低下しヘイズが高くなるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、柔軟化ポリテトラメチレンテレフタレート系樹脂の開発と柔軟性と透明性に優れるポリエステル系フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その要旨は、テレフタル酸及びイソフタル酸の両成分を主成分とするジカルボン酸成分とテトラメチレングリコール及びポリテトラメチレンオキシドグリコールの両成分を主成分とするジオール成分とからなる共重合ポリエステルエーテルであって、該共重合ポリエステルエーテルを構成する全ジカルボン酸成分のうち、99〜70モル%がテレフタル酸であり、1〜30モル%がイソフタル酸であり、また、全ジオール成分においてテトラメチレングリコール及びポリテトラメチレンオキシドグリコールの割合は、両者の合計で70〜100モル%であり、該共重合ポリエステルエーテルの全重量のうち1〜30重量%がポリテトラメチレンオキシドセグメントであり、該ポリテトラメチレンオキシドグリコールの数平均分子量が700〜3,000であり、しかも、該共重合ポリエステルエーテルのASTM D790規定の1/4”試験片での曲げ弾性率が、0.25〜1.8GPaであることを特徴とする共重合ポリエステルエーテルに存する。
【0006】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明の共重合ポリエステルエーテルを構成するジカルボン酸成分は、テレフタル酸及びイソフタル酸の両成分を、主成分とするものである。しかして、該共重合ポリエステルエーテルを構成する全ジカルボン酸成分のうち、70〜99モル%、好ましくは80〜95モル%がテレフタル酸成分であり、30〜1モル%、好ましくは20〜5モル%がイソフタル酸成分であることが必要である。ここでイソフタル酸の割合が30モル%を超えると耐熱性が低下し、1モル%未満になると透明性付与効果が少なくなる。
【0007】
また、テレフタル酸及びイソフタル酸の両成分以外のジカルボン酸成分を少量含有していてもよい。その具体例としては、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(4,4’−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸成分、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸成分が挙げられる。
全ジカルボン酸成分において、芳香族ジカルボン酸の割合は、機械的性質、ガスバリア性、耐熱性の点から、好ましくは90モル%以上である。
【0008】
本発明の共重合ポリエステルエーテルを構成するジオール成分は、テトラメチレングリコール及びポリテトラメチレンオキシドグリコールの両成分を、主成分とする。全ジオール成分において、テトラメチレングリコール及びポリテトラメチレンオキシドグリコールの割合は、柔軟性の点から、両成分の合計で、70〜100モル%であり、好ましくは90〜100モル%である。
【0009】
テトラメチレングリコール及びポリテトラメチレンオキシドグリコール以外のジオール成分は、通常、炭素数2〜20の脂肪族又は脂環族ジオール、ビスフェノール誘導体等から選ばれる。具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、4,4’−ジシクロヘキシルヒドロキシメタン、4,4’−ジシクロヘキシルヒドロキシプロパン、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加ジオール、ポリエチレンオキシドグリコール、ポリプロピレンオキシドグリコール及びこれらの混合物等が挙げられる。更に、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオールを少量用いることもできる。
【0010】
しかして、共重合ポリエステルエーテルにおけるポリテトラメチレンオキシドセグメント(ポリテトラメチレンオキシドグリコールの両末端に存在した2つの水素原子を除いた2価の残基の部分の重量)の割合は、該共重合ポリエステルエーテルの全重量に対して、1〜30重量%であることが必要である。ポリテトラメチレンオキシドセグメントの割合が、1重量%未満であるとフィルムの柔軟化効果が不十分であり、30重量%を超えると耐熱性が低下し、フィルムの透明性が低下する。共重合ポリエステルエーテルにおけるポリテトラメチレンオキシドセグメントの割合は、好ましくは5〜25重量%であり、より好ましくは10〜20重量%である。
【0011】
本発明におけるポリテトラメチレンオキシドグリコールの数平均分子量は、好ましくは300〜3,000である。数平均分子量が、300未満であると柔軟化が不十分であり、3,000を超えると耐熱性と透明性が低下しやすい。ポリテトラメチレンオキシドグリコールの数平均分子量は、より好ましくは500〜2,500であり、最も好ましくは700〜1,500である。ポリテトラメチレンオキシドグリコールの数平均分子量の測定は、ポリテトラメチレンオキシドグリコールの末端水酸基を公知の方法によって定量することによって求められる。
【0012】
本発明の共重合ポリエステルエーテルの融点は、DSC法で昇温速度20℃/minで測定したときの融解ピーク温度の値で、好ましくは170〜225℃である。また、本発明の共重合ポリエステルエーテルの溶融粘度は、温度250℃、剪断速度100sec-1での測定値が、好ましくは1,000〜20,000ポイズ、より好ましくは3,000〜15,000ポイズである。溶融粘度が低くすぎるとフィルムの押出成形性が低下し、柔軟性も不十分となり、溶融粘度が高すぎるとフィルム製膜が困難となる。
【0013】
共重合ポリエステルエーテルの力学的物性としては、80℃の金型で成形した1/4”試験片を用い、23℃で測定された、ASTM D790規定の曲げ弾性率が、好ましくは0.25〜1.8GPaであり、より好ましくは0.30〜1.5GPaである。また、厚さ25μの無延伸フィルムで測定したヤング率は、好ましくは0.20〜1.6GPaであり、より好ましくは0.30〜1.00GPaである。
【0014】
共重合ポリエステルエーテルの製造方法としては、当業者によく知られた従来の縮重合法が挙げられる。
例えば、テレフタル酸ジメチルエステル及びイソフタル酸ジメチルエステルに、テトラメチレングリコール及びポリテトラメチレンオキシドグリコールを所定の割合で添加して、錫、チタン、亜鉛、マンガン、ゲルマニウム等のアルコラート、塩化物又は酸化物のような触媒存在下、約150〜250℃で加熱反応させ、エステル交換反応でメタノールを留出させる。ついで、3Torr以下の減圧度にて、200〜280℃で加熱重縮合させれば、ポリエステルエーテルを得ることができる。この反応工程で熱安定剤等を添加することもできる。
重縮合反応において、ポリテトラメチレンオキシドグリコールを先に加えてエステル交換の後、テトラメチレングルコールを添加し引き続きエステル交換し、更に重縮合することもできる。またテレフタル酸、イソフタル酸とテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコールを直接重縮合することもできる。
重縮合によって生成した樹脂は、反応釜からダイを通して、径1.5〜3mm程度のストランドとして押出し、5〜20℃の水で急冷後、カッティング、脱水乾燥してペレットとする。本発明の共重合ポリエステルエーテルは、結晶化速度が遅いので、反応釜から抜き出しチップ化する際の水冷温度を低温に管理する必要がある。
【0015】
さらに、上記のごとく溶融重縮合して得られた共重合ポリエステルエーテルの樹脂ペレットを、不活性ガス気流下160〜210℃で高温加熱処理するか、真空加熱する、いわゆる固相重合法により、さらに分子量を高めた共重合ポリエステルエーテルにすることもできる。この時、あらかじめペレットを100〜150℃で3〜5時間アニールして結晶化せしめた後に、固相重合することがペレット同志又は反応容器への融着を防止する上で必須である。
【0016】
本発明の新規共重合ポリエステルエーテルは、厚肉成形品やヒートサイクル、ヒートショック等、熱応力の吸収緩和が要求されるような場所で使用される部品、静音性、遮音性を要求されるような場所で使用される部品等射出成形用途や、透明性が要求されるシート、フィルムやモノフィラメント等押出成形用途に適用されるが、最も有用な用途がフィルムである。
【0017】
本発明の共重合ポリエステルエーテルフィルムは、テレフタル酸70〜99モル%及びイソフタル酸30〜1モル%を主成分とするジカルボン酸成分とテトラメチレングリコール及びポリテトラメチレンオキシドグリコールを主成分とするジオール成分とからなり、該ポリテトラメチレンオキシドグリコールの割合が、ポリエステルエーテルに対し1〜30重量%である共重合ポリエステルエーテルを成形してなるフィルムである。
【0018】
本発明の共重合ポリエステルエーテルフィルムは、好ましくは無配向フィルム又は一軸配向若しくは二軸配向された延伸フィルムである。共重合ポリエステルエーテルフィルムの厚みは、好ましくは5〜300μmであり、より好ましくは10〜150μmである。
【0019】
本発明の共重合ポリエステルエーテルフィルムには、その他の成分として、フォスファイト化合物、ヒンダートフェノール等の酸化防止剤、熱安定剤 ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン化合物等の紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系化合物のような光安定剤を添加することができる。また、結晶核剤、可塑剤、着色剤等も添加できる。さらに、フィルム製膜時やフィルム後加工時の作業性向上のための滑り性付与剤、滑剤等も必要に応じ適宜添加できる。滑り性付与剤としては、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機微粒子、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等の有機高分子微粒子、有機高分子架橋微粒子が挙げられる。滑り性付与剤の粒子径は、好ましくは0.1〜10μである。
【0020】
本発明の共重合ポリエステルエーテルフィルムの製造方法としては、例えば、Tダイ製膜機やインフレーション製膜機を用いて製膜する。Tダイ製膜機の場合、融点+5〜40℃のシリンダー温度180〜260℃で押出し、5〜100℃のロールでフィルム化する。この際、マット加工チルロールを用いてフィルム滑り性を改良することもでき、また、コロナ処理を施して、積層材向け接着性改良表面処理を行うこともできる。延伸フィルムを得る場合は、常温から80℃程度の雰囲気で一軸延伸や、逐次若しくは同時2軸延伸し、160〜210℃で熱セットし、一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルムとする。
インフレーション法による成形の場合には、前記同様のシリンダー温度設定で円形ダイから溶融樹脂を押し出し、空冷若しくは水冷法により、ブローアップ比0.7〜2.0程度でブローアップした後に冷却してフィルムを巻き取る。透明フィルムを得るには、水冷法がより適している。本法により得られた筒状フィルムはヒートシールして包装袋とすることができる。
他樹脂との多層フィルムを得るには成形法を問わず公知の共押出し方法が適用できる。また別の方法として本発明フィルムをドライラミネーション法で他のフィルムと多層化することもできる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例におけるフィルムの評価方法は次のとおりである。
(1)引張強度、引張伸度の測定: フィルム製膜引き取り方向に長さ100mm、幅15mmの試験片を切り出し、ASTM D−882に従って、23℃下チャック間50mmで、200mm/minの引張り速度で測定し、破断時の強度と伸度を求めた。
【0022】
(2)ヤング率: (1)と同様に長さ250mm、幅15mmのフィルムを切り出し、23℃下チャック間200mmで、4mm/minの引張り速度で引張強度を測定し、初期の直線部分の強度〜歪み量からヤング率を求めた。
【0023】
(3)ヘイズの測定: 60×60mmの試験片を引き取り幅方向に4ケ所切り出し、ヘイズメーターでヘイズを測定し、平均値を求めた。
(4)耐屈曲性の評価: Mil−B−131C法で23℃、65%RH下500サイクルの繰り返し屈曲試験を行った後、ピンホール数をカウントし、500cm2当たりの個数で表示した。
(5)フィルムの柔軟性: フィルムを手の触感で柔軟性を評価し、優れる◎、良好○、劣る×とした。
【0024】
〔実施例1〕
共重合ポリエステルエーテル(a)
撹拌機、温度計、ガス置換口、蒸留塔を備えた反応器にジメチルテレフタレート113.2重量部、ジメチルイソフタレート6.0重量部、1,4−テトラメチレングリコール63.5重量部、数平均分子量約1000のポリテトラメチレンオキシドグリコール15.0重量部に、触媒としてテトラブチルチタネートをTiとして33ppm仕込み、窒素置換後昇温し、150〜215℃で3時間エステル交換反応をおこないメタノールを留出させた。次に、反応器にヒンダートフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010:チバガイギー株式会社製)530ppm相当をテトラメチレングリコールに懸濁させて添加した。さらにTiとして25ppm相当のテトラブチルチタネートを添加して重縮合反応をおこなった。重縮合反応は常圧から3Torrまで85分かけて、徐々に減圧し、同時に内温240℃まで昇温し、240℃、3Torrで4時間保持した。
この後、溶融ポリマーをダイ穴から10℃の水中に押出し、ひきとり、脱水後カッティングし、ペレットを得た。得られたペレットを110℃で水分率100ppm以下に乾燥後、1Torr以下の真空下、190〜200℃で熱処理し、共重合ポリエステルエーテル(a)を得た。得られた共重合ポリエステルエーテル(a)の全重量のうち、ポリテトラメチレンオキシドセグメントの割合は10重量%、全ジカルボン酸成分のうち、イソフタル酸成分の割合は5モル%であり、融点は213℃、溶融粘度は3,200ポイズ、曲げ弾性率は0.73GPaであった。
【0025】
共重合ポリエステルエーテルフィルムA
共重合ポリエステルエーテル(a)を120℃で8時間真空乾燥後、直径40mm、L/D=25の押出機を用い、240℃で混練押出し、Tダイ温度230℃、キャスティングロール温度60℃で、厚さ25μmの共重合ポリエステルエーテルフィルムAを得た。この無配向フィルムを用いて各種評価を行った。結果を表−1に示した。得られたフィルムは、透明性及び柔軟性が良好であった。
【0026】
〔実施例2〕
共重合ポリエステルエーテル(b)
実施例1において、イソフタル酸成分の割合を10モル%とする以外は、実施例1と同様にして、融点205℃、溶融粘度3,500ポイズ、曲げ弾性率0.55GPaの共重合ポリエステルエーテル(b)を得た。
【0027】
共重合ポリエステルエーテルフィルムB
上記共重合ポリエステルエーテル(b)を用いる以外は、実施例1と同様にしてTダイで製膜し、厚さ25μmの共重合ポリエステルエーテルフィルムBを得、実施例−1と同様に各種評価を行った。結果を表−1に示した。得られたフィルムは、透明性及び柔軟性が優れていた。
【0028】
〔実施例3〕
共重合ポリエステルエーテル(c)
実施例1において、イソフタル酸成分の割合を20モル%とする以外は、実施例1と同様にして、融点192℃、溶融粘度3,000ポイズ、曲げ弾性率0.49GPaの共重合ポリエステルエーテル(c)を得た。
【0029】
共重合ポリエステルエーテルフィルムC
上記共重合ポリエステルエーテル(c)を用いる以外は、実施例1と同様にしてTダイで製膜し、厚さ25μmの共重合ポリエステルエーテルフィルムCを得、実施例−1と同様に各種評価を行った。結果を表−1に示した。得られたフィルムは、透明性及び柔軟性が優れていた。
【0030】
〔実施例4〕
共重合ポリエステルエーテル(d)
実施例1において、ポリテトラメチレンオキシドセグメントの割合を20重量%とする以外は、実施例1と同様にして、融点211℃、溶融粘度3,800ポイズ 、曲げ弾性率0.41GPaの共重合ポリエステルエーテル(d)を得た。
【0031】
共重合ポリエステルエーテルフィルムD
上記共重合ポリエステルエーテル(d)を用いる以外は、実施例1と同様にしてTダイで製膜し、厚さ25μmの共重合ポリエステルエーテルフィルムDを得、実施例−1と同様に各種評価を行った。結果を表−1に示した。得られたフィルムは、透明性及び柔軟性が優れていた。
【0032】
〔実施例5〕
2軸延伸共重合ポリエステルエーテルフィルムE
前記共重合ポリエステルエーテル(c)を用いて、実施例1と同様にしてTダイで厚み95μのフィルムを製膜したのちに、60℃雰囲気で延伸機にて、倍率3倍で同時2軸延伸し、次いで200℃で1分ヒートセットし、厚み15μmの2軸延伸共重合ポリエステルエーテルフィルムEを得た。得られたフィルムにつき、実施例1と同様に各種評価を行った。結果を表−1に示した。得られたフィルムは、透明性及び柔軟性が優れていた。
【0033】
〔比較例1〕
PBTフィルム
ポリテトラメチレンテレフタレートPBT1(融点225℃、溶融粘度12500ポイズ、曲げ弾性率2.42GPa)を用い、混練押出温度を270℃、Tダイ温度を260℃とする以外は実施例1と同様にして、Tダイで厚み25μmのPBTフィルムを製膜し、実施例1と同様に各種評価を行った。結果を表−1に示した。得られたフィルムは、透明性は良好だが、柔軟性に劣っていた。
【0034】
〔比較例2〕
ポリエステルエーテルPEE1フィルム
PTMG含有量10重量%のポリエステルエーテルPEE1(PTMG数平均分子量1000でポリテトラメチレンオキシドセグメント含有量10重量%、融点222℃、溶融粘度3,800ポイズ、曲げ弾性率0.82GPa)を用い、混練押出温度を230℃、Tダイ温度を225℃とする以外は実施例1と同様にして、厚み25μmのフィルムを製膜した。評価結果を表−1に示した。得られたフィルムは、柔軟性は良好だが、若干白濁していた。
【0035】
〔比較例3〕
ポリエステルエーテルPEE2フィルム
PTMG含有量20重量%のポリエステルエーテルPEE2(PTMG数平均分子量1000でポリテトラメチレンオキシドセグメント含有量20重量%、融点216℃、溶融粘度3,300ポイズ、曲げ弾性率0.46GPa)を用い、混練押出温度を230℃、Tダイ温度を225℃とする以外は実施例1と同様にして、厚み25μmのフィルムを製膜した。評価結果を表−1に示した。得られたフィルムは、柔軟性は優れるが、白濁していた。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明の共重合ポリエステルエーテルフィルムは、柔軟性と強度のバランスに優れ、且つ透明性及び耐ピンホール性に優れ、ヒートシール可能で耐熱性、低温靭性、電気絶縁性、ガスバリア性にも優れており、絶縁フィルム、各種食品包装フィルム、電子レンジ対応耐熱フィルム、熱収縮ラベル、ストレッチフィルム、文具、工具、機械部品等の保護フィルム、柔軟性を要求される各種ラミネートフィルム及びチューブ(歯磨き練り剤、ワックス等)、トイレタリー、化粧品、メディカル用途(貼布剤包装)の保香性フィルム、ジュース、酒類等向け無吸着性紙パック用フィルム等の各種用途に有用である。
Claims (6)
- テレフタル酸及びイソフタル酸の両成分を主成分とするジカルボン酸成分とテトラメチレングリコール及びポリテトラメチレンオキシドグリコールの両成分を主成分とするジオール成分とからなる共重合ポリエステルエーテルであって、該共重合ポリエステルエーテルを構成する全ジカルボン酸成分のうち、99〜70モル%がテレフタル酸であり、1〜30モル%がイソフタル酸であり、また、全ジオール成分においてテトラメチレングリコール及びポリテトラメチレンオキシドグリコールの割合は、両者の合計で70〜100モル%であり、該共重合ポリエステルエーテルの全重量のうち1〜30重量%がポリテトラメチレンオキシドセグメントであり、該ポリテトラメチレンオキシドグリコールの数平均分子量が700〜3,000であり、しかも、該共重合ポリエステルエーテルのASTM D790規定の1/4”試験片での曲げ弾性率が、0.25〜1.8GPaであることを特徴とする共重合ポリエステルエーテル。
- 共重合ポリエステルエーテルの融点が170〜225℃であることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステルエーテル。
- 共重合ポリエステルエーテルの溶融粘度が温度250℃、剪断速度100sec-1で1,000〜20,000ポイズであることを特徴とする請求項1又は2に記載の共重合ポリエステルエーテル。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の共重合ポリエステルエーテルを成形してなるフィルム。
- フィルムの厚みが5〜300μmであることを特徴とする請求項4に記載のフィルム。
- フィルムが、無配向フィルム又は一軸で配向若しくは二軸で配向された延伸フィルムであることを特徴とする請求項4又は5に記載のフィルム。
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