以下、本発明に係るテープ印刷装置用テープについて、図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明の一実施の形態であるテープ印刷装置用テープが使用されるテープ印刷装置の概略構成について説明する。図1は、テープ印刷装置1の概略斜視図である。図2は、テープ印刷装置1に最大ロールテープ幅のテープユニット100が装着された状態を上カバー5を取り外して示す斜視図である。図3は、テープ印刷装置1に最大ロールテープ幅のテープユニット100が装着された状態を上カバー5を取り外して示す側面図である。図4は、図3のX−X線における矢視方向断面図である。図5は、テープ印刷装置1の上カバー5を取り外した状態を示す図で、(A)は概略斜視図、(B)は(A)の一点鎖線で囲まれたW部分の拡大斜視図である。図6は、テープ印刷装置1の上カバー5を取り外した状態の概略後方斜視図である。図7は、テープ印刷装置1にテープユニット100が装着された状態を上カバー5を取り外して示す側面断面図である。図8は、プラテンローラ26の近傍を拡大した部分拡大図である。
図1乃至図3に示すように、テープ印刷装置1は、本体筐体2と、テープユニット100が装着されたロールテープホルダ3を収納するロールテープホルダ収納部4の上側を覆うように後側上端縁部に開閉自在に取り付けられた透明樹脂製の上カバー5と、この上カバー5の前側略中央部に対向するように立設される透明樹脂製のトレー6と、このトレー6の前側に配置される電源ボタン7と、前側側面部に左右移動可能に設けられてカッターユニット8(図7参照)を左右に移動させるカットレバー9等から構成されている。また、本体筐体2の背面部には一方の側端部に電源コード10が接続されると共に、他方の側端部には不図示のパーソナルコンピュータ等と接続されるUSB(Universal Serial Bus)等から構成されるコネクタ部11(図6参照)が設けられている。
ここで、テープユニット100は、所定幅の長尺テープであるロールテープ100Aが円筒状の巻芯100B(図4参照)に巻回された、テープ印刷装置1に着脱するためのテープカートリッジである。ロールテープ100Aは、自己発色性を有する感熱テープ(いわゆる、サーマルペーパー)や、該感熱テープの片面に粘着剤を介して剥離紙が張り合わされたラベルテープ等で構成されている。また、ロールテープホルダ3は、テープユニット100をロールテープホルダ収納部4に収納して支持するための取付け部材である。
また、図2乃至図6に示すように、テープ印刷装置1は、ロールテープホルダ収納部4の搬送方向に対して略垂直方向の一方の側端縁部(図6中、左側側端縁部)に、後述する位置決め保持部材12の外側方向に突設される断面略矩形状の取付部材13を嵌め込むことができるホルダ支持部材15が設けられている。このホルダ支持部材15には、上方に開口する正面視略縦長コの字状の第1位置決め溝部16が形成されている。また、このホルダ支持部材15の内側基端部には、位置決め保持部材12の下端部に突設される弾性係止片12Aが係合される係合凹部15Aが形成されている。
また、ロールテープ100Aを挿入する挿入口18の後端縁部からロールテープホルダ収納部4の前側上端縁部まで略水平に延出されて、後述のガイド部材20の先端部が載置される載置部21が設けられている。また、この載置部21の搬送方向後側の端縁角部には、ロールテープ100Aの複数の幅寸法に対応して断面略L字状の4個の第2位置決め溝部22A〜22Dが形成されている。この各第2位置決め溝部22A〜22Dは、図7に示すように、ガイド部材20の載置部21に当接する部分の一部を上方から嵌め込むことができるように形成されている。また、このガイド部材20の先端部は、挿入口18まで延出されている。
また、ロールテープホルダ収納部4の底面部には、ホルダ支持部材15の内側基端部から第2位置決め溝部22Aに対向する位置まで搬送方向に対して略垂直に平面視横長四角形の位置決め凹部4Aが所定深さ(本実施形態では、約1.5〜3mmの深さである。)で形成されている。この位置決め凹部4Aの搬送方向幅寸法は、位置決め保持部材12及びガイド部材20の各下端縁部の幅寸法にほぼ等しくなるように形成されている。また、位置決め凹部4Aのホルダ支持部材15の内側基端部には、位置決め保持部材12の下端縁部から略直角内側方向に延出される後述のテープ判別部60(図9〜図11参照)に対向する部分が、位置決め凹部4Aよりもさらに所定深さ(本実施形態では、約1.5〜3mmの深さである。)だけ深くなるように形成された搬送方向に縦長の平面視長四角形の判別凹部4Bが形成されている。
また、この判別凹部4Bには、プッシュ式のマイクロスイッチ等から構成されて、ロールテープ100Aの種別を判別するための5個のテープ判別センサS1、S2、S3、S4、S5がL字状に設けられている。この各テープ判別センサS1〜S5は、プランジャーとマイクロスイッチ等から構成される公知の機械式スイッチからなり、該各プランジャーの上端部は、該判別凹部4Bの底面部から位置決め凹部4Aの底面部近傍まで突き出るように設けられている。そして、この各テープ判別センサS1〜S5に対してテープ判別部60の後述の各センサ孔60A〜60E(図9参照)が有るか否かを検出して、そのオン・オフ信号によりロールテープ100Aの種類を検出するものである。
また、挿入口18のホルダ支持部材15側の側端縁部(図6中、左端縁部)は、該ホルダ支持部材15に嵌め込まれる位置決め部材12の内側端面に対向する位置に形成されている。また、この挿入口18のホルダ支持部材15側の側端縁部には、案内リブ部23が立設されている。
また、ロールテープホルダ収納部4の他方の側端縁部(図5中、左方の側端縁部)の搬送方向前端部には、サーマルヘッド31(図7参照)の上下動操作等を行うレバー27が設けられている。即ち、このレバー27を上方に回動させることにより、サーマルヘッド31が下方に移動されてプラテンローラ26(図7参照)から離間し、該レバー27を下方に回動させることにより、サーマルヘッド31が上方に移動されてロールテープ100Aをプラテンローラ26に押圧付勢して印字可能な状態になる。
これにより、テープユニット100が装着されたロールテープホルダ3は、位置決め部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の第1位置決め溝部16に嵌め込み、該位置決め部材12の下端部に突設される弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の内側基端部に形成される係合凹部15Aに係合させると共に、ガイド部材20の先端部下面を各第2位置決め溝部22A〜22Dに嵌め込んで該ガイド部材20の下端部を位置決め凹部4A内に嵌入して当接させることによって、ロールテープホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられる。また、位置決め部材12の内側下端縁部に設けられたテープ判別部60が判別凹部4B内に挿入され、判別凹部4Bに配設される各テープ判別センサS1〜S5に対向する該テープ判別部60の各センサ孔60A〜60Eが有るか否か検出可能となる。即ち、ロールテープ100Aの種類を検出可能となる。そして、レバー27を上方に回動させて、ロールテープ100Aの一方の側端縁部をガイド部材20の内側面に当接させつつ、このロールテープ100Aの他方の側端縁部を挿入口18の側縁部に立設される案内リブ部23に当接させながら挿入口18内に挿入して、該レバー27を下方に回動させることにより、印刷可能となる。
ここで、プラテンローラ26は、不図示のステッピングモータ等により回転駆動されて、ロールテープホルダ収納部4に収容されたロールテープホルダ3(テープユニット100)からロールテープ100Aを引き出して、挿入口18からトレー6に向けて搬送するものである。本実施形態におけるロールテープ100Aの搬送方向は、テープ印刷装置1の正面側が下流となり、テープ印刷装置1の背面側が上流となるから、図7及び図8ではプラテンローラ26は時計回り方向に回転駆動する。
また、サーマルヘッド31は、プラテンローラ26によって搬送されるロールテープ100Aの印字面に順次画像データを印字するものである。なお、本実施形態では、サーマルヘッド31は、ロールテープ100Aのテープ幅方向(短手方向)に行単位で印字を行うライン型のサーマルヘッドとして実装されている。
また、挿入口18とプラテンローラ26との間のフレーム部96には、ロールテープ100Aの通過経路に対向するように、光学センサ95が配置されている(図7及び図8参照)。光学センサ95は、本実施形態では反射型のセンサであり、光学センサ95の発光部からの光をロールテープ100Aの剥離層の外面に当てて、その反射光をフォトトランジスタ等で構成された光学センサ95の受光部により受光して、後述するロールテープ100Aの剥離層の外面に印刷されたセンサマークと該センサマークの間の非印刷部とを読み取るものである。
そして、プラテンローラ26からみたロールテープ100Aの搬送方向の下流には、ロールテープ100Aを所定長さでカットしてラベル片を作成するカッターユニット8が設けられている。カッターユニット8はロールテープ100Aをテープ幅方向にカットするものであり、ユーザはカットレバー9の移動操作させることで、任意のタイミングでロールテープ100Aをカットすることができる。
さらに、カッターユニット8からみたロールテープ100Aの搬送方向の下流には、ロールテープ100Aの先端側をトレー6に向けて排出するためのガイド部材97,98が設けられている。ガイド部材97は、側面視、略三角形状の板状部材であって、上カバー5の内側面における下端縁部に、テープ印刷装置1の縦方向(テープ搬送方向)と並列に複数配置されている。ガイド部材98は、テープ印刷装置1の横方向(テープ幅方向)を長手方向とする板状部材である。この。ガイド部材97,98は、各々上下方向に対向して設けられている。そして、上側に設けられた各ガイド部材97の下端部と、下側に設けられたガイド部材98の上端部とで、ロールテープ100Aの搬送路にロールテープ100Aの厚みと同程度の隙間である排出口99が、トレー6の上面に向けて開口するように形成されている。
そして、テープ印刷時にロールテープ100Aが搬送されると、ロールテープ100Aの先端側がガイド部材97,98に沿って屈曲されて、排出口99に挿入される。さらに、このロールテープ100Aは排出口99に沿って搬送されて、ロールテープ100Aの巻き癖の方向(ロールテープ100Aの巻回方向)とは異なる斜め前方(図8の左上方向)に向けて、ロールテープ100Aがトレー6上に排出される。
なお、ロールテープホルダ収納部4の下側には、外部のパーソナルコンピュータ等からの指令により各機構部を駆動制御する制御回路部が形成された制御基板32が設けられている。
以上のようなテープ印刷装置1では、レバー27を下方に回動させることにより、挿入口18から挿入されたロールテープ100Aは、ライン型のサーマルヘッド31によってプラテンローラ26に向かって押圧されるように付勢される。そして、テープ印刷時には、挿入口18に挿入されたロールテープ100Aが、該プラテンローラ26の回転駆動によってロールテープホルダ3から引き出し搬送されつつ、サーマルヘッド31の駆動制御によって印字面に順次画像データを印字される。印字済みのロールテープ100Aは、上カバー5の下端部直下でガイド部材97,98によって形成された排出口99からトレー6上に排出され、カットレバー9を右側方向に移動操作することによってカッターユニット8により切断される。
次に、ロールテープホルダ3の概略構成について説明する。図9は、テープユニット100が装着されたロールテープホルダ3を示す図で、(A)は前側上方からの斜視図、(B)は下側後方からの斜視図である。図10は、テープ印刷装置1のロールテープホルダ3を示す斜視図で、(A)は斜め後方側からの斜視図、(B)は斜め前方側からの斜視図である。図11は、ロールテープホルダ3を示す図で、(A)は左側面図、(B)は正面図、(C)は右側面図である。図12は、図11(A)のY−Y線における矢視方向断面図である。図13は、図11(A)のZ−Z線における矢視方向断面図である。図14は、位置決め保持部材12のテープ判別部60にロールテープ100Aの種類を表すセンサ孔の穿設例を示す図である。図15は、テープ印刷装置1にロールテープホルダ3を装着した状態を示す図で、(A)は最大幅のテープユニット100を装着した状態を示す斜視図、(B)は最小幅のテープユニット100を装着した状態を示す斜視図である。
図9乃至図14に示すように、ロールテープホルダ3は、テープユニット100の巻芯100Bの筒孔の一端側端縁部に第1筒部35が嵌挿されてテープユニット100の一方の端面に当接されるガイド部材20と、該巻芯100Bの他端側に第2筒部37が嵌挿されてテープユニット100の他方の端面に当接される位置決め保持部材12と、このガイド部材20の第1筒部35に嵌挿されて一端側端面の外周部に形成されるフランジ部36が該第1筒部35の外側端面に固着されると共に、他端側端部が位置決め保持部材12の第2筒部37に嵌挿されて該第2筒部37に固着される略筒状のホルダ軸部材40とで構成されている。従って、ホルダ軸部材40の長さ寸法を変更することにより、異なる幅寸法のテープユニット100が装着された複数種類のロールテープホルダ3を容易に製作することができる。
また、このガイド部材20は、第1筒部35の外側端面の下側外周部から下側方向に延出されて、ロールテープホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4Aに嵌入されて該位置決め凹部4Aの底面に当接される第1延出部42が形成されている。また、ガイド部材20は、テープユニット100におけるロールテープ100Aの前側方向略1/4円周上の外側端面部を覆うように外側方向に延出される第2延出部43が形成されている。また、この第2延出部43の外周部からロールテープ100Aの挿入口18(図6参照)近傍まで上側端縁部が前下がり状に延出される第3延出部44が形成されている。この第3延出部44の先端部の下端面は略水平に形成され、テープ印刷装置1の載置部21上に当接して、該第3延出部44と第2延出部43の内側面によってロールテープ100Aの一側端縁部を挿入口18まで案内するように構成されている。また、この第3延出部44の下端面の載置部21の搬送方向後端縁部に対向する位置から第1延出部42まで所定長さ延出される第4延出部45が形成され、該第3延出部44の下端面が載置部21上に当接された場合には、この第4延出部45の搬送方向先端部分が、ロールテープ100Aのテープ幅に対向する各第2位置決め溝部22A〜22Dのいずれかに嵌入されるように構成されている(図7参照)。
また、ガイド部材20の第1延出部42の上端部、即ち、第1筒部35の外側端面の外周部の左右両中央部には、正面視略四角形の各切欠部47が設けられ、ホルダ軸部材40のフランジ部36の内側面に突設される各位置決め突起48が嵌入されている。また、ガイド部材20の各延出部43、44、45の内側面には、ロールテープ100Aの巻回長さ10m、20m、30mを表す各目盛り43A、43B、43Cが形成されている。尚、テープユニット100におけるロールテープ100Aの最大巻回長さは、約30mの長さである。
また、ホルダ軸部材40の位置決め保持部材12の第2筒部37内に嵌入される先端部には、該第2筒部37の内側下端部に内側半径方向に突設される位置決めリブ部50が嵌入される略縦長の切欠部51が形成されている。これにより、ホルダ軸部材40の切欠部51に位置決め保持部材12の位置決めリブ部50を嵌入することによって、該ホルダ軸部材40を介して位置決め保持部材12とガイド部材20との位置決めを行うことができる。また、第1筒部35と第2筒部37とによって、テープユニット100における巻芯100Bが回転可能に保持される。尚、ホルダ軸部材40は、巻芯100Bの各長さ寸法に対応して複数種類(本実施形態では、4種類である。)の長さ寸法のものが設けられている。
また、位置決め部材12により、第2筒部37の外側端面は閉塞されている。また、該第2筒部37の外周部には、フランジ部55が形成されると共に、このフランジ部55の下側外周部から下側方向に延出される延出部56が形成されている。このフランジ部55と延出部56の内側面がロールテープ100A及び巻芯100Bの外側端面に当接される。また、このフランジ部55と延出部56の外側端面部の搬送方向(図11(A)中、左右方向)略中央部に、即ち、ホルダ軸部材40の軸心の端縁部から該軸心に対してほぼ直交するように、上下方向に縦長の断面略矩形状の取付部材13が突設されている。この取付部材13は、正面視下方向に幅狭になるように形成され、テープ印刷装置1のホルダ支持部材15の下方向に幅狭な第1位置決め溝部16内に密着可能に形成されている。また、この取付部材13の突出高さ寸法は、この第1位置決め溝部16の幅寸法にほぼ等しく形成されている。
また、位置決め部材12の取付部材13の下端部には、該取付部材13の下端部よりも左右方向に各々外側方向に所定長さ(本実施形態では、約1.5mm〜3mmである。)突出する正面視略四角形の平板状(本実施形態では、約1.5mm〜3mmの厚さ寸法である。)の案内部57が形成されている。これにより、ロールテープホルダ3を装着する場合は、取付部材13の下端部に形成される案内部57をホルダ支持部材15の外側端面に当接させつつ、取付部材13を第1位置決め溝部16に挿入することによって、該ロールテープホルダ3を容易に位置決めしつつ装着することができる。
また、位置決め部材12の延出部56の下端縁部は、ガイド部材20の下端縁部よりも所定長さ(本実施形態では、約1mm〜2.5mmである。)下側方向に突出するように延出されると共に、該下端縁部には、略直角内側方向に所定長さ延出される略長四角形のテープ判別部60が形成されている。
また、図10(B)及び図15(A)〜(F)に示すように、このテープ判別部60には、上述したように、各テープ判別センサS1〜S5に対向する所定位置に各センサ孔60A〜60Eが略L字状に配置されて穿設されている。これにより、各センサ孔60A〜60Eは、最大5個穿設されるため、1つひとつの有無を「1」と「0」に対応させることにより、該ロールテープホルダ3に装着されたロールテープ100Aの種類を5ビットの符号によって表示することができる。また、位置決め部材12の取付部材13の下端部には延出部56に縦長四角形の貫通孔62が穿設され、該貫通孔62の上端縁部には、下側方向に先端部に外側方向に突出する突起部が形成された弾性係止片12Aが設けられている。
次に、テープユニット100が装着されたロールテープホルダ3を、テープ印刷装置1に取り付ける工程について説明する。図15(A)に示すように、最大幅のロールテープ100Aが巻芯100Bに巻回されたテープユニット100が装着されている場合には、先ず、ロールテープホルダ3の位置決め保持部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の位置決め溝部16に挿入する。そして、該ロールテープホルダ3のガイド部材20の第3延出部44の下端面を載置部21上に当接させると共に、該ガイド部材20の第4延出部45を載置部21の搬送方向後側角部に形成される第2位置決め溝部21Aに嵌入させる。また、該ガイド部材20の第1延出部42の下端縁部をロールテープホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4A内に嵌入して当接させる。また、同時に、ロールテープホルダ3の位置決め保持部材12の延出部56の下端部に形成されるテープ判別部60を、ホルダ支持部材15の基端部内側に形成される判別凹部4Bに挿入すると共に、弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の基端部に形成される係合凹部15Aに係合させる。これにより、ロールテープホルダ3がロールテープホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられる。また、各テープ判別センサS1〜S5を介して対向するテープ判別部60の各センサ孔60A〜60Eの有無が検出可能となる。
続いて、レバー27を上方に回動させた状態で、テープユニット100におけるロールテープ100Aの一方の側端縁部をガイド部材20の内側面に当接させつつ、該ロールテープ100Aを引きだし、このロールテープ100Aの他方の側端縁部を挿入口18の側端縁部に立設された案内リブ部23に当接させつつ挿入口18に挿入する。その後、レバー27を下方に回動させることにより、該ロールテープ100Aの先端部がサーマルヘッド31によってプラテンローラ26に押圧され、印字可能な状態になる。
また、図15(B)に示すように、最小幅のロールテープ100Aが巻芯100Bに巻回されたテープユニット100が装着されている場合には、先ず、ロールテープホルダ3の位置決め保持部材12の取付部材13をホルダ支持部材15の位置決め溝部16に挿入する。そして、該ロールテープホルダ3のガイド部材20の第3延出部44の下端面を載置部21上に当接させると共に、該ガイド部材20の第4延出部45を載置部21の搬送方向後側角部に形成される第2位置決め溝部21Dに嵌入させる。そして、該ガイド部材20の第1延出部42の下端縁部をロールテープホルダ収納部4の底面部に形成される位置決め凹部4A内に嵌入して当接させる。また、同時に、ロールテープホルダ3の位置決め保持部材12の延出部56の下端部に形成されるテープ判別部60を、ホルダ支持部材15の基端部内側に形成される判別凹部4Bに挿入すると共に、弾性係止片12Aをホルダ支持部材15の基端部に形成される係合凹部15Aに係合させる。これにより、ロールテープホルダ3がロールテープホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられる。また、各テープ判別センサS1〜S5を介して対向するテープ判別部60の各センサ孔60A〜60Eの有無が検出可能となる。
続いて、レバー27を上方に回動させた状態で、テープユニット100におけるロールテープ100Aの一方の側端縁部をガイド部材20の内側面に当接させつつ、該ロールテープ100Aを引きだし、このロールテープ100Aの他方の側端縁部を挿入口18の側端縁部に立設された案内リブ部23に当接させつつ挿入口18に挿入する。その後、レバー27を下方に回動させることにより、該ロールテープ100Aの先端部がサーマルヘッド31によってプラテンローラ26に押圧され、印字可能な状態になる。
次に、本発明の要部であるテープユニット100の各実施例の詳細について図面を参照して説明する。
(第1実施例)まず、テープユニット100の第1実施例としてテープユニット200について説明する。図16は、テープユニット200の外観斜視図である。図17は、ロールテープ210の先端側を展開した状態の平面図である。図18は、ロールテープ210の先端側を展開した状態の背面図である。図19は、ロールテープ210の先端側を展開した状態のA−A線における矢視方向断面図である。図20は、巻芯220の外観斜視図である。なお、ロールテープ210のうち、巻芯220に巻回される一端がロールテープ210の後端側とし、挿入口18内に挿入される他端がロールテープ210の先端側とする。また、図17及び図18における上方向及び図19における右方向が、ロールテープ210の先端側にあたる。
図16に示すように、本実施例に係るテープユニット200は、巻芯220に対してロールテープ210が密に巻回されて構成されたテープカートリッジである。このテープユニット200では、その保管時に従来のばらけ防止用の止めテープなどを用いないが、以下に詳述する構成を有しているため、長時間保管してもロールテープ210がばらけることがない。そして、テープ印刷装置1でテープユニット200を用いる場合は、テープユニット200を先述のようにロールテープホルダ3に装着し、またロールテープ210の先端側を引き出して、ロールテープホルダ収納部4に取り付ければよい。なお、このテープユニット200では、ロールテープ210を最後まで使いきれるように、ロールテープ210の後端側が巻芯220に接着固定せずに巻回している。また、図16では、ロールテープ210の先端側が若干引き出された状態のテープユニット200を示している。
そして、図17及び図19に示すように、本実施例に係るロールテープ210では、その表面に感熱紙から成る記録媒体211(印刷媒体に相当)が連続してテープ状に設けられ、記録媒体211の背面に粘着剤層217が設けられ、その粘着剤層217に剥離紙212(剥離層に相当)が剥離可能に粘着されている。粘着剤層217の一例としては、アクリル系エマルジョン型粘着剤を用いることができる。従って、ロールテープ210は、三層構造となっている。このロールテープ210は、剥離紙212を外側に、記録媒体211を内側にして、ロール状に巻かれるものであり、以下の他の実施例も同様である。
そして、このロールテープ210には、記録媒体211上に均等間隔で複数の同一円形の切れ目が入れられて、それぞれ円形状のラベル211Aが剥離できるようになっている。そして、隣り合う各円形状のラベル211Aの略中間に位置する切断部219において、ロールテープ210がそのテープ幅方向にカッターユニット8で切断されて、一つのラベル片が作成されるように構成されている。つまり、本実施例のロールテープ210は、予めラベル形状に形成されたラベル片が、一定間隔で連続して複数配置されるダイカット加工が施されたものである。なお、本実施例のロールテープ210は、そのテープ幅が32mmであり、各円形状のラベル211Aの直径が12mmである。
また、図18及び図19に示すように、剥離紙212の裏面には、ロールテープ210のテープ幅方向の一端部側(図18における左側)に、長方形で黒く塗りつぶされたセンサマーク215が所定間隔離れて、ロールテープ210の長手方向に一定間隔で連続して印刷されている。一例として、センサマーク215は、長辺が13mm、短辺が5mmの長方形であり、各センサマーク215は、ピッチ12mmで印刷されている。このセンサマーク215は、隣り合う各円形状のラベル211Aから等距離となるように、隣り合う各円形状のラベル211Aの略中間に印刷されている。また、センサマーク215から離れて識別情報である文字(図示外)も印刷されている。
さらに、本実施例のロールテープ210では、剥離紙212においてテープ先端方向(すなわち、テープ搬送方向の下流側)に向けて開口するコの字型に切れ込まれたスリット部218が、隣り合う各円形状のラベル211Aの各々の間で連続して複数形成されている。このスリット部218は、剥離紙212がテープ幅方向と平行に切り込まれた切り込み部218aと、その切り込み部218aの両端部と各々連通して剥離紙212がテープ長手方向と平行に切り込まれた切り込み部218b,218cとで構成されている。
そして、巻芯220に巻回されたロールテープ210では、このスリット部218(切り込み部218a〜218c)を介して、外部の湿気が剥離紙212及び粘着剤層217の両方に進入可能となる。すなわち、切り込み部218a〜218cは、ロールテープ210(特に、剥離紙212と粘着剤層217)が吸湿を促進するための吸湿用スリットとして機能する。さらに、テープ幅方向に形成された切り込み部218aは、ロールテープ210(特に、剥離紙212)の弾力性を低下させる弾性低下用スリットとして機能する。なお、本実施例では、切り込み部218aが10mm,切り込み部218b,218cがそれぞれ8mmである。また、粘着剤層217が吸湿可能とするために、スリット部218では少なくとも粘着剤層217に切れ込みが達する程度の切込み深さを有する。
ここで、本実施例では、スリット部218を切り込み部218a〜218cからなるコの字型スリットとすることで、スリット部218が吸湿用スリット及び弾性低下用スリットとして機能する一体型スリットとして構成されている。また、このコの字型のスリット部218をテープ搬送方向の下流側に向けて開口させることで、テープ印刷時にロールテープ210が引き出し搬送されても、テープ印刷装置1の各種部材(例えば、ガイド部材97,98)にスリット部218が引っ掛かって剥離紙212が剥がれてしまう不具合が発生することを防止している。
また、図20に示すように、本実施例に係る巻芯220は、ホルダ軸部材40が嵌挿される貫通孔が形成された筒状体221と、筒状体221の外周面(筒状体221の円筒側面)から全周方向に突出した複数のレール状の突起部222とで構成されている。本実施例では、5つのレール状の突起部222が略均等間隔で、筒状体221に巻回されるロールテープ210のテープ長手方向と平行をなすように、筒状体221の外周面に各々形成されている。そして、巻芯220に巻回されたロールテープ210の最内面は、5つのレール状の突起部222の上端面において固定及び支持される。つまり、巻芯220に巻回されたロールテープ210は筒状体221に接触しないため、このロールテープ210の最内面では、筒状体221との間に形成された隙間である開口部223から外部の湿気と接触可能となっている。そのため、ロールテープ210(特に、記録媒体211)は、開口部223を介して内面側から吸湿可能である。すなわち、この巻芯220によって、ロールテープ210の内面側からの吸湿が促進される。
ところで、本実施例では、巻芯220に巻回される前のロールテープ210は屈曲されていないため、巻回前のロールテープ210では剥離紙212と記録媒体211とに曲率の差は生じない。一方、巻芯220にロールテープ210が密に巻回されたテープユニット200では、内側の記録媒体211の曲率は外側の剥離紙212の曲率と比べて大きい。そのため、ロールテープ210の内部には、剥離紙212と記録媒体211との曲率の差によって応力が生じることになる。
しかし、巻芯220に巻回されたロールテープ210では、吸湿用スリットであるスリット部218(切り込み部218a〜218c)から吸湿可能であるため、剥離紙212が屈曲及び伸長しやすく、また粘着剤層217が剥離紙212及び記録媒体211の間隙を流動変形しやすくなっている。さらに、弾性低下用スリットであるスリット部218(切り込み部218a)によって、剥離紙212の弾力性が低減されるため、剥離紙212がさらに屈曲及び伸長しやすくなっている。一方、巻芯220に巻回されたロールテープ210の最内面でも開口部223から吸湿可能となっているため、巻芯220に固定された記録媒体211が屈曲及び伸長しやすくなっている。
そして、かかる構成のテープユニット200では、巻芯220にロールテープ210が巻回されると、外側に位置する剥離紙212はテープ長手方向に伸びながら曲がる一方、内側に位置する記録媒体211は剥離紙212よりも大きな曲率で曲がる。また、剥離紙212と記録媒体211との曲率の差を緩衝するように、ロールテープ210の内部応力に応じて粘着剤層217が流動変形する。そして、時間の経過に従って、ロールテープ210が巻芯220に対して巻回された形状に徐々になじんでいき、ロールテープ210の形状は巻芯220に巻回された状態のままで安定化する。そのため、テープユニット200はその製造後に止めテープなどを使用しなくても、その保管時にロールテープ210がばらけることはない。
以上、本実施例に係るテープユニット200によれば、記録媒体211,粘着剤層217,剥離紙212とからなり、巻芯220に巻回されるロールテープ210において、スリット部218を剥離紙212に形成した。よって、吸湿用スリットであるスリット部218(切り込み部218a〜218c)により少なくとも粘着剤層217が吸湿可能となり、ロールテープ210がその内部応力に応じて曲がって形状が安定化する。さらに、弾性低下用スリットであるスリット部218(切り込み部218a)により剥離紙212の弾力性が低下するため、ロールテープ210の内部応力に応じて曲がりやすい。そのため、テープユニット200の保管時におけるロールテープ210のばらけを簡易かつ効果的に防止して、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、スリット部218は、ロールテープ210の搬送方向の下流に向けて開口するコの字型をなす、吸湿用スリットと弾性低下用スリットとが連通した一体型スリットである。よって、コの字型の一体型スリットを形成した簡易な構成で、ロールテープ210のばらけをより効果的に防止することができる。
また、ロールテープ210が巻回される巻芯220において、筒状体221の円筒側面に複数の突起部222を設けることで、ロールテープ210の最内面で吸湿可能とするための開口部223を形成した。よって、巻芯220に巻回されたロールテープ210において、曲率が高い最内面でも開口部223から吸湿可能となるため、ロールテープ210のばらけをより効果的に防止することができる。
(第2実施例)次に、テープユニット100の第2実施例としてテープユニット300について説明する。図21は、テープユニット300の外観斜視図である。図22は、ロールテープ310の先端側を展開した状態の平面図である。図23は、ロールテープ310の先端側を展開した状態の背面図である。図24は、ロールテープ310の先端側を展開した状態のB−B線における矢視方向断面図である。図25は、巻芯320の外観斜視図である。なお、ロールテープ310のうち、巻芯320に巻回される一端がロールテープ310の後端側とし、挿入口18内に挿入される他端がロールテープ310の先端側とする。また、図22及び図23における上方向及び図24における右方向が、ロールテープ310の先端側にあたる。
図21に示すように、本実施例に係るテープユニット300は、基本的な構成は第1実施例のテープユニット200と同様であり、巻芯320に対してロールテープ310が密に巻回されて構成されたテープカートリッジである。そして、このテープユニット300も、ロールテープ310を最後まで使いきれるように、ロールテープ310の後端側が巻芯320に接着固定せずに巻回している。なお、図21では、ロールテープ310の先端側が若干引き出された状態のテープユニット300を示している。以下では、第1実施例のテープユニット200と異なる点を中心に説明する。
そして、図22及び図24に示すように、本実施例に係るロールテープ310では、第1実施例のロールテープ210と同様に、記録媒体311,粘着剤層317,剥離紙312の三層構造となっている。一方、ロールテープ310は、ダイカット加工などが施されていないノーマルテープであり、任意の位置で切断して任意のサイズのラベル片を作成することができる。
また、図23及び図24に示すように、剥離紙312の裏面には、ロールテープ310のテープ幅方向の両端縁部において、長方形で黒く塗りつぶされたセンサマーク315が所定間隔離れて、ロールテープ310の長手方向に一定間隔で連続して印刷されている。一例として、センサマーク315は、長辺が5mm、短辺が1mmの長方形であり、各センサマーク315は、ピッチ2mmで印刷されている。
さらに、本実施例のロールテープ310では、剥離紙312においてテープ先端方向(すなわち、テープ搬送方向の下流側)を下方向とするTの字型に切れ込まれたスリット部318が、所定間隔で連続して複数形成されている。このスリット部318は、剥離紙312がテープ幅方向と平行に切り込まれた切り込み部318aと、その切り込み部318aの中央部と連通して剥離紙312がテープ長手方向と平行に切り込まれた切り込み部318bとで構成されている。
そして、巻芯220に巻回されたロールテープ310では、このスリット部318(切り込み部318a,318b)を介して、外部の湿気が剥離紙312及び粘着剤層317の両方に進入可能となる。すなわち、切り込み部318a,318bは、ロールテープ310(特に、剥離紙312と粘着剤層317)が吸湿を促進するための吸湿用スリットとして機能する。さらに、テープ幅方向に形成された切り込み部318aは、ロールテープ310(特に、剥離紙312)の弾力性が低下させる弾性低下用スリットとして機能する。なお、本実施例では、切り込み部318aが10mm,切り込み部318bが8mmである。また、粘着剤層317が吸湿可能とするために、スリット部318では少なくとも粘着剤層317に切れ込みが達する程度の切込み深さを有する。
ここで、本実施例では、スリット部318を切り込み部318a,318bからなるTの字型スリットとすることで、スリット部318が吸湿用スリット及び弾性低下用スリットとして機能する一体型スリットとして構成されている。また、このTの字型のスリット部318をテープ搬送方向の下流側を下方向とすることで、テープ印刷時にロールテープ310が引き出し搬送されても、テープ印刷装置1の各種部材(例えば、ガイド部材97,98)にスリット部318が引っ掛かって剥離紙312が剥がれてしまう不具合が発生することを防止している。
また、図25に示すように、本実施例に係る巻芯320は、ホルダ軸部材40が嵌挿される貫通孔が形成された筒状体321と、筒状体321の外周面(筒状体321の円筒側面)から軸線方向と平行に突出した複数のレール状の突起部322とで構成されている。本実施例では、4つのレール状の突起部322が略均等間隔で、筒状体321に巻回されるロールテープ310のテープ幅方向と平行をなすように、筒状体321の外周面に各々形成されている。そして、巻芯320に巻回されたロールテープ310の最内面は、4つのレール状の突起部322の上端面において固定及び支持される。つまり、巻芯320に巻回されたロールテープ310は筒状体321に接触しないため、このロールテープ310の最内面では、筒状体321との間に形成された隙間である開口部323から外部の湿気と接触可能となっている。そのため、ロールテープ310(特に、記録媒体311)は、開口部323を介して内面側から吸湿可能である。すなわち、この巻芯320によって、ロールテープ310の内面側からの吸湿が促進される。
ところで、本実施例では、巻芯320に巻回される前のロールテープ310は屈曲されていないため、巻回前のロールテープ310では剥離紙312と記録媒体311とに曲率の差は生じない。一方、巻芯320にロールテープ310が密に巻回されたテープユニット300では、内側の記録媒体311の曲率は外側の剥離紙312の曲率と比べて大きい。そのため、ロールテープ310の内部には、剥離紙312と記録媒体311との曲率の差によって応力が生じることになる。
しかし、巻芯320に巻回されたロールテープ310では、吸湿用スリットであるスリット部318(切り込み部318a,318b)から吸湿可能であるため、剥離紙312が屈曲及び伸長しやすく、また粘着剤層317が剥離紙312及び記録媒体311の間隙を流動変形しやすくなっている。さらに、弾性低下用スリットであるスリット部318(切り込み部318a)によって、剥離紙312の弾力性が低減されるため、剥離紙312がさらに屈曲及び伸長しやすくなっている。一方、巻芯320に巻回されたロールテープ310の最内面でも開口部323から吸湿可能となっているため、巻芯320に固定された記録媒体311が屈曲及び伸長しやすくなっている。
そして、かかる構成のテープユニット300では、巻芯320にロールテープ310が巻回されると、外側に位置する剥離紙312はテープ長手方向に伸びながら曲がる一方、内側に位置する記録媒体311は剥離紙312よりも大きな曲率で曲がる。また、剥離紙312と記録媒体311との曲率の差を緩衝するように、ロールテープ310の内部応力に応じて粘着剤層317が流動変形する。そして、時間の経過に従って、ロールテープ310が巻芯320に対して巻回された形状に徐々になじんでいき、ロールテープ310の形状は巻芯320に巻回された状態のままで安定化する。そのため、テープユニット300はその製造後に止めテープなどを使用しなくても、その保管時にロールテープ310がばらけることはない。
以上、本実施例に係るテープユニット300によれば、記録媒体311,粘着剤層317,剥離紙312とからなり、巻芯320に巻回されるロールテープ310において、、スリット部318を剥離紙312に形成した。よって、吸湿用スリットであるスリット部318(切り込み部318a,318b)により少なくとも粘着剤層317が吸湿可能となり、ロールテープ310がその内部応力に応じて曲がって形状が安定化する。さらに、弾性低下用スリットであるスリット部318(切り込み部318a)により剥離紙312の弾力性が低下するため、ロールテープ310の内部応力に応じて曲がりやすい。そのため、テープユニット300の保管時におけるロールテープ310のばらけを簡易かつ効果的に防止して、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、スリット部318は、ロールテープ310の搬送方向の下流を下方向とするTの字型をなす、吸湿用スリットと弾性低下用スリットとが連通した一体型スリットである。よって、Tの字型の一体型スリットを形成した簡易な構成で、ロールテープ310のばらけをより効果的に防止することができる。
また、ロールテープ310が巻回される巻芯320において、筒状体321の円筒側面に複数の突起部322を設けることで、ロールテープ310の最内面で吸湿可能とするための開口部323を形成した。よって、巻芯320に巻回されたロールテープ310において、曲率が高い最内面でも開口部323から吸湿可能となるため、ロールテープ310のばらけをより効果的に防止することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、本発明の「ロールテープ」は、上記実施例のものに限られず、各種形状のロールテープに本発明を適用できる。例えば、第1実施例では、円形状ラベルが剥離されるラベル片を作成するためのテープを例示したが、ラベルの形状や矩形状や星型などの任意のものとすることができ、またラベルの大きさや形成位置なども任意とすることができる。
さらに、上記実施例に係るロールテープ210,310では、「吸湿用スリット」と「弾性低下用スリット」とを兼ねる一体型スリット(スリット部218,318)が形成されているが、「吸湿用スリット」と「弾性低下用スリット」とを別々に形成してもよい。また、「吸湿用スリット」及び「弾性低下用スリット」の位置,数量,形状,大きさなども任意とすることができる。
さらに、上記実施例に係る巻芯220,320では、開口部223,323を形成するために、筒状体221,321に突起部222,322を各々設けている。しかし、有効にロールテープの最内面で吸湿可能とすることができれば、他の構成によって「巻芯」に「開口部」を形成するようにしてもよい。例えば、「巻芯」において、その円筒側面を貫通孔する複数の孔部を形成して、これをロールテープの最内面で吸湿可能とする「開口部」としてもよい。また、突起部222,322の位置,大きさ、形状なども任意とすることでき、例えば棒状に突起する複数の凸部を形成するようにしてもよい。