以下、発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(SPDIF単方向、送信側からクロック送信)
2.第2の実施の形態(SPDIF単方向、受信側からクロック送信)
3.第3の実施の形態(SPDIF双方向、送信側からクロック送信)
4.変形例
<1.第1の実施の形態>
[AVシステムの構成例]
図1は、実施の形態としてのAVシステム100の構成例を示している。このAVシステム100は、ディスクレコーダ等のソース機器110と、テレビ受信機等のシンク機器120とを有している。このAVシステム100において、ソース機器110およびシンク機器120はeHDMI対応機器である。ここで、eHDMI対応機器であるとは、HDMIケーブルを構成するリザーブラインおよびHPDラインによる通信路を用いた通信を行う通信部を有していることを意味する。
ソース機器110およびシンク機器120は、HDMIケーブル130を介して接続されている。すなわち、ソース機器110はHDMI端子111を備えており、シンク機器120はHDMI端子121を備えている。HDMIケーブル130の一端はソース機器110のHDMI端子111に接続され、このHDMIケーブル130の他端はシンク機器120のHDMI端子121に接続されている。
ソース機器110は、HDMI端子111に接続された、HDMI送信部112、ソース側送受信回路113、シンク機種検出回路116およびプラグ接続検出回路117を有している。ソース側送受信回路113には、イーサネット送受回路114およびSPDIF受信回路115が接続されている。
HDMI送信部112は、HDMIに準拠した通信により、ベースバンドの映像(画像)と音声のデータを、HDMI端子111から送出する。HDMI送信部112の詳細は後述する。
ソース側送受信回路113は、HDMIケーブル130を構成するリザーブラインおよびHPDラインを用いて伝送されるイーサネット信号をイーサネット送受信回路114とHDMIケーブル130との間でインタフェースする。また、ソース側送受信回路113は、HDMIケーブル130を構成するリザーブラインおよびHPDラインを用いて伝送されるSPDIF信号をSPDIF受信回路115とHDMIケーブル130との間でインタフェースする。ソース側送受信回路113の詳細は後述する。
SPDIF受信回路115は、SPDIF信号を受信するための回路である。このSPDIF受信回路115はSPDIF規格に準拠した受信回路である。SPDIF信号の詳細は後述する。イーサネット送受信回路114は、イーサネット信号を送受信するための回路であり、例えばインターネットプロトコル(IP)に準拠した双方向通信を行うものである。この場合、インターネットプロトコル(IP)の上位層としては、TCP(Transmission Control Protocol)やUDP(UserDatagram Protocol)を用いることができる。
シンク機種検出回路116は、HDMIケーブル130のリザーブラインを介して、シンク機器120がeHDMI対応機器であるか否かを検出する。プラグ接続検出回路117は、HDMIケーブル130のHPDラインに接続する端子の電位を基準電位と比較することにより、シンク機器120の接続を検出する。
シンク機器120は、HDMI端子121に接続された、HDMI受信部122、シンク側送受信回路123、ソース機種検出回路126およびプラグ接続伝達回路127を有している。シンク側送受信回路123には、イーサネット送受信回路124およびSPDIF送信回路125が接続されている。
HDMI受信部122は、HDMIに準拠した通信により、ソース機器から一方向に送信されてくるベースバンドの映像と音声のデータを、HDMI端子121を介して受信する。HDMI受信部122の詳細は後述する。
シンク側送受信回路123は、HDMIケーブル130を構成するリザーブラインおよびHPDラインを用いて伝送されるイーサネット信号を、イーサネット送受信回路124とHDMIケーブル130との間でインタフェースする。また、シンク側送受信回路123は、HDMIケーブル130を構成するリザーブラインおよびHPDラインを用いて伝送されるSPDIF信号をSPDIF送信回路125とHDMIケーブル130との間でインタフェースする。シンク側送受信回路123の詳細は後述する。
SPDIF送信回路125は、SPDIF信号を送信するための回路である。このSPDIF送信回路125はSPDIF規格に準拠した送信回路である。イーサネット送受信回路124は、ソース機器110のイーサネット送受信回路114と同様に、イーサネット信号を送受信するための回路であり、例えばインターネットプロトコル(IP)に準拠した双方向通信を行うものである。
ソース機種検出回路126は、HDMIケーブル130のリザーブラインを介して、ソース機器110がeHDMI対応機器であるか否かを検出する。プラグ接続伝達回路127は、HDMIケーブル130のHPDラインに接続する端子を所定の電圧にバイアスすることにより、ソース機器110にシンク機器が接続されている旨を伝達する。
図1に示すAVシステム100の動作を説明する。ソース機器110からシンク機器120に送信すべき映像および音声のデータは、HDMIに準拠した通信により、ソース機器110のHDMI送信部112からHDMIケーブル130を介してシンク機器120に送信される。また、シンク機器120のHDMI受信部122では、HDMIに準拠した通信により、ソース機器110からHDMIケーブル130を送信されてくる映像および音声のデータが受信される。シンク機器120では、例えば、このように取得された映像および音声のデータにより画像表示および音声出力が行われる。
また、ソース機器110のイーサネット送受信回路114と、シンク機器120のイーサネット送受信回路124との間で、HDMIケーブル130を介して、インターネットプロトコル(IP)に準拠した双方向通信、つまりイーサネット信号の送受信が行われる。また、シンク機器120のSPDIF送信回路125から送信されたSPDIF信号は、HDMIケーブル130を介して、ソース機器110のSPDIF受信回路115に供給される。そして、このSPDIF受信回路115においてSPDIF信号に対してデータ抽出処理、復号処理等が行われて、オーディオデータ等のデータが取得される。
[HDMI送信部、HDMI受信部等の構成例]
次に、HDMI送信部112およびHDMI受信部122の詳細を説明する。図2は、ソース機器110のHDMI送信部112と、シンク機器120のHDMI受信部122の構成例を示している。
HDMI送信部112は、一の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間から、水平帰線区間および垂直帰線区間を除いた区間である有効画像区間(以下、適宜、アクティブビデオ区間ともいう)において、非圧縮の1画面分の画像の画素データに対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部122に一方向に送信するとともに、水平帰線区間または垂直帰線区間において、少なくとも画像データ(ビデオ信号)に付随する音声データ(オーディオ信号)や制御データ、その他の補助データ等に対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部122に一方向に送信する。
すなわち、HDMI送信部112は、トランスミッタ81を有する。トランスミッタ81は、例えば、非圧縮の画像の画素データを対応する差動信号に変換し、複数のチャネルである3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMIケーブル130を介して接続されているHDMI受信部122に、一方向にシリアル伝送する。
また、トランスミッタ81は、非圧縮の画像に付随する音声データ、さらには、必要な制御データその他の補助データ等を、対応する差動信号に変換し、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2でHDMIケーブル130を介して接続されているHDMI受信部122に、一方向にシリアル伝送する。
さらに、トランスミッタ81は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で送信する画素データに同期したピクセルクロックを、TMDSクロックチャネルで、HDMIケーブル130を介して接続されているHDMI受信部122に送信する。ここで、1つのTMDSチャネル#i(i=0,1,2)では、ピクセルクロックの1クロックの間に、10ビットの画素データが送信される。
HDMI受信部122は、アクティブビデオ区間において、複数のチャネルで、HDMI送信部から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号を受信するとともに、水平帰線区間または垂直帰線区間において、複数のチャネルで、HDMI送信部112から一方向に送信されてくる、音声データや制御データに対応する差動信号を受信する。
すなわち、HDMI受信部122は、レシーバ82を有する。レシーバ82は、TMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMIケーブル130を介して接続されているHDMI送信部112から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号と、音声データや制御データに対応する差動信号を、同じくHDMI送信部112からTMDSクロックチャネルで送信されてくるピクセルクロックに同期して受信する。
HDMI送信部112とHDMI受信部122とからなるHDMIシステムの伝送チャネルには、HDMI送信部112からHDMI受信部122に対して、画素データおよび音声データを、ピクセルクロックに同期して、一方向にシリアル伝送するための伝送チャネルとしての3つのTMDSチャネル#0乃至#2と、ピクセルクロックを伝送する伝送チャネルとしてのTMDSクロックチャネルの他に、DDC(Display Data Channel)83やCECライン84と呼ばれる伝送チャネルがある。
DDC83は、HDMIケーブル130に含まれる図示しない2本の信号線からなり、HDMI送信部112が、HDMIケーブル130を介して接続されたHDMI受信部122から、E−EDID(Enhanced Extended Display Identification Data)を読み出すために使用される。
すなわち、HDMI受信部122は、HDMIレシーバ82の他に、自身の性能(Configuration/capability)に関する性能情報であるE−EDIDを記憶している、EDID ROM(Read Only Memory)85を有している。HDMI送信部112は、HDMIケーブル130を介して接続されているHDMI受信部122から、当該HDMI受信部122のE−EDIDを、DDC83を介して読み出し、そのE−EDIDに基づき、例えば、HDMI受信部122を有する電子機器が対応している画像のフォーマット(プロファイル)、例えば、RGB、YCbCr4:4:4、YCbCr4:2:2等を認識する。
CECライン84は、HDMIケーブル130に含まれる図示しない1本の信号線からなり、HDMI送信部112とHDMI受信部122との間で、制御用のデータの双方向通信を行うのに用いられる。
また、HDMIケーブル130には、HPD(Hot Plug Detect)と呼ばれるピンに接続されるHPDライン86が含まれている。ソース機器110は、当該HPDライン86を利用して、シンク機器120の接続を検出することができる。また、HDMIケーブル130には、ソース機器からシンク機器に電源を供給するために用いられる電源ライン87が含まれている。さらに、HDMIケーブル130には、リザーブライン88が含まれている。このリザーブライン88は、HDMI規格上は利用されていないラインである。
図3は、図2のHDMIトランスミッタ81とHDMIレシーバ82の構成例を示している。
トランスミッタ81は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2にそれぞれ対応する3つのエンコーダ/シリアライザ81A,81B,81Cを有する。そして、エンコーダ/シリアライザ81A,81B,81Cのそれぞれは、そこに供給される画像データ、補助データ、制御データをエンコードし、パラレルデータからシリアルデータに変換して、差動信号により送信する。ここで、画像データが、例えばR(赤),G(緑),B(青)の3成分を有する場合、B成分(B component)はエンコーダ/シリアライザ81Aに供給され、G成分(Gcomponent)はエンコーダ/シリアライザ81Bに供給され、R成分(R component)はエンコーダ/シリアライザ81Cに供給される。
また、補助データとしては、例えば、音声データや制御パケットがあり、制御パケットは、例えば、エンコーダ/シリアライザ81Aに供給され、音声データは、エンコーダ/シリアライザ81B,81Cに供給される。
さらに、制御データとしては、1ビットの垂直同期信号(VSYNC)、1ビットの水平同期信号(HSYNC)、および、それぞれ1ビットの制御ビットCTL0,CTL1,CTL2,CTL3がある。垂直同期信号および水平同期信号は、エンコーダ/シリアライザ81Aに供給される。制御ビットCTL0,CTL1はエンコーダ/シリアライザ81Bに供給され、制御ビットCTL2,CTL3はエンコーダ/シリアライザ81Cに供給される。
エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される画像データのB成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。
また、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される垂直同期信号および水平同期信号の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。
エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される画像データのG成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。
また、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される制御ビットCTL0,CTL1の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。
エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される画像データのR成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。
また、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される制御ビットCTL2,CTL3の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。
レシーバ82は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2にそれぞれ対応する3つのリカバリ/デコーダ82A,82B,82Cを有する。そして、リカバリ/デコーダ82A,82B,82Cのそれぞれは、TMDSチャネル#0,#1,#2で差動信号により送信されてくる画像データ、補助データ、制御データを受信する。さらに、リカバリ/デコーダ82A,82B,82Cのそれぞれは、画像データ、補助データ、制御データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、さらにデコードして出力する。
すなわち、リカバリ/デコーダ82Aは、TMDSチャネル#0で差動信号により送信されてくる画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Aは、その画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
リカバリ/デコーダ82Bは、TMDSチャネル#1で差動信号により送信されてくる画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Bは、その画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
リカバリ/デコーダ82Cは、TMDSチャネル#2で差動信号により送信されてくる画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Cは、その画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
図4は、HDMIの3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で各種の伝送データが伝送される伝送区間(期間)の例を示している。なお、図4は、TMDSチャネル#0,#1,#2において、横×縦が720×480画素のプログレッシブの画像が伝送される場合の、各種の伝送データの区間を示している。
HDMIの3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で伝送データが伝送されるビデオフィールド(Video Field)には、伝送データの種類に応じて、ビデオデータ区間(VideoData period)、データアイランド区間(Data Island period)、およびコントロール区間(Control period)の3種類の区間が存在する。
ここで、ビデオフィールド区間は、ある垂直同期信号の立ち上がりエッジ(activeedge)から次の垂直同期信号の立ち上がりエッジまでの区間であり、水平ブランキング期間(horizontalblanking)、垂直ブランキング期間(vertical blanking)、並びに、ビデオフィールド区間から、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間を除いた区間であるアクティブビデオ区間(Active Video)に分けられる。
ビデオデータ区間は、アクティブビデオ区間に割り当てられる。このビデオデータ区間では、非圧縮の1画面分の画像データを構成する720画素×480ライン分の有効画素(Active pixel)のデータが伝送される。
データアイランド区間およびコントロール区間は、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間に割り当てられる。このデータアイランド区間およびコントロール区間では、補助データ(Auxiliary data)が伝送される。
すなわち、データアイランド区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の一部分に割り当てられている。このデータアイランド区間では、補助データのうち、制御に関係しないデータである、例えば、音声データのパケット等が伝送される。
コントロール区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の他の部分に割り当てられている。このコントロール区間では、補助データのうちの、制御に関係するデータである、例えば、垂直同期信号および水平同期信号、制御パケット等が伝送される。
ここで、現行のHDMIでは、TMDSクロックチャネルで伝送されるピクセルクロックの周波数は、例えば165MHzであり、この場合、データアイランド区間の伝送レートは約500Mbps程度である。
図5は、HDMIコネクタのピン配列を示している。このピン配列は、タイプA(type-A)の例である。TMDSチャネル#iの差動信号であるTMDS Data#i+とTMDS Data#i−が伝送される差動線である2本のラインは、TMDS Data#i+が割り当てられているピン(ピン番号が1,4,7のピン)と、TMDS Data#i−が割り当てられているピン(ピン番号が3,6,9のピン)に接続される。
また、制御用のデータであるCEC信号が伝送されるCECライン84は、ピン番号が13であるピンに接続され、ピン番号が14のピンは空き(Reserved)ピンとなっている。また、E−EDID等のSDA(SerialData)信号が伝送されるラインは、ピン番号が16であるピンに接続され、SDA信号の送受信時の同期に用いられるクロック信号であるSCL(Serial Clock)信号が伝送されるラインは、ピン番号が15であるピンに接続される。上述のDDC83は、SDA信号が伝送されるラインおよびSCL信号が伝送されるラインにより構成される。
また、上述したようにソース機器がシンク機器の接続を検出するためのHPDライン86は、ピン番号が19であるピンに接続される。また、上述したように電源を供給するための電源ライン87は、ピン番号が18であるピンに接続される。
[SPDIF規格の概要]
次にSPDIF規格の概要について説明する。図6は、SPDIF規格におけるフレーム構成を示す図である。SPDIF規格では、各フレームは2つのサブフレームから構成される。2チャンネルステレオ音声の場合、1つ目のサブフレームに左チャンネル信号が含まれ、2つ目のサブフレームに右チャンネル信号が含まれる。
サブフレームの先頭には後述するようにプリアンブルが設けられ、左チャンネル信号にはプリアンブルとして「M」が、右チャンネル信号にはプリアンブルとして「W」が付与される。ただし、192フレーム毎に先頭のプリアンブルにはブロックの開始を表す「B」が付与される。すなわち、1ブロックは192フレームにより構成される。ブロックは、後述するチャンネルステータスを構成する単位である。
図7は、SPDIF規格におけるサブフレーム構成を示す図である。サブフレームは、第0乃至第31の計32のタイムスロットから構成される。第0乃至第3タイムスロットは、プリアンブル(Sync preamble)を示す。このプリアンブルは、上述のように左右チャンネルの区別やブロックの開始位置を表すために、「M」、「W」または「B」の何れかを示す。
第4乃至第27タイムスロットはメインデータフィールドであり、24ビットコードレンジが採用される場合には全体が音声データを表す。また、20ビットコードレンジが採用される場合には第8乃至第27タイムスロットが音声データ(Audio sample word)を表す。後者の場合、第4乃至第7タイムスロットは追加情報(Auxiliary sample bits)として利用することができる。
第28タイムスロットは、メインデータフィールドの有効フラグ(Validityflag)である。第29タイムスロットは、ユーザデータ(User data)の1ビット分を表す。各フレームにまたがってこの第29タイムスロットを累積することによって一連のユーザデータを構成することができる。このユーザデータのメッセージは8ビットの情報ユニット(IU:Information Unit)を単位として構成され、1つのメッセージには3乃至129個の情報ユニットが含まれる。
情報ユニット間には0乃至8ビットの「0」が存在し得る。情報ユニットの先頭は開始ビット「1」により識別される。メッセージ内の最初の7個の情報ユニットは予約されており、8個目以降の情報ユニットにユーザは任意の情報を設定することができる。メッセージ間は8ビット以上の「0」により分割される。
第30タイムスロットは、チャンネルステータス(Channel status)の1ビット分を表す。各フレームにまたがってブロック毎に第30タイムスロットを累積することによって一連のチャンネルステータスを構成することができる。なお、ブロックの先頭位置は、上述のように、プリアンブル(第0乃至第3タイムスロット)により示される。
第31タイムスロットは、パリティビット(Parity bit)である。第4乃至第31タイムスロットに含まれる「0」および「1」の数が偶数になるように、このパリティビットが付与される。
図8は、SPDIF規格における信号変調方式を示す図である。SPDIF規格では、サブフレームのうちプリアンブルを除く第4乃至第31タイムスロットがバイフェーズマーク変調される。このバイフェーズマーク変調の際には、元の信号(ソースコーディング)の2倍速のクロックが用いられる。元の信号のクロックサイクルを前半と後半に分けると、前半のクロックサイクルのエッジで、バイフェーズマーク変調の出力は必ず反転する。また、後半クロックサイクルのエッジにおいて、元の信号が「1」を示しているときには反転し、元の信号が「0」を示しているときには反転しない。これにより、バイフェーズマーク変調された信号から元の信号におけるクロック成分を抽出できることになる。
図9は、SPDIF規格におけるプリアンブルのチャンネルコーディングを示す図である。上述のように、サブフレームのうち第4乃至第31タイムスロットはバイフェーズマーク変調される。一方、第0乃至第3タイムスロットのプリアンブルは通常のバイフェーズマーク変調ではなく、2倍速のクロックに同期したビットパターンとして扱われる。すなわち、第0乃至第3タイムスロットの各タイムスロットに2ビットずつ割り当てることにより、同図のような8ビットパターンを得る。
直前の状態が「0」であれば、プリアンブル「B」には「11101000」が、「M」には「11100010」が、「W」には「1100100」がそれぞれ割り当てられる。一方、直前の状態が「1」であれば、プリアンブル「B」には「00010111」が、「M」には「00011101」が、「W」には「00011011」がそれぞれ割り当てられる。
図10は、SPDIF規格におけるチャンネルステータスのフォーマットを示す図である。チャンネルステータスは、サブフレームにおける第30タイムスロットをブロック毎に累積したものであり、同じサブフレームによって伝送されるオーディオチャンネルに関する情報を保持するものである。この図では、チャンネルステータスの内容が縦方向に1バイトずつ配置され、横方向には各バイトにおけるビット構成が示されている。なお、ここでは、民生用(Consumer use)のフォーマットを想定して説明する。
第0バイトにおいて、第0ビット目は、このチャンネルステータスが民生用であることを示すビットである。第1ビット目は、リニアPCMのサンプルであるか否かを示すビットである。第2ビット目は、著作権の設定されているソフトウェアであるか否かを示すビットである。第3乃至5ビットは、追加フォーマット情報(Additional format information)として、例えば、プリエンファシス(pre-emphasis)の有無などを含むフィールドである。第6および7ビットは、モードを示すフィールドである。
第1バイトは、カテゴリーコードを示すフィールドである。このカテゴリーコードは、オーディオ信号を生成する装置の機種を示すものである。このカテゴリーコードは、チャンネルステータスの先頭から数えて第8乃至15ビットに配置される。
第2バイトにおいて、第0乃至3ビットは、ソース番号を示すフィールドである。このソース番号は、ソースを識別する番号であり、「1」から「15」のレンジを示す。第4乃至7ビットは、チャンネル番号を示すフィールドである。このチャンネル番号は、右チャンネルか左チャンネルかを識別する番号である。
第3バイトにおいて、第0乃至3ビットは、サンプリング周波数を示すフィールドである。このサンプリング周波数として、例えば、「0000」は44.1KHzを表す。第4および5ビットは、クロック精度を示すフィールドである。このクロック精度は、精度のレベルを3段階で示す。
第4バイトにおいて、第0乃至3ビットは、ワード長を示すフィールドである。第0ビット目が「0」であれば最大サンプル長は20ビット、「1」であれば最大サンプル長は24ビットであることを意味する。そして、続く第1乃至3ビットにおいて具体的なビット数を特定することが可能である。第4および5ビットは、オリジナルサンプリング周波数を示すフィールドである。
第5バイト以降については、現行のSPDIF規格では定義されていない。例えば、オーディオデータが暗号化されているか否かを示す暗号化ビットとして、第5バイトの第2ビット目が使用可能である。すなわち、例えば、シンク機器委120からの信号のチャンネルステータスにおいて、第5バイトの第2ビット目が「1」を示している場合には、シンク機器120からのオーディオデータが暗号化されていることを意味する。一方、シンク機器委120からの信号のチャンネルステータスにおいて、第5バイトの第2ビット目が「0」を示している場合には、シンク機器120からのオーディオデータが暗号化されていないことを意味する。
図11は、SPDIF規格におけるユーザデータのフォーマットを示す図である。ユーザデータは、サブフレームにおける第29タイムスロットをブロック毎に累積したものである。上述のように、ユーザデータのメッセージは、8ビットの情報ユニット(IU)を単位として構成され、1つのメッセージには3乃至129個の情報ユニットが含まれる。また、メッセージ間は8ビット以上の「0」により分割され、情報ユニットの先頭は開始ビット「1」により識別される。
先頭の情報ユニットは、図11(a)に示すように、モードおよびアイテムを含む。モードは、メッセージのクラスを示すフィールドであり、例えばプリセット情報などを示す。アイテムは、メッセージのタイプをさらに定義するためのフィールドである。 2番目の情報ユニットは、図11(b)に示すように、情報ユニットの数を含む。先頭ビットを除く7ビットにより、「1」から「127」のレンジで情報ユニットの数を示すことができる。
3番目の情報ユニットは、図11(c)に示すように、カテゴリーコードを含む。このカテゴリーコードは、図10のチャンネルステータスの第1バイトにより示されるオーディオデータの生成元におけるカテゴリーコードである。ユーザデータでは情報ユニットの先頭ビットが開始ビットとなるため、有効なデータは7ビット分である。この7ビットは、チャンネルステータスにおける第8乃至14ビットに相当する。第15ビット目であるLビットは、商用のプリレコードソフトウェアを示すビットであるため、このユーザデータのメッセージには含まれない。
4乃至7番目の情報ユニットは、図11(d)に示すように、3つのユーザ情報X、YおよびZを含む。これら3つのユーザ情報としては1バイト(8ビット)ずつ割り当てられている。
[ソース側送受信回路、シンク側送受信回路等の構成例]
図12は、ソース機器110のソース側送受信回路113、シンク機種検出回路116、プラグ接続検出回路117等の構成例を示している。イーサネット送受信回路114は、HDMIケーブル130を構成する複数のラインのうち、1対のラインにより構成された伝送路を用いてLAN(Local Area Network)通信、つまりイーサネット信号の送受信を行う。この実施の形態において、一対のラインは、空き(Reserve)ピン(14ピン)に対応したリザーブラインおよびHPDピン(19ピン)に対応したHPDラインである。
また、SPDIF受信回路115は、上述の一対のラインにより構成された伝送路を用いて、SPDIF信号を受信する。そして、このSPDIF受信回路115は、1対のラインにより構成された伝送路を用いてSPDIF信号に同期したクロック信号が送信されてくる場合には、当該クロック信号の使用が可能とされている。
ソース機器110は、LAN信号送信回路411、終端抵抗412、AC結合容量413,414、LAN信号受信回路415、減算回路416、増幅器417,418、加算回路419および増幅器420を有している。これらは、ソース側送受信回路113を構成している。また、ソース機器110は、シンク機種検出回路116を構成する、プルアップ抵抗421、抵抗422、容量423および比較器424を有している。ここで、抵抗422および容量423はローパスフィルタを構成している。
また、ソース機器110は、プラグ接続検出回路117を構成する、プルダウン抵抗431、抵抗432、容量433および比較器434を有している。ここで、抵抗432および容量433は、ローパスフィルタを構成している。また、ソース機器110は、クロック生成回路435および切換スイッチ436を有している。
電源線(+5.0V)と接地線との間には、プルアップ抵抗421、AC結合容量413、終端抵抗412、AC結合容量414およびプルダウン抵抗431の直列回路が接続される。AC結合容量413と終端抵抗412の互いの接続点P1は、LAN信号送信回路411の正出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路415の正入力側に接続される。また、AC結合容量414と終端抵抗412の互いの接続点P2は、LAN信号送信回路411の負出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路415の負入力側に接続される。LAN信号送信回路411の入力側には、イーサネット送受信回路114から差動入力の増幅器417を介して送信信号(送信データ)SG411が供給される。
また、減算回路416の正側端子には、LAN信号受信回路415の出力信号SG412が供給され、この減算回路416の負側端子には、送信信号(送信データ)SG411が供給される。この減算回路416では、LAN信号受信回路415の出力信号SG412から送信信号SG411が減算され、受信信号SG413が得られる。
この受信信号SG413は、増幅器418を介して、差動出力としてイーサネット送受信回路114に供給されると共に、切換スイッチ436のb側の固定端子に供給される。この受信信号SG413は、リザーブラインおよびHPDラインを介して、LAN信号(イーサネット信号)が差動信号として送信されてくる場合には、当該LAN信号となる。一方、この受信信号SG413は、リザーブラインおよびHPDラインを介して、クロック信号が差動信号として送信されてくる場合には、当該クロック信号となる。
また、プルアップ抵抗421およびAC結合容量413の互いの接続点Q1は、抵抗422および容量423の直列回路を介して接地線に接続される。そして、抵抗422および容量423の互いの接続点に得られるローパスフィルタの出力信号は比較器424の一方の入力端子に供給される。この比較器424では、ローパスフィルタの出力信号が他方の入力端子に供給される基準電圧Vref1(+3.75V)と比較される。この比較器424の出力信号SG414は、ソース機器110の図示しない制御部(CPU)に供給される。
また、AC結合容量414およびプルダウン抵抗431の互いの接続点Q2は、抵抗432および容量433の直列回路を介して接地線に接続される。そして、抵抗432および容量433の互いの接続点に得られるローパスフィルタの出力信号は比較器434の一方の入力端子に供給される。この比較器434では、ローパスフィルタの出力信号が他方の入力端子に供給される基準電圧Vref2(+1.4V)と比較される。この比較器434の出力信号SG415は、ソース機器110の図示しない制御部(CPU)に供給される。
また、AC結合容量413と終端抵抗412の互いの接続点P1は、加算回路419の一方の入力端子に接続される。また、AC結合容量414と終端抵抗412の互いの接続点P2は、加算回路419の他方の入力端子に接続される。この加算回路419の出力信号は、増幅器420を介してSPDIF受信回路115に供給されると共に、クロック生成回路435に供給される。この加算回路419の出力信号は、リザーブラインおよびHPDラインを介して、SPDIF信号が同相信号として送信されてくる場合には、当該SPDIF信号となる。
クロック生成回路435はPLL回路を備えており、SPDIF信号が供給される場合には、このSPDIF信号を参照信号として、このSPDIF信号に同期したクロック信号を生成する。このクロック生成回路435で生成されたクロック信号は切換スイッチ436のa側の固定端子に供給される。そして、この切換スイッチ436の可動端子に得られるクロック信号はSPDIF受信回路115に動作クロックとして供給される。
切換スイッチ436は、図示しない制御部(CPU)により、その切り換えが制御される。切換スイッチ436は、シンク機器120側から送られてくるクロック信号を使用する場合にはb側に接続される。一方、切換スイッチ436は、クロック生成回路435で生成されたクロック信号を使用する場合にはa側に接続される。
図13は、シンク機器120のシンク側送受信回路123、ソース機種検出回路126、プラグ接続伝達回路127等の構成例を示している。イーサネット送受信回路124は、HDMIケーブル130を構成する複数のラインのうち、1対のラインにより構成された伝送路を用いてLAN(Local Area Network)通信、つまりイーサネット信号の送受信を行う。この実施の形態において、一対のラインは、上述したように、空き(Reserve)ピン(14ピン)に対応したリザーブラインおよびHPDピン(19ピン)に対応したHPDラインである。
また、SPDIF送信回路125は、上述の一対のラインにより構成された伝送路を用いて、SPDIF信号を送信する。クロック生成回路452で生成された、SPDIF信号に同期したクロック信号を、上述の一対のラインにより構成された伝送路を用いて送信することが可能とされている。
シンク機器120は、LAN信号送信回路441、終端抵抗442、AC結合容量443,444、LAN信号受信回路445、減算回路446、増幅器447,448、加算回路449,450および増幅器451を有している。これらは、シンク側送受信回路123を構成している。また、シンク機器120は、ソース機種検出回路126を構成する、プルダウン抵抗454、抵抗455、容量456および比較器457を有している。ここで抵抗455および容量456はローパスフィルタを構成している。
また、シンク機器120は、プラグ接続伝達回路127を構成する、チョークコイル461、抵抗462および抵抗463を有している。また、シンク機器120は、クロック生成回路452および接続スイッチ453を有している。
電源線(+5.0V)と接地線との間には、抵抗462および抵抗463の直列回路が接続される。そして、この抵抗462と抵抗463の互いの接続点と、接地線との間には、チョークコイル461、AC結合容量444、終端抵抗442、AC結合容量443およびプルダウン抵抗454の直列回路が接続される。
AC結合容量443と終端抵抗442の互いの接続点P3は、加算回路449の出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路445の正入力側に接続される。また、AC結合容量444と終端抵抗442の互いの接続点P4は、加算回路450の出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路445の負入力側に接続される。
また、加算回路449の一方の入力側はLAN信号送信回路441の正出力側に接続され、この加算回路449の他方の入力側にはSPDIF送信回路125から出力されるSPDIF信号が増幅器451を介して供給される。また、加算回路450の一方の入力側はLAN信号送信回路441の負出力側に接続され、この加算回路450の他方の入力側にはSPDIF送信回路125から出力されるSPDIF信号が増幅器451を介して供給される。
LAN信号送信回路441の入力側には、イーサネット送受信回路124から差動入力の増幅器447を介して送信信号(送信データ)SG417が供給される。また、減算回路446の正側端子には、LAN信号受信回路445の出力信号SG418が供給され、この減算回路446の負側端子には、送信信号SG417が供給される。この減算回路446では、LAN信号受信回路445の出力信号SG418から送信信号SG417が減算され、受信信号(受信データ)SG419が得られる。この受信信号SG419は、リザーブラインおよびHPDラインを介して、LAN信号(イーサネット信号)が差動信号として送信されてくる場合には、当該LAN信号となる。この受信信号SG419は、増幅器448を介して、差動出力としてイーサネット送受信回路124に供給される。
また、プルダウン抵抗454およびAC結合容量443の互いの接続点Q3は、抵抗455および容量456の直列回路を介して接地線に接続される。そして、抵抗455および容量456の互いの接続点に得られるローパスフィルタの出力信号は比較器457の一方の入力端子に供給される。この比較器457では、ローパスフィルタの出力信号が他方の入力端子に供給される基準電圧Vref3(+1.25V)と比較される。この比較器457の出力信号SG416は、シンク機器120の図示しない制御部(CPU)に供給される。
また、クロック生成回路452から出力されるクロック信号はSPDIF送信回路125に動作クロックとして供給される。そのため、SPDIF送信回路125から出力されるSPDIF信号は、クロック生成回路452から出力されるクロック信号に同期したものとなる。また、クロック生成回路452から出力されるクロック信号は、接続スイッチ453を介してLAN信号送信回路441の入力側に供給される。接続スイッチ453は、図示しない制御部(CPU)により、その接続が制御される。接続スイッチ453は、ソース機器110側にクロック信号を送信する場合には接続状態とされる。一方、接続スイッチ453は、ソース機器110側にクロック信号を送信しない場合には非接続状態とされる。
図12、図13に示すように、HDMIケーブル130に含まれるリザーブライン501およびHPDライン502は、ツイストペアを構成している。リザーブライン501のソース側端511は、ソース機器110のHDMI端子111の14ピンに接続され、当該リザーブライン501のシンク側端521はシンク機器120のHDMI端子121の14ピンに接続される。また、HPDライン502のソース側端512はソース機器110のHDMI端子111の19ピンに接続され、当該HPDライン502のシンク側端522はシンク機器120のHDMI端子121の19ピンに接続される。
ソース機器110において、上述したプルアップ抵抗421とAC結合容量413の互いの接続点Q1は、HDMI端子111の14ピンに接続される。また、ソース機器110において、上述したプルダウン抵抗431とAC結合容量414の互いの接続点Q2はHDMI端子111の19ピンに接続される。
一方、シンク機器120において、上述したプルダウン抵抗454とAC結合容量443の互いの接続点Q3はHDMI端子121の14ピンに接続される。また、シンク機器120において、上述したチョークコイル461とAC結合容量444の互いの接続点Q4はHDMI端子121の19ピンに接続される。
[LAN通信動作]
図12、図13に示す構成において、LAN通信の動作を説明する。ソース機器110において、送信信号(送信データ)SG411はイーサネット送受信回路114から増幅器417を介してLAN信号送信回路411の入力側に供給される。このLAN信号送信回路411から送信信号SG411に対応した差動信号(正出力信号、負出力信号)が出力される。この差動信号は、接続点P1,P2に供給され、HDMIケーブル130の1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、シンク機器120に送信される。
また、シンク機器120において、送信信号(送信データ)SG417はイーサネット送受信回路124から増幅器447を介してLAN信号送信回路441の入力側に供給される。このLAN信号送信回路441から送信信号SG417に対応した差動信号(正出力信号、負出力信号)が出力される。この差動信号は、接続点P3,P4に供給され、HDMIケーブル130の1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、ソース機器110に送信される。
また、ソース機器110において、LAN信号受信回路415の入力側は接続点P1,P2に接続されている。そのため、LAN信号受信回路415の出力信号SG412として、LAN信号送信回路411から出力された差動信号(電流信号)に対応した送信信号と、上述したようにシンク機器120から送信されてくる差動信号に対応した受信信号との加算信号が得られる。減算回路416では、LAN信号受信回路415の出力信号SG412から送信信号SG411が減算される。そのため、減算回路416の出力信号SG413は、シンク機器120の送信信号(送信データ)SG417に対応したものとなる。この出力信号SG413は、増幅器418を介してイーサネット送受信回路114に供給される。
また、シンク機器120において、LAN信号受信回路445の入力側は接続点P3,P4に接続されている。そのため、当該LAN信号受信回路445の出力信号SG418として、LAN信号送信回路441から出力された差動信号(電流信号)に対応した送信信号と、上述したようにソース機器110から送信されてくる差動信号に対応した受信信号との加算信号が得られる。減算回路446では、LAN信号受信回路445の出力信号SG418から送信信号SG417が減算される。そのため、この減算回路446の出力信号SG419は、ソース機器110の送信信号(送信データ)SG411に対応したものとなる。この出力信号SG419は、増幅器448を介してイーサネット送受信回路124に供給される。
このように、ソース機器110のイーサネット送受信回路114と、シンク機器120のイーサネット送受信回路124との間では、双方向のLAN信号(イーサネット信号)の通信を行うことができる。
[SPDIF信号の伝送動作]
図12、図13に示す構成において、SPDIF信号の伝送動作を説明する。シンク機器120において、SPDIF送信回路125から出力されるSPDIF信号は、増幅器451および加算回路449,450を介して、接続点P3,P4に供給される。これにより、SPDIF信号は、同相信号として、HDMIケーブル130の1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、ソース機器110に送信される。
また、ソース機器110において、接続点P1,P2はそれぞれ加算回路419の入力側に接続されている。そのため、加算回路419の出力信号として、シンク機器120から送信されてくる同相信号に対応したSPDIF信号が得られる。そして、このSPDIF信号はSPDIF受信回路115に供給される。
[クロック信号]
SPDIF受信回路115では、SPDIF信号に対して、当該SPDIF信号に対応したクロック信号に基づいて、データ抽出処理、復号処理等が行われて、オーディオデータが取得される。SPDIF受信回路115では、ソース機器110が持つクロック生成回路435で生成されたクロック信号、あるいは、シンク機器120から送信されてくるクロック信号CLKのいずれかが使用される。
まず、クロック生成回路435で生成されたクロック信号が使用される状態について説明する。この場合、シンク機器120において、接続スイッチ453は非接続状態とされ、クロック生成回路452で生成されたクロック信号CLKは、ソース機器110に送信されない。また、この場合、ソース機器110において、切換スイッチ436はa側に接続される。これにより、クロック生成回路435で生成されたクロック信号がSPDIF受信回路115に供給される。
なお、クロック生成回路435で生成されるクロック信号は、SPDIF信号を参照信号としてPLL回路で発生されたものであり、当該SPDIF信号に同期したものとなっている。従って、SPDIF受信回路115では、SPDIF信号に対して、当該SPDIF信号に同期したクロック信号CLKに基づいて、データ抽出処理、復号処理等が行われて、オーディオデータ等のデータが取得される。
次に、シンク機器120から送信されてくるクロック信号CLKが使用される状態について説明する。シンク機器120において、接続スイッチ453は接続状態とされる。クロック生成回路452で生成されるクロック信号CLKは、LAN信号送信回路441の入力側に供給される。このLAN信号送信回路441から、クロック信号CLKに対応した差動信号(正出力信号、負出力信号)が出力される。この差動信号は、接続点P3,P4に供給され、HDMIケーブル130の1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、ソース機器110に送信される。
また、ソース機器110において、切換スイッチ436は、b側に接続される。そして、ソース機器110において、LAN信号受信回路415の入力側は接続点P1,P2に接続されている。そのため、LAN信号受信回路415の出力信号SG412、従って減算回路416のSG413は、シンク機器120から送信されたクロック信号CLKとなる。このクロック信号CLKは、切換スイッチ436を介して、SPDIF受信回路115に供給される。
なお、SPDIF受信回路115に供給されるSPDIF信号は、シンク機器120のSPDIF送信回路125において、クロック生成回路452で生成されたクロック信号CLKを動作クロックとして得られたものである。そのため、ソース機器110において、SPDIF受信回路115に供給されるシンク機器120から送信されてきたクロック信号CLKは、当該SPDIF受信回路115に供給される受信SPDIF信号に同期したものとなっている。従って、SPDIF受信回路115では、SPDIF信号に対して、当該SPDIF信号に同期したクロック信号CLKに基づいて、データ抽出処理、復号処理等が行われて、オーディオデータ等のデータが取得される。
[機種検出、プラグ接続検出]
なお、図12、図13において、HPDライン502は、上述のLAN通信の他に、DCバイアスレベルで、HDMIケーブル130がシンク機器120に接続されたことをソース機器110に伝達する。すなわち、シンク機器120内の抵抗462,463とチョークコイル461は、HDMIケーブル130がシンク機器120に接続されるとき、HPDライン502を、HDMI端子121の19ピンを介して、約4Vにバイアスする。ソース機器110は、HPDライン502のDCバイアスを、抵抗432と容量433からなるローパスフィルタで抽出し、比較器434で基準電圧Vref2(例えば、1.4V)と比較する。
ソース機器110のHDMI端子111の19ピンの電圧は、HDMIケーブル130がシンク機器120に接続されていなければ、プルダウン抵抗431が存在するために基準電圧Vref2より低く、逆に、HDMIケーブル130がシンク機器120に接続されていれば基準電圧Vref2より高い。したがって、比較器434の出力信号SG415は、HDMIケーブル130がシンク機器120に接続されているときは高レベルとなり、そうでないときは低レベルとなる。これにより、ソース機器120の図示しない制御部(CPU)は、比較器434の出力信号SG415に基づいて、HDMIケーブル130がシンク機器120に接続されたか否かを認識できる。
また、図12、図13において、リザーブライン501のDCバイアス電位で、HDMIケーブル130の両端に接続された機器がeHDMI対応機器であるか、eHDMI非対応機器であるかを、相互に認識する機能を有している。
上述したように、ソース機器110はリザーブライン501を抵抗421でプルアップ(+5V)し、シンク機器120はリザーブライン501を抵抗454でプルダウンする。抵抗421,454は、eHDMI非対応機器には存在しない。
ソース機器110は、上述したように、比較器424で、抵抗422および容量423からなるローパスフィルタを通過したリザーブライン501のDC電位を基準電圧Vref1と比較する。シンク機器120が、eHDMI対応機器でプルダウン抵抗454があるときには、リザーブライン501の電圧が2.5Vとなる。しかし、シンク機器120が、eHDMI非対応機器でプルダウン抵抗454がないときには、リザーブライン501の電圧がプルアップ抵抗421の存在により5Vとなる。
そのため、基準電圧Vref1が例えば3.75Vとされることで、比較器424の出力信号SG414は、シンク機器120がeHDMI対応機器であるときは低レベルとなり、そうでないときは高レベルとなる。これにより、ソース機器110の図示しない制御部(CPU)は、比較器424の出力信号SG414に基づいて、シンク機器120がeHDMI対応機器であるか否かを認識できる。
同様に、シンク機器120は、上述したように、比較器457で、抵抗455および容量456からなるローパスフィルタを通過したリザーブライン501のDC電位を基準電圧Vref3と比較する。ソース機器110が、eHDMI対応機器でプルアップ抵抗421があるときには、リザーブライン501の電圧が2.5Vとなる。しかし、ソース機器110が、eHDMI非対応機器でプルアップ抵抗421がないときには、リザーブライン501の電圧がプルダウン抵抗454の存在により0Vとなる。
そのため、基準電圧Vref3が例えば1.25Vとされることで、比較器457の出力信号SG416は、ソース機器110がeHDMI対応機器であるときは高レベルとなり、そうでないときは低レベルとなる。これにより、シンク機器120の図示しない制御部(CPU)は、比較器457の出力信号SG416に基づいて、ソース機器110がeHDMI対応機器であるか否かを認識できる。
なお、図12に示したプルアップ抵抗421が、ソース機器110内ではなく、HDMIケーブル130内に設けられているようにしてもよい。そのような場合、プルアップ抵抗421の端子のそれぞれは、HDMIケーブル130内に設けられたラインのうち、リザーブライン501、および電源(電源電位)に接続されるラインのそれぞれに接続される。
さらに、図13に示したプルダウン抵抗454および抵抗463がシンク機器120内ではなく、HDMIケーブル130内に設けられているようにしてもよい。そのような場合、プルダウン抵抗454の端子のそれぞれは、HDMIケーブル130内に設けられたラインのうち、リザーブライン501、およびグランド(基準電位)に接続されるラインのそれぞれに接続される。また、抵抗463の端子のそれぞれは、HDMIケーブル130内に設けられたラインのうち、HPDライン502、およびグランド(基準電位)に接続されるラインのそれぞれに接続される。
上述したように、シンク機器120はソース機器110にクロック信号を、リザーブラインおよびHPDラインからなる伝送路を介して、差動信号として送ることが可能とされている。一方、ソース機器110はシンク機器120からリザーブラインおよびHPDラインからなる伝送路を介して、差動信号として送られてくるクロック信号を抽出して使用することが可能とされている。
このようにソース機器110側において、シンク機器120からクロック信号を送ってもらってそれを使用する状態とするか、あるいは、自身が持つクロック生成回路435で生成されたクロック信号を使用する状態とするかは、予め設定される。この設定は、例えば、後述するように、ソース機器110とシンク機器120との間でクロック信号に関するCDCメッセージが交換されることで行われる。例えば、シンク機器120がクロック信号の送信をサポートしており、ソース機器110がクロック信号の受信をサポートしている場合には、シンク機器120からソース機器110にクロック信号を送信する状態に設定される。
なお、シンク機器120からソース機器110へのクロック信号は、リザーブラインおよびHPDラインからなる伝送路を、差動信号として送信される。上述したように、ソース機器110とシンク機器120との間のLAN信号(イーサネット信号)も、リザーブラインおよびHPDラインからなる伝送路を、差動信号として送信される。そのため、シンク機器120からソース機器110へのクロック信号は、ソース機器110とシンク機器120との間でLAN信号(イーサネット信号)の通信が行われているときは行われない。これにより、LAN信号(イーサネット信号)の通信にクロック信号が影響を及ぼさないようにされる。
図14は、上述の実施の形態におけるリザーブラインおよびHPDラインを使用した動作をまとめて示している。14番ピンはリザーブライン501に対応し、19番ピンはHPDライン502に対応する。イーサネット信号またはSPDIF信号の何れも伝送されない場合には、従来のHDMI規格の動作になる。イーサネット信号が伝送される場合には、14番ピンにイーサネット信号の正極信号が重畳され、19番ピンにイーサネット信号の負極信号が重畳される。
また、SPDIF信号が伝送される場合には、14番ピンおよび19番ピンにSPDIF信号の正極信号が重畳される。なお、この場合、SPDIF信号に同期したクロック信号CLKの伝送が可能である。クロック信号CLKが伝送される場合には、14番ピンにクロック信号CLKの正極信号が重畳され、19番ピンにクロック信号CLKの負極信号が重畳される。
さらに、イーサネット信号およびSPDIF信号の両者が伝送される場合には、14番ピンにイーサネット信号の正極信号およびSPDIF信号の正極信号が重畳され、19番ピンにイーサネット信号の負極信号およびSPDIF信号の正極信号が重畳される。なお、この場合、イーサネット信号の伝送に影響を及ぼすことから、SPDIF信号に同期したクロック信号CLKの伝送はできない。
[機能情報の送受信]
上述のAVシステム100においては、ソース機器110およびシンク機器120では、互いに相手側の機能情報を取得することが行われ、その機能情報に基づいてLAN信号(イーサネット信号)の伝送、SPDIF信号の伝送等が選択的に行われる。
ここで、CECライン(CECチャネル)を用いた機能情報の送受信について説明する。このCECラインでは、ソース機器とシンク機器の間で、双方向に、制御データの伝送が可能となっている。上述の機能情報は、例えば、CEC(Consumer Electronics Control)データあるいはCDC(CapabilityDiscovery Channel)データとして、ソース機器からシンク機器に、あるいはシンク機器からソース機器に送られる。
図15は、CECラインで伝送されるCECデータの構造を示している。CECラインでは、10ビットデータからなる1ブロックが、4.5m秒で伝送される。先頭にスタートビットが配置され、それに続いて、ヘッダブロックが配置され、その後に、実際に伝送したいデータが含まれる任意の個数(n個)のデータブロックが配置される。機能情報は、データブロックに含まれる。
図16は、ヘッダブロックの構造例を示した図である。ヘッダブロックには、送信元(Initiator)の論理アドレス(Logical Address)と、あて先(Destination)の論理アドレス(Logical Address)とが配置される。各論理アドレスは、各機器の種類に応じて設定される。
図17は、各機器の種類に応じて設定される論理アドレスを示している。図17に示すように、機器の種類毎に、“0”から“15”までの16種類のアドレス値が設定されている。図16のヘッダブロックを構成する送信元(Initiator)の論理アドレスおよびあて先(Destination)の論理アドレスには、対応するアドレス値が4ビットで配置される。
次に、CDCデータについて説明する。CDCは、物理層はCECと同じであるが、論理層はCECとは異なるものとして定義される。CDCデータの構造は、図示しないが、図15に示すCECのデータ構造と同様の構造とされ、先頭にスタートビットが配置され、それに続いて、ヘッダブロックが配置され、その後に、実際に伝送したいデータが含まれる任意の個数(n個)のデータブロックが配置された構造とされる。
また、CDCデータのヘッダブロックの構造は、図示しないが、図16に示すCECデータのヘッダブロックと構造的には同一とされている。しかし、ヘッダブロックを構成する送信元(Initiator)の論理アドレスおよびあて先(Destination)の論理アドレスとして、機器の種類に依らずに、常に、“15”が使用される。つまり、送信元(Initiator)に関しては不明(Unregistered)とされ、あて先(Destination)に関してはブロードキャスト(Broadcast)とされる。
このようにCDCデータの伝送にあっては、ヘッダブロックに配置される送信元およびあて先の論理アドレス(Logical Address)としていずれも“15”が使用されるので、各機器の論理アドレスを取得する必要はない。CDCデータによるメッセージ(CDCメッセージ)は、CECにとっては、送信元が不明なブロードキャストメッセージということになり、どの機器がどの機器に宛てたメッセージであるか分からない。
そこで、CDCメッセージにあっては、物理的な接続パスを識別するために、データブロックに配置されるメッセージの中に、送信元(Initiator)およびあて先(Target)の物理アドレス(Physical Address)を必ず含むようにされる。つまり、CDCメッセージの送信にあっては、論理アドレスを使用せずに、物理アドレスを使用する。
CECは、ブロードキャストメッセージに関しては、〈Feature Abort〉「それは対応していない」というメッセージを返すことができない。そこで、CDCとしては、この状況を考えて、必ずメッセージを返すことにする。
[CDCメッセージの一例]
ここでは、CDCデータのデータブロックに配置されるコマンドメッセージとして、〈ExchangeSupported Channels Info〉メッセージと、〈Activate SupportedChannels〉メッセージを定義する。〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージは、2つの機器の間で機能情報を交換する際に用いられるメッセージである。また、〈Activate Supported Channels〉メッセージは、2つの機器の間で実際に起動(Activate)するチャネル(伝送フォーマット)を確認して通信を開始する際に用いられるメッセージである。各メッセージは、例えば、以下のような、データ構造をとる。
〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージについて説明する。この〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージは、第1〜第5の5バイトのデータを有している。第1バイトおよび第2バイトには送信元(Initiator)の物理アドレス(Physical Address)が配置され、第3バイトおよび第4バイトにはあて先(Target)の物理アドレス(Physical Address)が配置されている。
また、第5バイトに、送信元(Initiator)の機能情報が配置される。この機能情報は、自身がeHDMI対応機器であることを示す情報であり、自身が対応し得るチャネル、つまり自身が対応し得る伝送フォーマット(アプリケーション)の情報を含んでいる。
第5バイトの1ビット、例えば第7ビット(最上位ビット)は、自身がeHDMI対応機器であって、上述のSPDIF信号の伝送フォーマット(アプリケーション)に対応しているか、つまり[Audio Return Channel]をサポートしているか否かを示す。この第5バイトの1ビットは、サポートしているときは“1”とされ、サポートしていないときは“0”とされる。
また、第5バイトの他の1ビット、例えば第6ビットは、自身がeHDMI対応機器であって、上述のイーサネット信号の伝送フォーマット(アプリケーション)に対応しているか、つまり[Ethernet Channel]をサポートしているか否かを示す。この第5バイトの他の1ビットは、サポートしているときは“1”とされ、サポートしていないときは“0”とされる。
また、第5バイトの残りの6ビット、例えば、第5ビット〜第0ビットは、リザーブビットとされ、全て“0”とされる。
次に、〈Activate Supported Channels〉メッセージについて説明する。この〈Activate Supported Channels〉メッセージは、第1〜第5の5バイトのデータを有している。第1バイトおよび第2バイトには送信元(Initiator)の物理アドレス(Physical Address)が配置され、第3バイトおよび第4バイトにはあて先(Target)の物理アドレス(Physical Address)が配置されている。
また、第5バイトに、送信元(Initiator)が起動を求めるチャネル(伝送フォーマット)の情報が配置される。第5バイトの1ビット、例えば第7ビットは、自身がSPDIF信号の通信、つまり[Audio Return Channel]のチャネルの起動を求めるか否かを示す。この第5バイトの1ビットは、起動を求めるときは“1”とされ、起動を求めないときは“0”される。
また、第5バイトの他の1ビット、例えば第6ビットは、自身がイーサネット信号の通信、つまり[Ethernet Channel]のチャネルの起動を求めるか否かを示す。この第5バイトの他の1ビットは、起動を求めるときは“1”とされ、起動を求めないときは“0”される。
また、第5バイトの残りの6ビット、例えば、第5ビット〜第0ビットは、リザーブビットとされ、全て“0”とされる。
上述の〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージおよび〈Activate Supported Channels〉メッセージのルールは、以下のように定義される。すなわち、あるCDCデバイスが〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージをブロードキャストしたとき、そのメッセージの中に含まれるあて先の物理アドレス(Physical Address)を持つCDCデバイスは、自身の情報(パラメータ)を含む〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージをブロードキャストする。
また、あるCDCデバイスが〈Activate Supported Channels〉メッセージをブロードキャストしたとき、そのメッセージの中に含まれるあて先の物理アドレス(Physical Address)を持つCDCデバイスは、自身の情報(パラメータ)を含む〈Activate Supported Channels〉メッセージをブロードキャストする。さらに、〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージで交換した機能情報で、[Audio Return Channel]、[Ethernet Channel]のチャネルのうち、双方でサポートしているチャネル(伝送フォーマット)があるとき、2つの機器の間でそのチャネルによる通信が可能となる。
なお、CDCデバイスとは、CDCデータ(Exchange SupportedChannels Info〉メッセージ、〈Activate Supported Channels〉メッセージ等)に対応可能なeHDMI対応機器を意味する。一方、Non−CDCデバイスとは、CDCデータ(Exchange Supported Channels Info〉メッセージ、〈ActivateSupported Channels〉メッセージ等)に対応不可能なeHDMI対応機器を意味する。
[Exchange シーケンス]
次に、〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージの使用例について、図18のシーケンス図を参照して説明する。なお、この場合、図19に示す機器構成のAVシステム10を想定している。すなわち、AVシステム10は、CDCデバイス11,12と、Non−CDCデバイス13とからなっている。CDCデバイス11のHDMI端子11aとCDCデバイス12のHDMI端子12aとはHDMIケーブル14を介して接続されている。また、CDCデバイス11のHDMI端子11bとNon−CDCデバイス13のHDMI端子13aとはHDMIケーブル15を介して接続されている。また、CDCデバイス11の物理アドレス(Physical Address)は[0.0.0.0]であり、CDCデバイス12の物理アドレス(Physical Address)は[1.0.0.0]であり、Non−CDCデバイス13の物理アドレス(Physical Address)は[2.0.0.0]である。
図18に戻って、(a)CDCデバイス11は、CDCデバイス12と機能情報を交換するために、〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージをブロードキャストする。この〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージに含まれる、送信元(Initiator)の物理アドレスは[0.0.0.0]とされ、あて先(Target)の物理アドレスは[1.0.0.0]とされる。また、CDCデバイス11は、この〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージに、自身の機能情報を含める。例えば、この〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージでは、[AudioReturn Channel]および[Ethernet Channel]の双方のチャネルをサポートしていることが示される。
(b)CDCデバイス12は、CDCデバイス11からブロードキャストされた〈ExchangeSupported Channels Info〉メッセージに含まれているあて先の物理アドレスが、自身の物理アドレス[1.0.0.0]であることから、〈Exchange Supported ChannelsInfo〉メッセージをブロードキャストする。この〈Exchange Supported ChannelsInfo〉メッセージに含まれる、送信元(Initiator)の物理アドレスは[1.0.0.0]とされ、あて先(Target)の物理アドレスは[0.0.0.0]とされる。また、CDCデバイス12は、この〈ExchangeSupported Channels Info〉メッセージに、自身の機能情報を含める。例えば、この〈ExchangeSupported Channels Info〉メッセージでは、[Audio Return Channel]および[Ethernet Channel]の双方のチャネルをサポートしていることが示される。
このようにして、CDCデバイス11とCDCデバイス12との間で、〈ExchangeSupported Channels Info〉メッセージが送受信されることで、互いの機能情報、つまりeHDMI対応機器であるか否か、[Audio Return Channel]、[Ethernet Channel]をサポートしているか否かを示す情報が交換される。
(c)CDCデバイス11は、Non−CDCデバイス13と機能情報を交換するために、〈ExchangeSupported Channels Info〉メッセージをブロードキャストする。この〈ExchangeSupported Channels Info〉メッセージに含まれる、送信元(Initiator)の物理アドレスは[0.0.0.0]とされ、あて先(Target)の物理アドレスは[2.0.0.0]とされる。また、CDCデバイス11は、この〈ExchangeSupported Channels Info〉メッセージに、自身の機能情報を含める。例えば、この〈ExchangeSupported Channels Info〉メッセージでは、[Audio Return Channel]および[Ethernet Channel]の双方のチャネルをサポートしていることが示される。
(d)Non−CDCデバイス13は、CDCデバイス11からブロードキャストされた〈ExchangeSupported Channels Info〉メッセージに含まれているあて先の物理アドレスが自身の物理アドレス[2.0.0.0]であったとしても、何等反応しない。この場合、CDCデバイス11は、2秒Maxルールで、2秒経過しても何も反応がないとき、Non−CDCデバイス13は、[Audio Return Channel]および[Ethernet Channel]の双方のチャネルともサポートしていないと、認識する。
[Activate/De-Activateシーケンス]
次に、〈Activate Supported Channels〉メッセージの使用例について、図20のシーケンス図を参照して説明する。なお、この場合、図19に示す機器構成のAVシステム10において、上述したように〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージを用いて機能情報の交換を行ったCDCデバイス11とCDCデバイス12の間で通信を行う場合を想定している。
(a)CDCデバイス11は、CDCデバイス12と実際に起動(Activate)を求めるチャネル(伝送フォーマット)を確認して通信を開始するために、〈ActivateSupported Channels〉メッセージをブロードキャストする。この〈Activate SupportedChannels〉メッセージに含まれる、送信元(Initiator)の物理アドレスは[0.0.0.0]とされ、あて先(Target)の物理アドレスは[1.0.0.0]とされる。また、CDCデバイス11は、この〈ActivateSupported Channels〉メッセージに、自身が起動(Activate)を求めるチャネル(伝送フォーマット)の情報を配置する。例えば、この〈Activate Supported Channels〉メッセージでは、[AudioReturn Channel]および[Ethernet Channel]の双方のチャネルの起動を求めることが示される。
(b)CDCデバイス12は、CDCデバイス11からブロードキャストされた〈ActivateSupported Channels〉メッセージに含まれているあて先の物理アドレスが、自身の物理アドレス[1.0.0.0]であることから、〈Activate Supported Channels〉メッセージをブロードキャストする。この〈Activate Supported Channels〉メッセージに含まれる、送信元(Initiator)の物理アドレスは[1.0.0.0]とされ、あて先(Target)の物理アドレスは[0.0.0.0]とされる。また、CDCデバイス12は、この〈ActivateSupported Channels〉メッセージに、自身が起動の求めに同意するチャネル(伝送フォーマット)の情報を配置する。例えば、この〈Activate Supported Channels〉メッセージでは、[AudioReturn Channel]および[Ethernet Channel]の双方のチャネルの起動の求めに同意することが示される。
このようにして、CDCデバイス11とCDCデバイス12との間で、〈ActivateSupported Channels〉メッセージが送受信されることで、双方が共通して起動可能なチャネル(伝送フォーマット)を確認して、通信が開始される。図20の例では、CDCデバイス11およびCDCデバイス12の双方とも、[AudioReturn Channel]および[Ethernet Channel]の起動が可能であり、双方のチャネル(伝送フォーマット)が起動されて、通信が開始される。
(c)その後、CDCデバイス12は、例えば、ネットワーク端子を通じてイーサネット通信を行うために、[Ethernet Channel]の通信を止めたい場合、〈ActivateSupported Channels〉メッセージをブロードキャストする。この〈ActivateSupported Channels〉メッセージに含まれる、送信元(Initiator)の物理アドレスは[1.0.0.0]とされ、あて先(Target)の物理アドレスは[0.0.0.0]とされる。また、CDCデバイス12は、この〈ActivateSupported Channels〉メッセージには、自身が起動を求めるチャネル(伝送フォーマット)は、[AudioReturn Channel]のチャネルであることが示され、[Ethernet Channel]のチャネルは除かれる。
(d)CDCデバイス11は、CDCデバイス12からブロードキャストされた〈ActivateSupported Channels〉メッセージに含まれているあて先の物理アドレスが、自身の物理アドレス[0.0.0.0]であることから、〈Activate Supported Channels〉メッセージをブロードキャストする。この〈Activate Supported Channels〉メッセージに含まれる、送信元(Initiator)の物理アドレスは[0.0.0.0]とされ、あて先(Target)の物理アドレスは[1.0.0.0]とされる。また、CDCデバイス11は、この〈ActivateSupported Channels〉メッセージに、自身が起動の求めに同意するチャネル(伝送フォーマット)の情報を配置する。例えば、この〈Activate Supported Channels〉メッセージでは、[AudioReturn Channel]のチャネルの起動の求めに同意することが示される。
このようにして、CDCデバイス11とCDCデバイス12との間で、〈ActivateSupported Channels〉メッセージが送受信されることで、双方が共通して起動可能な伝送フォーマット(アプリケーション)が再確認され、[Ethernet Channel]のチャネルによる通信は中止され、[AudioReturn Channel]のチャネルによる通信のみが継続して行われる。
次に、〈Activate Supported Channels〉メッセージの他の使用例について、図21のシーケンス図を参照して説明する。なお、この場合、図19に示す機器構成のAVシステム10において、上述したように〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージを用いて機能情報の交換を行ったCDCデバイス11とCDCデバイス12の間で通信を行う場合を想定している。
(a)CDCデバイス11は、CDCデバイス12と実際に起動を求めるチャネル(伝送フォーマット)を確認して通信を開始するために、〈Activate Supported Channels〉メッセージをブロードキャストする。この〈Activate Supported Channels〉メッセージに含まれる、送信元(Initiator)の物理アドレスは[0.0.0.0]とされ、あて先(Target)の物理アドレスは[1.0.0.0]とされる。また、CDCデバイス11は、この〈ActivateSupported Channels〉メッセージに、自身が起動を求めるチャネル(伝送フォーマット)の情報を配置する。例えば、この〈Activate Supported Channels〉メッセージでは、[AudioReturn Channel]および[Ethernet Channel]の双方のチャネルの起動を求めることが示される。
(b)CDCデバイス12は、CDCデバイス11からブロードキャストされた〈ActivateSupported Channels〉メッセージに含まれているあて先の物理アドレスが、自身の物理アドレス[1.0.0.0]であることから、〈Activate Supported Channels〉メッセージをブロードキャストする。この〈Activate Supported Channels〉メッセージに含まれる、送信元(Initiator)の物理アドレスは[1.0.0.0]とされ、あて先(Target)の物理アドレスは[0.0.0.0]とされる。また、CDCデバイス12は、この〈ActivateSupported Channels〉メッセージに、自身が起動の求めに同意するチャネル(伝送フォーマット)の情報を配置する。例えば、この〈Activate Supported Channels〉メッセージでは、[AudioReturn Channel]のチャネルの起動の求めに同意することが示される。
このようにして、CDCデバイス11とCDCデバイス12との間で、〈ActivateSupported Channels〉メッセージが送受信されることで、双方が共通して起動可能なチャネル(伝送フォーマット)を確認して、通信が開始される。図21の例では、CDCデバイス11では[Audio ReturnChannel]および[Ethernet Channel]の双方のチャネルの起動を求めるが、CDCデバイス12では[Audio Return Channel]のチャネルの起動のみ同意するので、この[AudioReturn Channel]のチャネルのみが起動されて、通信が開始される。
なお、上述した〈Activate Supported Channels〉メッセージの送受信は、例えば、〈Exchange Supported Channels Info〉メッセージを用いて機能情報の交換を行って、双方の機能が分かった後に行われる。その後は、通信を希望するチャネルの変更時など、任意のタイミングで行われる。
[CDCメッセージの他の例]
ここでは、CDCデータのデータブロックに配置されるコマンドメッセージとして、さらに、<CDC_ARC_SetState>メッセージと、<CDC_ARC_ReportState>メッセージと、<CDC_ARC_InquiryState>メッセージを定義する。<CDC_ARC_SetState>メッセージは、[Audio ReturnChannel]の設定を行うためのメッセージである。また、<CDC_ARC_ReportState>メッセージは、<CDC_ARC_SetState>メッセージ、あるいは<CDC_ARC_InquiryState>メッセージを受け取ったときに送り返すメッセージである。<CDC_ARC_InquiryState>メッセージは、<CDC_ARC_ReportState>メッセージを要求するためのメッセージである。各メッセージは、例えば、以下のような、データ構造をとる。
<CDC_ARC_SetState>メッセージについて説明する。この<CDC_ARC_SetState>メッセージは、第1〜第5の5バイトのデータを有している。第1バイトおよび第2バイトには送信元(Initiator)の物理アドレス(Physical Address)が配置され、第3バイトおよび第4バイトにはあて先(Target)の物理アドレス(Physical Address)が配置されている。
また、第5バイトの第7ビット(最上位ビット)にはSPDIF信号の送信方向の情報が配置される。すなわち、この第7ビットは、イニシエータからターゲットへのSPDIF信号の伝送、つまりフォワード伝送か否かを示す。この第5バイトの第7ビットは、フォワード伝送であるときは“1”とされ、フォワード伝送でなく、ターゲットからイニシエータへのSPDIF信号の伝送、つまりリバース伝送であるときは“0”とされる。
第5バイトの残りの7ビットは、クロック信号の伝送に関する情報が配置される。第5バイトの第6ビットは、クロック信号の伝送を行うか否かを示す。この第5バイトの第6ビットは、クロック信号の伝送を行うときは“1”とされ、クロック信号の伝送を行わないときは“0”とされる。第5バイトの第5ビットは、イニシエータからターゲットへのクロック信号の伝送、つまりフォワード伝送か否かを示す。この第5バイトの第5ビットは、フォワード伝送であるときは“1”とされ、フォワード伝送でなく、ターゲットからイニシエータへのクロックの伝送、つまりリバース伝送であるときは“0”とされる。
また、第5バイトの第4ビットから第1ビットは、イニシエータが取り扱い可能なSPDIF信号のレート(クロック周波数)の種類を示す。さらに、第5バイトの第0ビットは、イニシエータが自分を経由してクロック信号を他へ送るか否か、すなわち、パススルーの機能があるか否かを示す。
次に、<CDC_ARC_ReportState>メッセージについて説明する。この<CDC_ARC_ReportState>メッセージは、第1〜第5の5バイトのデータを有している。第1バイトおよび第2バイトには送信元(Initiator)の物理アドレス(Physical Address)が配置され、第3バイトおよび第4バイトにはあて先(Target)の物理アドレス(Physical Address)が配置されている。
また、第5バイトの第7ビット(最上位ビット)にはSPDIF信号の送信方向の情報が配置される。すなわち、この第7ビットは、上述の<CDC_ARC_SetState>メッセージにおけるフォワード伝送をサポートしているか否かを示す。この第5バイトの第7ビットは、フォワード伝送をサポートしているときは“1”とされ、フォワード伝送をサポートしておらず、リバース伝送をサポートしているときは“0”とされる。
第5バイトの残りの7ビットは、クロック信号の伝送に関する情報が配置される。第5バイトの第6ビットは、上述の<CDC_ARC_SetState>メッセージにおけるクロック信号の伝送をサポートしているか否かを示す。この第5バイトの第6ビットは、クロック信号の伝送をサポートしているときは“1”とされ、クロック信号の伝送をサポートしていないときは“0”とされる。第5バイトの第5ビットは、上述の<CDC_ARC_SetState>メッセージにおけるクロック信号のフォワード伝送をサポートしているか否かを示す。この第5バイトの第5ビットは、クロック信号のフォワード伝送をサポートしているときは“1”とされ、クロック信号のフォワード伝送でなく、リバース伝送をサポートしているときは“0”とされる。
また、第5バイトの第4ビットから第1ビットは、イニシエータが取り扱い可能なSPDIF信号のレート(クロック周波数)の種類を示す。さらに、第5バイトの第0ビットは、イニシエータが自分を経由してクロック信号を他へ送るか否か、すなわち、パススルーの機能があるか否かを示す。
次に、<CDC_ARC_InquiryState>メッセージについて説明する。この<CDC_ARC_InquiryState>メッセージは、第1〜第4の4バイトのデータを有している。第1バイトおよび第2バイトには送信元(Initiator)の物理アドレス(Physical Address)が配置され、第3バイトおよび第4バイトにはあて先(Target)の物理アドレス(Physical Address)が配置されている。
以上説明したように、図1(図12、図13)に示すAVシステム100においては、シンク機器120からソース機器110に、SPDIF信号と共に、このSPDIF信号に同期したクロック信号CLKを送信することが可能とされている。この場合、ソース機器110のSPDIF受信回路115では、SPDIF信号に時間軸ゆらぎ(ジッタ)があっても、シンク機器120から送信されたクロック信号CLKに基づいて、SPDIF信号からデータを正しく抽出することが可能となる。従って、SPDIF信号の伝送品質の向上が図られる。
また、図1に示すAVシステム100において、シンク機器120からソース機器110に、SPDIF信号と共に、このSPDIF信号と同期したクロック信号CLKを送信することが可能とされている。この場合、ソース機器110では、PLL回路を用いてSPDIF信号に同期したクロック信号を再生することが必要なくなり、PLL回路起因のジッタの影響もなくなる。
また、図1に示すAVシステム100において、シンク機器120からソース機器110に、SPDIF信号と共に、このSPDIF信号と同期したクロック信号CLKを送信することが可能とされている。この場合、ソース機器110ではPLL回路を用いてSPDIF信号に同期したクロック信号を再生する必要がなくなる。従って、PLL回路で伝送レートが制限されてしまうこともなく、より高いレートのSPDIF信号を伝送することが可能となる。
また、図1に示すAVシステム100において、シンク機器120からソース機器110に送信されるクロック信号は、1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、差動信号として、送信される。従って、クロック信号CLKを高品質で送信でき、さらに、高周波信号でもEMI等の影響も防ぐことが可能となる。
[著作権保護]
なお、図1に示すAVシステム100において、シンク機器120からソース機器110に送信されるSPDIF信号に対し、暗号化を施して著作権保護を行うことが考えられる。例えば、DTCP(Digital Transmission Content Protection)等で著作権保護を行うことができる。この場合、上述したCDC機能を使って、ソース機器110とシンク機器120との間で、認証、鍵交換を行ってもよい。
図22は、認証、鍵交換処理のシーケンス例を示している。なお、この図22におけるシンク機器は図1のAVシステム100においてはHDMIのソース機器110に相当する。また、この図22におけるソース機器は図1のAVシステム100においてはHDMIのシンク機器120に相当する。
この認証、鍵交換処理は、DTCP規格では、AKE(Authenticationand Key Exchange)処理と呼ばれている。この場合、デジタルデータのやりとりに先立って、シンク機器がコピー制御情報を適切に扱うことのできる機器であることの認証を行った上で暗号化および復号化のための鍵を交換する。そして、ソース機器でデジタルデータを暗号化して、暗号化されたデジタルデータをシンク機器で復号する。これにより、シンク機器におけるデジタルコンテンツの保護が保証されるとともに、それ以外の機器によるデジタルコンテンツの盗用が防止される。
認証処理を行う際には、処理が重複しないように、シンク機器から処理を開始することになっている。まず、シンク機器は、AKEステータスコマンド1001によりソース機器の状態を調べる。その結果、ソース機器からAKEステータスレスポンス2001として受け入れ可能である旨の応答が得られれば、シンク機器は乱数および証明書を添付してCHALLENGEサブファンクション1002を発行する。この証明書はDTCPの管理機構であるデジタル・トランスミッション・ライセンシング・アドミニストレータ(DTLA)から各機器に対して発行されたものである。ソース機器はシンク機器からの証明書を認証してその結果をレスポンス2002としてシンク機器に返す。そして、ソース機器は、同様の手順をソース機器側から行う(2003、1003、2004、1004)。
続いて、ソース機器は、シンク機器から受け取った乱数に基づいて所定の数値を計算して、RESPONSEサブファンクション2005によりシンク機器に送信する。同様に、シンク機器は、ソース機器から受け取った乱数に基づいて所定の数値を計算して、RESPONSEサブファンクション1006によりソース機器に送信する。なお、これらRESPONSEサブファンクション2005または1006を受信した機器は、それぞれ認証処理を行う。
そして、ソース機器は、エクスチェンジ鍵をEXCHANGE_KEYサブファンクション2007により送信する。コンテンツ鍵を計算するためのシードをシンク機器がCONTENT_KEY_REQサブファンクション2010により要求すると、ソース機器はシードをレスポンス1010により送信する。これにより、シンク機器はエクスチェンジ鍵およびシードからコンテンツ鍵を計算する。コンテンツのコピー制御情報としては、コピーネバー、コピーワンジェネレーション、ノーモアコピー、コピーフリーの4種類があり、暗号化されているのは前3者である。コンテンツ鍵はその3者に対応して3種類設けられる。
また、SRMサブファンクション1008および2008では、SRM(SystemRenewability Message)の交換が行われる。このSRMは、正当な機器に対して更新されたメッセージを送信することにより、そのような正当な機器以外を認証できないようにするためのものである。このSRMサブファンクションを受信した機器は、認証処理を行って、送信されてきたSRMが間違っていないかどうかを確認する。
なお、図22に示す認証、鍵交換処理のシーケンス例は、全認証(Full Authentication)と呼ばれる手順で、全3種類の鍵を交換するものである。これに対して、より簡易な限定認証(Restricted Authentication)と呼ばれる手順では一種類の鍵のみを交換する。この限定認証の場合、全認証のほぼ半分程度の時間で認証処理を行うことができる。また、図22に示す認証、鍵交換処理のシーケンス例は、DTCPにより著作権保護を行う場合の例であるが、DTCP以外の他の著作権保護技術を適用してもよい。例えば、SPDIF信号を暗号化する際にHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection system)を採用する際は、HDMIのDDCライン等で認証、生成されたコンテンツ鍵を用いて、暗号化することもできる。
<2.第2の実施の形態>
この第2の実施の形態としてのAVシステム100Aは、全体的な構成としては、図1に示すAVシステム100と同様に構成されている。AVシステム100Aが、AVシステム100と異なる部分は、シンク機器120のSPDIF送信回路125およびソース機器110のSPDIF受信回路115のクロック系の部分である。
[ソース側送受信回路、シンク側送受信回路等の構成例]
図23は、AVシステム100Aにおけるソース機器110のソース側送受信回路113、シンク機種検出回路116、プラグ接続検出回路117等の構成例を示している。この図23において、図12と対応する部分には同一符号を付してその詳細説明は省略する。
この図23において、図12と異なるのは、SPDIF受信回路115のクロック系の部分である。すなわち、図23においては、図12における切換スイッチ436の代わりに、接続スイッチ437,438を有している。
加算回路419の出力信号は、増幅器420を介してSPDIF受信回路115に供給されると共に、接続スイッチ437を介してクロック生成回路435に供給される。この加算回路419の出力信号は、上述したように、リザーブラインおよびHPDラインを介して、SPDIF信号が同相信号として送信されてくる場合には、当該SPDIF信号となる。接続スイッチ437は、図示しない制御部(CPU)により、その接続が制御される。接続スイッチ437は、シンク機器120側にクロック信号CLKを送信する場合には非接続状態とされ、シンク機器120側にクロック信号CLKを送信しない場合には接続状態とされる。
また、クロック生成回路435で生成されたクロック信号CLKは、SPDIF受信回路115に動作クロックとして供給されると共に、接続スイッチ438を介してLAN信号送信回路411の入力側に供給される。接続スイッチ438は、図示しない制御部(CPU)により、その接続が制御される。接続スイッチ438は、シンク機器120側にクロック信号を送信する場合には接続状態とされ、シンク機器120側にクロック信号を送信しない場合には非接続状態とされる。
図24は、AVシステム100Aにおけるシンク機器120のシンク側送受信回路123、ソース機種検出回路126、プラグ接続伝達回路127等の構成例を示している。この図24において、図13と対応する部分には同一符号を付してその詳細説明は省略する。
この図24において、図13と異なるのは、SPDIF送信回路125のクロック系の部分である。すなわち、図24においては、図13における接続スイッチ453の代わりに、切換スイッチ454を有している。
減算回路446で得られる受信信号SG419は、増幅器448を介して差動出力としてイーサネット送受信回路124に供給されると共に、切換スイッチ454のb側の固定端子に供給される。この受信信号SG419は、リザーブラインおよびHPDラインを介して、LAN信号(イーサネット信号)が差動信号として送信されてくる場合には、当該LAN信号となる。一方、この受信信号SG419は、リザーブラインおよびHPDラインを介して、クロック信号CLKが差動信号として送信されてくる場合には、当該クロック信号CLKとなる。
また、クロック生成回路452で生成されたクロック信号は切換スイッチ454のa側の固定端子に供給される。そして、この切換スイッチ454の可動端子に得られるクロック信号はSPDIF送信回路125に動作クロックとして供給される。切換スイッチ454は、図示しない制御部(CPU)により、その切り換えが制御される。切換スイッチ454は、ソース機器110側から送られてくるクロック信号CLKを使用する場合にはb側に接続される。一方、切換スイッチ454は、クロック生成回路452で生成されたクロック信号を使用する場合にはa側に接続される。
図23、図24に示すAVシステム100Aの動作を説明する。LAN通信動作、SPDIF信号の伝送動作、機種検出、プラグ接続検出動作に関しては、図1、図12、図13に示すAVシステム100と同様であるので、その説明は省略する。ここでは、シンク機器120のSPDIF送信回路125およびソース機器110のSPDIF受信回路115のクロック系の部分の動作を説明する。
SPDIF送信回路125では、シンク機器120が持つクロック生成回路452で生成されたクロック信号、あるいは、ソース機器110から送信されてくるクロック信号CLKのいずれかが使用される。
まず、クロック生成回路452で生成されたクロック信号が使用される状態について説明する。この場合、シンク機器120において、切換スイッチ454はa側に接続される。これにより、クロック生成回路452で生成されたクロック信号がSPDIF送信回路125に供給される。また、この場合、ソース機器110において、接続スイッチ438は非接続状態とされ、クロック生成回路435で生成されたクロック信号CLKは、シンク機器120に送信されない。
また、この場合、ソース機器110において、接続スイッチ437は接続状態とされ、クロック生成回路435には受信されたSPDIF信号が供給される。そのため、クロック生成回路435で生成されるクロック信号は、SPDIF信号を参照信号としてPLL回路で発生されたものとなり、当該SPDIF信号に同期したものとなる。これにより、SPDIF受信回路115では、SPDIF信号に対して、当該SPDIF信号に同期したクロック信号に基づいて、データ抽出処理、復号処理等が行われて、オーディオデータ等のデータが取得される。
次に、ソース機器110から送信されてくるクロック信号CLKが使用される状態について説明する。ソース機器110において、接続スイッチ438は接続状態とされる。この場合、接続スイッチ437は非接続状態とされ、受信されたSPDIF信号はクロック生成回路435には供給されない。そのため、このクロック生成回路435は自走状態となる。このクロック生成回路435で生成されるクロック信号CLKは、LAN信号送信回路411の入力側に供給される。このLAN信号送信回路411から、クロック信号CLKに対応した差動信号(正出力信号、負出力信号)が出力される。この差動信号は、接続点P1,P2に供給され、HDMIケーブル130の1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、シンク機器120に送信される。
また、シンク機器120において、切換スイッチ454は、b側に接続される。そして、シンク機器120において、LAN信号受信回路445の入力側は接続点P3,P4に接続されている。そのため、LAN信号受信回路445の出力信号SG418、従って減算回路446のSG419は、ソース機器110から送信されたクロック信号CLKとなる。このクロック信号CLKは、切換スイッチ454を介して、SPDIF送信回路125に供給される。
なお、ソース機器110においてSPDIF受信回路115に供給されるSPDIF信号は、シンク機器120のSPDIF送信回路125において、ソース機器110から送信されたクロック信号CLKを動作クロックとして得られたものである。そのため、ソース機器110において、SPDIF受信回路115に供給されるSPDIF信号と、クロック生成回路435で生成されるクロック信号CLKとは同期した状態となる。従って、このSPDIF受信回路115では、SPDIF信号に対して、当該SPDIF信号に同期したクロック信号CLKに基づいて、データ抽出処理、復号処理等が行われて、オーディオデータが取得される。
上述したように、図23、図24に示すAVシステム100Aにおいては、ソース機器110はシンク機器120にクロック信号CLKを、リザーブラインおよびHPDラインからなる伝送路を介して、差動信号として送ることが可能とされている。一方、シンク機器120はソース機器110からリザーブラインおよびHPDラインからなる伝送路を介して、差動信号として送られてくるクロック信号CLKを抽出して使用することが可能とされている。
このようにシンク機器120側において、ソース機器110からクロック信号CLKを送ってもらってそれを使用する状態とするか、あるいは、自身が持つクロック生成回路452で生成されたクロック信号を使用する状態とするかは、予め設定される。この設定は、例えば、上述したように、ソース機器110とシンク機器120との間でクロック信号に関するCDCメッセージが交換されることで行われる。例えば、ソース機器110がクロック信号の送信をサポートしており、シンク機器120がクロック信号の受信をサポートしている場合には、ソース機器110からシンク機器120にクロック信号CLKを送信する状態に設定される。
なお、ソース機器110からシンク機器120へのクロック信号は、リザーブラインおよびHPDラインからなる伝送路を、差動信号として送信される。上述したように、ソース機器110とシンク機器120との間のLAN信号(イーサネット信号)も、リザーブラインおよびHPDラインからなる伝送路を、差動信号として送信される。そのため、ソース機器110からシンク機器120へのクロック信号は、ソース機器110とシンク機器120との間でLAN信号(イーサネット信号)の通信が行われているときは行われない。これにより、LAN信号(イーサネット信号)の通信にクロック信号が影響を及ぼさないようにされる。
以上説明したように、図23、図24に示すAVシステム100Aにおいては、ソース機器110からシンク機器120に、クロック信号CLKを送信することが可能とされている。この場合、シンク機器120からソース機器110には、ソース機器110から送られてきたクロック信号に同期したSPDIF信号が送信される。そのため、ソース機器110では、SPDIF信号に時間軸ゆらぎ(ジッタ)があっても、自身のクロック信号CLKに基づいて、受信されたSPDIF信号からデータを正しく抽出することが可能となる。従って、SPDIF信号の伝送品質の向上が図られる。これにより、信号の伝送品質の向上が図られる。
また、図23、図24に示すAVシステム100Aにおいて、ソース機器110からシンク機器120に、クロック信号CLKを送信することが可能とされている。この場合、シンク機器120からソース機器110には、ソース機器110から送られてきたクロック信号CLKに同期したSPDIF信号が送信される。そのため、ソース機器110では、PLL回路を用いてSPDIF信号に同期したクロック信号を再生することが必要なくなり、PLL回路起因のジッタの影響もなくなる。
また、図23、図24に示すAVシステム100Aにおいて、ソース機器110からシンク機器120に、クロック信号CLKを送信することが可能とされている。この場合、シンク機器120からソース機器110には、ソース機器110から送られてきたクロック信号CLKに同期したSPDIF信号が送信される。そのため、ソース機器110ではではPLL回路を用いてSPDIF信号に同期したクロック信号を再生する必要がなくなる。従って、PLL回路で伝送レートが制限されてしまうこともなく、より高いレートのSPDIF信号を伝送することが可能となる。
また、図23、図24に示すAVシステム100Aにおいて、ソース機器110からシンク機器120に送信されるクロック信号は、1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、差動信号として、送信される。従って、クロック信号CLKを高品質で送信でき、さらに、高周波信号でもEMI等の影響も防ぐことが可能となる。
<3.第3の実施の形態>
[AVシステムの構成例]
図25は、実施の形態としてのAVシステム100Bの構成例を示している。このAVシステム100Bは、ディスクレコーダ等のソース機器110Bと、テレビ受信機等のシンク機器120Bとを有している。このAVシステム100Bにおいて、ソース機器110Bおよびシンク機器120BはeHDMI対応機器である。ここで、eHDMI対応機器であるとは、HDMIケーブルを構成するリザーブラインおよびHPDラインによる通信路を用いた通信を行う通信部を有していることを意味する。
上述した図1に示すAVシステム100では、シンク機器120からソース機器110への単方向にSPDIF信号の伝送が可能とされている。これに対し、図25に示すAVシステム100Bでは、ソース機器110Bとシンク機器120Bとの間で双方向にSPDIF信号の伝送が可能とされている。この図25において、図1と対応する部分には、同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
ソース機器110Bおよびシンク機器120Bは、HDMIケーブル130を介して接続されている。すなわち、ソース機器110BはHDMI端子111を備えており、シンク機器120BはHDMI端子121を備えている。HDMIケーブル130の一端はソース機器110BのHDMI端子111に接続され、このHDMIケーブル130の他端はシンク機器120BのHDMI端子121に接続されている。
ソース機器110Bは、HDMI端子111に接続された、HDMI送信部112、ソース側送受信回路113B、シンク機種検出回路116およびプラグ接続検出回路117を有している。ソース側送受信回路113Bには、イーサネット送受回路114およびSPDIF送受信回路115Bが接続されている。
ソース側送受信回路113Bは、HDMIケーブル130を構成するリザーブラインおよびHPDラインを用いて伝送されるイーサネット信号をイーサネット送受信回路114とHDMIケーブル130との間でインタフェースする。また、ソース側受信回路113Bは、HDMIケーブル130を構成するリザーブラインおよびHPDラインを用いて伝送されるSPDIF信号をSPDIF送受信回路115BとHDMIケーブル130との間でインタフェースする。ソース側送受信回路113Bの詳細は後述する。
SPDIF送受信回路115Bは、SPDIF信号の送受信するための回路である。このSPDIF送受信回路115BはSPDIF規格に準拠した送信部および受信部を備えている。ソース機器110Bのその他は、図1のAVシステム100のソース機器110と同様に構成されている。
シンク機器120Bは、HDMI端子121に接続された、HDMI受信部122、シンク側送受信回路123B、ソース機種検出回路126およびプラグ接続伝達回路127を有している。シンク側送受信回路123Bには、イーサネット送受信回路124およびSPDIF送受信回路125Bが接続されている。
シンク側送受信回路123Bは、HDMIケーブル130を構成するリザーブラインおよびHPDラインを用いて伝送されるイーサネット信号を、イーサネット送受信回路124とHDMIケーブル130との間でインタフェースする。また、シンク側送受信回路123Bは、HDMIケーブル130を構成するリザーブラインおよびHPDラインを用いて伝送されるSPDIF信号をSPDIF送受信回路125BとHDMIケーブル130との間でインタフェースする。シンク側送受信回路123Bの詳細は後述する。
SPDIF送受信回路125Bは、SPDIF信号の送受信するための回路である。このSPDIF送受信回路125BはSPDIF規格に準拠した送信部および受信部を備えている。シンク機器120Bのその他は、図1のAVシステム100のシンク機器120と同様に構成されている。
図25に示すAVシステム100Bの動作を説明する。ソース機器110Bからシンク機器120Bに送信すべき映像および音声のデータは、HDMIに準拠した通信により、ソース機器110BのHDMI送信部112からHDMIケーブル130を介してシンク機器120Bに送信される。また、シンク機器120BのHDMI受信部122では、HDMIに準拠した通信により、ソース機器110BからHDMIケーブル130を送信されてくる映像および音声のデータが受信される。シンク機器120Bでは、例えば、このように取得された映像および音声のデータにより画像表示および音声出力が行われる。
また、ソース機器110Bのイーサネット送受信回路114と、シンク機器120Bのイーサネット送受信回路124との間で、HDMIケーブル130を介して、インターネットプロトコル(IP)に準拠した、イーサネット信号の双方向通信が行われる。
また、ソース機器110BのSPDIF送受信回路115Bと、シンク機器120BのPDIF送受信回路125Bとの間で、HDMIケーブル130を介して、SPDIF信号の送受信が行われる。SPDIF送受信回路115B,125Bの送信部では、オーディオデータ等のデータが処理されてSPDIF信号として送信される。一方、SPDIF送受信回路115B,125Bの受信部では、受信されたSPDIF信号に対してデータ抽出処理、復号処理等が行われて、オーディオデータ等のデータが取得される。
[ソース側送受信回路、シンク側送受信回路等の構成例]
図26は、ソース機器110Bのソース側送受信回路113B、シンク機種検出回路116、プラグ接続検出回路117等の構成例を示している。この図26において、図12と対応する部分には同一符号を付してその詳細説明は省略する。この図26において、図12と異なるのは、SPDIF送受信回路115Bおよびソース側送受信回路113BにおけるSPDIF信号の送信に関係した部分である。
AC結合容量413と終端抵抗412の互いの接続点P1は、加算回路471の出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路415の正入力側に接続される。また、AC結合容量414と終端抵抗412の互いの接続点P2は、加算回路472の出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路415の負入力側に接続される。
また、加算回路471の一方の入力側はLAN信号送信回路411の正出力側に接続され、この加算回路471の他方の入力側にはSPDIF送受信回路115Bから出力されるSPDIF信号が増幅器473を介して供給される。また、加算回路472の一方の入力側はLAN信号送信回路411の負出力側に接続され、この加算回路472の他方の入力側にはSPDIF送信回路115Bから出力されるSPDIF信号が増幅器473を介して供給される。
また、AC結合容量413と終端抵抗412の互いの接続点P1は、加算回路419の一方の入力端子に接続される。また、AC結合容量414と終端抵抗412の互いの接続点P2は、加算回路419の他方の入力端子に接続される。この加算回路419の出力信号は、減算回路474の正側端子に入力される。この減算回路474の負側端子には、増幅器473の出力信号が供給される。
この減算回路474の出力信号は、シンク機器120BからリザーブラインおよびHPDラインを介して、SPDIF信号が同相信号として送信されてくる場合には、当該SPDIF信号となる。この減算回路474の出力信号は、増幅器420を介してSPDIF送受信回路115Bに供給されると共に、クロック生成回路435に供給される。
また、減算回路416で得られる受信信号SG413は、増幅器418を介して差動出力としてイーサネット送受信回路114に供給されると共に、切換スイッチ475のb側の固定端子に供給される。この受信信号SG413は、リザーブラインおよびHPDラインを介して、LAN信号(イーサネット信号)が差動信号として送信されてくる場合には、当該LAN信号となる。一方、この受信信号SG413は、リザーブラインおよびHPDラインを介して、クロック信号が差動信号として送信されてくる場合には、当該クロック信号となる。
ソース側送受信回路113Bのその他は、図12に示すソース機器110のソース側送受信回路113と同様に構成されている。
また、クロック生成回路435で生成されたクロック信号は切換スイッチ475のa側の固定端子に供給される。そして、この切換スイッチ475の可動端子に得られるクロック信号はSPDIF送受信回路115Bに受信部の動作クロックとして供給される。
切換スイッチ475は、図示しない制御部(CPU)により、その切り換えが制御される。切換スイッチ475は、受信部の動作クロックとしてシンク機器120B側から送られてくるクロック信号を使用する場合にはb側に接続される。一方、切換スイッチ475は、受信部の動作クロックとしてクロック生成回路435で生成されたクロック信号を使用する場合にはa側に接続される。
また、クロック生成回路435から出力されるクロック信号はSPDIF送受信路115Bに送信部の動作クロックとして供給される。そのため、SPDIF送受信路115Bから出力されるSPDIF信号は、クロック生成回路435から出力されるクロック信号に同期したものとなる。また、クロック生成回路435から出力されるクロック信号は、接続スイッチ476を介してLAN信号送信回路411の入力側に供給される。接続スイッチ476は、図示しない制御部(CPU)により、その接続が制御される。接続スイッチ453は、シンク機器120B側にクロック信号を送信する場合には接続状態とされ、シンク機器120B側にクロック信号を送信しない場合には非接続状態とされる。
図27は、シンク機器120Bのシンク側送受信回路123B、シンク機種検出回路126、プラグ接続伝達回路127等の構成例を示している。この図27において、図13と対応する部分には同一符号を付してその詳細説明は省略する。この図27において、図13と異なるのは、SPDIF送受信回路125Bおよびシンク側送受信回路123BにおけるSPDIF信号の受信に関係した部分である。
AC結合容量443と終端抵抗442の互いの接続点P3は、加算回路449の出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路445の正入力側に接続される。また、AC結合容量444と終端抵抗442の互いの接続点P4は、加算回路450の出力側に接続されると共に、LAN信号受信回路445の負入力側に接続される。
また、加算回路449の一方の入力側はLAN信号送信回路441の正出力側に接続され、この加算回路449の他方の入力側にはSPDIF送受信回路125Bから出力されるSPDIF信号が増幅器451を介して供給される。また、加算回路450の一方の入力側はLAN信号送信回路441の負出力側に接続され、この加算回路450の他方の入力側にはSPDIF送信回路125Bから出力されるSPDIF信号が増幅器451を介して供給される。
また、AC結合容量443と終端抵抗442の互いの接続点P3は、加算回路481の一方の入力端子に接続される。また、AC結合容量444と終端抵抗442の互いの接続点P4は、加算回路481の他方の入力端子に接続される。この加算回路481の出力信号は、減算回路482の正側端子に入力される。この減算回路482の負側端子には、増幅器451の出力信号が供給される。
この減算回路482の出力信号は、ソース機器110からリザーブラインおよびHPDラインを介して、SPDIF信号が同相信号として送信されてくる場合には、当該SPDIF信号となる。この減算回路482の出力信号は、増幅器483を介してSPDIF送受信回路125Bに供給されると共に、クロック生成回路452に供給される。
また、減算回路446で得られる受信信号SG419は、増幅器448を介して差動出力としてイーサネット送受信回路124に供給されると共に、切換スイッチ484のb側の固定端子に供給される。この受信信号SG419は、リザーブラインおよびHPDラインを介して、LAN信号(イーサネット信号)が差動信号として送信されてくる場合には、当該LAN信号となる。一方、この受信信号SG419は、リザーブラインおよびHPDラインを介して、クロック信号が差動信号として送信されてくる場合には、当該クロック信号となる。
シンク側送受信回路123Bのその他は、図13に示すソース機器110のソース側送受信回路123と同様に構成されている。
また、クロック生成回路452で生成されたクロック信号は切換スイッチ484のa側の固定端子に供給される。そして、この切換スイッチ484の可動端子に得られるクロック信号はSPDIF送受信回路125Bに受信部の動作クロックとして供給される。
切換スイッチ484は、図示しない制御部(CPU)により、その切り換えが制御される。切換スイッチ484は、受信部の動作クロックとしてソース機器110B側から送られてくるクロック信号を使用する場合にはb側に接続される。一方、切換スイッチ484は、受信部の動作クロックとしてクロック生成回路452で生成されたクロック信号を使用する場合にはa側に接続される。
また、クロック生成回路452から出力されるクロック信号はSPDIF送受信路125Bに送信部の動作クロックとして供給される。そのため、SPDIF送受信路125Bから出力されるSPDIF信号は、クロック生成回路452から出力されるクロック信号に同期したものとなる。また、クロック生成回路452から出力されるクロック信号は、接続スイッチ485を介してLAN信号送信回路441の入力側に供給される。接続スイッチ485は、図示しない制御部(CPU)により、その接続が制御される。接続スイッチ485は、ソース機器110B側にクロック信号を送信する場合には接続状態とされ、ソース機器110B側にクロック信号を送信しない場合には非接続状態とされる。
[AVシステムの動作]
図26、図27に示すAVシステム100Bの動作を説明する。LAN通信動作、機種検出、プラグ接続検出動作に関しては、図12、図13に示すAVシステム100と同様であるので、その説明は省略する。
[SPDIF信号の伝送動作]
図26、図27に示す構成において、SPDIF信号の伝送動作を説明する。シンク機器120Bにおいて、SPDIF送受信回路125Bから出力されるSPDIF信号は、増幅器451および加算器449,450を介して、接続点P3,P4に供給される。これにより、SPDIF信号は、同相信号として、HDMIケーブル130の1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、ソース機器110Bに送信される。
また、ソース機器120Bにおいて、SPDIF送受信回路115Bから出力されるSPDIF信号は、増幅器473および加算器471,472を介して、接続点P1,P2に供給される。これにより、SPDIF信号は、同相信号として、HDMIケーブル130の1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、シンク機器120Bに送信される。
また、ソース機器110Bにおいて、接続点P1,P2はそれぞれ加算回路419の入力側に接続されている。そのため、加算回路419の出力信号として、SPDIF送受信回路115Bからシンク機器120Bに対して送信されるSPDIF信号と、シンク機器120Bから送信されてくるSPDIF信号との加算信号が得られる。減算回路474では、加算回路419の出力信号から、増幅器473の出力信号(送信SPDIF信号)が減算される。そのため、減算回路473の出力信号は、シンク機器120Bから送信されてくるSPDIF信号となる。このSPDIF信号は、増幅器420を介してSPDIF送受信回路115Bに供給される。
また、シンク機器120Bにおいて、接続点P3,P4はそれぞれ加算回路481の入力側に接続されている。そのため、加算回路481の出力信号として、SPDIF送受信回路125Bからソース機器110Bに対して送信されるSPDIF信号と、ソース機器110Bから送信されてくるSPDIF信号との加算信号が得られる。減算回路482では、加算回路481の出力信号から、増幅器451の出力信号(送信SPDIF信号)が減算される。そのため、減算回路482の出力信号は、ソース機器110Bから送信されてくるSPDIF信号となる。このSPDIF信号は、増幅器483を介してSPDIF送受信回路125Bに供給される。
このように、ソース機器110BのSPDIF送受信回路115Bと、シンク機器120BのSPDIF送受信回路125Bとの間で、SPDIF信号の双方向伝送が可能となる。
[クロック信号]
ソース機器110BのSPDIF送受信回路115Bでは、受信されたSPDIF信号に対して、当該SPDIF信号に対応したクロック信号に基づいて、データ抽出処理、復号処理等が行われて、オーディオデータ等のデータが取得される。SPDIF送受信回路115Bでは、受信部の動作クロックとして、ソース機器110Bが持つクロック生成回路435で生成されたクロック信号、あるいは、シンク機器120Bから送信されてくるクロック信号のいずれかが使用される。
まず、クロック生成回路435で生成されたクロック信号が使用される状態について説明する。この場合、シンク機器120Bにおいて、接続スイッチ485は非接続状態とされ、クロック生成回路452で生成されたクロック信号CLKは、ソース機器110Bに送信されない。また、この場合、ソース機器110Bにおいて、切換スイッチ436はa側に接続される。これにより、クロック生成回路435で生成されたクロック信号がSPDIF受信回路115に受信部の動作クロックとして供給される。
なお、クロック生成回路435で生成されるクロック信号は、受信SPDIF信号を参照信号としてPLL回路で発生されたものであり、当該SPDIF信号に同期したものとなる。従って、SPDIF送受信回路115Bの受信部では、SPDIF信号に対して、当該SPDIF信号に同期したクロック信号CLKに基づいて、データ抽出処理、復号処理等が行われて、オーディオデータ等のデータが取得される。
次に、シンク機器120Bから送信されてくるクロック信号が使用される状態について説明する。シンク機器120Bにおいて、接続スイッチ485は接続状態とされる。クロック生成回路452で生成されるクロック信号は、LAN信号送信回路441の入力側に供給される。このLAN信号送信回路441から、クロック信号に対応した差動信号(正出力信号、負出力信号)が出力される。この差動信号は、接続点P3,P4に供給され、HDMIケーブル130の1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、ソース機器110Bに送信される。
また、ソース機器110Bにおいて、切換スイッチ475は、b側に接続される。そして、ソース機器110Bにおいて、LAN信号受信回路415の入力側は接続点P1,P2に接続されている。そのため、LAN信号受信回路415の出力信号SG412、従って減算回路416のSG413は、シンク機器120Bから送信されたクロック信号CLKとなる。このクロック信号CLKは、切換スイッチ475を介して、SPDIF送受信回路115Bに受信部の動作クロックとして供給される。
なお、SPDIF送受信回路115Bに供給されるSPDIF信号は、シンク機器120BのSPDIF送受信回路125Bにおいて、クロック生成回路452で生成されたクロック信号CLKを動作クロックとして得られたものである。そのため、ソース機器110Bにおいて、SPDIF送受信回路115Bに供給されるシンク機器120Bから送信されてきたクロック信号CLKは、当該SPDIF送受信回路115Bに供給される受信SPDIF信号に同期したものとなっている。従って、SPDIF送受信回路115Bでは、SPDIF信号に対して、当該SPDIF信号に同期したクロック信号に基づいて、データ抽出処理、復号処理等が行われて、オーディオデータ等のデータが取得される。
なお、上述はソース機器110BのSPDIF送受信回路115Bの受信部の動作クロックに着目したものである。詳細説明は省略するが、シンク機器120BのSPDIF送受信回路125Bの受信部の動作クロックに関しても、同様である。すなわち、この受信部の動作クロックとして、シンク機器120Bが持つクロック生成回路452で生成されたクロック信号、あるいは、ソース機器110Bから送信されてくるクロック信号のいずれかが使用される。
上述したように、シンク機器120Bはソース機器110Bにクロック信号を、リザーブラインおよびHPDラインからなる伝送路を介して、差動信号として送ることが可能とされている。一方、ソース機器110Bはシンク機器120BからリザーブラインおよびHPDラインからなる伝送路を介して、差動信号として送られてくるクロック信号を抽出して使用することが可能とされている。
このようにソース機器110B側において、シンク機器120Bからクロック信号を送ってもらってそれを使用する状態とするか、あるいは、自身が持つクロック生成回路435で生成されたクロック信号を使用する状態とするかは、予め設定される。この設定は、例えば、上述したように、ソース機器110Bとシンク機器120Bとの間でクロック信号に関するCDCメッセージが交換されることで行われる。例えば、シンク機器120Bがクロック信号の送信をサポートしており、ソース機器110Bがクロック信号の受信をサポートしている場合には、シンク機器120Bからソース機器110Bにクロック信号を送信する状態に設定される。
また、上述したように、ソース機器110Bはシンク機器120Bにクロック信号を、リザーブラインおよびHPDラインからなる伝送路を介して、差動信号として送ることが可能とされている。一方、シンク機器120Bはソース機器110BからリザーブラインおよびHPDラインからなる伝送路を介して、差動信号として送られてくるクロック信号を抽出して使用することが可能とされている。
このようにシンク機器120B側において、ソース機器110Bからクロック信号を送ってもらってそれを使用する状態とするか、あるいは、自身が持つクロック生成回路452で生成されたクロック信号を使用する状態とするかは、予め設定される。この設定は、例えば、上述したように、ソース機器110Bとシンク機器120Bとの間でクロック信号に関するCDCメッセージが交換されることで行われる。例えば、ソース機器110Bがクロック信号の送信をサポートしており、シンク機器120Bがクロック信号の受信をサポートしている場合には、ソース機器110Bからシンク機器120Bにクロック信号を送信する状態に設定される。
なお、クロック信号の送信は、リザーブラインおよびHPDラインからなる伝送路を、差動信号として送信される。上述したように、ソース機器110Bとシンク機器120Bとの間のLAN信号(イーサネット信号)も、リザーブラインおよびHPDラインからなる伝送路を、差動信号として送信される。そのため、クロック信号の送信は、ソース機器110Bとシンク機器120Bとの間でLAN信号(イーサネット信号)の通信が行われているときは行われない。これにより、LAN信号(イーサネット信号)の通信にクロック信号が影響を及ぼさないようにされる。
以上説明したように、図26、図27に示すAVシステム100Bにおいては、SPDIF信号の送信側から受信側に、SPDIF信号と共に、このSPDIF信号に同期したクロック信号を送信することが可能とされている。この場合、受信側のSPDIF送受信回路では、SPDIF信号に時間軸ゆらぎ(ジッタ)があっても、送信側から送信されたクロック信号に基づいて、SPDIF信号からデータを正しく抽出することが可能となる。従って、SPDIF信号の伝送品質の向上が図られる。
また、図26、図27に示すAVシステム100Bにおいては、SPDIF信号の送信側から受信側に、SPDIF信号と共に、このSPDIF信号に同期したクロック信号を送信することが可能とされている。この場合、受信側では、PLL回路を用いてSPDIF信号に同期したクロック信号を再生することが必要なくなり、PLL回路起因のジッタの影響もなくなる。
また、図26、図27に示すAVシステム100Bにおいては、SPDIF信号の送信側から受信側に、SPDIF信号と共に、このSPDIF信号に同期したクロック信号を送信することが可能とされている。この場合、受信側では、PLL回路を用いてSPDIF信号に同期したクロック信号を再生する必要がなくなる。従って、PLL回路で伝送レートが制限されてしまうこともなく、より高いレートのSPDIF信号を伝送することが可能となる。
また、図26、図27に示すAVシステム100Bにおいては、SPDIF信号の送信側から受信側に送信されるクロック信号は、1対のライン(リザーブライン501、HPDライン502)を通じて、差動信号として、送信される。従って、クロック信号CLKを高品質で送信でき、さらに、高周波信号でもEMI等の影響も防ぐことが可能となる。
なお、上述したようにSPDIF信号の相互伝送が可能なものにあっては、DTCP等で著作権保護を行う際に、当該SPDIF信号の相互伝送を利用してソース機器110Bとシンク機器120Bとの間で認証、鍵交換処理(図22参照)を行うことができる。この場合、例えば、図11(d)に示したユーザデータのユーザ情報X乃至Zを用いることにより、上述の著作権保護のための認証および鍵交換などが可能である。
また、上述したSPDIF規格のチャネルステータスフォーマットにおいて、図10に示すように、双方向通信が可能であるか否かを示す双方向通信ビットとして、例えば、第5バイトの第0ビット目を使用できる。すなわち、シンク機器120BからのSPDIF信号のチャンネルステータスにおいて、第5バイトの第0ビット目が「1」を示している場合には、ソース機器110Bがシンク機器120Bに対してSPDIF信号の送信が可能であることを意味する。
シンク機器120Bから受信したSPDIF信号のチャンネルステータスにおいて双方向通信ビットが「1」を示している場合、ソース機器110BはSPDIF信号を送信して応答する。これにより、HDMIMケーブル130における双方向通信のシーケンスが開始される。
一方、シンク機器120BからのSPDIF信号のチャンネルステータスにおいて、第5バイトの第0ビット目が「0」を示している場合には、ソース機器110Bがシンク機器120Bに対してSPDIF信号の送信が不可能であることを意味する。
<4.変形例>
なお、図26、図27に示すAVシステム100Bにおいては、SPDIF信号の送信側から受信側に、SPDIF信号と共に、このSPDIF信号に同期したクロック信号を送信する例を示した。しかし、図26、図27に示すAVシステム100BのようにSPDIF信号の双方向伝送が可能なものにあって、図23、図24のAVシステム100Aのように、SPDIF信号の送信側が、受信側からのクロック信号で送信動作をする構成も考えられる。
また、ソース側にアナログの音声入力があり、それをシンク側にデジタル伝送して、再生する場合を考える。この場合、シンク側からソース側にクロックを伝送し、ソース側ではこのクロック信号を用いてアナログ音声入力をデジタルに変換してシンク側に伝送する。この場合、シンク側ではソース側のA/D変換と同期したクロックでアナログ信号に変換できる。したがって、ソース側に入力されたアナログ音声信号を高品質でシンク側に伝送して再生することが可能となる。
なお、上述実施の形態においては、各機器を接続する伝送路として、HDMI規格のインタフェースを前提として説明したが、その他の同様な伝送規格にも適用できることは勿論である。
100,100A,100B・・・AVシステム、110,110B・・・ソース機器、111・・・HDMI端子、112・・・HDMI送信部、113,113B・・・ソース側送受信回路、114・・・イーサネット送受信回路、115・・・SPDIF受信回路、115B・・・SPDIF送受信回路、116・・・シンク機種検出回路、117・・・プラグ接続検出回路、120,120B・・・シンク機器、121・・・HDMI端子、122・・・HDMI受信部、123,123B・・・シンク側送受信回路、124・・・イーサネット送受信回路、125・・・SPDIF送信回路、125B・・・SPDIF送受信回路、126・・・ソース機種検出回路、127・・・プラグ接続伝達回路、130・・・HDMIケーブル