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JP4642686B2 - 滑り軸受の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内周に挿入された軸部材を、相対的に回転、摺動又は摺動回転できるように支持する滑り軸受(以下、軸受と称する)の製造方法に係るものであって、特に軸受面を電鋳部に形成した滑り軸受の製造方法に関するものである。
このような軸受として、例えば特許文献1では、電鋳加工により形成された電鋳部をインサートして型成形した軸受が提案されている。このような電鋳部の内周面に形成された軸受面は、真円度及び内径寸法精度が高く、摺動性に優れている。よって、軸受面と、軸受の内周に挿入される軸部材の外周面との間に形成される軸受隙間を高精度に設定することができ、高精密な回転、摺動又は摺動回転が可能となる。
特開2003−56552号公報
上記のような軸受は、(1)マスター軸の外周面に、電鋳加工により電鋳部を形成し、(2)このマスター軸および電鋳部をインサートして軸受を型成形し、(3)金型から成形品を取り出し、さらに(4)電鋳部をマスター軸から剥離し、軸受とマスター軸とを分離することにより製作される。このように製造が多工程に亘ることで、生産効率の低下および製造コストの高騰を招いていた。
本発明の課題は、軸受面を電鋳部に形成した軸受を、効率よく低コストに製造する方法を提供することである。
前記課題を解決するため、本発明は、内周面に軸受面が形成された電鋳部と、電鋳部をインサートした射出成形により形成された保持部とを備えた滑り軸受を製造するための方法であって、マスター軸およびマスター軸に形成された電鋳部からなる電鋳軸を型に入れて保持部を成形した後、保持部の成形面を有する可動型にマスター軸を固定した状態で、成形品を型から排出する際に可動型に設けた突き出し部の加圧力で、あるいは、型開きの際に型開きの力で、電鋳部をマスター軸から剥離させることを特徴とする。
このように、本発明では、型開き開始から、成形品を型から排出するまでの間に、電鋳部をマスター軸から剥離させる。これにより、電鋳部の剥離を射出成形工程中で行うことができ、軸受の製造工程数を削減して生産効率の向上および低コスト化を図ることができる。
この電鋳部の剥離は、例えば型開きの際に行うことができる(図5参照)。あるいは、成形品を型から排出する際に行うことができる(図6および図7参照)。
以上のように、本発明の製造方法によると、軸受面を電鋳部に形成した軸受を効率よく低コストに製造することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「回転用の軸受」とは、軸部材との間の相対回転を支持する軸受を意味し、軸受が回転側となるか固定側となるかを問わない。「摺動用の軸受」とは、軸との間の相対的な直線運動を支持する軸受を意味し、同様に軸受が移動側となるか固定側となるかを問わない。「回転摺動用の軸受」とは、前記二つの軸受の機能を併せ持つもので、軸との間の回転運動及び直線運動の双方を支持する軸受を意味する。本実施形態では、回転用の軸受に本発明を適用した場合を示す。
図1は、本発明の製造方法により製造された軸受3を有する軸受装置1の断面図である。軸受装置1は、軸受3と、軸受3の内周に挿入された軸部材2とで構成される。軸受3は、電鋳加工で形成される電鋳部4と、電鋳部4を内周に保持する保持部5とを備える。
以下、軸受3の製造工程を説明する。軸受3は、マスター軸7の所要個所にマスキングした上、電鋳加工を行って電鋳軸9を形成する工程(図2、図3参照)、電鋳軸9をインサートして型成形する工程(図4参照)、及び型開きと同時に電鋳部4をマスター軸7から剥離し、軸受3とマスター軸7とを分離する工程(図5参照)を経て製作される。
マスター軸7は、導電性材料、例えば焼入処理をしたステンレス鋼で、ストレートな横断面円形の軸として製作される。材料はステンレス鋼に限定されるものでなく、剛性などの機械的強度、摺動性、耐熱性、耐薬品性、電鋳部4の加工性及び剥離性など、軸受3の機能上あるいは軸受3の製作の都合上求められる特性に適合した材料、さらには熱処理方法が選択される。セラミック等の非金属材料でも、導電処理を施すことにより(例えば表面に導電性の金属皮膜を形成することにより)使用可能となる。なお、マスター軸7の表面には、後述の電鋳部4を分離する工程で、電鋳部4との摩擦を低減するために、例えばフッ素系の樹脂コーティングを施すのが望ましい。
マスター軸7は、中実軸の他、中空軸や中空部に樹脂を充填した中実軸であっても良い。また、本実施形態で示すような回転用の軸受では、マスター軸の横断面は基本的に円形に形成されるが、摺動用の軸受の場合は横断面を任意形状にすることができ、円形のほかに多角形状や非真円形状とすることもできる。また、摺動用の軸受では、基本的にマスター軸7の横断面は軸方向で一定形状であるが、回転用の軸受や回転摺動用の軸受では、軸の全長にわたって一定の横断面形状ではない形態をとることもある。
マスター軸7の外周面精度は、電鋳部4の内周面4aに形成される軸受面Aの面精度、ひいては軸受隙間の精度を直接左右するので、真円度、円筒度、表面粗さ等の軸受機能上重要となる表面精度を、予め高精度に仕上げておく必要がある。例えば本実施形態のような回転用の軸受では、軸受面Aの真円度が重視されるので、マスター軸7の外周面はできるだけ真円度を高める必要がある。例えば、後述する軸受隙間の平均幅(半径寸法)の5割以下、望ましくは3割以下にまで仕上げておくのが望ましい。従って、例えば軸受隙間の平均幅を2μmに設定する場合、マスター軸外周面は1μm以下、望ましくは0.6μm以下の真円度に仕上げるのが望ましい。
図2に示すように、マスター軸7の外周面のうち、電鋳部4の形成予定部となる領域には、後述する電鋳部4の内周面4aに形成される動圧発生部の形状に対応した凹凸形状を有する成形型Nが形成される。この成形型Nと動圧発生部の凹凸態様は正反対であり、動圧発生部の凸部となる部分が、成形型Nでは凹部7a1、7a2(図2にクロスハッチングで示す)に対応する。図示例では、成形型Nを凹部7a1、7a2からなるヘリングボーン形状とした場合を例示しているが、その他の動圧溝パターン、例えばスパイラル形状や、多円弧形状、ステップ形状などに形成することもできる。
成形型Nは、例えば切削加工やプレス加工等による機械加工の他、エッチング等の表面処理加工を用いて形成される。この成形型Nの加工精度は、動圧発生部の成形精度、ひいては動圧軸受の軸受性能を直接左右するので、高精度に仕上げておく必要がある。
マスター軸7の外周面には、電鋳部4の形成予定部を除き、マスキング8が施される(図2に散点で示す)。マスキング8用の被覆材としては、非導電性、及び電解質溶液に対する耐食性を有する既存品が選択使用される。
電鋳加工は、NiやCu等の金属イオンを含んだ電解質溶液にマスター軸7を浸漬し、電解質溶液に通電して目的の金属をマスター軸7の表面に析出させることにより行われる。電解質溶液には、カーボンなどの摺動材、あるいはサッカリン等の応力緩和材を必要に応じて含有させてもよい。電着金属の種類は、電鋳部4の内周面4aに形成される軸受面Aに求められる硬度や耐摩耗性、疲れ強さ等の物理的性質、化学的性質に応じて適宜選択される。なお、この電鋳加工は、上記のように溶液に通電して行われる、いわゆる電解メッキによるものに限らず、溶液に通電せずに目的金属を析出させる、いわゆる無電解メッキで行うこともできる。このとき、マスキング8の被覆材には、無電解メッキにより目的金属が表面に析出しない材料を選択する必要がある。
以上の工程を経ることにより、図3に示すように、マスター軸7の外周に円筒状の電鋳部4が形成された電鋳軸9が完成する。このとき、軸受面Aとなる電鋳部4の内周面4aには、マスター軸7の外周面に形成された成形型Nの凹凸形状が転写されることにより、複数の動圧溝からなる動圧発生部が形成される(図示省略)。電鋳軸9は、図4に示す射出成形工程に移送され、電鋳軸9をインサート部品とする射出成形が行われる。
図4に、軸受3のインサート成形工程を概念的に示す。この工程で使用される成形金型は、可動型10、および固定型11からなる。
この工程では、まず、可動型10の内周面10aにマスター軸7を挿入し、可動型10の下端面10bに電鋳部4の上端面4bを当接させる。この状態で、固定手段15によりマスター軸7を可動型10に固定することで、電鋳軸9が位置決めされる。固定手段15として、例えばチャック装置を使用することができる。マスター軸7のチャッキングは、油圧で行う他、カムを併用してモータで行うこともできる。
その後、固定型11と可動型10とを当接させて、型締めが完了する。この状態で、図示しないスプルー、ランナ、およびゲートを介してキャビティ内に溶融樹脂を射出、充填し、保持部5を電鋳軸9と一体に成形する。
金型内に射出される溶融樹脂として、例えばLCP、PPS、PEEK等の結晶性樹脂や、PPSU、PES、PEI等の非晶性樹脂をベース樹脂とする樹脂組成物が使用できる。また、上記の樹脂に充填する充填材の種類も特に限定されないが、例えば、充填材として、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンファイバー、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、金属粉末等の繊維状又は粉末状の導電性充填材を用いることができる。これらの充填材は、単独で用い、あるいは、二種以上を混合して使用しても良い。
なお、射出される材料としては金属材料も使用可能である。例えば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の低融点金属材料が使用可能である。この場合、樹脂材料を使用する場合に比べて、強度、耐熱性、または導電性等をより向上させることができる。この他、金属紛とバインダーの混合物で射出成形した後、脱脂・焼結するいわゆるMIM成形を採用することもできる。
樹脂材料が固化した後、型開きが行われる。この時、マスター軸7が可動型10に固定されているので、図5に示すように、可動型10の移動に伴って、マスター軸7が電鋳部4から剥離する。その一方で、電鋳部4および保持部5は固定型11に残る。電鋳部4とマスター軸7が剥離すると同時に、電鋳部4の内部応力が解放されて電鋳部4の内周面4aが僅かに拡径するので、以後はマスター軸7をスムーズに電鋳部4から抜き取ることができる。
電鋳部4とマスター軸7が剥離する際、両者を引き剥がそうとする力は、電鋳部4と保持部5との間にも作用する。従って、電鋳部4とマスター軸7が剥離せずに、電鋳部4と保持部5とが剥離するおそれもある。しかしながら、電鋳加工で形成された電鋳部4のうち、マスター軸7との密着面(内周面4a)は高精度の緻密面となる一方、反対側の外周面4cは粗面となり、この粗面の微小凹凸に保持部5の樹脂材料が入り込んでアンカー効果を発揮する。そのため、保持部5と電鋳部4の外周面4c(粗面)との固着力は、電鋳部4の内周面4a(緻密面)とマスター軸7との固着力よりも大きく、従って、電鋳部4とマスター軸7を確実に剥離させることができる。
型開き終了後、固定型11に設けられた突き出し機構のイジェクタピン16等で成形品を突き出すことにより、保持部5および電鋳部4からなる軸受3が固定型11から分離され、型外に排出される。
このように、本発明によると、従来は射出成形工程とは別の独立した工程で行われていた電鋳部4の剥離作業を射出成形工程で行うことができる。よって、製造工程数を減らすことができ、生産性の向上とコストの低減が図られる。
こうして軸受3をマスター軸7から分離した後、軸受3に軸部材2を挿入し、軸受3の内周面と軸部材2の外周面との間の軸受隙間に潤滑油を充填することで、図1に示す軸受装置1が完成する。軸部材2の回転時には、軸受面Aとなる電鋳部4の内周面4aに形成された動圧発生部が、電鋳部4の内周面4aと軸部材2の外周面2aとの間の軸受隙間の潤滑油に動圧作用を発生させることにより、軸部材2がラジアル方向に支持される。また、軸部材2の球面状凸部2bの下端部と電鋳部4の内底面4cとが接触し、軸部材2がスラスト方向に支持される。
以上の実施形態では、型開きと同時に電鋳部4をマスター軸7から剥離しているが、この剥離作業を射出成形工程中の他のタイミングで行うこともできる。以下、図6および図7を用いて、その一例を説明する。
この実施形態では、可動型10の内周に突き出し部17が設けられる。突き出し部17の内周にマスター軸7を挿入し、図示しない固定手段で可動型10にマスター軸7を固定する。このとき、突き出し部17の下側端面17bは、電鋳部4の上側端面4bと当接するとともに、保持部5の上側端面5cを成形する成形型を構成する。この状態でキャビティ内に溶融樹脂を射出し、保持部5を成形する。保持部5の固化後、型開きし、可動型10、マスター軸7、電鋳部4、および保持部5の一体品を固定型11から離反させる。
その後、図6に示すように、イジェクタピン等の突き出し部17で電鋳部4を軸方向に加圧することで、電鋳部4とマスター軸7とを剥離させる。さらに突き出し部17を押し込むことで、電鋳部4および保持部5からなる軸受3をマスター軸7から分離し、金型から軸受3を排出する(図7参照)。
このとき、図7に示すように、突き出し部17の下側端面17bで、電鋳部4の上端面4b及び保持部5の上端面5cを同時に加圧すれば、電鋳部4と保持部5との剥離を確実に防止できる。
この実施形態のように電鋳部4とマスター軸7との剥離に先んじて成形品を固定型11から分離するためには、保持部5と固定型11の成形面との間の固着力を、電鋳部4とマスター軸7の間の固着力よりも弱めておく必要がある。この固着力の調整は、例えば金型成形面の抜き勾配を変更したり、あるいは金型成形面の表面粗さを変更することで行うことができる。あるいは電鋳部4やマスター軸7の素材を変更して両者間の固着力を調整することで行うこともできる。
また、以上の実施形態では、マスター軸7を可動型10に固定する固定手段として、チャック装置を使用した場合を示したが、固定手段はこれに限らない。例えば、図8に示すような内孔18aを有する円錐形状の皿バネ18を用いて、マスター軸7を可動型10に固定することもできる。
皿バネ18は、金属材料等の弾性変形可能な材料で、例えばプレス加工により形成される。内孔18aは、マスター軸7の外径よりも僅かに大径に形成される。この皿バネ18を可動型10の所定位置に配し、マスター軸7を可動型10の内周面10aおよび皿バネ18の内孔18aに挿入する(図9(a)参照)。
その後、皿バネ18を、加圧手段19により図中上方から加圧し、強制的に平面状に変形させることにより、皿バネ18の内孔18aを縮径させる。この皿バネ18の縮径を利用してマスター軸7を外周から締め付けることにより、マスター軸7を可動型10に固定することができる。また、図9に示すように、マスター軸7の外周面の所定位置に円周方向の凹部7bを設けておくと、皿バネ18の内径端が凹部7bに嵌まり込み、マスター軸7の固定型10への位置決めがより確実なものとなる。
このようにしてマスター軸7(電鋳軸9)を固定した可動型10と、図示しない固定型とを用いて、保持部5を射出成形し、軸受3を形成する。金型から軸受3を排出した後、加圧手段19による加圧を解放すると、皿バネ18が弾性的にもとの円錐形状に復元する。これにより、縮径していた皿バネ18の内孔18aが拡径し、マスター軸7の締め付けが解放され、マスター軸7を可動型10から取り外すことができる。
このように皿バネ18で固定手段を構成すると、チャック装置等を使用する場合と比べ、固定手段の軸方向寸法を縮小できる。よって、この固定方法は、軸方向寸法の短いマスター軸7を固定する際に有効である。また、皿バネ18の内径部に、図10で示すような放射状のスリットを複数本形成しておくと、皿バネ18の内孔の拡径・縮径が容易化され、マスター軸7の固定及び取り外しをより簡易に行うことができる。
軸受装置1の構成は、上記に限られない。上記では、電鋳部4の内周面4aに動圧発生部が形成される場合を例示したが、電鋳部4の内周面4aは円筒面とし、対向する軸部材2の外周面2aに動圧発生部を形成することもできる。あるいは、電鋳部4の内周面4aおよび軸部材2の外周面2aをともに円筒面とする、いわゆる真円軸受としてもよい。この場合、軸部材2として、マスター軸7を使用することもできる。このとき、電鋳部4をマスター軸7からの剥離により形成された電鋳部4の内周面4aとマスター軸7の外周面との間の微小隙間は軸受隙間として機能する。この軸受隙間は、電鋳加工の特性から、クリアランスが極めて小さく、かつ高精度であるという特徴を有するため、軸受装置1は高い回転精度を有する。また、上記と同様にマスター軸7と同程度の精度で別途製作した軸部材と置き換えて軸受を構成する場合、一度マスター軸7を製作すれば、これを繰返し転用することができるので、マスター軸7の製作コストを抑え、軸受装置1のさらなる低コスト化を図ることが可能となる。
また、以上の実施形態では、スラスト方向の支持として、いわゆるピボット軸受を採用しているが、この代わりに動圧軸受を採用することができる。この場合、下端面を有する軸部材2を使用し、その下端面にスパイラル形状に形成した動圧溝やステップ面等の動圧発生部を形成する。この動圧発生部が、軸部材2の下端面と電鋳部4の内底面4cとの間のスラスト軸受隙間の潤滑流体に動圧作用を発生させ、スラスト軸受部を構成することができる。なお、動圧発生部は、電鋳部4の内底面4cに形成してもよい。
また、上記の実施形態では、軸受3が有底円筒状に形成される場合を例示したが、これに限らず、例えば両端に開口した形状に形成してもよい。
以上説明した軸受装置は、各種モータに組み込んで使用可能である。以下、軸受装置1をファンモータ用の回転軸支持装置として使用した例を、図8に基づいて説明する。
図11は、本発明に係る動圧軸受装置1を組み込んだファンモータを概念的に示す断面図である。このファンモータは、軸部材2を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置1と、軸部材2に装着されたロータ23と、ロータ23の外径端に取付けられたファン24と、例えば半径方向(ラジアル方向)のギャップを介して対向させたステータコイル26aおよびロータマグネット26bと、これらを収容し、上端面および側面の一部が開口したケーシング25とを備えるものであり、一般的にはラジアルギャップ型ファンモータと称される。ステータコイル26aは、動圧軸受装置1の外周に取付けられ、ロータマグネット26bはロータ23に取付けられている。図8に示す例では、ケーシング25は、動圧軸受装置1の保持部5を一体に有し、例えば樹脂の射出成形により形成される。なお、ファンモータの形態として、ステータコイル26aとロータマグネット26bとを軸方向(アキシャル方向)のギャップを介して対向させる、いわゆるアキシャルギャップ型ファンモータとすることもできる(図示省略)。
ステータコイル26aに通電すると、ステータコイル26aとロータマグネット26bとの間の電磁力でロータマグネット26bが回転し、それによって、ロータ23及びファン24が軸部材2と一体に回転する。ファン24が回転すると、ケーシング25の上端開口部25aから図1中の矢印Y方向に外気が引き込まれると共に、ケーシング内の空気が側面開口部25bから矢印X方向へ排出される。このようなファンモータは、側面開口部25bから排出される気流によって他の装置等を冷却したり、あるいは、下端面を他の装置(図1中に一点鎖線で示す)と面するように設置し、他の装置の熱がファンモータに伝わり、上記の気流によってファンモータに伝わった熱が外部へ放熱されることにより、装置を冷却したりすることができる。なお、図11に示すように、ロータマグネット26bがステータコイル26aと対向する部分よりも上方へ延在することにより、この延在部とステータコイル26aとの吸引力の軸方向成分が、軸部材2の抜け止めとして作用する。
本発明の軸受装置は、ファンモータに限らず、光ディスクの光磁気ディスク駆動用のスピンドルモータ等、高速回転下で使用される情報機器用の小型モータ、あるいはレーザビームプリンタのポリゴンスキャナモータ等における回転軸支持用としても好適に使用することができる。
また、以上の説明では、軸受3を回転用の軸受に使用する場合を例示しているが、この他にも軸受3は、摺動用の軸受や、回転摺動用の軸受にも適用することができる。
軸受装置1の断面図である。 マスター軸7に成形型Nを形成した状態を示す斜視図である。 電鋳軸9の斜視図である。 電鋳軸9をインサートした保持部5の射出成形工程を示す断面図である。 型開きと同時に電鋳部4をマスター軸7から剥離し、軸受3とマスター軸7とを分離した状態を示す断面図である。 他の実施形態にかかる保持部5の射出成形工程を示す断面図である。 軸受3を金型から取り出すと同時に、電鋳部4とマスター軸7とを剥離した状態を示す断面図である。 皿バネ18を示す斜視図である。 皿バネを用いた固定手段により、マスター軸7を(a)固定する前の状態、及び(b)固定した状態を示す断面図である。 皿バネ18の他の例を示す上面図である。 軸受装置1を組み込んだファンモータを示す断面図である。
符号の説明
1 軸受装置
2 軸部材
3 軸受
4 電鋳部
5 保持部
7 マスター軸
9 電鋳軸
10 可動型
11 固定型
15 固定手段
17 突き出し部
18 皿バネ
A 軸受面

Claims (3)

  1. 内周面に軸受面が形成された電鋳部と、電鋳部をインサートした射出成形により形成された保持部とを備えた滑り軸受を製造するための方法であって、
    マスター軸およびマスター軸に形成された電鋳部からなる電鋳軸を型に入れて保持部を成形した後、保持部の成形面を有する可動型にマスター軸を固定した状態で、成形品を型から排出する際に、可動型に設けた突き出し部の加圧力で電鋳部をマスター軸から剥離させることを特徴とする滑り軸受の製造方法。
  2. 突き出し部で、電鋳部及び保持部を軸方向一方側から同時に加圧する請求項1記載の滑り軸受の製造方法。
  3. 内周面に軸受面が形成された電鋳部と、電鋳部をインサートした射出成形により形成された保持部とを備えた滑り軸受を製造するための方法であって、
    マスター軸およびマスター軸に形成された電鋳部からなる電鋳軸を型に入れて保持部を成形した後、保持部の成形面を有する可動型にマスター軸を固定した状態で、型開きの際に、型開きの力で電鋳部をマスター軸から剥離させることを特徴とする滑り軸受の製造方法。
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