JP4539031B2 - 光電気混載基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光回路と電気回路を同一基板に混在して設けた光電気混載基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信インフラの急速な広帯域化、コンピュータ等の情報処理能力の飛躍的な増大などに伴なって、非常に高速な情報伝送路を有する情報処理回路へのニーズが高まっている。このような背景のもと、電気信号の伝送速度限界を突破する一つの手段として、光信号による伝送が考えられており、電気回路に光回路を混載することが種々検討されている。
【0003】
この電気回路と光回路の混載の基本となる考え方は、従来から用いられているプリント配線板に電気回路の他に光回路を混載して形成することである。そして光回路と電気回路を多層に積層して形成される光電気混載基板を製造するにあたって、主として次の二種類の方法が提案されている。
【0004】
すなわち一つの方法は、電気回路を施した基板の上に、クラッド層とコア層とクラッド層を順次積層して光回路を構成する光導波路を形成し、さらにこの上に電気回路をメッキなどで積み上げて形成する方法である。
【0005】
また他の一つの方法は、仮基板の上にクラッド層とコア層とクラッド層を順次積層して光回路を構成する光導波路を形成し、次にプリント配線板にこの光導波路を接着した後に仮基板を剥離し、さらにこの光導波路の上に電気回路をメッキなどで積み上げて形成する方法である(特許文献1等参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−15889号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記の方法では、光回路と電気回路を順次形成して積み上げていくために、工程数が多くなり、また電気回路はメッキで形成されるために配線の精度が悪く、高品質な光電気混載基板を安定して工業生産することは難しいという問題があった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、従来からのプリント配線板製造技術を用いて、簡易な方法で高品質な光電気混載基板を得ることができる光電気混載基板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る光電気混載基板の製造方法は、活性エネルギー線の照射によって溶解度が変化するかあるいは屈折率が変化する感光性透明樹脂よりなる感光性透明樹脂層1と、金属層2とを少なくとも備え、金属層2のマット面側に感光性透明樹脂層1が積層された積層物3を用い、
(a)感光性透明樹脂層1に活性エネルギー線を照射して光導波路4のコア部4aを形成する工程、
(b)光導波路4を伝播する光を光導波路4外へ偏向出射させ、あるいは光導波路4外からの光を光導波路4に偏向入射させるための偏向部5を形成する工程、
(c)金属層2を加工して電気回路6を形成する工程、
を含む工程で上記積層物3を加工するにあたって、偏向部5を形成する(b)の工程を、少なくとも感光性透明樹脂層1に光導波方向に対して傾斜する面を形成する工程と、この傾斜面7の表面に、金属粒子を含むペーストを供給する方法、金属蒸着によって金属を堆積させる方法、スパッタリングによって金属を堆積させる方法から選ばれる方法で、光反射部8を形成する工程とを含む工程から行なうことを特徴とするものである。
【0011】
また請求項2の発明は、請求項1において、前記の光導波路4のコア部4a、偏向部5、電気回路6を、積層物3の金属層2にあらかじめ形成された基準マークを基準として位置決めした位置に形成することを特徴とするものである。
【0012】
また請求項3の発明は、請求項1において、前記の感光性透明樹脂層1に光導波路4のコア部4aを形成する(a)の工程で、同時に感光性透明樹脂層1に基準マークを形成し、前記の偏向部5、電気回路6をこの基準マークを基準として位置決めした位置に形成することを特徴とするものである。
【0013】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、光導波路4のコア部4aを形成する前記(a)の工程及び偏向部5を形成する前記(b)の工程を行なった後、光導波路4を形成した面を基板11に接着し、この後に電気回路6を形成する(c)の工程を行なうことを特徴とするものである。
【0014】
また請求項5の発明は、請求項4において、前記基板11が表面又は内部に電気回路12を有するプリント配線板であり、この電気回路12と、前記(c)の工程で形成した電気回路6とを電気的に接続する工程を有することを特徴とするものである。
【0015】
また請求項6の発明は、請求項4又は5において、光導波路4を形成した面を基板11に接着する接着剤14として、光導波路4のコア部4aの屈折率よりも低い屈折率を有するものを用いることを特徴とするものである。
【0016】
また請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、感光性透明樹脂層1の金属層2と反対側の表面にカバーフィルム15を張った積層物3を用い、偏向部5を形成する前記(b)の工程を、カバーフィルム15の上から少なくとも感光性透明樹脂層1に光導波方向に対して傾斜する面7を形成する工程と、この傾斜面7の表面に光反射部8を形成する工程とを含む工程から行ない、この後にカバーフィルム15を剥離することを特徴とするものである。
【0018】
また請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、偏向部5に対向する領域の金属層2を除去し、この部分に透明樹脂16を塗布する工程を有することを特徴とするものである。
【0019】
また請求項9の発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、金属層2を除去した部分の周囲に残存する金属層2と接するようにレンズ体46を配置したときに、レンズ体46の光軸が偏向部5を通る位置になるよう位置決めして偏向部5に対向する領域の金属層2を除去し、この部分にレンズ体46を配置して取り付ける工程を有することを特徴とするものである。
【0020】
また請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれかにおいて、感光性透明樹脂層1と金属層2との間に、光導波路4のコア部4aより屈折率が低い透明樹脂層17を設けた積層物3を用いることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は本発明の実施の形態の一例を示すものであり、図1(a)のように、電気回路6を形成するための金属層2、光導波路4のコア部4aを形成するための感光性透明樹脂層1、金属層2と感光性透明樹脂層1を接着するための透明樹脂層17、感光性透明樹脂層1の表面を覆うカバーフィルム15からなる積層物3を用いるようにしてある。
【0023】
ここで、上記の感光性透明樹脂層1を形成する感光性透明樹脂としては、紫外線等の活性エネルギー線の照射によって、溶剤に対する溶解性が変化するものを用いるものであり、活性エネルギー線の照射によって溶剤に対する溶解性が低くなるものとしては、光硬化性のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、珪素系樹脂や、電子線硬化性樹脂などを、活性エネルギー線の照射によって溶剤に対する溶解性が高くなるものとしては、光分解性のナフトキノン系樹脂などを使用することができる。これらのなかでも透明性が高く、耐熱性の高いものが好ましい。
【0024】
また透明樹脂層17を形成する透明樹脂としては、屈折率が上記の感光性透明樹脂層1(少なくとも感光性透明樹脂層1の後述の露光部1a)の屈折率よりも低いものを用いるものであり、難燃性が高く、感光性透明樹脂層1に照射される活性エネルギー線を吸収するものが好ましい。単一層の透明樹脂層17でこのような条件を満たすことが難しい場合は、低屈折率の感光性透明樹脂層1の側の層と、金属層2に接着される層との二層構成に形成することもできる。この透明樹脂層17を形成する透明樹脂としては、前記の光硬化性樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。またこの樹脂には、難燃性付与や、活性エネルギー線吸収のため、添加型あるいは反応型のハロゲン系、燐系、シリコン系等の難燃剤や紫外線吸収剤を含有させてもよい。
【0025】
また金属層2としては金属箔を用いることができるものであり、例えば厚み9〜70μm程度の銅箔を好適に使用することができる。勿論これに限定されるものではなく、アルミニウム箔、ニッケル箔等であってもよく、厚みも上記の範囲に限られるものではない。この金属層2の樹脂層を設ける側と反対側の面には剛体の支持体を粘着剤などで剥離自在に設け、金属層2の取り扱い性を高めるようにすることもできる。支持体としては金属板や樹脂板、セラミック板などを用いることができ、金属層2を積層する側の面は鏡面であることが、剥離性のうえで好ましい。また支持体の表面にメッキによって金属層2を設けることもできる。
【0026】
さらにカバーフィルム15としては、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリアセテートフィルムなどの透明フィルムを用いることができるが、これらに限定されるものではない。カバーフィルム15の厚みは特に制限されるものではないが、5〜100μmのものが好適に用いられる。またカバーフィルム15の表面に離型処理を施したものを用いることもできる。このカバーフィルム15は必須のものではなく、カバーフィルム15を具備しない積層物3を用いることもできる。
【0027】
積層物3を作製するにあたっては、まず金属層2として金属箔を用いる場合にはそのマット面に透明樹脂をコンマコータ、カーテンコータ、ダイコータ、スクリーン印刷、オフセット印刷の手法でコーティングし、溶剤を含む場合にはこれを乾燥除去した後、必要に応じて硬化させ、透明樹脂層17を形成する。透明樹脂層17は半硬化の状態にすることもあり、硬化方法や硬化条件は樹脂の種類に応じて適宜選択されるものである。また、カバーフィルム15の表面に感光性透明樹脂をコーティングして感光性透明樹脂層1を形成しておき、透明樹脂層17と感光性透明樹脂層1とを貼り合わせてラミネートすることによって、図1(a)のような積層物3を得ることができるものである。尚、上記のように金属層2に透明樹脂層17を形成した後、透明樹脂層17の上に感光性透明樹脂層1をコーティングして形成し、この後に感光性透明樹脂層1の上にカバーフィルム15をラミネートするようにしてもよい。
【0028】
そしてこの積層物3を用い、図1(b)に示すように紫外線などの活性エネルギー線Eを金属層2と反対側から、カバーフィルム15を通して感光性透明樹脂層1に照射する。活性エネルギー線Eの照射は、光回路と同パターンが形成されたフォトマスク(図示省略)を通して行なわれるものである。このように感光性透明樹脂層1に活性エネルギー線Eを照射して露光することによって、例えば感光性透明樹脂層1のうち露光部1aの硬化度を高めて溶剤に対する溶解度を低下させることができるものである。ここで、金属層2には予め基準マーク(図示省略)がパターニングして形成してあり、この基準マークを基準にしてフォトマスクを位置決めして露光することによって、基準マークを基準にして露光部1aの形成位置を位置決めすることができるものである。尚、上記のような紫外線によるマスク露光の他に、感光性透明樹脂の特性に応じてレーザあるいは電子線による描画露光などを用いることもできる。
【0029】
次に、偏向部5の形成を行なう。すなわち、まず図1(c)のようにカバーフィルム15の上から、カバーフィルム15と共に感光性透明樹脂層1の露光部1aを形成した箇所をV字型に切削してV溝21を形成する。V溝21の形成は、頂角が90°あるいは少なくとも片面が傾斜45°の切削刃を設けた回転ブレード又はバイトを用いて切削加工することによって行なうことができる。図1(c)は頂角が90°の切削刃を有する回転ブレード又はバイトを用いて切削加工した例を示すものである。このV溝21によって、後述のように光導波路4のコア部4aとなる露光部1aの長手方向、つまり光導波方向に対して45°の角度で傾斜する傾斜面7を形成することができるものである。そして上記のように切削刃の頂角が略90°もしくは少なくとも片面側の頂角が略45°の回転ブレードもしくはバイトを用いた切削加工でV溝21の加工を行なうことによって、略90°の偏向角度で光信号の出し入れが可能になる略45°の角度の傾斜面7の形成を、切削加工によって、角度精度良く、且つ加工再現性良く行なうことができるものである。尚、この傾斜面7の形成は、このようなブレードやバイトによる切削加工の他に、レーザアブレーション、V型の押し当て型を押し当てる手法などを用いて行なうこともできる。
【0030】
図3は外周に頂角が90°の切削刃40を設けて形成される回転ブレード41を回転軸42によって回転駆動しながら、V溝21の切削加工を行なう例を示すものであり、感光性透明樹脂層1の露光部1aに傾斜面7を形成する位置において積層物3に回転ブレード41の切削刃40を接触させた後、回転ブレード41を接触箇所から離間させることによって、接触箇所に切削加工を行なうことができる。ここで図3(a)の例では、回転ブレード41をイ矢印のように積層物3に接触させ、外周の切削刃40で所定深さにV溝21を切削した後、そのまま回転ブレード41をロ矢印のように積層物3から離間させるようにしている。この場合には、V溝21を短い長さで形成することができ、一つ(あるいは少数)の露光部1aにのみV溝21を加工して傾斜面7を形成することができるものである。また図3(b)の例では、回転ブレード41をイ矢印のように積層物3に接触させ、次いでロ矢印のように積層物3の表面に沿って走査させながら、外周の切削刃40で所定深さに所定長さでV溝21を切削した後、回転ブレード41をハ矢印のように積層物3から離間させるようにしている。この場合には、回転ブレード41を走査させる長さで長いV溝21を形成することができ、複数の露光部1aに同時にV溝21を加工して、各露光部1aに傾斜面7を形成することができるものである。従ってこのように、回転ブレード41もしくはバイトを少なくとも感光性透明樹脂層1の所定位置に接触させて、所定深さで所定長さ切削した後、回転ブレード41もしくはバイトを切削箇所から離間させるようにすることによって、切削長さの調整に応じて、感光性透明樹脂層1に複数本形成されている露光部1a(コア部4a)のうち一部の露光部1a(コア部4a)、任意の本数の露光部1a(コア部4a)、あるいは全部の露光部1a(コア部4a)に傾斜面7を形成することができるものである。
【0031】
またV溝21は、通常は図4に示すV溝21aのように、後述の光導波路4のコア部4aとなる露光部1aの全厚み方向で形成されるものであり、この場合には、このV溝21aの傾斜面7に後述のように形成される偏向部5によってコア部4aを完全に遮断することができ、コア部4aを伝播する光の総てを偏向部5で偏向させて取り出すことができるようになっている。一方、回転ブレードやバイトによる切削深さを調整することによって、図4に示すV溝21bのように、光導波路4のコア部4aとなる露光部1aの厚み方向の一部を残す深さで形成することもできる。この場合には、このV溝21bの傾斜面7に形成される偏向部5によってコア部4aは完全には遮断されないので、コア部4aを伝播する光の一部を偏向部5で偏向させて取り出すと共に、他の一部の伝播光は偏向部5を通過させることができるものであり、偏向部5を分岐出射ミラーとして形成することができるものである。
【0032】
また、回転ブレード41を用いてV溝21を切削加工するにあたって、回転ブレード41の切削刃40は表面に研磨砥粒を固着して形成されているので、V溝21の切削表面である傾斜面7の面粗度が問題になる。砥粒番手の大きい(すなわち砥粒径が細かい)回転ブレード41を用いて切削加工を行なうと、V溝21の切削表面の面粗度を小さくすることができるが、切削力が不足するので、回転ブレード41の切削刃40を積層物3に押し込んでV溝21の加工を行なう際に、回転ブレード41の表面に引っ張りやゆがみなどの不具合が生じることがあり、加工に要する時間が長くなって加工効率にも問題が生じる。そこで、まず砥粒番手の小さい(すなわち砥粒径が粗い)回転ブレード41を用い、この回転ブレード41を積層物3に接触させて感光性透明樹脂層1の所定位置に、所定深さ、所定長さで大まかにV溝21を切削した後、次に砥粒番手の大きい(すなわち砥粒径が細かい)第二の回転ブレード41を用い、この第二の回転ブレード41で同じ箇所を再度切削し、所定深さにV溝21を仕上げ加工するようにするのが好ましい。このようにすれば、砥粒径が大きく切削力の強い回転ブレード41で大まかなV溝21を迅速に形成し、次に砥粒径が小さい回転ブレード41でV溝21を仕上げることによって、切削表面の傾斜面7を小さい面粗度で形成することができ、切削力不足による表面切り込み端での樹脂引っ張り込みや歪み、まくれなどが生じるようなことなく、傾斜面7を低面粗度で平滑性高く形成することができるものである。
【0033】
上記のようにしてV溝21を加工して傾斜面7を形成した後、図2(a)(b)に示すようにこの傾斜面7に光反射部8を設けることによって、偏向部5を形成することができるものである。尚、図2(a)は図1(c)の一部を拡大した図に相当し、図2(b)は図1(d)の一部を拡大した図に相当する。ここで、光反射部8の形成は、銀ペーストなど金属粒子を含有するペーストを印刷法で傾斜面7に塗布することによって行なうことができる。金属粒子としては銀のみならず、金などの高反射率金属を用いてもよい。また光反射部8の反射面の平坦度を向上して反射効率を高く得るために、金属粒子は粒径が0.2μm以下であることが望ましい。金属粒子の粒径は小さい程好ましく、数nm程度まで細かいものを用いることができる。また、光反射部8の形成は、上記のように金属粒子含有ペーストを印刷する方法の他に、金属蒸着やスパッタリングによって傾斜面7に選択的に金属を堆積させる方法によっても行なうことができるものであり、この場合には、均一で高純度の光反射部8を容易に形成することができるものである。
【0034】
ここで、図1の実施の形態では、カバーフィルム15の上からV溝21の加工を行なうようにしているが、カバーフィルム15を具備しない積層物3を用いる場合には、感光性透明樹脂層1に直接V溝21の加工を行なうのはいうまでもない。但し、上記のように金属粒子含有ペーストの印刷などで光反射部8を形成するにあたって、感光性透明樹脂層1の表面がカバーフィルム15で覆われていると、V溝21以外の箇所の感光性透明樹脂層1にペーストなどが付着することを防止することができるので、感光性透明樹脂層1の表面にカバーフィルム15を張った状態で加工を行なうのが好ましい。
【0035】
また、V型の押し当て型を感光性透明樹脂層1に押し当ててV溝21を形成する場合、図5(a)のように光導波方向に対して45°に傾斜する表面が反射面9となった反射体10を押し当て型として用い、図5(b)に示すようにV溝21内に反射体10をそのまま残すことによって、V溝21の傾斜面7と反射面9によって偏向部5を形成することができるものである。尚、図5(a)は図1(c)の一部を拡大した図に相当し、図5(b)は図1(d)の一部を拡大した図に相当する。この場合には、V溝21の加工と同時に偏向部5の形成をすることができるものであり、工数を削減することができるものである。ここで、上記のように偏向部5を形成するにあたって、金属層2に予め形成した基準マークを基準にして、偏向部5の形成位置を位置決めすることができるものである。
【0036】
また図1の実施の形態では、感光性透明樹脂層1に活性エネルギー線を照射して光導波路4のコア部4aとなる露光部1aを形成する加工を行なった後、偏向部5を形成する加工を行なっているが、偏向部5を形成する加工を先に行ない、この後に光導波路4のコア部4aとなる露光部1aを形成する加工を行なうようにしてもよく、この場合には活性エネルギー線の照射で硬化する前の感光性透明樹脂層1にV溝21を形成することができ、V溝21の形成が容易になるものである。特に、押し当て型を押し当ててV溝21を形成したり、反射体10でV溝21を形成したりする場合には、感光性透明樹脂層1が硬化する前の柔らかい状態で、V溝21をより容易に形成することができ、高精度に偏向部5を形成することが可能になるものである。
【0037】
上記のように偏向部5を形成した後、カバーフィルム15を剥離し、溶剤で現像することによって、図1(d)のように感光性透明樹脂層1の露光部1a以外の部分を溶解除去する。
【0038】
一方、電気回路12を設けた絶縁基板11を予め用意しておく。この電気回路12を設けた基板11としては、表面又は内部に銅などの金属で電気回路12を形成したプリント配線板を用いることができる。そして図1(e)に示すように、基板11の表面に積層物3を感光性透明樹脂層1の側で接着剤14を介して接着する。この接着剤14は感光性透明樹脂層1の露光部1aよりも屈折率が小さい透明樹脂で形成されるものであり、前記の透明樹脂層17を形成する樹脂と同じものなどを用いることができる。尚、感光性透明樹脂層1の表面に屈折率が小さいクラッド用の透明樹脂層を設けた後に、基板11に積層物3を接着するようにしてもよい。この場合には接着剤14の屈折率は上記のような制限を受けなくなる。また基板11としては電気回路12を有しない単なる板であっても構わない。この場合には後述するビアホールの加工が不要になる。さらに基板11の両面に積層物3を接着するようにすることもできる。
【0039】
このように電気回路12を設けた基板11に積層物3を接着して積層した後、図1(f)のように金属層2から透明樹脂層17と接着剤14を通してビアホール13を形成する。ビアホール13の形成はレーザ加工によって行なうことができる。次に図1(g)のようにビアホール13の内周にメッキを施して電気導通部22を形成した後、金属層2にフォトリソグラフィパターンニング及びエッチング加工を行なって電気回路6を形成することによって、図1(h)のような光電気混載基板を得ることができるものである。ここで、電気回路6を形成するにあたって、金属層2に予め形成した基準マークを基準にして、フォトリソグラフィパターンニングを行なうことによって、基準マークを基準にして電気回路6の形成位置を位置決めすることができるものである。
【0040】
この光電気混載基板にあって、感光性透明樹脂層1の露光部1aが屈折率の高いコア部4a、透明樹脂層17と接着剤14が屈折率の低いクラッド部4bとなって、露光部1aに光導波路4が形成されるものであり、この光導波路4による光回路と電気回路6,12が混載されているものである。また光導波路4の端部に形成されている偏向部5の直上に対向する部分の金属層2は除去されており、光導波路4を伝播された光は偏向部5で反射され、光の進行方向は光電気混載基板の厚み方向へと90°偏向され、透明樹脂層17を通して外部に出射されるようになっている。また外部から透明樹脂層17を通して入射された光は、偏向部5で反射され、進行方向が90°偏向されて光導波路4内に入射されるようになっている。
【0041】
また、電気回路6,12はビアホール13の電気導通部22で電気的に接続されている。ここで、ビアホール13をレーザ加工で形成するにあたって、基板11に設けた電気回路12の直上位置においてレーザ光を照射してビアホール13の加工を行なうと、ビアホール13の形成が電気回路12にまで達したときに、レーザ光は電気回路12を形成する銅などの金属で反射され、電気回路12の金属がストップ層となってレーザ光はこれ以上深く入り込まず、電気回路12を底面としてビアホール13を形成することができる。従って、電気回路12をビアホール13の底面に確実に露出させて、ビアホール13を介した電気回路12と電気回路6との導通接続の信頼性を高く得ることができるものである。また光導波路4のコア部4aとなる露光部1aの形成、偏向部5の形成、電気回路6の形成は、いずれも金属層2にあらかじめ形成された基準マークを基準として位置決めした位置に形成するようにしているので、光導波路4と偏向部5と電気回路6は基準マークを基準として相互に位置合わせされており、光導波路4と偏向部5と電気回路6を位置精度高く形成することができるものである。
【0042】
図6は本発明の他の実施の形態を示すものであり、図6(a)のように、電気回路6を形成するための金属層2、光導波路4のコア部4aとクラッド部4bを形成するための感光性透明樹脂層1、感光性透明樹脂層1の金属層2と反対側の表面を覆うカバーフィルム15からなる積層物3を用いるようにしてある。
【0043】
上記の感光性透明樹脂層1を形成する感光性透明樹脂としては、活性エネルギー線の照射によって照射領域の屈折率が変化するものを用いるようにしてある。
例えば紫外線の照射によって屈折率変化を誘起することができる樹脂として、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂中に光重合性モノマーを含有する複合樹脂や、ポリシラン系樹脂などを用いることができる。金属層2やカバーフィルム15としては既述のものを用いることができる。
【0044】
積層物3を作製するにあたっては、まず金属層2として金属箔を用いる場合にはそのマット面に感光性透明樹脂をコンマコータ、カーテンコータ、ダイコータ、スクリーン印刷、オフセット印刷の手法でコーティングして感光性透明樹脂層1を形成し、この感光性透明樹脂層1の表面にカバーフィルム15をラミネートすることによって、行なうことができる。
【0045】
そしてこの積層物3を用い、図6(b)に示すように紫外線などの活性エネルギー線Eを金属層2と反対側から、カバーフィルム15を通して感光性透明樹脂層1に照射する。活性エネルギー線Eの照射は図1の場合と同様にフォトマスクを通して行なわれるものであり、また金属層2に予め形成した基準マークを基準にしてフォトマスクを位置決めして露光するものである。このように感光性透明樹脂層1に活性エネルギー線Eを照射して露光することによって、例えば感光性透明樹脂層1のうち露光部1aの屈折率が高くなるように変化し、露光部1aは感光性透明樹脂層1の他の非露光部1bよりも屈折率が高くなるものである。ここで、活性エネルギー線Eは感光性透明樹脂層1の金属層2と反対側の界面から照射されるので、活性エネルギー線Eの照射による光反応は感光性透明樹脂層1の金属層2と反対側の界面から内部へ厚み方向に進行する。このため、活性エネルギー線Eの照射強度を制御することによって、感光性透明樹脂1のうちその厚み方向で金属層2の側の部分に非露光部1bを残して、金属層2と反対側の部分だけに露光部1aを形成するようにすることができるものである。尚、上記のような紫外線によるマスク露光の他に、感光性透明樹脂の特性に応じてレーザあるいは電子線による描画露光などを用いることもできる。
【0046】
次に、図6(c)のようにV溝21を加工して偏向部5を形成する。この偏向部5の形成は、図1(c)の場合と同様にして行なうことができる。この後、図6(d)のようにカバーフィルム15を剥離する。ここで、感光性透明樹脂層1の露光部1aは非露光部1bよりも屈折率が高くなっており、露光部1aで光導波路4のコア部4aが、非露光部1bでクラッド部4bが形成されるので、図1(d)のような現像の工程は不要となる。また図6の実施の形態においても、偏向部5を形成する加工を先に行ない、この後に感光性透明樹脂層1に光導波路4のコア部4aとなる露光部1aを形成する加工を行なうようにしてもよい。
【0047】
この後、図6(e)のように、プリント配線板など電気回路12を設けた基板11の表面に積層物3を感光性透明樹脂層1の側で接着剤14を介して接着する。この接着剤14は感光性透明樹脂層1の露光部1aよりも屈折率が小さい透明樹脂で形成されるものであり、感光性透明樹脂層1の非露光部1bと同程度の屈折率を有するものが好ましい。例えば前記の透明樹脂層17を形成する樹脂と同じものを用いることができる。尚、感光性透明樹脂層1の表面に屈折率が小さいクラッド用樹脂層を設けた後に、基板11に積層物3を接着するようにしてもよく、この場合には接着剤14の屈折率は上記のような制限を受けなくなる。また基板11としては電気回路12を有しない単なる板であってもよく、さらに基板11の両面に積層物3を接着するようにすることもできる。
【0048】
このように電気回路12を設けた基板11に積層物3を接着して積層した後、図6(f)のようにビアホール13を形成し、次に図6(g)のようにビアホール13の内周に電気導通部22を形成した後、金属層2を加工して電気回路6を形成することによって、図6(h)のような光電気混載基板を得ることができるものである。ビアホール13の形成、電気導通部22の形成、電気回路6の形成は図1の場合と同様にして行なうことができる。
【0049】
この光電気混載基板にあって、感光性透明樹脂層1の露光部1aが屈折率の高いコア部4a、感光性透明樹脂層1の非露光部1bと接着剤14が屈折率の低いクラッド部4bとなって、露光部1aに光導波路4が形成されるものであり、この光導波路4による光回路と電気回路6,12が混載されているものである。また光導波路4の端部に形成されている偏向部5によって、光導波路4を伝播された光を偏向させて外部に出射させることができ、外部からの光を偏向部5で偏向させて光導波路4内に入射させることができるものである。そしてこのように、感光性透明樹脂1として活性エネルギー線の照射によって屈折率が高くなるように変化するものを用い、感光性透明樹脂層1への活性エネルギー線の照射強度を制御して感光性透明樹脂1の厚み方向で屈折率が高められない部分を残して活性エネルギー線を照射する側の部分だけ屈折率を高めて、光導波路4のコア部4aを形成することによって、感光性透明樹脂1の厚み方向で屈折率が高められない部分でクラッド部4bを形成することができ、この側にクラッド部4bのための樹脂層を設ける必要がなくなって、積層の層構成を簡略化することができるものであり、光電気混載基板の製造が容易になるものである。
【0050】
図7は本発明の他の実施の形態を示すものであり、図7(a)のように、電気回路6を形成するための金属層2、光導波路4のコア部4aとクラッド部4bを形成するための感光性透明樹脂層1、金属層2と感光性透明樹脂層1を接着するための透明樹脂層17、感光性透明樹脂層1の金属層2と反対側の表面に設けられる第二の透明樹脂層23、第二の透明樹脂層23の表面を覆うカバーフィルム15からなる積層物3を用いるようにしてある。
【0051】
ここで、上記の感光性透明樹脂層1を形成する感光性透明樹脂としては、活性エネルギー線の照射によって照射領域の屈折率が変化するものを用いるようにしてあり、既述のものを例示することができる。金属層2やカバーフィルム15としては既述のものを用いることができる。
【0052】
また、透明樹脂層17を形成する透明樹脂としては、感光性透明樹脂層1の後述のコア部4aよりも屈折率が小さい樹脂が用いられるものであり、感光性透明樹脂層1のクラッド部4bと同程度の屈折率を有するものが好ましい。さらには難燃性が高く、感光性透明樹脂層1に照射される活性エネルギー線を吸収するものが好ましい。単一層の透明樹脂層17でこのような条件を満たすことが難しい場合は、低屈折率の感光性透明樹脂層1の側の層と、金属層2に接着される層との二層構成に形成することもできる。この透明樹脂層17を形成する透明樹脂としては、前記の光硬化性樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
またこの樹脂には、難燃性付与や、活性エネルギー線吸収のため、添加型あるいは反応型のハロゲン系、燐系、シリコン系等の難燃剤や紫外線吸収剤を含有させてもよい。
【0053】
第二の透明樹脂層23を形成する透明樹脂としては、感光性透明樹脂層1の後述のコア部4aよりも屈折率が小さい樹脂が用いられるものであり、感光性透明樹脂層1のクラッド部4bや上記の透明樹脂層17と同程度の屈折率を有するものが好ましい。また感光性透明樹脂層1に照射する活性エネルギー線を殆ど透過する特性を有するものであることが必要である。さらに難燃性を有するものであることが好ましく、難燃性付与のため、添加型あるいは反応型のハロゲン系、燐系、シリコン系等の難燃剤や紫外線吸収剤を含有させてもよい。
【0054】
積層物3を作製するにあたっては、まず金属層2として金属箔を用いる場合にはそのマット面に透明樹脂をコンマコータ、カーテンコータ、ダイコータ、スクリーン印刷、オフセット印刷の手法でコーティングし、溶剤を含む場合にはこれを乾燥除去した後、必要に応じて硬化させ、透明樹脂層17を形成する。透明樹脂層17は半硬化の状態にすることもあり、硬化方法や硬化条件は樹脂の種類に応じて適宜選択されるものである。また、カバーフィルム15の表面に透明樹脂を同様にコーティングして第二の透明樹脂層23を形成し、続いてその上に感光性透明樹脂をコーティングして感光性透明樹脂層1を形成しておく。そして透明樹脂層17と感光性透明樹脂層1とを貼り合わせてラミネートすることによって、図7(a)のような積層物3を得ることができるものである。尚、上記のように金属層2に透明樹脂層17を形成した後にこの上に感光性透明樹脂層1をコーティングし、またカバーフィルム15に第二の透明樹脂層23を形成し、これらを貼り合わせてラミネートするようにしてもよい。また、上記のように金属層2に透明樹脂層17を形成した後、透明樹脂層17の上に感光性透明樹脂層1をコーティングして形成し、さらにこの上に第二の透明樹脂層23をコーティングして形成し、この後に感光性透明樹脂層1の上にカバーフィルム15をラミネートするようにしてもよい。これらは連続工程で行なうようにしてもよい。
【0055】
そしてこの積層物3を用い、図7(b)に示すように紫外線などの活性エネルギー線Eを金属層2と反対側から、カバーフィルム15及び第二の透明樹脂層23を通して感光性透明樹脂層1に照射する。活性エネルギー線Eの照射は図1の場合と同様にフォトマスクを通して行なわれるものであり、また金属層2に予め形成した基準マークを基準にしてフォトマスクを位置決めして露光するものである。このように感光性透明樹脂層1に活性エネルギー線Eを照射して露光することによって、露光部1aの屈折率を変化させることができる。図7(b)の実施の形態では、感光性透明樹脂層1の厚み方向の全体で光反応を生じさせ、感光性透明樹脂層1の厚み方向の全体に露光部1aを形成するようにしてある。
【0056】
ここで、感光性透明樹脂層1の感光性透明樹脂が紫外線などの活性エネルギー線の照射によって屈折率が高くなるように変化する性質を有する場合には、光導波路4のコア部4aと同じパターン領域のみを照射できるマスクを用いるものであり、感光性透明樹脂層1のうち露光部1aは屈折率が高くなるように変化し、露光部1aの屈折率を非露光部1bよりも高くすることができる。また感光性透明樹脂層1の感光性透明樹脂が紫外線などの活性エネルギー線の照射によって屈折率が低くなるように変化する性質を有する場合には、光導波路4のコア部4aと逆のパターン領域のみを照射できるマスクを用いるものであり、感光性透明樹脂層1のうち露光部1aの屈折率が低くなるように変化し、非露光部1bの屈折率が露光部1aよりも高くなるようにすることができるものである。尚、上記のような紫外線によるマスク露光の他に、感光性透明樹脂の特性に応じてレーザあるいは電子線による描画露光などを用いることもできる。
【0057】
次に、図7(c)のようにV溝21を加工して偏向部5を形成する。この偏向部5の形成は、図1(c)の場合と同様にして行なうことができる。この後、図7(d)のようにカバーフィルム15を剥離する。ここで、感光性透明樹脂層1の露光部1aと非露光部1bの一方で光導波路4のコア部4aが、他方でクラッド部4bが形成されるので、図1(d)のような現像の工程は不要となる。また図7の実施の形態においても、偏向部5を形成する加工を先に行ない、この後に感光性透明樹脂層1に光導波路4のコア部4aあるいはクラッド部4bとなる露光部1aを形成する加工を行なうようにしてもよい。
【0058】
この後、図7(e)のように、プリント配線板など電気回路12を設けた基板11の表面に積層物3を第二の透明樹脂層23の側で接着剤14を介して接着する。この接着剤14の屈折率は制限を受けないものであり、任意のものを用いることができる。また基板11としては電気回路12を有しない単なる板であってもよく、さらに基板11の両面に積層物3を接着するようにすることもできる。
【0059】
このように電気回路12を設けた基板11に積層物3を接着して積層した後、図7(f)のようにビアホール13を形成し、次に図7(g)のようにビアホール13の内周に電気導通部22を形成した後、金属層2を加工して電気回路6を形成することによって、図7(h)のような光電気混載基板を得ることができるものである。ビアホール13の形成、電気導通部22の形成、電気回路6の形成は図1の場合と同様にして行なうことができる。
【0060】
この光電気混載基板にあって、感光性透明樹脂層1の感光性透明樹脂が活性エネルギー線の照射によって屈折率が低くなるように変化する性質を有する場合には、感光性透明樹脂層1の非露光部1bが屈折率の高いコア部4a、感光性透明樹脂層1の露光部1aと透明樹脂層17と第二の透明樹脂層23が屈折率の低いクラッド部4bとなって、非露光部1bに光導波路4が形成されるものであり、この光導波路4による光回路と電気回路6,12が混載されているものである。また光導波路4の端部に形成されている偏向部5によって、光導波路4を伝播された光を偏向させて外部に出射させることができ、外部からの光を偏向部5で偏向させて光導波路4内に入射させることができるものである。勿論、感光性透明樹脂層1の感光性透明樹脂が活性エネルギー線の照射によって屈折率が高くなるように変化する性質を有する場合には、感光性透明樹脂層1の露光部1aが屈折率の高いコア部4a、感光性透明樹脂層1の非露光部1bと透明樹脂層17と第二の透明樹脂層23が屈折率の低いクラッド部4bとなって、露光部1aに光導波路4が形成されるのはいうまでもない。
【0061】
図8(a)は光導波路4のコア部4aに偏向部5を形成する方法の他の実施の形態を示すものであり、例えば図1(a)〜図1(d)と同様にして(V溝21等の加工はしない)、感光性透明樹脂層1に露光部1aを設けることによって光導波路4のコア部4aを形成し、カバーフィルム15を剥離した後、周期的パターンで格子状の多数の微小突起25を設けた押し型26を用い、この微小突起25をコア部4aが形成される感光性透明樹脂層1の表面に押し当てることよって、周期的な格子状溝の微小列27をコア部4aとなる感光性透明樹脂層1の露光部1aの表面に形成するようにしてある。感光性透明樹脂層1の表面のこの周期構造体の微小列27によってグレーティングが形成されるものであり、光導波路4のコア部4aを伝播される光の光路を微小列27で偏向させることができる。従って、上記の各実施の形態のような傾斜面7を加工して設ける必要なく、周期構造体の微小列27で偏向部5を形成することができるものである。押し型26としては、シリコンウエハ上に半導体製造プロセスで形成した微小溝をマスター型とし、これからニッケルの電鋳によって転写して作製したものを、好適に用いることができる。
【0062】
上記のように押し型26で感光性透明樹脂層1の表面に微小列27を設けるにあたって、押し型26と可能であれば感光性透明樹脂層1の少なくともコア部4aを形成する部分を加熱し、感光性透明樹脂層1のコア部4aを形成する部分を軟化させて、転写性を高めるのが好ましい。また感光性透明樹脂層1が露光によって硬化する樹脂からなる場合には、硬化前に押し型26を押し当てることによって、転写性を高めるようにしてもよい。また、上記のように感光性透明樹脂層1のコア部4aを形成する部分の表面に周期構造体の微小列27を設けた後、感光性透明樹脂層1のコア部4aと屈折率が大きく異なる透明材料を刷り込んで充填することによって、屈折率差を大きくして偏向効率を高めた偏向部5を形成することができるものである。
【0063】
図8(b)は光導波路4のコア部4aに偏向部5を形成する方法の他の実施の形態を示すものであり、金属層2と透明樹脂層17と感光性透明樹脂層1を積層すると共にカバーフィルム15を張って作製した積層物3を用い、例えば図7(a)〜(b)と同様にして、感光性透明樹脂層1に露光部1aを設けることによって光導波路4のコア部4aを形成した後、カバーフィルム15を通して感光性透明樹脂層1のコア部4aを形成する部分内にレーザ光Lを集光照射するようにしてある。このようにレーザ光Lを集光照射することによって、集光照射した部分の感光性透明樹脂層1の屈折率を変化させることができるものであり、屈折率を変化させた部分を周期的な格子状の微小列28として形成してある。レーザ光Lには尖頭強度が高いパルスレーザを用いるのが好ましく、集光点においてパワー強度を高め、この高パワー領域でのみ感光性透明樹脂層1の樹脂を改質して屈折率を変化させることができるものである。感光性透明樹脂層1内のこの屈折率を変化させた周期構造体の微小列28によってグレーティングが形成されるものであり、光導波路4のコア部4aを伝播される光の光路を微小列28で偏向させることができるものである。従って、上記の各実施の形態のような傾斜面7を加工して設ける必要なく、周期構造体の微小列28で偏向部5を形成することができるものである。
【0064】
尚、レーザ光Lの集光照射によって屈折率を変化させる他に、空隙を形成することによって周期構造体の微小列28を形成するようにしてもよい。周期構造体の微小列28をレーザ光Lの集光照射によって描画するには、非常に高い開口数のレンズ29を用いて集光する必要があり、油浸対物レンズなどを用いるのが好ましい。
【0065】
図8(a)(b)のいずれの周期構造体においても、微小列27,28の周期は導波される光の波長をコア部4aの屈折率で割った値のピッチに設定されるものである。例えば導波光の波長が850nmで、コア部4aの屈折率が1.5の場合、微小列27,28の列のピッチは約0.57μmに設定される。また周期構造体を構成する微小列27,28を形成するにあたっては、金属層2に予め形成した基準マークを基準にして位置決めをするようにしてある。
【0066】
図9(a)〜(c)は光電気混載基板の他の実施の形態を示すものである。光電気混載基板においては、光導波路4に設けた偏向部5の直上に対向する部分の金属層2は、電気回路6を形成するパターニングの際にエッチング除去されており、偏向部5から入出射される光を通過させるための開口部31が形成されている。この金属層2を部分的に除去して形成される開口部31に露出する樹脂層(透明樹脂層17あるいは感光性透明樹脂層1)の表面は凹凸の激しい粗面となっており、偏向部5に入出射する光はこの粗面で散乱され、光の入出射効率、つまり光導波路4と光の結合効率が極端に低下する。
【0067】
そこで、図9(a)の実施の形態では、金属層2を部分的に除去して形成される開口部31に透明樹脂16を塗布して硬化させ、凹凸の粗面を透明樹脂16で埋めると共に透明樹脂16の表面を平滑面にしてある。従って、偏向部5に入出射する光は粗面で散乱されることがなくなり、偏向部5への光の入出射効率を大幅に改善して光の結合効率を高めることができるものである。この透明樹脂16としては、下地の樹脂層(透明樹脂層17あるいは感光性透明樹脂層1)と同等もしくは同等程度の屈折率を有するものが好ましく、両樹脂の屈折率の差による反射ロスを低減することができ、光導波路4と外部との光結合効率を高めることができるものである。
【0068】
また図9(b)の実施の形態では、金属層2を部分的に除去して形成される開口部31に透明樹脂16を塗布する際に、表面が盛り上がるような形状にすることによって、透明樹脂16を凸レンズ形状に塗布して形成するようにしてある。透明樹脂16をこのように凸レンズ形状に形成することによって、偏向部5に入出射する光を集光することができ、偏向部5への光の入出射効率をさらに改善して光の結合効率を一層高めることができるものである。レンズの凸形状は透明樹脂16の粘度、下地の樹脂層及び周囲の金属層との濡れ性、下地の樹脂層の露出径などによって決まるので、形状ばらつきの小さい凸レンズに形成することができるものである。
【0069】
図9(c)の実施の形態では、金属層2を部分的に除去して開口部31を形成した後、開口部31の周囲に残存する金属層2の表面や端面に撥水処理を行なうようにしてあり、この撥水処理をおこなった後に、透明樹脂16の液滴を滴下して塗布することによって、透明樹脂16を凸レンズ状に形成するようにしてある。この撥水処理は、低表面エネルギー密度を呈して撥水性を有する高分子膜44を開口部31の周囲の金属層2の表面や端面に被覆することによって行なうことができ、スプレー等で所望の領域のみに簡便に撥水処理を施すことができるものである。例えばフッ素系高分子の希釈ワニスをディスペンサー等で滴下したり、スプレーしたりすることによって高分子膜44を被覆することができる。この高分子膜44は下地の樹脂層(透明樹脂層17あるいは感光性透明樹脂層1)と同等もしくは同等程度の屈折率を有するものが好ましい。このように開口部31の周囲の金属層2の表面や端面を撥水処理しておくことによって、開口部31に透明樹脂16の液を滴下して塗布する際に液がはじかれ、金属層2の除去がばり等で不均一であっても、液滴の形状の歪みを小さくすることができると共に、凸形状の盛り上がりを大きくすることができ、屈折率の大きな樹脂材料を用いなくとも透明樹脂16の凸レンズの屈折を大きくすることができるものであり、集光能に優れた凸レンズに形成することができるものである。
【0070】
図10は本発明の他の実施の形態を示すものであり、金属層2、透明樹脂層17、感光性透明樹脂層1、カバーフィルム15をこの順に積層した積層物3を用いるようにした他は、図7の実施の形態に準じた方法で光電気混載基板を製造するようにしてある。ただ、図10の実施の形態では、図10(e)のように、積層物3と基板11とを接着する接着剤14としてプリプレグ32を用いるようにしてあり、図10(i)のように光導波路4の偏向部5の直上位置に凸レンズ形状の透明樹脂16が設けてある。
【0071】
図11は本発明の他の実施の形態を示すものであり、支持体33の片面に両面粘着テープ34で金属層2を剥離自在に貼り付け、そして金属層2に透明樹脂層17、感光性透明樹脂層1、カバーフィルム15をこの順に積層した積層物3を用いるようにしてある。そして図7の実施の形態に準じた方法で光電気混載基板を製造するようにしてある。ただ、図11の実施の形態では、図11(d)のように偏向部5の形成を押し型26を用いた図8(a)の方法で行なうようにし、また図11(e)のように感光性透明樹脂層1に第三の透明樹脂層35を介して接着剤14を塗布するようにしてある。この第三の透明樹脂層35は感光性透明樹脂層1のコア部4aよりも屈折率の小さい樹脂で形成されるものであり、例えば透明樹脂層17を形成する樹脂と同じものを用いることができる。さらに図11(i)のように光導波路4の偏向部5の直上位置に透明樹脂16が設けてある。
【0072】
図12は本発明の他の実施の形態を示すものであり、金属層2、透明樹脂層17、感光性透明樹脂層1、カバーフィルム15をこの順に積層した積層物3を用いるようにした他は、図7の実施の形態に準じた方法で光電気混載基板を製造するようにしてある。ただ、図12の実施の形態では、図12(c)のように押し当て型36を用いてV溝21の形成を行ない、また図12(e)のように感光性透明樹脂層1に第三の透明樹脂層35を介して接着剤14を塗布するようにしてある。さらに図12(j)のように光導波路4の偏向部5の直上位置に透明樹脂16が設けてある。
【0073】
図13は本発明の他の実施の形態を示すものであり、金属層2、透明樹脂層17、感光性透明樹脂層1、カバーフィルム15をこの順に積層した積層物3を用いるようにした他は、図7の実施の形態に準じた方法で光電気混載基板を製造するようにしてある。ただ、図13の実施の形態では、図13(e)のように感光性透明樹脂層1に第三の透明樹脂層35を介して接着剤14を塗布するようにしてあり、また図13(j)のように光導波路4の偏向部5の直上位置に透明樹脂16が設けてある。
【0074】
図14(a)(b)は光電気混載基板の他の実施の形態を示すものであり、図9の実施の形態と同様に、光導波路4のコア部4aに設けた偏向部5の直上に対向する部分の金属層2をエッチング除去して開口部31が形成してあり、開口部31に樹脂層(透明樹脂層17あるいは感光性透明樹脂層1)が露出させてある。そしてこの開口部31に受発光部と偏向部5とを光結合するためのレンズ体46を配置して取り付けてある。開口部31は金属層2から電気回路6を形成するパターニングの際のエッチングで同時に形成されるものであり、既述のように金属層2にあらかじめ形成された基準マークを基準として位置決めした位置に開口部31を形成することができる。従って、開口部31の位置及び形状・寸法を、開口部31の周囲に残存する金属層2にレンズ体46の外周が接するようにレンズ体46をはめ込んで配置して搭載したときに、レンズ体46の光軸Aが偏向部5を通ることになるように設定しておくことによって、金属層2を除去して形成した開口部31の位置に合わせてレンズ体46をはめ込んで搭載するだけで、簡易に且つ高精度にレンズ体46の取り付けを行なうことができるものである。
【0075】
このレンズ体46としては、球形レンズ(ボールレンズ)を用いるのが搭載するのに好適である。ここで球形レンズとしては、図14(a)のように完全に球形のものの他に、直上位置に実装される受発光素子(及びこれらを搭載したモジュール等)の表面との距離や、開口部31の開口形状の精度などの観点から、外周の一部が平坦化されたもの、例えば図14(b)のような半球形のハーフボールレンズを用いることもできる。レンズ体46としてのように球状レンズあるいは一部が平坦化された球状レンズを用いることによって、市販のボールレンズやハーフボールレンズをそのまま使用することができると共に、金属除去部への搭載を容易に行なうことができるものである。
【0076】
また、図14(a)に示すように、レンズ体46と開口部31に露出する下地の樹脂層(透明樹脂層17あるいは感光性透明樹脂層1)の表面との間の隙間を埋めるように、透明樹脂47を充填するのが好ましい。このように透明樹脂47を充填することによって、レンズ体46と下地の樹脂層との間に空気層ができることによる反射ロスを回避することができるものであり、しかも透明樹脂47の接着作用でレンズ体46を強固に固着することができるものである。この透明樹脂47としては、下地の樹脂層(透明樹脂層17あるいは感光性透明樹脂層1)と同等もしくは同等程度の屈折率を有するものが好ましく、屈折率の差による反射ロスを低減することができ、光導波路4と外部との光結合効率を高めることができるものである。
【0077】
このように透明樹脂47でレンズ体46を固着するにあたって、透明樹脂47として紫外線等の光を照射することによって硬化するものを用いることができる。この場合、図15(a)のように、既述の図13等と同様にして光電気混載基板を製造すると共に、光導波路4のコア部4aに設けた各偏向部5の直上に対向する部分の金属層2をエッチング除去して複数箇所に開口部31を形成し、そして各開口部31に光硬化性の透明樹脂47の液を塗布した後、図15(b)のようにこの透明樹脂47の液の上にそれぞれレンズ体46を載せ、この後に図15(c)のように紫外線等の光Lを一括照射して、各開口部31の透明樹脂47を光硬化させることによって、複数の総てのレンズ体46を同時に固着させることができるものである。
【0078】
上記の各実施の形態では、金属層2に基準マークを予め設けておき、この基準マークを基準として、光導波路4のコア部4a、偏向部5、電気回路6を形成するようにし、また電気回路6と同時形成される開口部31等を形成するようにしたが、コア部4aなどを露光するためのフォトマスクに予め基準マーク露光用パターンを設けておくことによって、感光性透明樹脂層1に光導波路4のコア部4aを形成する工程で、同時に感光性透明樹脂層1に基準マークを形成し、そして後工程で偏向部5や電気回路6等を形成する際に、この基準マークを基準として位置決めした位置に偏向部5や電気回路6等の形成を行なうようにすることもできる。このようにすれば、予め金属層2に基準マークを入れておく必要がなく、また感光性透明樹脂層1に形成される光導波路4のコア部4aと基準マークの位置関係は既にフォトマスク上で精確に決められているため、両者の位置関係精度は高いものであり、従ってこの基準マークを基準にすることによって、光導波路4のコア部4aと偏向部5や電気回路6等との位置精度を高く得ることができるものである。尚、この場合、金属層2に電気回路6を形成する際に、感光性透明樹脂層1の基準マークを出現させるためにおおよその位置の金属層2を局所的に除去しておく必要がある。
【0079】
また、上記の各実施の形態では、感光性透明樹脂層1と金属層2とを少なくとも備えた積層物3を用い、これを加工することによって、電気混載基板を製造するようにしたが、感光性透明樹脂層1を少なくとも備えると共に金属層2は備えない積層物3を用い、これを加工して電気混載基板を製造することもできる。
【0080】
図17はその一例を示すものであり、図17(a)のように、支持体33の片面に透明樹脂層17、感光性透明樹脂層1、第二の透明樹脂層23、カバーフィルム15を、既述の図7(a)と同様に積層して形成される積層物3を用いるようにしてある。この積層物3は、図7(a)における金属層2の代わりに支持体33を用いるようにして、図7(a)の場合と同様にして作製することができる。そしてこの積層物3を用い、図17(b)に示すように紫外線などの活性エネルギー線Eをカバーフィルム15及び第二の透明樹脂層23を通して感光性透明樹脂層1に照射する。活性エネルギー線Eの照射は既述の図7(b)の場合と同様にフォトマスク(図示省略)を通して行なわれるものであり、感光性透明樹脂層1に活性エネルギー線Eを照射して露光することによって、露光部1aの屈折率が低くなるように変化し、非露光部1bの屈折率が露光部1aよりも高くなるようにしてある。このとき、フォトマスクには基準マーク露光用パターン(図示省略)が設けてあり、この露光時に同時に感光性透明樹脂層1に基準マークを形成するようにしてある。
【0081】
次に、図17(c)のようにV溝21を加工して偏向部5を形成する。この偏向部5の形成は、既述の図7(c)の場合と同様にして行なうことができるものであり、感光性透明樹脂層1に形成した基準マークを基準として位置決めした位置に形成することができるものである。次いで図17(d)のようにカバーフィルム15を剥離した後、既述の図7(e)と同様にして、図17(e)のようにプリント配線板など電気回路12を設けた基板11の表面に積層物3を第二の透明樹脂層23の側で接着剤14を介して接着する。支持体33はこの段階で剥離する。
【0082】
この後に、図17(f)に示すように、透明樹脂層17の支持体33を剥離した表面に金属層2を積層する。透明樹脂層17のこの感光性樹脂層1と反対側の表面への金属層2の積層は、銅箔等の金属箔を張ったり、あるいは金属ペーストを塗布したりすることによって行なうことができる。図17(f)の実施の形態では、接着樹脂層50で金属箔を接着することによって、金属層2を積層するようにしてある。
【0083】
このように金属層2を積層した後、図17(g)のようにビアホール13を形成し、次に図17(h)のようにビアホール13の内周に電気導通部22を形成し、さらに金属層2を加工して電気回路6を形成することによって、図17(i)のような光電気混載基板を得ることができるものである。ビアホール13の形成、電気導通部22の形成、電気回路6の形成は図1の場合と同様にして行なうことができるものであり、感光性透明樹脂層1に形成した基準マークを基準として位置決めした位置に、ビアホール13の形成、電気導通部22の形成、電気回路6の形成等を行なうことができるものである。
【0084】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0085】
(実施例1)
厚み35μmの銅箔(古河電工(株)製「MPGT」)を金属層2として用い、金属層2に透明樹脂Aをロール転写法で塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂層17を形成した。次に透明樹脂層17の上に感光性透明樹脂Bのワニスを80μm厚に塗布し、加熱乾燥して厚み40±5μmの感光性透明樹脂層1を形成した後、この上に厚み25μmの透明PETフィルムからなるカバーフィルム15をロールで押し当てて張り付けることによって、積層物3を得た(図1(a))。
【0086】
ここで、透明樹脂Aとしては、東都化成(株)製「BPAF−DGE」(フッ素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量242)100質量部、大日本インキ工業(株)製「B650」(メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、酸無水物当量168)66質量部、サンアプロ(株)製「SA−102」(ジアザビシクロウンデセンのオクチル酸塩)2質量部からなる熱硬化性エポキシ樹脂を用いた。この樹脂を100℃で1時間、さらに150℃で1時間加熱して硬化したときの、硬化後の屈折率は1.51である。
【0087】
また感光性透明樹脂Bのワニスとしては、ダイセル化学工業(株)製「EHPE−3150」100質量部、メチルエチルケトン70質量部、トルエン30質量部、ローディア・ジャパン(株)製「ロードシル・フォトイニシエータ2074」2質量部からなるワニスを用いた。このワニスを乾燥して溶剤を除去し、10J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを照射して硬化させた後、150℃で1時間のアフターキュアーをした硬化樹脂の屈折率は1.53である。
【0088】
上記のようにして得た積層物3を6cm角にカットして用い、また40μm幅の線状の光通過スリットが250μm間隔で20本平行に配置して形成されたフォトマスクを用いた。そして金属層2に予め形成された基準マーク(線幅100μm、サイズ500μm角の十字形状)を基準にしてフォトマスクをアライメントした後、積層物3のカバーフィルム15の表面にフォトマスクをコンタクトし、フォトマスクを通して10J/cm2のパワーの高圧水銀で露光した(図1(b))。
【0089】
次に、切断刃40の頂角が90°の回転ブレード41を用い、金属層2の基準マークを基準としてV溝21を加工した(図1(c))。ここで、回転ブレード41として、ディスコ社の#5000ブレード(型番「B1E863SD5000L100MT38」)を用い、回転数30000rpmで、カバーフィルム15の側から回転ブレード41を下降速度0.03mm/sで積層物3に接触させて80μmの深さに切り込み、この切り込み深さを維持したまま20本の露光部1aを全て直角に横切るように、0.1mm/sの速度で回転ブレード41を走査させた後、積層物3から回転ブレード41を離脱させた(図3(b)参照)。形成されたV溝21の面粗度は、rms表示で60nmと良好なものであった。
【0090】
この後、V溝21の部分に粒径10nm以下の銀粒子が分散された銀ペーストを滴下し、120℃で1時間加熱して溶剤を除去すると共に加熱することによって、V溝21の傾斜面7に光反射部8を設けて偏向部5を形成した(図2(a)参照)。
【0091】
次にカバーフィルム15を剥離して除去し、トルエンとクリーンスルー(花王(株)製のフレオン代替の水系洗浄剤)で現像することによって、非露光部を除去し、水で洗浄後乾燥した(図1(d))。
【0092】
この後、積層物3の感光性透明樹脂層1の側に透明樹脂Aを塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって第三の透明樹脂層を形成し、この上に接着剤Cのワニスを40μm厚に塗布して150℃で乾燥し、接着剤14の層を形成した。
【0093】
ここで接着剤Cのワニスとしては、東都化成(株)製「YDB500」(臭素化エポキシ樹脂)90質量部、東都化成(株)製「YDCN−1211」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)10質量部、ジシアンジアミド3質量部、四国化成(株)製「2E4MZ」(2エチル4メチルイミダゾール)0.1質量部、メチルエチルケトン30質量部、ジメチルホルムアミド8質量部からなるワニスを用いた。
【0094】
そして電気回路12を設けたFR−5タイプのプリント配線基板11を用い、基板11に積層物3を重ねて170℃にて真空プレスし、両者を接着した(図1(e):第三の透明樹脂層の図示は省略)。
【0095】
この後、金属層2のビアホール13を形成する箇所にサイズ100μmφのコンフォーマルマスク孔及び基準ガイドを形成した後、エキシマレーザを照射して開口径100μmのビアホール13を形成し(図1(f))、次いで過マンガン酸デスミアによる表面処理、硫酸過水系によるソフトエッチング処理を施した後にパネルメッキをしてビアホール13に電気導通部22を形成し(図1(g))、さらに金属層2をパターニングして電気回路6を形成することによって、光電気混載基板を得た(図1(h))。また、偏向部5の直上部の透明樹脂層17の表面に、この透明樹脂層17と同じ樹脂(つまり同じ屈折率)である透明樹脂Aを1μg滴下し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂16の層を形成した(図9(a)参照)。
【0096】
このようにして得られた光電気混載基板にあって、偏向部5及びその直上の透明樹脂16を設けた開口部31は、フォトマスクによってパターニングされた40μm幅の光導波路4の両端に対をなすように形成してあり、また電気回路6にはベアの面発光レーザチップ(波長850nm、放射広がり角±10°、放射強度0dBm)と、ベアのPINフォトダイオードチップ(受光エリア38μmφ)をボールハンダによってフリップチップ実装した。そしてこの面発光レーザチップからの発光を1対の偏向部5と光導波路4を通してPINフォトダイオードチップで−6.8dBmにて受光できることを確認した。
【0097】
(実施例2)
厚み35μmの銅箔(古河電工(株)製「MPGT」)を金属層2として用い、金属層2に透明樹脂Aをロール転写法で塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂層17を形成した。次に透明樹脂層17の上に感光性透明樹脂Dのワニスを100μm厚に塗布し、加熱乾燥して厚み50±5μmの感光性透明樹脂層1を形成した後、この上に厚み25μmの透明PETフィルムからなるカバーフィルム15をロールで押し当てて張り付けることによって、積層物3を得た(図10(a))。
【0098】
上記の感光性透明樹脂Dとしては、日本ペイント(株)製「グラシアPS−SR103」を用いた。このものはポリシラン樹脂であり、厚み50μmにおいて、硬化後(紫外線露光前)の屈折率は1.64であり、また10J/cm2の紫外線を照射した露光後の屈折率は1.58〜1.62に変化する。
【0099】
上記のようにして得た積層物3を6cm角にカットして用い、また40μm幅の線状の光遮断領域を250μm間隔で20本平行に配置して形成したフォトマスクを用いた。そして金属層2に予め形成された基準マークを基準にしてフォトマスクをアライメントした後、積層物3のカバーフィルム15の表面にフォトマスクをコンタクトし、フォトマスクを通して10J/cm2のパワーの高圧水銀で露光した(図10(b))。このように露光することによって、露光部1aは非露光部1bより屈折率が低下した。
【0100】
次に、切断刃40の頂角が90°の回転ブレード41を用い、金属層2の基準マークを基準としてV溝21を加工した(図10(c))。ここで、V溝21の加工は、まず第一の回転ブレード41で切削を行なった後、第二の回転ブレード41で同じ箇所を再度切削することによって行なった。すなわち、第一の回転ブレード41として、ディスコ社の#4000ブレード(型番「B1E863SD4000L100MT38」)を用い、回転数30000rpmで、カバーフィルム15の側から第一の回転ブレード41を下降速度0.03mm/sで積層物3に接触させて90μmの深さに切り込み、この切り込み深さを維持したまま20本の露光部1aを全て直角に横切るように、0.1mm/sの速度で第一の回転ブレード41を走査させた後、積層物3から第一の回転ブレード41を離脱させることによって、第一の回転ブレード41による切削を行ない、次に第二の回転ブレード41として、ディスコ社の#6000ブレード(型番「B1E863SD6000L100MT38」)を用い、同一条件で、同一箇所を走査させることによって、第二の回転ブレード41による切削を行なった。形成されたV溝21には、小砥粒径ブレードに特有の切削力不足による切り込み表面の引っ張り歪みが見られず、またV溝21の面粗度はrms表示で50nmと良好なものであった。
【0101】
この後、V溝21の部分に電子ビーム蒸着によって、金を8Å/秒の速度で厚み2000Å蒸着し、V溝21の傾斜面7に光反射部8を設けて偏向部5を形成した(図2(a)参照)。次いでカバーフィルム15を剥離して除去した(図10(d))。
【0102】
この後、積層物3と電気回路12を設けたFR−5タイプのプリント配線基板11の間にプリプレグ32を二枚重ねて挟み、150℃、0.98MPa(10kgf/cm2)、30分間の条件で加熱加圧し、プリプレグ32による接着剤14で両者を接着した(図10(e))。
【0103】
ここで、上記のプリプレグとしては、ダウ・ケミカル(株)製「DER−514」(エポキシ樹脂)73.6質量部、大日本インキ化学工業(株)製「エピクロンN613」(エポキシ樹脂)18.4質量部、グッドリッテ(株)製「CTBN#13」(ゴム材)8質量部、ジシアンジアミド2.4質量部、四国化成(株)製「2E4MZ」(2エチル4メチルイミダゾール)0.05質量部を、メチルエチルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶液に溶解したワニスFを0.1mm厚のガラスクロスに含浸乾燥して得られた、レジン含有率56質量%のエポキシプリプレグを用いた。このプリプレグの硬化状態での屈折率は1.585である。
【0104】
この後、実施例1と同様にして光電気混載基板を得た(図10(f)〜図10(i)。)ここで、偏向部5の直上部において、金属箔2をエッチングして開口部31を形成し、開口部31の周囲の金属箔2の表面及び端面に、住友スリーエム社製「フロリナートFC−77」で100倍に希釈した、旭硝子社製「サイトップCTL−107M」を1μg滴下して乾燥することによって撥水処理を行なった。この後、開口部31に露出する透明樹脂層17の表面に、この透明樹脂層17とほぼ同等の屈折率を有する東亜合成(株)製「アロニックスUV−3100」(光硬化性アクリル樹脂)を3μg滴下し、5J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを照射して硬化させることによって、凸レンズ形状の透明樹脂16の層を形成した(図9(c)参照)。
【0105】
このようにして得られた光電気混載基板にあって、実施例1と同様にベアの面発光レーザチップとベアのPINフォトダイオードチップを実装し、そしてこの面発光レーザチップからの発光を1対の偏向部5と光導波路4を通してPINフォトダイオードチップで−4.5dBmにて受光できることを確認した。また凸レンズ形状に透明樹脂16を形成することによって、光導波路4と光の結合効率が1〜2dB向上した。
【0106】
(実施例3)
厚み100μmのステンレス板で形成した支持体33に両面粘着テープ34(住友スリーエム(株)製「4591HL」、片面弱粘着用両面テープ)を、支持体33側に強粘着層が向くように貼り、また厚み35μmの銅箔(古河電工(株)製「MPGT」)を金属層2として用い、この金属層2を両面粘着テープで支持体に貼った。そして金属層2に透明樹脂Aをロール転写法で塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂層17を形成した。次に透明樹脂層17の上に感光性透明樹脂Dのワニスを100μm厚に塗布し、加熱乾燥して厚み50±5μmの感光性透明樹脂層1を形成した。次ぎにこの上に透明樹脂Aをロール転写法で塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、第二の透明樹脂層23を形成した。そしてこの上に厚み25μmの透明PETフィルムからなるカバーフィルム15をロールで押し当てて張り付けることによって、積層物3を得た(図7(a):支持体の図示は省略)。
【0107】
上記のようにして得た積層物3を6cm角にカットして用い、また40μm幅の線状の光遮断領域を250μm間隔で20本平行に配置して形成したフォトマスクを用いた。そして金属層2に予め形成された基準マークを基準にしてフォトマスクをアライメントした後、積層物3のカバーフィルム15の表面にフォトマスクをコンタクトし、フォトマスクを通して10J/cm2のパワーの高圧水銀で露光した(図7(b))。このように露光することによって、露光部1aは非露光部1bより屈折率が低下した。
【0108】
次に、金属層2の基準マークを基準として、短パルスレーザの集光照射を用いて、光導波路4のコア部4aとなる非露光部1bに周期構造体の微小列28を設けてグレーティングカプラを描画した。ここで、レーザ光には波長800nm、パルス幅150fs、パルスエネルギー50nJ、パルス繰り返し1kHzのものを用い、これを開口数1.25の油浸対物レンズによってカバーフィルム15を通して感光性透明樹脂層1の非露光部1b内に集光照射した。レーザ光はストローク40μm、移動速度400μm/sで、直線状に走査され、これを0.57μmピッチで200本描画し、グレーティングカプラとなる周期構造体の微小列28を設け、偏向部5を形成した(図8(b)参照)。
【0109】
この後、積層物3の感光性透明樹脂層1の側に接着剤Cのワニスを40μm厚に塗布して150℃で乾燥し、接着剤14の層を形成し、そして電気回路12を設けたFR−5タイプのプリント配線基板11に積層物3を重ねて170℃にて真空プレスし、両者を接着した(図7(e))。
【0110】
後は実施例1と同様にして光電気混載基板を得た(図7(f)〜図7(h))。また、偏向部5の直上部の表面に透明樹脂層17と同じ樹脂(つまり同じ屈折率)である透明樹脂Aを1μg滴下し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂16の層を形成した(図9(a)参照)。
【0111】
このようにして得られた光電気混載基板にあって、実施例1と同様にベアの面発光レーザチップとベアのPINフォトダイオードチップを実装し、そしてこの面発光レーザチップからの発光を1対の偏向部5と光導波路4を通してPINフォトダイオードチップで−15dBmにて受光できることを確認した。
【0112】
(実施例4)
厚み100μmのステンレス板で形成した支持体33に両面粘着テープ34(住友スリーエム(株)製「4591HL」、片面弱粘着用両面テープ)を、支持体33側に強粘着層が向くように貼り、また厚み35μmの銅箔(古河電工(株)製「MPGT」)を金属層2として用い、この金属層2を両面粘着テープ34で支持体33に貼った。そして金属層2に透明樹脂Aをロール転写法で塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂層17を形成した。次に透明樹脂層17の上に感光性透明樹脂Eを40μm厚に塗布し、窒素雰囲気中、室温で乾燥させて感光性透明樹脂層1を形成した。次ぎにこの上に厚み25μmの透明PETフィルムからなるカバーフィルム15をロールで押し当てて張り付けることによって、積層物3を得た(図11(a))。
【0113】
ここで、感光性透明樹脂Eとしては、三菱ガス化学(株)製「ユーピロンZ」(ポリカーボネート樹脂、屈折率1.59)35質量部、メチルアクリレート20質量部、ベンゾインエチルエーテル1質量部、ハイドロキノン0.04質量部をテトラハイドロフランに溶解させたワニスを使用した。この感光性透明樹脂Eの厚み40μmの硬化樹脂の屈折率は1.53である。そしてこれに3J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを照射した後、真空中95℃で12時間した後の屈折率は、露光部で1.55〜1.58、非露光部で1.585〜1.59である。
【0114】
上記のようにして得た積層物3を6cm角にカットして用い、また40μm幅の線状の光遮断領域を250μm間隔で20本平行に配置して形成したフォトマスクを用いた。そして金属層2に予め形成された基準マークを基準にしてフォトマスクをアライメントした後、積層物3のカバーフィルム15の表面にフォトマスクをコンタクトし、窒素雰囲気中、フォトマスクを通して3J/cm2のパワーの高圧水銀で露光し、さらに1時間放置した後、267Pa(2Torr)の真空中、95℃で12時間加熱した(図11(b))。このように露光することによって、フォトマスクの光通過領域(露光部1a)は屈折率が上昇するが、その後の加熱によって非露光部1bのメチルメタクリレートモノマーが外拡散し、その結果非露光部1bの屈折率は露光部1aより高くなった。
【0115】
次ぎにカバーフィルム15を剥がして除去した(図11(c))。そしてシリコンマスター型を用いたNi電鋳及びフッ素樹脂被覆による表面離型処理によって作製した、ピッチ0.57μm、凹凸比50%、凹み深さ1.5μm、凸ライン数200本、凸ライン幅40μmの周期的な微小突起25を有する押し型26を用い、押し型26を170℃に加熱した状態で、金属層2の基準マークを基準にして、光導波路4のコア部4aとなる非露光部1bに押し型26を押し当て、その状態のまま徐冷した後離型し、グレーティング周期構造体の微小列27を転写して偏向部5を形成した(図11(d))。
【0116】
この後、積層物3の感光性透明樹脂層1の側に透明樹脂Aを塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって第三の透明樹脂層35を形成し、この上に接着剤Cのワニスを40μm厚に塗布して150℃で乾燥し、接着剤14の層を形成した。そして電気回路12を設けたFR−5タイプのプリント配線基板11に積層物3を重ねて170℃にて真空プレスし、両者を接着した(図11(e))。
【0117】
後は実施例1と同様にして光電気混載基板を得た(図11(f)〜図11(i))。また、偏向部5の直上部の表面に透明樹脂層17と同じ樹脂(つまり同じ屈折率)である透明樹脂Aを1μg滴下し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂16の層を形成した(図9(a)参照)。
【0118】
このようにして得られた光電気混載基板にあって、実施例1と同様にベアの面発光レーザチップとベアのPINフォトダイオードチップを実装し、そしてこの面発光レーザチップからの発光を1対の偏向部5と光導波路4を通してPINフォトダイオードチップで−21dBmにて受光できることを確認した。
【0119】
(実施例5)
厚み35μmの銅箔(古河電工(株)製「MPGT」)を金属層2として用い、金属層2に透明樹脂Aをロール転写法で塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂層17を形成した。次に透明樹脂層17の上に感光性透明樹脂Bのワニスを80μm厚に塗布し、加熱乾燥して厚み40±5μmの感光性透明樹脂層1を形成した後、この上に厚み20μmの透明ポリプロピレンフィルムからなるカバーフィルム15をロールで押し当てて張り付けることによって、積層物3を得た(図1(a))。そしてこの積層物3を6cm角にカットして用いるようにした。
【0120】
また粒径100nm以下の銀粒子が分散された銀ペーストを成形して底面100μm四方、高さ50μm、頂角が90°の二等辺三角形状に反射体10を予め作製しておき、そして金属層2の基準マークを基準として、積層物3に反射体10を頂角の側から押し当て、カバーフィルム15を貫通させて感光性透明樹脂層1に反射体10を埋めこみ、偏向部5を形成した(図5(a)参照)。
【0121】
次ぎに、40μm幅の線状の光通過スリットが250μm間隔で20本平行に配置して形成されたフォトマスクを用い、金属層2に予め形成された基準マークを基準にしてフォトマスクをアライメントした後、積層物3のカバーフィルム15の表面にフォトマスクをコンタクトし、フォトマスクを通して10J/cm2のパワーの高圧水銀で露光した(図1(b))。
【0122】
次にカバーフィルム15を剥離して除去し、トルエンとクリーンスルー(花王(株)製のフレオン代替の水系洗浄剤)で現像することによって、非露光部を除去し、水で洗浄後乾燥した(図1(d))。
【0123】
後は実施例1と同様にして光電気混載基板を得た(図1(e)〜図1(h))。また、偏向部5の直上部の表面に透明樹脂層17と同じ樹脂(つまり同じ屈折率)である透明樹脂16の層を形成した(図9(a)参照)。このようにして得られた光電気混載基板にあって、実施例1と同様にベアの面発光レーザチップとベアのPINフォトダイオードチップを実装し、そしてこの面発光レーザチップからの発光を1対の偏向部5と光導波路4を通してPINフォトダイオードチップで−7.0dBmにて受光できることを確認した。
【0124】
(実施例6)
厚み35μmの銅箔(古河電工(株)製「MPGT」)を金属層2として用い、金属層2に透明樹脂Aをロール転写法で塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂層17を形成した。次に透明樹脂層17の上に感光性透明樹脂Eを40μm厚に塗布し、窒素雰囲気中、室温で乾燥させて感光性透明樹脂層1を形成した。次にこの上に厚み25μmの透明PETフィルムからなるカバーフィルム15をロールで押し当てて張り付けることによって、積層物3を得た(図12(a))。
【0125】
上記のようにして得た積層物3を6cm角にカットして用い、また40μm幅の線状の光遮断領域を250μm間隔で20本平行に配置して形成したフォトマスクを用いた。そして金属層2に予め形成された基準マークを基準にしてフォトマスクをアライメントした後、積層物3のカバーフィルム15の表面にフォトマスクをコンタクトし、窒素雰囲気中、フォトマスクを通して3J/cm2のパワーの高圧水銀で露光し、さらに1時間放置した後、267Pa(2Torr)の真空中、95℃で12時間加熱した(図12(b))。このように露光することによって、フォトマスクの光通過領域(露光部1a)は屈折率が上昇するが、その後の加熱によって非露光部1bのメチルメタクリレートモノマーが外拡散し、その結果非露光部1bの屈折率は露光部1aより高くなった。
【0126】
次に、先端の頂角が90°の屋根型形状をした押し当て型36(底面100μm四方、高さ50μm、頂角90°の二等辺三角形状)を用い、金属層2の基準マークを基準にして、積層物3に押し当て型36を頂角の側から押し当てることによって、V溝21を形成した(図12(c))。このとき、押し当て型36によるV溝21の転写性を高めるために、押し当て型36を170℃に加熱し、離型は徐冷後に行なった。また離型性を確保するために押し当て型36の表面にはフッ素樹脂被覆による表面離型処理を施しておいた。この後、粒径10nm以下の銀粒子が分散された銀ペーストをV溝21の部分にディスペンサーによって滴下し、120℃で1時間加熱して溶剤を除去すると共に硬化させることによって、V溝21の傾斜面7に光反射部8を設けて偏向部5を形成した(図2(a)参照)。次いでカバーフィルム15を剥離して除去した(図12(d))。
【0127】
この後、積層物3の感光性透明樹脂層1の側に透明樹脂Aを塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって第三の透明樹脂層35を形成し、この上に接着剤Cのワニスを40μm厚に塗布して150℃で乾燥し、接着剤14の層を形成した(図12(e))。そして電気回路12を設けたFR−5タイプのプリント配線基板11に積層物3を重ねて170℃にて真空プレスし、両者を接着した(図12(f))。
【0128】
後は実施例1と同様にして光電気混載基板を得た(図12(g)〜図12(i))。また、偏向部5の直上部の表面に透明樹脂層17と同じ樹脂(つまり同じ屈折率)である透明樹脂Aを1μg滴下し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂16の層を形成した(図12(j))。
【0129】
このようにして得られた光電気混載基板にあって、実施例1と同様にベアの面発光レーザチップとベアのPINフォトダイオードチップを実装し、そしてこの面発光レーザチップからの発光を1対の偏向部5と光導波路4を通してPINフォトダイオードチップで−7.1dBmにて受光できることを確認した。
【0130】
(実施例7)
厚み35μmの銅箔(古河電工(株)製「MPGT」)を金属層2として用い、金属層2に透明樹脂Aをロール転写法で塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂層17を形成した。次に透明樹脂層17の上に感光性透明樹脂Eを40μm厚に塗布し、窒素雰囲気中、室温で乾燥させて感光性透明樹脂層1を形成した。次にこの上に厚み25μmの透明PETフィルムからなるカバーフィルム15をロールで押し当てて張り付けることによって、積層物3を得た(図13(a))。
【0131】
上記のようにして得た積層物3を6cm角にカットして用い、また40μm幅の線状の光遮断領域を250μm間隔で20本平行に配置して形成したフォトマスクを用いた。そして金属層2に予め形成された基準マークを基準にしてフォトマスクをアライメントした後、積層物3のカバーフィルム15の表面にフォトマスクをコンタクトし、窒素雰囲気中、フォトマスクを通して3J/cm2のパワーの高圧水銀で露光し、さらに1時間放置した後、267Pa(2Torr)の真空中、95℃で12時間加熱した(図13(b))。このように露光することによって、フォトマスクの光通過領域(露光部1a)は屈折率が上昇するが、その後の加熱によって非露光部1bのメチルメタクリレートモノマーが外拡散し、その結果非露光部1bの屈折率は露光部1aより高くなった。
【0132】
次に、実施例1と同様に頂角90°の回転ブレード41を用い、金属層2の基準マークを基準としてV溝21を加工した(図13(c))。この後、V溝21の部分に電子ビーム蒸着によって、金を8Å/秒の速度で厚み2000Å蒸着し、V溝21の傾斜面7に光反射部8を設けて偏向部5を形成した(図2(a)参照)。次いでカバーフィルム15を剥離して除去した(図13(d))。
【0133】
この後、積層物3の感光性透明樹脂層1の側に透明樹脂Aを塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって第三の透明樹脂層35を形成し、この上に接着剤Cのワニスを40μm厚に塗布して150℃で乾燥し、接着剤14の層を形成した(図13(e))。そして電気回路12を設けたFR−5タイプのプリント配線基板11に積層物3を重ねて170℃にて真空プレスし、両者を接着した(図13(f))。
【0134】
後は実施例1と同様にして光電気混載基板を得た(図13(g)〜図13(i))。また、偏向部5の直上部の表面に透明樹脂層17と同じ樹脂(つまり同じ屈折率)である透明樹脂Aを1μg滴下し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂16の層を形成した(図13(j))。
【0135】
このようにして得られた光電気混載基板にあって、実施例1と同様にベアの面発光レーザチップとベアのPINフォトダイオードチップを実装し、そしてこの面発光レーザチップからの発光を1対の偏向部5と光導波路4を通してPINフォトダイオードチップで−6.5dBmにて受光できることを確認した。
【0136】
(実施例8)
厚み35μmの銅箔(古河電工(株)製「MPGT」)を金属層2として用い、金属層2に上記のワニスFを塗布して150℃で乾燥することによって50μm厚の難燃性接着層を形成した後、この上に透明樹脂Aをロール転写法で塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂層17を形成した。また、25μmの透明PETフィルムからなるカバーフィルム15に感光性透明樹脂Bのワニスを100μm厚に塗布し、加熱乾燥して厚み50±5μmの感光性透明樹脂層1を形成した。
そして、透明樹脂層17と感光性透明樹脂層1を重ねてラミネートすることによって、積層物3を得た(図1(a))。
【0137】
上記のようにして得た積層物3を6cm角にカットして用い、また40μm幅の線状の光通過スリットが250μm間隔で20本平行に配置して形成されたフォトマスクを用いた。そして金属層2に予め形成された基準マーク(線幅100μm、サイズ500μm角の十字形状)を基準にしてフォトマスクをアライメントした後、積層物3のカバーフィルム15の表面にフォトマスクをコンタクトし、フォトマスクを通して10J/cm2のパワーの高圧水銀で露光した(図1(b))。
【0138】
次に、実施例1と同様に頂角90°のブレードを用い、金属層2の基準マークを基準としてV溝21を加工した(図1(c))。この後、V溝21の部分に電子ビーム蒸着によって、金を8Å/秒の速度で厚み2000Å蒸着し、V溝21の傾斜面7に光反射部8を設けて偏向部5を形成した(図2(a)参照)。次いでカバーフィルム15を剥離して除去した(図1(d))。
【0139】
後は実施例1と同様にして光電気混載基板を得た(図1(e)〜図1(h))。また、偏向部5の直上部の表面に、実施例2と同様にして撥水処理を施した後、東亜合成(株)製「アロニックスUV−3100」(光硬化性アクリル樹脂)を3μg滴下し、5J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを照射して硬化させることによって、凸レンズ形状の透明樹脂16の層を形成した(図9(b)参照)。このようにして得られた光電気混載基板にあって、実施例1と同様にベアの面発光レーザチップとベアのPINフォトダイオードチップを実装し、そしてこの面発光レーザチップからの発光を1対の偏向部5と光導波路4を通してPINフォトダイオードチップで−4.2dBmにて受光できることを確認した。
【0140】
(実施例9)
厚み35μmの銅箔(古河電工(株)製「MPGT」)を金属層2として用い、金属層2に透明樹脂Aをロール転写法で塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂層17を形成した。次に透明樹脂層17の上に感光性透明樹脂Bのワニスを80μm厚に塗布し、加熱乾燥して厚み40±5μmの感光性透明樹脂層1を形成した後、この上に厚み25μmの透明PETフィルムからなるカバーフィルム15をロールで押し当てて張り付けることによって、積層物3を得た(図16(a))。
【0141】
上記のようにして得た積層物3を6cm角にカットして用い、また40μm幅の線状の光通過スリットが250μm間隔で20本平行に配置して形成されたフォトマスクを用いた。そして金属層2に予め形成された基準マーク(線幅100μm、サイズ500μm角の十字形状)を基準にしてフォトマスクをアライメントした後、積層物3のカバーフィルム15の表面にフォトマスクをコンタクトし、フォトマスクを通して10J/cm2のパワーの高圧水銀で露光した(図16(b))。
【0142】
次に、切断刃40の頂角が90°の回転ブレード41を用い、金属層2の基準マークを基準としてV溝21を加工した(図16(c))。ここで、回転ブレード41として、ディスコ社の#5000ブレード(型番「B1E863SD5000L100MT38」)を用い、回転数30000rpmで、カバーフィルム15の側から回転ブレード41を下降速度0.03mm/sで積層物3に接触させて45μmの深さに切り込み、この切り込み深さを維持したまま20本の露光部1aを全て直角に横切るように、0.1mm/sの速度で回転ブレード41を走査させた後、積層物3から回転ブレード41を離脱させた(図3(b)参照)。形成されたV溝21の面粗度は、rms表示で60nmと良好なものであった。
【0143】
この後、V溝21の部分に粒径10nm以下の銀粒子が分散された銀ペーストを滴下し、120℃で1時間加熱して溶剤を除去すると共に加熱することによって、V溝21の傾斜面7に光反射部8を設けて偏向部5を形成した(図2(a)参照)。ここで、V溝21は露光部1aの厚み方向の一部を残して形成されており、露光部1aによって形成される光導波路4のコア部4aを伝搬される光の半分を偏向部5から出射させると共に残りの半分を通過させる分岐出射ミラーが形成された。
【0144】
次にカバーフィルム15を剥離して除去し、トルエンとクリーンスルー(花王(株)製のフレオン代替の水系洗浄剤)で現像することによって、非露光部を除去し、水で洗浄後乾燥した(図16(d))。
【0145】
この後、積層物3の感光性透明樹脂層1の側に透明樹脂Aを塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって第三の透明樹脂層を形成し、この上に接着剤Cのワニスを40μm厚に塗布して150℃で乾燥し、接着剤14の層を形成した。
【0146】
そして電気回路12を設けたFR−5タイプのプリント配線基板11を用い、基板11に積層物3を重ねて170℃にて真空プレスし、両者を接着した(図16(e):第三の透明樹脂層の図示は省略)。
【0147】
この後、金属層2のビアホール13を形成する箇所にサイズ100μmφのコンフォーマルマスク孔及び基準ガイドを形成した後、エキシマレーザを照射して開口径100μmのビアホール13を形成し(図16(f))、次いで過マンガン酸デスミアによる表面処理、硫酸過水系によるソフトエッチング処理を施した後にパネルメッキをしてビアホール13に電気導通部22を形成し(図16(g))、さらに金属層2をパターニングして電気回路6を形成することによって、光電気混載基板を得た(図16(h))。
【0148】
次に、電気回路6をパターンニングする際に同時に偏向部5の直上位置の表面に形成された直径255μmの開口部31に、開口部31に露出する透明樹脂層17とほぼ同等の屈折率を有する東亜合成(株)製「アロニックスUV−3100」(光硬化性アクリル樹脂、粘度3400mPa・s、屈折率1.52)を2μg滴下し、透明樹脂47を充填した(図16(i))。そして、その上にボールレンズ(材質BK7、屈折率1.516)からなるレンズ体46を搭載し(図16(j))、5J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを全面照射して「アロニックスUV−3100」を硬化させることによって、レンズ体46を固着させた(図16(k))。
【0149】
このようにして得られた光電気混載基板にあって、実施例1と同様に面発光レーザチップ(但し、レンズ付きパッケージに実装済み)と、ベアのPINフォトダイオードチップを実装し、そしてこの面発光レーザチップからの発光を、レンズ体46を具備した1対の偏向部5と光導波路4を通してPINフォトダイオードチップで−7.2dBmにて分岐出射受光できることを確認した。
【0150】
(実施例10)
厚み35μmの銅箔(古河電工(株)製「MPGT」)を金属層2として用い、金属層2に透明樹脂Aをロール転写法で塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂層17を形成した。次に透明樹脂層17の上に感光性透明樹脂Bのワニスを80μm厚に塗布し、加熱乾燥して厚み40±5μmの感光性透明樹脂層1を形成した後、この上に厚み25μmの透明PETフィルムからなるカバーフィルム15をロールで押し当てて張り付けることによって、積層物3を得た(図1(a))。感光性透明樹脂Bの硬化樹脂の屈折率は既述のように1.53である。
【0151】
上記のようにして得た積層物3を6cm角にカットして用い、また40μm幅の線状の光通過スリットが250μm間隔で20本平行に配置され、かつ、線幅100μm、サイズ500μm角の十字形状の基準マーク形成用光通過領域を有するフォトマスクを用いた。そして上記の積層物3の面積内にフォトマスク内の前記光通過スリット及び基準マーク形成用光通過領域が総て入るように、フォトマスク位置を調整した後、積層物3のカバーフィルム15の表面にフォトマスクをコンタクトし、フォトマスクを通して10J/cm2のパワーの高圧水銀で露光した(図1(b))。これによって感光性透明樹脂層1内に光導波路4のコア部4aおよび基準マーク(図示省略)が形成された。
【0152】
次に、切断刃40の頂角が90°の回転ブレード41を用い、感光性透明樹脂層1に形成された基準マークを基準としてV溝21を加工した(図1(c))。
ここで回転ブレード41として、ディスコ社の#5000ブレード(型番B1E863SD5000L100MT38)を用い、回転数30000rpm、カバーフィルム15の側から回転ブレード41を下降速度0.03mm/sで積層物3に接触させて80μmの深さに切り込み、この切り込み深さを維持したまま20本の露光部1aを全て直角に横切るように、0.1mm/sの速度で回転ブレード41を走させた後、積層物3から回転ブレード41を離脱させた(図3(b)参照)。形成されたV溝21の面粗度は、rms表示で60nmと良好なものであった。
この後、V溝21の部分に粒径10nm以下の銀粒子が分散された銀ペーストを滴下し、120℃で1時間加熱して溶剤を除去すると共に加熱することによって、V溝21の傾斜面7に光反射部8を設けて偏向部5を形成した(図2(a)参照)。
【0153】
次にカバーフィルム15を剥離して除去し、トルエンとクリーンスルー(花王(株)製のフレオン代替の水系洗浄剤)で現像することによって、非露光部を除去し、水で洗浄後乾燥した(図1(d))。
【0154】
この後、積層物3の感光性透明樹脂層1の側に透明樹脂Aを塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって第三の透明樹脂層を形成し、この上に接着剤Cのワニスを40μm厚に塗布して150℃で乾燥し、接着剤14の層を形成した。
【0155】
そして電気回路12を設けたFR−5タイプのプリント配線基板11を用い、基板11に積層物3を重ねて170℃にて真空プレスし、両者を接着した(図1(e):第三の透明樹脂層の図示は省略)。
【0156】
この後、感光性透明樹脂層1に形成された上記の基準マークの近傍位置において金属層2を選択エッチングして、φ1.0mmの開口部を金属層2に設けることによって、金属層2の側から基準マークが認識できるようにし、以降の工程を全てこの基準マークを基準にして行った。すなわちまず金属層2のビアホール13を形成する箇所にサイズ100μmφのコンフォーマルマスク孔及び基準ガイドを形成した後、エキシマレーザを照射して開口径100μmのビアホール13を形成し(図1(f))、次いで過マンガン酸デスミアによる表面処理、硫酸過水系によるソフトエッチング処理を施した後にパネルメッキをしてビアホール13に電気導通部22を形成し(図1(g))、さらに金属層2をパターニングして電気回路6を形成することによって、光電気混載基板を得た(図1(h))。
また、偏向部5の直上部の透明樹脂層17の表面に、この透明樹脂層17と同じ樹脂(つまり同じ屈折率)である透明樹脂Aを1μg滴下し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂16の層を形成した(図9(a)参照)。
【0157】
このようにして得られた光電気混載基板にあって、偏向部5及びその直上の透明樹脂16を設けた開口部31は、フォトマスクによってパターニングされた40μm幅の光導波路4の両端に対をなすように形成してあり、また電気回路6にはベアの面発光レーザチップ(波長850nm、放射広がり角±10°、放射強度0dBm)と、ベアのPINフォトダイオードチップ(受光エリア38μmφ)をボールハンダによってフリップチップ実装した。そしてこの面発光レーザチップからの発光を1対の偏向部5と光導波路4を通してPINフォトダイオードチップで−6.8dBmにて受光できることを確認した。
【0158】
(実施例11)
離型処理がされた厚み100μmのステンレス板で形成した支持体33の片面に、透明樹脂Aをロール転写法で塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂層17を形成した。次に透明樹脂層17の上に感光性透明樹脂Dのワニスを100μm厚に塗布し、加熱乾燥して厚み50±5μmの感光性透明樹脂層1を形成した。次ぎにこの上に透明樹脂Aをロール転写法で塗布厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、第二の透明樹脂層23を形成した。そしてこの上に厚み25μmの透明PETフィルムからなるカバーフィルム15をロールで押し当てて張り付けることによって、積層物3を得た(図17(a))。
【0159】
上記のようにして得た積層物3を6cm角にカットして用い、また40μm幅の線状の光透過スリットを250μm間隔で20本平行に配置すると共に線幅100μm、サイズ500μm角の十字形の光通過領域からなる基準マーク露光用パターンを設けて形成したフォトマスクを用いた。そして基準マーク露光用パターンを基準にしてフォトマスクをアライメントした後、光透過スリット及び基準マーク露光用パターンが積層物3内に全て入るようにフォトマスクの位置を調整して、積層物3のカバーフィルム15の表面にフォトマスクをコンタクトし、フォトマスクを通して10J/cm2のパワーの高圧水銀で露光した(図17(b))。このように露光することによって、感光性透明樹脂層1の露光部1aは非露光部1bより屈折率が低下し、また感光性透明樹脂層1に基準マーク露光用パターンによって基準マーク(図示省略)が露光された。
【0160】
次に、切断刃40の頂角が90°の回転ブレード41を用い、金属層2の基準マークを基準としてV溝21を加工した(図17(c))。ここで、回転ブレード41として、ディスコ社の#5000ブレード(型番「B1E863SD5000L100MT38」)を用い、回転数30000rpmで、カバーフィルム15の側から回転ブレード41を下降速度0.03mm/sで積層物3に接触させて100μmの深さに切り込み、この切り込み深さを維持したまま20本の非露光部1bを全て直角に横切るように、0.1mm/sの速度で回転ブレード41を走査させた後、積層物3から回転ブレード41を離脱させた(図3(b)参照)。形成されたV溝21の面粗度は、rms表示で60nmと良好なものであった。この後、V溝21の部分に電子ビーム蒸着によって、金を8Å/秒の速度で厚み2000Å蒸着し、V溝21の傾斜面7に光反射部8を設けて偏向部5を形成し(図2(a)参照)、次いでカバーフィルム15を剥離して除去した(図17(d))。
【0161】
次に、積層物3の第二の透明樹脂層23の側に接着剤Cのワニスを40μm厚に塗布して150℃で乾燥し、接着剤14の層を形成し、そして電気回路12を設けたFR−5タイプのプリント配線基板11に積層物3を重ねて170℃にて真空プレスし、両者を接着した。この後、支持体33を剥離した(図17(e))。
【0162】
さらに、この支持体33を剥離した透明樹脂層17の表面に、銅箔の片面にエポキシ樹脂系の接着樹脂層50を設けて形成した樹脂付き銅箔(松下電工株式会社製「ARCC R−0880」)を重ね、170℃で1時間、真空プレスすることによって、透明樹脂層17の表面に接着樹脂層50で銅箔からなる金属層2を積層した(図17(f))。
【0163】
この後、樹脂付き銅箔の金属層2のビアホール13を形成する箇所にサイズ100μmφのコンフォーマルマスク孔及び基準ガイドを形成した後、エキシマレーザを照射して開口径100μmのビアホール13を形成し(図17(g))、次いで過マンガン酸デスミアによる表面処理、硫酸過水系によるソフトエッチング処理を施した後にパネルメッキをしてビアホール13に電気導通部22を形成し(図17(h))、さらに樹脂付き銅箔の金属層2をパターニングして電気回路6を形成することによって、光電気混載基板を得た(図17(i))。また、偏向部5の直上部の透明樹脂層17の表面に、この透明樹脂層17と同じ透明樹脂Aを1μg滴下し、100℃で1時間、続いて150℃で1時間加熱して硬化させることによって、透明樹脂16の層を形成した(図9(a)参照)。
【0164】
このようにして得られた光電気混載基板にあって、偏向部5及びその直上の透明樹脂16を設けた開口部31は、フォトマスクによってパターニングされた40μm幅の光導波路4の両端に対をなすように形成してあり、実施例1と同様にベアの面発光レーザチップとベアのPINフォトダイオードチップを実装し、そしてこの面発光レーザチップからの発光を1対の偏向部5と光導波路4を通してPINフォトダイオードチップで−6.5dBmにて受光できることを確認した。
【0165】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る光電気混載基板の製造方法によれば、従来のように基板の上にクラッド層、コア層、クラッド層を順次積み上げたり、電気回路をメッキで積み上げたりする場合のような工数を要することなく、従来からのプリント配線板製造技術を用いて、簡易な方法で高品質な光電気混載基板を得ることができるものである。
【0167】
また請求項2の発明によれば、光導波路と偏向部と電気回路は基準マークを基準として相互に位置合わせされており、光導波路と偏向部と電気回路を位置精度高く形成することができるものである。
【0168】
また請求項3の発明によれば、基準マークの形成を光導波路のコア部を形成する工程で同時に行なえ、基準マークの形成の工程を簡略化することができると共に、活性エネルギー線を照射する露光で光導波路のコア部と基準マークを感光性透明樹脂層に位置関係精度高く形成することができ、基準マークを基準にして光導波路のコア部に対して高い位置精度で偏向部や電気回路を形成することができるものである。
【0169】
また請求項4の発明によれば、基板に接着して剛性を与えた状態で電気回路の形成を行なうことができ、電気回路を形成する際の作業性が高まるものである。
【0170】
また請求項5の発明によれば、多層回路構成の光電気混載基板を容易に製造することができるものである。
【0171】
また請求項6の発明によれば、光導波路を形成した面を基板に接着する接着剤をクラッド部として利用することができ、クラッド部を形成するための工程を省略して工程を簡素化することができるものである。
【0172】
また請求項7の発明によれば、カバーフィルムをマスクとして利用して、またカバーフィルムで感光性透明樹脂層を保護しながら、傾斜面と光反射部を形成することができ、偏向部を容易に形成することができるものである。
【0174】
また請求項8の発明によれば、金属層を除去した下地が粗面であっても、透明樹脂で被覆することができ、偏向部に入出射される光が散乱することを防止して、光導波路と外部との光結合効率の低下を防ぐことができるものである。
【0175】
また請求項9の発明によれば、偏向部に入出射する光をレンズ体で集光することができ、光導波路と外部との光結合効率の低下を一層防ぐことができるものであり、また金属除去部にレンズ体をはめ込むことによって、レンズ体を正確な位置に高精度に且つ簡便に位置決めして配置することができると共に、複数のレンズ体を配置する際にも位置ずれ小さく容易に配置することができるものである。
【0176】
また請求項10の発明によれば、光導波路のコア部が直接金属層に接触することを回避することができ、光導波損失要因を排除して高品質の光電気混載基板を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(h)は断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b)は一部の拡大した斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(h)は断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(h)は断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b)は断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b),(c)は断面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(i)は断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(i)は断面図である。
【図12】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(j)は断面図である。
【図13】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(j)は断面図である。
【図14】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b)は拡大した断面図である。
【図15】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b),(c)は拡大した断面図である。
【図16】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(k)は断面図である。
【図17】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(i)は断面図である。
【符号の説明】
1 感光性透明樹脂
2 金属層
3 積層物
4 光導波路
4a コア部
4b クラッド部
5 偏向部
6 電気回路
7 傾斜面
8 光反射部
9 反射面
10 反射体
11 基板
12 電気回路
13 ビアホール
14 接着剤
15 カバーフィルム
16 透明樹脂
17 透明樹脂層
40 切削刃
41 回転ブレード
44 高分子膜
46 レンズ体
47 透明樹脂
Claims (10)
- 活性エネルギー線の照射によって溶解度が変化するかあるいは屈折率が変化する感光性透明樹脂よりなる感光性透明樹脂層と、金属層とを少なくとも備え、金属層のマット面側に感光性透明樹脂層が積層された積層物を用い、
(a)感光性透明樹脂層に活性エネルギー線を照射して光導波路のコア部を形成する工程、
(b)光導波路を伝播する光を光導波路外へ偏向出射させ、あるいは光導波路外からの光を光導波路に偏向入射させるための偏向部を形成する工程、
(c)金属層を加工して電気回路を形成する工程、
を含む工程で上記積層物を加工するにあたって、偏向部を形成する(b)の工程を、少なくとも感光性透明樹脂層に光導波方向に対して傾斜する面を形成する工程と、この傾斜面の表面に、金属粒子を含むペーストを供給する方法、金属蒸着によって金属を堆積させる方法、スパッタリングによって金属を堆積させる方法から選ばれる方法で、光反射部を形成する工程とを含む工程から行なうことを特徴とする光電気混載基板の製造方法。 - 前記の光導波路のコア部、偏向部、電気回路を、積層物の金属層にあらかじめ形成された基準マークを基準として位置決めした位置に形成することを特徴とする請求項1に記載の光電気混載基板の製造方法。
- 前記の感光性透明樹脂層に光導波路のコア部を形成する(a)の工程で、同時に感光性透明樹脂層に基準マークを形成し、前記の偏向部、電気回路をこの基準マークを基準として位置決めした位置に形成することを特徴とする請求項1に記載の光電気混載基板の製造方法。
- 光導波路のコア部を形成する前記(a)の工程及び偏向部を形成する前記(b)の工程を行なった後、光導波路を形成した面を基板に接着し、この後に電気回路を形成する(c)の工程を行なうことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光電気混載基板の製造方法。
- 前記基板が表面又は内部に電気回路を有するプリント配線板であり、この電気回路と、前記(c)の工程で形成した電気回路とを電気的に接続する工程を有することを特徴とする請求項4に記載の光電気混載基板の製造方法。
- 光導波路を形成した面を基板に接着する接着剤として、光導波路のコア部の屈折率よりも低い屈折率を有するものを用いることを特徴とする請求項4又は5に記載の光電気混載基板の製造方法。
- 感光性透明樹脂層の金属層と反対側の表面にカバーフィルムを張った積層物を用い、偏向部を形成する前記(b)の工程を、カバーフィルムの上から少なくとも感光性透明樹脂層に光導波方向に対して傾斜する面を形成する工程と、この傾斜面の表面に光反射部を形成する工程とを含む工程から行ない、この後にカバーフィルムを剥離することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光電気混載基板の製造方法。
- 偏向部に対向する領域の金属層を除去し、この部分に透明樹脂を塗布する工程を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光電気混載基板の製造方法。
- 金属層を除去した部分の周囲に残存する金属層と接するようにレンズ体を配置したときに、レンズ体の光軸が偏向部を通る位置になるよう位置決めして偏向部に対向する領域の金属層を除去し、この部分にレンズ体を配置して取り付ける工程を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光電気混載基板の製造方法。
- 感光性透明樹脂層と金属層との間に、光導波路のコア部より屈折率が低い透明樹脂層を設けた積層物を用いることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の光電気混載基板の製造方法。
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