JP4538990B2 - 電圧制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷に出力電圧を供給する電圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車やハイブリッド車等には、走行用モータへ電力を供給するメインバッテリが搭載されている。メインバッテリの直流電圧は、例えば、288Vである。ところで、このような電気自動車やハイブリッド車等であっても、従来の車両と同様の12V機器(例えば、保安機器、車載AV機器等)が装備されているため、12Vバッテリが搭載されている。この12Vバッテリは、メインバッテリの直流電圧によって充電される。この場合、メインバッテリの直流電圧を12Vバッテリを充電可能な電圧に制御するための電圧制御装置が設けられている。
【0003】
ハイブリッド車に用いられている従来の電圧制御装置を、図1を用いて説明する。
ハイブリッド車には、走行用モータへ電力を供給するメインバッテリ200が設けられている。メインバッテリ200は、エンジン等により駆動される発電機の出力電圧によって充電される。また、12V機器300に電圧を供給するための12Vバッテリ220が搭載されている。また、メインバッテリ200の直流電圧により12Vバッテリ220を充電するためのDC−DCコンバータ(電圧制御装置)100が設けられている。
DC−DCコンバータ100は、メインバッテリ200から供給される直流電圧を入力回路160で受け、出力回路180で所定値に制御した出力電圧を12Vバッテリ220へ供給する。制御回路140は、電圧検出回路120から出力される検出電圧が設定電圧となるように出力回路180を制御する。
【0004】
DC−DCコンバータ100と12Vバッテリ220は、ハイブリッド車への搭載上の制約などから、近くに配置することができない。このため、DC−DCコンバータ100の出力端子と12Vバッテリ22の+端子は、例えば、数十cmの長さのケーブル400で接続される。
ここで、DC−DCコンバータ100の出力端子から12Vバッテリ220には、場合によっては数十Aの電流が流れる。このため、DC−DCコンバータ100の出力端子と12Vバッテリ220の+端子の間に、ケーブル400により約1Vの電圧降下が発生する。
そこで、12Vバッテリ220を最適な電圧で充電するために、12Vバッテリ220の+端子をケーブル420を介して電圧検出回路120の負荷電圧入力部10に接続している。この場合、ケーブル420には大電流が流れないため、ケーブル420による電圧降下はほどんど発生しない。これにより、12Vバッテリ220の端子電圧を正確に検出することができる。
【0005】
12Vバッテリ220の+端子をケーブル420を介して電圧検出回路120の負荷電圧入力部10に接続した場合、ケーブル420が接触不良となったり、断線すると、電圧検出回路120の検出電圧が低くなる。この場合、制御回路140は、電圧検出回路120の検出電圧が低いと判断して出力回路180を制御する。このため、出力回路180の出力電圧が高電圧状態に保持される。DC−DCコンバータ100は、自己の出力電圧を監視しており、所定電圧以上に達したと判断すると、保護機能を作動させ、電圧の出力を停止する。
しかし、ケーブル420に断線等が発生した場合に、DC−DCコンバータ100の電圧出力を停止してしまうと、車両の走行等に影響が出る可能性があるため好ましくない。そこで、ケーブル420に断線等が発生した場合は、DC−DCコンバータ100自身の出力電圧に基づいて制御する構成にしている。構成としては、出力回路180の出力端子を電圧検出回路120の出力電圧入力部20に接続している。この例では、接触不良及び断線等の発生を、より確実に回避するために、DC−DCコンバータ100の内部でプリント基板のパターン等を用いて配線している。これにより、ケーブル420に断線等が発生しても、電圧検出回路120は出力回路180の出力電圧を検出するため、出力回路180の出力電圧が高電圧状態に保持されることがない。このため、DC−DCコンバータ100の保護機能が作動して、電圧出力を停止させることがなく、継続して電圧出力を得ることができる。
【0006】
制御回路140は、検出電圧出力部40の電圧が所定の電圧値(例えば、2.5V)になるように、出力回路180を制御することで、電圧検出回路120の入力電圧(この場合、負荷電圧入力部10あるいは出力電圧入力部20に入力される電圧)が所定の電圧値(例えば、14V)になるように、出力回路180を制御する。
制御対象は12Vバッテリ220であり、ケーブル420を用いて12Vバッテリ220の電圧を監視した場合は、12Vバッテリ220のほぼ正しい電圧を監視できている。しかし、ケーブル420に断線等が発生してDC−DCコンバータ100の出力電圧を用いて12Vバッテリ220の電圧を間接的に監視した場合は、12Vバッテリ220の電圧よりも、ケーブル400による電圧降下分だけ高い電圧を監視することになる。これは、ケーブル400には数十Aもの大電流が流れる場合もあるためである。また、運転状態等により12V機器300等の消費電流が変動するため、ケーブル400を流れる電流は、数A〜数十A等の間で常に変動している。
このため、通常時に、電圧検出回路120が出力電圧入力部20に入力される電圧を検出電圧出力部40から出力すると、12Vバッテリ220に最適な電圧を供給することができない。
そこで、電圧検出回路120には、通常時には負荷電圧入力部10に入力された電圧を選択し、ケーブル420の断線等の異常時には出力電圧入力部20に入力された電圧を選択する切替え回路が設けられている。
【0007】
従来の電圧検出回路120について、図2を用いて説明する。
電圧検出回路120の負荷電圧入力部10は、逆流防止用のダイオードD1、抵抗R41を介して検出電圧出力部40に接続されている。抵抗R41と検出電圧出力部40との接続点と基準電位(この場合、GND)との間には、抵抗R42が接続されている。また、出力電圧入力部20は、トランジスタTr23、逆流防止用ダイオードD2、抵抗R41を介して検出電圧出力部40に接続されている。抵抗R41とR42は分圧回路を構成し、入力電圧を分圧して検出電圧出力部40に出力している。また、抵抗R21〜R26及びトランジスタTr21〜Tr23が設けられている。
この回路構成で、ダイオードD1を介して入力される負荷電圧とダイオードD2を介して入力される出力電圧の、高い方の電圧を検出電圧出力部40に供給する。
ここで、負荷電圧入力部10にケーブル420を介して12Vバッテリ220の+端子が正常に接続されている時(正常時)には、トランジスタTr21がオンする。これにより、トランジスタTr22及びTr23がオフし、出力電圧入力部20と検出電圧出力部40との接続が切断される。したがって、この場合には、負荷電圧入力部10に入力された電圧を分圧した電圧が検出電圧出力部40から出力される。
一方、ケーブル420の断線等の異常時には、負荷電圧入力部10に入力される電圧が所定電圧未満になるため、トランジスタTr21がオフする。これにより、トランジスタTr22及びTr23がオンし、出力電圧入力部20と検出電圧出力部40が接続される。この時、出力電圧入力部20から入力される電圧の方が負荷電圧入力部10から入力される電圧より高いため、出力電圧入力部20に入力された電圧を分圧した電圧が検出電圧出力部40から出力される。
このように、トランジスタTr21〜Tr23と抵抗R21〜R26により、正常時には負荷電圧入力部10に入力された電圧を選択し、ケーブル420の断線等の異常時には出力電圧入力部20に入力された電圧を選択する切替え回路22が構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電圧検出回路において、ケーブル420が断線した時の検出電圧出力部40から出力される検出電圧、負荷電圧、出力電圧の状態を図3に示す。なお、図3の横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示している。
図3に示すように、ケーブル420の断線が発生して負荷電圧入力部10に入力される電圧が所定電圧未満に低下すると、切替え回路22が動作を開始する。すなわち、負荷電圧入力部10に入力される入力電圧の検出から出力電圧入力部20に入力される入力電圧の検出に切り替わる。この時、切替え回路22により切替え動作に要する時間は、例えば、数msecである。
この切替え回路22による切替え動作に要する時間の間は、電圧検出回路120は、0Vの検出電圧を出力(図3中の、「検出電圧」の「期間B」部分)する。「期間B」の部分では、検出電圧が目標電圧よりも低いので、制御回路140は出力電圧を高くするように出力回路180を制御する。このため、「期間B」の「出力電圧」及び「負荷電圧」は徐々に上昇する。また、「出力電圧」は、「負荷電圧」よりも「ケーブル400による電圧降下分」だけ高い電圧である。また、制御回路140は、「期間A」の部分では「負荷電圧」を目標電圧(この例では、14V)にするように制御し、「期間C」の部分では「出力電圧」を目標電圧にするように制御する。
ここで、「期間B」の部分では、検出電圧が異常に低くなるため、出力電圧が上昇する。この時、DC−DCコンバータ100は、自己の出力電圧が所定電圧以上に達したと判断して保護機能を作動させて電圧の出力を停止させる可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、負荷電圧入力部に入力される電圧が低下する異常状態発生時に、負荷電圧の検出から出力電圧の検出へ切替える際においても、検出電圧が異常に低下するのを防止し、出力電圧が安定した電圧制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの電圧制御装置である。
請求項1に記載の電圧制御装置では、電圧検出回路は、負荷電圧入力部を検出電圧出力部と接続する第1の接続回路と、出力電圧入力部を、負荷電圧入力部に入力される電圧が所定電圧未満の場合にオンするスイッチング素子を介して検出電圧出力部に接続する第2の接続回路と、出力電圧入力部をインピーダンス回路を介して検出電圧出力部に接続する第3の接続回路を有している。請求項1に記載の電圧制御装置を用いれば、負荷電圧入力部に入力される負荷電圧が所定電圧未満に低下する異常状態発生時に、スイッチング素子をオンさせることで負荷電圧の検出から出力電圧の検出に切替える際においても、検出電圧が異常に低下するのを防止することができる。これにより、出力電圧が安定した電圧制御装置を提供できる。
【0010】
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの電圧制御装置である。
請求項2に記載の電圧制御装置では、第1、第2及び第3の接続回路には電流が流れる方向を制限する電流方向制限回路が設けられている。請求項2に記載の電圧制御装置を用いれば、出力電圧入力部から負荷電圧入力部への電流の逆流、あるいは負荷電圧入力部から出力電圧入力部への電流の逆流を防止することができる。
【0011】
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの電圧制御装置である。
請求項3に記載の電圧制御装置では、電圧検出回路は、負荷電圧入力部に入力される電圧が所定電圧以上の場合には負荷電圧入力部を検出電圧出力部と接続し、負荷電圧入力部に入力される電圧が所定電圧未満である場合には出力電圧入力部を検出電圧出力部に接続する切替え回路と、出力電圧入力部をインピーダンス回路を介して検出電圧出力部に接続する接続回路を有している。請求項3に記載の電圧制御装置を用いれば、負荷電圧入力部に入力される負荷電圧が所定電圧未満に低下する異常状態発生時に、切替え回路を動作させることで負荷電圧の検出から出力電圧の検出に切替える際においても、検出電圧が異常に低下することを防止することができる。これにより、出力電圧が安定した電圧制御装置を提供できる。
【0012】
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの電圧制御装置である。
請求項4に記載の電圧制御装置では、インピーダンス回路は、出力電圧入力部からインピーダンス回路を介して検出電圧出力部に供給される電圧が、負荷電圧入力部から検出電圧出力部に供給される電圧及び出力電圧入力部からインピーダンス回路を介さずに検出電圧出力部に供給される電圧よりも小さくなるように構成されている。請求項4に記載の電圧制御装置を用いれば、負荷電圧入力部に入力される負荷電圧が所定電圧未満に低下する異常状態発生時に、負荷電圧の検出から出力電圧の検出に切替える際においても、検出電圧が異常に低下することを防止する回路の実現が容易である。
【0013】
また、本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりの電圧制御装置である。
請求項5に記載の電圧制御装置では、インピーダンス回路は、抵抗または/及びダイオードにより構成される。請求項5に記載の電圧制御装置を用いれば、インピーダンス回路を、抵抗またはダイオードの少なくともいずれか一方により構成することにより、実現が容易である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。電圧制御装置及び周辺機器等の構成は、図1と同様である。
図4は、本発明の電圧制御装置の一実施の形態で用いる電圧検出回路の概略回路図を示している。
図4に示す電圧検出回路は、図2に示す従来の電圧検出回路に対して、出力電圧入力部20と抵抗R41の間に抵抗R3と逆流防止用のダイオードD3の直列回路が追加されている。逆流防止用ダイオードD3は、抵抗R41から出力電圧入力部20の方向に電流が流れるのを防止するように接続されている。その他の構成は図2に示した従来の電圧検出回路と同一である。
本実施の形態では、抵抗R3が本発明のインピーダンス回路に対応し、ダイオードD1、D2、D3が本発明の電流方向制限回路に対応し、ダイオードD1、抵抗R41、R42が本発明の第1の接続回路に対応し、トランジスタTr23、ダイオードD2、抵抗R41、R42が本発明の第2の接続回路に対応し、ダイオードD3、抵抗R41、R42が本発明の第3の接続回路に対応する。
なお、分圧回路を構成する抵抗R41、R42は、第1〜第3の接続回路に共通に設けたが、第1〜第3の接続回路に設けてもよい。
【0015】
分圧回路を構成する抵抗R41、R42の抵抗値は、検出電圧出力部40から出力される検出電圧が入力される制御回路140の特性によって決定される。
また、抵抗R3の抵抗値は、抵抗R3及びダイオードD3を介した電圧が、負荷電圧入力部10から入力される電圧よりも低くなる(例えば、約2V低くなる)ように決定される。
従来は、検出電圧が異常に低くなる時間を短くしていたが、本発明では、検出電圧が異常に低くなることを防止している。
従来の切替え回路22は、切替え動作に要する時間を数msec未満に抑えるために、各トランジスタ(Tr21、Tr22、Tr23)のベース電流を大きくしてスイッチング動作を速くしている。これらのトランジスタ(Tr21、Tr22、Tr23)には、イグニッションキーを抜いた車両停止時等におけるDC−DCコンバータ100が動作していない場合であっても常に電流が流れるため、暗電流が大きい。このため、車両放置時等における12Vバッテリ220の電流消費量が多く、長期間放置した場合等では、12Vバッテリ220がバッテリ上がりを起こす可能性がある。
次に、暗電流を低減する手段について説明する。通常の場合は、負荷電圧入力部10及び出力電圧入力部20に電圧が供給され、トランジスタTr21がオンするので、抵抗R21、R23、R41、R42で電流を消費する。また、ケーブル420の断線等により、負荷電圧に異常が発生した場合は、出力電圧入力部20のみに電圧が供給され、トランジスタTr22、Tr23がオンするので、抵抗R23、R24、R25、R26、R41、R42で電流を消費する。よって、これらの抵抗の抵抗値を大きくすることで暗電流を低減させることができる。しかし、同時にトランジスタTr21、Tr22、Tr23のベース電流を小さくしてしまうので、当該トランジスタのスイッチング動作が遅くなり、切替え動作に要する時間が従来よりも長くなる。
【0016】
次に、切替え回路22の動作について説明する。負荷電圧入力部10に入力される電圧が正常である場合(所定電圧以上である場合)には、初段のトランジスタTr21がオンし、次段のトランジスタTr22がオフし、さらに次段のトランジスタTr23がオフする。これにより、出力電圧入力部20は、検出電圧出力部40と遮断される。この時に、抵抗R3によって第3の接続回路を介した電圧が第1の接続回路を介した電圧より低いため、負荷電圧入力部10に入力される電圧が分割抵抗R41、R42で分圧されて検出電圧出力部40から出力される。
一方、負荷電圧入力部10に入力される電圧が異常である場合(所定電圧未満である場合)は、初段のトランジスタTr21がオフし、次段のトランジスタTr22がオンし、さらに次段のトランジスタTr23がオンする。これにより、出力電圧入力部20が検出電圧出力部40と接続される。この時、負荷電圧入力部10に入力される電圧が所定電圧未満に低下してからトランジスタTr23がオンするまで所定時間を(例えば、数msec)要する。
従来の電圧検出回路では、この切替え時間の間、検出電圧は0Vとなる。これに対して、本実施の形態では、出力電圧入力部20が抵抗R3、ダイオードD3、抵抗R41、R42を介して検出電圧出力部40に接続されている。これにより、トランジスタTr23の切替え時間の間は、出力電圧入力部20に入力される電圧が抵抗R3、ダイオードD3、抵抗R41、R42を介して検出電圧出力部40に供給されるため、検出電圧が0Vとなることはない。
【0017】
次に、図5に、本実施の形態における電圧検出回路120で、負荷電圧に異常が発生した場合において、検出電圧出力部40から出力される検出電圧、負荷電圧、出力電圧、第3の接続回路から供給される電圧の状態を示す。なお、図5の横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示している。
図5中で、「負荷の検出電圧に異常発生」までの期間Aでは、負荷電圧入力部10から第1の接続回路を介して供給される電圧(約14V)に基づいた電圧が検出電圧に出力される。この期間Aでは、「負荷電圧」が目標電圧(この例では、14V)と一致するように制御される。
「負荷の検出電圧に異常発生」時(例えば、オープン)になると、例えば、数msec(切替え回路が、切替え動作にかかる時間)の期間Bの間、出力電圧入力部20から抵抗R3とダイオードD3の直列回路(第3の接続回路)を介して供給される電圧に基づいた電圧が検出電圧に出力される。「第3の接続回路から供給される電圧」は、「負荷電圧」よりも「第3の接続回路の電圧降下分」だけ低い電圧である。「負荷の検出電圧に異常発生」の時点では、検出電圧が負荷電圧から第3の接続回路から供給される電圧に切替わるので、検出電圧が下がる。
そして、期間Bでは、「第3の接続回路から供給される電圧」が目標電圧と一致するように制御される。このように、期間Bでは、負荷電圧から出力電圧に切替わるまでの間、検出電圧が異常に低下することを防止している。
そして、「切替え回路動作完了」以降の期間Cでは、出力電圧入力部20から第2の接続回路を介して供給される電圧(約14V+電圧降下補正分)に基づいた電圧が検出電圧に出力される。「出力電圧」(第2の接続回路から供給される電圧)は、「負荷電圧」よりも「ケーブル400による電圧降下分」だけ高い電圧である。「切替え回路動作完了」の時点では、検出電圧が第3の接続回路から供給される電圧から出力電圧(第2の接続回路から供給される電圧)に切替わるので、検出電圧が上がる。そして、期間Cでは、「出力電圧」(第2の接続回路から供給される電圧)が目標電圧と一致するように制御される。
このように、切替え動作中は、0[v]を出力することなく、第3の接続回路から供給される電圧(負荷電圧入力部10(通常は、約14V)よりも所定電圧だけ、低くなるように設定された電圧)が出力される。このため、暗電流を低減させる等により、切替え動作に要する時間が長くなっても、DC−DCコンバータ100の保護機能が作動して、電圧出力を停止させることがなく、継続して電圧出力を得ることができる。
【0018】
次に、図6に、抵抗R3とダイオードD3の直列回路(第3の接続回路)の別の回路構成の例を示す。図4に示した抵抗R3とダイオードD3の直列回路に対して、n個のダイオードを直列接続したダイオードD31〜D3nを用いて第3の接続回路を構成する。ダイオードの個数は、負荷電圧入力部10(通常は、約14V)よりも所定電圧だけ、低くなる個数に設定すればよい。
【0019】
次に、図7に、図4に示した電圧検出回路に対して、第1の接続回路にトランジスタTr24と抵抗R27を追加した回路構成の例を示す。負荷電圧入力部10に入力される電圧が所定電圧以上である場合は、Tr24がオンして第1の接続回路が接続され、Tr23がオフして第2の接続回路が遮断される。また、抵抗R3とダイオードD3の直列回路で構成される第3の接続回路から供給される電圧は、第1の接続回路から供給される電圧と第2の接続回路から供給される電圧より低くなるように構成されている。
また、負荷電圧入力部10に入力される電圧が所定電圧未満である場合は、Tr24がオフして第1の接続回路が遮断され、Tr23がオンして第2の接続回路が接続される。また、ダイオードD3、抵抗R3は、複数のダイオードで構成してもよい。
【0020】
本発明の電圧制御装置は、本実施の形態で説明した構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、本実施の形態で説明した電圧検出回路は、スイッチング素子としてバイポーラトランジスタを用いて構成したが、MOSトランジスタ等を用いて構成してもよい。
また、本実施の形態で説明した電圧検出回路は、図4、図6、図7に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、電圧制御装置として、直流電圧を入力し直流電圧を出力するDC−DCコンバータへの適用例を説明したが、交流電圧を入力し直流電圧を出力するAC−DCコンバータへ適用することも可能であり、種々の電圧制御装置に適用することが可能である。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜5のいずれかに記載の電圧制御装置を用いれば、負荷電圧入力部に入力される電圧が低下する異常状態発生時に、負荷電圧の検出から出力電圧の検出へ切替える際においても、検出電圧が異常に低下するのを防止し、出力電圧が安定した電圧制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電圧制御装置の適用例を示す図である。
【図2】従来の電圧検出回路の概略回路図である。
【図3】従来の電圧検出回路において、負荷の検出電圧に異常が発生した場合の出力電圧を説明する図である。
【図4】本発明の電圧制御装置の電圧検出回路の一実施の形態の概略回路図である。
【図5】本発明の電圧制御装置の電圧検出回路において、負荷の検出電圧に異常が発生した場合の出力電圧を説明する図である。
【図6】本発明の電圧制御装置の電圧検出回路の他の実施の形態の概略回路図である。
【図7】本発明の電圧制御装置の電圧検出回路の他の実施の形態の概略回路図である。
【符号の説明】
10 負荷電圧入力部
20 出力電圧入力部
40 検出電圧出力部
100 DC−DCコンバータ(電圧制御装置)
120 電圧検出回路
140 制御回路
200 メインバッテリ
220 12Vバッテリ
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷に出力電圧を供給する電圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車やハイブリッド車等には、走行用モータへ電力を供給するメインバッテリが搭載されている。メインバッテリの直流電圧は、例えば、288Vである。ところで、このような電気自動車やハイブリッド車等であっても、従来の車両と同様の12V機器(例えば、保安機器、車載AV機器等)が装備されているため、12Vバッテリが搭載されている。この12Vバッテリは、メインバッテリの直流電圧によって充電される。この場合、メインバッテリの直流電圧を12Vバッテリを充電可能な電圧に制御するための電圧制御装置が設けられている。
【0003】
ハイブリッド車に用いられている従来の電圧制御装置を、図1を用いて説明する。
ハイブリッド車には、走行用モータへ電力を供給するメインバッテリ200が設けられている。メインバッテリ200は、エンジン等により駆動される発電機の出力電圧によって充電される。また、12V機器300に電圧を供給するための12Vバッテリ220が搭載されている。また、メインバッテリ200の直流電圧により12Vバッテリ220を充電するためのDC−DCコンバータ(電圧制御装置)100が設けられている。
DC−DCコンバータ100は、メインバッテリ200から供給される直流電圧を入力回路160で受け、出力回路180で所定値に制御した出力電圧を12Vバッテリ220へ供給する。制御回路140は、電圧検出回路120から出力される検出電圧が設定電圧となるように出力回路180を制御する。
【0004】
DC−DCコンバータ100と12Vバッテリ220は、ハイブリッド車への搭載上の制約などから、近くに配置することができない。このため、DC−DCコンバータ100の出力端子と12Vバッテリ22の+端子は、例えば、数十cmの長さのケーブル400で接続される。
ここで、DC−DCコンバータ100の出力端子から12Vバッテリ220には、場合によっては数十Aの電流が流れる。このため、DC−DCコンバータ100の出力端子と12Vバッテリ220の+端子の間に、ケーブル400により約1Vの電圧降下が発生する。
そこで、12Vバッテリ220を最適な電圧で充電するために、12Vバッテリ220の+端子をケーブル420を介して電圧検出回路120の負荷電圧入力部10に接続している。この場合、ケーブル420には大電流が流れないため、ケーブル420による電圧降下はほどんど発生しない。これにより、12Vバッテリ220の端子電圧を正確に検出することができる。
【0005】
12Vバッテリ220の+端子をケーブル420を介して電圧検出回路120の負荷電圧入力部10に接続した場合、ケーブル420が接触不良となったり、断線すると、電圧検出回路120の検出電圧が低くなる。この場合、制御回路140は、電圧検出回路120の検出電圧が低いと判断して出力回路180を制御する。このため、出力回路180の出力電圧が高電圧状態に保持される。DC−DCコンバータ100は、自己の出力電圧を監視しており、所定電圧以上に達したと判断すると、保護機能を作動させ、電圧の出力を停止する。
しかし、ケーブル420に断線等が発生した場合に、DC−DCコンバータ100の電圧出力を停止してしまうと、車両の走行等に影響が出る可能性があるため好ましくない。そこで、ケーブル420に断線等が発生した場合は、DC−DCコンバータ100自身の出力電圧に基づいて制御する構成にしている。構成としては、出力回路180の出力端子を電圧検出回路120の出力電圧入力部20に接続している。この例では、接触不良及び断線等の発生を、より確実に回避するために、DC−DCコンバータ100の内部でプリント基板のパターン等を用いて配線している。これにより、ケーブル420に断線等が発生しても、電圧検出回路120は出力回路180の出力電圧を検出するため、出力回路180の出力電圧が高電圧状態に保持されることがない。このため、DC−DCコンバータ100の保護機能が作動して、電圧出力を停止させることがなく、継続して電圧出力を得ることができる。
【0006】
制御回路140は、検出電圧出力部40の電圧が所定の電圧値(例えば、2.5V)になるように、出力回路180を制御することで、電圧検出回路120の入力電圧(この場合、負荷電圧入力部10あるいは出力電圧入力部20に入力される電圧)が所定の電圧値(例えば、14V)になるように、出力回路180を制御する。
制御対象は12Vバッテリ220であり、ケーブル420を用いて12Vバッテリ220の電圧を監視した場合は、12Vバッテリ220のほぼ正しい電圧を監視できている。しかし、ケーブル420に断線等が発生してDC−DCコンバータ100の出力電圧を用いて12Vバッテリ220の電圧を間接的に監視した場合は、12Vバッテリ220の電圧よりも、ケーブル400による電圧降下分だけ高い電圧を監視することになる。これは、ケーブル400には数十Aもの大電流が流れる場合もあるためである。また、運転状態等により12V機器300等の消費電流が変動するため、ケーブル400を流れる電流は、数A〜数十A等の間で常に変動している。
このため、通常時に、電圧検出回路120が出力電圧入力部20に入力される電圧を検出電圧出力部40から出力すると、12Vバッテリ220に最適な電圧を供給することができない。
そこで、電圧検出回路120には、通常時には負荷電圧入力部10に入力された電圧を選択し、ケーブル420の断線等の異常時には出力電圧入力部20に入力された電圧を選択する切替え回路が設けられている。
【0007】
従来の電圧検出回路120について、図2を用いて説明する。
電圧検出回路120の負荷電圧入力部10は、逆流防止用のダイオードD1、抵抗R41を介して検出電圧出力部40に接続されている。抵抗R41と検出電圧出力部40との接続点と基準電位(この場合、GND)との間には、抵抗R42が接続されている。また、出力電圧入力部20は、トランジスタTr23、逆流防止用ダイオードD2、抵抗R41を介して検出電圧出力部40に接続されている。抵抗R41とR42は分圧回路を構成し、入力電圧を分圧して検出電圧出力部40に出力している。また、抵抗R21〜R26及びトランジスタTr21〜Tr23が設けられている。
この回路構成で、ダイオードD1を介して入力される負荷電圧とダイオードD2を介して入力される出力電圧の、高い方の電圧を検出電圧出力部40に供給する。
ここで、負荷電圧入力部10にケーブル420を介して12Vバッテリ220の+端子が正常に接続されている時(正常時)には、トランジスタTr21がオンする。これにより、トランジスタTr22及びTr23がオフし、出力電圧入力部20と検出電圧出力部40との接続が切断される。したがって、この場合には、負荷電圧入力部10に入力された電圧を分圧した電圧が検出電圧出力部40から出力される。
一方、ケーブル420の断線等の異常時には、負荷電圧入力部10に入力される電圧が所定電圧未満になるため、トランジスタTr21がオフする。これにより、トランジスタTr22及びTr23がオンし、出力電圧入力部20と検出電圧出力部40が接続される。この時、出力電圧入力部20から入力される電圧の方が負荷電圧入力部10から入力される電圧より高いため、出力電圧入力部20に入力された電圧を分圧した電圧が検出電圧出力部40から出力される。
このように、トランジスタTr21〜Tr23と抵抗R21〜R26により、正常時には負荷電圧入力部10に入力された電圧を選択し、ケーブル420の断線等の異常時には出力電圧入力部20に入力された電圧を選択する切替え回路22が構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電圧検出回路において、ケーブル420が断線した時の検出電圧出力部40から出力される検出電圧、負荷電圧、出力電圧の状態を図3に示す。なお、図3の横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示している。
図3に示すように、ケーブル420の断線が発生して負荷電圧入力部10に入力される電圧が所定電圧未満に低下すると、切替え回路22が動作を開始する。すなわち、負荷電圧入力部10に入力される入力電圧の検出から出力電圧入力部20に入力される入力電圧の検出に切り替わる。この時、切替え回路22により切替え動作に要する時間は、例えば、数msecである。
この切替え回路22による切替え動作に要する時間の間は、電圧検出回路120は、0Vの検出電圧を出力(図3中の、「検出電圧」の「期間B」部分)する。「期間B」の部分では、検出電圧が目標電圧よりも低いので、制御回路140は出力電圧を高くするように出力回路180を制御する。このため、「期間B」の「出力電圧」及び「負荷電圧」は徐々に上昇する。また、「出力電圧」は、「負荷電圧」よりも「ケーブル400による電圧降下分」だけ高い電圧である。また、制御回路140は、「期間A」の部分では「負荷電圧」を目標電圧(この例では、14V)にするように制御し、「期間C」の部分では「出力電圧」を目標電圧にするように制御する。
ここで、「期間B」の部分では、検出電圧が異常に低くなるため、出力電圧が上昇する。この時、DC−DCコンバータ100は、自己の出力電圧が所定電圧以上に達したと判断して保護機能を作動させて電圧の出力を停止させる可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、負荷電圧入力部に入力される電圧が低下する異常状態発生時に、負荷電圧の検出から出力電圧の検出へ切替える際においても、検出電圧が異常に低下するのを防止し、出力電圧が安定した電圧制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの電圧制御装置である。
請求項1に記載の電圧制御装置では、電圧検出回路は、負荷電圧入力部を検出電圧出力部と接続する第1の接続回路と、出力電圧入力部を、負荷電圧入力部に入力される電圧が所定電圧未満の場合にオンするスイッチング素子を介して検出電圧出力部に接続する第2の接続回路と、出力電圧入力部をインピーダンス回路を介して検出電圧出力部に接続する第3の接続回路を有している。請求項1に記載の電圧制御装置を用いれば、負荷電圧入力部に入力される負荷電圧が所定電圧未満に低下する異常状態発生時に、スイッチング素子をオンさせることで負荷電圧の検出から出力電圧の検出に切替える際においても、検出電圧が異常に低下するのを防止することができる。これにより、出力電圧が安定した電圧制御装置を提供できる。
【0010】
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの電圧制御装置である。
請求項2に記載の電圧制御装置では、第1、第2及び第3の接続回路には電流が流れる方向を制限する電流方向制限回路が設けられている。請求項2に記載の電圧制御装置を用いれば、出力電圧入力部から負荷電圧入力部への電流の逆流、あるいは負荷電圧入力部から出力電圧入力部への電流の逆流を防止することができる。
【0011】
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの電圧制御装置である。
請求項3に記載の電圧制御装置では、電圧検出回路は、負荷電圧入力部に入力される電圧が所定電圧以上の場合には負荷電圧入力部を検出電圧出力部と接続し、負荷電圧入力部に入力される電圧が所定電圧未満である場合には出力電圧入力部を検出電圧出力部に接続する切替え回路と、出力電圧入力部をインピーダンス回路を介して検出電圧出力部に接続する接続回路を有している。請求項3に記載の電圧制御装置を用いれば、負荷電圧入力部に入力される負荷電圧が所定電圧未満に低下する異常状態発生時に、切替え回路を動作させることで負荷電圧の検出から出力電圧の検出に切替える際においても、検出電圧が異常に低下することを防止することができる。これにより、出力電圧が安定した電圧制御装置を提供できる。
【0012】
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの電圧制御装置である。
請求項4に記載の電圧制御装置では、インピーダンス回路は、出力電圧入力部からインピーダンス回路を介して検出電圧出力部に供給される電圧が、負荷電圧入力部から検出電圧出力部に供給される電圧及び出力電圧入力部からインピーダンス回路を介さずに検出電圧出力部に供給される電圧よりも小さくなるように構成されている。請求項4に記載の電圧制御装置を用いれば、負荷電圧入力部に入力される負荷電圧が所定電圧未満に低下する異常状態発生時に、負荷電圧の検出から出力電圧の検出に切替える際においても、検出電圧が異常に低下することを防止する回路の実現が容易である。
【0013】
また、本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりの電圧制御装置である。
請求項5に記載の電圧制御装置では、インピーダンス回路は、抵抗または/及びダイオードにより構成される。請求項5に記載の電圧制御装置を用いれば、インピーダンス回路を、抵抗またはダイオードの少なくともいずれか一方により構成することにより、実現が容易である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。電圧制御装置及び周辺機器等の構成は、図1と同様である。
図4は、本発明の電圧制御装置の一実施の形態で用いる電圧検出回路の概略回路図を示している。
図4に示す電圧検出回路は、図2に示す従来の電圧検出回路に対して、出力電圧入力部20と抵抗R41の間に抵抗R3と逆流防止用のダイオードD3の直列回路が追加されている。逆流防止用ダイオードD3は、抵抗R41から出力電圧入力部20の方向に電流が流れるのを防止するように接続されている。その他の構成は図2に示した従来の電圧検出回路と同一である。
本実施の形態では、抵抗R3が本発明のインピーダンス回路に対応し、ダイオードD1、D2、D3が本発明の電流方向制限回路に対応し、ダイオードD1、抵抗R41、R42が本発明の第1の接続回路に対応し、トランジスタTr23、ダイオードD2、抵抗R41、R42が本発明の第2の接続回路に対応し、ダイオードD3、抵抗R41、R42が本発明の第3の接続回路に対応する。
なお、分圧回路を構成する抵抗R41、R42は、第1〜第3の接続回路に共通に設けたが、第1〜第3の接続回路に設けてもよい。
【0015】
分圧回路を構成する抵抗R41、R42の抵抗値は、検出電圧出力部40から出力される検出電圧が入力される制御回路140の特性によって決定される。
また、抵抗R3の抵抗値は、抵抗R3及びダイオードD3を介した電圧が、負荷電圧入力部10から入力される電圧よりも低くなる(例えば、約2V低くなる)ように決定される。
従来は、検出電圧が異常に低くなる時間を短くしていたが、本発明では、検出電圧が異常に低くなることを防止している。
従来の切替え回路22は、切替え動作に要する時間を数msec未満に抑えるために、各トランジスタ(Tr21、Tr22、Tr23)のベース電流を大きくしてスイッチング動作を速くしている。これらのトランジスタ(Tr21、Tr22、Tr23)には、イグニッションキーを抜いた車両停止時等におけるDC−DCコンバータ100が動作していない場合であっても常に電流が流れるため、暗電流が大きい。このため、車両放置時等における12Vバッテリ220の電流消費量が多く、長期間放置した場合等では、12Vバッテリ220がバッテリ上がりを起こす可能性がある。
次に、暗電流を低減する手段について説明する。通常の場合は、負荷電圧入力部10及び出力電圧入力部20に電圧が供給され、トランジスタTr21がオンするので、抵抗R21、R23、R41、R42で電流を消費する。また、ケーブル420の断線等により、負荷電圧に異常が発生した場合は、出力電圧入力部20のみに電圧が供給され、トランジスタTr22、Tr23がオンするので、抵抗R23、R24、R25、R26、R41、R42で電流を消費する。よって、これらの抵抗の抵抗値を大きくすることで暗電流を低減させることができる。しかし、同時にトランジスタTr21、Tr22、Tr23のベース電流を小さくしてしまうので、当該トランジスタのスイッチング動作が遅くなり、切替え動作に要する時間が従来よりも長くなる。
【0016】
次に、切替え回路22の動作について説明する。負荷電圧入力部10に入力される電圧が正常である場合(所定電圧以上である場合)には、初段のトランジスタTr21がオンし、次段のトランジスタTr22がオフし、さらに次段のトランジスタTr23がオフする。これにより、出力電圧入力部20は、検出電圧出力部40と遮断される。この時に、抵抗R3によって第3の接続回路を介した電圧が第1の接続回路を介した電圧より低いため、負荷電圧入力部10に入力される電圧が分割抵抗R41、R42で分圧されて検出電圧出力部40から出力される。
一方、負荷電圧入力部10に入力される電圧が異常である場合(所定電圧未満である場合)は、初段のトランジスタTr21がオフし、次段のトランジスタTr22がオンし、さらに次段のトランジスタTr23がオンする。これにより、出力電圧入力部20が検出電圧出力部40と接続される。この時、負荷電圧入力部10に入力される電圧が所定電圧未満に低下してからトランジスタTr23がオンするまで所定時間を(例えば、数msec)要する。
従来の電圧検出回路では、この切替え時間の間、検出電圧は0Vとなる。これに対して、本実施の形態では、出力電圧入力部20が抵抗R3、ダイオードD3、抵抗R41、R42を介して検出電圧出力部40に接続されている。これにより、トランジスタTr23の切替え時間の間は、出力電圧入力部20に入力される電圧が抵抗R3、ダイオードD3、抵抗R41、R42を介して検出電圧出力部40に供給されるため、検出電圧が0Vとなることはない。
【0017】
次に、図5に、本実施の形態における電圧検出回路120で、負荷電圧に異常が発生した場合において、検出電圧出力部40から出力される検出電圧、負荷電圧、出力電圧、第3の接続回路から供給される電圧の状態を示す。なお、図5の横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示している。
図5中で、「負荷の検出電圧に異常発生」までの期間Aでは、負荷電圧入力部10から第1の接続回路を介して供給される電圧(約14V)に基づいた電圧が検出電圧に出力される。この期間Aでは、「負荷電圧」が目標電圧(この例では、14V)と一致するように制御される。
「負荷の検出電圧に異常発生」時(例えば、オープン)になると、例えば、数msec(切替え回路が、切替え動作にかかる時間)の期間Bの間、出力電圧入力部20から抵抗R3とダイオードD3の直列回路(第3の接続回路)を介して供給される電圧に基づいた電圧が検出電圧に出力される。「第3の接続回路から供給される電圧」は、「負荷電圧」よりも「第3の接続回路の電圧降下分」だけ低い電圧である。「負荷の検出電圧に異常発生」の時点では、検出電圧が負荷電圧から第3の接続回路から供給される電圧に切替わるので、検出電圧が下がる。
そして、期間Bでは、「第3の接続回路から供給される電圧」が目標電圧と一致するように制御される。このように、期間Bでは、負荷電圧から出力電圧に切替わるまでの間、検出電圧が異常に低下することを防止している。
そして、「切替え回路動作完了」以降の期間Cでは、出力電圧入力部20から第2の接続回路を介して供給される電圧(約14V+電圧降下補正分)に基づいた電圧が検出電圧に出力される。「出力電圧」(第2の接続回路から供給される電圧)は、「負荷電圧」よりも「ケーブル400による電圧降下分」だけ高い電圧である。「切替え回路動作完了」の時点では、検出電圧が第3の接続回路から供給される電圧から出力電圧(第2の接続回路から供給される電圧)に切替わるので、検出電圧が上がる。そして、期間Cでは、「出力電圧」(第2の接続回路から供給される電圧)が目標電圧と一致するように制御される。
このように、切替え動作中は、0[v]を出力することなく、第3の接続回路から供給される電圧(負荷電圧入力部10(通常は、約14V)よりも所定電圧だけ、低くなるように設定された電圧)が出力される。このため、暗電流を低減させる等により、切替え動作に要する時間が長くなっても、DC−DCコンバータ100の保護機能が作動して、電圧出力を停止させることがなく、継続して電圧出力を得ることができる。
【0018】
次に、図6に、抵抗R3とダイオードD3の直列回路(第3の接続回路)の別の回路構成の例を示す。図4に示した抵抗R3とダイオードD3の直列回路に対して、n個のダイオードを直列接続したダイオードD31〜D3nを用いて第3の接続回路を構成する。ダイオードの個数は、負荷電圧入力部10(通常は、約14V)よりも所定電圧だけ、低くなる個数に設定すればよい。
【0019】
次に、図7に、図4に示した電圧検出回路に対して、第1の接続回路にトランジスタTr24と抵抗R27を追加した回路構成の例を示す。負荷電圧入力部10に入力される電圧が所定電圧以上である場合は、Tr24がオンして第1の接続回路が接続され、Tr23がオフして第2の接続回路が遮断される。また、抵抗R3とダイオードD3の直列回路で構成される第3の接続回路から供給される電圧は、第1の接続回路から供給される電圧と第2の接続回路から供給される電圧より低くなるように構成されている。
また、負荷電圧入力部10に入力される電圧が所定電圧未満である場合は、Tr24がオフして第1の接続回路が遮断され、Tr23がオンして第2の接続回路が接続される。また、ダイオードD3、抵抗R3は、複数のダイオードで構成してもよい。
【0020】
本発明の電圧制御装置は、本実施の形態で説明した構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、本実施の形態で説明した電圧検出回路は、スイッチング素子としてバイポーラトランジスタを用いて構成したが、MOSトランジスタ等を用いて構成してもよい。
また、本実施の形態で説明した電圧検出回路は、図4、図6、図7に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、電圧制御装置として、直流電圧を入力し直流電圧を出力するDC−DCコンバータへの適用例を説明したが、交流電圧を入力し直流電圧を出力するAC−DCコンバータへ適用することも可能であり、種々の電圧制御装置に適用することが可能である。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜5のいずれかに記載の電圧制御装置を用いれば、負荷電圧入力部に入力される電圧が低下する異常状態発生時に、負荷電圧の検出から出力電圧の検出へ切替える際においても、検出電圧が異常に低下するのを防止し、出力電圧が安定した電圧制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電圧制御装置の適用例を示す図である。
【図2】従来の電圧検出回路の概略回路図である。
【図3】従来の電圧検出回路において、負荷の検出電圧に異常が発生した場合の出力電圧を説明する図である。
【図4】本発明の電圧制御装置の電圧検出回路の一実施の形態の概略回路図である。
【図5】本発明の電圧制御装置の電圧検出回路において、負荷の検出電圧に異常が発生した場合の出力電圧を説明する図である。
【図6】本発明の電圧制御装置の電圧検出回路の他の実施の形態の概略回路図である。
【図7】本発明の電圧制御装置の電圧検出回路の他の実施の形態の概略回路図である。
【符号の説明】
10 負荷電圧入力部
20 出力電圧入力部
40 検出電圧出力部
100 DC−DCコンバータ(電圧制御装置)
120 電圧検出回路
140 制御回路
200 メインバッテリ
220 12Vバッテリ
Claims (5)
- 出力電圧を負荷に供給する出力回路と、電圧検出回路と、前記電圧検出回路の検出電圧に応じて前記出力回路を制御する制御回路とを備え、
前記電圧検出回路は、負荷電圧が入力される負荷電圧入力部と、前記出力電圧が入力される出力電圧入力部と、前記検出電圧を出力する検出電圧出力部と、前記負荷電圧入力部を前記検出電圧出力部と接続する第1の接続回路と、前記出力電圧入力部を、前記負荷電圧入力部に入力される電圧が所定電圧未満の場合にオンするスイッチング素子を介して前記検出電圧出力部に接続する第2の接続回路と、前記出力電圧入力部をインピーダンス回路を介して前記検出電圧出力部に接続する第3の接続回路を有している、
ことを特徴とする電圧制御装置。 - 請求項1に記載の電圧制御装置であって、前記第1、第2及び第3の接続回路には電流が流れる方向を制限する電流方向制限回路が設けられている、
ことを特徴とする電圧制御装置。 - 出力電圧を負荷に供給する出力回路と、電圧検出回路と、前記電圧検出回路の検出電圧に応じて前記出力回路を制御する制御回路とを備え、
前記電圧検出回路は、負荷電圧が入力される負荷電圧入力部と、前記出力電圧が入力される出力電圧入力部と、前記検出電圧を出力する検出電圧出力部と、前記負荷電圧入力部に入力される電圧が所定電圧以上の場合には前記負荷電圧入力部を前記検出電圧出力部と接続し、前記負荷電圧入力部に入力される電圧が所定電圧未満である場合には前記出力電圧入力部を前記検出電圧出力部に接続する切替え回路と、前記出力電圧入力部をインピーダンス回路を介して前記検出電圧出力部に接続する接続回路を有している、
ことを特徴とする電圧制御装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の電圧制御装置であって、
前記インピーダンス回路は、前記出力電圧入力部から前記インピーダンス回路を介して前記検出電圧出力部に供給される電圧が、前記負荷電圧入力部から前記検出電圧出力部に供給される電圧及び前記出力電圧入力部から前記インピーダンス回路を介さずに前記検出電圧出力部に供給される電圧よりも小さくなるように構成されている、
ことを特徴とする電圧制御装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の電圧制御装置であって、
前記インピーダンス回路は、抵抗または/及びダイオードにより構成されている、
ことを特徴とする電圧制御装置。
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