JP4538631B2 - 反応現像画像形成法 - Google Patents
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Description
ミクロ電子工学の半導体集積部品の製造において回路構造を作るために半導体基材はフォトレジストで被覆されるフォトレジスト層の画像形成露光及びこれに続く現像はフォトレジストレリーフ構造を作り出す。このレリーフ構造は半導体基材上に、金属又は他の半導体又は絶縁基材を用いたエッチング−ドーピング、被覆により実際の回路パターンを作るためのマスクとして使用される。その後、フォトレジストマスクは通常除かれる。複数のかかる加工サイクルを用いてマイクロチップのレリーフ構造は基材に形成される。
異なる2種のフォトレジスト、即ちポジ型レジストとネガ型レジストが知られている。2種の違うところはポジ型フォトレジストの露光域は現像プロセスにより除去され、未露光域が基材上に層として残る。一方、ネガ型作用フォトレジストの照射域はレリーフ構造として残ることにある。ポジ型フォトレジストは本質的に高い画像分解能を有していて、VLSI(超大規模集積回路)の製造に使用されている。
この「反応現像画像形成法」は、ポジ型のフォトレジスト技術の一種であり、まず、フォトレジスト層をヘテロ原子に結合したカルボニル基(C=O)を主鎖に含む樹脂と光酸発生剤とから成る混合物により形成した後に、この層を適宜所望のパターンにマスクした後に、紫外線を照射する。この紫外線照射により光酸発生剤は酸を発生させる。これをアルカリ(特に、求核性のアミン)を含む現像液で洗浄すると、このアルカリ(特に、求核性のアミン)が生成した酸と反応することにより、塩が生成し、露光域の極性が増大する。その結果、現像液中のアルカリ(特に、求核性のアミン)がこの露光域のポリマーの主鎖を構成するヘテロ原子に結合したカルボニル基を攻撃する。この攻撃により該カルボニル基の箇所で主鎖は切断される。この主鎖の切断により、ポリマーは低分子化され、現像液に溶解する。
しかしこの方法は、2段階の現像工程を必要とするため煩雑であった。本発明は、「反応現像画像形成法」(特願2003-375137)を更に改良したものであって、現像工程を1段階で行うことを特徴とする。
即ち、本発明は、基板上に側鎖にカルボニル基を有するポリマー及び光酸発生剤から成るフォトレジスト層を設け、所望のパターンでマスクする段階、このパターン面に紫外線を照射する段階、及び該フォトレジスト層を現像液で処理する現像段階から成り、該現像液が下式
MO−R−X
(式中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、Rはアルキレン基、Xは1級アミノ基、2級アミノ基又は3級アミノ基を表す。)で表される金属アルコキシドと極性溶媒を含む反応現像画像形成法である。
以前の「反応現像画像形成法」(特願2003-375137)においては、まず側鎖にカルボン酸類縁基等のカルボニル基を有するポリマーに光酸発生剤(感光剤)を加えたものに紫外線を照射する。現像段階は下記に例を示すように2段階からなる。
まず特定構造の金属アルコキシド(親水性求核剤)を含む現像液で第1段階の現像を行い、更に酸を含む現像液により第2段階の現像を行う。この2段階で照射部分と非照射部分の溶解性の差を利用してパターン形成を行うものであった。
側鎖にカルボニル基(C=O)を有するポリマーは、下式
主鎖にヘテロ原子に結合したカルボニル基(C=O)を含む縮合型ポリマーは本発明者らの他の反応現像画像形成法(特許文献4)によるフォトレジストの対象であるが、このようなポリマーであっても側鎖に上記置換基を有するものであれば本発明の方法が適用されうる。
ポリマーにカルボニル基を導入するために、このポリマーにマレイン酸、無水マレイン酸、マレインアニリド、マレインアニル(N-フェニルマレイミド)、マレインアニル酸、マレインアミド、マレインアミド酸、マレイミド、又はこれらエステル等の誘導体等のモノマーを付加重合させてポリマーを得てもよい。
本発明のポリマーとして、これらポリマーを構成するモノマーを複数種重合させたコポリマーを用いてもよい。
光酸発生剤はフォトレジスト中に全固形含量に基づいて5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは20〜30重量%用いられる。
本発明のフォトレジストはそれ自身公知の方法により成分を溶剤又は溶剤混合物中に混合又は溶解することにより配合される。一旦成分は溶液中に溶解され、得られたフォトレジスト溶液は0.1〜1μmの細孔を有するろ過膜を用いてろ過してもよい。
基板上への被覆は通常、浸漬、噴霧、ロール塗り又はスピンコーティングによって行われる。生じた層の厚さはフォトレジスト溶液の粘度、固形分含量及びスピンコーティング速度に依存する。本発明のフォトレジストは0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmの層厚を持つ層及びレリーフ構造を作ることができる。多層回路における薄層は一時の間に合わせのフォトレジストとして又は絶縁層として1〜50μmにすることができる。
フォトレジストを基材に塗布した後、これに普通50〜120℃の温度範囲で予備乾燥させる。オーブン又は加熱プレートを使用できる。オーブン中での乾燥時間は5〜60分である。
普通、輻射は紫外線ランプを用いて行われる。市販で入手できる輻射装置、例えば接触又は非接触露光機、走査投光型露光装置又はウエハステッパーを使用することが好ましい。
MO−R−X
で表される金属アルコキシドを含む第1の現像液で現像処理を行う。
Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、好ましくはアルカリ金属、より好ましくはナトリウム又はカリウムである。
Rはアルキレン基を表す。Rの炭素数は2〜6、特に2〜4が好ましい。
なお、MOはアルキレン基(R)の1級、2級又は3級炭素のいずれに結合していてもよいが、1級又は2級炭素に結合していることが好ましく、1級炭素に結合していることが最も好ましい。
Xは1級アミノ基(−NH2 )を表す。
この現像液は、通常HO-R-NH2(Rは上記と同様)中にナトリウムを投入して調製するため、主溶媒はHO-R-NH2である。このときのMO-R-NH2/HO-R-NH2(M、Rは上記と同様)の濃度は約5-20mol%(標準として10mol%)が好ましい。これに更に別の溶媒を混合することにより現像液となる。
この第2の溶媒として極性溶媒、好ましくは極性の高い極性溶媒を用いる。この極性溶媒は、反応現像の結果として極性が向上したポリマーを現像液中に溶解させる役割を持つ。このような極性溶媒はアルコール類である。アルコール類としてはメタノール、エタノール、プロパノールなどが好ましく用いられる。
例えば、ポリマーがビニルエーテル−マレイミド共重合体型の場合、アルコキシド溶液/メタノール=1/2〜4/1(特に3/1)で良好な現像特性を示し、1分〜3分程度でパターンが形成される。
なお、一旦HO-R-NH2中で作った金属アルコキシドを単離したのちに溶媒に溶解させて現像液として用いることも可能である。その場合の溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどとアルコールとの混合溶媒などが使用可能である。
現像後、適当な溶媒で洗浄してもよい。
本発明のポジ型フォトレジストは0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmの層厚を有するポリマー被膜及び鋭い輪郭丸みを付けられたれレリーフ構造をとることができる。
本実施例においては、以下の方法でフォトレジストを形成させて観察した。フォトレジストは、各実施例のフォトレジスト配合物を3μm細孔径の濾過膜で濾過して製造した。このフォトレジスト配合物を、表面処理していない直径10cmの銅箔の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で乾燥した。このフォトレジスト配合塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10〜200μmのスルーホール及びラインアンドスペースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP-2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
現像液中に、上記照射後の塗布膜を浸漬した後、アルコールで洗浄し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。いくつかの実施例においては、形成したフォトレジストをSEM(日本電子製、走査型電子顕微鏡:SM-5500LV、加速電圧:10kV)、により観察した。
Claims (4)
- 基板上に側鎖に下式
MO−R−X
(式中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、Rはアルキレン基、Xは1級アミノ基(−NH 2 )を表す。)で表される金属アルコキシドと極性溶媒を含み、該極性溶媒がアルコール類である反応現像画像形成法。 - 前記アルコール類がメタノール、エタノール又はプロパノールである請求項1に記載の反応現像画像形成法。
- 請求項1又は2に記載の方法によって、基板上に膜厚が0.1〜500μmであるフォトレジスト層を有するフォトレジスト構造物を製造する方法。
- 前記フォトレジスト層が所望のパターンのレリーフ構造が形成された請求項3に記載の方法。
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