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JP4535707B2 - 防曇性膜及びその形成方法並びに防曇性膜形成用塗布剤 - Google Patents

防曇性膜及びその形成方法並びに防曇性膜形成用塗布剤 Download PDF

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Description

本発明は、浴室用、洗面所用等の防曇鏡、車両用、建築用等の防曇窓ガラス又は防曇鏡、レンズ、ディスプレー等各種用途に用いることが可能で、耐磨耗性等に優れる防曇性膜、及び該防曇性膜を得るための塗布剤並びに形成方法に関する。
ガラスやプラスチック等の透明基材は、基材を挟んで内面と外面の温湿度の差により、一方の表面が露点以下になった場合、又は、基材に対して急激な温湿度変化が起こった場合(沸騰水蒸気が基材に接触した場合、低温部から高温多湿の環境に移った場合等)に雰囲気中の水分が水滴として付着し、基材表面は結露する。その結果、結露した水滴により光の散乱が起こる。いわゆる「曇り」が発生することで、視界が妨げられ、一般的な窓ガラス、自動車や航空機のフロントガラス、反射鏡、眼鏡、サングラス等では、安全性が著しく損なわれる。
上記「曇り」の発生を防止する方法として(1)基材表面に界面活性剤を塗布して水に対する接触角を小さくすることにより水滴を水膜状にする方法(例えば特許文献1)、(2)基材表面に、親水性樹脂、界面活性剤等を混合した溶液を塗布し、加熱、又は、紫外線、もしくは、電子線により硬化させて水に対する接触角を小さくさせることにより水滴を水膜状にする方法(例えば特許文献2)、(3)基材表面光触媒を有する膜を形成する方法(例えば特許文献3)、(4)基材表面(裏面)に熱線ヒーターや面ヒーターを施しヒーターを通電することで基材を加温し露点以上にする方法(例えば、特許文献4)等が考えられてきた。
しかし、(1)の方法は、初期の防曇性は優れているものの、水との接触により界面活性剤が流出し、防曇効果が短命であるという欠点がある。(2)の方法は、(1)と同様に膜から界面活性剤の流出によりに、防曇付与機能が長時間持続しない。(3)の方法は、無機物による膜であることから耐磨耗性に利点があるが、防曇性発現には紫外光が必要であり、全ての環境で防曇性が発現するわけではない。(4)の方法は、一般的にコストが高く、基材が温まるまでに時間がかかり防曇性発現に時間を要することや熱割れ等の問題がある。以上のように現状では十分な防曇性、防曇持続性、耐水性等の各種耐久性等を満足する防曇性膜は得られていない。
防曇性と耐磨耗性の両立のため、界面活性剤の親水性とウレタン樹脂の弾性による耐磨耗性を利用した防曇性膜形成用塗布剤が検討されてきた。特許文献5では、ウレタン樹脂の3次元架橋構造中に界面活性剤を含有させた防曇性膜形成用塗布剤が開示されている。しかし、該公報で開示された内容物は、界面活性剤が3次元架橋構造中に担持されているにすぎず、界面活性剤が経時とともに樹脂から流出するので、防曇性が劣化する。
特許文献6では、イソシアネート基を有するイソシアネートと吸水性のポリビニルピロリドンとの2液硬化型樹脂に、イソシアネート基と反応する官能基を有する界面活性剤を導入することで、樹脂の3次元架橋に界面活性剤を結合させた防曇性膜形成用塗布剤が開示されている。又、特許文献7では、イソシアネート基を有するイソシアネートと親水性のポリオールとの2液硬化型樹脂に、イソシアネート基と反応する官能基を有する界面活性剤を導入することで、樹脂の3次元架橋に界面活性剤を結合させた防曇性膜形成用塗布剤が開示されている。
上記特許文献6乃至7の各公報で開示された防曇性膜形成用塗布剤から形成した防曇性膜は、界面活性剤が弾性のある樹脂の3次元架橋と結合しているので、防曇持続性と他の樹脂と比較して良好な耐磨耗性の両方を兼ね備えている。
しかし、他の樹脂と比べて良好な耐磨耗性であっても、建築用や車両用の窓ガラスや鏡へ、これら防曇性膜形成用塗布剤から防曇性膜を形成した場合には、耐磨耗性はまだ十分ではなく、長期使用に耐えることができない等の問題があった。加えて、防曇性膜表面の平滑性、すなわちスリップ性について、検討された例は極めて少なく、防曇性を有するもののスリップ性については、20μm〜30μmのシート状フィルム等で検討されている程度であった(例えば、特許文献8)。
特開平2−16185号公報 特開2001−040294号公報 特許2943768号公報 特開平08−317841号公報 特開昭60−85939号公報 特表昭61−502762号公報 特表2000−515572号公報 特開2001−31806号公報
防曇性膜は、使用中に膜表面に多種多様の付着物が付着し、外観及び品質を阻害することは容易に想定され、それらの付着物を除去するために、通常では、布等での払拭が行なわれる。その際、表面のスリップ性が不足している場合は、払拭作業において、除去時間の増加、拭きムラによる外観不良等の不具合が発生する。払拭作業中は、付着物を膜表面に擦りつけるため、スリップ性が悪い場合は、付着物が膜表面に引っかかりやすく、擦り傷も多々発生することや、払拭作業に使用する布等が逆に膜表面に貼り付く等、悪影響を与える場合がある。
すなわち、膜のスリップ性が高いと、膜の耐磨耗性、防汚性が向上するので、実用的な観点から非常に重要な指標である。膜のスリップ性を向上させるために、膜成分にシリコーン樹脂等を導入することが一般的であるが、シリコーン樹脂は撥水性のため、膜の親水性、吸水性を損ない防曇性の低下をもたらす。
本発明は、防曇性が高く、耐磨耗性、スリップ性に優れる防曇性膜、及びその形成方法並びに防曇性膜形成用塗布剤を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するために、ウレタン樹脂からなる防曇性膜形成用塗布剤について、鋭意検討してなされたものである。すなわち、本発明の防曇性膜形成用塗布剤は、イソシアネート基を有するイソシアネート成分を有する塗布剤A、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤を有する塗布剤Bとからなり、前記ポリオール成分が吸水性ポリオール、及び短鎖ポリオールを有することを特徴とする。
防曇性膜の防曇性は主として、塗布剤Bに添加する水酸基、アミノ基、メルカプト基等のイソシアネート反応性基を有する界面活性剤が寄与する。膜に高い水膜形成能を付与する界面活性剤にイソシアネート反応性基を設けることによって、該界面活性剤は、塗布剤が硬化後に界面活性剤がウレタン樹脂の架橋と結合する。従って、膜から界面活性剤が溶出することがないので、防曇性膜の高耐久化、防曇性の持続性に奏功する。
イソシアネート反応性基を有する界面活性剤は、イソシアネート成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤、並びにポリオール成分の総量(以下ウレタン成分総量)に対して、10重量%〜25重量%とすることが好ましい。10重量%未満では、前記した防曇性に対する効果が少なく、25重量%超では、膜強度が低下するからである。膜強度を鑑み、界面活性剤は20重量%以下とすることがより好ましい。
防曇性膜に吸水性による防曇性を発現させるために、塗布剤Bに平均分子量400〜5000のオキシエチレン鎖を有するポリオキシアルキレン系のポリオールを含有させることができる。オキシアルキレンには、オキシエチレン鎖、オキシプロピレン鎖等を有するポリオールを使用できる。この中で、このオキシエチレン鎖は、水を結合水として吸収する機能を有し、防曇性膜に吸水性による防曇性を発現させることを可能とする。防曇性膜の吸水性と耐久性を鑑み、該ポリオキシアルキレン中のオキシエチレン単位[−CHCHO−]は、ウレタン成分総量に対して10重量%〜25重量%とすることが好ましい。
又、防曇性膜の強度を鑑み、該ポリオキシアルキレン系のポリオールは、ウレタン成分総量に対して、40重量%、好ましくは、30重量%まで含有させることができる。
前記ポリオキシアルキレン系のポリオールの平均分子量が400未満の場合は、水を結合水として吸収する能力が低くなり、平均分子量が5000を超える場合は、塗布剤の硬化不良や膜強度の低下等の不具合が生じやすくなる。吸水性や膜強度等を鑑み、該平均分子量は、400〜4500がより好ましい。
防曇性膜のスリップ性は、平均分子量60〜200の短鎖ポリオールにて達成される。短鎖ポリオールは、膜の防曇性を損なわずに表面のスリップ性を付与するために必要な成分である。該短鎖ポリオールの平均分子量が60未満では塗布剤が不安定となり、200超では形成される膜の硬化性が悪くなる。
短鎖ポリオールには、2官能以上のアルカノールアミン又はアルキルポリオール等を使用できる。短鎖ポリオールは、2官能以上であることが好適であり、1官能の場合は、膜のスリップ性が阻害される。
係る短鎖ポリオールは、ウレタン成分総量に対して4重量%〜14重量%とすることが好ましい。4重量%未満では、スリップ性の効果がほとんどなく、14重量%超では、塗布剤の過剰硬化により膜の防曇性が低下することや、塗布剤の安定性が悪くなる等の不具合が生じる。
本発明の防曇性膜は、上記塗布剤から基材上に形成させることができ、「JIS K 5400」に準拠して測定される膜表面の静摩擦係数が0.8以下のウレタン樹脂膜である。吸水性ポリオール由来の吸水成分、及びウレタン樹脂架橋と結合した界面活性剤、並びに短鎖ポリオール由来のスリップ性を付与する成分とが適切に含有されることにより各種特性に優れる防曇性膜を得ることができる。
前記各種特性に優れる防曇性膜は、少なくともポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤を混合しポリオール成分とイソシアネート反応性基を有する界面活性剤を有する塗布剤Bを得、該塗布剤にイソシアネート基を有するイソシアネート成分を有する塗布剤Aを添加混合し防曇性膜形成用塗布剤を得る工程、前記防曇膜形成用塗布剤を基材表面上に塗布する工程、室温で放置又は170℃まで、好ましくは80℃以上の熱処理で塗布剤硬化させる工程とによって効率的に得ることができる。
本発明の防曇性膜形成用塗布剤から形成された防曇性膜は、防曇性に優れ、耐磨耗性、スリップ性等に優れているので、長期使用に耐え頻繁に払拭を行うような場所においても、使用することができる。
本発明の防曇性膜形成用塗布剤は、基材に防曇性膜を形成するための防曇性膜形成用塗布剤であって、前記防曇性膜形成用塗布剤が、ウレタン樹脂系の塗布剤であり、イソシアネート基を有するイソシアネート成分を有する塗布剤A、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤を有する塗布剤Bとからなる2液硬化型の塗布剤である。イソシアネート成分には、ジイソシアネート、好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートを出発原料としたビウレット及び/又はイソシアヌレート構造を有する3官能のポリイソシアネートを使用できる。当該物質は、耐候性、耐薬品性、耐熱性があり、特に耐候性に対して有効である。又、当該物質以外にも、ジイソフォロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ビス(メチルシクロヘキシル)ジイソシアネート及びトルエンジイソシアネート等も使用することができる。
前記イソシアネート成分に存在するイソシアネート基の数を、塗布剤B中のポリオール成分、及び界面活性剤に存在する水酸基及びメルカプト基並びにアミノ基の数に対して、その比が0.8〜2、好ましくは0.9〜1.6、より好ましくは1.0〜1.3となるように調整することが好ましい。0.8未満である場合は、塗布剤の硬化性が悪化するとともに、形成された膜は未反応界面活性剤が膜表面に溶出するので、膜のべたつき感が出る等の不具合が生じる。一方、2を超える場合は、過剰硬化により、防曇性が低下する。
界面活性剤は塗布剤から形成される膜に親水性を付与して防曇性を発現させる成分であり、水酸基、メルカプト基、アミノ基等のイソシアネート基と反応し結合する官能基を有する。前記界面活性剤としては、陽イオン系、陰イオン系、両性イオン系、非イオン系を使用できる。
イソシアネート反応性基を有する陰イオン系界面活性剤としてはひまし油モノサルフェート、ひまし油モノホスフェート、ソルビタン脂肪酸エステルサルフェート、ソルビタン脂肪酸エステルホスフェート、ソルビトール脂肪酸エステルサルフェート、ソルビトール脂肪酸エステルホスフェート、ショ糖脂肪酸エステルサルフェート、ショ糖脂肪酸エステルホスフェート、ポリオキシアルキレンひまし油エーテルモノサルフェート、ポリオキシアルキレンひまし油エーテルモノホスフェート、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルサルフェート、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルホスフェート、ポリオキシアルキレングリセリンエーテルモノサルフェート、ポリオキシアルキレングリセリンエーテルモノホスフェート等が挙げられる。
イソシアネート反応性基を有する陽イオン系界面活性剤としてはジアルカノールアミン塩、トリアルカノールアミン塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミンエーテル塩、脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩、ポリオキシアルキレンジアルカノールアミンエーテル塩、ポリオキシアルキレントリアルカノールアミンエーテル塩、ジ(ポリオキシアルキレン)アルキルベンジルアルキルアンモニウム塩、アルキルカルバモイルメチルジ(ポリオキシアルキレン)アンモニウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルアンモニウム塩、ポリオキシアルキレンジアルキルアンモニウム塩、リシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファート等が挙げられる。
イソシアネート反応性基を有する両性イオン系界面活性剤としては、N,N−ジ(β−ヒドロキシアルキル)N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシアルキルアンモニウムベタイン、N−β−ヒドロキシアルキル−N,N−ジポリオキシアルキレン−N−カルボキシアルキルアンモニウムベタイン、N−アルキル−N,N−ジ(ポリオキシアルキレン)アミンとジカルボン酸のモノエステル、N−(ポリオキシエチレン)−N′,N′−ジ(ポリオキシエチレン)アミノアルキル−N−アルキル−N−スルホアルキルアンモニウムベタイン、N,N−ジ(ポリオキシエチレン)−N−アルキル−N−スルホアルキルアンモニウムベタイン、N−(β−ヒドロキシアルキルアミノエチル)−N−(β−ヒドロキシアルキル)アミノエチルカルボン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシアルキル)−N,N′−ビス(カルボキシエチル)エチレンジアミン塩、N−(β−ヒドロキシアルキル)−N′,N′−ジ(ポリオキシエチレン)−N−カルボキシエチルエチレンジアミン塩等が挙げられる。
イソシアネート反応性基を有する非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシアルキレン脂肪酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンひまし油エーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミンポリオキシアルキレンアルキルアミド等があげられる。
イソシアネート反応性基を有する界面活性剤には、上記に挙げた界面活性剤を単種又は複種使用することができる
塗布剤Bに加える吸水性ポリオールには、吸水性を有する平均分子量400〜5000、好ましくは、400〜4500のポリオキシアルキレン系のポリオールを含有させることができる。本発明で使用できる吸水性ポリオールとして、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、オキシエチレン/オキシプロピレンの共重合体ポリオール等を使用することができ、ポリエチレングリコールを使用する場合で、特に単種で使用する場合、その平均分子量は400〜2000とすることが好ましい。400未満の場合、水を吸収する能力が小さく、2000超では、塗布剤の硬化が妨げられ、形成される膜が非常にもろくなりやすいからである。
又、防曇性膜にスリップ性を付与するために導入する短鎖ポリオールは、塗布剤の硬化性を高め、防曇性膜の強度を高める役割も有する。該短鎖ポリオールの水酸基数は、2又は3であることが好ましい。水酸基が1の場合は、該短鎖ポリオールが膜の骨格成分とならないため膜がもろくなり、3超では、反応性が活性過ぎて、塗布剤が不安定となりやすい。
短鎖ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1
,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−
エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、2,2’−チオジエタノール等のアルキルポリオール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンがあげられ、それらを単独、又は混合物、若しくはそれらの平均分子量200超とならない共重合体等を使用することができる。
通常、短鎖ポリオール等の膜の耐久性を向上させる成分を導入すると、防曇性膜の防曇性が低下する。しかしながら、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤を適切量含有させ、吸水性ポリオールを適切量含有させることにより、優れた防曇性、耐水性、耐磨耗性等を有する防曇性膜を得ることができる。
防曇性膜の耐磨耗性をさらに向上させるために塗布剤Bに金属酸化物の前駆体、及びシランカップリング剤を加えることができる。金属酸化物の前駆体に関しては、エトキシド化合物、メトキシド化合物等のアルコキシド化合物、オキシハロゲン化合物、アセチル化合物等を使用することができきる。又、金属酸化物は、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化ニオブ、酸化タンタルの中から1種類以上選択したものを使用でき、経済的な観点からシリカが特に好ましい。該金属酸化物の前駆体は、ウレタン成分総量に対して、重量比で1.25倍量迄加えることができる。1.25倍量超では、得られる膜の防曇性が低下する。耐磨耗性向上の観点から、金属酸化物の前駆体は、ウレタン成分総量に対し、重量比で0.1倍量迄加えることが好ましい。
シランカップリング剤はウレタン成分の総量に対して、重量比で0.25倍量迄加えることができる。0.25倍量超では、シランカップリング剤の未反応の官能基に起因して得られる膜の強度が低下するとともに膜表面にべたつき感が生じる等の不具合が起こる。又、金属酸化物とウレタン樹脂とを架橋させる観点から、シランカップリング剤は、ウレタン成分総量に対して、重量比で0.01倍量加えることが好ましい。該シランカップリング剤は3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン又は3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであると均質な膜が得やすく特に好ましい。
防曇性膜の耐擦傷性を向上させるために塗布剤A及び/又は塗布剤Bに平均粒径が5nm〜50nmのシリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化ニオブ、酸化タンタル等の金属酸化物の微粒子を含有させることができ、特にはコロイド状のシリカを含有させることが好ましい。該金属酸化物の微粒子を含有させる場合、防曇性膜の防曇性を低下させないことが重要なので、その含有量は、ウレタン成分の総量に対して、40重量%以下、好ましくは、20重量%以下、より好ましくは10重量%以下とすることが好ましい。尚、ここでいう平均粒径は、走査型電子顕微鏡観察によって倍率10万倍で膜の断面の観察を行った時に、1μm平方の範囲内に存在する全ての該粒子の粒径を目視で読みとり、その平均値を算出する。この算出を20回繰り返して得られた各値の平均値で定義される。
ポリオール成分、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤を混合した後に、イソシアネート基を有するイソシアネート成分を添加混合し塗布剤を得る工程で、イソシアネート基と水酸基及びメルカプト基並びにアミノ基とが反応し、ウレタン結合が生じ、ウレタン樹脂が形成され始める。
防曇性膜形成用塗布剤の各形成原料、又は、調製された防曇性膜形成用塗布剤には希釈溶媒添加することができる。希釈溶媒としては、イソシアネート基に対して活性のない溶媒でなければならず、防曇性膜形成用塗布剤の各形成原料、又は、調製された防曇性膜形成用塗布剤の相溶性から、メチルプロピレングリコール、ジアセトンアルコールが好ましい。
次いで、防曇性膜形成用塗布剤を基材へ塗布する。塗布手段としてはディップコート、フローコート、スピンコート、ロールコート、スプレーコート、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の公知手段を採用できる。塗布後、約20℃の室温で放置又は170℃までの熱処理で、防曇性膜形成用塗布剤を硬化させ、基材に防曇性膜を形成する。熱処理の温度が170℃を超えると、ウレタン樹脂の炭化が起こり、膜強度が低下する等の不具合が生じる。塗布剤の硬化反応を促進させるためには、80℃〜170℃で熱処理を行うことがより好ましい。
防曇性膜の膜厚は、防曇性膜形成用塗布剤の硬化反応後において5μm〜40μm程度にするのが望ましい。5μm未満であると、耐久性が劣る傾向にあり、40μmを超えると外観品質において光学歪みが発生する等の不具合が生じやすくなる。
本発明の防曇性膜形成用塗布剤を塗布する基材としては、代表的なものとしてはガラスが用いられる。そのガラスは自動車用ならびに建築用、産業用ガラス等に通常用いられている板ガラスであり、フロート法、デュープレックス法、ロールアウト法等による板ガラスであって、製法は特に問わない。ガラス種としては、クリアをはじめグリーン、ブロンズ等の各種着色ガラスやUV、IRカットガラス、電磁遮蔽ガラス等の各種機能性ガラス、網入りガラス、低膨張ガラス、ゼロ膨張ガラス等防火ガラスに供し得るガラス、強化ガラスやそれに類するガラス、合わせガラスのほか複層ガラス等、銀引き法、又は真空成膜法により作製された鏡、さらには平板、曲げ板等各種ガラス製品を使用できる。板厚は特に制限されないが、1.0mm以上10mm以下が好ましく、車両用としては1.0mm以上5.0mm以下が好ましい。基材への防曇性膜の形成は、基材の片面だけであってもよいし、両面に行ってもよい。又、防曇性膜の形成は基材面の全面でも一部分であってもよい。
加えて、本発明の防曇性膜形成用塗布剤を塗布する基材は、ガラスに限定されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム、ポリカーボネート等の樹脂、金属(特には金属鏡)、セラミックス等も使用することができる。
本発明の防曇性膜形成用塗布剤の使用用途としては、建築用には、屋内用鏡、浴室用、洗面所用等の鏡、窓ガラス等、車両、船舶、航空機等には、窓ガラスあるいは鏡、具体的にはルームミラー、ドアミラー等があげられ、その他に眼鏡やカメラ等のレンズ、ゴーグル、ヘルメットシールド、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース、試験機、精密機器ケース等の開口部やのぞき窓、道路反射鏡、携帯電話等の移動通信体のディスプレー等があげられる。本発明の防曇性膜は、スリップ性が優れるので、膜表面に汚染物質等が付着しにくく、汚染物質等が付着した場合であっても、払拭作業等で容易に除去できるので、耐磨耗性、耐防汚性が高く、上記であげた用途への適用に特に奏功する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、本実施例および比較例で得られた防曇性膜は、以下に示す方法により品質評価を行った。
〔外観評価〕:防曇性膜の外観、透過性、クラックの有無を目視で評価し、問題ないものを合格(○)、問題のあったものを不合格(×)とした。
〔繰返防曇性〕:“JIS S 4030眼鏡用くもり止め剤試験法”に準拠して43℃に設定した温水の水蒸気中に3分保持した時の曇り具合と、保持後に常温(23℃、湿度63%)中に取り出したときの呼気による曇り具合を観察する。この操作を1サイクルとして10サイクル行い、膜の外観に異常がなく曇りが発生しないものを合格(○)、曇りが発生したものを不合格(×)とした。
〔低温防曇性〕:4℃に設定した冷凍庫内に30分保持した後、常温(23℃、湿度63%)中に取り出したときの外観、曇り具合、呼気による曇りを観察する。この操作を1サイクルとして10サイクル行い、膜の外観に異常がなく曇りが発生しないものを合格(○)、曇りが発生したものを不合格(×)とした。
〔耐トラバース磨耗性〕:膜表面に荷重4.9N/4cm2でネル(綿300番)を5000往復させた時の外観と呼気防曇性を測定し、異常なきものを合格(○)、異常があったものを不合格(×)とした。
〔鉛筆硬度〕:“JIS K 5400 塗料一般試験方法”に準拠して、荷重1kgが付加された鉛筆で膜表面を5回引っ掻き、膜の破れが2回未満であった鉛筆を鉛筆硬度とした。
〔スリップ性〕:“JIS K 7125 プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数試験方法”に準拠して、接触面積40cm2(一辺の長さ63mm)の正方形の滑り片を200g荷重で防曇性膜上に乗せ、スリップ性を測定した。尚、滑り片の底面(供試体との接地面)には、実使用での布払拭を想定してネル(綿300番)で覆った。
ここで、測定値より導かれた静摩擦係数が0.8以下のものを合格(○)、0.8を超えるものを不合格(×)とした。スリップ性付与による膜の耐久性向上のために前記静摩擦係数は低いほど好ましいが、防曇性との両立の観点から、実際上は0.4以上0.8以下の範囲で使用することができる。
実施例1
(防曇性膜形成用塗布剤の調製)
イソシアネート反応性基を有する界面活性剤としてリシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファート(商品名「LipoquatR」Lipo chemicals Inc製)を17.5g量、短鎖ポリオールとしてトリエタノールアミンを8.7g量、吸水性ポリオールとして平均分子量1000のポリエチレングリコールを20g量とを混合し塗布剤Bを作製した。これにイソシアネート成分としてキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイソシアネート(商品名「N3200」住友バイエルウレタン製)を、イソシアネート基/イソシアネート反応性基比が1.2となるように53.8g量とした塗布剤Aを添加混合した後、ウレタン成分総量(本実施例では、ウレタン成分総量が100g量となる)の濃度が35重量%となるように希釈溶媒としてジアセトンアルコールを添加することにより防曇性膜形成用塗布剤を調製した。
(防曇性膜の形成)
この塗布剤をスピンコートにより1000mm×1000mm×3mm(厚)サイズのフロート法で製造されたガラス基材上に塗布し、該被塗布ガラス板を約150℃で約30分程度加熱乾燥することにより、膜厚28μmの防曇性膜を形成した。
上記方法で得られた防曇性膜を有するガラスは、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.73であり、表1に示すように、防曇性能、耐磨耗性等の耐久性が優れていることが確認された。
実施例2
イソシアネート反応性基を有する界面活性剤を10g量、短鎖ポリオールを10.6g量、イソシアネート成分を59.4g量とした以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た(本実施例では、ウレタン成分総量を100g量としている)。得られた防曇性膜は、膜厚が30μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.67であり、表1に示すように、防曇性能、耐磨耗性等の耐久性が優れていることが確認された。
実施例3
短鎖ポリオールを11.3g量、吸水性ポリオールを10g量とし、イソシアネート成分を61.2g量とした以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た(本実施例では、ウレタン成分総量を100g量としている)。得られた防曇性膜は、膜厚が30μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.58であり、表1に示すように、防曇性能、耐磨耗性等の耐久性が優れていることが確認された。
実施例4
短鎖ポリオールを6g量とし、イソシアネート基/イソシアネート反応性基比が1.6となるようにイソシアネート成分を56.5g量とした以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た(本実施例では、ウレタン成分総量を100g量としている)。得られた防曇性膜は、膜厚が28μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.78であり、表1に示すように、防曇性能、耐磨耗性等の耐久性が優れていることが確認された。
実施例5
短鎖ポリオールとしてジエタノールアミンを9.1g量とし、イソシアネート成分を53.4g量とした以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た(本実施例では、ウレタン成分総量を100g量としている)。得られた防曇性膜は、膜厚が25μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.70であり、表1に示すように、防曇性能、耐磨耗性等の耐久性が優れていることが確認された。
実施例6
短鎖ポリオールとして1,4−ブタンジオールを8g量とし、イソシアネート成分を54.5g量とした以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た(本実施例では、ウレタン成分総量を100g量としている)。得られた防曇性膜は、膜厚が32μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.78であり、表1に示すように、防曇性能、耐磨耗性等の耐久性が優れていることが確認された。
実施例7
界面活性剤を25g量、短鎖ポリオールとしてジエチレングリコールを5.7g量、吸水性ポリオールを25g量とし、イソシアネート成分を44.3g量とした以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た(本実施例では、ウレタン成分総量を100g量としている)。得られた防曇性膜は、膜厚が30μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.75であり、表1に示すように、防曇性能、耐磨耗性等の耐久性が優れていることが確認された。
比較例1
短鎖ポリオールを加えずに、界面活性剤を35.2g量、吸水性ポリオールを35.2g量とし、イソシアネート成分を29.6g量とした以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た(本比較例では、ウレタン成分総量を100g量としている)。得られた防曇性膜は、膜厚が24μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が1.9であり、硬化性が悪く、べとつき感があり、スリップ性が悪化するとともに、トラバース磨耗性試験において、傷が発生した。
比較例2
短鎖ポリオールとしてモノエタノールアミンを10.2g量、イソシアネート成分を52.3g量とした以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た(本比較例では、ウレタン成分総量を100g量としている)。得られた防曇性膜は、膜厚が36μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が1.73であり、硬化性が悪く、べとつき感があり、スリップ性が悪化するとともに、トラバース磨耗性試験において、傷が発生した。
比較例3
吸水性ポリオールを加えず、界面活性剤を23.2g量、短鎖ポリオールとしてトリエタノールアミンを12.5g量、イソシアネート成分を64.3g量とした以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た(本比較例では、ウレタン成分総量を100g量としている)。得られた防曇性膜は、膜厚が30μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.60とスリップ性は良好であったが、繰り返し防曇性、低温防曇性にて曇りが発生した。
比較例4
界面活性剤を25g量、短鎖ポリオールのかわりに、平均分子量400のポリオールであるポリプロピレングリコールを13.8g量、吸水性ポリオールを25g量、イソシアネート成分を36.2g量とした以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た(本比較例では、ウレタン成分総量を100g量としている)。得られた防曇性膜は、膜厚が33μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が1.1であり、硬化性が悪く、べとつき感があり、スリップ性が悪化するとともに、トラバース磨耗性試験において、傷が発生した。
比較例5
イソシアネート反応性基を有する界面活性剤を加えず、短鎖ポリオールを13.44g量、イソシアネート成分を66.8g量とした以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た(本比較例では、ウレタン成分総量を100.24g量としている)。得られた防曇性膜は、膜厚が28μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.80とスリップ性は良好であったが、繰り返し防曇性、低温防曇性にて曇りが発生した。
比較例6
イソシアネート反応性基を有する界面活性剤として、リシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファートを17.5g量、吸水性ポリオールとして平均分子量1000のポリエチレングリコールを20g量とを混合して塗布剤Bを作製した。これに、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイソシアネートをイソシアネート基/イソシアネート反応性基比が1.2となるように15.9g量とした塗布剤Aを添加混合した後、ウレタン成分総量が35重量%となるように希釈溶媒としてジアセトンアルコールを添加した。その後、短鎖ポリオールの代わりにポリエーテル変性シリコーン(商品名「L−7607N」日本ユニカー製)を前記混合された塗布剤に、0.05%添加した以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、膜厚が24μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.62であり、スリップ性は良好であったが、繰り返し防曇性、低温防曇性にて曇りが発生した。

Claims (6)

  1. 2液硬化型の防曇性膜形成用塗布剤であって、イソシアネート基を有するイソシアネート
    成分を有する塗布剤A、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性
    剤とを有する塗布剤Bとからなり、前記ポリオール成分が吸水性ポリオール、及び平均分
    子量が60〜200、水酸基数が2又は3の短鎖ポリオールを有し、前記イソシアネート
    反応性基を有する界面活性剤が、イソシアネート成分、ポリオール成分、及びイソシアネ
    ート反応性基を有する界面活性剤の総量に対して、10重量%〜25重量%であることを
    特徴とする防曇性膜形成用塗布剤。
  2. 短鎖ポリオールをイソシアネート成分、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を
    有する界面活性剤の総量に対して、4重量%〜14重量%含有することを特徴とする請求
    項1に記載の防曇性膜形成用塗布剤。
  3. 短鎖ポリオールが2官能以上のアルカノールアミン又はアルキルポリオールであることを
    特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の防曇性膜形成用塗布剤。
  4. 吸水性ポリオールが平均分子量400〜5000のポリオキシアルキレン系のポリオール
    であり、該ポリオキシアルキレン中のオキシエチレン単位[−CHCHO−]が、イ
    ソシアネート成分、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤の
    総量に対して、10重量%〜25重量%であることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    いずれかに記載の防曇性膜形成用塗布剤。
  5. イソシアネート基を有するイソシアネート成分を有する塗布剤A、ポリオール成分、及び
    イソシアネート反応性基を有する界面活性剤とを有する塗布剤Bとからなり、前記ポリオ
    ール成分が吸水性ポリオール、及び平均分子量が60〜200、水酸基数が2又は3の短
    鎖ポリオールを有し、前記イソシアネート反応性基を有する界面活性剤が、イソシアネー
    ト成分、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤の総量に対し
    て、10重量%〜25重量%である2液硬化型の防曇性膜形成用塗布剤を用いて形成され
    た防曇性膜であって、「JIS K 5400」に準拠して測定される膜表面の静摩擦係
    数が0.8以下であり、吸水性ポリオール由来の吸水成分、及びウレタン樹脂の架橋と結
    合した界面活性剤を有するウレタン樹脂膜であることを特徴とする防曇性膜。
  6. ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤を混合しポリオール成
    分とイソシアネート反応性基を有する界面活性剤を有する塗布剤Bを得、該塗布剤にイソ
    シアネート基を有するイソシアネート成分を有する塗布剤Aを添加混合し防曇性膜形成用
    塗布剤を得る工程、前記防曇性膜形成用塗布剤を基材表面上に塗布する工程、室温で放置
    又は170℃までの熱処理で塗布剤を硬化させる工程とによって基材に防曇性膜を形成す
    ることを特徴とする請求項5に記載の防曇性膜の形成方法。
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