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JP4532037B2 - ダイジェスト配信システム - Google Patents

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JP4532037B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続する複数のフレームからなる番組映像と共にその補足情報が番組付加情報として送信されている放送環境下において、該番組映像および番組付加情報を入力し、該番組映像および番組付加情報のダイジェストを生成して配信する配信サーバーと、配信サーバーから配信されたダイジェストを視聴するための受信端末と、を有するダイジェスト配信システムに関し、より詳細には、番組付加情報の受信や、映像内容の特徴量の変化といったイベントの発生をトリガーとしたイベント駆動型ダイジェスト生成を実現し、番組途中のある時点におけるダイジェストを動的に生成して配信することが可能なダイジェスト配信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、放送のデジタル化が世界的規模で急速に進展しており、日本でも2000年12月からBS(Broadcast Satellite)デジタル放送が開始されており、地上デジタル放送も2003年の開始を目処としている。これによりテレビの視聴形態も急激に変化し、従来のリアルタイム視聴だけでなく、蓄積型視聴およびノンリニア視聴形態も可能となる。
【0003】
ここで、本出願人らが、これまで提案してきたノンリニア視聴形態におけるダイジェスト作成システムについて説明する。本出願人らは、まず、補足情報が映像インデックスなどの番組付加情報として付加された番組映像を対象として、その番組付加情報を用いて重要場面と想定される映像シーンを検索し、映像のダイジェスト版(ダイジェスト映像)を作成するダイジェスト作成システムを考案した。このダイジェスト作成システムにおいて、重要場面と判定された映像シーンには音声解説も含まれているため、断面的なインデックスの概要を説明文として生成するだけで十分であるという考えから映像内容の説明文生成処理を考えてきた。
【0004】
なお、上記の技術の詳細は、以下の▲1▼〜▲5▼によって明らかにされている。
▲1▼ 橋本隆子、他:「番組インデックスを利用したダイジェスト視聴方式の検討」、映像情報メディア学会放送方式研究会予稿集、1999年3月、pp.7−12。
▲2▼ 橋本隆子、他:「番組インデックスを利用したダイジェスト作成方式の試作」、データ工学ワークショップ(DEWS’99)予稿集CD−ROM、1999年3月。
▲3▼ 橋本隆子、他:「TV受信端末におけるダイジェスト作成方式の試作」、ADBS99予稿集、1999年12月。
▲4▼ 白田由香利、他:「ダイジェスト説明文生成方式についての検討」、情報処理学会DBS研究会120−15、2000年1月、神戸。
▲5▼ 橋本隆子、他:「サッカー番組のダイジェスト作成システムの試作」、第11回データ工学ワークショップ(DEWS’00)予稿集CD−ROM、2000年。
【0005】
本出願人らは、これらの試作システムにおいて、番組映像に付加された基本的な補足情報としての番組付加情報を利用した映像内容の意味解析、利用者の嗜好を反映させた重要場面の判定および切り出し(映像の抽出)を可能とし、また、それに対する説明文の生成機能を実現している。
【0006】
一方、i−mode(商標、NTT社)などの携帯端末を利用したサービスも盛んになっている。現在の携帯電話では、映像を受信しクリッピングすることはできないが、2001年中に開始予定のIMT2000による携帯電話サービスによれば動画像の受信/再生が可能となる予定である。携帯端末は利用者個々が持つ端末であり、パーソナルなアプリケーションがより有効となると考えられる。
【0007】
このような状況において、本出願人らが研究してきたダイジェスト映像(番組映像のダイジェスト)およびその映像に関連する番組関連情報の配信方法を、携帯電話のサービスとして実現することを検討すると、その際のアプリケーションとしては、次のようなものが考えられる。なお、以降の説明で番組関連情報とは、番組映像に関連する全ての情報を示し、番組付加情報も番組関連情報の中の1つであり、また番組付加情報から生成された情報も番組関連情報となる。
【0008】
第1の方法は、個人の嗜好を予めアプリケーションサービスプロバイダに登録しておき、プロバイダがダイジェストや番組関連情報を利用者個々人向けに生成して配信する方法(パーソナライズした情報のプッシュ型サービスの実現)。
第2の方法は、利用者がWebサイトにアクセスして自分の嗜好を登録し、その嗜好情報に基づいて利用者個々人向けのWebページが生成され、利用者がそのページをブラウズする方法(パーソナライズしたWebページのプル型サービスの実現)。
【0009】
上記のようなアプリケーションが実現できれば、職場や移動中などTVを見る事ができないような状況においても、番組の概要および番組の関連情報を知る事が可能となる。また個人化された情報が配信されてくるため、個々の利用者にとって有効なサービスが実現できる。
【0010】
そこで本出願人らは、上記第1の方法で、パーソナライズした情報のプッシュ型サービスを実現することを考えた。この場合に、対象としている配信コンテンツは番組映像のダイジェストシーンおよび番組に関連する情報(静止画、テキスト、動画像など)である。すなわち、連続する複数のフレームからなる番組映像と共にその補足情報が番組付加情報として送信されている放送環境下において、放送局から送信された番組映像および番組付加情報を受信してダイジェストを生成して配信する配信サーバーと、配信サーバーから配信されたダイジェストを視聴するための受信端末とから構成されるダイジェスト配信システムを実現することを考えた。
【0011】
パーソナライズした情報のプッシュ型サービスを実現しようとした場合、配信する情報を如何に自動生成するか、情報をいつ配信するか(配信のタイミング)という仕組みを提供することが望まれる。配信する情報を如何に自動生成するかについては、本出願人らによって提供されている上記▲1▼〜▲5▼の技術を用いることによって実現できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲1▼〜▲5▼の技術のみでは、個人の嗜好を予めアプリケーションサービスプロバイダ(配信サーバー)に登録しておくことにより、プロバイダでダイジェストや番組関連情報を利用者個々人向けに生成することはできるものの、生成した個人向けの情報をいつ配信するかという「配信のタイミング」についての技術は提供されていなかった。
【0013】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、プロバイダがダイジェストや番組関連情報を利用者個々人向けに生成して配信するプッシュ型サービスにおいて、最適なタイミングで個人向けの情報を生成して配信可能なダイジェスト配信システムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係るダイジェスト配信システムは、放送により送信された、連続する複数のフレームからなる番組映像と、前記番組情報の補足情報である番組付加情報を入力し、前記番組映像および番組付加情報のダイジェストを生成して配信する配信サーバーと、前記配信サーバーから配信されたダイジェストを視聴するための受信端末と、を有するダイジェスト配信システムであって、前記受信端末は、前記番組映像に関する利用者の嗜好情報と、複数の番組付加情報の種類をグループ化した番組付加情報グループを指定した開始指定情報とを前記配信サーバーに対して設定する設定手段を備え、前記配信サーバーは、前記番組付加情報を入力すると、入力した番組付加情報の種類が予め設定されている開始指定情報に含まれる複数の番組付加情報の種類のうちの何れか1つと一致するか否か判定し、一致する場合に、前記嗜好情報および開始指定情報に基づいてダイジェストを生成して配信する生成・配信手段を備え、前記設定手段は、予め設定された、重要度の低い番組付加情報グループがより重要度の高い番組付加情報グループを包含する複数の番組付加情報グループから1つを選択して前記開始指定情報に指定することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、利用者が、受信端末の設定手段を介して、予め番組映像に関する嗜好情報と任意の番組付加情報の種類を指定した開始指定情報とを配信サーバーに対して設定すると、配信サーバーは、放送環境下において送信されたきた番組映像と番組付加情報とを入力した際に、入力した番組付加情報の種類が予め設定されている開始指定情報と一致するか否か判定し、一致する場合に、嗜好情報および開始指定情報に基づいてダイジェストを生成して配信する。
【0016】
また、請求項2に係るダイジェスト配信システムは、請求項1に記載のダイジェスト配信システムにおいて、前記嗜好情報および開始指定情報が、それぞれ受信端末毎に個別に前記配信サーバーに設定可能であり、前記配信サーバーは、受信端末毎に個別に設定された前記嗜好情報および開始指定情報に基づいて、受信端末毎にダイジェストを生成して配信することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、配信サーバーが、受信端末毎に個別に設定された嗜好情報および開始指定情報に基づいて、受信端末毎にダイジェストを生成して配信するので、受信端末毎、すなわち、利用者毎に、利用者の嗜好情報を反映したダイジェストを、利用者が開始指定情報で指定した配信のタイミングで生成して配信する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のダイジェスト配信システムの一実施の形態について、
〔本発明の概要〕
〔本実施の形態のダイジェスト配信システムの概略構成〕
〔本実施の形態で使用する各データの定義〕
〔本実施の形態の受信端末の嗜好情報・開始指定情報の設定画面〕
〔本実施の形態の配信サーバーの各モジュールの動作〕
〔受信イベントによるダイジェスト生成・配信処理の動作〕
の順に、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
〔本発明の概要〕
本発明のダイジェスト配信システムは、プロバイダがダイジェストや番組関連情報を利用者個々人向けに生成して配信するプッシュ型サービスにおいて、最適なタイミングで個人向けの情報を生成して配信可能とするものである。
【0023】
なお、本発明のダイジェスト配信システムは、連続する複数のフレームからなる番組映像と共にその補足情報が番組付加情報として送信されている放送環境下において、番組映像および番組付加情報を入力してダイジェストを生成して配信する配信サーバーと、配信サーバーから配信されたダイジェストを視聴するための受信端末と、を有するダイジェスト配信システムを対象とする。
【0024】
ただし、ここで、配信サーバーは、放送局から送信された番組映像および番組付加情報を必ずしもリアルタイムで受信する必要はなく、例えば、他の装置で受信した番組映像および番組付加情報をCD、MO、DVDなどの各種メディアを介して入力する場合も含まれるものとする。
【0025】
また、生成して配信するダイジェストは、番組映像のダイジェスのみの場合や、番組付加情報から生成した番組付加情報のダイジェストのみの場合、さらには番組映像および番組付加情報の両方のダイジェストの場合が考えられる。また、ダイジェストを配信する際に、生成したダイジェストに関連する情報を番組関連情報として追加しても良い。
【0026】
また、本発明の受信端末は、番組映像に関する利用者の嗜好情報と任意の番組付加情報の種類を指定した開始指定情報とを配信サーバーに対して設定する設定手段を備えている。この嗜好情報および開始指定情報が、それぞれ受信端末毎に個別に配信サーバーに設定可能である。
【0027】
また、配信サーバーは、番組付加情報を入力すると、入力した番組付加情報の種類が予め設定されている開始指定情報と一致するか否か判定し、一致する場合に、嗜好情報および開始指定情報に基づいてダイジェストを生成して配信する生成・配信手段を備えており、受信端末毎に個別に設定された嗜好情報および開始指定情報に基づいて、受信端末毎にダイジェストを生成して配信する。
【0028】
〔本実施の形態のダイジェスト配信システムの概略構成〕
図1は、本実施の形態のダイジェスト配信システムの概略構成を示し、図示の如く、連続する複数のフレームからなる番組映像と共にその補足情報を番組付加情報として送信する放送局100と、放送局100から送信された番組映像および番組付加情報を受信してダイジェストを生成して配信する配信サーバー200と、配信サーバー200から配信されたダイジェストを視聴するための受信端末300と、から構成される。
【0029】
なお、放送局100、配信サーバー200および受信端末300の数は特に限定するものではない。
【0030】
また、受信端末300としては、携帯電話、ディスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、PDA(携帯情報端末)等のように映像の送受信機能や、表示機能を有した装置を使用することができる。また、受信端末300が基本的に有しているテンキー、表示画面、通信機能、および所定の専用プログラムが本発明の設定手段の役割を果している。
【0031】
また、配信サーバー200は、放送局100から番組映像および番組付加情報を受信する場合を例として示しているが、過去に放送された番組映像および番組付加情報を記憶したメディアから直接入力する場合も、基本的に同一であり、本発明の範疇に含まれる。
【0032】
〔本実施の形態で使用する各データの定義〕
次に、本実施の形態のダイジェスト配信システムの配信サーバー200で使用する各データの定義について説明する。本実施の形態の配信サーバー200は、リアルタイムに番組映像のダイジェストを生成する。また、配信サーバー200は、イベント駆動型の処理方式に基づいた重要度判定により、映像上のある時点における重要度を動的に算出し、リアルタイムに重要シーン(Scene )を抽出する。
【0033】
配信サーバー200の処理データは、以下に説明する番組映像であるFrame(f)と、番組付加情報であるPrimitive Descriptor(p) の2つである。この2つのデータは放送局100により制作され放送される。配信サーバー200はこれらのデータを受信し、ダイジェストの生成および配信を行う。
【0034】
Frame(f)
番組映像は、静止画像である Framefi の列f1 …fn である。各Frame は識別子となるフレーム番号fno、およびそのFrame が表現する経過時間(先頭Frame からの相対時間)を示すタイムコード timecode で構成される。以下では連続したFrame の部分列をFrame 列と呼ぶ。
【0035】
Primitive Descriptor(p )
放送局100によって付加される基本的な番組付加情報を基本記述子 (以下P-Descriptorと記載する) と呼ぶ。各 P-Descriptor pi はその記述情報の開始時点となるFrame fj に対応付けられる。各pは以下のような組で表現される。
【0036】
Figure 0004532037
【0037】
上記P-Descriptorの型typeは番組付加情報の種類を示す。例えば、野球中継の場合、"game _start"、 "inning_start"、 "at_bat"などの試合の区切りや、"pitch" 、"hit" 、"home _run"、"out" や"at _bat"などの動作やプレイの種類を示すP-Descriptorの型が考えられる。
【0038】
attr1, …, attrn で示される属性はP-Descriptorの型typeによって決まる属性であり、各pi の属性値が設定される。例えば:P-Descriptor "pitch"の場合、"pitcher_name" 、"batter _name" 、スコア情報などが属性となる。このP-Descriptorの型によって決まる属性をP-Descriptorのスキーマと呼ぶ。
【0039】
なお、Frame fj と P-Descriptor pi の関係は1対多となる。1つのFrame に対して複数のP-Descriptorが対応付けられることもあり、P-Descriptorが対応付けられないFrame もある。図2にFrame とP-Descriptorとの関係を示す。
【0040】
次に、上記処理データを用いて配信サーバー200が生成するデータについて述べる。配信サーバー200が生成するデータには、Scene (シーン)、P-DescriptorのAnnotation(アノテーション:複合情報)、Status Parameter(ステイタスパラメタ:意味的特徴量)がある。図2にFrame 、P-Descriptor、 Scene、Annotation、Status Parameterの関係を示す。
【0041】
Scene(s)
Scene (シーン)とは意味的にまとまりのあるFrame 列である。Scene は以下のような組で表現できる。
【0042】
Figure 0004532037
【0043】
ここで、Scene の型typeはScene の種類を示す。野球番組の場合、「イニング」 ("inning _start"イベントから次の"inning _start"イベントまで) 、「投球」("pitch"イベントから次の"pitch" まで) 、「逆転」などの各種のScene の型が考えられる。開始フレーム番号ffno、終了フレーム番号lfnoはScene に対応するFrame 列の先頭および終端Frame を示す。
【0044】
Annotation(a)
配信サーバー200は、複数のP-Descriptorの情報から、複合的な意味をもつ記述を自動的に生成し、特定の P-Descriptor の補足情報とする。これをAnnotation(アノテーション:複合情報)と呼ぶ。Annotation aは以下のような組で表現される。
【0045】
Figure 0004532037
【0046】
Annotationの型typeは、Annotationの種類を表す。例えば野球番組の場合、「タイムリーヒット」、「逆転ホームラン」などのAnnotationが考えられる。それぞれP-Descriptor "hit"、"home _run"のAnnotationとなり、pid にはそのP-Descriptorを特定するためのIDが設定される。
【0047】
Status Parameter(p)
Status Parameter (ステイタスパラメタ:意味的特徴量)は映像上のある時点における重要度を示す指標であり、予め設定されているステイタスパラメタ算出ルールに基づき算出される。番組の種別にもよるが一般に映像上の1つのFrame につき、Status Parameterは複数個算出される。なお、ステイタスパラメタ算出ルールは、 P-Descriptor およびAnnotationの生成によるイベント駆動で発火する。
【0048】
Figure 0004532037
【0049】
Status Parameterの型typeは、重要度(意味的特徴量と同じ意味、以下、重要度と記載する場合がある)の種類を表す。例えば、野球番組の場合、攻撃的重要度を示す「攻撃レベル」、投手の調子を示す「投手レベル」などのStatus Parameterがある。fno で特定されるFrame のtimecodeで示される時点における重要度の値がvalue となる。
【0050】
〔本実施の形態の受信端末の嗜好情報・開始指定情報の設定画面〕
図3は,本実施の形態の受信端末の嗜好情報・開始指定情報の設定画面を示し、利用者の嗜好情報としては、例えば、スポーツ映像の場合、好みのチーム名や選手名などである。また、ダイジェスト作成にあたり、利用者は、ダイジェストの検索条件(生成条件)を入力する。具体的には、設定画面301で示すように、
1.全体のダイジェスト映像の長さ
2.各シーンの長さ
3.攻撃的に重要なシーンを見たいか、守備的に重要なシーンを見たいか
4.どのような事象を中心に見たいか(たとえばHRシーンなど)
5.開始指定情報(どのイベントが発生した場合に配信するかを示す情報)
といったような条件である。上記の条件のうち、3、4が嗜好情報に相当する。配信されるダイジェスト情報は、その内容を説明するテキスト情報および該当するシーンの映像情報であるが、テキスト情報のみ、映像情報のみも可能である。映像情報を送信するか否かは、図示を省略するが所定の設定画面を介した利用者の指定に従うか、あるいは通信網の仕様に従う、などで決定される。
【0051】
また、開始指定情報としては、特定のイベント(すなわち、特定の番組付加情報の種類)を指定することが可能である。例えば、野球番組の場合には、イニング終了イベント(この場合にはイニングが終わる毎に、ダイジェストの配信を指定したことになる)、打席イベント(この場合には打席毎に、ダイジェストの配信を指定したことになる)、ホームランイベント(この場合にはホームランがあるときに、ダイジェストの配信を指定したことになる)のように指定することができる。
【0052】
また、開始指定情報として、複数の番組付加情報の種類をグループ化した番組付加情報グループを指定可能である。
例えば、番組付加情報グループとして、番組付加情報の内容の重要度に応じて、以下に示すような3つのグループを設定しておく。
第1の番組付加情報グループ:非常に重要な番組付加情報のグループ
(ホームラン、逆転)
第2の番組付加情報グループ:中程度に重要な番組付加情報のグループ
(ホームラン、逆転、加点、2塁打、3塁打)
第3の番組付加情報グループ:小程度に重要な番組付加情報のグループ
(ホームラン、逆転、加点、2塁打、3塁打、盗塁、ヒット、三振)
【0053】
上記3つの番組付加情報グループは、それぞれ当該番組付加情報グループより重要度の高い番組付加情報グループを包含する関係にある。したがって、第3の番組付加情報グループを指定した場合には、自動的に第1および第2の番組付加情報グループが含まれることになる。
【0054】
このように番組付加情報グループを設定することにより、番組付加情報グループの選択で配信のタイミング(配信の頻度)を調整(制御)することができる。
【0055】
〔本実施の形態の配信サーバーの各モジュールの動作〕
次に、本実施の形態の配信サーバー200の各モジュールの動作について説明する。図4は本実施の形態の配信サーバー200の各モジュールの動作を示す説明図である。
【0056】
本システム(配信サーバー200)の処理モジュールとしては、以下のものがあり、これらのモジュールが本発明の生成・配信手段の役割を果たす。
*シーン抽出モジュール
*ステイタスパラメタ算出モジュール
*ダイジェスト・番組関連情報生成モジュール
*ダイジェスト・関連情報監視モジュール
*ダイジェスト・番組関連情報生成イベント発行モジュール
*配信タイミング・嗜好情報設定モジュール
【0057】
また、配信サーバー200において処理されるイベントには、次のものがある。
*P-Descriptor受信イベント
*シーン(Scene)抽出イベント
*アノテーション(Annotation)生成イベント
*ステイタスパラメタ(Status Parameter)算出イベント
*ダイジェスト生成開始イベント
*ダイジェスト関連情報変更イベント
【0058】
ここで、図*3を参照して、配信サーバー200におけるダイジェスト生成・配信処理の処理概要を説明する。下記の番号と図中の番号は対応しており、それぞれの処理を示している。なお、図中のダイジェスト生成用DBは、算出したステイタスパラメタ、生成したシーンおよびアノテーション、並びに個々の受信端末300の配信タイミングを設定した利用プロファイルなどが記憶されている。
【0059】
▲1▼ 放送局から放送された番組付加情報(P-Descriptor)が受信されると、P-Descriptor受信イベントが発生する。
▲2▼ P-Descriptor受信イベントの発生を受けて、シーン抽出モジュールにおいてシーン抽出ルールが発火し、シーン抽出(Scene抽出)を行い、シーン内の番組付加情報に対するアノテーション生成(Annotation生成)を行う。アノテーションが生成されるとAnnotation生成イベントがステイタスパラメタ算出モジュールおよびダイジェスト・番組関連情報生成モジュールに発行される。
【0060】
▲3▼ ステイタスパラメタ算出モジュールでは、P-Descriptor受信イベントおよびAnnotation生成イベントの発生を受けて、ステイタスパラメタ算出ルールが発火し、ステイタスパラメタ(Status Parameter)の値が算出される。ステイタスパラメタの値が算出されると、ステイタスパラメタ算出イベントがダイジェスト・関連情報監視モジュールに発行される。
【0061】
▲4▼ (a)ダイジェスト・番組関連情報生成に関するイベントを受信するか、(b)アノテーションが生成されるか、または(c)ステイタスパラメタの値が変更されると、ダイジェスト・関連情報監視モジュールは、ダイジェスト関連情報変更イベントをダイジェスト・番組関連情報生成イベント発行モジュールに発行する。ここで、ダイジェスト関連情報変更イベントは、シーン抽出イベントおよびステイタスパラメタ算出イベントの受信により発行される。また、ダイジェスト・関連情報監視モジュールが、上記(a)〜(c)の何れに従ってダイジェスト関連情報変更イベントを発行するかは、後述する▲7▼で選択して設定することができる。なお、本実施の形態では、上記(a)を選択した場合を対象とする。
【0062】
▲5▼ ダイジェスト・番組関連情報生成イベント発行モジュールは、ダイジェスト関連情報変更イベントを受信すると、その内容を解析して、利用者の個々のダイジェスト・番組関連情報を生成するためにダイジェスト生成開始イベントを発行する。
▲6▼ ダイジェスト・番組関連情報生成モジュールは、ダイジェスト生成開始イベントを受信すると、ダイジェストの生成を開始する。また生成されたダイジェストは、利用者個々(すなわち、それぞれの受信端末300)に配信される。
【0063】
▲7▼ 上記(a)〜(c)の何れに従ってダイジェスト関連情報変更イベントを発行するかを選択して設定することは、配信タイミングを設定することと同じである。この3つの配信タイミングは、利用者が予め個々の受信端末300を介して配信サーバー200に設定することができる。本実施の形態では、常に上記(a)が選択されている場合を対象とする。
【0064】
具体的には、利用者が受信端末300の設定画面301を介して配信サーバー200に、ダイジェストが欲しい配信タイミングを送信すると、配信サーバー200の配信タイミング・嗜好情報設定モジュールが、ダイジェスト生成用DBに記憶されている受信端末300毎のプロファイル情報(利用プロファイル)に、それぞれの配信タイミングを設定する。
【0065】
次に、「シーン抽出モジュール」、「ステイタスパラメタ算出モジュール」、「ダイジェスト・番組関連情報生成モジュール」の順に具体的に説明する。
【0066】
「シーン抽出モジュール」
本実施の形態では、Sceneの抽出とAnnotationの生成を「シーン抽出ルール」として与える。このルールは予め定義してデータベース化しておく。シーン抽出ルールは、具体的には次のようなマークアップ言語で表現される。
【0067】
Figure 0004532037
ここで、Sceneタイプ、パターン、Annotation指定は非終端記号である。
【0068】
Figure 0004532037
ここで、開始P-Descriptor、終了P-Descriptor、P-Descriptorパターンは非終端記号である。
【0069】
Figure 0004532037
ここで、Annotationタイプ、P-Descriptor位置は非終端記号である。
【0070】
受信したP-Descriptorにおいてパターンが成立した場合、Sceneタイプで示される型のSceneが生成される。
開始P-Descriptor、終了P-Descriptorは、Scene抽出のためのマッチングの範囲を規定するものである。開始P-Descriptorを受信すると、P-Descriptorパターンのマッチングが開始される。終了P-Descriptorが発生する前にP-Descriptorパターンのマッチが完了すれば、Sceneは抽出される。
【0071】
パターンマッチの前に終了P-Descriptorを受信してしまった場合は、パターンマッチ処理は中止となる。開始P-Descriptor、終了P-Descriptorが省略された場合は、番組の開始から終了までの範囲でP-Descriptorパターンのマッチング処理が実行されることになる。
【0072】
P-Descriptorパターンは、P-Descriptor pi の正規表現で表される。P-Descriptorパターンには、演算の優先度を指定する括弧"()"、Sceneの開始および終了P-Descriptorを表す """、 "$"も利用できる。また、P-Descriptorの属性データattrに関する各種の条件も角括弧 "[]" を用いて指定できる。イベントが1回以上発生することを示す演算子は"+"、0回以上の繰り返し演算子は"*"。任意の型のイベントは".”で表わす。
【0073】
Scene抽出が完了すると、Annotation指定で指定されたAnnotationが、P-Descriptor位置で参照されているP-Descriptorに付加される。P-Descriptor位置の参照は、P-Descriptorパターンにおいて参照したいP-Descriptorを「\(… \)」で囲んでおき、その順番の番号で指定することとする。
【0074】
以下にシーン抽出ルールの例を示す。
Figure 0004532037
【0075】
上記の例は、逆転Sceneを生成するためのルールである。P-Descriptor "inning_start"の後 に、"hit"、"four _ball"、"dead _ball" または "HR" を受信する。その際、攻撃チームの得点が守備チームより低く、その後、加点を示す"add_score"を1回以上受信し、その直後のP-Descriptorにおいて攻撃チームの得点が高くなっているSceneを逆転Sceneとして抽出する。
【0076】
Sceneが抽出されると、パターン内のP-Descriptor(hit、four_ball 、dead_ball またはHR、\1で参照される)にAnnotation「逆転のきっかけ」が生成付加される。さらに、次にマッチしたadd _score中で、最後のadd _score (\2[$]で参照される)にAnnotationが生成付加される。
【0077】
このScene抽出およびAnnotation生成処理により、基本的な番組付加情報を受信しながら、映像の意味的なまとまりを発見し、複合的な意味を持つAnnotationを付加することが可能となる。また、Scene抽出ルールが補足情報の正規表現で定義されているので、Scene抽出を容易に行うことができる。また、抽出するSceneの指定および変更が容易であると共に、様々なSceneの抽出を行うことができる。
【0078】
次に、「ステイタスパラメタ算出モジュール」について説明する。本実施の形態では、ステイタスパラメタの算出を「ステイタスパラメタ算出ルール」として与える。このルールも予め定義してデータベース化しておく。
【0079】
映像上のあるFrame fiの意味的重要度(意味的特徴量)を判定するためには、fiの重要度を示すStatus Parameter p1、…pnを計算する。ここで、この計算処理について具体的に説明する。
【0080】
Status Parameter piの値は、以下のステイタスパラメタ算出ルールによって計算される。
Figure 0004532037
ここで、トリガーイベント名、ルール指定は非終端記号である。
【0081】
トリガーイベント名=
(P-Descriptorタイプ | Annotationタイプ)
ここで、P-Descriptorタイプ、 Annotationタイプは非終端記号である。
【0082】
Figure 0004532037
ここで、Status Parameterタイプ、演算子、値|式は非終端記号である。
【0083】
上記トリガーイベント名には、P-Descriptorタイプ、Annotationタイプを指定する。指定されたP-Descriptorの受信イベント、あるいはAnnotation生成イベントを受け取ると、以降に記述されているルールが発火する。
【0084】
ルール指定には、Status Parameterタイプの名前とその算出式(演算子と値または式)を定義する。本発明であるP-Descriptor受信イベントの場合、対応するFrameにおけるStatus Parameterの値を算出する。因みに、Annotation生成イベントの場合は、そのAnnotationが付加されているP-Descriptorに対応するFrameのStatus Parameterの値を算出する。演算子には、四則演算子を指定する。
【0085】
このとき、該当Frameにおいて既にStatus Parameter値が算出されていた場合は、その値を基に新しい値を求める。算出されていない場合は、初期値0として値を求める。
【0086】
以下にステイタスパラメタ算出ルールの例を示す。
Figure 0004532037
【0087】
上記は野球番組においてP-Descriptor "home_run" の受信イベントを受け取った場合のStatus Parameter算出手続きを記述した例である。"home _run"受信イベントを受け取ると、(例1)に示すように該当するFrameにおける「攻撃レベル」パラメタの値が5加算される。
【0088】
このイベント駆動型のStatus Parameterの算出処理により、番組付加情報を受信しながら動的な重要度の算出が可能となる。
【0089】
次に、「ダイジェスト・番組関連情報生成モジュール」について説明する。ダイジェスト・番組関連情報生成モジュールは、以下に示すようなダイジェスト生成ルールに基づき、ダイジェストを生成する。
【0090】
Figure 0004532037
ここで、ダイジェスト生成範囲、抽出Sceneの型、Status Parameter式、ダイジェスト総時間、抽出指定値は非終端記号である。
【0091】
Figure 0004532037
ここで、開始タイムコード、終了タイムコードは非終端記号である。
【0092】
上記ダイジェスト生成ルールは、利用者が受信端末300の設定画面301を介して配信タイミング・嗜好情報設定モジュールに嗜好情報および開始指定情報(配信タイミング)を送信すると、配信タイミング・嗜好情報設定モジュールが自動的に生成する。ダイジェスト生成範囲には、対象とする映像においてダイジェストを生成するための範囲を指定する。終了タイムコードが省略されていた場合は、リアルタイムに受信しながらダイジェストを生成することを示す。抽出Sceneの型に従って、「ダイジェストの候補シーン」[si] が抽出される。
【0093】
また、Status Parameterの式には、例えば次のような記述ができる。
(ア)攻撃レベル
(イ)攻撃レベル+ユーザ嗜好レベル*0.5
【0094】
上記(ア)の指定は、攻撃レベル(ダイジェスト生成に使用する意味的特徴量の種類)だけを基にダイジェストを生成する指定となる。また、(イ)の指定は、攻撃レベルにユーザ嗜好レベル*0.5倍を足した値を基にダイジェストを生成する指定となる。
【0095】
各候補シーン内のFrameに対して、Status Parameterの式に従って値を算出する。この値を各フレームの「重要度値」と呼ぶ。この重要度値に基づき以下の方針により、シーンが選択される。
【0096】
ダイジェスト・番組関連情報生成モジュールを介してダイジェスト総時間が指定された場合は、指定されたダイジェスト総時間に等しくなるまで、より高い重要度値をもつSceneから順に選択される。
【0097】
ダイジェスト・番組関連情報生成モジュールで抽出指定値が指定された場合は、指定された値以上の重要度値をもつシーンを選択し、時系列に再構成してダイジェストを生成する。
【0098】
〔受信イベントによるダイジェスト生成・配信処理の動作〕
以上の構成において、ダイジェスト・番組関連情報生成に関するイベントを受信した際にダイジェストを生成・配信する場合について説明する。
例えば、次のようなイベントを受信した時に、映像のダイジェスト情報および番組関連情報を配信する場合を考える。なお、どのような種類のイベント(番組付加情報)を受信した場合にダイジェストを生成して配信するかは、図4の▲7▼で示したように、受信端末300および配信タイミング・嗜好情報設定モジュールを介して、利用プロファイルに予め設定されている。ここでは、イニング開始イベント( "inning_start")が本発明の開始指定情報として設定されているものとする。
【0099】
イニング開始イベント( "inning_start")
配信サーバー200は、番組付加情報を受信すると、受信した番組付加情報の種類が開始指定情報(イニング開始イベント)と一致するか否かを判定し、一致する場合、ダイジェストを生成して配信する。
換言すれば、配信サーバー200において、イニング開始イベントを受信すると、ダイジェスト・関連情報監視モジュールがダイジェスト関連情報変更イベントを発行する。それを受けて、ダイジェスト・番組関連情報生成イベント発行モジュールがダイジェスト・番組関連情報生成モジュールに向けて、ダイジェスト生成開始イベントを発行する。
【0100】
ダイジェスト・番組関連情報生成モジュールは、 P-Descriptor (番組付加情報)、ステイタスパラメタ、アノテーションなどの情報を元にダイジェスト・番組関連情報を個々の利用者に向けて生成する。その際、対象とする利用者に既に情報を配信している場合は、差分情報のみを対象としてダイジェスト・番組関連情報を生成し配信する。
【0101】
図5は、1998年○月○日、巨仁対広鳥戦の2回裏までの試合解析の結果である。2回裏のイニングが終了し、3回表のイニング開始イベントを受信すると、ダイジェストが生成される。以下は、2回裏までに生成されるダイジェスト報および番組関連情報の例である。なお、図において、401は、横軸を番組映像の時間軸(time)、縦軸をステイタスパラメタの値としたグラフを示し、402は、番組映像の構造を示している。グラフ401上の同一時間に複数のステイタスパラメタの値が存在することは、複数の種類のステイタスパラメタが同時に算出されて表示されていることによるものである。
【0102】
ダイジェスト情報(対応するダイジェスト映像のシーンを含む)
1回表広鳥江藤の犠打で先制
1回裏巨仁高橋のタイムリーヒットで逆転
2回裏巨仁川相のヒット
2回裏巨仁松井の3ランホームラン
【0103】
番組関連情報
選手プロファイル
打率情報
昨日のホームランシーン
今日の高橋
【0104】
上記のダイジェスト情報および番組関連情報が生成され、個々の利用者の受信端末300に配信される。
【0105】
前述したように配信タイミングを指定する番組付加情報の種類(イベントの種類)は、予め個々の利用者が、それぞれの受信端末300を用いて配信サーバー200に送信して、ダイジェスト生成用DBに記憶されている受信端末300毎のプロファイル情報(利用プロファイル)に設定してあるので、配信サーバー200では、利用プロファイルを参照して、受信端末300毎に個別に設定された開始指定情報(番組付加情報の種類)に基づいて、個々の利用者が所望する配信タイミングでダイジェストを生成して配信することができる。
【0106】
また、1つの受信端末300に対応した利用者プロファイル中に、複数の開始指定情報を設定することも可能である。例えば、上記の開始指定情報(イニング開始イベント)に加えて、開始指定情報(ホームランイベント)を設定しておく、ホームランが発生した場合にも、ダイジェストの生成および配信が行われる。
【0107】
さらに、開始指定情報として、複数の番組付加情報の種類をグループ化した番組付加情報グループを指定した場合には、その番組付加情報グループに含まれる番組付加情報の数に応じて、配信のタイミングおよび配信の頻度を調整することが可能である。
【0108】
例えば、第1の番組付加情報グループ(非常に重要な番組付加情報のグループ)を指定した場合には、「ホームラン」イベント、「逆転」イベントが発生した場合にのみ、ダイジェストが生成されて配信されるが、第3の番組付加情報グループ(小程度に重要な番組付加情報のグループ)を指定した場合には、「ホームラン」イベント、「逆転」イベントに加えて、「加点」イベント、「2塁打」イベント、「3塁打」イベント、「盗塁」イベント、「ヒット」イベント、「三振」イベントが発生した場合にダイジェストが配信されるので、配信頻度を高くすることができる。
【0109】
前述したように本実施の形態のダイジェスト配信システムを利用することにより、プロバイダがダイジェストや番組関連情報を利用者個々人向けに生成して配信するプッシュ型サービスにおいて、最適なタイミングで個人向けの情報を生成して配信することができる。
【0110】
なお、前述した実施の形態では、番組映像として野球番組を例として説明したがこれに限定されるものではなく、例えば、株式情報等を個人向けに配信する番組や、ニュース番組などから個人の必要とする情報のみをリアルタイムで配信する場合などのように、プロバイダがダイジェストや番組関連情報を利用者個々人向けに生成して配信する全てのプッシュ型サービスに適用可能なことは勿論である。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のダイジェスト配信システムは、連続する複数のフレームからなる番組映像と共にその補足情報が番組付加情報として送信されている放送環境下において、番組映像および番組付加情報を入力し、番組映像および番組付加情報のダイジェストを生成して配信する配信サーバーと、配信サーバーから配信されたダイジェストを視聴するための受信端末と、を有するダイジェスト配信システムであって、受信端末は、番組映像に関する利用者の嗜好情報と任意の番組付加情報の種類を指定した開始指定情報とを配信サーバーに対して設定する設定手段を備え、配信サーバーは、番組付加情報を入力すると、入力した番組付加情報の種類が予め設定されている開始指定情報と一致するか否か判定し、一致する場合に、嗜好情報および開始指定情報に基づいてダイジェストを生成して配信する生成・配信手段を備えたため、プロバイダがダイジェストや番組関連情報を利用者個々人向けに生成して配信するプッシュ型サービスにおいて、最適なタイミングで個人向けの情報を生成して配信可能なダイジェスト配信システムを提供することができる。
【0112】
また、配信サーバーが、受信端末毎に個別に設定された嗜好情報および開始指定情報に基づいて、受信端末毎にダイジェストを生成して配信するので、受信端末毎、すなわち、利用者毎に、利用者の嗜好情報を反映したダイジェストを、利用者が開始指定情報で指定した配信のタイミングで生成して配信することができる。また、1つの番組付加情報グループで、複数の番組付加情報の種類を指定可能であるため、配信タイミングの設定が容易である。また、番組付加情報グループが複数グループ設定されており、かつ、ある番組付加情報グループは当該番組付加情報グループより重要度の高い番組付加情報グループを包含する関係にあるため、どの番組付加情報グループを設定するかによって、ダイジェストの生成および配信のタイミング(この場合、特に頻度)を調整することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のダイジェスト配信システムの概略構成図である。
【図2】本実施の形態で使用する各データ(Frame 、P-Descriptor、 Scene、Annotation、Status Parameter)の関係を示す説明図である。
【図3】本実施の形態の受信端末の嗜好情報・開始指定情報の設定画面を示す説明図である。
【図4】本実施の形態の配信サーバーの各モジュールの動作を示す説明図である。
【図5】本実施の形態の配信タイミングによるダイジェストの生成および配信を示す説明図である。
【符号の説明】
100 放送局
200 配信サーバー
300 受信端末
301 設定画面

Claims (2)

  1. 放送により送信された、連続する複数のフレームからなる番組映像と、前記番組情報の補足情報である番組付加情報を入力し、前記番組映像および番組付加情報のダイジェストを生成して配信する配信サーバーと、前記配信サーバーから配信されたダイジェストを視聴するための受信端末と、を有するダイジェスト配信システムであって、
    前記受信端末は、前記番組映像に関する利用者の嗜好情報と、複数の番組付加情報の種類をグループ化した番組付加情報グループを指定した開始指定情報とを前記配信サーバーに対して設定する設定手段を備え、
    前記配信サーバーは、前記番組付加情報を入力すると、入力した番組付加情報の種類が予め設定されている開始指定情報に含まれる複数の番組付加情報の種類のうちの何れか1つと一致するか否か判定し、一致する場合に、前記嗜好情報および開始指定情報に基づいてダイジェストを生成して配信する生成・配信手段を備え
    前記設定手段は、
    予め設定された、重要度の低い番組付加情報グループがより重要度の高い番組付加情報グループを包含する複数の番組付加情報グループから1つを選択して前記開始指定情報に指定する
    ことを特徴とするダイジェスト配信システム。
  2. 前記嗜好情報および開始指定情報は、それぞれ受信端末毎に個別に前記配信サーバーに設定可能であり、
    前記配信サーバーは、受信端末毎に個別に設定された前記嗜好情報および開始指定情報に基づいて、受信端末毎にダイジェストを生成して配信することを特徴とする請求項1に記載のダイジェスト配信システム。
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