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JP4530630B2 - 多孔性フィルムの製造方法、及び多孔性フィルム - Google Patents

多孔性フィルムの製造方法、及び多孔性フィルム Download PDF

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JP4530630B2 JP2003283862A JP2003283862A JP4530630B2 JP 4530630 B2 JP4530630 B2 JP 4530630B2 JP 2003283862 A JP2003283862 A JP 2003283862A JP 2003283862 A JP2003283862 A JP 2003283862A JP 4530630 B2 JP4530630 B2 JP 4530630B2
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Description

本発明は、表面に実質的にスキン層(緻密層)を有さず、連続微小孔が多数形成された多孔性フィルムに関する。この多孔性フィルムは、精密濾過、分離濃縮等の膜分離技術や、その空孔特性をそのまま利用したり、または空孔を機能性材料で充填することにより、電池用セパレーター、電解コンデンサー、回路用基板等、広範囲な基板材料としての利用が可能である。
従来、多孔性フィルムを構成する素材として、アミドイミド系ポリマーやイミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、フッ素系ポリマー、オレフィン系ポリマーなどの高分子化合物が知られている。このような素材からなる多孔性フィルムを製造する方法として、例えば、上記高分子化合物を含む混合液をフィルム状に流延した後に凝固液に導く方法(相転換法)が知られている。しかし、上記高分子化合物を素材として前記方法により製造したフィルム表面にはスキン層(緻密層)が存在し、実質的な開孔部が存在しなかったり、また存在してもその開孔率が低かった。例えば、イミド系ポリマーを素材とした多孔性フィルムとして、ポリイミドからなる多孔膜やその製造方法が開示されているが(例えば、特許文献1〜3参照。)、これらは表面に孔を開けるために溶媒置換速度調整材を介して製造することが必要なために、その製造工程が複雑である上、充分な開孔率と透過性を有するものではないという不具合があった。
特開2001−67643号公報 特開2001−145826号公報 特開2000−319442号公報
本発明の目的は、フィルム表面の開孔率が高く、且つフィルムの表面から内部にかけて均質な微小孔を有する多孔性フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記多孔性フィルムを簡便に製造できる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、高分子の表面張力と基板の表面張力との差が特定値以上である高分子及び基板を用いて、該高分子を含む混合溶液を該基板上へフィルム状に流延し相転換させることにより、基板に接触していた側のフィルム表面にも高い開孔率で均質な微小孔を有する多孔性フィルムが得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、素材がアミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子であり、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔性フィルムであって、該フィルムの厚みが20〜200μm、透気度を表すガーレー値が0.2〜29秒/100ccであり、フィルムの両表面について、表面の平均孔径が0.05〜10μm、表面の平均開孔率が48%以上、表面の平均孔径Aと内部の平均孔径Bとの比率A/Bが0.3〜3、且つ表面の平均開孔率Cと内部の平均開孔率Dとの比率C/Dが0.7〜1.5であることを特徴とする多孔性フィルムを提供する。
本発明は、また、素材がアミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子であり、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔性フィルムであって、該フィルムの厚みが20〜200μm、透気度を表すガーレー値が0.2〜29秒/100ccであり、フィルムの両面の平均孔径A 1 ,A 2 が何れも0.05〜10μm、フィルムの両面の平均開孔率C 1 ,C 2 が何れも48%以上であり、且つ一方の表面の平均孔径A 1 と他方の表面の平均孔径A 2 との比率A 1 /A 2 が0.3〜3、一方の表面の平均開孔率C 1 と他方の表面の平均開孔率C 2 との比率C 1 /C 2 が0.7〜1.5であることを特徴とする多孔性フィルムを提供する。
本発明は、さらに、前記の多孔性フィルムの製造方法であって、アミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子成分を含む高分子溶液を基板上へフィルム状に流延し、相転換法により多孔性フィルムを製造するに際し、該多孔性フィルムを構成する高分子の表面張力Sa[mN/m]と基板の表面張力Sb[mN/m]との差(Sa−Sb)が−10以上となる高分子及び基板を用い、多孔性フィルムを構成する素材となる高分子成分8〜25重量%、水溶性ポリマー10〜50重量%、水0〜10重量%、水溶性極性溶媒30〜82重量%からなる混合溶液を高分子溶液として基板上へフィルム状に流延したのち凝固液に導き、相転換させて多孔性フィルムを得る多孔性フィルムの製造方法を提供する。
本発明は、さらにまた、前記の多孔性フィルムの製造方法であって、アミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子成分を含む高分子溶液を基板上へフィルム状に流延し、相転換法により多孔性フィルムを製造するに際し、該多孔性フィルムを構成する高分子の表面張力Sa[mN/m]と基板の表面張力Sb[mN/m]との差(Sa−Sb)が−10以上となる高分子及び基板を用い、多孔性フィルムを構成する高分子を水溶性極性溶媒に溶解した高分子溶液を基板上へフィルム状に流延する際に、該フィルムを相対湿度70〜100%、温度15〜90℃からなる雰囲気下に0.2〜15分間保持した後、高分子成分の非溶剤からなる凝固液に導く工程を含む多孔性フィルムの製造方法を提供する。
本発明は、また、前記の多孔性フィルムの製造方法であって、アミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子成分を含む高分子溶液を基板上へフィルム状に流延し、相転換法により多孔性フィルムを製造するに際し、該多孔性フィルムを構成する高分子の表面張力Sa[mN/m]と基板の表面張力Sb[mN/m]との差(Sa−Sb)が−10以上となる高分子及び基板を用い、多孔性フィルムを構成する素材となる高分子成分8〜25重量%、水溶性ポリマー10〜50重量%、水0〜10重量%、水溶性極性溶媒30〜82重量%からなる混合溶液を高分子溶液として基板上へフィルム状に流延する際に、該フィルムを相対湿度70〜100%、温度15〜90℃からなる雰囲気下に0.2〜15分間保持した後、高分子成分の非溶剤からなる凝固液に導き、相転換させて多孔性フィルムを得る多孔性フィルムの製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、高分子成分を含む混合溶液が基板上で良好な相分離構造をとるため、基板側表面の開孔率が向上し、均質な微小孔が形成された多孔性フィルムを簡便に得ることができる。このため、本発明の多孔性フィルムは、精密濾過、分離濃縮等の膜分離技術に利用できるほか、その空孔を機能性材料で充填することにより、電池用セパレータ、電解コンデンサー、回路用基板等、広範囲な基板材料としての利用が可能である。
本発明の製造方法では、多孔性フィルムを構成する素材となる高分子成分を含む高分子溶液を基板上へフィルム状に流延し、相転換法により多孔性フィルムを製造する。
高分子成分としては、例えば、アミドイミド系ポリマー、イミド系ポリマー、アミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、セルロース系ポリマー、アクリル系ポリマー、フッ素系ポリマー、オレフィン系ポリマーなどのポリマーが挙げられるがこれらに限定されるものではない。好ましくは、水溶性の極性溶媒に溶解性を有し相転換法によりフィルムを形成しうるものが用いられる。具体的には、アミドイミド系ポリマー、イミド系ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、アクリル系ポリマー、セルロースアセテート等が好適である。これらの高分子成分は単独又は2種以上組み合わせて用いることも可能である。
基板としては、例えば、ガラス板;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等のフッ素系樹脂、塩化ビニル樹脂、その他の樹脂からなるプラスチックシート;ステンレス板、アルミニウム板等の金属板などが挙げられる。なお、表面素材と内部素材とを違うもので組み合わせた複合板でもよい。
本発明の主な特徴は、多孔性フィルムを構成する高分子の表面張力Sa[mN/m(=dyn/cm)]と基板の表面張力Sb[mN/m(=dyn/cm)]との差(Sa−Sb)が−10以上となる高分子と基板とを用いて多孔性フィルムを製造する点にある。なお、基板が、表面素材と内部素材が異なった複合板である場合は、前記高分子との接触面を形成する素材の表面張力が上記関係を満たしていればよい。前記(Sa−Sb)が−10未満の場合には、高分子と基板の界面に高分子が凝集して緻密相が形成されるため、表面開孔率が低く実用に耐えないフィルムとなる。
上記条件を満たす高分子と基板を用いることにより、流延時には該高分子を含む混合溶液が該基板上で海−島構造を有する相分離を生じ、これがフィルムの微小孔の発生源となる。このため、特に、フィルムの基板と接触している側の表面(「フィルムの基板側表面」と称する場合がある)の開孔率が高い多孔性フィルムを得ることができる。特に、前記(Sa−Sb)が0を超える場合には、相転換法により凝集した高分子が基板の表面を濡らすことができずはじかれるため、より効果的に開孔することができる点で好ましく、より好ましくは3以上、さらに好ましくは7以上であり、13以上が最も好適である。(Sa−Sb)の値の上限は特に制限されず、例えば100程度であってもよい。
本発明において、流延に付す高分子溶液としては、例えば、多孔性フィルムを構成する素材となる高分子成分8〜25重量%、水溶性ポリマー10〜50重量%、水0〜10重量%、水溶性極性溶媒30〜82重量%からなる混合溶液などが好ましい。この際に、高分子成分の濃度が低すぎるとフィルムの強度が弱くなり、また高すぎると空孔率が小さくなる。水溶性ポリマーは、フィルム内部を均質なスポンジ状の多孔構造にするために添加するが、この際に濃度が低すぎるとフィルム内部に10μmを超えるような巨大ボイドが発生し均質性が低下する。また水溶性ポリマーの濃度が高すぎると溶解性が悪くなる他、50重量%を超える場合には、フィルム強度が弱くなるなどの不具合が生じやすい。
水溶性極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド,N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ピロリドン及びこれらの混合物などが挙げられ、前記高分子成分として使用するポリマーの化学骨格に応じて溶解性を有するもの(高分子成分の良溶媒)を使用することができる。これらの溶媒は単独又は2種以上組み合わせて用いることもできる。
また、膜構造をスポンジ状に多孔化するためには、水溶性ポリマーや水を加えて、流延時の相分離構造を制御することが効果がある。水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、多糖類等やその誘導体などが挙げられる。これらの水溶性ポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中でも、フィルムに存在する微小孔の連通性の点から、ポリビニルピロリドンが特に好ましい。多孔化のためには、水溶性ポリマーの分子量は1000以上が良く、好ましくは5000以上、特に好ましくは1万以上(例えば、1万〜20万程度)である。水の添加量はボイド径の調整に用いることができ、添加量を増やすことで径を大きくすることが可能となる。
上記のような組成を有する混合溶液を高分子溶液として用い、これを基板上へフィルム状に流延したのち凝固液に導き、相転換させることにより微小孔を均質に形成することができる。
本発明においては、高分子溶液をフィルム状に流延する際に、該フィルムを相対湿度70〜100%、温度15〜90℃からなる雰囲気下に0.2〜15分間保持した後、高分子成分の非溶剤からなる凝固液に導くのが望ましい。より好ましい条件としては、相対湿度90〜100%、温度30〜80℃、特に好ましい条件は、相対湿度約100%(例えば、95〜100%)、温度40〜70℃である。空気中の水分量がこれよりも少ない場合は、フィルムの開孔率が充分でなくなる不具合がある。
流延後のフィルムを上記条件におくことにより、特に、該フィルムの基板側表面の反対の表面(「フィルムの空気側表面」と称する場合がある)の開孔率を向上させることができる。開孔率が向上する理由としては、加湿下に置くことにより水分がフィルム表面から内部へと侵入し、混合溶液の相分離を効率的に促進するためと考えられる。
相転換法に用いる凝固液としては、高分子成分を凝固させる溶剤であればよく、高分子成分として使用するポリマーの種類によって適宜選択されるが、例えば、水;メタノール、エタノール等の1価アルコール、グリセリン等の多価アルコールなどのアルコール;ポリエチレングリコール等の水溶性高分子;これらの混合物などが使用できる。
本発明の製造方法によれば、開孔率が高く、しかも均質な微小孔が形成された多孔質フィルムを得ることができる。以下に、本発明の製造方法により得られる多孔性フィルムについて説明する。
多孔性フィルムの厚みは、例えば5〜200μm、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜80μmである。厚みが薄くなりすぎるとフィルムの機械強度が充分でなくなり、一方厚すぎる場合には孔径分布を均一に制御することが困難となる。
多孔性フィルムに存在する微小孔の平均孔径(=フィルム表面の平均孔径)は、その用途により好適なサイズが異なるが、通常0.01〜10μmであり、好ましくは0.05〜5μmである。サイズが小さすぎる場合には透過性能が劣り、大きすぎる場合は分離濃縮の効率が落ちるなどの不具合がある。また多孔部に機能性材料を充填する場合にはサブミクロン〜ミクロン単位の分解能で充填できることが好ましいことから、上述の平均孔径が好ましく、小さすぎると機能性材料を充填できないなどの不具合が生じたり、一方、大きすぎるとサブミクロン〜ミクロン単位の制御が困難となる。また、フィルム表面の最大孔径は15μm以下が好ましい。
多孔性フィルムの内部の平均開孔率(空孔率)は、例えば30〜80%であり、好ましくは40〜80%、さらに好ましくは45〜80%である。空孔率が低すぎると、透過性能が十分でなかったり、機能性材料を充填しても機能が発揮できないことがある。一方、空孔率が高すぎると、機能的強度に劣る可能性がある。また、フィルムの表面の平均開孔率(表面開孔率)は、例えば48%以上(例えば48〜80%)であり、好ましくは60〜80%程度である。表面開孔率が低すぎると透過性能が十分でなかったり、機能性材料を充填してもその機能が充分に発揮できないことがある。一方、表面開孔率が高すぎると機械的強度が低下しやすくなる。
また、フィルムに存在する微小孔の連通性は、例えば透気度を表すガーレー値、及び純水透過速度などを指標とすることができる。多孔性フィルムのガーレー値は、例えば0.2〜29秒/100cc、好ましくは1〜25秒/100cc、特に好ましくは1〜18秒/100ccである。これよりも数値が大きいと、実用上の透過性能が十分でなかったり、機能性材料を十分に充填できないためにその機能が発揮できないことがある。一方、数値がこれよりも小さいと、機械的強度に劣る可能性がある。また、純水透過速度は、例えば1.3×10-9〜1.1×10-7m・sec-1・Pa-1[=8〜700リットル/(m2・min・atm)]、好ましくは3.3×10-9〜1.1×10-7m・sec-1・Pa-1[=20〜700リットル/(m2・min・atm)]であり、さらに好ましくは4.9×10-9〜8.2×10-8m・sec-1・Pa-1[=30〜500リットル/(m2・min・atm)]である。これよりも純水透過速度が低いと、実用上の透過性能が充分でなかったり、機能性材料を充分に充填できないためにその機能が発揮できないことがある。一方、数値がこれよりも大きいと、機械的強度に劣る可能性がある。
好ましい多孔性フィルムは、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔性フィルムであって、該フィルムの厚みが5〜200μmであり、フィルムの両表面について、表面の平均孔径が0.01〜10μm、表面の平均孔径Aと内部の平均孔径Bとの比率A/Bが0.3〜3、且つ表面の平均開孔率Cと内部の平均開孔率Dとの比率C/Dが0.7〜1.5であることを特徴とする多孔性フィルムである。
表面の平均孔径Aと内部の平均孔径Bとの比率A/B、及び表面の平均開孔率Cと内部の平均開孔率Dとの比率C/Dは、好ましくはA/Bが0.5〜2であってC/Dが0.75〜1.4、より好ましくはA/Bが0.6〜1.5であってC/Dが0.8〜1.3である。これらの比率が小さすぎる場合は、透過性能が劣ったり、機能性材料を十分に充填できない場合がある。また、大きすぎる場合には、分離特性に劣ったり、機能性材料の充填が不均一になるなどの不都合が発生する可能性がある。
好ましい多孔性フィルムの他の態様は、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔性フィルムであって、該フィルムの厚みが5〜200μm、フィルムの両面の平均孔径A1,A2が何れも0.01〜10μm、フィルムの両面の平均開孔率C1,C2が何れも48%以上であり、且つ一方の表面(例えば基板側表面)の平均孔径A1と他方の表面(例えば空気側表面)の平均孔径A2との比率A1/A2が0.3〜3、一方の表面の平均開孔率C1と他方の表面の平均開孔率C2との比率C1/C2が0.7〜1.5である。
一方の表面の平均孔径A1と他方の表面の平均孔径A2との比率A1/A2、及び一方の表面の平均開孔率C1と他方の表面の平均開孔率C2との比率C1/C2は、好ましくはA1/A2が0.5〜2であってC1/C2が0.75〜1.4、より好ましくはA1/A2が0.6〜1.5であってC1/C2が0.8〜1.3である。これらの比率が小さすぎる場合は、透過性能が劣ったり、機能性材料を十分に充填できない場合がある。また、大きすぎる場合には、分離特性に劣ったり、機能性材料の充填が不均一になるなどの不都合が発生する可能性がある。
多孔性フィルムの微小孔の径、空孔率、透気度、開孔率は、上記のように、用いる基板、水溶性ポリマーの種類や量、水の使用量、流延時の湿度、温度及び時間などを適宜選択することにより所望の値に調整することができる。
本発明の方法によれば、特に、平均孔径及び平均開孔率について、表面と内部との比率や基板側表面と空気側表面との比率が上記範囲内であるという特性を有する多孔性フィルムを容易に得ることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、表面張力の測定、及び得られたフィルムの評価は次のようにして行った。これらの結果を表1に示す。表1中、「Sa-Sb」は、フィルムを構成する高分子の表面張力Saと基板の表面張力Sbとの差を示している。また、「−」は、微小孔が不定形なため算出不能であったことを示している。なお、実施例4〜5は参考例として記載する。
表面張力
POLYMER HANDBOOK (THIRD EDITION, JOHN WILEY&SONS)、化学工学便覧(改訂五版、丸善株式会社)に掲載されている値を使用した。この本に記載されていない物質については、ポリマー単体(又はポリマーブレンド)の均一フィルムを作成し、JIS K6768に準じて測定した。実施例中、後者の方法により測定した表面張力を示す場合には「:測定値」と付記した。
透気度
YOSHIMITSU社製のGurley's Densometerを用い、JIS P8117に準じて測定した。但し、測定面積が標準の1/10の装置を使用したので、JIS P8117の付属書1に準じて標準のガーレー値に換算して求めた。
純水透過速度
Amicon社製のSTIRRED ULTRAFILTRATION CELLS MODELS 8200の平膜用濾過器を用いて評価した。透過面積は28.7cm2であった。なお、評価の際に、透過側には濾紙をスペーサー代わりに配置し、透過側の抵抗をできるだけ排除した。圧力は0.5kg/cm2で測定し換算した。測定温度は25℃である。
表面の平均孔径A
電子顕微鏡写真から、フィルム表面の任意の30点以上の孔についてその面積を測定し、まずその平均値を平均孔面積Saveとした。次に、次式からその孔が真円であると仮定した時の孔径に換算し、その値を平均孔径とした。ここでπは円周率を表す。
表面の平均孔径A=2×(Save/π)1/2
内部の平均孔径B
まず、フィルムを液体窒素温度で破断してフィルム断面を露出させた。該方法によりフィルムが破断できない場合には、あらかじめフィルムを水により湿潤にした状態で液体窒素温度で破断させてフィルム断面を露出させた。得られたフィルム断面を電子顕微鏡用サンプルとして、上述の表面の平均孔径の求め方と同様の方法を用いて平均孔径を求めた。
表面の最大孔径
フィルム表面の電子顕微鏡写真から、任意の20×20μmの面積を5箇所選び、その中に存在する孔を真円であると仮定したときの孔径に換算し、その中で最も大きくなるものを最大孔径とした。なお、換算には次式を使用した。ここでSmaxは観察された孔のうちで最大面積を有するものの値である。πは円周率を表す。
孔径=2×(Smax/π)1/2
内部の最大孔径
まず、フィルムを液体窒素温度で破断してフィルム断面を露出させた。該方法によりフィルムが破断できない場合には、あらかじめフィルムを水により湿潤にした状態で液体窒素温度で破断させてフィルム断面を露出させた。得られたフィルム断面を電子顕微鏡用サンプルとして、上述の表面の最大孔径の求め方と同様の方法を用いて最大孔径を求めた。
表面の平均開孔率C
表面の平均開孔率は、フィルム表面の電子顕微鏡写真から、任意の20×20μmの面積を選び、その中に存在する孔の合計面積が全体に占める比率を算出した。この操作を任意の5箇所について実施し平均値を求めた。
内部の平均開孔率D(=空孔率)
フィルムの内部の平均開孔率は次式より求めた。ここでVはフィルムの体積、Wはフィルムの重量、ρはフィルム素材の密度であり、ポリアミドイミドの密度は1.45(g/cm3)、ポリエーテルスルホンの密度は1.37(g/cm3)、後述の実施例6に用いたポリアミドイミドとポリエーテルスルホンとのブレンド品の密度は1.43(g/cm3)とした。
内部の平均開孔率D(%)=100−100×W/(ρ・V)
なお、上記評価方法における平均孔径、最大孔径、及び平均開孔率は、電子顕微鏡写真の最も手前に見えている微小孔のみを対象として求められており、写真奥に見えている微小孔は対象外とした。
実施例1
東洋紡績社製の商品名「バイロマックスHR11NN」(アミドイミド系ポリマー、ポリマー単体の表面張力42mN/m(=dyn/cm):測定値、固形分濃度15重量%、溶剤NMP、溶液粘度20dPa・s/25℃)を使用し、この溶液100重量部に対し、水溶性ポリマーとしてポリビニルピロリドン(分子量5万)を30重量部加えて製膜用の原液とした。この原液を25℃とし、フィルムアプリケーターを使用してテフロン(登録商標)製の基板上(表面張力24mN/m(=dyn/cm))にキャストした。キャストは30℃、80%RH雰囲気で実施し、キャスト後速やかに湿度約100%、温度45℃の容器中に4分間保持した。その後、水中に浸漬して凝固させ、次いで乾燥することによって多孔性フィルムを得た。この操作ではキャスト時のフィルムプリケーターとテフロン(登録商標)基板とのギャップは127μmとし、得られたフィルムの厚みは約50μmとなった。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、キャスト時に基板と接触していたフィルム表面(フィルムの基板側表面)に存在する孔の平均孔径A1は約0.9μm、最大孔径は2.5μmで平均開孔率C1は約65%、キャスト時に基板と接触していなかったフィルム表面(フィルムの空気側表面)に存在する孔の平均孔径A2は約1.1μm、最大孔径は2.7μmで平均開孔率C2は約70%、フィルム内部はほぼ均質で、全域に亘って平均孔径B約1.0μm、最大孔径1.8μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルムの内部の平均開孔率Dは70%であった。透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で9.5秒、純水透過速度で9.8×10-9m・sec-1・Pa-1[=60リットル/(m2・min・atm at 25℃)]という優れた性能を示した。
実施例2
実施例1において、キャスト用基板として、テフロン(登録商標)製基板の代わりにポリプロピレン製の基板(表面張力29mN/m(=dyn/cm))を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔の平均孔径A1は約0.7μm、最大孔径は1.8μmで平均開孔率C1は約50%、フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約1.0μm、最大孔径は2.5μmで平均開孔率C2は約70%、フィルム内部はほぼ均質であり全域に亘って平均孔径B約1.0μm、最大孔径2.0μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルムの内部の平均開孔率Dは約70%であった。透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で10.0秒、純水透過速度で9.0×10-9m・sec-1・Pa-1[=55リットル/(m2・min・atm at 25℃)]という優れた性能を示した。
実施例3
実施例1において、キャスト用基板として、テフロン(登録商標)製基板の代わりに帝人デュポン社製PETシート(Sタイプ、表面張力39mN/m(=dyn/cm):測定値)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔の平均孔径A1は約0.9μm、最大孔径は2.5μmで平均開孔率C1は約70%、フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約1.0μm、最大孔径は2.7μmで平均開孔率C2は約70%、フィルム内部はほぼ均質であり全域に亘って平均孔径B約1.0μm、最大孔径2.0μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で10.0秒、純水透過速度で9.0×10-9m・sec-1・Pa-1[=55リットル/(m2・min・atm at 25℃)]という優れた性能を示した。
実施例4
実施例2において、製膜用の原液として、ポリエーテルスルホン(住友化学社製、商品名「5200P」;表面張力46mN/m(=dyn/cm):測定値)15重量部に、ポリビニルピロリドン(分子量36万)10重量部、及びNMP75重量部を加えたものを用いた以外は、実施例2と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔の平均孔径A1は約1.3μm、最大孔径は2.5μmで平均開孔率C1は約65%、フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約0.8μmで、最大孔径は1.7μmで平均開孔率C2は約50%、フィルム内部はほぼ均質であり全域に亘って平均孔径B約2.0μm、最大孔径3.0μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で29秒、純水透過速度で3.3×10-9m・sec-1・Pa-1[=20リットル/(m2・min・atm at 25℃)]という優れた性能を示した。
実施例5
実施例4において、キャスト用基板として、ポリプロピレン製基板の代わりに帝人デュポン社製PETシート(Sタイプ、表面張力39mN/m(=dyn/cm):測定値)を用いた以外は、実施例4と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔の平均孔径A1は約2.3μm、最大孔径は3.6μmで平均開孔率C1は約65%、フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約0.8μm、最大孔径1.7μmで平均開孔率C2は約50%、フィルム内部はほぼ均質であり全域に亘って平均孔径B約2.0μm、最大孔径5.1μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で27秒、純水透過性能で3.9×10-9m・sec-1・Pa-1[=24リットル/(m2・min・atm at 25℃)]という優れた性能を示した。
実施例6
ポリアミドイミド(東洋紡績社製、商品名「バイロマックスHR11NN」、表面張力42mN/m(=dyn/cm):測定値、固形分濃度15重量%、溶剤NMP、溶液粘度20dPa・s/25℃)100重量部に、ポリビニルピロリドン(分子量5万)25重量部を加えたものをA液とした。ポリエーテルスルホン(住友化学社製、商品名「5200P」;表面張力46mN/m(=dyn/cm):測定値)15重量部にNMP85重量部を加えて得られた混合液100重量部に、ポリビニルピロリドン(分子量5万)25重量部を加えたものをB液とした。
実施例2において、製膜用の原液として、ポリアミドイミドとポリエーテルスルホン(A液:B液=3:1(重量比);ポリアミドイミド:ポリエーテルスルホン=3:1(重量比))との混合液(ブレンドポリマーの表面張力45mN/m(=dyn/cm):測定値)を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔の平均孔径A1は約0.9μm、最大孔径は1.8μmで平均開孔率C1は約70%、フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約2.0μmで、最大孔径は4.4μmで平均開孔率C2は約70%、フィルム内部はほぼ均質であり全域に亘って平均孔径B約2.0μm、最大孔径3.0μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で9.3秒、純水透過速度で1.1×10-8m・sec-1・Pa-1[=65リットル/(m2・min・atm at 25℃)]という優れた性能を示した。
比較例1
実施例1において、キャスト用基板として、テフロン(登録商標)製基板の代わりにガラス製基板(表面張力100mN/m(=dyn/cm))を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔の平均孔径A1は約0.3μm、最大孔径は0.6μmで平均開孔率C1は約40%、フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約1.0μm、最大孔径は2.5μmで平均開孔率C2は約70%、フィルム内部はほぼ均質であり全域に亘って平均孔径B約1.0μm、最大孔径2.0μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。以上より、フィルムの基板側表面に存在する微小孔は、フィルムの空気側表面及び内部に存在する微小孔と比較して小さく、且つ開孔率が低く、フィルム全体としての均質性に欠けていた。
比較例2
実施例1において、キャスト用基板として、テフロン(登録商標)製基板の代わりにアルミニウム製基板(表面張力914mN/m(=dyn/cm))を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔は平均孔径A1を算出するのは困難であるほど不定形であった。また、その平均開孔率C1は10%以下と推定された。フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約1.3μm、最大孔径は2.7μmで平均開孔率C2は約70%、フィルム内部はほぼ均質であり全域に亘って平均孔径B約1.2μm、最大孔径2.2μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。以上より、フィルムの空気側表面及び内部と比較して、フィルムの基板側表面は開孔率が低く、且つ特異な様相を呈しており、フィルム全体としての均質性に欠けていた。
比較例3
実施例4において、キャスト用基板としてガラス製基板(表面張力100mN/m(=dyn/cm))を用いた以外は、実施例4と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔の平均孔径A1は約1.2μm、最大孔径は2.0μmで平均開孔率C1は10%以下、フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約0.8μm、最大孔径は1.9μmで平均開孔率C2は約50%、フィルム内部は全域に亘って平均孔径B約2.0μm、最大孔径3.5μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。以上より、フィルムの基板側表面は、開孔率が低く、フィルム全体としての均質性に欠けていた。
比較例4
実施例4において、キャスト用基板としてアルミニウム製基板(表面張力914mN/m(=dyn/cm))を用いた以外は、実施例4と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔は平均孔径A1を算出するのは困難であるほど不定形であった。また、その平均開孔率C1は10%以下と推定された。フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約0.9μm、最大孔径は2.1μmで平均開孔率C2は約50%、フィルム内部は全域に亘って平均孔径B約2.2μm、最大孔径3.6μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。以上より、フィルムの空気側表面及び内部と比較して、フィルムの基板側表面は開孔率が低く、且つ特異な様相を呈しており、フィルム全体としての均質性に欠けていた。
Figure 0004530630
本発明の多孔性フィルムは、精密濾過、分離濃縮等の膜分離技術に利用できるほか、その空孔を機能性材料で充填することにより、電池用セパレータ、電解コンデンサー、回路用基板等、広範囲な基板材料として利用できる。

Claims (5)

  1. 素材がアミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子であり、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔性フィルムであって、該フィルムの厚みが20〜200μm、透気度を表すガーレー値が0.2〜29秒/100ccであり、フィルムの両表面について、表面の平均孔径が0.05〜10μm、表面の平均開孔率が48%以上、表面の平均孔径Aと内部の平均孔径Bとの比率A/Bが0.3〜3、且つ表面の平均開孔率Cと内部の平均開孔率Dとの比率C/Dが0.7〜1.5であることを特徴とする多孔性フィルム。
  2. 素材がアミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子であり、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔性フィルムであって、該フィルムの厚みが20〜200μm、透気度を表すガーレー値が0.2〜29秒/100ccであり、フィルムの両面の平均孔径A1,A2が何れも0.05〜10μm、フィルムの両面の平均開孔率C1,C2が何れも48%以上であり、且つ一方の表面の平均孔径A1と他方の表面の平均孔径A2との比率A1/A2が0.3〜3、一方の表面の平均開孔率C1と他方の表面の平均開孔率C2との比率C1/C2が0.7〜1.5であることを特徴とする多孔性フィルム。
  3. 請求項1又は2記載の多孔性フィルムの製造方法であって、アミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子成分を含む高分子溶液を基板上へフィルム状に流延し、相転換法により多孔性フィルムを製造するに際し、該多孔性フィルムを構成する高分子の表面張力Sa[mN/m]と基板の表面張力Sb[mN/m]との差(Sa−Sb)が−10以上となる高分子及び基板を用い、多孔性フィルムを構成する素材となる高分子成分8〜25重量%、水溶性ポリマー10〜50重量%、水0〜10重量%、水溶性極性溶媒30〜82重量%からなる混合溶液を高分子溶液として基板上へフィルム状に流延したのち凝固液に導き、相転換させて多孔性フィルムを得る多孔性フィルムの製造方法。
  4. 請求項1又は2記載の多孔性フィルムの製造方法であって、アミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子成分を含む高分子溶液を基板上へフィルム状に流延し、相転換法により多孔性フィルムを製造するに際し、該多孔性フィルムを構成する高分子の表面張力Sa[mN/m]と基板の表面張力Sb[mN/m]との差(Sa−Sb)が−10以上となる高分子及び基板を用い、多孔性フィルムを構成する高分子を水溶性極性溶媒に溶解した高分子溶液を基板上へフィルム状に流延する際に、該フィルムを相対湿度70〜100%、温度15〜90℃からなる雰囲気下に0.2〜15分間保持した後、高分子成分の非溶剤からなる凝固液に導く工程を含む多孔性フィルムの製造方法。
  5. 請求項1又は2記載の多孔性フィルムの製造方法であって、アミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子成分を含む高分子溶液を基板上へフィルム状に流延し、相転換法により多孔性フィルムを製造するに際し、該多孔性フィルムを構成する高分子の表面張力Sa[mN/m]と基板の表面張力Sb[mN/m]との差(Sa−Sb)が−10以上となる高分子及び基板を用い、多孔性フィルムを構成する素材となる高分子成分8〜25重量%、水溶性ポリマー10〜50重量%、水0〜10重量%、水溶性極性溶媒30〜82重量%からなる混合溶液を高分子溶液として基板上へフィルム状に流延する際に、該フィルムを相対湿度70〜100%、温度15〜90℃からなる雰囲気下に0.2〜15分間保持した後、高分子成分の非溶剤からなる凝固液に導き、相転換させて多孔性フィルムを得る多孔性フィルムの製造方法。
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