JP4530630B2 - 多孔性フィルムの製造方法、及び多孔性フィルム - Google Patents
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Description
本発明の他の目的は、上記多孔性フィルムを簡便に製造できる方法を提供することにある。
本発明は、また、素材がアミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子であり、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔性フィルムであって、該フィルムの厚みが20〜200μm、透気度を表すガーレー値が0.2〜29秒/100ccであり、フィルムの両面の平均孔径A 1 ,A 2 が何れも0.05〜10μm、フィルムの両面の平均開孔率C 1 ,C 2 が何れも48%以上であり、且つ一方の表面の平均孔径A 1 と他方の表面の平均孔径A 2 との比率A 1 /A 2 が0.3〜3、一方の表面の平均開孔率C 1 と他方の表面の平均開孔率C 2 との比率C 1 /C 2 が0.7〜1.5であることを特徴とする多孔性フィルムを提供する。
本発明は、さらにまた、前記の多孔性フィルムの製造方法であって、アミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子成分を含む高分子溶液を基板上へフィルム状に流延し、相転換法により多孔性フィルムを製造するに際し、該多孔性フィルムを構成する高分子の表面張力Sa[mN/m]と基板の表面張力Sb[mN/m]との差(Sa−Sb)が−10以上となる高分子及び基板を用い、多孔性フィルムを構成する高分子を水溶性極性溶媒に溶解した高分子溶液を基板上へフィルム状に流延する際に、該フィルムを相対湿度70〜100%、温度15〜90℃からなる雰囲気下に0.2〜15分間保持した後、高分子成分の非溶剤からなる凝固液に導く工程を含む多孔性フィルムの製造方法を提供する。
本発明は、また、前記の多孔性フィルムの製造方法であって、アミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子成分を含む高分子溶液を基板上へフィルム状に流延し、相転換法により多孔性フィルムを製造するに際し、該多孔性フィルムを構成する高分子の表面張力Sa[mN/m]と基板の表面張力Sb[mN/m]との差(Sa−Sb)が−10以上となる高分子及び基板を用い、多孔性フィルムを構成する素材となる高分子成分8〜25重量%、水溶性ポリマー10〜50重量%、水0〜10重量%、水溶性極性溶媒30〜82重量%からなる混合溶液を高分子溶液として基板上へフィルム状に流延する際に、該フィルムを相対湿度70〜100%、温度15〜90℃からなる雰囲気下に0.2〜15分間保持した後、高分子成分の非溶剤からなる凝固液に導き、相転換させて多孔性フィルムを得る多孔性フィルムの製造方法を提供する。
POLYMER HANDBOOK (THIRD EDITION, JOHN WILEY&SONS)、化学工学便覧(改訂五版、丸善株式会社)に掲載されている値を使用した。この本に記載されていない物質については、ポリマー単体(又はポリマーブレンド)の均一フィルムを作成し、JIS K6768に準じて測定した。実施例中、後者の方法により測定した表面張力を示す場合には「:測定値」と付記した。
YOSHIMITSU社製のGurley's Densometerを用い、JIS P8117に準じて測定した。但し、測定面積が標準の1/10の装置を使用したので、JIS P8117の付属書1に準じて標準のガーレー値に換算して求めた。
Amicon社製のSTIRRED ULTRAFILTRATION CELLS MODELS 8200の平膜用濾過器を用いて評価した。透過面積は28.7cm2であった。なお、評価の際に、透過側には濾紙をスペーサー代わりに配置し、透過側の抵抗をできるだけ排除した。圧力は0.5kg/cm2で測定し換算した。測定温度は25℃である。
電子顕微鏡写真から、フィルム表面の任意の30点以上の孔についてその面積を測定し、まずその平均値を平均孔面積Saveとした。次に、次式からその孔が真円であると仮定した時の孔径に換算し、その値を平均孔径とした。ここでπは円周率を表す。
表面の平均孔径A=2×(Save/π)1/2
まず、フィルムを液体窒素温度で破断してフィルム断面を露出させた。該方法によりフィルムが破断できない場合には、あらかじめフィルムを水により湿潤にした状態で液体窒素温度で破断させてフィルム断面を露出させた。得られたフィルム断面を電子顕微鏡用サンプルとして、上述の表面の平均孔径の求め方と同様の方法を用いて平均孔径を求めた。
フィルム表面の電子顕微鏡写真から、任意の20×20μmの面積を5箇所選び、その中に存在する孔を真円であると仮定したときの孔径に換算し、その中で最も大きくなるものを最大孔径とした。なお、換算には次式を使用した。ここでSmaxは観察された孔のうちで最大面積を有するものの値である。πは円周率を表す。
孔径=2×(Smax/π)1/2
まず、フィルムを液体窒素温度で破断してフィルム断面を露出させた。該方法によりフィルムが破断できない場合には、あらかじめフィルムを水により湿潤にした状態で液体窒素温度で破断させてフィルム断面を露出させた。得られたフィルム断面を電子顕微鏡用サンプルとして、上述の表面の最大孔径の求め方と同様の方法を用いて最大孔径を求めた。
表面の平均開孔率は、フィルム表面の電子顕微鏡写真から、任意の20×20μmの面積を選び、その中に存在する孔の合計面積が全体に占める比率を算出した。この操作を任意の5箇所について実施し平均値を求めた。
フィルムの内部の平均開孔率は次式より求めた。ここでVはフィルムの体積、Wはフィルムの重量、ρはフィルム素材の密度であり、ポリアミドイミドの密度は1.45(g/cm3)、ポリエーテルスルホンの密度は1.37(g/cm3)、後述の実施例6に用いたポリアミドイミドとポリエーテルスルホンとのブレンド品の密度は1.43(g/cm3)とした。
内部の平均開孔率D(%)=100−100×W/(ρ・V)
東洋紡績社製の商品名「バイロマックスHR11NN」(アミドイミド系ポリマー、ポリマー単体の表面張力42mN/m(=dyn/cm):測定値、固形分濃度15重量%、溶剤NMP、溶液粘度20dPa・s/25℃)を使用し、この溶液100重量部に対し、水溶性ポリマーとしてポリビニルピロリドン(分子量5万)を30重量部加えて製膜用の原液とした。この原液を25℃とし、フィルムアプリケーターを使用してテフロン(登録商標)製の基板上(表面張力24mN/m(=dyn/cm))にキャストした。キャストは30℃、80%RH雰囲気で実施し、キャスト後速やかに湿度約100%、温度45℃の容器中に4分間保持した。その後、水中に浸漬して凝固させ、次いで乾燥することによって多孔性フィルムを得た。この操作ではキャスト時のフィルムプリケーターとテフロン(登録商標)基板とのギャップは127μmとし、得られたフィルムの厚みは約50μmとなった。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、キャスト時に基板と接触していたフィルム表面(フィルムの基板側表面)に存在する孔の平均孔径A1は約0.9μm、最大孔径は2.5μmで平均開孔率C1は約65%、キャスト時に基板と接触していなかったフィルム表面(フィルムの空気側表面)に存在する孔の平均孔径A2は約1.1μm、最大孔径は2.7μmで平均開孔率C2は約70%、フィルム内部はほぼ均質で、全域に亘って平均孔径B約1.0μm、最大孔径1.8μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルムの内部の平均開孔率Dは70%であった。透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で9.5秒、純水透過速度で9.8×10-9m・sec-1・Pa-1[=60リットル/(m2・min・atm at 25℃)]という優れた性能を示した。
実施例1において、キャスト用基板として、テフロン(登録商標)製基板の代わりにポリプロピレン製の基板(表面張力29mN/m(=dyn/cm))を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔の平均孔径A1は約0.7μm、最大孔径は1.8μmで平均開孔率C1は約50%、フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約1.0μm、最大孔径は2.5μmで平均開孔率C2は約70%、フィルム内部はほぼ均質であり全域に亘って平均孔径B約1.0μm、最大孔径2.0μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルムの内部の平均開孔率Dは約70%であった。透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で10.0秒、純水透過速度で9.0×10-9m・sec-1・Pa-1[=55リットル/(m2・min・atm at 25℃)]という優れた性能を示した。
実施例1において、キャスト用基板として、テフロン(登録商標)製基板の代わりに帝人デュポン社製PETシート(Sタイプ、表面張力39mN/m(=dyn/cm):測定値)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔の平均孔径A1は約0.9μm、最大孔径は2.5μmで平均開孔率C1は約70%、フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約1.0μm、最大孔径は2.7μmで平均開孔率C2は約70%、フィルム内部はほぼ均質であり全域に亘って平均孔径B約1.0μm、最大孔径2.0μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で10.0秒、純水透過速度で9.0×10-9m・sec-1・Pa-1[=55リットル/(m2・min・atm at 25℃)]という優れた性能を示した。
実施例2において、製膜用の原液として、ポリエーテルスルホン(住友化学社製、商品名「5200P」;表面張力46mN/m(=dyn/cm):測定値)15重量部に、ポリビニルピロリドン(分子量36万)10重量部、及びNMP75重量部を加えたものを用いた以外は、実施例2と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔の平均孔径A1は約1.3μm、最大孔径は2.5μmで平均開孔率C1は約65%、フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約0.8μmで、最大孔径は1.7μmで平均開孔率C2は約50%、フィルム内部はほぼ均質であり全域に亘って平均孔径B約2.0μm、最大孔径3.0μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で29秒、純水透過速度で3.3×10-9m・sec-1・Pa-1[=20リットル/(m2・min・atm at 25℃)]という優れた性能を示した。
実施例4において、キャスト用基板として、ポリプロピレン製基板の代わりに帝人デュポン社製PETシート(Sタイプ、表面張力39mN/m(=dyn/cm):測定値)を用いた以外は、実施例4と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔の平均孔径A1は約2.3μm、最大孔径は3.6μmで平均開孔率C1は約65%、フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約0.8μm、最大孔径1.7μmで平均開孔率C2は約50%、フィルム内部はほぼ均質であり全域に亘って平均孔径B約2.0μm、最大孔径5.1μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で27秒、純水透過性能で3.9×10-9m・sec-1・Pa-1[=24リットル/(m2・min・atm at 25℃)]という優れた性能を示した。
ポリアミドイミド(東洋紡績社製、商品名「バイロマックスHR11NN」、表面張力42mN/m(=dyn/cm):測定値、固形分濃度15重量%、溶剤NMP、溶液粘度20dPa・s/25℃)100重量部に、ポリビニルピロリドン(分子量5万)25重量部を加えたものをA液とした。ポリエーテルスルホン(住友化学社製、商品名「5200P」;表面張力46mN/m(=dyn/cm):測定値)15重量部にNMP85重量部を加えて得られた混合液100重量部に、ポリビニルピロリドン(分子量5万)25重量部を加えたものをB液とした。
実施例2において、製膜用の原液として、ポリアミドイミドとポリエーテルスルホン(A液:B液=3:1(重量比);ポリアミドイミド:ポリエーテルスルホン=3:1(重量比))との混合液(ブレンドポリマーの表面張力45mN/m(=dyn/cm):測定値)を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔の平均孔径A1は約0.9μm、最大孔径は1.8μmで平均開孔率C1は約70%、フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約2.0μmで、最大孔径は4.4μmで平均開孔率C2は約70%、フィルム内部はほぼ均質であり全域に亘って平均孔径B約2.0μm、最大孔径3.0μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。透過性能を測定したところ、ガーレー透気度で9.3秒、純水透過速度で1.1×10-8m・sec-1・Pa-1[=65リットル/(m2・min・atm at 25℃)]という優れた性能を示した。
実施例1において、キャスト用基板として、テフロン(登録商標)製基板の代わりにガラス製基板(表面張力100mN/m(=dyn/cm))を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔の平均孔径A1は約0.3μm、最大孔径は0.6μmで平均開孔率C1は約40%、フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約1.0μm、最大孔径は2.5μmで平均開孔率C2は約70%、フィルム内部はほぼ均質であり全域に亘って平均孔径B約1.0μm、最大孔径2.0μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。以上より、フィルムの基板側表面に存在する微小孔は、フィルムの空気側表面及び内部に存在する微小孔と比較して小さく、且つ開孔率が低く、フィルム全体としての均質性に欠けていた。
実施例1において、キャスト用基板として、テフロン(登録商標)製基板の代わりにアルミニウム製基板(表面張力914mN/m(=dyn/cm))を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔は平均孔径A1を算出するのは困難であるほど不定形であった。また、その平均開孔率C1は10%以下と推定された。フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約1.3μm、最大孔径は2.7μmで平均開孔率C2は約70%、フィルム内部はほぼ均質であり全域に亘って平均孔径B約1.2μm、最大孔径2.2μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。以上より、フィルムの空気側表面及び内部と比較して、フィルムの基板側表面は開孔率が低く、且つ特異な様相を呈しており、フィルム全体としての均質性に欠けていた。
実施例4において、キャスト用基板としてガラス製基板(表面張力100mN/m(=dyn/cm))を用いた以外は、実施例4と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔の平均孔径A1は約1.2μm、最大孔径は2.0μmで平均開孔率C1は10%以下、フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約0.8μm、最大孔径は1.9μmで平均開孔率C2は約50%、フィルム内部は全域に亘って平均孔径B約2.0μm、最大孔径3.5μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。以上より、フィルムの基板側表面は、開孔率が低く、フィルム全体としての均質性に欠けていた。
実施例4において、キャスト用基板としてアルミニウム製基板(表面張力914mN/m(=dyn/cm))を用いた以外は、実施例4と同様の操作を行ってフィルムを得た。
得られたフィルムの膜構造を観察したところ、フィルムの基板側表面に存在する孔は平均孔径A1を算出するのは困難であるほど不定形であった。また、その平均開孔率C1は10%以下と推定された。フィルムの空気側表面に存在する孔の平均孔径A2は約0.9μm、最大孔径は2.1μmで平均開孔率C2は約50%、フィルム内部は全域に亘って平均孔径B約2.2μm、最大孔径3.6μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、フィルム内部の平均開孔率Dは約70%であった。以上より、フィルムの空気側表面及び内部と比較して、フィルムの基板側表面は開孔率が低く、且つ特異な様相を呈しており、フィルム全体としての均質性に欠けていた。
Claims (5)
- 素材がアミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子であり、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔性フィルムであって、該フィルムの厚みが20〜200μm、透気度を表すガーレー値が0.2〜29秒/100ccであり、フィルムの両表面について、表面の平均孔径が0.05〜10μm、表面の平均開孔率が48%以上、表面の平均孔径Aと内部の平均孔径Bとの比率A/Bが0.3〜3、且つ表面の平均開孔率Cと内部の平均開孔率Dとの比率C/Dが0.7〜1.5であることを特徴とする多孔性フィルム。
- 素材がアミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子であり、連通性を有する微小孔が多数存在する多孔性フィルムであって、該フィルムの厚みが20〜200μm、透気度を表すガーレー値が0.2〜29秒/100ccであり、フィルムの両面の平均孔径A1,A2が何れも0.05〜10μm、フィルムの両面の平均開孔率C1,C2が何れも48%以上であり、且つ一方の表面の平均孔径A1と他方の表面の平均孔径A2との比率A1/A2が0.3〜3、一方の表面の平均開孔率C1と他方の表面の平均開孔率C2との比率C1/C2が0.7〜1.5であることを特徴とする多孔性フィルム。
- 請求項1又は2記載の多孔性フィルムの製造方法であって、アミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子成分を含む高分子溶液を基板上へフィルム状に流延し、相転換法により多孔性フィルムを製造するに際し、該多孔性フィルムを構成する高分子の表面張力Sa[mN/m]と基板の表面張力Sb[mN/m]との差(Sa−Sb)が−10以上となる高分子及び基板を用い、多孔性フィルムを構成する素材となる高分子成分8〜25重量%、水溶性ポリマー10〜50重量%、水0〜10重量%、水溶性極性溶媒30〜82重量%からなる混合溶液を高分子溶液として基板上へフィルム状に流延したのち凝固液に導き、相転換させて多孔性フィルムを得る多孔性フィルムの製造方法。
- 請求項1又は2記載の多孔性フィルムの製造方法であって、アミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子成分を含む高分子溶液を基板上へフィルム状に流延し、相転換法により多孔性フィルムを製造するに際し、該多孔性フィルムを構成する高分子の表面張力Sa[mN/m]と基板の表面張力Sb[mN/m]との差(Sa−Sb)が−10以上となる高分子及び基板を用い、多孔性フィルムを構成する高分子を水溶性極性溶媒に溶解した高分子溶液を基板上へフィルム状に流延する際に、該フィルムを相対湿度70〜100%、温度15〜90℃からなる雰囲気下に0.2〜15分間保持した後、高分子成分の非溶剤からなる凝固液に導く工程を含む多孔性フィルムの製造方法。
- 請求項1又は2記載の多孔性フィルムの製造方法であって、アミドイミド系ポリマー及びイミド系ポリマーから選択された少なくとも1種の高分子成分を含む高分子溶液を基板上へフィルム状に流延し、相転換法により多孔性フィルムを製造するに際し、該多孔性フィルムを構成する高分子の表面張力Sa[mN/m]と基板の表面張力Sb[mN/m]との差(Sa−Sb)が−10以上となる高分子及び基板を用い、多孔性フィルムを構成する素材となる高分子成分8〜25重量%、水溶性ポリマー10〜50重量%、水0〜10重量%、水溶性極性溶媒30〜82重量%からなる混合溶液を高分子溶液として基板上へフィルム状に流延する際に、該フィルムを相対湿度70〜100%、温度15〜90℃からなる雰囲気下に0.2〜15分間保持した後、高分子成分の非溶剤からなる凝固液に導き、相転換させて多孔性フィルムを得る多孔性フィルムの製造方法。
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