JP4524850B2 - 延性および歪時効硬化特性に優れた高張力冷延鋼板および高張力冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として自動車車体用として好適な高加工性高張力冷延鋼板に係り、とくに引張強さ(TS)440MPa以上で、延性および歪時効硬化特性に優れた高張力冷延鋼板、およびその製造方法に関する。本発明の高張力冷延鋼板は、軽度の曲げ加工やロールフォーミングによりパイプに成形されるような比較的軽加工に供されるものから比較的厳しい絞り成形に供されるものまで、広範囲の用途に適するものである。なお、本発明における鋼板とは、鋼板、鋼帯を含むものとする。
【0002】
また、本発明において、「歪時効硬化特性に優れた」とは、引張歪5%の予変形後、170 ℃の温度に20min 保持する条件で時効処理したとき、この時効処理前後の変形応力増加量(BH量と記す;BH量=時効処理後の降伏応力−時効処理前の予変形応力)が40MPa 以上であり、かつ歪時効処理(前記予変形+前記時効処理)前後の引張強さ増加量(ΔTSと記す;ΔTS=時効処理後の引張強さ−予変形前の引張強さ)が50MPa 以上であることを意味する。
【0003】
【従来の技術】
昨今の地球環境問題からの排出ガス規制に関連し、自動車における車体重量の軽減は極めて重要な課題となっている。自動車の車体重量軽減のためには、多量に使用されている鋼板の強度を増加させ、すなわち高張力鋼板を適用して、使用する鋼板の薄肉化を図るのが有効である。
【0004】
しかし、薄肉の高張力鋼板を使用した自動車部品でも、その役割に応じて課されるパフォーマンスが必要十分に発揮されねばならない。かかるパフォーマンスとしては、例えば曲げ、ねじり変形に対する静的強度、耐疲労性、耐衝撃特性などがある。したがって、自動車部品に適用される高張力鋼板は、成形加工後にかかる特性にも優れることが必要となる。
【0005】
また、自動車部品を製造する過程においては、鋼板に対してプレス成形が行われるが、鋼板の強度が高すぎるとプレス成形した場合には、
▲1▼形状凍結性が劣化する、
▲2▼延性が劣化するため成形時に割れやネッキングなどの不具合を生ずる、
▲3▼耐デント性(局部的な圧縮荷重負荷により生ずる凹みに対する耐性)が劣化する、
といった問題が生じ、自動車車体への高張力鋼板の適用拡大を阻んでいた。
【0006】
これを打開するための手法として、例えば外板パネル用の冷延鋼板では、極低炭素鋼を素材とし、最終的に固溶状態で残存するC量を適正範囲に制御した鋼板が知られている。この種の鋼板は、プレス成形時には軟質に保たれ、形状凍結性、延性を確保し、プレス成形後に行われる、170 ℃×20min 程度の塗装焼付工程で起こる歪時効硬化現象を利用した降伏応力の上昇を得て、耐デント性を確保しようとするものである。この種鋼板では、プレス成形時にはCが鋼中に固溶して軟質であり、一方、プレス成形後には、塗装焼付工程で、プレス成形時に導入された転位に固溶Cが固着して、降伏応力が上昇する。
【0007】
しかし、この種鋼板では、表面欠陥となるストレーッチャーストレインの発生を防止する観点から、歪時効硬化による降伏応力上昇量は低く抑えられている。このため、実際に部品の軽量化に寄与するところは小さいことになる。
すなわち、部品の軽量化には、単に歪時効により降伏応力のみ上昇するのではなく、さらに変形が進んだときの強度特性の上昇が必要である。言い換えれば、歪時効後の引張強さの上昇が望まれている。
【0008】
一方、外観があまり問題にならない用途に対しては、固溶Nを用いて焼付硬化量をさらに増加させた鋼板や、組織をフェライトとマルテンサイトからなる複合組織とすることで焼付硬化性をより一層向上させた鋼板が提案されている。
例えば、特開昭60-52528号公報には、C:0.02〜0.15%、Mn:0.8 〜3.5 %、P:0.02〜0.15%、Al:0.10%以下、N:0.005 〜0.025 %を含む鋼を550 ℃以下の温度で巻き取る熱間圧延と、冷延後の焼鈍を制御冷却熱処理とする延性およびスポット溶接性がともに良好な高強度薄鋼板の製造方法が開示されている。特開昭60-52528号公報に記載された技術で製造された鋼板は、フェライトとマルテンサイトを主体とする低温変態生成物相からなる混合組織を有し延性に優れるとともに、積極的に添加されたNによる塗装焼付けの際の歪時効を利用して、高強度を得ようとするものである。
【0009】
しかしながら、特開昭60-52528号公報に記載された技術では、歪時効硬化による降伏応力YSの増加量は大きいが引張強さTSの増加量が少なく、また、降伏応力YSの増加量も大きくばらつくなど機械的性質の変動も大きいため、現状で要望されている自動車部品の軽量化に寄与できるほどの鋼板の薄肉化が期待できない。
【0010】
また、組織を、フェライト、ベイナイトと残留オーステナイトからなる複合組織として、延性を顕著に向上させた、いわゆる変態誘起塑性型鋼板(TRIP鋼)が提案されている。
例えば、特開昭61-217529 号公報には、C:0.12〜0.70%、Si:0.4 〜1.8 %、Mn:0.2 〜2.5 %、Al:0.01〜0.07%、N:0.02%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼板に連続焼鈍の条件を制御した焼鈍を施すことを特徴とする延性に優れた高強度鋼板の製造方法が提案されている。しかしながら、特開昭61-217529 号公報に記載された技術で製造された鋼板は、NをAlによりAlN として析出させることで延性の向上を図っており、C、N等の侵入型元素がほとんど存在しないため、プレス成形後の塗装焼付処理によって、強度の増加がほとんど期待できない。そのため、完成部品の強度が著しく低く、耐衝撃性が強く要求される用途への適用ができないという問題が残されていた。また、特開昭61−217529号公報に記載された技術で製造された鋼板は、同一強度で比較するとSi、Mn等の含有量が高くなり、塗装性、溶接性に難点がある。
【0011】
また、乗員の安全性向上の観点から、プレス成形時には軟質で加工性に優れ、加工後に塗装焼付処理等の熱処理により降伏応力の増加に加えて、引張強さもともに高強度となり、部品強度を高くできる、加工性と耐衝撃特性がともに改善された鋼板が要望されている。
このような要望に対し、例えば、特開平10-310824 号公報、特開平10-310847 号公報には、C:0.01〜0.08%、Si:0.005 〜1.0 %、Mn:0.01〜3.0 %、Al:0.001 〜0.1 %、N:0.0002〜0.01%を含み、さらにW、Cr、Moの1種または2種以上を合計量が0.05〜3.0 %含有し、組織がフェライトあるいはフェライトを主体とする成形後強度上昇熱処理性能を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法が開示されている。ここでいう、成形後強度上昇熱処理性能とは、2%以上の歪が加わる成形加工後、200 〜450 ℃で加熱する熱処理を施して、熱処理前の引張強さに比べ、熱処理後の引張強さが増加する性能をいう。しかしながら、特開平10-310824 号公報、特開平10-310847 号公報に記載された技術で製造された鋼板では、塗装焼付処理を従来(170 ℃)より高い200 〜450 ℃という温度で行う必要があり、部品製造の生産性が低下し経済的に不利となるという問題があった。
【0012】
さらに、上記した従来の鋼板では、単純な引張試験による塗装焼付処理後の強度評価では優れているものの、実プレス条件にしたがって、塑性変形させたときの強度に大きなばらつきが存在し、信頼性が要求される部品に適用するには必ずしも十分とはいえなかったのである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術の限界を打破し、高い延性と、自動車部品に成形したのちに自動車部品として十分な強度が得られ自動車車体の軽量化に充分に寄与できる、歪時効硬化特性に優れ、さらに耐衝撃特性に優れた高張力冷延鋼板およびこれら鋼板を工業的に安価に、かつ安定して製造できる製造方法を提供することを目的とする。本発明における歪時効硬化特性は、引張歪5%の予変形後、170 ℃の温度に20min 保持する時効条件で、BH量が40MPa 以上、ΔTSが50MPa 以上を目標とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するために、組成および製造条件を種々変化して鋼板を製造し、多くの材質評価実験を行った。その結果、高加工性が要求される分野では従来あまり積極的に利用されることがなかったNを強化元素として利用し、他の合金元素を低減し、さらに加えて、この強化元素(N)の作用により発現する大きな歪時効硬化現象を有利に活用することにより、プレス成形性の向上と、プレス成形後の高強度化とを容易に両立させることができることを知見した。
【0015】
またさらに、本発明者らは、加熱冷却条件を含め、冷延板の焼鈍条件を調整することにより、組織をフェライト、ベイナイトと残留オーステナイトとからなる複合組織とすることができ、延性が顕著に向上してプレス成形性が向上するとともに、固溶N量を適正値に調整することができ、Nによる大きな歪時効硬化現象を有利に活用するができ、自動車部品の耐衝撃特性を顕著に向上できることを知見した。
【0016】
本発明は、上記した知見に基づいて、さらに検討を加え完成したものである。
すなわち、第1の本発明は、質量%で、C:0.05〜0.30%、Si:0.4 〜2.0 %、Mn:0.7 〜3.0 %、P:0.08%以下、Al:0.02%以下、N:0.0050〜0.0250%を含み、かつN/Alが0.3 以上、固溶状態のNを0.0010%以上含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、体積率で、20〜80%のフェライト相と、10〜60%のベイナイト相と、3.0 %以上15%以下の残留オーステナイト相と、或いはさらに、10%以下のその他からなる複合組織を有することを特徴とする延性およびΔTS:50MPa 以上となる歪時効硬化特性に優れた高張力冷延鋼板であり、また、第1の本発明では、前記組成に加えてさらに、質量%で、次a群〜c群
a群:B:0.0003〜0.01%、Cu:0.005 〜1.5 %、Ni:0.005 〜1.5 %、Cr
:0.05〜1.0 %のうちの1種または2種以上
b群:Ti、Nb、V、Zrのうちの1種または2種以上を合計で0.002 〜0.03%
c群:Ca、REM の1種または2種を合計で0.0010〜0.010 %
のうちの1群または2群以上を含むことが好ましい。
【0017】
また、第1の本発明では、前記高張力冷延鋼板の板厚が3.2 mm以下の薄鋼板であることが好ましい。
また、第2の本発明は、質量%で、C:0.05〜0.30%、Si:0.4 〜2.0 %、Mn:0.7 〜3.0 %、P:0.08%以下、Al:0.02%以下、N:0.0050〜0.0250%を含み、かつN/Alが0.3 以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する薄冷延鋼板に、加熱温度を(Ac1変態点)〜(Ac3変態点+50℃)の間の温度とする焼鈍処理と、ついで該加熱温度から、少なくとも600 ℃から500 ℃の範囲を5〜 150℃/sの冷却速度で冷却し、350 〜500 ℃の温度範囲で30s以上の保持を行う冷却・保持処理を施すことを特徴とする、延性およびΔTS:50MPa 以上となる歪時効硬化特性に優れた高張力冷延鋼板の製造方法であり、また、第2の本発明では、前記組成に加えてさらに、質量%で、次a群〜c群
a群:B:0.0003〜0.01%、Cu:0.005 〜1.5 %、Ni:0.005 〜1.5 %、Cr :0.05〜1.0 %のうちの1種または2種以上
b群:Ti、Nb、V、Zrのうちの1種または2種以上を合計で0.002 〜0.03%
c群:Ca、REM の1種または2種を合計で0.0010〜0.010 %
のうちの1群または2群以上を含むことが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
まず、本発明鋼板の組成限定理由について説明する。なお、質量%は、以下、単に%と記す。
C:0.05〜0.25%
Cは、鋼板の強度を増加する元素であり、また、オーステナイト(γ)相に濃化してγ相を安定化する元素であり、本発明では、強度と、所望の残留γ量を確保するために0.05%以上の含有を必要とする。一方、0.25%を超える含有は、溶接性を著しく劣化させる。このため、Cは0.05〜0.25%の範囲に限定する。なお、極めて高い延性と溶接性の両立という観点からは、0.07〜0.18%とするのが好ましい。
【0019】
Si:0.4 〜2.0 %
Siは、鋼の延性を顕著に低下させることなく鋼板を高強度化させることができる有用な元素であり、さらにはγがベイナイトへ変態する際に炭化物の生成を抑制することにより、未変態γの安定性を増加させる効果を有する元素である。このような効果は0.4 %以上の含有で認められる。一方、2.0 %を超える含有は、効果が飽和するうえ、表面性状、化成処理性などの表面美麗性に悪影響をあたえる。このため、Siは0.4 〜2.0 %の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.6 〜1.5 %である。
【0020】
Mn:0.5 〜3.0 %
Mnは、焼入れ性を向上させる元素であり、鋼板強度の増加に大きく寄与する。また、MnはSによる熱間割れを防止する有効な元素であり、含有するS量により添加するのが好ましい。さらにMnは、γ相に濃化し、焼入れ性を向上させるうえ、γ相に濃縮し残留γを安定化する効果を有する。このような効果は0.5 %以上の含有で認められるが、3.0 %を超える含有は、上記した効果が飽和するうえ、スポット溶接性が顕著に劣化する。このため、Mnは0.5 〜3.0 %に限定した。なお、好ましくは0.9 〜2.0 %である。
【0021】
P:0.08%以下
Pは、鋼の固溶強化元素として、また延性やr値の改善に有用な元素であるが、過剰に含有すると鋼を脆化させ、さらに鋼板の伸びフランジ加工性を低下させる。また、Pは鋼中で偏析する傾向が強いためそれに起因した溶接部の脆化をもたらす。このため、Pは0.08%以下に限定した。なお、伸びフランジ加工性や溶接部靱性が特に重要視される場合は0.04%以下とするのが好ましい。なお、より好ましくは溶接部靱性の観点から0.02%以下である。
【0022】
Al:0.02%以下
Alは、溶製時に脱酸剤として作用し鋼の清浄度を向上させるとともに、さらに組織の微細化に有効な元素であり、本発明では0.005 %以上含有するのが望ましい。一方、過剰なAl含有は、鋼板表面の清浄性を悪化させ、さらに固溶状態のNを減少させ、歪時効硬化現象に寄与する固溶Nの不足を生じ、本発明の特徴である歪時効硬化特性を低下させる。このため、本発明では、Alは0.02%以下と低く限定する。なお、安定して高い歪時効硬化特性を得るためには、0.015 %以下である。
【0023】
N:0.0050〜0.0250%
Nは、本発明において最も重要な元素である。本発明では、適量のNを含有して、製造条件を制御することにより、冷延製品で必要かつ十分な量の固溶状態のNを確保し、それによって固溶強化と歪時効硬化での強度(YS、TS)上昇効果が十分に発揮され、TS:440MPa以上で、塗装焼付硬化量(BH量)40MPa 以上、歪時効処理前後での引張強さの増加量ΔTS50MPa 以上という本発明鋼板の機械的性質要件を安定して満足することができる。これにより、完成品(部品)の耐衝撃特性、耐疲労特性も向上する。また、固溶Nによる強化を活用することにより、C、Si、Mn等の添加量を低減でき、溶接性、塗装性の低下を防止できる。
【0024】
Nが0.0050%未満では、上記の強度上昇効果が安定して現れにくい。一方、Nが0.0250%を超えると、鋼板の内部欠陥発生率が高くなるとともに、連続鋳造時のスラブ割れなどが多発するようになる。このため、Nは0.0050〜0.0250%の範囲とした。なお、製造工程全体を考慮した材質の安定性・歩留り向上の観点からは、Nは0.0070〜0.0170%の範囲とするのがより好ましい。なお、本発明範囲内のN量であれば、スポット溶接、アーク溶接等の溶接性への悪影響は全くない。
【0025】
固溶状態のN:0.0010%以上
冷延製品で固溶強化により十分な強度が確保され、さらにNによる歪時効硬化現象が十分に発揮されるには、鋼中に固溶状態のN(固溶Nともいう)が0.0010%以上の量(濃度)で存在する必要がある。
ここで、固溶N量は、鋼中の全N量から析出N量を差し引いて求めるものとする。なお、析出N量の分析法としては、本発明者らが種々の分析法を比較検討した結果によれば、定電位電解法を用いた電解抽出分析法により求めるのが有効である。なお抽出分析に用いる地鉄を溶解する方法として、酸分解法、ハロゲン法および電解法がある。この中で、電解法は炭化物、窒化物などの極めて不安定な析出物を分解させることなく、安定して地鉄のみを溶解できる。電解液としてはアセチル・アセトン系を用いて、定電位にて電解する。本発明では定電位電解法を用いて析出N量を測定した結果が、実際の部品強度ともっともよい対応を示した。
【0026】
このようなことから、本発明では、定電位電解法により抽出した残渣を化学分解して残渣中のN量を求め、これを析出N量とする。
なお、より高いBH量、ΔTSを得るためには、固溶N量は0.0020%以上、さらに高い値を得るためには、0.0030%以上とするのが好ましい。
N/Al(N含有量とAl含有量の比):0.3 以上
製品状態で、固溶Nを0.0010%以上安定させて残留させるためには、Nを強力に固定する元素であるAlの量を制限する必要がある。本発明の組成範囲内のN含有量とAl含有量の組合せを広範囲に変えた鋼板について検討した結果、冷延製品での固溶Nを0.0010%以上とし、安定して高い歪時効硬化特性を得るには、Al量を0.02%以下と低く限定した場合、N/Alを0.3 以上とすることが必要であることがわかった。すなわち、Al含有量は(N含有量)/0.3 以下に制限される。
【0027】
本発明では、上記した組成に加えてさらに、次a群〜d群
a群:B:0.0003〜0.01%、Cu:0.005 〜1.5 %、Ni:0.005 〜1.5 %、Cr:0.05〜1.0 %のうちの1種または2種以上
b群:Ti、Nb、V、Zrのうちの1種または2種以上を合計で0.002 〜0.03%
c群:Ca、REM の1種または2種を合計で0.0010〜0.010 %
のうちから1群または2群以上を必要に応じ含有するのが好ましい。
【0028】
a群:B:0.0003〜0.01%、Cu:0.005 〜1.5 %、Ni:0.005 〜1.5 %、Cr :0.05〜1.0 %のうちの1種または2種以上
a群の元素:B、Cu、Ni、Crは、いずれもMnと同様に、焼入れ性を向上させる元素であり、必要に応じ、1種または2種以上を選択して含有できる。
Bは、焼入れ性を向上させ、さらに延性の向上に有効な元素であり、このような効果は、0.0003%以上の含有で認められる。一方、0.01%を超える含有は、Bが析出物となり、加工性が低下する。このため、Bは0.0003〜0.01%に限定するのが好ましい。
【0029】
Cuは、焼入れ性を向上させ、鋼板の強度を増加させる元素であり、このような効果は0.05%以上の含有で認められるが、1.5 %を超えると、熱間圧延でのスケール疵が多発する。このため、Cuは0.05〜1.5 %とするのが好ましい。
Niは、焼入れ性を向上させ、鋼板の強度を増加させる元素であり、また含有しても鋼板のめっき性への影響が少ない元素であり、必要に応じ含有できる。上記した効果は、0.005 %以上の含有で認められるが、1.5 %を超える含有は、強度が増加しすぎて、延性を低下させ、プレス成形を加工性を低下させる。このため、Niは0.005 〜1.5 %とするのが好ましい。
【0030】
Crは、焼入れ性を向上させ、鋼板の強度を増加させるとともに、残留γの分布状態を微細分散とする作用を有し、延性を向上させる効果を有する元素である。このような効果は、0.05%以上の含有で認められる。一方、1.0 %を超える含有は、めっき濡れ性を阻害する。このため、Crは0.05〜1.0 %とするのが好ましい。
【0031】
b群:Ti、Nb、V、Zrのうちの1種または2種以上を合計で0.002 〜0.03%
b群の元素:Ti、Nb、V、Zrは、いずれも、結晶粒を微細化し、延性を改善する効果を有する元素であり、必要に応じ選択して含有できる。しかし、過剰な含有は固溶状態のNを減少させる。このようなことから、Ti、Nb、V、Zrのうちの1種または2種以上を合計で0.002 〜0.03%の範囲に限定するのが好ましい。
【0032】
c群:Ca、REM の1種または2種を合計で0.0010〜0.010 %
c群の元素:Ca、REM は、いずれも介在物の形態制御に役立つ元素であり、特に伸びフランジ成形性の要求がある場合には、単独または複合して含有するのが好ましい。その場合、c群の元素の合計で、0.0010%未満では介在物の形態制御効果が不足し、一方、0.010 %を超えると表面欠陥の発生が目立つようになる。このため、c群の元素は合計で0.0010〜0.010 %の範囲に限定するのが好ましい。
【0033】
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。不可避的不純物としては、S:0.02%以下が許容できる。
Sは、鋼板中では介在物として存在し、鋼板の延性、さらには耐食性の劣化をもたらす元素であり、できるだけ低減するのが望ましい。なお、特に良好な加工性が要求される用途においては、0.015 %以下、さらに伸びフランジ性の要求レベルが高い場合は、Sは0.008 %以下に低減するのが好ましい。また、歪時効硬化特性を安定して高レベルに維持するためには、詳細な機構は不明であるが、Sを0.008 %以下まで低減するのが好ましい。
【0034】
次に、本発明鋼板の組織について説明する。
フェライト相の体積率:20〜80%
本発明の冷延鋼板は、高度な加工性が要求される自動車用鋼板等の使途を目的としており、延性を確保するために、フェライト相を体積率で20〜80%含む組織とする。フェライト相の体積率が20%未満では、高度な加工性が要求される自動車用鋼板として必要な延性を確保することが困難となる。なお、さらに良好な延性が要求される場合は、フェライト相の体積率は30%以上とするのが好ましい。フェライト相の体積率が80%を超えると、複合組織の利点が少なくなる。このため、フェライト相は20〜80%とした。
【0035】
ベイナイト相の体積率:10〜60%
本発明の冷延鋼板は、高度な加工性が要求される自動車用高張力鋼板等の使途を目的としており、延性と強度の優れたバランスを確保するために、フェライト相に加えてさらに、10〜60%のベイナイト相を含有する。ベイナイト相の体積率が10%未満では、必要な延性、強度を確保することが困難となる。なお、さらに良好な延性が要求される場合は、ベイナイト相の体積率は15%以上とするのが好ましい。ベイナイト相の体積率が60%を超えると、延性の低下が著しくなる。このため、ベイナイト相は10〜60%とした。
【0036】
残留オーステナイト相の体積率:3.0 %以上
本発明の冷延鋼板では、高延性を確保するために、体積率で、3.0 %以上の残留オーステナイト(γ)相を含有する。これにより、引張強さ:590MPa級鋼板では35%以上、780MPa級鋼板では30%以上の伸びを確保できる。残留γ相量の上限については特に限定しないが、実質的には15%程度が上限と考えられる。本発明においては、多量のNを含有し、しかも固溶状態で残存させることにより、極めて安定して残留γ量を確保できる。
【0037】
なお、上記した相以外の相としては、若干量(10%以下)のマルテンサイト相が許容できる。
上記した組成と組織を有する本発明の冷延鋼板は、引張強さTSが440MPa以上で、延性、歪時効硬化特性に優れた冷延鋼板であり、プレス成形−塗装焼付処理後に降伏応力および引張強さとも増加し、耐衝撃特性に優れた完成部品となる。
【0038】
本発明において、「歪時効硬化特性に優れた」とは、上記したように、引張歪5%の予変形後、170 ℃の温度に20min 保持する条件で時効処理したとき、この時効処理前後の変形応力増加量(BH量と記す;BH量=時効処理後の降伏応力−時効処理前の予変形応力)が40MPa 以上であり、かつ歪時効処理(前記予変形+前記時効処理)前後の引張強さ増加量(ΔTSと記す;ΔTS=時効処理後の引張強さ−予変形前の引張強さ)が50MPa 以上であることを意味する。
【0039】
歪時効硬化特性を規定する場合、予歪(予変形)量が重要な因子となる。本発明者らは、自動車用鋼板に適用される変形様式を想定して、歪時効硬化特性に及ぼす予歪量の影響について調査し、その結果、▲1▼前記変形様式における変形応力は、極めて深い絞り加工の場合を除き、概ね1軸相当歪(引張歪)量で整理できること、▲2▼実部品ではこの1軸相当歪量が概ね5%を上回っていること、▲3▼部品強度が、予歪5%の歪時効処理後に得られる強度(YSおよびTS)と良く対応することを突き止めた。この知見をもとに、本発明では、歪時効処理の予変形を引張歪5%に定めた。
【0040】
従来の塗装焼付け処理条件は、170 ℃×20min が標準として採用されている。なお、多量の固溶Nを含む本発明鋼板に5%以上の歪が加わる場合は、より緩やかな(低温側の)処理でも硬化が達成され、言い換えれば時効条件をより幅広くとることが可能である。また、一般に、硬化量を稼ぐには、過度の時効で軟化させない限りにおいて、より高温で、より長時間保持することが有利である。
【0041】
具体的に述べると、本発明鋼板では、予変形後に硬化が顕著となる加熱温度の下限は概ね100 ℃である。一方、加熱温度が300 ℃を超えると硬化が頭打ちとなり、逆にやや軟化する傾向が現れるほか、熱歪やテンパーカラーの発生が目立つようになる。また、保持時間については、加熱温度200 ℃程度のとき概ね30s程度以上とすれば略十分な硬化が達成される。さらに大きな安定した硬化を得るには保持時間60s以上とするのが好ましい。しかし、20min を超える保持では、さらなる硬化を望みえないばかりか、生産効率も著しく低下して実用面では不利である。
【0042】
以上のことから、本発明では、時効処理条件として従来の塗装焼付処理条件の加熱温度である170 ℃、保持時間を20min で評価すると定めた。従来の塗装焼付け型鋼板では十分な硬化が達成されない低温加熱・短時間保持の時効処理条件下でも、本発明鋼板では大きな硬化が安定的に達成される。なお、加熱の仕方はとくに制限されず、通常の塗装焼付けに採用されている炉による雰囲気加熱のほか、たとえば誘導加熱や、無酸化炎、レーザ、プラズマなどによる加熱などのいずれも好ましく用いうる。
【0043】
自動車用の部品強度は外部からの複雑な応力負荷に抗しうる必要があり、それゆえ素材鋼板では小さな歪域での強度特性だけでなく大きな歪域での強度特性も重要となる。本発明者らはこの点に鑑み、自動車部品の素材となすべき本発明鋼板のBH量を40MPa 以上とするとともに、ΔTS量を50MPa 以上とする。なお、より好ましくは、BH量60 MPa以上、ΔTS50MPa 以上とする。BH量とΔTS量をより大きくするには、時効処理の際の加熱温度をより高温側に、および/または、保持時間をより長時間側に、設定すればよい。
【0044】
また、本発明鋼板は、成形加工されない状態では、室温で1年程度の長時間放置されても時効劣化(YSが増加しかつEl(伸び)が減少する現象)は起こらないという、従来にない利点が備わっている。
ところで、本発明の効果は製品板厚が比較的厚い場合でも発揮されうるが、製品板厚が3.2mm を超える場合には、冷延板焼鈍工程で必要十分な冷却速度を確保することができず、連続焼鈍時に歪時効が生じ、製品として目標とする歪時効硬化特性が得にくくなる。したがって、本発明鋼板の板厚は3.2 mm以下とするのが好ましい。
【0045】
また、本発明では、上記した本発明冷延鋼板の表面に電気めっきまたは溶融めっきを施しても何ら問題はない。これらめっき鋼板も、めっき前と同程度のTS、BH量、ΔTS量を示す。めっきの種類としては、電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、電気錫めっき、電気クロムめっき、電気ニッケルめっき等、いずれも好ましく適用しうる。
【0046】
次に、本発明鋼板の製造方法について説明する。
本発明で使用する薄鋼板は、上記した組成を有するスラブを、加熱し熱間圧延により熱延板とし、ついで該熱延板に冷間圧延を施して、所望の板厚に調整した冷延板を用いる。スラブ加熱温度や、熱間圧延、冷間圧延の圧延条件はとくに限定する必要はなく、所望の板厚の冷延鋼板が得られればよい。
【0047】
本発明では、質量%で、C:0.05〜0.30%、Si:0.4 〜2.0 %、Mn:0.7 〜3.0 %、P:0.08%以下、Al:0.02%以下、N:0.0050〜0.0250%を含み、かつN/Alが0.3 以上を含有するこれら薄鋼板に、連続焼鈍ラインを用いて、焼鈍処理を施す。
焼鈍処理の加熱温度は、(Ac1変態点)〜(Ac3変態点+50℃)の間の温度とする。本発明では、製品板で所定量の残留γを確保するために、焼鈍処理の加熱温度をAc1変態点以上とするのが好ましい。Ac1変態点以上に加熱することにより、フェライトとオーステナイト(γ)との2相に相分離が生じ、冷却後に残留γを生成させる。一方、加熱温度がAc3変態点を超えても、冷却中にフェライトとオーステナイトへの2相分離が起こり、冷却後に残留γが生成する。しかし、加熱温度が(Ac3変態点+50℃)を超えると、焼鈍処理中に結晶粒の成長が起こり、延性が低下する。このようなことから、焼鈍処理の加熱温度は(Ac1変態点)〜(Ac3変態点+50℃)の間の温度とするのが好ましい。なお、加熱温度での保持時間は特に限定しないが、20〜60sとするのが望ましい。
【0048】
ついで、鋼板は加熱温度から、少なくとも600 ℃から500 ℃の範囲を5〜 150℃/sの冷却速度で、350 〜500 ℃の温度範囲まで急冷される冷却処理を施される。
冷却速度が5℃/s未満では、パーライト変態が起こり、残留γの形成が抑制され、結果として延性が劣化する。一方、冷却速度が150 ℃/sを超えると、フェライト相に多量の固溶状態のCが残留し、残留γの形成が抑制される。このようなことから、加熱温度から、350 〜500 ℃の温度範囲までの冷却速度を5〜 150℃/sとするのが好ましい。なお、このような急冷は、少なくとも600 ℃から500 ℃の範囲のみでよい。これは、600 ℃から500 ℃の温度範囲では、パーライト変態が顕著となるためである。本発明では、600 ℃から500 ℃の温度範囲以外の領域はこのような冷却速度の限定は必要としない。
【0049】
ついで、350 〜500 ℃の温度範囲で、30s以上の保持を行う保持処理を施される。
350 〜500 ℃の温度範囲で保持処理を行うことにより、γの一部がベイナイトに変態し、その際にCが未変態γに濃化し、γを安定化する。これにより、室温まで冷却した後もオーステナイト状態を保ち、残留γになる。このような反応は350 ℃から500 ℃の範囲で顕著に起こるため、保持処理の温度が500 ℃超えでは、炭化物が形成されやすくなり、オーステナイトへのCの濃縮が促進されず残留γの形成が阻害される。また、保持処理の温度が350 ℃未満では、上記した反応に長時間を要するため、所定量の残留γが形成されない。なお、十分な残留γ量を得るためには、保持処理の時間は30s以上とするのが好ましい。なお、残留γを安定して確保するためには60s以上とするのがより好ましい。また、保持処理の時間は600 s以下とするのが生産性の観点から好ましい。なお、本発明でいう保持は、350 ℃から500 ℃の温度範囲における徐加熱や緩冷却としてもよい。
【0050】
【実施例】
表1に示す組成の溶鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法でスラブとした。これらスラブを1150℃に加熱したのち、熱間圧延を行い、熱延板とした。なお、熱間圧延の仕上圧延終了温度を850 ℃から900 ℃の範囲とした。これら熱延板を、酸洗した後、冷間圧延を施し冷延板とした。ついで、これら冷延板に、連続焼鈍ライン(CAL )にて、表2に示す条件の焼鈍処理、冷却・保持処理を施した。なお、焼鈍の加熱温度から680 ℃までは徐冷(冷却速度:1.5 ℃/s)とし、680 ℃から急冷した。
【0051】
得られた鋼板について、固溶N量、微視組織、引張特性、歪時効硬化特性を調査した。
(1)固溶N量の調査
固溶N量は、化学分析により求めた鋼中の全N量から析出N量を差し引いて求めた。析出N量は、上記した定電位電解法を用いた分析法により求めた。
(2)微視組織
各冷延焼鈍板から試験片を採取し、圧延方向に直交する断面(C断面)について、光学顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡を用いて微視組織を撮像し、画像解析装置を用いて、フェライトの組織分率、ベイナイトの組織分率を求めた。また、残留γ量は、鋼板の板厚1/4tの面でX線回折法により測定した。γの(211 )および(220 )面とαの(200 )、(220 )の強度比から残留γの体積率を算出した。
(3)引張特性
各冷延焼鈍板からJIS 5号試験片を圧延方向に採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して歪速度:3×10-3/sで引張試験を実施し、降伏強さYS、引張強さTS、伸びElを求めた。
(4)歪時効硬化特性
各冷延焼鈍板からJIS 5号試験片を圧延方向に採取し、予変形としてここでは5%の引張予歪を与えて、ついで170 ℃×20min の塗装焼付処理相当の熱処理を施したのち、歪速度:3×10-3/sで引張試験を実施し、予変形−塗装焼付処理後の引張特性(降伏応力YSBH、引張強さTS)を求め、BH量=YSBH−YS5%、ΔTS=TSBH−TSを算出した。なお、YS5%は、製品板を5%予変形したときの変形応力であり、YSBH、TSBHは予変形−塗装焼付処理後の降伏応力、引張強さであり、TSは製品板の引張強さである。
【0052】
これらの結果を表2に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
本発明例では、いずれも優れた延性と、優れた歪時効硬化特性を有し、格段に高いBH量、ΔTSを呈した鋼板となっており、部品耐衝撃特性の向上が期待できる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、予変形−塗装焼付処理によりBH量:40MPa 以上およびΔTS:50MPa 以上と、ともに増加する高い歪時効硬化特性と高い成形性とを有する高張力冷延鋼板を、安定して製造でき、産業上格段の効果を奏する。さらに本発明の高張力冷延鋼板を自動車部品に適用した場合、塗装焼付処理などにより降伏応力とともに引張強さも増加して安定した高い耐衝撃特性を有する部品を得ることができる。また、使用する鋼板の板厚を、例えば2.0mm 厚から1.6 mm厚と、従来より1グレード低減することを可能とし、自動車車体の軽量化に充分に寄与することができるという効果もある。また、固溶Nによる強化を利用することにより、Si、Mn等の他の強化元素の含有量を低減でき、溶接性、塗装性を改善できるという効果もある。
Claims (5)
- 質量%で、
C:0.05〜0.30%、 Si:0.4 〜2.0 %、
Mn:0.7 〜3.0 %、 P:0.08%以下、
Al:0.02%以下、 N:0.0050〜0.0250%
を含み、かつN/Alが0.3 以上、固溶状態のNを0.0010%以上含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、体積率で、20〜80%のフェライト相と、10〜60%のベイナイト相と、3.0 %以上15%以下の残留オーステナイト相と、或いはさらに、10%以下のその他からなる複合組織を有することを特徴とする延性およびΔTS:50MPa 以上となる歪時効硬化特性に優れた高張力冷延鋼板。 - 前記組成に加えてさらに、質量%で、下記a群〜c群のうちの1群または2群以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の高張力冷延鋼板。
記
a群:B:0.0003〜0.01%、Cu:0.005 〜1.5 %、Ni:0.005 〜1.5 %、Cr
:0.05〜1.0 %のうちの1種または2種以上
b群:Ti、Nb、V、Zrのうちの1種または2種以上を合計で0.002 〜0.03%
c群:Ca、REM の1種または2種を合計で0.0010〜0.010 % - 前記高張力冷延鋼板の板厚が3.2 mm以下である請求項1または2に記載の高張力冷延鋼板。
- 質量%で、
C:0.05〜0.30%、 Si:0.4 〜2.0 %、
Mn:0.7 〜3.0 %、 P:0.08%以下、
Al:0.02%以下、 N:0.0050〜0.0250%
を含み、かつN/Alが0.3 以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する薄冷延鋼板に、加熱温度を(Ac1変態点)〜(Ac3変態点+50℃)の間の温度とする焼鈍処理と、ついで該加熱温度から、少なくとも600 ℃から500 ℃の範囲を5〜 150℃/sの冷却速度で冷却し、350 〜500 ℃の温度範囲で30s以上の保持を行う冷却・保持処理を施すことを特徴とする、延性およびΔTS:50MPa 以上となる歪時効硬化特性に優れた高張力冷延鋼板の製造方法。 - 前記薄冷延鋼板が、前記組成に加えてさらに、質量%で、下記a群〜c群のうちの1群または2群以上を含むことを特徴とする請求項4に記載の高張力冷延鋼板の製造方法。
記
a群:B:0.0003〜0.01%、Cu:0.005 〜1.5 %、Ni:0.005 〜1.5 %、Cr :0.05〜1.0 %のうちの1種または2種以上
b群:Ti、Nb、V、Zrのうちの1種または2種以上を合計で0.002 〜0.03%
c群:Ca、REM の1種または2種を合計で0.0010〜0.010 %
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